JP2828881B2 - 高圧電源回路 - Google Patents

高圧電源回路

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JP2828881B2
JP2828881B2 JP5247824A JP24782493A JP2828881B2 JP 2828881 B2 JP2828881 B2 JP 2828881B2 JP 5247824 A JP5247824 A JP 5247824A JP 24782493 A JP24782493 A JP 24782493A JP 2828881 B2 JP2828881 B2 JP 2828881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正負の出力を切り替え
るための高圧電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、正負の出力を切り替えための高圧
電源回路においては、正の出力用のトランジスタ及び負
の出力用のトランジスタを有しており、両トランジスタ
を選択的にオン・オフするようにしている。図2は従来
の高圧電源回路の第1の例を示す回路図である。
【0003】図において、11は制御回路、PWM1は
正の出力用として前記制御回路11によって発生させら
れたパルス幅変調信号、PWM2は負の出力用として前
記制御回路11によって発生させられたパルス幅変調信
号、Q1は前記パルス幅変調信号PWM1が入力される
正の出力用のトランジスタ、Q2は前記パルス幅変調信
号PWM2が入力される負の出力用のトランジスタ、T
1は正の出力用のトランス、T2は負の出力用のトラン
スである。
【0004】前記トランスT1において、一次側の巻線
は電源Vccと前記トランジスタQ1のコレクタの間に
接続され、二次側の巻線は正の出力用の整流回路12に
接続される。該整流回路12はダイオードD1及びコン
デンサC1から成り、該コンデンサC1と並列に負荷抵
抗R1が接続される。前記ダイオードD1はグラウンド
側から出力端子OUT側に電流を流すことができるよう
な方向に接続される。
【0005】一方、前記トランスT2において、一次側
の巻線は電源Vccと前記トランジスタQ2のコレクタ
の間に接続され、二次側の巻線は負の出力用の整流回路
13に接続される。該整流回路13はダイオードD2及
びコンデンサC2から成り、該コンデンサC2と並列に
負荷抵抗R2が接続される。前記ダイオードD2は出力
端子OUT側からグラウンド側に電流を流すことができ
るような方向に接続される。なお、前記負荷抵抗R1,
R2は前記出力端子OUTとグラウンドの間において互
いに直列に接続される。
【0006】また、抵抗R3,R4は前記出力端子OU
Tとグラウンドの間において互いに直列に接続され、抵
抗R3,R4間に発生させられた電圧による電圧フィー
ドバック信号SG1が前記制御回路11に入力される。
前記構成の高圧電源回路において、前記パルス幅変調信
号PWM1,PWM2をトランジスタQ1,Q2に入力
し、該トランジスタQ1,Q2によってスイッチングさ
せられた電流をトランスT1,T2に流すと、ダイオー
ドD1及びコンデンサC1によって整流された正の出力
が出力端子OUTに発生させられ、ダイオードD2及び
コンデンサC2によって整流された負の出力が出力端子
OUTに発生させられる。
【0007】図3は従来の高圧電源回路の第2の例を示
す回路図である。図において、11は制御回路、PWM
1は正の出力用として前記制御回路11によって発生さ
せられたパルス幅変調信号、PWM2は負の出力用とし
て前記制御回路11によって発生させられたパルス幅変
調信号、Q1は前記パルス幅変調信号PWM1が入力さ
れる正の出力用のトランジスタ、Q2は前記パルス幅変
調信号PWM2が入力される負の出力用のトランジス
タ、T1は正の出力用のトランス、T2は負の出力用の
トランスである。
【0008】前記トランスT1において、一次側の巻線
は電源Vccと前記トランジスタQ1のコレクタの間に
接続され、二次側の巻線は正の出力用の整流回路12に
接続される。該整流回路12はダイオードD1及びコン
デンサC1から成り、ダイオードD1及びコンデンサC
1と直列に負荷抵抗R5が接続される。前記ダイオード
D1はグラウンド側から出力端子OUT側に電流を流す
ことができるような方向に接続される。
【0009】一方、前記トランスT2において、一次側
の巻線は電源Vccと前記トランジスタQ2のコレクタ
の間に接続され、二次側の巻線は負の出力用の整流回路
13に接続される。該整流回路13はダイオードD2及
びコンデンサC2から成り、ダイオードD2及びコンデ
ンサC2と直列に負荷抵抗R6が接続される。前記ダイ
オードD2は出力端子OUT側からグラウンド側に電流
を流すことができるような方向に接続される。なお、前
記負荷抵抗R5,R6は前記出力端子OUTとグラウン
ドの間において互いに並列に接続される。
【0010】また、抵抗R3,R4は前記出力端子OU
Tとグラウンドの間において互いに直列に接続され、抵
抗R3,R4間に発生させられた電圧による電圧フィー
ドバック信号SG1が前記制御回路11に入力される。
前記構成の高圧電源回路において、前記パルス幅変調信
号PWM1,PWM2をトランジスタQ1,Q2に入力
し、該トランジスタQ1,Q2によってスイッチングさ
せられた電流をトランスT1,T2に流すと、ダイオー
ドD1及びコンデンサC1によって整流された正の出力
が出力端子OUTに発生させられ、ダイオードD2及び
コンデンサC2によって整流された負の出力が出力端子
OUTに発生させられる。
【0011】図4は従来の高圧電源回路の第3の例を示
す回路図である。図において、11は制御回路、PWM
1は正の出力用として前記制御回路11によって発生さ
せられたパルス幅変調信号、PWM2は負の出力用とし
て前記制御回路11によって発生させられたパルス幅変
調信号、Q1は前記パルス幅変調信号PWM1が入力さ
れる正の出力用のトランジスタ、Q2は前記パルス幅変
調信号PWM2が入力される負の出力用のトランジス
タ、T1は正の出力用のトランス、T2は負の出力用の
トランスである。
【0012】前記トランスT1において、一次側の巻線
は電源Vccと前記トランジスタQ1のコレクタの間に
接続され、二次側の巻線は正の出力用の整流回路12に
接続される。該整流回路12はダイオードD1及びコン
デンサC1から成り、前記ダイオードD1はグラウンド
側から出力端子OUT側に電流を流すことができるよう
な方向に接続される。
【0013】一方、前記トランスT2において、一次側
の巻線は電源Vccと前記トランジスタQ2のコレクタ
の間に接続され、二次側の巻線は負の出力用の整流回路
13に接続される。該整流回路13はダイオードD2及
びコンデンサC2から成り、前記ダイオードD2は出力
端子OUT側からグラウンド側に電流を流すことができ
るような方向に接続される。
【0014】また、整流回路12,13はスイッチ21
を介して選択的に前記出力端子OUTに接続され、スイ
ッチ21はリレー22によって切り替えられるようにな
っている。該リレー22は、電源Vccとグラウンドの
間においてトランジスタQ7と直列に接続され、トラン
ジスタQ7に入力される制御信号CT1によって前記ス
イッチ21を切り替えるようになっている。なお、D3
はリレー22用のダイオードである。
【0015】前記構成の高圧電源回路において、前記パ
ルス幅変調信号PWM1,PWM2をトランジスタQ
1,Q2に入力し、該トランジスタQ1,Q2によって
スイッチングさせられた電流をトランスT1,T2に流
すと、ダイオードD1及びコンデンサC1によって整流
された正の出力が出力端子OUTに発生させられ、ダイ
オードD2及びコンデンサC2によって整流された負の
出力が出力端子OUTに発生させられる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の高圧電源回路においては、第1、第2の例の場合、
正の出力用の回路が正の出力を発生させる際に負の出力
用の回路の影響を受けることがないように負の出力用の
回路に負荷抵抗R2,R6が配設され、反対に負の出力
用の回路が負の出力を発生させる際に正の出力用の回路
の影響を受けることがないように正の出力用の回路に負
荷抵抗R1,R5が配設されるので、高圧電源回路の出
力負荷特性(レギュレーション)が悪くなってしまう。
【0017】すなわち、第1の例の場合、ダイオードD
1,D2が互いに逆方向に直列に接続されるので、正の
出力用の回路が正の出力を発生させる際に負の出力用の
回路の負荷抵抗R2を介して出力電流が流れ、負の出力
用の回路が負の出力を発生させる際に正の出力用の回路
の負荷抵抗R1を介して出力電流が流れる。また、第2
の例の場合、ダイオードD1,D2が互いに逆方向に並
列に接続されるので、正の出力用の回路と負の出力用の
回路が互いに短絡し合うのを防止するために整流回路1
2,13は負荷抵抗R5,R6を介して出力電流を流す
ようにしている。
【0018】したがって、第1、第2の例のいずれも負
荷抵抗R1,R2,R5,R6を介して出力電流が流れ
るので、出力電流が増加すると出力電圧が低下してしま
う。そこで、出力電圧を抵抗R3,R4によって分圧
し、分圧された電圧を電圧フィードバック信号SG1と
して制御回路11にフィードバックし、パルス幅変調信
号PWM1,PWM2のパルス幅を制御することによっ
て出力電圧を維持するようにしている。したがって、高
圧電源回路が複雑になり、大型化し、コストが高くなっ
てしまう。
【0019】また、第3の例の場合、抵抗を介して出力
電流が流れるようになっていないので、高圧電源回路の
出力負荷特性が悪くなることはないが、正の出力と負の
出力を切り替えるためのリレー22が必要になり、高圧
電源回路が大型化し、コストが高くなってしまう。さら
に、第1、第2、第3の例のいずれも、巻線の巻方向を
出力の極性に対応させるために複数のトランスT1,T
2が必要であり、しかも、いずれも高電圧用のものを使
用する必要があるので高圧電源回路が複雑になり、大型
化し、コストが高くなってしまう。
【0020】本発明は、前記従来の高圧電源回路の問題
点を解決して、出力負荷特性が悪くなることがなく、簡
素化して小型化することができるとともに、コストを低
くすることができる高圧電源回路を提供することを目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の高
圧電源回路においては、少なくともコイルを備えた共振
回路を有し、該共振回路に発振用スイッチング手段が接
続されるとともに、コンデンサ及びダイオードから成る
倍電圧整流回路が接続される。そして、該倍電圧整流回
路のダイオードの零電位側に出力切替用スイッチング手
段が接続される。
【0022】本発明の他の高圧電源回路においては、前
記倍電圧整流回路は複数配設され、出力端子を共通とす
る。
【0023】
【作用】本発明によれば、前記のように高圧電源回路に
おいては、少なくともコイルを備えた共振回路が配設さ
れ、該共振回路に発振用スイッチング手段が接続される
とともに、コンデンサ及びダイオードから成る倍電圧整
流回路が接続される。したがって、前記発振用スイッチ
ング手段をオン・オフさせることによって、前記共振回
路において共振電圧が発生させられ、該共振電圧が倍電
圧整流回路によって倍電圧整流される。
【0024】そして、該倍電圧整流回路のダイオードの
零電位側に出力切替用スイッチング手段が接続される。
該出力切替用スイッチング手段をオン・オフさせること
によって、出力端子に出力が選択的に発生させられる。
本発明の他の高圧電源回路においては、前記倍電圧整流
回路は複数配設され、出力端子を共通とする。この場
合、正の出力及び負の出力を共通の出力端子に発生させ
ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例に
おける高圧電源回路を示す図、図5は本発明の第1の実
施例における高圧電源回路のタイムチャートである。図
において、L1はコイル、D4はダイオード、Q3は発
振用スイッチング手段としてのトランジスタであり、前
記コイルL1、ダイオードD4及びトランジスタQ3が
電源Vccとグラウンドの間において直列に接続され
る。また、前記コイルL1と並列にコンデンサC4が接
続されて共振回路が形成される。
【0026】そして、前記トランジスタQ3のベースに
はパルス幅変調信号PWMが入力される。該パルス幅変
調信号PWMによって発生させられるベース電圧VB1
電位が図5に示すように変化すると、前記トランジスタ
Q3はオン・オフを繰り返す。すなわち、トランジスタ
Q3がオンになると、コレクタ電流iC がコンデンサC
4を充電しながら iC =(VCC/L)・t のように徐々に増加する。なお、VCCは電源Vccの電
圧、LはコイルL1のインダクタンス、tは時間であ
る。この場合、トランジスタQ3がオンになった直後
は、図5に示すようにコレクタ電流iC にはトランジス
タQ3のオフの間の共振電圧VL1による共振電流の影響
が残る。
【0027】続いて、トランジスタQ3がオフになる
と、コイルL1に蓄積されたエネルギによって前記共振
回路に共振電圧VL1が発生させられる。この時、該共振
電圧V L1は正負両方向に振れる。そこで、前記トランジ
スタQ3に負の電圧が印加されないようにダイオードD
4が配設される。また、前記コイルL1とダイオードD
4の間に正の出力用の倍電圧整流回路31及び負の出力
用の倍電圧整流回路32が互いに並列に結線される。
【0028】前記倍電圧整流回路31は、入力側の分岐
ラインaに接続されたコンデンサC11、該コンデンサ
C11の零電位側に接続されたダイオードD11、該ダ
イオードD11の零電位側に接続された第1の出力切替
用スイッチング手段としてのトライアックQ11、前記
コンデンサC11とダイオードD11の間に結線された
ダイオードD12、及び該ダイオードD12の零電位側
に接続されたコンデンサC12から成り、ダイオードD
12とコンデンサC12の間に出力端子OUT1が結線
される。前記ダイオードD11,D12はグラウンド側
から出力端子OUT1側に電流が流れるような方向に接
続される。
【0029】一方、前記倍電圧整流回路32は、入力側
の分岐ラインaに接続されたコンデンサC21、該コン
デンサC21の零電位側に接続されたダイオードD2
1、該ダイオードD21の零電位側に接続された第2の
出力切替用スイッチング手段としてのサイリスタQ2
1、前記コンデンサC21とダイオードD21の間に結
線されたダイオードD22、及び該ダイオードD22の
零電位側に接続されたコンデンサC22から成り、ダイ
オードD22とコンデンサC22の間に出力端子OUT
2が結線される。前記ダイオードD21,D22は出力
端子OUT2側からグラウンド側に電流が流れるような
方向に接続される。
【0030】なお、出力の異なる図示しない他の倍電圧
整流回路を、前記倍電圧整流回路31,32と並列に更
に結線することもできる。また、各倍電圧整流回路3
1,32はいずれも1段の倍電圧整流回路から成ってい
るが、ダイオード及びコンデンサの組を複数組直列に接
続することによって複数段の倍電圧整流回路を形成する
ことができる。さらに、前記第1、第2の出力切替用ス
イッチング手段としてトランジスタ、FET等のスイッ
チング素子を使用することもできる。
【0031】そして、前記共振回路に発生させられた共
振電圧VL1は、分岐ラインaを介して前記倍電圧整流回
路31,32に入力され、該倍電圧整流回路31,32
において倍電圧整流され、倍電圧整流回路31の場合は
正の出力を出力端子OUT1に、倍電圧整流回路32の
場合は負の出力を出力端子OUT2に発生させる。とこ
ろで、前記コイルL1及びコンデンサC4によって共振
回路が形成されるようになっているが、コイルL1が分
布容量を有するとともに、コイルL1にコンデンサC1
1,C21が接続されているので、コンデンサC4を省
略することもできる。
【0032】そこで、これらのコンデンサC4,C1
1,C21の容量の和をCとし、トランジスタQ3がオ
フの時のコレクタ電流iC をiCOとすると、共振電圧V
L1のピーク電圧VL1peak
【0033】
【数1】
【0034】となる。そして、例えば、コイルL1とし
てインダクタンスLが2〔mH〕の安価な空心コイルを
使用し、電源Vccの電圧VCCを5〔V〕とし、パルス
幅変調信号PWMを周波数が5〔kHz〕で1/2デュ
ーティの矩形(くけい)波とすると、コレクタ電流iC
のピーク値iCOpeakは iCOpeak=(5/2×10-3)×(1/5×103 )×1/2 =0.25〔A〕 =250〔mA〕 となる。また、前記容量の和Cが800〔pF〕である
場合、共振電圧VL1のピーク電圧VL1peak
【0035】
【数2】
【0036】となる。このように、大型で高価なトラン
スを使用することなく、400〔V〕に近い出力を発生
させることができる。この場合、前記トライアックQ1
1に制御信号CT1を入力することによって倍電圧整流
回路31を、サイリスタQ21に制御信号CT2を入力
することによって倍電圧整流回路32を作動させること
ができる。
【0037】すなわち、制御信号CT1,CT2が入力
されないと、トライアックQ11及びサイリスタQ21
がオフになり、ダイオードD11,D21の電圧を0
〔V〕に決定することができず、ダイオードD11のア
ノード側及びダイオードD21のカソード側が開放端に
なってしまう。したがって、コンデンサC11,C21
のダイオードD11,D21側の端子の電位を決定する
ことができず、出力端子OUT1,OUT2には出力が
発生しない。
【0038】このように、トライアックQ11及びサイ
リスタQ21のオン・オフによって出力端子OUT1,
OUT2における出力の発生の有無を制御することがで
きる。ところで、この種の高圧電源回路が搭載される機
器、例えば、電子写真プリンタはマイクロコンピュータ
によって制御され、そのために+5〔V〕の制御用の電
圧が発生させられる。したがって、前記マイクロコンピ
ュータによって制御信号CT1,CT2を発生させる
と、ホトカプラや絶縁トランス等の信号伝達手段を使用
する必要がなくなり、高圧電源回路を簡素化することが
できる。
【0039】ところが、本実施例においては、各倍電圧
整流回路31の出力端子OUT1に正の出力を発生さ
せ、前記倍電圧整流回路32の出力端子OUT2に負の
出力を発生させるようにしているので、各倍電圧整流回
路31,32にスイッチング手段を配設する場合、倍電
圧整流回路31のスイッチング手段には負の電圧が印加
され、倍電圧整流回路32のスイッチング手段には正の
電圧が印加されることになる。
【0040】そこで、前述したように、第1の出力切替
用スイッチング手段としてトライアックQ11を使用
し、第2の出力切替用スイッチング手段としてサイリス
タQ21を使用することによって、極性が正の制御信号
CT1を使用してトライアックQ11をオン・オフさ
せ、極性が正の制御信号CT2を使用してサイリスタQ
21をオン・オフさせることができるようにしている。
また、トライアックQ11及びサイリスタQ21を使用
することによって、前記倍電圧整流回路31,32の耐
圧性を向上させることもできる。
【0041】なお、第2の出力切替用スイッチング手段
としてスイッチングの応答速度が十分に高いサイリスタ
Q21を使用すると、スイッチングの際に電流が逆方向
に流れるのを防止することができる。したがって、前記
共振回路の共振周波数によっては、ダイオードD21を
省略し、高圧電源回路を更に簡単化することもできる。
【0042】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図6は本発明の第2の実施例における高圧電源回
路を示す図、図7は本発明の第2の実施例における高圧
電源回路のタイムチャートである。図において、L2,
L3はコイル、D5,D6はダイオード、Q4は第1の
発振用スイッチング手段としてのトランジスタ、Q5は
第2の発振用スイッチング手段としてのトランジスタで
ある。前記コイルL2、ダイオードD5及びトランジス
タQ4が、また、コイルL3、ダイオードD6及びトラ
ンジスタQ5が電源Vccとグラウンドの間に直列に接
続される。そして、前記コイルL2と並列にコンデンサ
C5が、コイルL3と並列にコンデンサC6が接続され
て共振回路が形成される。さらに、前記トランジスタQ
4のコレクタ・エミッタ間にツェナーダイオードDZ1
が、トランジスタQ5のコレクタ・エミッタ間にツェナ
ーダイオードDZ2が接続される。
【0043】また、前記トランジスタQ4にはパルス幅
変調信号PWM1が入力され、該パルス幅変調信号PW
M1によって発生させられるベース電圧VB2の電位が変
化すると、前記トランジスタQ4はオン・オフを繰り返
す。一方、前記トランジスタQ5にはパルス幅変調信号
PWM2が入力され、該パルス幅変調信号PWM2によ
って発生させられるベース電圧VB3の電位が変化する
と、前記トランジスタQ5はオン・オフを繰り返す。
【0044】また、前記コイルL2とダイオードD5の
間に正の出力用の倍電圧整流回路35が、前記コイルL
3とダイオードD6の間に負の出力用の倍電圧整流回路
36が互いに並列に結線される。この場合、倍電圧整流
回路35,36の出力側を結線してワイヤードオアと
し、共通の出力端子OUTに出力を発生させるようにし
ている。
【0045】前記倍電圧整流回路35は、入力側の分岐
ラインbに接続されたコンデンサC11、該コンデンサ
C11の零電位側に接続されたダイオードD11、該ダ
イオードD11の零電位側に接続された第1の出力切替
用スイッチング手段としてのトライアックQ11、前記
コンデンサC11とダイオードD11の間に結線された
ダイオードD12、及び該ダイオードD12の零電位側
に接続された正の出力用及び負の出力用の共通のコンデ
ンサC12から成り、ダイオードD12とコンデンサC
12の間に正の出力用及び負の出力用の共通の出力端子
OUTが結線される。前記ダイオードD11,D12は
出力端子OUT側からグラウンド側に電流が流れるよう
な方向に接続される。
【0046】一方、前記倍電圧整流回路36は、入力側
の分岐ラインcに接続されたコンデンサC21、該コン
デンサC21の零電位側に接続されたダイオードD2
1、該ダイオードD21の零電位側に接続された第2の
出力切替用スイッチング手段としてのサイリスタQ2
1、前記コンデンサC21とダイオードD21の間に結
線されたダイオードD22、及び該ダイオードD22の
零電位側に接続された正の出力用及び負の出力用の共通
のコンデンサC12から成り、ダイオードD22とコン
デンサC12の間に正の出力用及び負の出力用の共通の
出力端子OUTが結線される。前記ダイオードD21,
D22はグラウンド側から出力端子OUT側に電流が流
れるような方向に接続される。
【0047】なお、出力の異なる図示しない他の倍電圧
整流回路を、更に前記倍電圧整流回路35,36と並列
に結線することもできる。また、各倍電圧整流回路3
5,36はいずれも1段の倍電圧整流回路から成ってい
るが、ダイオード及びコンデンサの組を複数組直列に接
続することによって複数段の倍電圧整流回路を形成する
ことができる。さらに、前記第1、第2の出力切替用ス
イッチング手段としてトランジスタ、FET等のスイッ
チング素子を使用することもできる。
【0048】そして、前記トライアックQ11に制御信
号CT1を入力することによって倍電圧整流回路35
を、サイリスタQ21に制御信号CT2を入力すること
によって倍電圧整流回路36を作動させることができ
る。この場合、前記トランジスタQ4,Q5のコレクタ
・エミッタ間にツェナーダイオードDZ1,DZ2が接
続されているので、出力が安定化させられる。例えば、
正の出力用の共振回路によって発生させられる共振電圧
L2は、図7に示すようにツェナーダイオードDZ1に
よってピーク電圧がクランプされ、この時、ツェナー電
圧VDZ1 がピーク値となる。
【0049】このように、前記倍電圧整流回路35,3
6においては、共振電圧VL1,VL2がピーク電圧になる
までコンデンサC11,C21が充電されるため、ピー
ク電圧のクランプによって出力が安定化させられる。そ
して、出力端子OUTに出力される出力電力の最大値に
対応するエネルギがコイルL2,L3に蓄えられるよう
にパルス幅変調信号PWM1,PWM2のタイミング及
びパルス幅を設定すると、パルス幅変調信号PWM1,
PWM2の波形を固定することができ、複雑な制御回路
や出力を検出するための回路が不要になる。
【0050】なお、出力端子OUTに発生させられる出
力は前記ツェナー電圧VDZ1 のほぼ2倍になる。また、
前記ツェナーダイオードDZ1,DZ2のツェナー電圧
DZ 1 ,VDZ2 を設定することによって、出力を任意に
設定することができる。そして、前記倍電圧整流回路3
5,36が正の出力用と負の出力用の共通のコンデンサ
C12及び出力端子OUTを有しているので、出力端子
OUTに任意の極性の出力を発生させることができる。
すなわち、トライアックQ11をオンにし、サイリスタ
Q21をオフにすることによって、出力端子OUTに正
の出力を発生させることができ、トライアックQ11を
オフにし、サイリスタQ21をオンにすることによっ
て、出力端子OUTに負の出力を発生させることができ
る。
【0051】しかも、この時、ダイオードD11,D1
2,D21,D22が配設されているので、反対の極性
の倍電圧整流回路35,36において短絡が発生するこ
とはなく、また、コンデンサC11,C21が配設され
ていて直流電流が阻止されるので、コンデンサC11,
C21を介して短絡が発生することもない。次に、本発
明の第3の実施例について説明する。
【0052】図8は本発明の第3の実施例における高圧
電源回路を示す図である。図において、L4はコイル、
Q6は発振用スイッチング手段としてのトランジスタで
ある。前記コイルL4及びトランジスタQ6が電源Vc
cとグラウンドの間において直列に接続される。また、
前記コイルL4と並列にコンデンサC7が接続されて共
振回路が形成され、前記トランジスタQ6のコレクタ・
エミッタ間にツェナーダイオードDZ3が接続される。
【0053】そして、前記トランジスタQ6にはパルス
幅変調信号PWMが入力され、該パルス幅変調信号PW
Mによって発生させられるベース電圧VB4の電位が変化
すると、前記トランジスタQ6はオン・オフを繰り返
す。また、前記コイルL4とトランジスタQ6の間に正
の出力用の倍電圧整流回路35及び負の出力用の倍電圧
整流回路36が互いに並列に結線される。この場合、倍
電圧整流回路35,36の出力側を結線してワイヤード
オアとし、共通の出力端子OUTに出力を発生させるよ
うにしている。
【0054】前記倍電圧整流回路35は、入力側の分岐
ラインaに接続されたコンデンサC11、該コンデンサ
C11の零電位側に接続されたダイオードD11、該ダ
イオードD11の零電位側に接続された第1の出力切替
用スイッチング手段としてのトライアックQ11、前記
コンデンサC11とダイオードD11の間に結線された
ダイオードD12、及び該ダイオードD12の零電位側
に接続された正の出力用及び負の出力用の共通のコンデ
ンサC12から成り、ダイオードD12とコンデンサC
12の間に正の出力用及び負の出力用の共通の出力端子
OUTが結線される。前記ダイオードD11,D12は
グラウンド側から出力端子OUT側に電流が流れるよう
な方向に接続される。
【0055】一方、前記倍電圧整流回路36は、入力側
の分岐ラインaに接続されたコンデンサC21、該コン
デンサC21の零電位側に接続されたダイオードD2
1、該ダイオードD21の零電位側に接続された第2の
出力切替用スイッチング手段としてのサイリスタQ2
1、前記コンデンサC21とダイオードD21の間に結
線されたダイオードD22、及び該ダイオードD22の
零電位側に接続された正の出力用及び負の出力用の共通
のコンデンサC12から成り、ダイオードD22とコン
デンサC12の間に正の出力用及び負の出力用の共通の
出力端子OUTが結線される。前記ダイオードD21,
D22は出力端子OUT側からグラウンド側に電流が流
れるような方向に接続される。
【0056】なお、VL1は共振電圧、CT1,CT2は
制御信号である。この場合、前記出力端子OUTにおい
て倍電圧整流回路35によって発生させられる出力と倍
電圧整流回路36によって発生させられる出力は等し
く、極性のみを変更することができるようになってい
る。すなわち、トライアックQ11をオンにし、サイリ
スタQ21をオフにすることによって、出力端子OUT
に正の出力を発生させることができ、トライアックQ1
1をオフにし、サイリスタQ21をオンにすることによ
って、出力端子OUTに負の出力を発生させることがで
きる。
【0057】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させるこ
とが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するも
のではない。
【0058】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば高圧電源回路においては、少なくともコイルを備え
た共振回路が配設され、該共振回路に発振用スイッチン
グ手段が接続されるとともに、コンデンサ及びダイオー
ドから成る倍電圧整流回路が接続される。したがって、
前記発振用スイッチング手段をオン・オフさせることに
よって、前記共振回路において共振電圧が発生させら
れ、該共振電圧が倍電圧整流回路によって倍電圧整流さ
れる。
【0059】そして、該倍電圧整流回路のダイオードの
零電位側に出力切替用スイッチング手段が接続される。
該出力切替用スイッチング手段をオン・オフさせること
によって、出力端子に出力が選択的に発生させられる。
したがって、正の出力用の倍電圧整流回路と負の出力用
の倍電圧整流回路を、抵抗を介することなく結線するこ
とができるので、高圧電源回路の出力負荷特性が悪くな
ることがない。
【0060】また、出力電流が増加したときに出力電圧
が低下することがないので、発振用スイッチング手段の
パルス幅を変更する必要がなく、また、リレーなどを配
設する必要もないので、高圧電源回路を簡素化して小型
化することができるとともに、コストを低くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における高圧電源回路を
示す図である。
【図2】従来の高圧電源回路の第1の例を示す回路図で
ある。
【図3】従来の高圧電源回路の第2の例を示す回路図で
ある。
【図4】従来の高圧電源回路の第3の例を示す回路図で
ある。
【図5】本発明の第1の実施例における高圧電源回路の
タイムチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例における高圧電源回路を
示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例における高圧電源回路の
タイムチャートである。
【図8】本発明の第3の実施例における高圧電源回路を
示す図である。
【符号の説明】
31,32,35,36 倍電圧整流回路 L1〜L4 コイル Q3〜Q6 トランジスタ D4〜D6,D11,D12,D21,D22 ダイオ
ード C11,C12,C21,C22 コンデンサ Q11 トライアック Q21 サイリスタ OUT,OUT1,OUT2 出力端子 VL1,VL2 共振電圧

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくともコイルを備えた共振回
    路と、 (b)該共振回路に接続された発振用スイッチング手段
    と、 (c)前記共振回路に接続され、コンデンサ及びダイオ
    ードから成る倍電圧整流回路と、 (d)該倍電圧整流回路のダイオードの零電位側に接続
    された出力切替用スイッチング手段とを有することを特
    徴とする高圧電源回路。
  2. 【請求項2】 前記倍電圧整流回路は複数配設され、出
    力端子を共通とした請求項1に記載の高圧電源回路。
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