JP2828333B2 - エンジンの吸気構造 - Google Patents

エンジンの吸気構造

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JP2828333B2 JP23787190A JP23787190A JP2828333B2 JP 2828333 B2 JP2828333 B2 JP 2828333B2 JP 23787190 A JP23787190 A JP 23787190A JP 23787190 A JP23787190 A JP 23787190A JP 2828333 B2 JP2828333 B2 JP 2828333B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンの吸気構造に関し、特に、動的効
果(吸気慣性効果)を利用して吸気を過給するようにし
たものに関する。
(従来の技術) 近来、エンジンの出力トルクを向上させるために、エ
ンジンの気筒に供給される吸気を吸気慣性効果などの動
的効果を利用して過給することにより、吸気の充填効率
を高めるようにすることが行われている。
すなわち、吸気慣性効果による過給では、エンジンの
所定の回転域(同調回転域)において、各気筒の吸気行
程初期で吸気弁の開弁に伴って吸気ポートに吸気の負圧
波が発生したとき、この吸気負圧波を該吸気ポートに接
続された独立吸気通路内で上流側に向かって音速で伝播
させ、この負圧波を所定の容積部(ボリューム室)で正
圧波に反転させる。さらに、この正圧波を同一の経路で
下流側に音速で伝播させて吸気弁が閉弁する直前の吸気
行程終期に同じ気筒の吸気ポートに到達させ、その正圧
波により吸気を燃焼室に押し込んでその充填効率を高め
るようになっている。
そして、吸気の圧力波を反転させる集合部としては、
一般にサージタンクが利用されているが、このサージタ
ンクでは、その内部における上流側通路から各独立吸気
通路までの長さが各気筒で異なるので、各気筒に対する
吸気の分配性や吸気慣性効果が均一にならない等の問題
がある。
このため、従来、実開昭60−88062号公報には、エン
ジンの一側面側より各気筒にそれぞれ連通する独立吸気
通路の上流端集合部を略円錐台状の空間とし、その小径
側端に主吸気通路の下流端を、一方、大径側端に複数の
独立吸気通路をそれぞれ接続し、独立吸気通路の上流端
開口を主吸気通路の下流端開口の軸心を通る軸線に対し
線対象に配置することが提案されている。このものによ
ると、エンジンの気筒列方向の中央に位置している集合
部における主吸気通路の下流端開口から各独立吸気通路
の上流端開口までの距離が独立吸気通路について略等し
くなり、各気筒の吸気の配分性が均一化されるととも
に、主吸気通路から各気筒に至る吸気流動系路の急激な
屈曲がなくなって吸気抵抗が低減され、さらに、各独立
吸気通路上流端開口の近接配置により、各独立吸気通路
が他の独立吸気通路での吸気慣性効果の容積室として利
用されて、集合部自体の大きさをコンパクトにすること
ができる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、直列型エンジンにおいて、独立吸気通路を
気筒列方向の中央で集合させると、その幅方向にスペー
スを要して、エンジンの横方向の幅が増大することにな
る。
そこで、こうした問題を回避するには、各独立吸気通
路を彎曲させたのちその上流端をエンジンの上方で且つ
気筒列方向の一方側に延ばして、エンジンの気筒列方向
に対して略直交する集合部の接続面に接続する構造とす
ればよい。
しかしながら、全ての独立吸気通路がエンジンの上方
で且つ気筒列方向の一方側に延びた構造であると、独立
吸気通路自体の通路長さが各気筒毎で異なり、独立吸気
通路間での吸気の分配性や吸気慣性効果に差が生じる。
また、各独立吸気通路のうち、集合部の接続面に対し
て近くに位置する気筒の独立吸気通路は、集合部の接続
面に対して遠くに位置する気筒の独立吸気通路に対して
その通路自体に急激な彎曲が要求されて吸気抵抗が増大
し、各気筒間における充填効率にばらつきが生じる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、各独立吸気通路の彎曲部の曲率半径を適宜設
定することにより、独立吸気通路を各気筒毎でその通路
長さ等の諸元を均一にしつつコンパクトに配置し、且つ
通路自体の急激な彎曲を無くして吸気抵抗を低減させ各
気筒間における充填効率のばらつきを解消することにあ
る。
また、上記の集合部の接続面に対する各独立吸気通路
の接続位置を特定することで、各独立吸気通路の取り回
し性を向上させることも目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項(1)に係る発明が
講じた解決手段は、複数の気筒を有するエンジンにその
一側面側より各気筒にそれぞれ連通する独立吸気通路が
設けられ、該各独立吸気通路は彎曲したのちその上流端
が一箇所に集合されるようにしたエンジンの吸気構造を
前提とする。そして、上記各独立吸気通路を、その上流
端の集合部に対してエンジンの気筒列方向と略直交する
接続面で接続するとともに、上記集合部をエンジンの上
方で且つ気筒列方向の一方側に位置させる。さらに、上
記各独立吸気通路のうち、上記集合部の接続面に対して
近くに位置する気筒の独立吸気通路を、集合部の接続面
に対して遠くに位置する気筒の独立吸気通路よりも彎曲
部の曲率半径が大きくなるように形成する構成としたも
のである。
また、請求項(2)に係る発明が講じた解決手段は、
各独立吸気通路のうち、集合部の接続面に対して近くに
位置する気筒の独立吸気通路を該集合部の接続面の上側
に接続する一方、集合部の接続面に対して遠くに位置す
る気筒の独立吸気通路を該集合部の接続面の下側に接続
する構成したものである。
さらに、請求項(3)に係る発明が講じた解決手段
は、気筒を3つ以上有し、各独立吸気通路のうち、両側
方に位置する気筒の独立吸気通路を集合部の接続面のエ
ンジン側に接続する一方、中央に位置する気筒の独立吸
気通路を集合部の接続面の反エンジン側に接続する構成
としたものである。
(作用) 上記の構成により、請求項(1)に係る発明では、各
気筒にそれぞれ連通する独立吸気通路は、エンジン上方
で且つ気筒列方向の一方側に向って延びるように彎曲し
て互いに集合部に対して接続面で集合されて、エンジン
横方向への幅を増大させずにコンパクトに配置されてい
る。その場合、各独立吸気通路のうち、集合部の接続面
に対して近くに位置する気筒の独立吸気通路が、集合部
の接続面に対して遠くに位置する気筒の独立吸気通路に
比して短くなる分だけ彎曲部の曲率半径を大きくして通
路長を長くする系路で集合部の接続面に接続されている
一方、集合部の接続面に対して遠くに位置する気筒の独
立吸気通路が、集合部の接続面に対して近くに位置する
気筒の独立吸気通路に比して長くなる分だけ彎曲部の曲
率半径を小さくして通路長を短くする系路で集合部の接
続面に接続されている。このため、独立吸気通路自体の
長さが各気筒毎で等長となり、独立吸気通路間での吸気
の分配性が均一になるとともに、吸気慣性効果に差が生
じることはない。
また、上記の如く集合部に対して近い気筒の独立吸気
通路が、彎曲部の曲率半径を大きくして通路長を長くす
る系路で集合部の接続面に接続されていることから、集
合部に対して近い気筒の独立吸気通路は、その通路自体
の急激な彎曲が緩和されて、吸気抵抗が減少する。
また、請求項(2)に係る発明では、各独立吸気通路
のうち、集合部の接続面に対して遠い気筒の独立吸気通
路が、集合部の接続面に対して近い気筒の独立吸気通路
の曲率半径の大きな彎曲部を迂回するよう,その近い気
筒の独立吸気通路に比して気筒列方向に長くなる分だけ
曲率半径の小さな彎曲部でもって上方へ延びて集合部の
接続面の上側に接続されている一方、集合部の接続面に
対して近い気筒を独立吸気通路が、集合部の接続面に対
して遠い気筒の独立吸気通路に邪魔されることなく該独
立吸気通路に比して気筒列方向に短くなる分だけ曲率半
径を大きくした彎曲部が遠い気筒の独立吸気通路の下方
において安易に取り回されて集合部の接続面の下側に接
続されている。このため、集合部に対して遠い気筒の独
立吸気通路が集合部の接続面の下側に接続されるものの
ように集合部に対して近い気筒の独立吸気通路が、集合
部に対して遠い気筒の独立吸気通路を避けながら接続さ
れて通路長を不要に長くしたり、彎曲部の曲率半径を小
さくしたりせずに容易に取り回されることになる。
また、請求項(3)に係る発明では、3つ以上の気筒
を有し、その各気筒に連通する独立吸気通路のうち、気
筒列方向中央に位置する気筒の独立吸気通路が、レイア
ウト的に厳しい各気筒(エンジン)と集合部との間にお
いて両側方に位置する各独立吸気通路の彎曲部の邪魔に
ならないよう,気筒列方向と直交する面上で彎曲して、
エンジンから離れる集合部の接続面の反エンジン側に接
続されている一方、両側方に位置する各独立吸気通路
が、気筒の存在しない側方となる気筒列方向で余裕をも
って彎曲して、集合部の接続面のエンジン側に接続され
ている。このため、コンパクト化を図る上で集合部が各
気筒に近接配置されていても各気筒の独立吸気通路は彎
曲部の曲率半径に制約を受けることなく彎曲されて容易
に取り回されることになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図ないし第3図は本発明を直列4気筒エンジンに
適用した第1実施例を示す。図において、1は第1〜第
4の4つの気筒2a〜2dを有する直列4気筒エンジンであ
って、これら第1〜第4気筒2a〜2dはそれぞれ等間隔を
あけて直列に形成されている。そして、これら気筒2a〜
2dは例えば、第1気筒2a→第3気筒2c→第2気筒2b→第
4気筒2dの順序で吸気行程が進行するようになってい
る。
4は上記各気筒2a〜2dに吸気を供給する吸気通路で、
この吸気通路4は、下流端が各気筒2a,2b,2c,2dの吸気
ポート3にそれぞれ接続された4つの独立吸気通路5a,5
b,5c,5dと、該各独立吸気通路5a,5b,5c,5dの上流端に接
続された略円錐台状の吸気集合部6(集合部)と、該吸
気集合部6の上流端に接続された主吸気通路7とを備え
ている。これらはエンジン1の一側(第2図では右側)
に配置され、その上流端は図外のエアクリーナに接続さ
れている。このエアクリーナよりも下流側の主吸気通路
7には吸入空気量を検出するエアフローメータ(図示せ
ず)が配設されている。また、上記各独立吸気通路5a,5
b,5c,5dは、アルミニウム製のパイプ材よりなり、その
上流端は互いに近接した状態で吸気集合部6に集合され
て、主吸気通路7に連通している。
上記吸気集合部6は、主吸気通路7の下流端が開口す
る上流側端6aと、該上流側端よりも大きい断面積を有
し、各独立吸気通路5a,5b,5c,5dの各々の上流端が上記
主吸気通路7の下流端開口の中心軸線lを囲むよう,略
正方形状に配置されて開口する下流側端6bとを備え、か
つ上流側端6aから下流側端6bにかけて断面積が滑らかに
増大している。そして、上記吸気集合部6の下流側端6b
は、エンジン1の気筒列方向と略直交する接続面11に形
成されていて、上記各独立吸気通路5a,5b,5c,5dの上流
端が接続されるようになっている。また、上記吸気集合
部6は、エンジン1の上方で且つ気筒列方向の一方側
(第1図および第2図では左側)に位置せしめられてい
る。
また、上記各独立吸気通路5a,5b,5c,5dのうち、上記
吸気集合部6の接続面11(下流側端6b)に対して遠くに
位置する第1気筒2aおよび第2気筒2bの各独立吸気通路
5a,5bには、これらの吸気管20(パイプ材)をエンジン
1側から離れる方向に水平に延ばしたのち曲げ加工によ
り彎曲させて上方へ延ばしながら上流端を気筒列方向の
一方側に向ける第1彎曲部21および第2彎曲部22が設け
られている。一方、上記吸気集合部6に対して近くに位
置する第3気筒2cおよび第4気筒2dの各独立吸気通路5
c,5dには、これらの吸気管20をエンジン1側から離れる
方向に下方から上方へ円弧を描いて上流端を気筒列方向
の一方側に向ける第3彎曲部23および第4彎曲部24が設
けられている。
そして、上記第3気筒2cおよび第4気筒2dの各独立吸
気通路5c,5dは、そのうちの吸気集合部6の接続面11に
対して近い第4気筒2aの独立吸気通路5dの第4彎曲部24
の曲率半径R4が70mmに、吸気集合部6の接続面11に対し
て遠い第3気筒2cの独立吸気通路5cの第3彎曲部23の曲
率半径R3が60mmにそれぞれ設定されて、第4彎曲部24の
曲率半径R4が第3彎曲部23の曲率半径R3よりも大きくな
るように形成されている。一方、上記第1気筒2aおよび
第2気筒2bは、そのうちの吸気集合部6の接続面11に対
して近い第2気筒2bの第2彎曲部22の曲率半径R2が50mm
に、吸気集合部6の接続面11に対して遠い第1気筒2aの
第1彎曲部21の曲率半径R1が40mmにそれぞれ設定され
て、第2彎曲部22の曲率半径R2が第1彎曲部21の曲率半
径R1よりも大きくなるように形成されている。この場
合、上記各独立吸気通路2a〜2dの第1〜第4彎曲部21〜
24は、吸気集合部6の接続面11に対して近い気筒の独立
吸気通路の順、つまり第4彎曲部24の曲率半径R4(70m
m)、第3彎曲部23の曲率半径R3(60mm)、第2彎曲部2
2の曲率半径R2(50mm)、第1彎曲部21の曲率半径R1(4
0mm)の順で曲率半径が大きく形成されている。
また、上記第1気筒2aおよび第2気筒2bの各独立吸気
通路5a,5bは、上記吸気集合部6の接続面11に対し、上
記主吸気通路7の中心軸線lと共通の吸気集合部6の中
心軸線lを通る水平線mよりも上側に接続されている。
一方、上記第3気筒2cおよび第4気筒2dの各独立吸気通
路5c,5dは、上記吸気集合部6の接続面11に対し、上記
吸気集合部6の中心軸線lを通る水平線mよりも下側に
接続されている。また、第2気筒2bおよび第3気筒2cの
各独立吸気通路5b,5cは、上記吸気集合部6の接続面11
に対し、上記吸気集合部6の中心軸線lの通る鉛直線p
よりも反エンジン1側(第3図では右側)に接続されて
いる。一方、上記第1気筒2aおよび第4気筒2dの各独立
吸気通路5a,5dは、上記吸気集合部6の接続面11に対
し、上記吸気集合部6の中心軸線lを通る鉛直線pより
もエンジン1側(第3図では左側)に接続されている。
したがって、上記実施例では、各気筒2a,2b,2c,2dに
それぞれ連通する独立吸気通路5a,5b,5c,5dは、エンジ
ン1上方で且つ気筒列方向の一方側に向って延びるよう
に彎曲して互いに吸気集合部6に対して接続面11で集合
されて、エンジン1横方向への幅を増大させずにコンパ
クトに配置されている。その場合、各独立吸気通路5a,5
b,5c,5dのうち、吸気集合部6の接続面11に対して近く
に位置する気筒の独立吸気通路の順、つまり第4気筒2d
の独立吸気通路5d、第3気筒2cの独立吸気通路5c、第2
気筒2bの独立吸気通路5b、第1気筒2aの独立吸気通路5a
の互いに隣り合う順で、吸気集合部6の接続面11に対し
て最も遠くに位置する第1気筒2aの独立吸気通路5aに比
して第2気筒2bの独立吸気通路5bが短くなる分だけ第2
彎曲部22の曲率半径R2(50mm)を第1彎曲部21の曲率半
径R1(40mm)よりも10mm大きくして通路長を長くする系
路で吸気集合部6の接続面11に、第2気筒2bの独立吸気
通路5bに比して第3気筒2cの独立吸気通路5cが短くなる
分だけ第3彎曲部23の曲率半径R3(60mm)を第2彎曲部
22の曲率半径R2(50mm)よりも10mm大きくして通路長を
長くする系路で吸気集合部6の接続面11に、第3気筒2c
の独立吸気通路5cに比して第4気筒2dの独立吸気通路5d
が短くなる分だけ第4彎曲部24の曲率半径R4(70mm)を
第3彎曲部23の曲率半径R3(60mm)よりも10mm大きくし
て通路長を長くする系路で吸気集合部6の接続面11にそ
れぞれ接続されている。
このため、独立吸気通路5a,5b,5c,5dの吸気管21,…自
体の長さが各気筒2a,2b,2c,2d毎で等長となり、独立吸
気通路5a,5b,5c,5d間での吸気の分配性を均一なものに
できるとともに、吸気慣性効果による過給を効果的に行
うことができる。
また、上記の如く各独立吸気通路5a,5b,5c,5dが、吸
気集合部6に対して近い第4気筒2d〜第1気筒2aの独立
吸気通路5d,5c,5b,5aの順で、それぞれの彎曲部の曲率
半径を10mmずつ大きくした通路長を長くする系路でもっ
て吸気集合部6の接続面11に接続されていることから、
吸気集合部6に対して近い第4気筒2dおよび第3気筒2c
の各独立吸気通路5d,5cの吸気管21,…自体の急激な彎曲
が緩和されて、吸気抵抗を減少できる。その上、各独立
吸気通路5a,5b,5c,5dが、吸気集合部6に対して近い第
4気筒2d〜第1気筒2aの独立吸気通路5d〜5aの順で、吸
気管21,…自体の彎曲を緩和しているので、各気筒2a〜2
dの独立吸気通路5a,5b,5c,5dの吸気抵抗が均一なものと
なり、各気筒2a〜2d間における充填効率のばらつきを解
消できる。
さらに、各独立吸気通路5a,5b,5c,5dのうち、吸気集
合部6の接続面11に対して遠い第1気筒2aおよび第2気
筒2bの各独立吸気通路5a,5bが、吸気集合部6の接続面1
1に対して近い第3気筒2cおよび第4気筒2dの各独立吸
気通路5c,5dの曲率半径R3,R4の大きな第1彎曲部21およ
び第2彎曲部22を迂回するよう,曲率半径R3,R4の小さ
な第3彎曲部23および第4彎曲部24でもって上方へ延び
て、吸気集合部6の中心軸線lを通る水平線mよりも上
側の接続面11に接続されている。一方、吸気集合部6の
接続面11に対して近い第3気筒2cおよび第4気筒2dの各
独立吸気通路5c,5dが、吸気集合部6の接続面11に対し
て遠い第1気筒2aおよび第2気筒2bの各独立吸気通路5
a,5bに邪魔されることなく該各独立吸気通路5a,5bの下
方において曲率半径R3,R4の大きな第1彎曲部21および
第2彎曲部22が安易に取り回されて吸気集合部6の接続
面11に対して吸気集合部6の中心軸線lを通る水平線m
よりも下側に接続されている。このため、吸気集合部に
対して遠い第1および第2気筒の各独立吸気通路が吸気
集合部の接続面の下側に接続されるもののように吸気集
合部に対して近い第3および第4気筒の各独立吸気通路
が、吸気集合部に対して遠い第1および第2気筒の各独
立吸気通路を避けながら接続されて通路長を不要に長く
したり、彎曲部の曲率半径を小さくしたりせずに容易に
取り回され、各独立吸気通路5a,5b,5c,5dの取り回し性
を良好にできる。
しかも、各独立吸気通路5a,5b,5c,5dのうち、気筒列
方向中央に位置する第2気筒2bおよび第3気筒2cの各独
立吸気通路5b,5cが、レイアウト的に厳しい各気筒(エ
ンジン)と集合部との間において両側方に位置する第1
気筒2aおよび第4気筒2dの各独立吸気通路5a,5dの彎曲
部21,24の邪魔にならないよう,気筒列方向と直交する
面上で彎曲して、吸気集合部6の接続面11に対して吸気
集合部6の中心軸線lを通る鉛直線pよりも反エンジン
1側に接続されている。一方、両側方に位置する第1気
筒2aおよび第4気筒2dの各独立吸気通路5a,5dが、気筒
の存在しない側方となる気筒列方向で余裕をもって彎曲
して、吸気集合部6の接続面11に対して吸気集合部6の
中心軸線lを通る鉛直線mよりもエンジン1側に接続さ
れている。このため、吸気集合部6がコンパクト化を図
る上で各気筒2a,2b,2c,2d(エンジン1)に近接配置さ
れていても、各気筒2a〜2dの独立吸気通路5a〜5dは、彎
曲部21,22,23,24の曲率半径R1,R2,R3,R4に制約を受ける
ことなく彎曲されて容易に取り回され、各独立吸気通路
5a,5b,5c,5dの取り回し性をさらに良好にできる。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上
記実施例では、第1気筒2aおよび第2気筒2bの各独立吸
気通路5a,5bを吸気集合部6の中心軸線lを通る水平線
mよりも上側の接続面11に接続する一方、第3気筒2cお
よび第4気筒2dの各独立吸気通路5c,5dを吸気集合部6
の中心軸線lを通る水平線mよりも下側の接続面11に接
続したが、第1気筒および第2気筒の各独立吸気通路が
吸気集合部の中心軸線を通る水平線よりも下側の接続面
に接続される一方、第3気筒および第4気筒の各独立吸
気通路が吸気集合部の中心軸線を通る水平線よりも上側
の接続面に接続されるようにしても良い。また、第2気
筒2bおよび第3気筒2cの各独立吸気通路5b,5cを吸気集
合部6の中心軸線lを通る鉛直線pよりも反エンジン1
側の接続面11に接続する一方、第1気筒2aおよび第4気
筒2dの各独立吸気通路5a,5dを吸気集合部6の中心軸線
lを通る鉛直線mよりもエンジン1側の接続面11に接続
したが、第2気筒および第3気筒の各独立吸気通路が吸
気集合部の中心軸線を通る鉛直線よりもエンジン側の接
続面に接続される一方、第1気筒および第4気筒の各独
立吸気通路が吸気集合部の中心軸線を通る鉛直線よりも
反エンジン側の接続面に接続されるようにしても良い。
これらの場合には、独立吸気通路の吸気管自体の長さが
各気筒毎で等長となって独立吸気通路間での吸気の分配
性を均一なものにして吸気慣性効果による過給を効果的
に行うことができるとともに、吸気集合部に対して近い
第4気筒および第3気筒の各独立吸気通路の吸気管自体
の急激な彎曲を緩和して吸気抵抗を減少できる上、各気
筒の独立吸気通路の吸気抵抗を均一なものにして各気筒
間における充填効率のばらつきを解消できる。
さらに、上記実施例は、直列4気筒エンジン1に適用
した例であるが、複数の気筒を有する直列型エンジンに
適用することができる。例えば、直列6気筒エンジンの
場合、吸気集合部に対して遠くに位置する気筒および近
くに位置する気筒をそれぞれ3気筒ずつに分け、これら
3つの気筒毎の各独立吸気通路を吸気集合部の上側およ
び下側に連通させる他、吸気集合部に対して遠くに位置
する気筒,近くに位置する気筒および中間に位置する気
筒をそれぞれ2気筒ずつに分け、これら2つの気筒毎の
各独立吸気通路を吸気集合部の上側,下側および中央に
連通させることも可能である。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項(1)に係る発明による
と、各気筒の独立吸気通路のうち、集合部の接続面に対
して近い気筒の独立吸気通路を、集合部の接続面に対し
て遠い気筒の独立吸気通路に比して気筒列方向に短くな
る分だけ彎曲部の曲率半径を大きくした通路長の長い系
路で集合部の接続面に接続させたので、独立吸気通路自
体の各気筒毎での長さを等長にしつつコンパクトに配置
でき、独立吸気通路間での吸気の分配性を均一にできる
とともに、動的効果による過給を効果的に行うことがで
きる。しかも、集合部に対して近い気筒の独立吸気通路
の通路自体の急激な彎曲が緩和されて吸気抵抗を減少で
きる上、各気筒の独立吸気通路の吸気抵抗を均一なもの
にして各気筒間における充填効率のばらつきを解消でき
る。
また、請求項(2)に係る発明によると、各独立吸気
通路のうち、集合部の接続面に対して遠い気筒の独立吸
気通路を、集合部の接続面に対して近い気筒の独立吸気
通路に比して長くなる分だけ曲率半径を小さくした彎曲
部でもって上方へ延ばして近い気筒の独立吸気通路の彎
曲部を迂回させつつ集合部の接続面の上側に接続する一
方、集合部の接続面に対して近い気筒の独立吸気通路
を、集合部の接続面に対して遠い気筒の独立吸気通路に
比して短くなる分だけ曲率半径を大きくした彎曲部を該
独立吸気通路の下方において彎曲させて集合部の接続面
の下側に接続されている。このため、各独立吸気通路は
通路長を不要に長くしたり、彎曲部の曲率半径を小さく
したりせずに容易に取り回され、各独立吸気通路の取り
回し性を良好にできる。
また、請求項(3)に係る発明によると、各独立吸気
通路のうち、中央の気筒の独立吸気通路を、レイアウト
的に厳しい各気筒と集合部との間において気筒列方向と
直交する面上で彎曲させて集合部の接続面の反エンジン
側に接続する一方、両側方の各独立吸気通路を気筒列方
向で余裕をもって彎曲させて集合部の接続面のエンジン
側に接続したので、集合部がコンパクト化を図る上で各
気筒に近接されてレイアウト的に厳しい各気筒と集合部
との間に各独立吸気通路が配置されていても、各気筒の
独立吸気通路は彎曲部の曲率半径に制約を受けることな
く彎曲されてさらに容易に取り回され、各独立吸気通路
の取り回し性をより良好にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の実施例を示し、第1図は
エンジンおよび吸気系の平面図、第2図は第1図に関わ
る側面図、第3図は第1図に関わる正面図である。 1……エンジン 2a〜2d……気筒 5a〜5d……独立吸気通路 6……吸気集合部(集合部) 11……接続面 21〜24……彎曲部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の気筒を有するエンジンにその一側面
    側より各気筒にそれぞれ連通する独立吸気通路が設けら
    れ、該各独立吸気通路は彎曲したのちその上流端が一箇
    所に集合されるようにしたエンジンの吸気構造におい
    て、上記各独立吸気通路は、その上流端の集合部に対し
    てエンジンの気筒列方向と略直交する接続面で接続され
    ているとともに、上記集合部はエンジンの上方で且つ気
    筒列方向の一方側に位置しており、上記各独立吸気通路
    のうち、上記集合部の接続面に対して近くに位置する気
    筒の独立吸気通路は、集合部の接続面に対して遠くに位
    置する気筒の独立吸気通路よりも彎曲部の曲率半径が大
    きくなるように形成されていることを特徴とするエンジ
    ンの吸気構造。
  2. 【請求項2】各独立吸気通路のうち、集合部の接続面に
    対して近くに位置する気筒の独立吸気通路は該集合部の
    接続面の上側に接続されている一方、集合部の接続面に
    対して遠くに位置する気筒の独立吸気通路は該集合部の
    接続面の下側に接続されている請求項(1)記載のエン
    ジンの吸気構造。
  3. 【請求項3】気筒を3つ以上有し、各独立吸気通路のう
    ち、両側方に位置する気筒の独立吸気通路は集合部の接
    続面のエンジン側に接続されている一方、中央に位置す
    る気筒の独立吸気通路は集合部の接続面の反エンジン側
    に接続されている請求項(1)記載のエンジンの吸気構
    造。
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