JP2833360B2 - 電離放射線照射によるエンボス成形方法 - Google Patents

電離放射線照射によるエンボス成形方法

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克典 西島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧紙、不織布、及び
樹脂フィルム等の基材シート表面に塗布された電離放射
線硬化型樹脂の表面にエンボス模様を施すための電離放
射線照射によるエンボス成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基材シート表面に紫外線硬化型樹
脂を塗布し、該塗布した樹脂を紫外線(以下UV光と称
す)を透過する円筒状のエンボス型ロール周面に押圧接
触させて、該エンボス型ロール内面側に設置したUV光
照射手段によって該樹脂面にUV光を照射して該樹脂を
硬化させ、硬化後はエンボス型ロール周面から該硬化し
た樹脂を剥離することによって、基材シート上の紫外線
硬化型の樹脂表面に所望パターンのエンボス成形を行な
う方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法にお
いては、UV光硬化型の樹脂を、エンボス型ロールと接
触中に完全に硬化させるために、多量のUV光照射量を
必要としており、そのため、エンボス型ロールとの接触
時間を増大させるために、それに対応してエンボス型ロ
ールの直径を大きくする必要があり、又、UV光による
発熱の問題が発生して、多量且つ高速で生産することは
困難であった。
【0004】又、基材シートに電子線(以下EBと称
す)硬化型の樹脂を塗布した後において、エンボス型ロ
ールにその樹脂が接触中に、基材の裏側からEBを照射
して樹脂を硬化させてエンボスしたり、エンボス型ロー
ルに直接、電離放射線硬化型の樹脂を塗布した後に電離
放射線を照射して硬化させ、エンボスする方法があり、
これらの方法においては、特にエンボス型ロールに接触
中の樹脂のEB照射による硬化効率を良くするために、
エンボス型ロール(エンボス成形手段)を、N2(窒素
ガス)など不活性ガス雰囲気(不活性ガスチャンバー)
内に設置しなければならず、エンボス成形手段が大掛か
りで、複雑になってしまう。
【0005】又、従来の方式では、基材シート上に塗布
された未硬化の樹脂を、エンボス型ロールと押圧接触し
ている間に完全硬化させねばならず、又、エンボス型ロ
ールと接触する際の未硬化の樹脂は粘稠性の液状体であ
り、エンボス型ロールと接触する際に、紫外線の急激な
照射を受けて、樹脂中に気泡を抱き込み易く、エンボス
スピードが上げられなかった。
【0006】本発明は、従来よりもコンパクトなエンボ
ス成形手段によって、従来よりも高速のエンボスができ
るようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の工程、
(1)送行するベースシート面に電離放射線硬化型樹脂
を塗布する工程、(2)上記ベースシート面に塗布した
電離放射線硬化型樹脂を、紫外線透過性のガラス製若し
くは合成樹脂製材料よりなるエンボス型ロール周面に押
圧接触させながら、該エンボス型ロール内面側から電離
放射線硬化型樹脂面に紫外線を照射して該樹脂を半硬化
させエンボス形成する工程、(3)上記半硬化させた電
離放射線硬化型樹脂をベースシートと一緒にエンボス型
ロールから剥離した後、該半硬化させた電離放射線硬化
型樹脂を電子線照射して硬化する工程を含むことを特徴
とする電離放射線照射によるエンボス成形方法である。
【0008】
【実施例】本発明の電離放射線照射によるエンボス成形
方法を、図1の実施例に従って説明する。対向押圧する
1対のロール11a,11b(少なくとも一方のロール
は駆動源にて駆動回転するロール)からなるインフィー
ドロール11によって、巻取(ウエブ)状のベースシー
ト1を送行させて前方に供給する。
【0009】ベースシート1送行方向下流側の該ベース
シート1送行路上には、図1に示すように、ロールコー
ター方式、エクストルーダー方式等による液状体の電離
放射線硬化型樹脂3を塗布する樹脂液塗布手段2を備
え、該樹脂液塗布手段2のベースシート1送行方向下流
側には、エンボス成形手段5と、電子線(以下EBと称
す)照射手段9を備える。
【0010】前記樹脂液塗布手段2下側を送行させた該
ベースシート1を、エンボス成形手段5に導入する。
【0011】該エンボス成形手段5は、所定のエンボス
パターン(凹部6a)を刻設したUV光を透過するガラ
ス製、若しくは合成樹脂製のエンボス型ロール6(駆動
源にて駆動回転)と、該エンボス型ロール6周面に、該
ロール6回転方向上流側に所定の間隔を開けて設けた金
属製若しくはゴム製のガイドロール4(駆動回転若しく
はエンボス金型ロールの回転に従動して回転)と、その
ロール6回転方向下流側に所定の間隔を開けて設けたガ
イドロール8(駆動回転若しくはエンボス金型ロールの
回転に従動して回転)を備え、該ガイドロール4とガイ
ドロール8との間のエンボス型ロール6の内部には、U
V光照射手段7(UV照射源として100w〜200w
程度の高圧水銀灯)を備える。
【0012】又、該エンボス型ロール6内には、該UV
光照射手段7の点灯による発熱(60℃〜100℃)を
冷却するための適宜冷風ブロア手段、冷却水還流手段な
どを設ける。
【0013】前記ガイドロール4とエンボス型ロール6
との離間対向間隔は、ベースシート1の厚味と、塗布し
た電離放射線硬化型樹脂3の塗布厚との総厚値より大き
い値の間隔として、ベースシート1がエンボス型ロール
6周面に円滑に接触するように、ガイドロール4によっ
てガイドするものである。
【0014】なお、前記ガイドロール4とエンボス型ロ
ール6との離間対向間隔を、例えばベースシート1の厚
味と、塗布した電離放射線硬化型樹脂3の塗布厚との総
厚値より小さい値の間隔とすることは可能であり、これ
によって、前記ガイドロール4をエンボス型ロール6に
対するプレスロールとして使用してもよい。
【0015】又、エンボス型ロール6と前記ガイドロー
ル8との離間対向間隔については、ベースシート1の厚
味と、塗布した電離放射線硬化型樹脂3の塗布厚との総
厚値より大きい値の間隔として、ベースシート1がエン
ボス型ロール6周面を通過後にガイドロール7によって
EB照射手段9側にガイドするものであるが、例えばベ
ースシート1の厚味と、塗布した電離放射線硬化型樹脂
3の塗布厚との総厚値より小さい値の間隔とすることは
可能であり、これによって、前記ガイドロール8をエン
ボス型ロール6に対する押さえロール若しくはプレスロ
ールとして使用してもよい。
【0016】紫外線を透過する上記エンボス型ロール6
において、合成樹脂製のエンボス型ロール6を使用する
場合には、エンボス型ロール6内部のUV光照射手段7
によるUV光照射によって重合硬化された後の電離放射
線硬化型樹脂3を、エンボス型ロール6周面から容易に
剥離できるようにするために、該エンボス型ロール6の
製造に使用される合成樹脂は、その合成樹脂溶解度パラ
メータが、該エンボス型ロール6内部のUV光照射手段
7によるUV光照射によって重合硬化された後の電離放
射線硬化型樹脂3の溶解度パラメーターよりも十分大き
い値のものを使用することが必要である。
【0017】なお、上記エンボス成形手段5のエンボス
金型ロール6の周面に形成されるエンボスパターン(凹
部6a)としては、適宜パターンを使用することが可能
であり、例えば、建装材の化粧シートとして利用される
エンボスシートとして、木目柄に同調するような木目調
のエンボスパターンが使用される。
【0018】又、光学シート(例えば、表面にカマボコ
型のレンズを線条に配列したレンチキュラースクリーン
シート、集光性あるいは散光性のエンボス面を備える透
過型若しくは反射型のプロジェクションスクリーンシー
ト)などのエンボスシートをエンボス成形するためのエ
ンボスパターンが使用される。
【0019】図1に示すように、ベースシート1をガイ
ドロール4上側周面によってガイドして、エンボス成形
手段5のエンボス型ロール6周面に半周程度巻付けるよ
うに接触させて、続いてガイドロール8上側周面によっ
てガイドする。
【0020】続いて、上記ガイドロール8によってガイ
ドされた該ベースシート1を、EB照射手段9に導入し
た後、その下流側に設置した互いに対向押圧する1対の
ロール12a,12b(少なくとも一方のロールは駆動
源にて駆動回転するロール)からなるアウトフィードロ
ール12に導入して、該ベースシート1を弛みのない状
態で、所定の送行張力を保持して前方に送行排出するも
のである。
【0021】上記EB照射手段9は、N2 不活性ガスを
還流させたチャンバー10aと、該チャンバー10a内
に設置されたEB照射源10(EB照射源2×106
〜10×106 w)とを備える。
【0022】本発明の電離放射線照射によるエンボスシ
ート製造方法を、図1の実施例に従って以下に詳細に説
明する。まず、インフィードロール11と、アウトフィ
ードロール12とによって、所定の送行張力を付与し
て、弛みなく送行(例えば、40m/分〜80m/分の
スピートにて送行)させたベースシート1表面に、エク
ストルーダー塗布手段2を用いて電離放射線硬化型樹脂
3を所定の塗布厚にて均一に塗布する。ベースシート1
の坪量は、20g/m2 〜150g/m2 程度が適当で
あり、電離放射線硬化型樹脂3の塗布量は、5g/m2
〜150g/m2 程度が望ましい。
【0023】上記電離放射線硬化型樹脂3としては、エ
ンボスシートの製造目的、用途などに応じて、ビニル系
樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、飽和ポリエステル樹脂など熱可塑性樹脂の樹
脂モノマー(必要に応じて適宜溶媒にて希釈して使
用)、若しくはプレポリマー(適宜溶媒にて液状化した
もの)、又はこれらの複合樹脂が使用でき、又、ウレタ
ン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエ
ステル樹脂など熱硬化性樹脂のモノマー(必要に応じて
適宜溶媒にて希釈して使用)が使用される。
【0024】なお、ベースシート1の送行張力は弛みの
ないように適宜設定できるが、余り強い張力を掛けた場
合にはエンボス成形後のエンボスシートに、カールなど
シート内部歪みが発生するので、歪みの発生しない適正
な張力に設定することが必要である。
【0025】続いて、前記電離放射線硬化型樹脂3の塗
布されたベースシート1を、ガイドロール4によってガ
イドして継続送行させながら、その表面に塗布された電
離放射線硬化型樹脂3の液状表面側を、駆動回転するエ
ンボス型ロール6下側周面に半周程度巻き付け導入し
て、該電離放射線硬化型樹脂3をプレスロール6によっ
てエンボス型ロール6のガラス型凹部6a内に押し入れ
ながら、エンボス型ロール6内部よりUV光照射手段7
(UV照射源として100w〜200w程度の高圧水銀
ランプ)によってUV光を照射(エンボス型ロール6周
面からのUV光照射量が、例えば300〜1000mJ
程度となるように照射)して、該ベースシート1の送行
速度と同速の周速度にて駆動回転する該エンボス型ロー
ル6のガラス型凹部6a内に押し込まれている前記電離
放射線硬化型樹脂3を、該型凹部6a内に押し込まれて
いる状態で半硬化させ、ベースシート1表面に、該エン
ボス型ロール6の型凹部6aによるエンボス形状を保持
した状態でエンボス型ロール6周面より剥離できる程度
に半硬化させたエンボス半硬化樹脂3aを得る。
【0026】続いてベースシート1を継続送行させなが
ら、ベースシート1がエンボス型ロール6とガイドロー
ル7との間を通過後は、半硬化したエンボス半硬化樹脂
3aをベースシート1とともにエンボス型ロール6より
剥離して、次のEB照射手段9内に導入する。
【0027】EB照射手段9に導入したベースシート1
上のエンボス半硬化樹脂3aを、チャンバー10a内を
還流する不活性ガスN2 雰囲気のもとで、EB照射源1
0によってEB照射して完全硬化させてエンボス硬化樹
脂3bを得る。
【0028】エンボス硬化樹脂3bの形成されたベース
シート1を、アウトフィードロール12によって排出後
は、適宜巻取手段によってロール状に巻取るか、若しく
はシートカッティングするものである。
【0029】以下に、具体的実施例を示す。 <実施例1>ウエブ状のベースシート(基材)として、
建材用紙(坪量30g/m2 天馬特殊製紙(株)製 T
P30)の片面に、グラビア印刷インキで木目柄を印刷
したものを使用した。
【0030】上記ベースシートを、70m/分の送行速
度にて送行させながら、該ベースシートに印刷された木
目柄上より、透明な電離放射線硬化型樹脂(ダイセル化
学(株)製のEB−1016プレポリマー樹脂に、メル
ク(株)製のDAROCURE1173重合開始剤を
0.1重量%添加したもの)を、ロールコート法にて、
塗布量100g/m2 にて塗布する。
【0031】塗布された該ベースシートを、70m/分
の周速度にて回転するエンボス金型ロール周面の1周以
内(ほぼ半周乃至2/3周、又はそれ以上)に該ベース
シート上の電離放射線硬化型樹脂塗布面をホールドさせ
ながら送行させ、該樹脂塗布面に、該エンボス型ロール
内部に内装する水銀灯(120w)を1灯乃至3灯装備
したUV光照射装置(水銀灯1灯のみ点灯)よりUV光
を照射して、該塗布樹脂を半硬化させる。
【0032】続いて、半硬化した前記電離放射線硬化型
樹脂塗布面をベースシートと一緒にエンボス型ロールよ
り剥離し、電子線源(5×106 w)を装備したEB照
射装置に導入してEBを照射し、半硬化した前記電離放
射線硬化型樹脂を完全に硬化させて、ベースシート上の
印刷木目柄上に樹脂エンボス面を施した木目模様のエン
ボスシートを得た。
【0033】
【作用】本発明の電離放射線照射によるエンボスシート
成形方法は、ベースシート面に塗布した電離放射線硬化
型樹脂をエンボス型ロールに接触させながら該型ロール
内側からのUV光照射により半硬化させてエンボス型ロ
ール周面より剥離した後に、EB照射して完全硬化させ
るエンボス成形方法である。
【0034】エンボス型ロールと電離放射線硬化型樹脂
とが接触している間のUV光照射量は、液状態の電離放
射線硬化型樹脂が、エンボス型ロールから剥離可能な半
硬化状態を生成する程度の照射量で十分であって完全硬
化させる必要がないので、エンボス型ロールと接触中の
電離放射線硬化型樹脂に対するUV光照射量を軽減で
き、又、エンボス型ロールとの接触における従来のよう
な急激な硬化処理を要しないものである。
【0035】
【発明の効果】本発明の電離放射線照射によるエンボス
成形方法は、UV光(紫外線)とEB(電子線)を用い
て電離放射線硬化型樹脂を硬化させることによってエン
ボスシートを製造するエンボス成形方法であって、液状
体の電離放射線硬化型樹脂をエンボス型ロールと接触さ
せながら急激にUV光を照射する際に抱き込まれる気泡
の発生を軽減できる。
【0036】又、エンボス型ロールと接触中の電離放射
線硬化型樹脂に対するUV光の照射量は、エンボス型ロ
ールから剥離可能な半硬化状態を生成する程度の照射量
で十分であるので、エンボス型ロールと電離放射線硬化
型樹脂との接触時間を短縮でき、以てエンボス型ロール
を小型化でき、あるいはベースシートの送行速度を上げ
ることができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電離放射線照射によるエンボス成形方
法における成形工程を説明する側面図である。
【符号の説明】
1…ベースシート 2…塗布手段 3…電離放射線硬化
型樹脂 3a…エンボス半硬化樹脂 3b…エンボス硬化樹脂
4…ガイドロール 5…エンボス成形手段 6…エンボス型ロール 6a…
型凹部 7…UV照射手段 8…ガイドロール 9…EB照射手
段 10…EB照射源 11…インフィードロール 12…
アウトフィードロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 59/16 B29C 59/16 B32B 3/30 B32B 3/30 31/28 31/28 // B29K 105:24 105:32 (72)発明者 石川 剛史 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 審査官 細井 龍史 (56)参考文献 特開 平2−131175(JP,A) 特開 昭63−14340(JP,A) 特開 平1−85232(JP,A) 特開 平1−247159(JP,A) 特開 平2−176000(JP,A) 特開 平4−200777(JP,A) 実開 平4−11620(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 3/06 B05D 5/06 B29C 59/00 - 59/04 B29C 59/16 B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程を含むことを特徴とする電離放
    射線照射によるエンボス成形方法。 (1)送行するベースシート面に電離放射線硬化型樹脂
    を塗布する工程、(2)上記ベースシート面に塗布した
    電離放射線硬化型樹脂を、紫外線透過性のガラス製若し
    くは合成樹脂製材料よりなるエンボス型ロール周面に押
    圧接触させながら、該エンボス型ロール内面側から電離
    放射線硬化型樹脂面に紫外線を照射して該樹脂を半硬化
    させエンボス形成する工程、(3)上記半硬化させた電
    離放射線硬化型樹脂をベースシートと一緒にエンボス型
    ロールから剥離した後、該半硬化させた電離放射線硬化
    型樹脂を電子線照射して硬化する工程。
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