JP2829400B2 - きのこの人工栽培方法 - Google Patents
きのこの人工栽培方法Info
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Description
する。
を利用したほだ木栽培がほとんどであり、そのため気象
条件により収穫が左右されることが多く、また、最近で
はほだ木栽培においては原木又は原木切出しのための労
働力が不足していること等によって原木の入手が困難に
なりつつある。更に、ほだ木栽培では栽培期間が長いこ
と、すなわち種菌の接種からきのこの収穫までに1年半
〜2年も要することにより、生産コストが相当高くつく
のが実状である。
タケ、ナメコ等において、鋸屑に米糠を配合した培養基
を用い、瓶又は他で栽培を行う菌床人工栽培方法が確立
され、一年を通して、四季に関係なく安定してきのこが
収穫できるようになっている。すなわち、農家での副業
的性格が強く、小規模生産に頼っていたきのこの栽培
が、現在では企業が工業的スケールで大量に栽培でき、
かつ原料が入手しやすい菌床人工栽培法に移りつつあ
る。
連続栽培するには、いまだ収率も低く、かつ栽培期間が
かなり長いため、その生産コストは安価とはいえず、故
に今後これら生産性の改善が切望されている。
こを人工栽培する方法を提供することにある。
する発明であって、きのこの人工栽培において、Al2O3
及びSiO2を下記式〔I〕: (Al2O3)x(SiO2)1 ・・・〔I〕 (式中、xは1以上の数を示す)で表される重量比で含
有する化合物(以下化合物Iと略す)の少なくとも1種
を人工培養基に含有させることを特徴とする。
欠点を改善するため、鋸屑培養基を用いて、種々の栽培
実験を行い、鋭意検討を重ねた結果、既にアルミニウム
及び/又はアルミニウム化合物を培養基に添加すること
により、きのこを高収量で栽培できることを見出し、該
栽培方法の特許を出願した(特願昭63−267237号)。こ
のうち、比較的安価であった3ケイ酸アルミニウム及び
9ケイ酸アルミニウムについて類縁化合物の検討を更に
進めた。3ケイ酸アルミニウムのAl2O3とSiO2の組成比
は重量比で約(Al2O3)1(SiO2)1.8であり、9ケイ酸
アルミニウムの場合で約(Al2O3)1(SiO2)5.3であ
る。一方、Al2O3とSiO2の組成比が、重量比で(Al2O3)
1(SiO2)1.2から(Al2O3)1(SiO2)6.5までの化合
物のきのこ人工培養基への添加効果は特開昭64−34216
号公報に開示されている。本発明者らはAl2O3とSiO2の
組成比の異なる化合物の研究を鋭意行い、Al2O3/SiO2の
組成比が1以上の化合物Iにおいて、より少量の添加
で、3ケイ酸アルミニウム及び9ケイ酸アルミニウムと
同等以上の収量性が得られることを発見し、本発明を完
成した。
ニウム、ミョウバン、シリカゾル、シリカゲル、ケイ酸
ナトリウム等を原料として合成される化合物であり、x
の比率は、反応温度及び反応時間によって変えられる。
屑、ふすま、もみがら等の炭素源と米糠、大豆粕などの
窒素源の混合物に水を適当量加え、これを瓶又は箱に圧
詰めして調製するのが適当である。炭素源として鋸屑を
用いる場合、鋸屑は乾物重量として培地全乾物量の20〜
90%の範囲で使用することができるが、使用量は窒素源
として用いる培地成分によって変動する。一例として窒
素源に米糠を用いる場合、鋸屑は乾物重量として培地全
乾物量の20〜90%の範囲で使用し、残余に米糠を用いれ
ば良いが、好ましくは鋸屑と米糠を重量比1:1で混合し
た混合物に水を加えて、水分含有率を60〜65%に調整し
たものを、広口瓶に圧詰して調製することが望ましい。
それぞれ単独で用いてもよいが、混合して使用してもよ
い。
よって異なるが、例として組成比が(Al2O3)1(Si
O2)1の場合は重量比で、1〜20:100、好ましくは6〜
15:100が最もよい。また(Al2O3)3(SiO2)1の場合
は重量比で、1〜20:100、好ましくは3〜15:100が最も
よい。また(Al2O3)5(SiO2)1の場合は重量比で、
1〜20:100、好ましくは1〜10:100が最もよい。しかし
ながら、これらの化合物の添加量は上記の数値によって
特に制約されるものでない。また化合物Iは単独で用い
ても良いが2種類以上を混合して使用しても良い。なお
本発明で使用される化合物Iは無水物でも含水物でも良
い。また不可避不純物を含有しても良い。
あり、例えば、エノキタケ、ヒラタケ、シロタモギタ
ケ、ナメコ等が挙げられる。
下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。
g、米糠100gをよく混合し、これに、Al2O3及びSiO2を約
(Al2O3)1(SiO2)1の重量比で含有する化合物含水
物〔協和化学工業(株)製:分析値、Al2O3:30.0%、Si
O2:34.2%〕を0、1、3、6、10、15又は20g添加し水
分含有率を63%に調整したものをプラスチック製850ml
広口瓶に圧詰めした。各々の中央に直径約1cm程度の穴
を開け、打栓後、120℃で90分間殺菌した。冷却後、リ
オフィラム、ウルマリウム(M−8171株、FERM BP−14
15)の鋸屑種菌を常法どおり植菌し、暗所、温度25℃、
湿度55%の条件下で30日間培養し(菌まわし工程)、更
に30日間培養を続けて熟成させた。次に、栓を外して培
養基の上部から約1cm程度菌かきをして菌糸層を除いた
のち、水道水約20mlを添加して充分に吸水させた。4時
間放置後上部に残った水を取除いて、温度15℃、湿度95
%、照度20ルックスの条件下で10日間培養して子実体原
基を形成させ、更に照度を200ルックスに上げて、15日
間培養を続け、約(Al2O3)1(SiO2)1の重量比を有
する化合物が子実体収量に及ぼす影響について検討し
た。結果を第1表に示す。
2O3)1(SiO2)1の重量比を有する化合物を添加する
ことにより、リオフィラム ウルマリウム(M−8171
株、FERM BP−1415)の収量が無添加のコントロールと
較べ飛躍的に増大した。また最大収量を得た添加量は、
10(g/瓶)と、3ケイ酸アルミニウムの11.7(g/瓶)、
あるいは9ケイ酸アルミニウムの25(g/瓶)より少量で
かつ大きな効果を得ている。
g、米糠100gをよく混合し、これに、Al2O3及びSiO2を約
(Al2O3)3(SiO2)1の重量比で含有する化合物含水
物〔協和化学工業(株)製:分析値、Al2O3:42.8%、Si
O2:15.4%〕を0、1、3、6、10、15又は20g添加し水
分含有率を63%に調整したものをプラスチック製850ml
広口瓶に圧詰めした。各々の中央に直径約1cm程度の穴
を開け、打栓後、120℃で90分間殺菌した。冷却後、リ
オフィラム ウルマリウム(M−8171株、FERM BP−14
15)の鋸屑種菌を常法どおり植菌し、暗所、温度25℃、
湿度55%の条件下で30日間培養し(菌まわし工程)、更
に30日間培養を続けて熟成させた。次に、栓を外して培
養基の上部から約1cm程度菌かきをして菌糸層を除いた
のち、水道水約20mlを添加して充分に吸水させた。4時
間放置後上部に残った水を取除いて、温度15℃、湿度95
%、照度20ルックスの条件下で10日間培養して子実体原
基を形成させ、更に照度を200ルックスに上げて、15日
間培養を続け、約(Al2O3)3(SiO2)1の重量比を有
する化合物が子実体収量に及ぼす影響について検討し
た。結果を第2表に示す。
2O3)3(SiO2)1の重量比を有する化合物を添加する
ことにより、リオフィラム ウルマリウム(M−8171
株、FERM BP−1415)の収量が無添加のコントロールと
較べ飛躍的に増大した。また最大収量を得た添加量は、
6(g/瓶)と、3ケイ酸アルミニウムの11.7(g/瓶)、
あるいは9ケイ酸アルミニウムの25(g/瓶)より少量で
かつ大きな効果を得ている。
g、米糠100gをよく混合し、これに、Al2O3及びSiO2を約
(Al2O3)5(SiO2)1の重量比で含有する化合物含水
物〔協和化学工業(株)製:分析値、Al2O3:45.2%、Si
O2:11.1%〕を0、1、3、6、10、15又は20g添加し水
分含有率を63%に調整したものをプラスチック製850ml
広口瓶に圧詰めした。各々の中央に直径約1cm程度の穴
を開け、打栓後、120℃で90分間殺菌した。冷却後、リ
オフィラム ウルマリウム(M−8171株、FERM BP−14
15)の鋸屑種菌を常法どおり植菌し、暗所、温度25℃、
湿度55%の条件下で30日間培養し(菌まわし工程)、更
に30日間培養を続けて熟成させた。次に、栓を外して培
養基の上部から約1cm程度菌かきをして菌糸層を除いた
のち、水道水約20mlを添加して充分に吸水させた。4時
間放置後上部に残った水を取除いて、温度15℃、湿度95
%、照度20ルックスの条件下で10日間培養して子実体原
基を形成させ、更に照度を200ルックスに上げて、15日
間培養を続け、約(Al2O3)5(SiO2)1の重量比を有
する化合物が子実体収量に及ぼす影響について検討し
た。結果を第3表に示す。
2O3)5(SiO2)1の重量比を有する化合物を添加する
ことにより、リオフィラム ウルマリウム(M−8171
株、FERM BP−1415)の収量が無添加のコントロールと
較べ飛躍的に増大した。また最大収量を得た添加量は、
6(g/瓶)と、3ケイ酸アルミニウムの11.7(g/瓶)、
あるいは9ケイ酸アルミニウムの25(g/瓶)より少量で
かつ大きな効果を得ている。
g、米糠100gをよく混合、これに、Al2O3及びSiO2を約
(Al2O3)5(SiO2)1の重量比で含有する化合物含水
物〔協和化学工業(株)製:分析値、Al2O3:45.2%、Si
O2:11.1%〕を0、1、3、6、10、15又は20g添加し水
分含有率を63%に調整したものをプラスチック製850ml
広口瓶に圧詰めした。各々の中央に直径約1cm程度の穴
を開け、打栓後、120℃で90分間殺菌した。冷却後、ヒ
ラタケの鋸屑種菌を常法どおり植菌し、暗所、温度25
℃、湿度55%の条件下で30日間培養した。次に、栓を外
して培養基の上部から約1cm程度菌かきをして菌糸層を
除いたのち、水道水約20mlを添加して充分に吸水させ
た。4時間放置後上部に残った水を取除いて、温度15
℃、湿度95%、照度20ルックスの条件下で4日間培養し
て子実体原基を形成させ、更に照度を200ルックスに上
げて、10日間培養を続け、約(Al2O3)5(SiO2)1の
重量比を有する化合物が子実体収量に及ぼす影響につい
て検討した。結果を第4表に示す。
2O3)5(SiO2)1の重量比を有する化合物を添加する
ことにより、ヒラケタの収量が無添加のコントロールと
較べ飛躍的に増大した。
よれば、きのこを高収率で得ることが可能となった。
Claims (1)
- 【請求項1】きのこの人工栽培において、Al2O3及びSiO
2を下記式〔I〕: (Al2O3)x(SiO2)1 ・・・〔I〕 (式中、xは1以上の数を示す)で表される重量比で含
有する化合物の少なくとも1種を人工培養基に含有させ
ることを特徴とするきのこの人工栽培方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002581A JP2829400B2 (ja) | 1990-01-11 | 1990-01-11 | きのこの人工栽培方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002581A JP2829400B2 (ja) | 1990-01-11 | 1990-01-11 | きのこの人工栽培方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03210126A JPH03210126A (ja) | 1991-09-13 |
JP2829400B2 true JP2829400B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=11533343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002581A Expired - Lifetime JP2829400B2 (ja) | 1990-01-11 | 1990-01-11 | きのこの人工栽培方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0952201A1 (en) * | 1998-04-24 | 1999-10-27 | Createrra Inc. | Organic compost modifier and modified organic compost modified by the same |
JP4570295B2 (ja) * | 2001-09-04 | 2010-10-27 | 電気化学工業株式会社 | きのこの人工培養基及びそれを用いたきのこの人工栽培方法 |
JP4570296B2 (ja) * | 2001-09-04 | 2010-10-27 | 電気化学工業株式会社 | きのこの人工培養基及びそれを用いたきのこの人工栽培方法 |
-
1990
- 1990-01-11 JP JP2002581A patent/JP2829400B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03210126A (ja) | 1991-09-13 |
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