JP2831865B2 - 継目無鋼管の傾斜圧延方法 - Google Patents
継目無鋼管の傾斜圧延方法Info
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Description
無鋼管の傾斜圧延方法に関する。
にして一対のバレル型ロール1a,1bを有している。
この一対のロール1a,1bは数度の表面角を付与さ
れ、パスラインに対して傾斜して配置されている。加熱
されたビレットなどの被圧延材4はロール1a,1bに
よって回転を与えられつつ前進し、その間に受ける回転
鍛造効果によってその中心部に穴が明き易くなり、プラ
グ5の先端により穿孔されホロー3となる。このような
従来の穿孔方法では、9%Cr鋼、13%Cr鋼などの
高合金鋼を連続して穿孔するとロール1a,1bと被圧
延材とのすべりが増加し、被圧延材の前進速度が低下す
るので、被圧延材にはプラグ5の先端で穿孔される前に
回転鍛造により中心部に穴が明き、これが穿孔後に内面
疵として残り易くなる。
平2−251305号公報に示されるように、ロール改
削時にローレット加工やナーリング加工によってあらか
じめロール表面に凹形状を付与する方法、あるいは特開
平3−77708号公報に示されるように、圧延中にオ
ンラインでこれらの加工を行ってロール表面に凹形状を
付与する方法がある。これらの方法で付与されたロール
表面の凹形状は、ロールへの被圧延材の噛み込み性を向
上させる目的には適しているが、噛み込み後の被圧延材
の前進速度を向上させる目的を達成させるには必要な凹
形状の深さが深すぎて圧延後の被圧延材の表面に痕跡を
残してしまうという別の問題がある。さらに、オンライ
ンでロール表面に凹形状を付与する装置は傾斜圧延機内
に設置するには大きすぎる難点もある。
公報に示されるように、ロールの開き量を被圧延材の入
側直径に対してある範囲に特定する技術、あるいは特開
昭63−49308号公報に示されるように、ロール開
き量だけでなくプラグリード量、ロール傾斜角、ロール
交叉角などを変化させて圧延する技術などが開示されて
いるが、これらの技術のように圧延条件を変更すると、
圧延で被圧延材に所定の寸法を付与することができない
という問題がある。
無鋼管の傾斜圧延方法において、被圧延材の外面の表面
性状を損ねることなく、かつ圧延条件の設定変更も行う
ことなしに、被圧延材とロールとの間のすべりを軽減し
て、内面疵の防止をはかるものである。
損耗してロール表面が被圧延材とすべり易くなっても、
ロール表面と被圧延材との間に増摩作用を発揮しうる物
質を供給しながら圧延することによってロール表面と被
圧延材とのすべりを軽減することを可能にするものであ
り、傾斜穿孔機にて鋼管の穿孔圧延を行うに際し、ロー
ルと被圧延材との間のすべりを軽減させるため、金属、
金属炭化物、金属窒化物、金属炭窒化物、金属酸化物、
およびけい素化合物の粉粒体から選ばれた1種又は2種
以上の混合物と高分子ポリマ0.1〜20重量%とを水
に分散させた増摩剤を、ロールと被圧延材との間に介在
させながら圧延することを特徴とする継目無鋼管の傾斜
圧延方法を提供する。
とにロールの表面を調査した。また高合金鋼圧延時には
数十本ごとにロール表面を調査し、被圧延材とロールと
の間のすべりの指標である穿孔効率ηとロール表面性状
との対比を行った。ここで、穿孔効率ηとは、傾斜ロー
ルの周速度の被圧延材前進方向成分VR-X と被圧延材の
前進速度VM-X とを用いて、(1)式のように定義され
る値で、ηが小さいほど被圧延材とロールとの間のすべ
りが大きいと判断することができる。
ηも増減することが明らかになった。圧延本数が大幅に
増加するとロール表面の損耗によってロール表面粗さが
低下する。この結果、ロール表面が被圧延材とすべり易
くなるのである。特に、高合金鋼圧延時は普通鋼圧延時
と比較して負荷が非常に高いので、急速にロール表面が
損耗し、ロール表面が被圧延材とすべり易くなり、内面
疵が発生し易くなる。
ることとした。ロール表面と被圧延材の接触面内のよう
な高温かつ高圧下で増摩作用を発揮しうるために、本発
明に用いる増摩剤中に含有させる粉粒体としては、鉄粉
などの金属粉粒体、タングステンカーバイド、チタンカ
ーバイド、ニオブカーバイドなどの金属炭化物、アルミ
ナ、ジルコニアなどの金属酸化物、立方晶系窒化硼素、
チタンナイトライドなどの金属窒化物、ニオブカーボナ
イトライドなどの金属炭窒化物、炭化けい素、酸化けい
素などのけい素化合物のような高硬度物質の粉粒体が適
している。これらの粉粒体を高分子ポリマとともに水に
分散させて、増摩剤とする。増摩剤のスプレー噴射によ
る安定供給をはかり、本発明の効果を達成させるために
は、粉粒体としては、造粒、分粒、細粒などによって、
平均5μm〜500μmにされた粉粒体を用い、これを
増摩剤中に5〜50重量%含有させることが好ましい。
ボキシメチルセルロース、デンプンリン酸エステルアン
モニウム、アルギン酸ソーダなどの天然高分子ポリマや
ポリビニルピロリドン、架橋型アクリル樹脂、ポリエチ
レンオキサイドなどの合成高分子ポリマから選ばれた1
種又はこれらの2種以上の混合物を用いる。なお、高分
子ポリマとしてザンサンガムなどを用いる理由は、これ
らの高分子ポリマの増粘効果によってロール表面に対し
て良好な付着性能を付与することができる点や、これら
の高分子ポリマが炭化けい素などの粉粒体に対して親和
性を持つため粉粒体を水中に均一分散させることができ
るからである。また、これらの高分子ポリマのうちザン
サンガム、架橋型アクリル樹脂、カルボキシメチルセル
ロースの3種が入手容易で、かつ安価であり、好まし
い。スプレー噴射による増摩剤の安定供給を考慮する
と、これら高分子ポリマの増摩剤中への添加量をいずれ
も0.1〜20.0重量%の範囲内にすることが好まし
い。
は、油分によるロール表面と被圧延材とのすべりの増加
効果を排除するためである。スプレー噴射による増摩剤
の安定供給を考慮すると、本発明の効果を達成させるに
は、増摩剤の供給量を0.1〜20kgw/min−r
ollの範囲内にすることが好ましい。
適用した。ディスクロール型ガイドシューを備えた穿孔
圧延機のロールに、表1〜表5に配合を示した高硬度粉
粒体と高分子ポリマとを水に分散させた各増摩剤を0.
1〜0.3kgw/min−rollスプレー塗布しな
がら、圧延温度1100〜1250℃で直径58mmの
13%Cr鋼ビレットを、直径55〜65mm、肉厚3
〜6mmのホローに穿孔圧延した。比較のために増摩剤
を供給しない通常の圧延も行った。
摩剤の影響を図3に示した。増摩剤を供給しない通常の
圧延の場合ロール表面粗度の低下にともなって穿孔効率
が低下し、すべりに起因する圧延不能も発生する。しか
し、増摩剤を用いた実施例の場合、穿孔効率はロール表
面粗度にほとんど影響されず、約60〜65%である。
これは、本発明に用いる増摩剤中の粉粒体がロール表面
と被圧延材との間で増摩作用を発揮した結果と判断され
る。また、圧延後のホロー表面に該粉粒体の噛み込み疵
も確認されなかった。
延方法を直径210mm以下のビレット12000本の
圧延のサイクルに適用した。本圧延サイクルにおいて、
圧延開始から7001本目から7500本目にかけて1
3%Cr鋼が連続して圧延され、その他はすべて一般炭
素鋼が圧延された。本サイクルのすべての圧延に本発明
による増摩剤の供給圧延方法を適用した。また比較のた
めに、同様の圧延サイクルすべてを増摩剤を供給しない
通常の方法でも圧延した。本発明の適用方法の概略を図
1に示す。被圧延材(ホロー3)はガイドシュー2a,
2bに案内されながら、ロール1a,1bによって傾斜
圧延される。ロール1a,1bと被圧延材との間に、増
摩剤7がスプレーノズル6により噴射される。用いた増
摩剤は平均粒径150μmの炭化けい素15重量%を架
橋型アクリル樹脂1重量%とともに水に分散させたもの
で、標準条件で5kgw/min−rollの量をスプ
レー噴射で各ロールに供給した。
%Cr鋼圧延時の穿孔効率ηに及ぼす本発明の影響を図
4に示す。増摩剤を供給しない通常の圧延では圧延本数
の増加にともなって穿孔効率ηが急激に低下し、332
本目でスリップによる穿孔不能も発生し、ロール傾斜角
度を増加させるなどの処置をとることを余儀なくされ
た。一方、本発明による増摩剤を供給する圧延を適用す
れば、圧延本数の増加にかかわらずηは約75%の値を
保持しつづけることができた。また従来法による圧延時
には内面疵の発生数は28本であったのに対し、本発明
による増摩剤を供給しながらの圧延の適用により、内面
疵発生は2本のみに減少した。この2本に発生した内面
疵もビレット素材の中心欠陥に起因するものと断定され
ており、本発明の実施によって実質上内面疵は解消され
た。
一般炭素鋼圧延時のηに及ぼす本発明の影響を図5に示
す。従来、10001本目でηは約65%であるが、そ
の後12000本目までに圧延本数の増加にともなって
ηは約50%にまで低下している。この場合、スリップ
による穿孔不能と内面疵の発生を予防するために、ロー
ル替えが行われている。しかし、本発明の実施により、
ηは約70〜75%を維持されることが確認された。こ
れによって、ロール替えせずにさらに数千本の圧延に対
して同じロールを使用することが可能となった。
状の悪化を防止し、かつ穿孔圧延機のロール寿命を延ば
すことができるようになった。
影響について小型試験用圧延機を用いて調査した結果で
ある。
孔効率低下防止効果である。
効率低下防止効果である。
イドシュー 3 ホロー 4 被圧延材 5 プラグ 6 スプレーノ
ズル 7 増摩剤
Claims (1)
- 【請求項1】 傾斜穿孔機にて鋼管の穿孔圧延を行うに
際し、ロールと被圧延材との間のすベりを軽減させるた
め、金属、金属炭化物、金属窒化物、金属炭窒化物、金
属酸化物、及びけい素化合物の粉粒体から選ばれた1種
又は2種以上の混合物と高分子ポリマ0.1〜20重量
%とを水に分散させた増摩剤を、ロールと被圧延材との
間に介在させながら圧延することを特徴とする継目無鋼
管の傾斜圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3223998A JP2831865B2 (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 継目無鋼管の傾斜圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3223998A JP2831865B2 (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 継目無鋼管の傾斜圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0557307A JPH0557307A (ja) | 1993-03-09 |
JP2831865B2 true JP2831865B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=16806987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3223998A Expired - Lifetime JP2831865B2 (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 継目無鋼管の傾斜圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2831865B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6021111A (ja) * | 1983-07-14 | 1985-02-02 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 継目無鋼管の穿孔圧延方法 |
JPH0230312A (ja) * | 1988-04-18 | 1990-01-31 | Kawasaki Steel Corp | 継目無鋼管の熱間圧延方法 |
JPH0230311A (ja) * | 1988-04-18 | 1990-01-31 | Kawasaki Steel Corp | 継目無鋼管の傾斜圧延方法 |
JP2846497B2 (ja) * | 1991-03-19 | 1999-01-13 | 川崎製鉄株式会社 | 熱間圧延方法及び表面処理剤 |
-
1991
- 1991-09-04 JP JP3223998A patent/JP2831865B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0557307A (ja) | 1993-03-09 |
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