JP2831169B2 - Cbn膜の形成装置 - Google Patents

Cbn膜の形成装置

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JP2831169B2 JP19035591A JP19035591A JP2831169B2 JP 2831169 B2 JP2831169 B2 JP 2831169B2 JP 19035591 A JP19035591 A JP 19035591A JP 19035591 A JP19035591 A JP 19035591A JP 2831169 B2 JP2831169 B2 JP 2831169B2
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頴彦 塚本
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勝保 花中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化ホウ素、特に立方
晶窒化ホウ素の結晶粒を含む硬質であり、熱伝導性電気
絶縁性に優れた窒化ホウ素膜の形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ホウ素の形成方法として、化学的蒸
着法(CVD)及び物理的蒸着法(PVD)がある。
【0003】CVDはハロゲン化ホウ素、またはジボラ
ン(B2H6)といったホウ素化合物と窒素またはアンモニ
アをチャンバー内で熱励起法等の手段を用いて分解,活
性化し、これを基材上に堆積させる方法である。
【0004】PVDには、イオンビームスパッタリン
グ、イオン蒸着法及びスパッタリングによるcBN成膜
が公表されている。
【0005】イオンビームスパッタリングは、図4に示
すように、基材4にホウ素をイオンビームスパッタリン
グで供給しながら、窒素イオンを含むアルゴンイオンを
照射する方法である。つまり、基材4に窒素を含む希ガ
スイオン13をイオン銃2より供給しつつ、イオンビー
ムスパッタリング用イオン銃28からアルゴン等の希ガ
スイオン29をイオンビームスパッタ用ホウ素ターゲッ
ト15に照射し、ホウ素を飛び出させ(図中16で示
す)供給する。この時、イオンビームスパッタ用ホウ素
ターゲット15が誘電体であるためチャージアップして
ニュートラライザ17により電子30を照射し、チャー
ジアップを防止する。図中の符号で、1は真空槽、3は
真空ポンプ、10,19はガス導入口、11はイオン源
電源、18はニュートラライザ電源である。
【0006】イオン蒸着法は、図5に示すように、基材
4にホウ素を電子線加熱蒸発源20より蒸発させて供給
しながらイオン銃2より窒素を含む希ガスイオン13を
供給する方法である。図中の符号で21はホウ素浴、2
2はホウ素蒸気である。
【0007】スパッタリングは、図6に示すように、真
空槽3内に窒素を含む希ガスを導入口25より導入し基
材4及びスパッタリングターゲット23と真空槽3の間
で放電させ、スパッタリングターゲット23中のホウ素
を飛び出させ基材4に供給し、また窒素を含む希ガスイ
オンも基材4に引きつける。つまり、基材4及びスパッ
タリングターゲット23は真空槽3に対して陰極側とな
っている。図中の符号で26は磁石、27は高周波電源
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】CVDでは、高硬度の
窒化ホウ素膜が得られない。つまり硬い立方晶のホウ素
(cBN)に多くの軟かい六法晶窒化ホウ素(hBN)
が混在しているためである。
【0009】PVDについては硬い立方晶の窒化ホウ素
が得られているが、次に示す不具合がある。
【0010】イオンビームスパッタ法においては、スパ
ッタ用のイオン銃28が必要で、つまり、窒素とアルゴ
ンイオン用のイオン銃2とホウ素をスパッタするための
イオン銃28の2式のイオン銃が必要である。さらにタ
ーゲットとして窒化ホウ素またはホウ素単体を用いる
が、これらは導電性が不十分で、イオンビームの運ぶ電
荷によってチャージアップを起こしてしまいホウ素をス
パッタリングできなくなってしまうという問題がある。
そこで、ニュートラライザ(熱電子発生装置)を用い
て、イオンを中和することが必要である。以上のように
高価で複雑かつ制御パラメーターの多い装置を用いる必
要があり、実用レベルでの適用は難しい。また、図4に
示すように、ホウ素の供給源であるイオンビームスパッ
タリング部がスペースを要し、大きな真空容器、真空ポ
ンプが必要となる。この傾向は特に、複数個のホウ素供
給源、イオン供給源を設置し3次元形状部材に成膜する
際に顕著となる。
【0011】イオン蒸着法は、窒素、希ガス用のイオン
銃を1台必要とするが、ホウ素の供給源としては取り扱
いの容易な電子ビーム加熱の蒸発源を1式用いるだけで
比較的簡便である。しかし蒸発源ではホウ素を溶融する
ため、基材4に対して下側に設置しなければならず、設
置位置の自由度が小さい。すなわち、三次元の基材に対
して全方位から成膜することが不可能で、基材の回転を
含めて成膜に時間を要する。また、溶融ホウ素から蒸発
させるため、脱ガス、突沸によるスプラッシュが多く皮
膜ピンホール等の欠陥ができやすい。
【0012】スパッタリングは、立方晶窒化ホウ素に多
くの軟かい六方晶ホウ素が混在してしまう。
【0013】以上により、簡便安価な構成で、全姿勢成
膜が可能なCBN膜の形成装置が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、背面に磁石を備え前面にアルゴンガ
ス噴出口を備えたホウ素ターゲットと、該ターゲットの
前面に該ターゲットとの間で放電を行なう電極を備えて
なる放電スパッタリング装置と、窒素を含む希ガスのイ
オンを発生させるイオン銃と、前記放電スパッタリング
装置からのホウ素と前記イオン銃からのイオンの照射を
受けて薄膜を形成する基材とからなることを特徴とす
る。
【0015】
【作用】基材に対してホウ素を供給しつつ窒素を含む希
ガスイオンを照射する。磁石によりプラズマの密度を濃
くし、スパッタリングの効果を高める。窒素を含む希ガ
スイオンは、イオン銃により基板に供給され、基板上で
窒化物が形成される。
【0016】
【実施例】図1には本発明の一実施例に係るCBN膜の
形成装置の概略構成、図2にはスパッタリング電極部の
詳細状況を示してある。
【0017】図1に示すように、真空容器内にホウ素の
供給源として、スパッタリング電極7,9を、窒素を含
む希ガスイオンの供給源としてイオン銃2を配置し、基
材4に対してホウ素14を供給しつつ窒素を含む希ガス
イオン13を照射する。
【0018】スパッタリング用のガスとしてArをスパ
ッタリング用ガスの導入口6より導入し、スパッタリン
グ電極7とスパッタリング電極9の間で放電させ、陰極
であるスパッタリング電極7とArイオンでたたきホウ
素を飛び出させる。ここでプラズマ12の密度を濃くし
スパッタリングの効率を高めるための磁石8を設置して
いる。一方、窒素を含む希ガスイオン13はイオン銃2
より基板4に供給され基板4上で窒化物が形成される。
立方晶窒化ホウ素が得られる条件については後述する。
【0019】図1において、スパッタリングターゲット
を貫通したAr供給口は1個のみ記載されているが、A
rイオンのスパッタリング効率を高めるためには、複数
個の供給口を設けた方が良い。
【0020】従来法の場合、2式のイオン銃及びイオン
銃用電源に加え1式のニュートラライザーが必要である
が、図1で示した装置では1式のイオン銃及びイオン銃
用電源と、簡便・安価なスパッタ電極及び電源で成膜が
可能となる。また、真空槽内でのホウ素供給源の必要ス
ペースも小さくなり、真空槽、真空ポンプを小さくでき
る。
【0021】ホウ素の供給源として固体のスパッタリン
グターゲットを用い、固体の表面からホウ素を供給する
ため、全姿勢からの成膜が可能である。
【0022】以上のように、イオン併用スパッタ成膜に
より、膜質の優れた立方晶窒化ホウ素を成膜することが
できる。
【0023】従来法と比較すると表1のとおりとなる。
総合判定基準は硬い良質な膜ができない方法には×、膜
はできるが装置構成上問題があるものを△、すべて満足
するものを○とした。
【0024】
【表1】
【0025】立方晶窒化ホウ素が得られる条件について
説明する。
【0026】表2に示す条件で成膜を行なった。基材4
は、厚さ0.5mm、面方向(111)のSiウエハを用い
た。
【0027】
【表2】
【0028】結晶構造の同定は赤外分光分析により行な
った。つまり、軟かい六方晶窒化ホウ素は約1400cm
-1、880cm-1の波数で吸収を示すが、立方晶窒化ホウ
素は約1080cm-1で吸収を示すため、結晶構造の同定
が可能である。
【0029】結果を図3に示す。ホウ素の供給速度が一
定の場合適当な電流密度範囲で立方晶窒化ホウ素の生成
を確認した。つまり、イオン電流密度400μA/cm2
立方晶窒化ホウ素の形成をしめす吸収が1080cm-1
ところに生じ、 600μA/cm2 ではそれがさらに強くなる
と同時に、六方晶窒化ホウ素を示す780cm-1、140
0cm-1の吸収が低下する。さらに電流密度が高くなると
780cm-1、1400cm-1の吸収は著しく小さくなり、
1080cm-1が著しく大きくなり大部分のホウ素と窒素
の結合が立方晶窒化ホウ素の結合となったことがわか
る。
【0030】
【発明の効果】本発明のCBN膜の形成装置では、良質
な立方晶窒化ホウ素の皮膜が簡便安価でしかもコンパク
トに、3次元形状部材へも部材を駆動することなく成膜
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るCBN膜の形成装置の
概略構成図。
【図2】スパッタリング電極部の詳細図。
【図3】窒化ホウ素皮膜の赤外分光分析結果を表わすグ
ラフ。
【図4】イオンビームスパッタリング装置の概略構成
図。
【図5】イオンビーム蒸着装置の概略構成図。
【図6】スパッタリング装置の概略構成図。
【符号の説明】
2 イオン銃 4 基材 6 導入口 7 スパッタリング電極 8 磁石 9 スパッタリング電極 12 プラズマ 13 希ガスイオン 14 ホウ素
フロントページの続き (72)発明者 花中 勝保 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 小林 敏郎 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−18050(JP,A) 特開 昭63−18051(JP,A) 特開 平3−153861(JP,A) 特開 昭60−218464(JP,A) 特開 昭61−201772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背面に磁石を備え前面にアルゴンガス噴
    出口を備えたホウ素ターゲットと、該ターゲットの前面
    に該ターゲットとの間で放電を行なう電極を備えてなる
    放電スパッタリング装置と、窒素を含む希ガスのイオン
    を発生させるイオン銃と、前記放電スパッタリング装置
    からのホウ素と前記イオン銃からのイオンの照射を受け
    て薄膜を形成する基材とからなることを特徴とするCB
    N膜の形成装置。
JP19035591A 1991-07-30 1991-07-30 Cbn膜の形成装置 Expired - Fee Related JP2831169B2 (ja)

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