JP2827784B2 - 調理器具 - Google Patents

調理器具

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JP2827784B2
JP2827784B2 JP5017239A JP1723993A JP2827784B2 JP 2827784 B2 JP2827784 B2 JP 2827784B2 JP 5017239 A JP5017239 A JP 5017239A JP 1723993 A JP1723993 A JP 1723993A JP 2827784 B2 JP2827784 B2 JP 2827784B2
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拓生 嶋田
俊一 長本
公明 山口
昌弘 新田
秀樹 寺沢
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動調理を目的として食
品温度を測定する調理器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の調理器具、例えば電子レン
ジは、図13に示すように、調理室1内に食品2を載せ
るための調理台3があり、さらにこの食品2を加熱調理
する調理手段4、非接触で食品2の温度を検出する温度
検出手段5、この温度検出手段5の出力に基づき調理手
段4を制御する制御手段6とを備えている。また制御手
段6には、多数の調理メニューの中から1つのメニュー
を選択後自動調理を指示する操作キーからなるメニュー
選択手段7が接続されている。
【0003】調理台3は食品2の加熱ムラを低減するた
め、調理手段4によって食品2を電波加熱する場合常時
食品2を回転させる(例えば10秒間で1周させる)タ
ーンテーブルである。
【0004】調理手段4は、ヒーターないしマグネトロ
ンからなり制御手段6から与えられる制御量に応じ食品
2に対し加熱調理する。
【0005】温度検出手段5は広い視野を持った1素子
のサーモパイル型赤外線センサで構成され、調理室1の
天井面または側壁に固定され、開口窓を介して調理台3
の中央付近に置かれた食品2から放射される熱エネルギ
ーを非接触で検出し温度に換算する。温度検出手段5は
赤外線センサから出力される電圧及び赤外線センサ雰囲
気温度を測定し、対象物温度Tに変換して制御手段6に
伝える。
【0006】制御手段6は、メニュー選択手段7からの
指示に基づき調理手段4による食品2の加熱調理を開始
させる。同時に温度検出部5から出力される温度情報を
常時監視しておき、この温度が所定温度に達した場合調
理したいメニューに応じて調理手段4に対し、加熱を終
了させたり加熱パターンを変更させたりすることで自動
調理を実現している。一例として、具体的にこの制御手
段6における加熱調理手順を図14のフローチャートを
用いて説明する。まずステップ141で経過時間tを0
にクリアするとともに、調理メニューに応じた初期設定
を行なう(制御量c=co、表面温度Tsの上限値=
sm、経過時間tの上限値=tm)。ステップ142で
は調理手段4に対し、制御量cによる加熱調理を実施す
る。ここで制御量cはco一定である。ステップ143
では表面温度Tsを検出し、検出されたこの表面温度Ts
があらかじめ定めたTsmを越えればステップ147へ移
行し調理を終了するが、そうでなければ加熱調理を続行
する(ステップ144)。またステップ145で経過時
間tの更新を行い、この経過時間tがあらかじめ定めた
mを越えれば調理を終了するがそうでなければ加熱調
理を続行する(ステップ146)ものである。ステップ
147で調理手段4への出力を停止すなわち制御量cを
0にクリアして調理を終了する。
【0007】この加熱調理手順に従って食品温度が上昇
する様子を図15に示す。このように検出された食品の
表面温度TsがTsmに達した時が出来上がりであると見
なし、調理を終了させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、食品温度検出手段は赤外線センサの視野に
入っている調理台の中央付近に置かれた食品の平均的な
表面温度しか測定できないので、同一の食品内にある温
度ムラが検出できない。
【0009】また赤外線センサの測温領域(視野範囲)
に対し食品の形状が小さい場合や食品が調理台の端の方
に置かれた場合、背景となるべき調理台等との温度に影
響され食品そのものの温度を正確に検出できない。
【0010】また食品が容器に入れられ温度検出手段か
らは食品ではなく容器しか見えない場合や食品の一部し
か見えない場合、表面温度が正確に測定できない。
【0011】上記理由により自動調理が不完全で調理の
出来映えにバラツキがあるという課題を有していた。
【0012】本発明は上記課題を解決するもので、食品
の種類や形状、個数、置きかたなどに左右されることな
く食品そのものの表面温度を正確に測定することによっ
て、出来映えにバラツキのない自動調理ができる調理器
具を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の調理器具は、調理室に置かれた食品を調理す
る調理手段と、調理室内の熱画像を非接触で検出する熱
画像検出手段と、この熱画像検出手段からの出力に基づ
きこの食品ないし容器の形状を抽出し、この抽出された
食品ないし容器の複数箇所の表面温度を測定する食品温
度抽出手段と、この食品温度抽出手段から出力される食
品ないし容器の表面温度に基づき調理手段を制御する制
御手段とを備えたものである。
【0014】また食品温度抽出手段は、熱画像検出手段
からの出力の経時変化量を算出し、この経時変化量が所
定値以上となる領域を食品ないし容器と認識する構成を
備えたものである。
【0015】あるいは食品温度抽出手段は、熱画像検出
手段からの出力に応じ食品を入れる容器の有無を判定し
容器が有る場合、測定された容器の表面温度を食品の温
度に変換する構成を備えたものである。
【0016】あるいは食品温度抽出手段は、熱画像検出
手段の各画素からの出力を近傍画素からの出力との積和
演算により画質を鮮鋭化後、食品ないし容器の形状を抽
出し食品ないし容器の表面温度を測定する構成を備えた
ものである。
【0017】また制御手段は、食品ないし容器の複数箇
所の表面温度のうち最高温度と最低温度との差が所定値
を越えた場合、調理手段への出力を停止するまたは出力
量を低減する構成を備えたものである。
【0018】また制御手段は、食品ないし容器の複数箇
所の表面温度のうち最高温度が所定値を越えた場合、調
理手段への出力を停止するまたは出力量を低減する構成
を備えたものである。
【0019】さらに制御手段は、食品ないし容器の複数
箇所の表面温度を所定範囲内で保持するよう調理手段へ
の出力を制御する構成を備えたものである。
【0020】
【作用】本発明は上記構成によって、熱画像検出手段が
食品を含む調理室全体ないし一部の2次元熱画像を非接
触で検出し、また食品温度抽出手段が得られた熱画像の
中から周囲の背景温度と著しく異なる領域を食品と認識
し、食品と見なせる領域についてのみの温度データを食
品表面温度として採用する。よって食品温度抽出手段
は、測温領域(視野範囲)に入っている食品以外の調理
台や調理室の壁面などの温度を除去し、食品そのものの
表面温度を測定する。
【0021】また食品温度抽出手段が、食品の加熱に伴
う熱画像検出手段からの出力の経時変化量を算出しこの
出力の経時変化量が所定値以上となる領域を食品と認識
する構成を備えることで食品そのものと食品以外の調理
台や調理室の壁面などの表面温度にあまり差がない場合
でも食品そのものを抽出する。なぜなら調理手段による
加熱によって食品が温度上昇する速度と食品以外の調理
台や調理室の壁面などが温度上昇する速度が異なるため
である。
【0022】また食品温度抽出手段が、食品の加熱に伴
う熱画像検出手段からの出力に応じ食品を入れる容器の
有無を判定し容器が有る場合、測定された容器の表面温
度を食品の温度に変換することで、食品が容器に入れら
れ温度検出手段からは食品ではなく容器しか見えない場
合や食品の一部しか見えない場合にも測定誤差を小さく
抑えることになる。つまり容器有りと見なせる領域は直
接検出された容器の表面温度をもとにその容器の内側に
ある食品そのものの温度を推定する。
【0023】また食品温度抽出手段が、熱画像検出手段
の各画素からの出力を近傍画素からの出力との積和演算
により画質を鮮鋭化後、食品ないし容器の形状を抽出し
食品ないし容器の表面温度を測定することでぼけた熱画
像を復元する。よって食品形状をより正確に把握し、食
品の最高温度、最低温度などをより正確に測定すること
になる。
【0024】特に食品ないし容器の複数箇所の表面温度
のうち最高温度と最低温度との差が所定値を越えた場
合、調理手段への出力を停止するまたは出力量を低減す
るため食品の出来上がり温度がより均一になる。また食
品ないし容器の複数箇所の表面温度のうち最高温度が所
定値を越えた場合、調理手段への出力を停止するまたは
出力量を低減するため食品の調理しすぎを防止する。さ
らに食品ないし容器の複数箇所の表面温度を所定範囲内
で保持するので、食品の種類、形状、分量によらず様々
な食品に対する温度管理をする。
【0025】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1を用いて
説明する。尚、従来例と同じ構成のものは同一符号をつ
ける。調理室1内には食品2を載せるための調理台3が
ある。さらにこの食品2を加熱調理する調理手段4、食
品2の熱画像を非接触で検出する熱画像検出手段8、こ
の熱画像検出手段8からの出力に基づき食品2の形状を
抽出し食品2の複数箇所の表面温度を測定する食品温度
抽出手段9と、この食品温度抽出手段9からの出力に基
づき食品2の表面温度を判定し調理手段4を制御する制
御手段6とを備えている。また制御手段6には、多数の
調理メニューの中から1つのメニューを選択後自動調理
を指示する操作キーからなるメニュー選択手段7が接続
されている。
【0026】調理台3は食品2の加熱ムラを低減するた
め、調理手段4によって食品2を電波加熱する場合常時
食品2を回転させる(例えば10秒間で1周させる)タ
ーンテーブルである。
【0027】調理手段4は、ヒーターないしマグネトロ
ンからなり制御手段6から与えられる制御量に応じ食品
2に対し加熱調理する。
【0028】熱画像検出手段8は広い視野を持った多素
子のサーモパイル型赤外線センサで構成され、調理室1
の天井面または側壁に固定されている。この赤外線セン
サは1次元上に複数個アレイ配列され、この配列と垂直
をなす方向に常時走査することによって図2のように食
品2、調理台3を含む広い側音領域を2次元化した熱画
像としてリアルタイムに検出する。つまり食品2、調理
台3、調理室1の床壁面を含む広い測温領域からは細分
化された画素ごとの温度データが独立に得られるため、
(例えばn個*m個に分割された)温度の高低に応じた
熱のモザイク画像が生成される。
【0029】食品温度抽出手段9は、この熱画像検出手
段8からの出力に基づき食品2の形状を図3のように抽
出し、制御手段6に伝える。この食品温度抽出手段9の
動作を図4を用いて説明する。今、得られた熱画像は水
平方向にn個、垂直方向にm個の測定点を有し、各画素
の温度をT(i、j)とする(i=1〜n、j=1〜
m)。ここで水平方向、垂直方向とは2次元熱画像の各
画素の位置を表現するためのものであり、調理室1の縦
横方向に必ずしも合致していなくてよいし、等間隔でな
くてもよい。
【0030】まずステップ401で得られた熱画像中の
濃度(温度)が急激に変化する部分を(例えば空間微分
後、2値化により)検出する。次にステップ402でエ
ッジ部分が1つの有意な図形の輪郭線となるよう連結さ
せ、内側と外側を分離する。ステップ403では抽出さ
れた図形(図3では黒塗り部分)のうち面積が所定値以
下のものをノイズとして除去し、所定値以上のものだけ
を食品2と見なす。最後にステップ404で食品2と見
なした領域に関し、食品平均温度、食品最高温度、食品
最低温度、食品面積などを算出するものである。食品2
の抽出手段として、エッジ検出ではなくT(1、1)、
T(1、m)、T(n、1)、T(n、m)など明らか
に食品2と異なる領域の温度を背景温度とし、この背景
温度と比べ著しく高いまたは低い温度部分を食品2と見
なしてもよい。
【0031】ここで食品2とは食品そのものと皿、トレ
ー、カップ、酒の徳利など食品を入れたりまたは乗せた
りする容器を併せて言うものとする。
【0032】制御手段6は、メニュー選択手段7からの
指示に基づき調理手段4による食品2の加熱調理を開始
させる。同時に熱画像検出手段8から出力される食品2
各点における温度情報を常時監視しておき、調理メニュ
ー及び食品2の表面温度に応じて調理手段4に対し、加
熱を終了させたり加熱パターンを変更させたりする。
【0033】一例として、具体的にこの制御手段6にお
ける加熱調理手順を図5のフローチャートを用いて説明
する。まずステップ501で経過時間t及び積算制御量
Sを0にクリアするとともに、調理メニューに応じた初
期設定を行なう(制御量c=co、制御量cの上限値=
m、積算制御量Sの上限値=Sm、抽出された食品2各
点(n箇所)の表面温度のうち最高温度の上限値=
sm、最高温度と最低温度の差Tdの上限値=Tdm、経
過時間tの上限値=tm)。ステップ502では調理手
段4に対し、制御量cによる加熱調理を実施する。ステ
ップ503では食品温度抽出手段9で抽出された食品2
の表面温度Ts1、Ts2、...Tsn(仮にn箇所とす
る)を検出し、この表面温度Ts1、Ts2、...Tsn
うち最高温度があらかじめ定めたTsmを越えればステッ
プ513に移行して調理を終了するが、そうでなければ
加熱調理を続行する(ステップ504)。またステップ
505で検出された食品2のn箇所の表面温度Ts1、T
s2、...TSnのうち最高温度と最低温度との差Td
算出し、この温度差Tdがあらかじめ定めたTdmを越え
れば(ステップ506)、制御量cを0にする(ステッ
プ507)。そうでなければ現在の表面温度Ts1、
s2、...Tsn、経過時間tに応じて制御量cを補正
する(ステップ508)。制御量補正のルールは例えば Ts1〜Tsnのうち最高温度が小ならcを大きく、大なら
cを小さく Ts1〜Tsnの平均温度が小ならcを大きく、大ならcを
小さく 経過時間tが小ならcを大きく、大ならcを小さく 最高温度と最低温度の差Tdが小ならcを大きく、大な
らcを小さく
【0034】
【外1】 但し、0≦c≦cm
【0035】といった複数の条件を定式化し、ファジー
制御する。ファジー制御の手順は詳述しないが、それぞ
れの条件式における前件部及び後件部をメンバーシップ
関数として定義し、MIN−MAX重心法によって制御
量cを求める一般的な方法である。加熱に伴う食品の表
面温度Ts1、Ts2、...Tsnの変化率(すなわち時系
列情報)に応じて制御量cを補正していってもよい。ス
テップ509では調理開始からの積算制御量Sを算出
し、この積算制御量Sがあらかじめ定めたSmを越えれ
ば調理を終了するがそうでなければ加熱調理を続行する
(ステップ510)。またステップ511で経過時間t
の更新を行い、この経過時間tがあらかじめ定めたtm
を越えれば調理を終了するがそうでなければ加熱調理を
続行する(ステップ512)ものである。最後にステッ
プ513で調理手段4への出力を停止するすなわち制御
量cを0にクリアして調理を終了する。
【0036】この加熱調理手順に従って食品温度が上昇
する様子を図6に示す。検出された食品2の表面温度T
s1、Ts2、...Tsnのうち最高温度がTsmに近づくに
つれて最低温度もほぼ最高温度に近くなるように、時々
刻々と制御量cを補正しているため、調理終了時には加
熱ムラのない出来上がりになる。
【0037】ところで制御手段6の動作において、調理
終了後食品2を(例えば70℃一定に)保温しておくよ
う制御量cを調整しつつ加熱を断続してもよい。この構
成により調理終了後も食品全体を均一に保温できる。あ
るいは調理メニューに応じて調理中の加熱パターンに制
約条件を設けてもよい。さらに制御量cの上限値cm
積算制御量Sの上限値=Sm、最高温度の上限値=
sm、最高温度と最低温度の差Tdの上限値=Tdmなど
を固定にせず経過時間に従って変化させてもよい。
【0038】上記構成において、熱画像検出手段8が食
品2を含む調理室1全体ないし一部の2次元熱画像を非
接触で検出し、また食品温度抽出手段9が得られた熱画
像の中から周囲の背景温度と著しく異なる領域を食品2
と認識し、食品2と見なせる領域についてのみの温度デ
ータを食品表面温度として採用する。よって食品温度抽
出手段9は、測温領域(視野範囲)に入っている食品2
以外の調理台3や調理室1の壁面などの温度を除去し、
食品2そのものの表面温度を測定する。さらに制御手段
6は食品中の温度分布(温度ムラの大小)に応じた調理
を行うので、食品2の種類や形状、個数、置きかたなど
に左右されることなく食品2そのものの表面温度を正確
に測定でき、出来映えにバラツキのない自動調理ができ
るという効果がある。
【0039】特に制御手段6は調理過程において、食品
2の表面温度Tsの最高温度と最低温度との差Tdが所定
値Tdmを越えた場合、制御量cを0にするため食品の出
来上がり温度がより均一になるという効果がある。また
食品2の表面温度のうち最高温度ないし積算制御量Sが
所定値TsmないしSmを越えた場合、調理終了するため
食品の調理しすぎを防止するという効果がある。
【0040】次に本発明の第2の実施例を図7、図8を
用いて説明する。第1の実施例と異なるのは食品温度抽
出手段9の動作のみである。食品温度抽出手段9は、食
品2の加熱に伴う熱画像検出手段8からの出力を図7の
ように一定時間ごとに蓄積し、各画素ごとに単位時間当
たりの変化率を算出し、この変化率(出力の経時変化
量)が所定値以上となる領域を食品2と認識する構成を
備えたものである。つまり1画面の熱画像からだけでな
く複数画面の熱画像から経時変化を捉え、食品抽出する
のである。もちろんこの時調理手段4によって食品2は
加熱されているものとする。
【0041】具体的には図8のようにステップ801で
各画素ごとに前画面との時間差分をとり、ステップ80
2で所定値より変化量大となる領域だけを抽出する。ス
テップ803では食品2の抽出結果出力の要、不要を判
定し不要ならステップ801に戻り新たな熱画像につい
て再度演算しておくものである。ステップ804では抽
出された図形のうち面積が所定値以下のものをノイズと
して除去し、所定値以上のものだけを食品2と見なす。
最後にステップ805で食品2と見なした領域に関し、
食品平均温度、食品最高温度、食品最低温度、食品面積
などを算出するものである。ここで熱画像どうしの比較
は前画面とでなく多数の熱画像によって行ってもよい。
また各画素における変化率(出力の経時変化量)の総和
が最大となる時刻を以て食品抽出を完了することにして
もよい。第1の実施例と組み合わせても構わない。
【0042】上記構成において特に食品2そのものと食
品2以外の調理台や調理室の壁面などの表面温度に当初
あまり差がない場合でも、食品温度抽出手段9が(加熱
速度の違いを利用して)加熱時間を経るにつれ食品2そ
のものを抽出し、以後精度よく食品2そのものの表面温
度を測定できるという効果がある。
【0043】次に本発明の第3の実施例を図9、図10
を用いて説明する。第1の実施例と異なるのは食品温度
抽出手段9の動作のみである。食品温度抽出手段9は、
食品2の加熱に伴う熱画像検出手段8からの出力に応じ
食品2を入れる容器の有無を判定し容器が有る場合、測
定された容器の表面温度を食品2の温度に変換する。
【0044】この食品温度抽出手段9の動作を図10を
用いて説明する。今、得られた熱画像は水平方向にn
個、垂直方向にm個の測定点を有し、各画素の温度をT
(i、j)とする。(i=1〜n、j=1〜m)まずス
テップ101で得られた熱画像中の濃度(温度)が急激
に変化する部分を(例えば空間微分後、2値化により)
検出する。次にステップ102でエッジ部分が1つの有
意な図形の輪郭線となるよう連結させ、内側と外側を分
離する。ステップ103では抽出された図形(図9では
黒塗り部分)のうち面積が所定値以下のものをノイズと
して除去し、所定値以上のものだけを食品2と見なす。
次にステップ104で抽出された食品2を長方形ないし
楕円形の各基本形状にマッチングさせる。最もよく合致
する形状が縦長の長方形であれば、この図形は容器であ
ると見なし、検出された表面温度は背景温度と差が拡大
する方向に所定温度分だけ強調補正する(ステップ10
5、106)。なぜなら縦長の長方形のように見える図
形は酒の徳利や牛乳のカップなど背が高くかつ調理台3
と垂直をなす面を形成している(円柱、角柱のような)
容器の表面温度を測定している可能性が非常に高いのに
比べ、背の低い食品2はたとえ容器に入れられていたと
しても熱画像検出手段8が調理室1の天井に取り付けら
れているためほとんど食品2そのものの表面温度を測定
している可能性が高いためである。
【0045】言い換えると俯角の関係から熱画像検出手
段8は、背の高い食品2については側面である容器を
見、背の低い食品2については容器で覆われていない食
品2そのものの上面を見ているためである。酒の徳利な
どでわかるように液状の食品2、背の高い食品2は食品
2だけで調理台3の上に立脚しているのでなく必ず容器
に包まれているし、また食品2と容器との温度差は加熱
程度、容器の材質や厚み、食品2の量などに左右される
が一定の相関があることもわかっている。最後にステッ
プ107で食品2と見なした領域に関し、強調補正され
た温度データを用いて食品平均温度、食品最高温度、食
品最低温度、食品面積などを算出するものである。
【0046】容器有無の判定として、基本形状とのマッ
チングではなく、重心位置を求めるなど得られた図形と
調理台3との位置関係から判定してもよい。また同一図
形上明らかに2分できる温度領域のうち背景温度に近い
方を容器と見なしてもよい。さらに温度差の補正量は一
定でなく、抽出された図形(=容器)の形状や大きさに
応じて変えてもよい。あるいは第2の実施例で示したよ
うに、食品2の加熱に伴う熱画像検出手段8からの出力
の経時変化量を算出し、この出力の経時変化量に応じて
補正量を逐次変更し高精度化を図ってもよい。
【0047】上記構成において、食品2が容器に入れら
れ温度検出手段からは食品2ではなく容器しか見えない
場合や食品2の一部しか見えない場合にも食品温度抽出
手段9が測定誤差を小さく抑える。つまり容器有りと見
なせる領域は直接検出された容器の表面温度をもとにそ
の容器の内側にある食品2そのものの表面温度を推定す
るので容器の有無に関わらず、出来映えにバラツキのな
い自動調理ができるという効果がある。
【0048】次に本発明の第4の実施例を図11、図1
2を用いて説明する。第1の実施例と異なるのは食品温
度抽出手段9の動作のみである。熱画像検出手段8から
の出力のうち1次元方向だけ取り出すと、各画素の指向
特性は理想的には図11(a)のように隣接する画素と
の隙間や重なりがなくしかも視野に入るどの位置からの
相対感度も100%となる。しかし実際には赤外線セン
サ自体の指向特性や光学系の制約により図11(b)や
(c)のように隣接する画素との重なりが生じる。つま
り隣接する画素内の輻射熱に対する感度をも有するた
め、結果的に得られる熱画像はそのままでは若干ぼけた
ものとなっている。食品温度抽出手段9が、熱画像検出
手段の各画素からの出力を近傍画素からの出力との積和
演算により画質を鮮鋭化後、食品2ないし容器の形状を
抽出し食品2ないし容器の表面温度を測定することでぼ
けた熱画像を復元する。今、得られた熱画像は水平方向
にn個、垂直方向にm個の測定点を有し、各画素の温度
をT(i、j)とする(i=1〜n、j=1〜m)場
合、各T(i、j)に対し図12に示されるようなオペ
レータを用いて空間フィルタリングを施す。これは近傍
画素からの影響を弱め各画素からの出力を先鋭化するこ
とに相当している。食品温度抽出手段9におけるこの先
鋭化動作は熱画像検出手段8からの出力に対する前処理
として実行され、以後の動作は実施例1で示したものと
同じであるため省略する。
【0049】上記構成において食品温度抽出手段9が熱
画像を先鋭化するので食品2とそれ以外の識別がより容
易になり、食品2ないし容器の表面温度をより精度よく
測定できるという効果がある。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の調理器具に
よれば、次の効果がある。
【0051】(1)食品ないし容器の複数箇所の表面温
度を測定する食品温度抽出手段を設けているので同一食
品内にある温度ムラが検出できる上、食品の形状が小さ
い場合、点在している場合、あるいは食品が調理台の端
の方に置かれているた場合でも、食品の表面温度を正確
に検出できる。また食品の分量や形状にも対応できる。
【0052】(2)食品とそれ以外の表面温度にあまり
差がない場合でも食品温度抽出手段は、熱画像検出手段
からの出力の経時変化量を算出し、経時変化量が所定値
以上となっている領域を食品と認識できるので食品だけ
を抽出できる。
【0053】(3)食品温度抽出手段は熱画像検出手段
からの出力に応じ容器の有無を判定し、容器の表面温度
を容器内の食品の温度に変換するので容器があり直接食
品温度が測定できない場合でも測定された容器の表面温
度から容器の内側にある食品そのものの温度を推定でき
る。
【0054】(4)食品温度抽出手段は画質を鮮鋭化で
きるので得られた熱画像がぼけている場合でも食品ない
し容器の領域を正確に抽出できる。
【0055】(5)複数箇所のうち最高温度と最低温度
との差が所定値を越えないように調理手段を制御するの
で、出来映えにバラツキのない自動調理ができる。
【0056】(6)複数箇所の表面温度のうち最高温度
が所定値を越えないように調理手段を制御するので食品
が焦げ過ぎになったり、煮え過ぎになったりするのを防
ぐことができる。
【0057】(7)複数箇所の表面温度を所定範囲内で
保持するように調理手段を制御するので温度管理がしや
すい。
【0058】よって食品の種類や形状、個数、置きかた
などに左右されることなく食品そのものの表面温度をよ
り正確に測定でき、出来映えにバラツキのない自動調理
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における調理器具のブロック
【図2】同実施例における熱画像検出領域を示した図
【図3】同実施例における食品抽出結果を示した図
【図4】同実施例における食品温度抽出手段の動作を説
明するフローチャート
【図5】同実施例における制御手段の動作を説明するフ
ローチャート
【図6】同実施例において加熱調理中の制御量と食品温
度の変化を示した図
【図7】本発明の他の実施例において食品抽出結果を示
した図
【図8】同実施例における食品温度抽出手段の動作を説
明するフローチャート
【図9】本発明の他の実施例において食品抽出結果を示
した図
【図10】同実施例における食品温度抽出手段の動作を
説明するフローチャート
【図11】本発明の他の実施例において食品温度抽出手
段の動作を説明する図
【図12】同実施例における各画素に施す空間フィルタ
リング用オペレータを示す図
【図13】従来の実施例における調理器具のブロック図
【図14】同実施例における制御手段の動作を説明する
フローチャート
【図15】同実施例において加熱調理中の制御量と食品
温度の変化を示した図
【符号の説明】
1 調理室 2 食品 4 調理手段 6 制御手段 8 熱画像検出手段 9 食品温度抽出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 昌弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 寺沢 秀樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−285898(JP,A) 特開 平3−283383(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24C 7/02 335 F24C 7/02 330

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調理室に置かれた食品を調理する調理手段
    と、前記調理室内の熱画像を非接触で検出する熱画像検
    出手段と、前記熱画像検出手段からの出力に基づき前記
    食品ないし容器の形状を抽出し、この抽出された前記食
    品ないし容器の複数箇所の表面温度を測定する食品温度
    抽出手段と、前記食品温度抽出手段から出力される前記
    食品ないし容器の表面温度に基づき前記調理手段を制御
    する制御手段とを備え、前記食品温度抽出手段は、前記
    熱画像検出手段からの出力の経時変化量を算出し、前記
    経時変化量が所定値以上となる領域を食品ないし容器と
    認識する構成とした調理器具。
  2. 【請求項2】食品温度抽出手段は、熱画像検出手段の各
    画素からの出力とその近傍画素からの出力とを積和演算
    することによって画質を鮮鋭化した後、食品ないし容器
    の形状を抽出し、前記食品ないし容器の表面温度を測定
    する請求項1記載の調理器具。
  3. 【請求項3】制御手段は、食品ないし容器の複数箇所の
    表面温度のうち最高温度が所定値を越えた場合、調理手
    段への出力を停止するまたは出力量を低減する請求項1
    記載の調理器具。
  4. 【請求項4】制御手段は、食品ないし容器の複数箇所の
    表面温度を所定範囲内で保持するよう調理手段への出力
    を制御する請求項1記載の調理器具。
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