JP2830449B2 - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、インク流路等のインクに接する部分の少な
くとも一部が、熱硬化性樹脂で構成されているインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法に関するものである。
(従来の技術) インクジェット記録ヘッドについて、従来、インク流
路等インクに接する部分を形成する材料として、コスト
や生産性、加工性の面から特開昭57−43876号公報に記
されているようにアクリル系樹脂を主成分とした感光性
固体フィルムタイプのものが多く用いられてきた。
しかし、アクリル系樹脂を主成分とした感光性樹脂の
硬化膜を用いてインク流路壁を形成したインクジェット
記録ヘッドでは、記録時間が長くなると、ノズルからの
インクの不吐出や、吐出したインク滴の記録媒体(紙
等)への印字位置精度の悪化が生じるなど、記録ヘッド
としての吐出耐久性には不満足な面が多く、これら問題
は、インクジェット記録ヘッド、ひいてはインクジェッ
ト記録法の高信頼度への大きな障害となっていた。
このような問題を解決するために、特開昭61−249767
号公報に記載されているように、インク流路等インクに
接する部分を形成する材料としてポリイミド系樹脂やポ
リアミド系樹脂等が採用され、その結果、インクジェッ
ト記録ヘッドとしての耐久性が向上し、高信頼性を得る
ことができるようになった。
一方、特開昭62−33648号公報に記されているよう
に、気泡の成長領域を限定したり、ノズルからの空気の
抱き込み防止を目的とする凹部(加熱素子はこの凹部内
に配置されており、この凹部をピットという。)の形成
にも熱硬化性樹脂が有効に利用されている。
このような熱硬化性樹脂層を形成する方法としては、
通常、所望の樹脂のワニスをガラスセラミックやSiウェ
ハ等の基板に塗布した後、所望のパターンを形成し、そ
の後処理を行なうことによって硬化させる方法が採用さ
れている。
しかし、当然のことながら、前記熱処理を行なうこと
によって前記樹脂層は熱収縮し、その結果として熱処理
後の前記樹脂層により形成されたパターンの端が、額縁
状に盛り上がるという現象が発生する。
第6図は、その現象モデル図である。図中、1はヒー
ター基板、4はピット層としての樹脂層、9はチャンネ
ル基板であり、同図(A)は、パターン露光、現像後、
加熱硬化処理前の状態、同図(B)は、加熱硬化処理後
の状態を示す。同図(A)の状態にある樹脂層4を、例
えば400℃で加熱すると、熱収縮は、膜厚方向に生ずる
と同時に、平面方向にも生ずる。また、硬化は、エッジ
部分が先に進む。樹脂層4が基板1に接している部分の
寸法は変化しないから、樹脂層内部には大きな歪を生
じ、樹脂層の端部には、同図(B)に示すような盛り上
がり部分aが額縁状に発生する。
盛り上がりの度合いの1例を第7図で説明する。樹脂
層として、Probimide(登録商標)(Ciba−Geigy社製)
を用いて、350℃で2時間加熱した例である。図の横軸
は、硬化前の樹脂層の厚さであり、縦軸は、硬化後の樹
脂層の厚さD[μm]と、その上に、盛り上がりの高さ
d[μm]を加えたものである。膜厚が厚いほど盛り上
がりの高さdが大きく、その傾向がより大きくなること
がわかる。
このような現象が発生すると、インクジェット記録ヘ
ッドとして組み上げる時に、次のような不具合が生じ
る。
すなわち、インクジェット記録ヘッドのノズルを形成
する方法としては、第4図に示すように、ヒーター基板
1に、図示しない熱作用部を形成し、その上に上述した
樹脂で所望のパターンにピット層4を形成した後、この
ヒーター基板に、ノズル10、フィルタ11、インク供給口
12を形成したチャンネル基板9を接着する方法や、第5
図に示すように、熱作用部を形成したヒーター基板1
に、上述した樹脂で隔壁14を形成し、その上に上部基板
としての天板13で覆い、ノズル10を形成する方法が採用
されているが、どのような場合でも、通常の形成方法で
は熱処理を行なう限り、必ずパターンの端が額縁状に盛
り上がるという現象が発生する。
このようなパターンの端の額縁状の盛り上がりは、上
述したように、樹脂の膜厚と大きな相関があり、厚くな
るほど大きくなることがわかっている。したがって、膜
厚が薄い場合にはそれほど問題にならないが、インクジ
ェット記録ヘッドとしての実用性を考慮するならば、少
なくとも5〜100μm程度の比較的厚い樹脂層が必要で
あるから、従来の方法ではパターンの端が額縁状に盛り
上がってくることは避けられない。その結果、前述のチ
ャンネル基板や天板との密着が完全にできず、歩留まり
を低下させるとともに、インクジェット記録ヘッドとし
ての信頼性を著しく低下させていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、熱硬化性樹脂層でインク流路の少なくとも
一部を形成した基板と、該基板に張り合わされる基板と
により構成されるインクジェット記録ヘッドの製造方法
において、熱硬化性樹脂により形成されたパターンの端
に発生する額縁状の盛り上がりを防止することによっ
て、高信頼性のインクジェット記録ヘッドが得られる製
造方法を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、第1発明においては、熱硬化性樹脂層でイ
ンク流路の少なくとも一部を形成した基板と、該基板に
貼り合わされる基板とにより構成されるインクジェット
記録ヘッドの製造方法において、前記熱硬化性樹脂層を
複数層パターニングして重ね合わせて形成することを特
徴とするものであり、第2発明においては、第1発明に
おける複数層の熱硬化性樹脂層を重ね合わせて形成する
に際して、下層をパターニングした後、その上の層を下
層より大きくパターニングすることを特徴とするもので
あり、第3発明においては、第1発明における複数層の
熱硬化性樹脂層を重ね合わせて形成するに際して、下層
をパターニングした後、その上の層を下層より小さくパ
ターニングすることを特徴とするものであり、第4発明
においては、第1発明における複数層の熱硬化性樹脂層
を重ね合わせて形成するに際して、下層をパターニング
し、硬化させた後、その上の層を下層より薄く形成して
パターニングすることを特徴とするものである。
(作 用) 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造方法に
よれば、熱硬化性樹脂層を複数層パターニングして重ね
合わせて形成することにより、少なくとも最上層の熱硬
化正樹脂層の熱硬化処理前のパターン端部を、丸みをも
たせた形状とすること、あるいは、下層を硬化させた
後、その上の層を薄く形成することにより、熱硬化処理
時に収縮による最上層の樹脂層の盛り上がりを、わずか
な程度に抑えることができるものである。
(実施例) 本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、熱
硬化性樹脂層を所要のパターンで複数回それぞれ所定の
厚さで積層成膜することにより、パターンの端の額縁状
の盛り上がりが防止できることを発見したもので、以下
に、その一実施例の工程を説明する。
ガラス、セラミック、Siウェハ等の基板の上にあら
かじめ所望の材料で所望のパターンを形成し、その上に
熱硬化性樹脂のワニスをスピンコート、ロールコート等
の方法で塗布する。
ベーキングを行ない、熱硬化性樹脂ワニスを乾燥さ
せる。
所望のパターンに対応したマスクを介して熱硬化性
樹脂ワニスを露光する。
熱硬化性樹脂ワニスに適した方法で現像を行ない、
所望のパターンを形成する。なお、感光性を有しない熱
硬化性樹脂を使用するときには、上記の後、適当なレ
ジストを塗布してから露光、現像を行なう。
適当な温度で適当な時間だけベーキングを行ない、
熱硬化性樹脂を硬化させる。
さらに、その上に再び熱硬化性樹脂のワニスをスピ
ンコート・ロールコート等の方法で塗布する。
ベーキングを行ない、熱硬化性樹脂ワニスを乾燥さ
せる。
上記からの工程を繰り返す。この場合露光パタ
ーンは、前工程のパターンに合わせ適当な寸法関係にな
るようにする。
この後、必要な回数だけからの工程を繰り返
す。
ただし、の工程に関しては、必ずしも各層ごとに行
なう必要はなく、最後に1回行なえば良い場合もある。
このようにして、得られた熱硬化性樹脂の層は、少な
くとも最上層における盛り上がりは、僅かなものとな
り、これに貼り合わせられる基板との密着性が良好なも
のとなる。
以下、図面を参照しつつ、より詳細に本発明の実施例
を説明する。
第1図は、インクを加熱して気泡を発生させインク滴
を形成して記録を行なうタイプのインクジェット記録ヘ
ッドのピット部分に本発明を適用した実施例である。図
中、1はヒーター基板、2は抵抗体層、3aは個別電極、
3bは共通電極、41a,41b,42a,42bは熱硬化性樹脂層、5,6
は抵抗体保護層、7は電極保護層、8は蓄熱層である。
まず、Siウェハ、セラミック、ガラス等のヒーター基
板1上に、蓄熱層8を設け、抵抗体層2を蒸着、スパッ
タ等により着膜し、所望の形状にパターニングする。次
に、電極層を着膜し、パターニングして個別電極3a、共
通電極3bを形成する。さらに、抵抗体保護層5,6を着膜
し、パターニングする。次に、電極保護層7を着膜し、
パターニングした後、熱硬化性樹脂によりピット層を形
成する。ピット層の厚さは5〜100μm程度であり、よ
り好ましくは20〜40μm程度である。
ピット層に適する具体的な市販の熱硬化性樹脂として
は、例えばPIMEL(登録商標)のG6000(旭化成社製),L
ITHOCOAT(登録商標)のPI−400T,PI−410(宇部興産社
製),Selectilux(登録商標)のHTR3−200(Ciba−Geig
y社製),Probimide(登録商標)の337,348,349,412(Ci
ba−Geigy社製),Photoneece(登録商標)のUR3840,UR3
600(東レ社製),Pyralin(登録商標)のPI−2702D(Du
−Pont社製)などの感光性ポリイミドワニスや、PIQ−6
700,PIQ−3200,PIX−3400,PIX−3500,PIQ−3600,PIX−8
103,PIX−8203(日立化成社製)Semicofine(登録商
標)のSP−480(東レ社製),Pyralin(登録商標)のPI
−2525,PI−2611D,(Du−Pont社製),LITHOCOAT(登録
商標)のSI−100,SI−110,SI−500,SI−510(宇部興産
社製),Probimide(登録商標)の293(Ciba−Geigy社
製)などのポリイミドワニスや、LITHOCOAT(登録商
標)のPA−100(宇部興産社製)などの感光性ポリアミ
ドワニスや、Probimide(登録商標)の10,32(Ciba−Ge
igy社製)などのポリイミドアミドワニス等がある。
この実施例では、感光性ポリイミドワニスであるProb
imide(登録商標)の348などを用いて、ピット層を2層
で構成した場合についてその作製方法を説明するが、用
いる熱硬化性樹脂の種類等に応じて任意のものを用いる
ことができることは言うまでもない。
まず感光性ポリイミドワニスをスピンコート、ロール
コートなどの方法で塗布する。このときの塗布方法は、
熱処理後の収縮分と2層構成であることを考慮した上
で、必要とする厚さによって任意に選択される。なお、
下地材料との密着性を向上させるために感光性ポリイミ
ドワニスを塗布する前に、アミノシラン系等の接着促進
剤を塗布しておいても良い。次に、必要に応じてプリベ
ークを施す。プリベーク条件は、特に限定されるもので
はないが、この実施例では110℃,25分とした。プリベー
ク終了後、所望のパターンを有するマスクを介して露光
を行なう。マスクの大きさは、目的とするピットの開口
より大きいものとした。露光量は、特に限定されるもの
ではないが、この実施例では、400mJ/cm2(波長365nm、
405nm、436nmの総計露光量)とした。(第1図(A)) 露光終了後、Probimide(登録商標)348用の現像液QZ
3301を用いて、未露光部の熱硬化性樹脂層41bを溶解除
去して、所望のパターンを形成する。(第1図(B)) この後、必要に応じてProbimide(登録商標)348用の
リンス液QZ3311,QZ3312でリンスを行なう。
次に、再び前述したのと同様にして、Probimide(登
録商標)348を塗布し、プリベークを行なう。このとき
2層目の熱硬化性樹脂層42bの表面には、1層目の熱硬
化性樹脂層41aによって形成されたパターンに対応して
ある程度の凹凸が形成される。(第1図(C)) 一般的に、下地の凹凸を平坦化するために、ポリイミ
ド等を使用したりするが、本実施例のように、下地がお
おむね5μm以上の凹凸を有する場合には、明らかに下
地パターンに対応した凹凸が形成される。次に、露光を
行なう。この時使用するマスクは、1層目に使用したマ
スクとは異なり、各非露光領域42bが、1層目に使用の
マスクに比べ、一回り小さくなっているものを使用し、
目的とするピット開口とほぼ同じ大きさのものとした。
このマスクを1層目のパターンと位置合わせをして露光
する。(第1図(D)) 次に、前述のようにして2層目の非露光部分42bを溶
解除去して、熱硬化性樹脂層42aによる所望のパターン
を形成する。このようにして得られた7パターンの断面
は、第1図(E)に示すように、角がとれ丸みを帯びた
形状となる。このような断面形状は、本実施例のように
複数層で形成することによって発生する表面の凹凸と各
未露光領域が下層に比べ上層の方が小さくなるようにし
たことによって、得られたものである。
最後に、熱処理によって熱硬化性樹脂層41a,42bを硬
化させる。熱処理条件は、特に限定されるものではない
が、この実施例では、真空中で室温から400℃まで3時
間で昇温し、400℃で2時間加熱した後、室温までゆっ
くりと降温した。この後断面形状を観察したところ、通
常の方法で作製し熱処理前の断面が第6図(A)のよう
な形状を持つものでは、2層の合計膜厚が薬40μmの
時、熱処理後の断面形状が、パターンの端で10μm程度
(第6図(B)のh)盛り上がっているのに対して、こ
の実施例によって作製されたものでは、約0.5μmとな
っていた。(第1図(F)) このように、パターンの端での盛り上がりは、熱処理
前のパターンの端の断面形状に大きく依存しており、本
実施例のように、断面形状の角を落としたものでは、熱
処理時の膜収縮による歪みが発生せず、後述するヒータ
ー基板と、チャンネル基板との接着工程において障害と
なるような盛り上がりは全く発生しない。
こうして作製されたヒーター基板1と、別工程により
インク流路を形成するためのノズル10とインク溜(図示
せず)、およびインク供給口12が設けられているチャン
ネル基板9を張り合わせた後、ダイシング工程により切
り出すことによって第4図に示すようなインクジェット
記録ヘッドが作製される。
第2図は、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造
方法の他の実施例を説明するための工程図である。熱硬
化性樹脂層の作製条件は、第1図で説明したものと同様
であるので、その説明は省略し、特に、熱硬化性樹脂の
パターニングについて説明する。また、第1図と同様な
部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
熱硬化性樹脂は、第1図と同様に、Probimide(登録
商標)の348を使用した。
まず、第1図(A)で説明した工程と同様の工程によ
って、各層を形成した後、第1層目の熱硬化性樹脂層と
してProbimide(登録商標)348を塗布、プリベーク、露
光、現像することにより、熱硬化性樹脂層41aが形成さ
れる。この場合、未露光部分を形成するためのマスク
は、目的とするピットの開口とほぼ同じ大きさのもので
あり、第1図(A)で説明したものより小さいものを用
いた。(第2図(A)) 次に、2層目の熱硬化性樹脂層42bとして、同様にPro
bimide(登録商標)348を塗布し、プリベークして(第
2図(B))、露光を行なう。この露光に使用するマス
クは、1層目のマスクとは異なり、未露光領域が1層目
に使用のマスクに比べて1回り大きくなっているものを
使用し、1層目のパターンと位置合わせをして露光す
る。(第2図(C)) 次に、現像を行ない、未露光部分42bを溶解除去し
て、2層目の熱硬化性樹脂層42aを形成する。(第2図
(D)) このようにして得られた2層目の熱硬化性樹脂層42a
のよるパターンの断面は、第2図(D)に示すように、
その端部は角がとれ、丸みを帯びた形状となる。このよ
うな断面形状は、この実施例のように、複数層を形成す
ることによって発生する表面の凹凸と、各未露光領域が
下層に比べて上層の方が後退していることによって、得
られたものである。
最後に、実施例1と同様にして熱処理によって熱硬化
性樹脂41a,42aを硬化させる。(第5図(E)) 得られたピット層の断面形状を観察したたころ、2層
の合計膜厚が約40μmのとき、盛り上がりは、約0.5μ
mとなっており、ヒーター基板と、チャンネル基板との
接着工程において障害となるような盛り上がりは全く発
生しなかった。
第3図は、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造
方法の他の実施例を説明するための工程図である。熱硬
化性樹脂層の作製条件は、第1図で説明したものと同様
であるので、その説明は省略し、熱硬化性樹脂のパター
ニングについて説明する。また、第1図と同様な部分
は、同じ符号を付して説明を省略する。
熱硬化性樹脂は、第1図で説明したと同様に、Probim
ide(登録商標)の348を使用した。
まず、第1図(A)(B)で説明した工程と全く同様
にして、各層を形成した後、1層目のProbimide(登録
商標)348を塗布、プリベーク、露光、現像するが、未
露光部分のマスクは、第2図(A)で説明したと同様
に、目的とするピットの開口とほぼ同じ大きさのものを
用いた。それにより、1層目の熱硬化性樹脂層41aが形
成できる。(第2図(A)) 次いで、熱処理を行ない熱硬化性樹脂層41aを硬化さ
せる。熱処理条件は、第1図で示したものと同様であ
る。熱硬化後の熱硬化性樹脂層41aの厚さは約18μm
で、パターンの端での盛り上がり量は約2μmであっ
た。(第3図(A)) 次いで、再び、熱硬化性樹脂層42bとして、Probimide
(登録商標)348をスピンコートし、プリベークを行な
う。
スピンコートの条件は、プリベーク後の熱硬化性樹脂
層42bの厚さが約4μmとなるように設定した。プリベ
ーク後の熱硬化性樹脂層42bの表面を調べたところ、1
層目の熱硬化性樹脂層42aのパターンに対応して凹凸が
形成されていたが、パターンの端での盛り上がりは、2
層目の熱硬化性樹脂層42bの平坦化作用によって吸収さ
れ、観測されなかった。(第3図(B)) 次に。露光を行なう。このときのマスクは、第1図,
第2図で説明したように、未露光領域の大きさが1層目
と2層目で異なっているもので良いし、もしくは、ここ
で説明するように、1層目と全く同様のものでも差し支
えない。ここでは、1層目のパターンと位置合わせをし
て、1層目と同一条件で露光した。(第3図(C)) 次いで、1層目の熱硬化性樹脂層と同様に現像、リン
ス、熱処理を行なう。
このようにして形成された熱硬化性樹脂層41a,41bを
観察したところ、膜厚は約20μmであり、パターンの端
部の盛り上がりは約0.5μmであり(第3図(D))、
この程度の盛り上がりでは、ヒーター基板と、チャンネ
ル基板との接着工程において障害にはならなかった。こ
のようにパターンの端部での盛り上がりがなくなった理
由は、1層目の熱硬化性樹脂層41aのパターンの端部で
の盛り上がりは、上述したように、2層目の熱硬化性樹
脂層42bの平坦化作用によって吸収され、2回目の熱処
理時の熱収縮は、厚さが約4μmである2層目の熱硬化
性樹脂層42aだけにしか生じないので、2層あわせて20
μm程度の厚さを有するにもかかわらず、パターンの端
部での盛り上がりは、膜厚4μmの場合と同程度にしか
生じないためである。
処理後のパターンの端部での盛り上がりは、第1図,
第2図で説明したように、熱処理前の断面形状に依存す
るが、そればかりではなく、熱硬化性樹脂層の厚さにも
依存する。したがって、熱処理を行なった熱硬化性樹脂
層の上に、薄い熱硬化性樹脂層を設けて、再度の熱処理
を行なうことによって、パターン端部での盛り上がりを
充分小さいものとすることができる。
したがって、経験的にいえば、熱処理を行なう熱硬化
性樹脂層樹脂の厚さが5μm以下であれば、ヒーター基
板と、チャンネル基板との接着工程において障害となる
ような盛り上がりは発生しないということができる。し
かし、ピット層の厚さは、20μm以上であることが好ま
しいから、単層でこれを得ようとすると、前述の接着工
程で障害となるパターンの端での盛り上がりが発生する
ことは避けられない。ところが、この実施例のように、
熱硬化性樹脂層を複数層で構成することにより、この盛
り上がりを避けることができる。
以上説明した実施例は、いずれも熱硬化性樹脂層が2
層構成の場合について説明したが、必ずしも2層に限ら
れるものではなく、3層以上で構成しても、上述した実
施例と全く同じ効果が得られる。また、熱硬化性樹脂層
の形成をピット層について説明したが、これに限られる
ものではなく、インク吐出ノズルや、それに通じるイン
ク流路等インクに接する部分の少なくとも一部を熱硬化
性樹脂層で形成する場合に、本発明が広く適用できるも
のであることは明らかなところである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、熱
硬化性樹脂層を複数層で構成することによって、熱硬化
性樹脂層のパターンの端部に額縁状に発生する盛り上が
りをなくすことができ、熱硬化性樹脂層と天板や溝付き
基板等との密着性が向上し、歩留まりが大幅に向上する
とともに、インクの吐出耐久性に優れた信頼性の高いイ
ンクジェット記録ヘッドを提供することができる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法の異なる実施例を説明するための工程図、
第4図,第5図は、熱硬化性樹脂層を用いいたインクジ
ェット記録ヘッドの概略構成図、第6図,第7図は、熱
硬化性樹脂層の硬化状態の説明図である。 1……ヒーター基板、2……抵抗体層、3a……個別電
極、3b……共通電極、41a,41b,42a,42b……熱硬化性樹
脂層、5,6……抵抗体保護層、7……電極保護層、8…
…蓄熱層。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂層でインク流路の少なくとも
    一部を形成した基板と、該基板に貼り合わされる基板と
    により構成されるインクジェット記録ヘッドの製造方法
    において、前記熱硬化性樹脂層を複数層パターニングし
    て重ね合わせて形成することを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】複数層の熱硬化性樹脂層を重ね合わせて形
    成するに際して、下層をパターニングした後、その上の
    層を下層より大きくパターニングすることを特徴とする
    請求項第1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】複数層の熱硬化性樹脂層を重ね合わせて形
    成するに際して、下層をパターニングした後、その上の
    層を下層より小さくパターニングすることを特徴とする
    請求項第1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
  4. 【請求項4】複数層の熱硬化性樹脂層を重ね合わせて形
    成するに際して、下層をパターニングし、硬化させた
    後、その上の層を下層より薄く形成してパターニングす
    ることを特徴とする請求項第1項に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
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