本開示の構成により、撮影部により加熱庫内部を撮影し、その撮影した画像により載置段判定部が食品の載置段を判定し、その載置段判定部の判定により食品を載置されている載置段を撮影した画像を表示部に表示するので、食品のある高さの画像を撮影して表示することができる。
第1の発明は、第1の発明は、異なる複数の高さの段に食品を載置可能な加熱庫と、前記加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部と、前記加熱庫の内部を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影した画像より食品の載置段を判定する載置段判定部とを備え、前記載置段判定部は、前記加熱庫の内部を撮影した画像を予め記憶している画像記憶部と、前記撮影部により撮影された画像と前記画像記憶部が記憶している画像とが類似しているかにより食品の載置の有無を判定する類似度判定部と、を有し、前記画像記憶部は、少なくとも一つの段が空の時に撮影部が撮影した空画像を予め記憶している空画像記憶部であり
、前記類似度判定部は、その段を撮影した庫内画像と前記画像記憶部に記憶している空画像を比較することにより画像が類似しているかを判定し、前記画像が類似していない場合には、その段を撮影した庫内画像を表示する表示部を備える構成である。
この構成により、空画像記憶部は載置段が空の時に撮影部が撮影した空画像を予め記憶していて、その載置段を撮影した時の庫内画像と空の時の空画像を比較して類似度を類似度判定部が判定し、所定以上類似していなければ空ではない、即ち食品があると判定してその載置段を撮影した庫内画像を表示部に表示するので、食品のある高さの画像を撮影して表示することができる。
第2の発明は、異なる複数の高さの段に食品を載置可能な加熱庫と、前記加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部と、前記加熱庫の内部を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影した画像より食品の載置段を判定する載置段判定部とを備え、前記載置段判定部は、前記加熱庫の内部を撮影した画像を予め記憶している画像記憶部と、 前記撮影部により撮影された画像と前記画像記憶部が記憶している画像とが類似しているかにより食品の載置の有無を判定する類似度判定部と、を有し、前記画像記憶部は、前記載置段に載置する専用の皿と、前記皿の少なくとも一部を撮影した皿画像を予め記憶している皿画像記憶部であり、前記類似度判定部は、一つの段を撮影した庫内画像の少なくとも一部と前記画像記憶部に記憶している皿画像を比較することにより画像が類似しているかを判定し、前記画像が類似している場合には、その段を撮影した庫内画像を表示する表示部を備える構成である。
この構成により、皿画像記憶部は専用皿の一部を撮影した皿画像を予め記憶していて、一つの載置段を撮影した庫内画像の少なくとも一部と皿画像記憶部に記憶している皿画像を比較して類似度を類似度判定部が判定し、所定以上類似していれば専用皿がある、したがって食品があると判定してその載置段を撮影した庫内画像を表示部に表示するので、食品のある高さの画像を撮影して表示することができる。
第3の発明は、撮影部は異なる複数の高さの段の撮影のためにカメラを駆動する駆動部を有する構成である。
この構成により、駆動部がカメラを駆動して複数の高さの載置段の画像を撮影し、載置段判定部の判定により、食品のある高さの画像を撮影して表示することができる。
第4の発明は、撮影部は異なる複数の高さの段の撮影のために複数のカメラを有する構成である。
この構成により、複数のカメラが異なる複数の高さの載置段の画像を撮影し、載置段判定部の判定により、食品のある高さの画像を撮影して表示することができる。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る代表的な加熱調理器であるオーブンレンジの外観斜視図である。図1に示すようにオーブンレンジ1は、食品を格納するための筐体2に食品を出し入れするためのドア3を設けていて、ドア3には筐体2内部を見えるようにする透明のガラス窓4と、ドア3を開閉するときに掴む取っ手5と、操作提示部6を備えている。
操作提示部6は、加熱開始ボタン7、取消ボタン8、戻るボタン9と液晶タッチパネル10を備えている。加熱開始ボタン7は液晶タッチパネル10で加熱の制御内容を各種設定した後、加熱を開始するときに押すものであり、取消ボタン8は加熱開始ボタン7を押して加熱を開始した後に加熱途中で加熱を停止させる場合に押したり液晶タッチパネル10での操作を取り消す時に押したりするものであり、戻るボタン9は液晶タッチパネル10の画面表示を直前の画面表示に戻す時に押すものである。そして液晶タッチパネル10は表示部であるカラー液晶の前面にタッチパネルを一体的に構成したものである。
図2は本発明に係るオーブンレンジ1の概略構成図である。オーブンレンジ1は食品の加熱調理に高周波加熱および熱輻射、熱風、スチームによる加熱が可能であり、食品などを収納する加熱庫11内に高周波を出力するマグネトロン12、輻射熱を発生する平面ヒータ13、加熱庫11内に温風を送るためのコンベクションヒータ(シーズヒータ)14と循環ファン15、加熱庫11内にスチームを発生するためのスチーム発生器16を備え、高周波、輻射、熱風、スチームの少なくともいずれか1つ以上を加熱庫11に供給して
食品を加熱する。またサーミスタ17は加熱庫11内部の雰囲気温度を検出し、赤外線センサ18は食品の表面温度を検出する。これら検出した情報に基づき加熱制御部19が、マグネトロン12や平面ヒータ13、コンベクションヒータ14、スチーム発生器16などの各加熱部を制御することで食品を適切に加熱する。
マグネトロン12により高周波加熱を行う時には、食品は加熱庫11底面に置いて加熱するのであるが、平面ヒータ13による輻射加熱やコンベクションヒータ14による熱風加熱する時には、食品を金属皿に載せてその金属皿を加熱庫11の側面両側に設けた棚20に載せて加熱する。それは輻射加熱の時には平面ヒータ13により近づけて多くの輻射エネルギーを受けられるようにするためであり、また熱風加熱の時には底面から浮かせることで食品の上下で熱風循環させ、食品の上下の温度分布を均一化し加熱ムラを起こさないようにするためである。
またスチーム加熱は一般には、スチームと高周波とかスチームと熱風、またはスチームと輻射など他の加熱源と組み合わせて加熱するものであり、高周波加熱と組み合わせるのであれば加熱庫11底面に食品を置き、熱風加熱や輻射加熱と組み合わせるのであれば金属皿に食品を載せて金属皿を棚20に載せて加熱する。
またドア3上部には覗き孔21を設けていて、内部には覗き孔21から加熱庫11内部を撮影できるように撮影部22を備えている。そして撮影部22はカメラ23と、またそのカメラ23を回転駆動するための駆動部であるステッピングモータ24を備えている。ステッピングモータ24を回転することでカメラ23が加熱庫11を臨む角度を制御でき、棚20に金属皿を載せてその上に食品を載せている時には食品をカメラ23の視野に捉えるために水平に近い角度、加熱庫11の底面に食品を置いている時には食品をカメラ23の視野に捉えるために斜め下向きの角度に制御する。
また筐体2にはドア3の開閉検知のためのドアスイッチ25を備え、ドア3にはこのドアスイッチ25を押し込むための突起部26を備えている。
図3にドア3とその内部に設けたカメラ23やステッピングモータ24の構成について要部断面図で示す。図3はドア3を閉じた状態であり、加熱庫11を形成する筐体2に対してドア3が密着して閉じられている。ドア3はドア枠27にガラス窓4を2枚嵌め込むようにして二重構造になっていて内部に空間を形成している。その空間内には金属板で形成したチョーク構造28を備えていて、ドア3と筐体2の隙間からマイクロ波が外に漏れることを防いでいる。また空間内には金属板で多数の小さい穴を設けたパンチング板29を備えていて、ガラス窓4から加熱庫11内部を見えるようにし、且つドア3からマイクロ波が外に漏れることを防いでいる。
またドア3の空間内には覗き孔21を通して加熱庫11内部を撮影できる位置にカメラ23を設け、またそのカメラ23を回転駆動するためのステッピングモータ24を設けている。ステッピングモータ24は覗き孔21に近い位置に設けその回転軸にカメラ23の撮像素子がある側の先端を取付ける構成を取っていて、ステッピングモータ24の回転駆動に対しカメラ23の撮像素子の駆動範囲を小さくし、覗き孔21の面積をできるだけ小さくしている。
次にカメラ23、ステッピングモータ24を含む撮影部22などの制御について、図4の制御ブロック図を用いて説明する。液晶タッチパネル10はカラー液晶による表示部30と表示部30による表示内容を制御する表示制御部31とタッチパネルによる設定部32を備えている。そして表示制御部31は設定部32からの操作信号などから表示部30で表示する画面を切換えるなどの制御を行う。
載置段判定部33は、食品が金属皿に載せられその金属皿が棚20に載せられているのか、または食品が加熱庫11の底面に置かれているのかを判定する。そのために載置段判定部33は棚20に金属皿が載せられていない時の棚20の高さの画像を予め記憶している空画像記憶部34と、カメラ23で撮影した棚20の高さの画像を比較して類似度を判定する類似度判定部35を備えている。カメラ23で撮影した棚20の高さの画像が空画像記憶部34で記憶している画像と所定以上類似していない時には棚20に金属皿が載せられていてそこに食品が載せられていると判定し、所定以上類似している時には棚20に金属皿が無い、即ち加熱庫底面に食品があると判定する。
類似度判定部35は特徴量算出部36を備えていて、特徴量算出部36はカメラによる棚20の高さの画像の特徴量と空画像記憶部34に記憶されている画像の特徴量を算出する。特徴量の算出方法の一例は後述する。
また載置段判定部33はドアスイッチ25によりドア3が閉じられた時にこの判定を行うものであり、非加熱中にはカメラ23を棚20の高さを撮影する角度で待機していて、ここでドア3が開閉されると、カメラ23の撮影画像を静止画としてキャプチャし、空画像記憶部34に記憶している画像との類似度を判定する。
判定した結果、棚20に金属皿が載せられていてそこに食品があると判定した時には駆動部であるステッピングモータ24はそのままの角度で駆動せず、金属皿が無く加熱庫底面に食品があると判定した時にはステッピングモータ24を駆動して加熱庫底面を臨む角度にカメラ23を回転する。そしてその後、カメラ23が撮影した画像は表示制御部31に送り、他の情報とともに表示部であるカラー液晶30で表示する。
加熱制御部19は液晶タッチパネル10で設定された加熱制御内容に基づき、サーミスタ17や赤外線センサ18の入力に従い、加熱部であるマグネトロン12、平面ヒータ13、コンベクションヒータ14、スチーム発生器16などを制御して加熱する。加熱開始ボタン7は加熱制御部19に加熱開始指示を送り、取消ボタン8は加熱制御部19に加熱途中での停止指示を送り、また液晶タッチパネル10に操作の取消指示を送り、戻るボタン9は液晶タッチパネル10に表示画面をひとつ前に戻す指示を送る。
次に静止画から特徴量を算出する方法について説明する。カメラ23は撮影した静止画について例えば横640、縦480点の集合として各点の色を記録する。そして各点の色は、赤、緑、青の3つの色の要素についてそれぞれ明るさを1バイトで0〜255として記録し1つの点について3バイトで色を記録する。
ここで1つの色の要素である赤に着目し、赤の0〜255の明るさについてそれぞれの発生頻度をカウントする(一般にヒストグラムという)。つまり640×480点それぞれが赤について0〜255のいずれかの値を持っているので、0〜255それぞれの明るさが何点あるかをカウントしたヒストグラムを赤の特徴量とする。同様に緑のヒストグラム、青のヒストグラムも特徴量とし、この3つのヒストグラムを特徴量として算出し記録する。
次に図5と図6を用いて特徴量であるヒストグラムと画像の類似について説明する。図5は前記したヒストグラムについて説明する図である。2つの画像があるとして、(1−R)は第1の画像の赤の要素のヒストグラム、(1−G)は第1の画像の緑の要素のヒストグラム、(1−B)は第1の画像の青の要素のヒストグラムである。横軸は明るさを示すもので0から255までの整数で0が最も暗く255が最も明るい。また縦軸は発生頻度である。そして同様に(2−R)は第2の画像の赤の要素のヒストグラム、(2−G)
は緑の要素のヒストグラム、(2−B)は青の要素のヒストグラムである。このようにして1枚の画像は特徴量として赤、緑、青のヒストグラムで表わすことができる。
図6は2つの画像の類似度を説明する図であり、図5のヒストグラムを重ね合せている。即ち(R)は赤の要素の第1の画像と第2の画像のヒストグラムを重ね合せたもの、(G)は緑の要素の第1の画像と第2の画像のヒストグラムを重ね合せたもの、(B)は青の要素の第1の画像と第2の画像のヒストグラムを重ね合せたものである。そして斜線で塗りつぶしているところが2つの画像のヒストグラムのずれている部分である。このずれた部分の面積の総和が類似度であり、類似していない画像はこの面積の総和が大きく、類似していれば面積の総和が小さく、仮に同じ画像を2枚持って来ればヒストグラムは全く等しくなり、ずれた部分がないので面積の総和は0である。
このようにして2つの画像の類似度を定量的に評価することができるので、空画像記憶部34に記憶している画像と、カメラ23で撮影した画像がどれだけ類似しているかを定量的に評価でき、所定以上類似している、即ち面積の総和が所定以上小さければ、これは同じ画像であると判断することができる。また所定以上類似していない、即ち面積の総和が所定以上大きければ、これは同じ画像ではないと判断することができる。
空画像記憶部34には棚20に金属皿が載せられていない時の棚20の高さの空画像が予め記憶されていて、それに対してカメラ23で撮影した棚20の高さの画像が所定以上類似しているのであれば、それは棚20に金属皿が載せられていないと判定することができる。また所定以上類似していなければ、これは棚20の高さに何かがあると判定することができる。
次に液晶タッチパネル10の表示の図を使って、操作表示の流れについて説明する。図7は基本のメニュー画面であり、電源投入後など最初に表示される画面である。基本メニュー画面ではあたためボタン37、レンジボタン38、スチームボタン39、オーブンボタン40、グリルボタン41、自動メニューボタン42を画面右側に表示している。
そしてカメラ23で撮影した加熱庫11内の画像を庫内画像43として画面左側に表示している。図7においては一例として、茶碗に冷やご飯を盛って加熱庫底面に置いた時にカメラ23が撮影した画像を表示している。この時、カメラ23は初めに棚20の高さの画像を撮影し、載置段判定部33の判定で棚20の高さには金属皿や食品が無いと判定してステッピングモータ24がカメラ23を回転駆動して加熱庫11の底面を撮影したものである。
使用者は図7のいずれかのボタンを押して加熱制御内容を特定する。例えばお茶碗に盛った冷やご飯を加熱する場合、使用者は図7のあたためボタン37を押す。そのとき表示制御部31がカラー液晶30の画面を仕上がり温度を設定する画面に切り換える。図8にあたための温度設定の画面の例を示す。画面左側には図7と同様、カメラ23で撮影した庫内画像43を表示している。そして画面右側には設定温度を表示していて、その下には設定温度を上昇させるためのプラスボタン44と、設定温度を下降させるためのマイナスボタン45を備えている。設定温度は例えば40〜90℃まで5℃刻みで設定可能で、使用者は画面の設定温度を見ながらプラスボタン44とマイナスボタン45を操作して温度設定する。そして好みの温度(例えば70℃)に設定すると加熱開始ボタン7を押して加熱を開始する。
そして加熱中の画面の例を図9に示す。画面左側には図7、図8と同様にカメラ23で撮影した庫内画像43を表示している。そして画面右側には現在の温度を表示している。この温度は赤外線センサ18で検出した食品の温度である。このようにして基本メニュー
画面から設定画面、加熱中の画面、いずれにおいてもカメラ23が撮影した庫内画像43を表示している。
次に図10のフローチャートを使って、全体の動作の流れを説明する。通常ドアが閉じられて放置されている状態から始まるものとしている。まずステップS1でドアスイッチ25によりドア3が開かれて、その後閉じられたことを載置段判定部33が検出すればステップS2に進む。このときカメラ23は棚20の高さを撮影する角度で静止している。このことは後述するステップS13〜S14の加熱終了後の処理で、この高さを撮影する角度に初期位置を制御している。
ステップS2ではカメラ23で撮影した画像より静止画をキャプチャしてステップS3に進む。ステップS3において特徴量算出部36がこのキャプチャした静止画から図5に示すヒストグラムを算出する。また予め記憶している空画像記憶部34の画像についても同様にヒストグラムを算出する。そしてステップS4に進み、ステップS4では類似度判定部35が2つのヒストグラムから図6に示す不一致面積の総和Sを算出してステップS5に進む。ステップS5において、載置段判定部33はこの算出した面積の総和Sが予め設定した面積の総和Ssより小さいかどうかを判定し、小さければステップS6に進む一方、小さくなければステップS7に進む。
ここまでで空画像記憶部34には棚20に何も載っていない時の棚20の高さの画像を記憶していて、カメラ23が撮影してキャプチャした静止画は棚20の高さの画像であり、この2つの画像のヒストグラムの不一致面積の総和が予め定めた所定値Ssより小さくてステップS6に進むということは、画像がほぼ同じであるので棚20には何も載せられていないということである。一方、小さくなくてステップS7に進むということは棚20に何か載せられているということである。
ステップS6において、ここではカメラ23は棚20の高さを撮影しているが棚20には何も載せられていないということなので、加熱庫11の底面を撮影するように駆動する。そしてステップS7において図7に示す基本のメニュー画面を表示する。ここで図7に示すように画面の左側には庫内画像43を表示するが、ここまで説明してきたように棚20に何か載せていれば棚20の高さの画像、何も載せられていなければ加熱庫11底面の画像を表示する。そしてステップS8に進む。
ステップS8において、使用者により何らかのメニュー選択が行われるのを待ち、メニュー選択が行われればステップS9に進む。ステップS9においては例えば図8に示す設定画面を表示する。設定画面は図8に示すように画面の左側には庫内画像43を表示する。庫内画像43はステップS7のメニュー画面と同様、棚20に何か載せていれば棚20の高さの画像、何も載せられていなければ加熱庫11底面の画像を表示する。そしてステップS10に進む。
ステップS10において、使用者により加熱開始ボタン7が押されるのを待ち、加熱開始ボタン7が押されるとステップS11に進む。ステップS11においては例えば図9に示す加熱中画面を表示する。加熱中画面は図9に示すように画面の左側には庫内画像43を表示する。庫内画像43はステップS7やステップS9の画面と同様、棚20に何か載せていれば棚20の高さの画像、何も載せられていなければ加熱庫11底面の画像を表示する。そしてステップS12に進む。
ステップS12において、加熱制御部19は赤外線センサ18による設定温度到達検知や、設定した時間の経過など、あるいは使用者が取消ボタン8を押すなどでの加熱終了することを待ち、加熱終了するとステップS13に進む。ステップS13においてはカメラ
23がどの位置を撮影しているかで処理を分岐するのであるが、加熱庫11の底面を撮影しているのであればステップS14に進む一方、そうでなければ即ち棚20の高さを撮影しているのであれば処理を終了し最初に戻る。
ステップS14では載置段判定部33はステッピングモータ24によりカメラ23を回転駆動して棚20の高さを撮影する角度にして処理を終了し最初に戻る。これは次にドアを開閉して食品を入れられた時に、まず棚20の高さをすぐに撮影できるように初期位置として合わせておくためである。
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、初めにカメラ23で棚20の高さを撮影し、棚20に何も載っていない空画像記憶部34に記憶している画像との類似度を判定することで、棚20に何かあるかどうかを判定して、何かあるならそのまま撮影を続け、何もなければステッピングモータ24でカメラを駆動して加熱庫11の底面を撮影するので、加熱庫11の底面に食品を置いて加熱する場合でも、棚20に金属皿を載せてその上に食品を載せて加熱する場合でも、いずれでも食品を撮影して表示することができる。
なお本実施の形態1では空画像記憶部34として棚20の高さに何もない時の画像を予め記憶しているものとしたが、更に加熱庫11底面に何もない時の空画像を記憶している空画像記憶部があってもよく、両方ともに食品が無い場合には空焼きを防止するために警告を表示または報知するなどしても良い。
(実施の形態2)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は実施の形態1の図3に相当する要部断面図である。実施の形態2を説明する図面において実施の形態1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付して説明を省略する。
実施の形態2において実施の形態1と異なる点は、撮影部に駆動部が無くカメラが複数あるという点である。図11に示すように、棚20の高さを撮影する上段カメラ23Aと、その奥に加熱庫11の底面を撮影する下段カメラ23Bを備えていて、いずれも覗き孔21から加熱庫11内を臨むように、異なる角度で取り付けている。
図12に制御ブロック図を示し、撮影部22と載置段判定部33などの制御について説明する。撮影部22は棚20の高さを撮影する上段カメラ23Aと加熱庫11の底面を撮影する下段カメラ23Bと、いずれのカメラの撮影した画像を表示するかを切替える切替部46を備えている。
載置段判定部33は棚20に金属皿が載せられていない時の棚20の高さの画像を予め記憶している空画像記憶部34と、上段カメラ23Aで撮影した棚20の高さの画像を比較して類似度を判定する類似度判定部35を備えている。上段カメラ23Aで撮影した棚20の高さの画像が空画像記憶部34で記憶している画像と所定以上類似していない時には棚20に金属皿が載せられていてそこに食品が載せられていると判定し、所定以上類似している時には棚20に金属皿が無い、即ち加熱庫底面に食品があると判定する。
判定した結果、棚20に金属皿が載せられていてそこに食品があると判定した時には切替部46をそのままにして上段カメラ23Aが撮影した画像を表示制御部31に送り、金属皿が無く加熱庫底面に食品があると判定した時には切替部46を切替えて下段カメラ23Bが撮影した画像を表示制御部31に送り、他の情報とともに表示部であるカラー液晶30で表示する。
次に図13のフローチャートを使って、全体の動作の流れを説明する。通常ドアが閉じ
られて放置されている状態から始まるものとしている。まずステップS101でドアスイッチ25によりドア3が開かれて、その後閉じられたことを載置段判定部33が検出すればステップS102に進む。
ステップS102では上段カメラ23Aで撮影した画像より静止画をキャプチャしてステップS103に進む。ステップS103において特徴量算出部36がこのキャプチャした静止画から図5に示すヒストグラムを算出する。また予め記憶している空画像記憶部34の画像についても同様にヒストグラムを算出する。そしてステップS104に進み、ステップS104では類似度判定部35が2つのヒストグラムから図6に示す不一致面積の総和Sを算出してステップS105に進む。ステップS105において、載置段判定部33はこの算出した面積の総和Sが予め設定した面積の総和Ssより小さいかどうかを判定し、小さければステップS106に進む一方、小さくなければステップS107に進む。
ここまでで空画像記憶部34には棚20に何も載っていない時の棚20の高さの画像を記憶していて、上段カメラ23Aが撮影してキャプチャした静止画は棚20の高さの画像であり、この2つの画像のヒストグラムの不一致面積の総和が予め定めた所定値Ssより小さくてステップS106に進むということは、画像がほぼ同じであるので棚20には何も載せられていないということである。一方、小さくなくてステップS107に進むということは棚20に何か載せられているということである。
ステップS106において、載置段判定部33は切替部46により下段カメラ23Bが撮影した加熱庫11の底面の画像を表示制御部31に送り、ステップS7に進む。一方、ステップS107においては、載置段判定部33は切替部46により上段カメラ23Aが撮影した棚20の高さの画像を表示制御部31に送り、ステップS7に進む。載置段判定部33は以降加熱終了まで切替えた状態を継続して一方のカメラが撮影した画像を表示制御部31に送り続ける。また以降ステップS7からステップS12については実施の形態1と同様であり説明を省略する。そしてステップS12で加熱終了となると処理を終了して、最初に戻る。
以上のように、本発明の実施の形態2によれば、初めに上段カメラ23Aで棚20の高さを撮影し、棚20に何も載っていない空画像記憶部34に記憶している画像との類似度を判定することで、棚20に何かあるかどうかを判定して、何かあるなら上段カメラ23Aが撮影した画像を表示制御部31に送り、何もなければ下段カメラ23Bが撮影した画像を表示制御部31に送るので、加熱庫11の底面に食品を置いて加熱する場合でも、棚20に金属皿を載せてその上に食品を載せて加熱する場合でも、いずれでも食品を表示することができる。
なお本実施の形態2では空画像記憶部34として棚20の高さに何もない時の画像を予め記憶しているものとしたが、更に加熱庫11底面に何もない時の空画像を記憶している空画像記憶部があってもよく、両方ともに食品が無い場合には空焼きを防止するために警告を表示または報知するなどしても良い。
(実施の形態3)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態における撮影部の構成は第1の実施の形態と同様であり、図3に示す如く、カメラ23とそのカメラ23を回転駆動するためのステッピングモータ24を備える構成である。図14に棚20に載せる専用の金属皿47の一例を斜視図で示す。
専用の金属皿47は食品を載置する食品載置部48と、食品載置部48の左右には棚20に載置するための棚載置部49を備え、また食品載置部48の前後には多数の通風孔5
0を備えている。通風孔50はオーブン調理などコンベクションヒータ14により加熱した熱風を循環ファン15で加熱庫11内に送り込み加熱する時に、専用の金属皿47の上下で熱風が通るようにして、加熱分布を均一にするために設けたものである。
第3の実施の形態において、カメラ23をステッピングモータ24で回転駆動し、下方を撮影するように角度制御した時には、図14に示す破線で囲った部分をカメラ23で撮影することができる。この破線で囲った部分は複数の通風孔50があって、食品が載せられる部分ではなく、どんな食品が載せられても同じ画像が撮影される部分である。この部分を撮影した画像を皿画像として予め記憶しておいて、ドア開閉時に撮影した画像と類似度を算出して載置段を判定する。
図15に制御ブロック図を示し、撮影部22と載置段判定部33などの制御について説明する。図15の説明において、第1の実施の形態の図3、第2の実施の形態の図12と同一機能部品には同一番号を付し説明を省略する。
載置段判定部33は棚20に専用の金属皿47が載せられている時の、専用の金属皿の特定の一部分である図14に示す破線で囲んだ部分の画像を予め記憶している皿画像記憶部51と、皿画像記憶部51で記憶している画像とカメラ23で撮影した画像を比較して類似度を判定する類似度判定部35を備えている。
載置段判定部33はドアスイッチ25によりドアの開閉を検知するとカメラ23は図14に示す破線部分を撮影する角度で静止画像をキャプチャする。その画像と皿画像記憶部51に記憶している画像との類似度を類似度判定部35が算出し、所定以上類似している時には棚20に専用の金属皿47があると判定し、所定以上類似していない時には棚20に専用の金属皿47は無い、即ち加熱庫底面に食品があると判定する。
そして判定した結果、棚20に専用の金属皿47が載せられていると判定した時には駆動部であるステッピングモータ24を駆動して専用の金属皿47の中央付近を臨む角度にカメラ23を回転する。専用の金属皿47が無く加熱庫底面に食品があると判定した時にはステッピングモータ24を駆動して加熱庫底面を臨む角度にカメラ23を回転する。そしてその後、カメラ23が撮影した画像は表示制御部31に送り、他の情報とともに表示部であるカラー液晶30で表示する。
次に図16のフローチャートを使って、全体の動作の流れを説明する。通常ドアが閉じられて放置されている状態から始まるものとしている。まずステップS201でドアスイッチ25によりドア3が開かれて、その後閉じられたことを載置段判定部33が検出すればステップS202に進む。このときカメラ23は専用の金属皿47が棚20に載せられているとしたら図14の破線で囲んだ部分を撮影する角度で静止している。このことは後述するステップS208の加熱終了後の処理で、この箇所を撮影するように初期位置を制御しているからである。
ステップS202ではカメラ23で撮影した画像より静止画をキャプチャしてステップS203に進む。ステップS203において特徴量算出部36がこのキャプチャした静止画から図5に示すヒストグラムを算出する。また予め記憶している皿画像記憶部51の画像についても同様にヒストグラムを算出する。そしてステップS204に進み、ステップS204では類似度判定部35が2つのヒストグラムから図6に示す不一致面積の総和Sを算出してステップS205に進む。ステップS205において、載置段判定部33はこの算出した面積の総和Sが予め設定した面積の総和Ssより小さいかどうかを判定し、小さければステップS206に進む一方、小さくなければステップS207に進む。
ここまでで皿画像記憶部51には専用の金属皿47の通風孔50を含む特定の一部分の画像を記憶していて、上記カメラ23で撮影してキャプチャした静止画は棚20に専用の金属皿47が載せられていたら、その特定の一部分を撮影できる角度での画像であり、この2つの画像のヒストグラムの不一致面積の総和が予め定めた所定値Ssより小さくてステップS206に進むということは、画像がほぼ同じであるので棚20に専用の金属皿47が載せられているということである。一方、小さくなくてステップS207に進むということは棚20に専用の金属皿47が載せられていないということである。
ステップS206においてはステッピングモータ24がカメラ23を回転駆動して棚20の高さの専用の金属皿47の中央付近を撮影し、載置段判定部33がその画像を表示制御部31に送りステップS7に進む。またステップS207においてはステッピングモータ24がカメラ23を回転駆動して加熱庫11の底面を撮影し、載置段判定部33がその画像を表示制御部31に送りステップS7に進む。以降加熱終了まで載置段判定部33はカメラ23をその角度で固定して撮影した画像を表示制御部31に送り続ける。
図16においてステップS7からステップS12については実施の形態1、実施の形態2と同様であり説明を省略する。そしてステップS12で加熱終了となるとステップS208に進み、ステップS208においてはステッピングモータ24がカメラ23を駆動して棚20の高さに専用の金属皿47があれば通風孔50を含む特定の一部分を撮影できる角度にして初期位置を合わせ、処理を終了する。
以上のように、本発明の実施の形態3によれば、初めに棚20に専用の金属皿47が載っていれば通風孔50を含む特定の一部分を撮影できる角度にカメラ23を制御して静止画をキャプチャし、皿画像記憶部51に予め記憶している同じ部分を撮影した画像との類似度を判定することで、棚20に専用の金属皿47があるかどうかを判定して、あると判定すれば専用の金属皿47の中央付近を撮影するようにカメラ23を駆動し、ないと判定すれば加熱庫11の底面を撮影するようにカメラ23を駆動して、カメラ23で撮影した画像を表示制御部31に送るので、加熱庫11の底面に食品を置いて加熱する場合でも、棚20に専用の金属皿47を載せてその上に食品を載せて加熱する場合でも、いずれでも食品を表示することができる。
なお本発明の実施の形態1〜3において、空画像記憶部34や皿画像記憶部51には画像を記憶しているものとして説明してきたが、画像から算出される特徴量であるヒストグラムを記憶していてもよく、その方が記憶容量は小さくて済む。