JPH10178818A - 植物種子の播種方法及びその播種用資材 - Google Patents

植物種子の播種方法及びその播種用資材

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JPH10178818A
JPH10178818A JP35498796A JP35498796A JPH10178818A JP H10178818 A JPH10178818 A JP H10178818A JP 35498796 A JP35498796 A JP 35498796A JP 35498796 A JP35498796 A JP 35498796A JP H10178818 A JPH10178818 A JP H10178818A
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seeds
sowing
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rice
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JP35498796A
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Masahiro Yamamoto
正宏 山本
Katsumasa Okawa
勝正 大川
Yasushi Iio
康 飯尾
Kazunari Oishi
一成 大石
Sadayuki Nakajima
貞至 中島
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Shizuoka Prefecture
Soken Inc
Original Assignee
Shizuoka Prefecture
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】稲作等における播種作業の大幅な合理化を図り
得る植物種子の播種方法を提供し、また、播種作業を合
理化させその作業効率を向上させ得ると共に、安定した
播種状態が得られる植物種子の播種用資材を提供する。 【解決手段】生分解性のある繊維によってメッシュ状か
つ筒状の紐状部材を形成し、紐状部材の内部に種子を所
定間隔で封入した後に、紐状部材の少なくとも一部を土
中等に埋設して、種子の播種を行う。紐状部材は、例え
ばその内部に種子と共に肥料や農薬が封入されたり、種
子が封入された紐状部材自体が織物及び組織されて使用
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば種籾、野菜
種子、園芸種子等の植物種子を播種するための、植物種
子の播種方法及びその播種用資材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば稲作においては、通常籾播
き作業と田植え作業が行われており、籾播き作業は、先
ず、種子としての種籾を必要に応じて水中に浸漬(殺
菌)した後に、育苗箱内の土上に播き、その後育苗箱を
保温等させることにより発芽を促進させ、所定長さに発
芽した時点で、育苗箱を露天に出してさらに所定日数育
苗させる。
【0003】また、育苗箱による育苗と併行して田圃の
しろ掻きを行い、所定長さに成長した苗を使用して田植
え作業を行う。この田植え作業は、育苗箱から苗を取り
出して田植機にセットし、この田植機を田圃内で移動さ
せることにより、苗を数本(通常2〜3本程度)づつ列
状に植え、田植機で植えられない田圃の角部等は、手に
よって植えているのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この稲
作方法にあっては、籾播き作業及び田植え作業等の各作
業は個々に機械化されて合理化されてはいるものの、籾
播き作業及び田植え作業が必ず必要で、これらの作業に
相変わらず非常に多くの労力を必要とする問題があっ
た。
【0005】すなわち、籾播き作業と田植え作業が時期
的に完全に分離された作業となっているため、個々の各
作業を機械化して合理化しても、稲作全体の作業の合理
化には自ずと限度がある。特に、籾播きや田植え時期が
春野菜の播種作業やその他の農作業と重なり易いこと等
から、農家の老齢化及び労働力不足が深刻化する中で、
籾播き作業や田植え作業への労力負担が大きな問題とな
るわけである。
【0006】一方、稲作以外の農業分野である例えば野
菜類の栽培等においては、播種作業を合理化するため
に、水溶性のシードテープという育苗用資材を使用して
播種する方法が提案されている。この播種方法は、圃場
への播種前に水溶性のシードテープを、例えば二つ折り
にしたり依ったりして、シードテープ内に種子を封入
し、このシードテープを専用のテープシーダという作業
機によって、圃場の土中に埋設するものである。
【0007】しかし、この播種方法においては、シード
テープが水溶性であるため、空気中の水分(湿度)や雨
水等によって互いにくっ付き易く、テープシーダによる
機械作業が困難になって播種作業の効率が著しく劣ると
共に、播種した種子が発芽前の雨水等で流されたり、あ
るいは鳥類による被害を受け易い等、安定した播種状態
が得られ難いという問題点があり、なかなか普及してい
ないのが実状である。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、その第1の目的は、播種作業の大幅な合理化を
図り得る植物種子の播種方法を提供することにあり、ま
た、第2の目的は、稲作の籾播き作業から田植え作業を
大幅に合理化し得る植物種子の播種方法を提供すること
にあり、また、第3の目的は、播種作業を省力化及び合
理化させてその作業効率を向上させ得ると共に、安定し
た播種状態が得られる植物種子の播種用資材を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明のうち請求項1記載の発明は、生分解性のあ
る繊維によってメッシュ状かつ筒状の紐状部材を形成
し、紐状部材の内部に種子を所定間隔で封入した後に、
紐状部材の少なくとも一部を土中等に埋設して、種子の
播種を行うことを特徴とする。
【0010】この方法によれば、種子が封入された紐状
部材を土中等に埋設することにより播種作業が行われ、
この紐状部材内の種子が発芽すると、その芽はメッシュ
状の紐状部材から、その成長の促進が妨げられることな
く外部に延びる。そして、紐状部材は所定期間経過する
と、加水分解や光による分解により徐々に脆化、崩壊
し、最終的に土中等の微生物によって炭酸ガスと水に生
分解されて土中等に残存することがなくなり、無公害化
が図れる。
【0011】また、請求項2記載の発明は、生分解性の
ある繊維によってメッシュ状かつ筒状の紐状部材を形成
し、紐状部材の内部に種子と肥料農薬等を封入した後
に、紐状部材の少なくとも一部を土中等に埋設して、種
子の播種を行うことを特徴とする。また、請求項3記載
の発明は、種子と肥料農薬等が、生分解可能なカプセル
中に封入されていることを特徴とする。
【0012】これらの方法によれば、種子と共に封入さ
れた例えば肥料により種子(芽)の成長が促進され、ま
た農薬により種子の病害虫の発生が防止されて、例えば
肥料や農薬の散布作業が不要になる。さらに、肥料や農
薬を種子の一番近い所に設置すれば、必要最低限の量で
済み、省資源で環境に対する負担が少なくなる。また、
種子と肥料農薬等を生分解可能なカプセル中に封入する
ことによって、安定した播種状態が得られる。
【0013】また、請求項4記載の発明は、生分解性の
ある繊維によってメッシュ状かつ筒状の紐状部材を形成
し、紐状部材の内部に種籾を所定間隔で一粒または複数
粒づつ封入した後に、紐状部材をしろ掻きした田圃内に
敷設してその端部を畦部に固定し、種籾の播種を行うこ
とを特徴とする。また、請求項5記載の発明は、紐状部
材を織物及び網状に組織して田圃内に敷設することを特
徴とする。
【0014】これらの方法によれば、種籾が所定間隔で
封入された紐状部材を、しろ掻きした田圃内に、多数本
略並行に敷設するだけで、籾播き作業と田植え作業を同
時に行うことができ、従来の育苗箱への籾播き作業及び
田植機による田植え作業が必要なくなり、その作業が大
幅に合理化された画期的な稲作方法が得られる。
【0015】紐状部材は織って織物に、また編んで網状
に形成することにより、田圃の広い範囲に紐状部材を一
度に敷設することができて合理化が一層促進される。こ
の敷設された紐状部材は、例えば生分解期間を6カ月程
度に設定することにより、稲の根部を保護して風等によ
る稲の倒れを防止しつつ、刈り取り後には、最終的に生
分解して土中等に戻る。
【0016】また、請求項6記載の発明は、生分解性樹
脂の繊維をメッシュ状かつ筒状に組成して形成された紐
状部材からなり、紐状部材の内部に種子が所定間隔で封
入されて、紐状部材の少なくとも一部が土中等に埋設さ
れることを特徴とする。
【0017】このように形成することにより、紐状部材
に種子を封入し、これを土中等に埋設するだけで播種作
業を行うことができ、その作業が大幅に合理化されると
共に、種子が筒状の紐状部材内に封入されているため、
その外周が紐状部材の繊維で覆われた状態になり、種子
が雨水等で流れ出たりあるいは鳥類の被害を蒙ることが
なくなる。
【0018】また、請求項7記載の発明は、紐状部材の
繊維の略半数が右ひねりの螺旋状をなし、他の略半数が
左ひねりの螺旋状をなして、互いに交差し組織されてい
ることを特徴とする。このように形成することにより、
紐状部材の長さ方向に引っ張ると、長さ方向に伸びる性
質と直径方向に縮む性質があるため、封入した種子に繊
維を密着することができ、また直径方向に伸ばすと、メ
ッシュの開口部の大きさが拡大する性質があり、種子の
成長の阻害が防止される。
【0019】また、請求項8記載の発明は、紐状部材の
繊維が平織または綾織等に組織されていることを特徴と
する。このように形成することにより、メッシュ状態の
紐状部材が容易に得られ、封入した種子等が保持され
る。
【0020】また、請求項9記載の発明は、紐状部材が
織物及び網状に組織されていることを特徴とする。この
ように形成することにより、予め種子の封入されて紐状
部材を一度で広い面積に敷設することができ、播種作業
の作業効率が一層向上する。
【0021】また、請求項10記載の発明は、紐状部材
の繊維中に肥料が含有されていることを特徴とし、請求
項11記載の発明は、紐状部材の繊維中に農薬が含有さ
れていることを特徴とする。このように形成することに
より、紐状部材の繊維自体に予め含有されている肥料や
農薬が、例えば繊維の生分解と共に徐々に流出し、種子
の成長が促進されたり、病害虫の発生等が防止される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図4は、本発
明に係わる植物種子の播種用資材を示し、図1が種子を
封入した状態の平面図、図2が図1のA部拡大図、図3
が図2のB部拡大図、図4が紐状部材の組織図である。
【0023】図1及び図2において、播種用資材1は、
メッシュ状でかつ筒状の紐状部材2で構成されている。
この紐状部材2は、生分解性樹脂を繊維化したフィラメ
ント糸3a、3b(以下、繊維3a、3bという)を組
成することにより形成され、半数の繊維3aが常に右ひ
ねりの螺旋状をなし、残り半数の繊維3bが常に左ひね
りの螺旋状をなして、図3及び図4に示すように、各繊
維3a、3bが互いに交差して平織状に組織されてい
る。
【0024】これにより、繊維3a、3b間に開口4が
形成されてメッシュ状を呈すると共に、内部に孔5(図
2参照)が形成された筒状を呈することになる。なお、
繊維3a、3bとしては、1本、あるいは複数本以上で
構成されている連続した繊維3a、3bが使用されてい
る。
【0025】また、繊維3a、3bとして組成される生
分解性樹脂の原料としては、微生物発酵による脂肪族ポ
リエステル、澱粉と変性PVA、ε−カプロラクトン系
脂肪族ポリエステル、ジカルボン酸とグリコールの縮合
脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸脂肪族ポリエステル等の
原料が使用されるが、微生物発酵による脂肪族ポリエス
テルとポリ乳酸脂肪族ポリエステルが最も好ましい。
【0026】そして、この紐状部材2は、図1に示すよ
うに、その内部に略一定間隔毎に種子が封入されて使用
される。以下、この紐状部材2の使用方法の一例を、種
子が種籾6である稲作の場合を例にして、図5及び図6
に基づいて説明する。なお、図5は田圃の平面図を示
し、図6は図5のC−C線矢視断面図を示している。
【0027】先ず、所定長さの紐状部材2の一方の端部
側から、必要に応じて浸漬(殺菌)した種籾6を一粒づ
つ挿入して、紐状部材2の内部に一定間隔毎に封入す
る。この時、紐状部材2は、メッシュ状に形成されてそ
の円周方向に容易に伸縮し得るため、その伸びを利用す
ると共に、例えば図示しない口金アタッチメント等の治
具を使用して、種籾6の大きさに合わせて図2の孔5の
直径を調整し、一粒もしくは複数粒づつ挿入する。
【0028】次に、この種籾6が封入された紐状部材2
を、例えば図示しないロール等に巻いて、しろ掻きされ
ている田圃7に運び、図5に示すように、田圃7の一方
の畦8aから他方の畦8bに向けて敷設し、この紐状部
材2を、その長手方向と直交する方向に所定間隔で多数
本敷設する。この紐状部材2の敷設作業は、田圃7の畦
8a、8b間の距離に応じて予め紐状部材2を所定長さ
に切断し、これを例えば作業者が手で持ったりあるいは
作業機械で、畦8a、8bの長手方向に沿って移動しな
がら、所定間隔で敷設することにより行われる。
【0029】なお、紐状部材2の田圃7の長さ(畦8
a、8b間の距離)に応じた切断は、紐状部材2の繊維
3a、3bの組織状態により解れることなく切断され
る。そして、切断された紐状部材2の両端部を、図6に
示すように杭9等によって畦8a、8bに固定するか、
あるいは両端部を畦8a、8bの土中もしくはしろ掻き
した田圃7内の畦8a、8b側端部の土中に押し込むこ
とによって固定する。
【0030】これにより、しろ掻きされた田圃7内に敷
設された多数本の紐状部材2は、田圃7内の水10中も
しくはしろ掻きされた土11中に埋設された状態とな
り、籾播き作業と田植え作業が同時に行われたことにな
る。その後、田圃7の水10の管理を適宜に行い所定日
数経過すると、紐状部材2の内部の種籾6が発芽し、そ
の芽は、メッシュ状の紐状部材2の開口4から外部に伸
び、やがて水面10上まで伸びて稲に成長することにな
る。
【0031】そして、紐状部材2は稲が成長している
間、加水分解や光による分解等により、徐々に強度低下
と重量減少による脆化、崩壊が始まり、例えば稲の刈り
取り後に、土中の微生物によって炭酸ガスと水とに生分
解される。したがって、稲の刈り取り終了後の田圃7の
土中に、紐状部材2が残存することがなくなる。
【0032】このように、上記実施例の稲作の播種方法
によれば、紐状部材2の内部に種籾6を一粒つづ一定間
隔で封入して、この紐状部材2を多数本しろ掻きした田
圃7内に敷設して両端部を畦8a、8b等に固定するだ
けで、籾播きと田植え作業を同時に行うことができ、稲
作作業の大幅な合理化を図ることが可能になる。
【0033】その結果、従来の育苗箱による籾播き作業
や田植機による田植え作業が必要なくなる等、現在の農
家が直面している高齢化や労働力不足等に容易に対応し
得る画期的な稲作方法が得られる。
【0034】特に、紐状部材2は、例えば稲の刈り取り
後には、加水分解や光による分解等で炭酸ガスと水に生
分解されるため無公害となり、一々回収する必要もな
く、田圃7に敷設したままの状態とすることができて、
例えば次年度の稲作に何等悪影響を与えることもない
し、例え紐状部材2が田圃7内に一部もしくは全部が残
存していても次の稲作作業に何等影響することなく、最
終的に分解されることになる。
【0035】また、紐状部材2を構成する繊維3a、3
bをそれぞれ右ひねりと左ひねりの螺旋状をなして交差
させているため、紐状部材2を長さ方向に引っ張る時
は、長さ方向に延びる性質と直径方向に縮む性質があ
り、封入した種籾6の外周に繊維3a、3bを密着させ
ることができ、種籾6の封入状態(播種状態)を安定さ
せることができる。
【0036】また、紐状部材2を直径方向に伸ばすと、
メッシュを形成する開口4の大きさが拡大する性質があ
るため、種籾6の成長が何等阻害されることがなく、ま
た紐状部材2の繊維3a、3bが何れも斜め方向に互い
に交差しているため、紐状部材2を直径方向に切断して
も、構成している繊維3a、3bが解れることがなく、
例えば田圃7の大きさに合わせて容易に切断使用するこ
とができる。
【0037】なお、ポリ乳酸脂肪族ポリエステルからな
る紐状部材2に種籾6を一粒づつ封入し、実際の田圃7
で稲作実験を行ったところ、一粒の種籾6から20本前
後の稈が分けつし、従来の田植による場合に比較してか
なり多くなり、かつ発芽しない種籾6もほとんどないこ
とが確認されている。
【0038】また、分けつした稈の葉の色は従来に比較
してより緑っぽく、稲穂の状態も良好で、かつ風等によ
る稲の倒れもほとんど発生しないことが確認されてい
る。この稲が倒れない理由としては、稲の根部が紐状部
材2によって保護されていることによるものと考えら
れ、これらの結果から、最終的な収穫量も従来例に対し
て大差ないか、むしろ増加し得るものと推測される。
【0039】ところで、上記実施例においては、紐状部
材2の繊維3a、3bの組織を交互に交差する平織状と
したが、例えば図7(a)、(b)に示すように、繊維
3a、3bが複数本跨ぐようにして互いに交差する綾目
状にしても良い。このように形成すれば、上記実施例の
作用効果の他に紐状部材2の伸び縮みが一層容易になる
という作用効果が得られる。
【0040】図8〜図10は、本発明に係わる紐状部材
の他の使用形態を示す平面図であり、これらの特徴は、
種籾6が封入された上記紐状部材2を織物状にしたり網
状にすることによって面状部材を形成する点にある。
【0041】すなわち、図8に示す面状部材13は、横
方向の紐状部材2aに2本の縦方向の紐状部材2bを絡
み合うようにして織ったものであり、各紐状部材2a、
2b内に所定間隔で種籾6がそれぞれ封入されている。
また、図9に示す面状部材14は、種籾6が封入された
比較的幅広な紐状部材2c、2dを交差させ織ったもの
である。
【0042】さらに、図10(a)に示す面状部材15
は、種籾6が封入された複数本の紐状部材2e、2fを
交差させて連結することにより網状に形成し、図10
(b)に示す面状部材16は、種籾6が封入された複数
本の紐状部材2g、2hを絡げることにより網状に形成
したものである。
【0043】これらの各面状部材13〜16によれば、
面状部材13〜16を構成する紐状部材2a〜2h内に
予め種籾6が封入されているため、面状部材13〜16
の面積を適宜に設定することにより、この面状部材13
〜16を田圃7内に単に敷設するだけで、広い範囲の籾
播き作業と田植え作業が同時に行え、紐状部材2を1本
づつ敷設する上記実施例に比較して、その作業効率を一
層向上させることができる。
【0044】図11〜図15は、本発明に係わる播種用
資材の他の実施例の平面図を示し、これらの特徴は、紐
状部材の内部に種籾と共に、肥料や農薬を封入した点に
ある。すなわち、図11に示す紐状部材2は、種籾6の
近傍に球状のカプセルからなる肥料18を封入したもの
であり、図12の紐状部材2は、種籾6間の略中央部分
の紐状部材2内に、球状のカプセルからなる肥料18も
しくは農薬20を封入したものである。
【0045】また、図13に示す紐状部材2は、種籾6
間の略中央部分に球状のカプセルからなる肥料18と農
薬20を同時に封入したものである。なお、肥料18や
農薬20が封入されているカプセルは、生分解可能な材
質によって形成され、内部に封入される肥料18や農薬
20も、例えば一種類もしくは他種類が同時に封入され
ているものが使用される。
【0046】さらに、図14に示す紐状部材2は、種籾
6の両側に近接して球状のカプセルからなる肥料18も
しくは農薬20を封入するようにしたものである。ま
た、図15に示す紐状部材2は、種籾6と肥料18もし
くは農薬20とを生分解可能なカプセル19中に同時に
封入し、このカプセル19を紐状部材2内に封入したも
のである。
【0047】これらの紐状部材2によれば、肥料18に
よって種籾6の成長が促進され、農薬20によって種籾
6の病害虫の発生が防止され、肥料18や農薬20の散
布作業を廃止したり、簡略化させることができるという
作用効果が得られる。
【0048】特に、図11〜図14に示すように、球状
の生分解可能なカプセル中に肥料18や農薬20を封入
することにより、生分解の進行に追従して肥料18や農
薬20を土中に散布でき、種籾6の成長を一層促進させ
ることができるという作用効果も得られる。さらに、図
11及び図14に示すように、肥料18や農薬20を種
籾6の近傍に封入することにより、肥料18や農薬20
の量(カプセルの大きさ等)を必要最低限とすることが
でき、省資源化が図れると共に、例えば農薬20による
環境への負担を軽減させることができる。
【0049】ところで、図11〜図15の各実施例にお
いては、紐状部材2の内部に種籾6と共に肥料18や農
薬20を封入するように構成したが、例えば紐状部材2
を構成する繊維3a、3b内に、すなわち繊維3a、3
bを組成する生分解性樹脂中に予め肥料や農薬類を混入
して繊維3a、3bを組成し、この繊維3a、3bを使
用して紐状部材2を組織するようにしても良い。
【0050】なお、この場合に使用する繊維3a、3b
としては、比較的短期間で生分解される生分解性樹脂の
使用が好ましい。このように形成すれば、肥料や農薬の
散布作業が不要になると共に、上記肥料18や農薬20
の紐状部材2内への封入作業が不要になるという作用効
果が得られる。
【0051】以上の各実施例においては、紐状部材2の
内部に種籾6を一粒づつ所定間隔で封入する場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものでもな
く、紐状部材2内の一箇所に上述したように複数粒の種
籾6を封入するようにしても良い。
【0052】また、上記各実施例においては、種子とし
て種籾6の場合、すなわち稲作を例にして説明したが、
本発明は例えば野菜類等の他の農業用種子や花等の園芸
用種子の播種にも勿論使用することができる。このよう
な種子の圃場である畑地による播種においては、紐状部
材2が空気中の水分(湿度)や雨水等で張り付くことが
ないため、例えば紐状部材2を機械によって敷設する場
合であっても、その播種作業を効率良く行うことができ
る。
【0053】また、紐状部材2の内部に種子が封入され
ているため、例えばカラス等の鳥類による被害が防止さ
れると共に、播種後の雨水等によって、紐状部材2が直
ちに分解することがないため、雨水で発芽前の種子が流
れることがなくなる等、長期間安定した播種状態を維持
することができる。
【0054】なお、使用する種子としては、上記した
稲、野菜、園芸用等の植物の単独種子に限定されず、例
えば種子を土等でペースト状にしたり粒状にした物も使
用することができる。また、上記実施例においては、紐
状部材2を稲作や野菜栽培等に適用する場合について説
明したが、例えば砂漠の緑化や道路等の斜面の緑化、森
林栽培等にも適用することができる。
【0055】さらに、上記実施例においては、紐状部材
2内の種子の少なくとも一部を土中に埋設するようにし
たが、本発明の土中等とは、例えば粒状の土、砂、岩石
あるいは水耕栽培用のロックウール(石綿)等を含むも
のであり、種子の種類や播種場所に状況に応じて栽培土
台となる適宜物質に適用することができる。
【0056】また、上記実施例における、紐状部材2の
形態、繊維3a、3bの組成方法等は一例であって、例
えば紐状部材2の繊維3a、3bを図8〜図10に示す
如く組織しても良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々変更可能であることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1ないし請
求項3記載の発明によれば、生分解性のある繊維によっ
て形成された紐状部材内に植物種子を封入し、これを土
中等に埋設するだけで播種作業を行うことができるた
め、播種作業を大幅に合理化することが可能になる。
【0058】また、請求項4ないし請求項5記載の発明
によれば、生分解性のある繊維によって形成された紐状
部材内に種籾を封入し、これをしろ掻きした田圃に敷設
するだけで、稲作の籾播き作業と田植え作業を略同時に
行うことができるため、育苗箱による籾播きや田植え機
による田植え作業が不要になって、稲作作業の大幅な合
理化を図ることが可能になる。
【0059】また、請求項6ないし請求項11記載の発
明によれば、生分解性樹脂からなる紐状部材内に植物種
子を封入して、これを土中等に埋設することにより播種
作業を行うことができるため、播種作業の省力化及び合
理化が図れその作業効率を向上させ得ると共に、植物種
子の安定した播種状態を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる植物種子の播種用資材の一例を
示す平面図
【図2】同図1のA部拡大図
【図3】同図2のB部拡大図
【図4】同紐状部材の組織図
【図5】同紐状部材を稲作に使用した場合の田圃の平面
【図6】同図5のC−C線矢視断面図
【図7】紐状部材の他の組織図
【図8】紐状部材の他の使用形態を示す平面図
【図9】紐状部材のさらに他の使用形態を示す平面図
【図10】紐状部材のさらに他の使用形態を示す平面図
【図11】本発明に係わる播種用資材の他の実施例を示
す平面図
【図12】本発明に係わる播種用資材のさらに他の実施
例を示す平面図
【図13】本発明に係わる播種用資材のさらに他の実施
例を示す平面図
【図14】本発明に係わる播種用資材のさらに他の実施
例を示す平面図
【図15】本発明に係わる播種用資材のさらに他の実施
例を示す平面図
【符号の説明】
1・・・・・・・播種用資材 2・・・・・・・紐状部材 2a〜2h・・・紐状部材 3a、3b・・・繊維 4・・・・・・・開口 5・・・・・・・孔 6・・・・・・・種籾(種子) 7・・・・・・・田圃 8a、8b・・・畦 10・・・・・・水 13〜16・・・面状部材 18・・・・・・肥料 19・・・・・・カプセル 20・・・・・・農薬
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 康 静岡県浜松市新都田一丁目3番3号 静岡 県浜松工業技術センター内 (72)発明者 大石 一成 静岡県浜松市西島町1622番地 日本総研株 式会社内 (72)発明者 中島 貞至 静岡県浜松市西島町1622番地 日本総研株 式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性のある繊維によってメッシュ状か
    つ筒状の紐状部材を形成し、該紐状部材の内部に種子を
    所定間隔で封入した後に、紐状部材の少なくとも一部を
    土中等に埋設して、前記種子の播種を行うことを特徴と
    する植物種子の播種方法。
  2. 【請求項2】生分解性のある繊維によってメッシュ状か
    つ筒状の紐状部材を形成し、該紐状部材の内部に種子と
    肥料農薬等を封入した後に、紐状部材の少なくとも一部
    を土中等に埋設して、前記種子の播種を行うことを特徴
    とする植物種子の播種方法。
  3. 【請求項3】前記種子と肥料農薬等が、生分解可能なカ
    プセル中に封入されていることを特徴とする、請求項2
    記載の植物種子の播種方法。
  4. 【請求項4】生分解性のある繊維によってメッシュ状か
    つ筒状の紐状部材を形成し、該紐状部材の内部に種籾を
    所定間隔で一粒または複数粒づつ封入した後に、紐状部
    材をしろ掻きした田圃内に敷設してその端部を畦部に固
    定し、前記種籾の播種を行うことを特徴とする植物種子
    の播種方法。
  5. 【請求項5】前記紐状部材を織物及び網状に組織して田
    圃内に敷設することを特徴とする、請求項4記載の植物
    種子の播種方法。
  6. 【請求項6】生分解性樹脂の繊維をメッシュ状かつ筒状
    に組成して形成された紐状部材からなり、該紐状部材の
    内部に種子が所定間隔で封入されて、紐状部材の少なく
    とも一部が土中等に埋設されることを特徴とする植物種
    子の播種用資材。
  7. 【請求項7】前記紐状部材の繊維の略半数が右ひねりの
    螺旋状をなし、他の略半数が左ひねりの螺旋状をなし
    て、互いに交差し組織されていることを特徴とする、請
    求項6記載の植物種子の播種用資材。
  8. 【請求項8】前記紐状部材の繊維が平織または綾織等で
    組織されていることを特徴とする、請求項6もしくは請
    求項7記載の植物種子の播種用資材。
  9. 【請求項9】前記紐状部材が織物及び網状に組織されて
    いることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に
    記載の植物種子の播種用資材。
  10. 【請求項10】前記紐状部材の繊維中に肥料が含有され
    ていることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項
    に記載の植物種子の播種用資材。
  11. 【請求項11】前記紐状部材の繊維中に農薬が含有され
    ていることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項
    に記載の植物種子の播種用資材。
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