JP2829560B2 - 植生用網状体 - Google Patents

植生用網状体

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JP2829560B2 JP5334320A JP33432093A JP2829560B2 JP 2829560 B2 JP2829560 B2 JP 2829560B2 JP 5334320 A JP5334320 A JP 5334320A JP 33432093 A JP33432093 A JP 33432093A JP 2829560 B2 JP2829560 B2 JP 2829560B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、法面の保護のための植
生を行なう場合に使用される植生用網状体に関し、特に
植生を種類の異なる植物によって行うようにした植生用
網状体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】造成地等における裸地、法面等は、これ
に植生という保護を積極的に行なわないと土砂の流出等
の問題が発生するため、環境保全、保安上極めて関心を
もたれている。この裸地、法面等の植生を行なう方法と
しては従来より種々なものが提案され実行されてきてい
る。この植生方法としては、大別して、植物種子を肥料
等とともに直接裸地、法面に吹き付ける方法、裸地、法
面に土砂の流出を防止するための枠を形成し、この枠内
に植物の種子を播く方法、そして肥料等を収納した植生
材袋を網体に取り付けておき、この網体によって法面を
覆う方法等がそれである。
【0003】中でも、網体を使用する植生方法は、その
施工が非常に容易であることから、近年特に多く採用さ
れてきているものである。例えば、特公昭57−558
51号公報、特公昭57−55852号公報、特公昭5
9−37369号公報において、そのような例が見られ
る。すなわち、特公昭57−55852号公報には「網
状体に、植生材料の収納部が設けられてなる植生用網状
体」が示されており、また特公昭59−37369号公
報には「網状体の適宜間隔に収容部を設け、水脆弱性シ
ートにより構成された袋体内に植生基材を充填した水脆
弱性シート袋体と、不溶性のシートにより構成された袋
体内に植生基材を充填した不溶性シート袋体を、上記網
状体の収容部に配置し収容してなる植生困難地用植生基
体」が示されている。
【0004】上記で例示した各発明においては、植生材
料の収納部を構成することが必要であるが、この収納部
の構成は、上記各公報の記載からすると、「化学性のネ
ットを2枚重ねて30〜50cm間隔毎に5cm程編み
込まない部分あるいは融着しない部分を造っていく方法
であり、この編み込まない部分あるいは融着しない部分
を植生材料の収納部とする」か、あるいは「化学性の網
状体を2枚重ねて4〜40cm毎に15cm程度編み込
まない部分あるいは融着しない部分を造っていく方法で
あり、この編み込まない部分あるいは融着しない部分
を、筒状袋体の収容部とする。他の製造方法及び形体
は、1枚の網状体を4〜40cm間隔に30cm程度つ
まみ、つまみ部分を編み込むか、ロープを通すあるいは
融着して、収容部を作る方法及び形体がある。又、2枚
の網状体を重ねて適宜の間隔にロープで2枚の網状体を
編みあげてゆき、2枚の網状体の間を収容部とする方法
及び形体もある。」ということである。
【0005】ところで、以上の各公報中の記載からする
と、植生材料の収納部を構成するためには、主として網
状体を2枚重ねて構成していかなければならず、その分
網状体を形成するための材料を多く必要とするものであ
る。そもそも、この網状体は、主として植生材料を入れ
た袋を法面の所定位置に保持するためのものであるか
ら、必要以上に強度を高める必要が全くないとともに、
特に法面の横方向に対してはそれ程強度が要求されるも
のではない。従って、網状体を2枚重ねて植生材料の収
納部を構成することは、材料を多く必要とするだけでな
く、必要以上の強度をもったものとなって言わば過剰品
質のものとなるのである。
【0006】一方、土地開発及び災害による法面の復旧
工事において、シート材に植物種子を添着して構成した
張芝帯を法面に張設して、法面の表面及び表層を早期に
緑化して安定せしめる工法も随所に施工されているもの
であり、この張芝帯は、法面を復旧するものとして大い
に貢献している。この種の従来の張芝帯は、その使用目
的が法面及び表層の土砂流失防止の場合、一般的に発芽
成長の速い洋芝の種子だけを張芝帯の中に播種して、洋
芝ばかりの1次植生を計ることにより、早期に法面を安
定せしめるものであった。また、工事目的が法面の表面
及び表層の土砂流失防止に加えて、治山工事の様な自然
復旧をも求めるものである場合、従来洋芝の種子と治山
用の種子(草本類又は木本類)を張芝帯の中へ混播せし
めて、洋芝の種子による1次植生と、草本類及び木本類
を発芽生育せしめた2次植生とを積極的に計ることも行
われてきている。
【0007】しかしながら、2次植生に使用される草本
類の種子(ヨモギ、メドハギ)は、1次植生に使用され
る洋芝の種子と比べて発芽条件が難しいので、洋芝の種
子と混播すると草本類は洋芝に負けて安定した発芽生育
が望めなかった。つまり、十分な2次植生を計ることが
できなかったのである。
【0008】また、2次植生に使用しようとされる木本
類の種子(ヤマハンノキ、マツ等)は、草本類の種子よ
り発芽、生育の条件が更に難しいので、1次植生に使用
される洋芝の種子と混播したら全く発芽生育は望めない
のが現状で、従来木本類を法面に生育せしめる為には高
価な苗木を手間掛けて植栽するか、張芝と張芝の間に別
途に木本類の種子又は草本類の種子を肥料及び土壌改良
材と一緒に植物の発芽・生育に支障を来たさない袋体に
充填した植生袋を法面で設置していくか、工場で張芝袋
の小片に上記植生袋を縫合して接合したものを法面上で
張合わせていくしか方法がなかった。
【0009】一方、観光道路に於いても、治山用工事と
同様に法面の保護をしながら、法面にも草花を咲せたい
と要望はあるものの、現状では洋芝の種子と草花の種子
を混播したものしかなく、草花が洋芝に負けてしまい草
花の発芽生育は期待できなかったのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の実状に
鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、
従来の植生用網体における過剰品質であり、1次植生及
び2次植生の不完全さである。そして、本発明の目的と
するところは、過剰品質とならないように、最小限の材
料によって植生を行なうための植生材袋の保持を確実に
行なうことができ、しかも法面の状況に合わせた1次植
生及び2次植生を行なうことのできる植生用網状体を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の問題を解決するた
めに、本発明が採った手段は、実施例において使用する
符号を付して説明すると、「複数の糸を編むことによっ
て、法面の縦方向に位置する縦糸部11と、これらの縦
糸部11を連結する横糸部12とにより構成した植生用
網状体10であって、横糸部12の一部に各縦糸部11
の全てを編み込むことにより連結部13を形成し、次に
位置する横糸部12を連結部13の約半分の量で表裏に
分割し、これら各横糸部12のそれぞれに各縦糸部11
を横方向に対して交互に編み込んで横方向の袋状部14
を形成することにより、横方向の袋状部14と連結部1
3とを縦方向に多数連続的に形成して、各袋状部14内
に、肥料、土壌改良材、保水材等を水脆弱性シート21
等によって包み込んで形成した植生材袋20と、この植
生材袋20の上側または下側に配置されて植物の種子を
添着した第一種子シート30とを収納して、これらの第
一種子シート30及び植生材袋20を袋状部14に固定
し、かつ、袋状部14と連結部13との下面全体に、第
一種子シート30に添着した種子とは異なる種類の植物
種子を添着した第二種子シート40を一体化したことを
特徴とする植生用網基体10」である。
【0012】すなわち、この植生用網状体10は、縦糸
部11と横糸部12とを編み込むことによって、横方向
に位置する連結部13と袋状部14とを交互に形成し
て、この袋状部14内に順次上側から第一種子シート3
0及び植生材袋20を収納するとともに、第一種子シー
ト30の種子とは異なる種子を添着した第二種子シート
40を連結部13と袋状部14との下面全体に一体化し
たものである。
【0013】特に、本発明の植生用網状体10において
は、第一種子シート30に添着した種子は、早期発芽と
成長が望める洋芝を主とするものであり、第二種子シー
ト40の種子は、早期発芽等は望めないけれども、洋芝
が成長した後に良好な生育が期待できて、日本の自然環
境に適したヨモギ、メドハギ等の草本類または草花の種
子を適用して、1次植生の後に良好な2次植生を得るこ
とができるようにしたものである。
【0014】
【発明の作用】以上のように構成した本発明に係る植生
用網状体10にあっては、各袋状部14を構成している
表裏部分の密度が連結部13のそれの半分となってい
て、各袋状部14の表裏部分のそれぞれは連結部13を
構成している材料の約半分の材料によって形成されてい
る。各袋状部14が以上のように構成されていたとして
も、その縦方向についての縦糸部11の全体の量が半分
になっているのではないから、縦方向の力に対しては連
結部13と同様の強度を有しているものである。
【0015】また、各袋状部14の表裏部分を構成して
いる各横糸部12の全体の太さは連結部13の半分では
あるが、当該植生用網状体10に横方向の力が加わるこ
とは殆どないから、各縦糸部11の間隔を維持するだけ
の十分の強度を有していて、しかも各袋状部14の表裏
部分のそれぞれはその材料の量が上下合わせて連結部1
3と同量となっているのである。勿論、各袋状部14の
表裏部分のそれぞれは、その上下に連結部13が位置す
ることによって、左右にて開口し得る網目状の袋となっ
ていることは言うまでもない。
【0016】そして、この植生用網状体10にあって
は、各袋状部14が連結部13によって連結されながら
多数位置しているから、各袋状部14を選択して植生材
袋20を収納すれば、植生材袋20の法面に対する密度
を自由に変えることが可能となっている。
【0017】特に、この植生用網状体10にあっては、
その上記植生用網状体10の各袋状部14の内の適宜部
分に植生材袋20を収納して固定してあるから、これを
そのまま法面に配置すれば、法面の植生を容易に行なえ
るものとなっているのである。この場合、植生材袋20
の収納箇所を必要に応じて変えておくことにより、法面
の状況にあった植生を確実に行なえるものである。
【0018】また、この植生用網状体10を法面に施工
するには、図1に示したように、例えば巻回しておいた
当該植生用網状体10を法面の上端から展開させて、そ
の上端等を法面に固定するのであるが、この場合、日本
の自然環境に適したヨモギ、メドハギ等の草本類または
草花の種子を添着した第二種子シート40が下側となる
ようにするものである。このように施工すると、図2に
示すように、第二種子シート40が法面上に当接すると
ともに、各袋状部14が法面の横方向に連結部13によ
る距離を置いて多数存在することになる。各袋状部14
内には植生材袋20が収納してあり、しかもこの植生材
袋20の上面側または下面側には第一種子シート30が
収納してあるから、この第一種子シート30の種子は、
植生材袋20内の材料及びこれに吸収される雨水等によ
って発芽や成育がし易い位置に常に保持された状態とな
り、かつ発芽した後は十分な太陽光を受けられる状態に
保持されているのである。
【0019】すなわち、この第一種子シート30を植生
材袋20の上側に配置した場合には、発芽した後の植物
を、十分な太陽光を受けられる状態に保持し得るのであ
り、この第一種子シート30を植生材袋20の下側に配
置した場合には、植生材袋20内の吸水材が吸い込んだ
水に種子が密着することになるため、その発芽及び成育
を良好に行える状態に保持し得るのである。
【0020】さて、以上のように施工した初期の植生用
網状体10においては、図4の(イ)に示すように、ま
ず第一種子シート30に添着してある洋芝の種子が発芽
して成育を始める。特に、植生材袋20を収納してある
各袋状部14の上縁側において、植生材袋20が吸収し
た水が十分存在していることもあって、第一種子シート
30中の洋芝の良好な成育が望めるのである。その他の
部分においても、洋芝自体の生命力の強さによって一定
発芽・成育が望めるのである。つまり、第一種子シート
30による1次植生が完了するのである。
【0021】この第一種子シート30による1次植生に
よって、それまで裸地であった法面上は、植生が繁茂し
得る状態に改質されることになるのである。特に、各袋
状部14の上縁部側において繁茂した洋芝は、その付近
の保水性をより良好にしたり土壌細菌の増加を促したり
するとともに、洋芝自体が他の植物の栄養分となるので
ある。
【0022】以上のように改質された法面上では、植生
用網状体10の下面全体に形成してあった第二種子シー
ト40中の草花種子や、ヨモギ、メドハギ等の種子が発
芽・成育することにより、図4の(ロ)に示すように成
育し始めて、2次植生が行われるのである。この2次植
生は、洋芝等の1次植生によって法面上が前述したよう
に改質されているから、非常に良好な状態で行われるの
である。
【0023】つまり、2次植生に使用される治山用種子
又は草花の種子(ヨモギ、メドハギ、あるいはヤマハン
ノキ、マツ等)は、1次植生に使用される第一種子シー
ト30中の洋芝の種子と比べて発芽条件が難しく、洋芝
の種子と混播すると洋芝に負けて安定した発芽生育が望
めなかったのであるが、本発明に係る植生用網状体10
においては、十分な2次植生が計られるのである。その
理由は、本発明に係る植生用網状体10においては、上
述したように、洋芝の種子と治山用種子又は草花の種子
とを区画しており、しかも一次植生を果たした洋芝によ
って治山用種子又は草花の種子を法面上に保持し得るよ
うにしているからである。
【0024】従って、本発明に係る植生用網状体10に
よれば、これ自体が過剰品質とはなっていないことから
安価になっているとともに、法面の1次植生及び2次植
生を確実に行えて、法面の植生を極めて効率良く行える
のである。
【0025】
【実施例】次に、本発明に係る植生用網状体10を、図
面に示した実施例に基づいて詳細に説明すると、図3に
は、植生用網基体10の部分斜視図が示してある。この
植生用網基体10は、まず複数の糸を編むことによって
法面の縦方向に位置する縦糸部11と、これらの縦糸部
11を連結する横糸部12とにより網状のものとしての
植生用網状体10を構成し、この植生用網状体10の各
袋状部14の内の適宜部分に植生材袋20及び第一種子
シート30を収納して固定したものである。上記の植生
用網状体10を形成するために使用される糸としては、
この植生用網基体10を屋外に長期間配置しておいても
一定の強度を維持できるものであれば何を採用してもよ
いが、容易に入手できること、編み込みが容易なこと及
び植生用網基体10の法面に対する施工が容易となる等
の理由から、本実施例にあっては主としてナイロン、ポ
リエチレン等の1200デニール程度の化学糸を採用し
たが、この化学糸の太さとしては種々なものを採用する
ことができる。
【0026】図3に示した植生用網状体10にあって
は、互いに隣接する二箇所の横糸部12に各縦糸部11
の全てを編み込むことにより連結部13として形成した
ものであり、これらの各連結部13部分においては植生
用網状体10が表裏に分かれてはいない。そして、本実
施例にあっては、次に位置する横糸部12を前述した連
結部13の約半分の量で表裏に分割し、これら表裏に分
割された各横糸部12のそれぞれに、各縦糸部11を一
本おきに編み込んで袋状部14を形成してある。すなわ
ち、各袋状部14は、各縦糸部11を一本おきに取り出
してこれを表側のものとするとともに、残りを裏側のも
のとして、これら表側及び裏側の各縦糸部11を約半分
に分割した各横糸部12によって互いに連結したもので
ある。これにより、各袋状部14は左右が開口する網状
の収納部を形成しているのである。
【0027】この場合、各縦糸部11及び横糸部12と
しては糸を編み込んだ結果、植生用網状体10の縦方向
また横方向に位置することになるものを指称したもので
あって、一本の糸が場所によって縦糸部11になったり
横糸部12になったりすることは構わないのである。ま
た、表裏に分割されるべき横糸部12としては、これに
よって後述の植生材袋20を収納する袋状部14の大き
さを決定するものであるから、植生材袋20の大きさに
応じた数のものを分割すればよく、一般的には二〜四箇
所の互いに隣接する横糸部12を分割するようにすれば
よい。
【0028】また、連結部13を構成する横糸部12の
数としては二箇所のものを採用して実施してもよいが、
一箇所のものを採用して実施してもよい。なお、三箇所
以上の横糸部12によって連結部13を構成すること
は、後述するような植生用網状体10の効果を薄れさせ
るので好ましくない。
【0029】そして、以上のように構成した植生用網状
体10に対して、図3にも示したように、その各袋状部
14の全部または一部内に植生材袋20及び第一種子シ
ート30を収納して、各植生材袋20の両端を袋状部1
4に固定することにより、植生用網基体10として構成
するのである。
【0030】さらに、この植生用網状体10において
は、各連結部13及び袋状部14の下面側に、1次植生
のための洋芝の種子を添着した第二種子シート40が一
体化してあるのである。
【0031】各植生材袋20は、肥料、土壌改良材、保
水材等を水脆弱性シート21によって包み込んで形成し
たものであり、水脆弱性シート21を通して雨等が内部
に浸透してから流れ出すことにより、肥料等を法面上に
適度に拡散させるものである。従って水脆弱性シート2
1としては、水分を浸透させやすく、場合によっては内
部に入れた種子の発芽を阻害しない程度の脆弱性を有し
たものである必要があり、本実施例においてはポバール
紙、不織布、あるいは布を採用した。
【0032】第一種子シート30は、植生材袋20の水
脆弱性シート21と同じような紙、不織布、あるいは布
等からなるシート材上に、洋芝の種子等、1次植生に適
した植物の種子と、その育成を助ける粒状化成肥料等と
を添着したものであり、上記の植生材袋20と同様の幅
と長さを有しているものである。なお、この第一種子シ
ート30を袋状部14内に収納するにあたっては、これ
をまず植生材袋20に固定しておいて、この植生材袋2
0を袋状部14内に収納するようにすると、その作業を
容易に行えるものである。
【0033】なお、以上の第一種子シート30を、各袋
状部14内に収納するだけでなく、これを植生用網状体
10の縦方向に所定間隔を置いて一体化するように実施
してもよい。このようにすることによって、1次植生さ
れる部分を、図4の(ハ)に示すように、各袋状部14
内の第一種子シート30とともに格子状に形成すること
ができるから、法面上2次植生される部分を多くするこ
とができて、土砂の流亡防止等をより確実に行うことが
できるのである。勿論、このような縦方向の第一種子シ
ート30は、次に説明する第二種子シート40上に一体
化するようにして実施してもよいものである。
【0034】第二種子シート40は、植生材袋20を構
成している水脆弱性シート21と同様なシート上に、ヨ
モギ、メドハギ等の草本類あるいは木本類の治山用種
子、または草花の種子を、ポリビニールアルコール等の
水溶性接着剤によって添着して形成したものである。図
3には、この第二種子シート40を、縫着あるいはホッ
チキス等の手段によって、前述した連結部13及び袋状
部14の下面全体に一体化した状態が示してある。
【0035】以上のように構成した植生用網基体10
は、図1に示すように、法面に対して配置される。この
場合、植生材袋20のための袋状部14は法面の略全面
にわたって言わば殆ど隙間なく存在しているから、法面
の植生に必要な植生材袋20の数及び位置が自由に選択
できるようになっているのである。例えば、岩壁が露出
していて植生材袋20の全く必要としない法面に対して
は植生材袋20を使用しなければよいことは勿論のこ
と、法面の上方部分に植生材袋20を密に存在させたい
場合には、植生用網状体10の上方に位置する各袋状部
14内の全てに植生材袋20を収納すればよいのであ
る。
【0036】また、この植生用網状体10は、図2に示
したように、その第二種子シート40が法面上に当接す
るとともに、各袋状部14内に収納した植生材袋20の
上面に第一種子シート30がくるように施工されるので
ある。これにより、各第一種子シート30及び第二種子
シート40中の種子は、法面の表面側に露出し得るもの
とされるのであり、法面の横方向に配置される各植生材
袋20によって、法面上を流れてきた雨水等尾捕捉と、
土砂の流亡防止が図られるのである。
【0037】なお、治山用種子としては、草本類ではヨ
モギ、イタドリ、メドハギ、カヤ等の種子を使用し、木
本類ではイタチハギ、ニセアカシア、ヤマハンノキ等の
種子を現地の状況に合せて配合するのが良い。草花の種
子についてはマリーゴールド、サルビア、コスモス等の
比較的発芽生育し易い品種を季節別に混播しておくと良
い。
【0038】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、上
記実施例にて例示した如く、「複数の糸を編むことによ
って、法面の縦方向に位置する縦糸部11と、これらの
縦糸部11を連結する横糸部12とにより構成した植生
用網状体10であって、横糸部12の一部に各縦糸部1
1の全てを編み込むことにより連結部13を形成し、次
に位置する横糸部12を連結部13の約半分の量で表裏
に分割し、これら各横糸部12のそれぞれに各縦糸部1
1を横方向に対して交互に編み込んで横方向の袋状部1
4を形成することにより、横方向の袋状部14と連結部
13とを縦方向に多数連続的に形成して、各袋状部14
内に、肥料、土壌改良材、保水材等を水脆弱性シート等
によって包み込んで形成した植生材袋20と、この植生
材袋20の上側または下側に配置されて植物の種子を添
着した第一種子シート30とを収納して、これらの第一
種子シート30及び植生材袋20を袋状部14に固定
し、かつ、袋状部14と連結部13との下面全体に、第
一種子シート30に添着した種子とは異なる種類の植物
種子を添着した第二種子シート40を一体化したこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、過剰品質とな
らないように、最小限の材料によって植生を行なうため
の植生材袋の保持を確実に行なうことができ、しかも法
面の状況に合わせた1次植生及び2次植生を行なうこと
のできる植生用網状体を提供することができるのであ
る。
【0039】すなわち、この植生用網状体10によれ
ば、法面の植生のために使用するものとして最低限の強
度を維持しながら、これを構成するためのナイロン等の
糸の量を節約することができるのである。また、この植
生用網状体10によれば、十分な数の袋状部14を有し
ているので、法面の状況に応じた植生材袋20の配置を
自由に行なうことができるのである。そして、この植生
用網基体10にあっては、その適宜な各袋状部14内に
植生材袋20を収納し固定したので、これをそのまま法
面に配置することによって法面保護のための施工が簡単
に行なえるのである。
【0040】また、この植生用網状体10によれば、法
面の早期保護、すなわち1次植生は、第一種子シート3
0の洋芝で計られ、治山(2次植生)又は景観の為に草
花を咲せるのは、第二種子シート40の草木本類の種子
又は草花の種子により計られ、治山工事又は景観用工事
としての目的をより確実に達成することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植生用網状体を施工した状態を示
す法面の断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】同植生用網状体の構成を示す部分分解斜視図で
ある。
【図4】同植生用網状体を使用して法面の植生を行った
ときの様子を示すもので、(イ)は1次植生が完了した
状態を、また(ロ)は2次植生が完了した状態を示す部
分斜視図である。
【符号の説明】
10 植生用網状体 11 縦糸部 12 横糸部 13 連結部 14 袋状部 20 植生材袋 21 水脆弱性シート 30 第一種子シート 40 第二種子シート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の糸を編むことによって、法面の縦
    方向に位置する縦糸部と、これらの縦糸部を連結する横
    糸部とにより構成した植生用網状体であって、 前記横糸部の一部に前記各縦糸部の全てを編み込むこと
    により連結部を形成し、次に位置する横糸部を前記連結
    部の約半分の量で表裏に分割し、これら各横糸部のそれ
    ぞれに前記各縦糸部を横方向に対して交互に編み込んで
    横方向の袋状部を形成することにより、横方向の前記袋
    状部と連結部とを縦方向に多数連続的に形成して、 前記各袋状部内に、肥料、土壌改良材、保水材等を水脆
    弱性シート等によって包み込んで形成した植生材袋と、
    この植生材袋の上側または下側に配置されて植物の種子
    を添着した第一種子シートとを収納して、これらの第一
    種子シート及び植生材袋を前記袋状部に固定し、 かつ、前記袋状部と連結部との下面全体に、前記第一種
    子シートに添着した種子とは異なる種類の植物種子を添
    着した第二種子シートを一体化したことを特徴とする植
    生用網基体。
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