JP2827591B2 - 車両用定速走行制御装置 - Google Patents

車両用定速走行制御装置

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JP2827591B2
JP2827591B2 JP3179510A JP17951091A JP2827591B2 JP 2827591 B2 JP2827591 B2 JP 2827591B2 JP 3179510 A JP3179510 A JP 3179510A JP 17951091 A JP17951091 A JP 17951091A JP 2827591 B2 JP2827591 B2 JP 2827591B2
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明 石田
雅弘 高田
和成 楢崎
修 伊藤
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の定速走行制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用定速走行制御装置は、車速
センサで実車速を検出し、運転車の意志により目標車速
を設定し、実車速が目標車速に収束するように、例えば
制御対象をV(s)/U(s)=b/s+a(sをラプラス演算子、V(s)
を車速、U(s)をアクチュエータ指令電圧、aを未知特
性、bを未知入力配分特性)で表わされる一入力一出力
系とし、PID制御を基本とした様々なフィードバック
制御系を構成し定速走行制御を行っている。この時、変
速段の変化や、走行負荷の変化、即ち勾配の変化や、空
気抵抗の変化、また、車載重量の変化などにより、車両
の動特性が変化し、目標車速への収束性が常に一定とは
ならず異なったものとなってしまう。
【0003】そこで、この車両動特性の変化に拘らず、
目標車速への一定の収束性を得るために、スロットルバ
ルブを駆動するアクチュエータへの操作量を算出する複
数の制御ゲインを、変速段の変化や、走行負荷の変化に
応じて調整する必要があり、この調整に多大な労力が必
要となる。例えば、特開平1-153344号公報記載のよう
に、P+I−P+D制御により、スロットルバルブへの操
作量を算出し、現在のスロットル開度と平地での定常走
行に要するスロットル開度との差により、走行負荷を算
出し、この走行負荷の増大に応じて、前向き制御系P+
Iの比例定数と積分定数を大きくし、負帰還制御系P+
Dの比例定数と微分定数を小さくすることにより走行負
荷の相違に拘らず目標車速への収束性を一定にし、良好
な定速走行制御を実現しようとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなP+I−P+D制御等のフィードバック制御を基本と
した従来の定速走行制御装置においては、その制御対象
に要求される動作は、目標点(車速)が定点から定点へ
と移動するPTP(Point to Point)動作である。即
ち、保障されている動作は、ある走行時の車速から設定
された目標車速までの2点間の移行動作だけであり、目
標点が連続的に移動するCP(Continuous Path)動作
には適さないという問題がある。即ち、車速が目標車速
へ収束するまでの目標軌道に対しては、その追従性を保
障しておらず、その為どのような状態に於いても、常に
一定の収束性、すなわち同じ目標軌道に沿って収束させ
ることは、従来のPID制御では非常に困難である。ま
た、制御対象をより広範囲な車種に広げようとすると、
搭載する車種のエンジンパワーの違い等により車種によ
っては、追従可能な軌道と不可能な軌道が存在し、各車
に対し、同一ソフトで適切な軌道を生成するのは困難で
あるという課題を有していた。
【0005】また、上記のような構成だけでは以下のよ
うな課題も有する。一車種に於いて、制御対象の前記入
力配分特性bは、走行負荷の変動等により2〜3倍の変動
をするが、PIDの各定数、即ち制御ゲインの切り換え
を適切に行うことにより、追従性良く安定に動作する制
御入力を得ることができる。しかし、まったく同じ制御
ソフトで制御対象を1車種だけではなく多車種にまで広
げようとすると、1車種で開発した制御ゲインでは、他
車種に於て制御出力を目標軌道に良好に追従させること
ができなくなり、様々な車種に対して制御ゲインを可変
とし、ロバストな制御系を構成するには従来のPID制
御では非常に困難であるという課題を有していた。
【0006】本発明は、上記のような従来の問題点に着
目してなされたもので、微小時間の変動が一定であると
いう概念を導入し、未知の項を推定する適応制御の一
種、即ちタイム・ディレイ・コントロールを用い、車速
が目標車速へ収束するときの目標とする応答波形の軌道
を時間の関数によって数通り与え、この与えられた軌道
を基準として誤差ベクトルを定義することにより、変速
段位置や走行負荷の変化による車両動特性の変動に対し
ても、常に、この与えられた軌道に沿って一定の収束性
で目標車速に収束することが出来る車両用定速走行制御
装置を提供することを目的とする。また、この目標軌道
を数通り予め与えることにより、ドライバーは好みの応
答を選択でき、各ドライバーの乗車フィーリングに合っ
た定速走行制御が可能となる車両用定速走行制御装置を
提供することを目的とする。さらに、リジュームON時
の実車速と目標車速との偏差の大きさにより、実車速が
目標車速へ収束するときの目標軌道の整定時間を切り換
えることが出来る車両用定速走行制御装置を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、各車種の限界能力に
応じた目標軌道を、実車速と目標軌道車速との偏差また
はこの偏差の微分値とアクチュエータの平均速度及び位
置により修正するルールを構築し、搭載する車種にあっ
た適切な目標軌道を常に得ることが出来る車両用定速走
行制御装置を提供することを目的とする。また、制御対
象における実際の入力配分特性bは未知であり、これに
対して、コントローラ内の制御ゲインである制御入力特
性bestが適切でない場合の、入力と出力の定性的な関係
に基づき、前記偏差または偏差の微分値とアクチュエー
タの平均速度及び位置により制御量演算に必要な制御入
力特性bestを変更するルールを構築する。そして、この
変更されたbestの振舞いを観測することによりbestの取
り得る上限値、即ちセット及びリジュームON時の初期値
best0を更新することにより、制御入力特性bestの変動
幅を絞り込み、一入力一出力系の制御対象の出力が目標
軌道に良好に追従する車両用定速走行制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、車両の実車速を検出する車速検出回路
と、運転者の意志により目標車速を設定する目標値設定
回路と、時間の関数としてリジューム時の一つの目標軌
道車速を与える目標軌道設定手段と、実車速が目標車速
に前記目標軌道車速に沿って収束するようにスロットル
バルブを駆動するアクチュエータへの制御量を、前記車
速検出回路により検出された車速と、前記目標軌道車速
とを用い、これらの誤差を零とする軌跡追従型タイム・
ディレイ・コントロール制御則により演算する制御量演
算手段とを備えた構成とする。
【0008】また、上記目標軌道設定手段に、車速が目
標車速へ収束するときの数通りの正規化された目標軌道
を与えておき、ドライバーが好みの応答を選択できる目
標軌道選択手段とを備えた構成とする。また、上記手段
にリジューム時の目標車速と実車速との偏差を検出する
復帰車速偏差検出手段を有し、この検出値に応じて、目
標軌道の収束時間の切り換えが可能な構成とする。
【0009】また、上記手段に、入力変数を前記目標軌
道車速と実車速との偏差または偏差の微分値の少なくと
も一つと、アクチュエータの平均速度及び位置とし、出
力変数を新たな目標軌道車速とする、一つ以上の軌道修
正規則を用いて、新たに目標軌道車速を求める目標軌道
修正手段と、入力変数を前記目標軌道車速と実車速との
偏差または偏差の微分値の少なくとも一つと、アクチュ
エータの平均速度及び位置とし、出力変数を前記制御量
演算手段中の演算係数である制御入力特性bestとする、
一つ以上の係数決定規則を用いて前記制御入力特性best
を求める制御入力係数決定手段とを備えた構成とする。
また、前記制御入力特性bestの変化の状態により、制御
入力特性の最大値であるセット時やリジューム時の初期
制御入力特性best0や制御入力特性の最小値best1を決定
する係数幅修正手段と、セット時、リジューム時の初期
制御入力量U(0)を前記初期制御入力特性best0を用いて
算出する初期制御入力算出手段とを備えた構成とする。
【0010】また、前記目標軌道設定手段に於いて、リ
ジューム時の一つの目標軌道車速をリジューム時の収束
時の傾きを表わす復帰加速度αで時間の関数として与
え、前記目標軌道修正手段において、入力変数を前記目
標軌道車速と実車速との偏差または偏差の微分値の少な
くとも一つと、アクチュエータの平均移動速度及び位置
とし、出力変数を目標軌道車速を与える復帰加速度αの
値とする、一つ以上の加速度修正規則を用いて、新たに
リジューム時の復帰加速度αを求め、リジューム時に実
車速が目標車速に収束するとき、その目標軌道車速を与
える加速度を変更し、滑らかに収束する目標軌道とする
収束加速度変更手段とを備えた構成とする。 さらに、
リジュームON時から車速偏差を計測し設定値以上となっ
たとき目標軌道車速をその時点での実車速となるように
変更する初期目標軌道変更手段とを備えた構成とする。
【0011】
【作用】本発明は上述の構成によって、予め正規化され
た軌道、即ち復帰時の希望応答波形の軌道を数通り、例
えばスピーディ・ノーマル・スローの3通り設定してお
き、ドライバーが好みの応答波形、即ち目標軌道を選択
することにより、この目標軌道で与えられる目標軌道車
速と実車速との差を誤差ベクトルとする、軌跡追従型タ
イム・ディレイ・コントロールで、スロットルバルブ開
度の操作量を算出することにより、目標車速への収束性
を、変速段位置の変化や走行負荷の変動の影響を受ける
ことなく、常に希望応答波形の軌道と一致するようにア
クチュエータを制御する事ができ、安定で収束性が良
く、好みのレスポンスを与える定速走行制御を行なうこ
とが出来る。また本発明は上述の構成によって、予め正
規化された収束時間の違う目標軌道が数通り設定されて
おり、リジュームON時の目標車速と実車速との車速偏
差の検出値の大きさに応じて、収束時間の違う目標軌道
に変えることにより、車速偏差に対して違和感の無い、
滑らかな応答波形を得ることが出来る。また、初期制御
入力特性best0を全対象車種の入力配分特性bの最大値bM
AXとし、時間の関数により与えられる目標軌道により定
速走行制御を行ない、目標軌道車速と実車速との偏差ま
たは前記偏差の微分値の少なくとも一つと、アクチュエ
ータの平均速度及び位置を用いて、目標軌道修正手段に
より、新たに目標軌道車速を求める。そして、この新た
に求められた目標軌道車速により定速走行制御を続ける
ことにより、各車種の能力にあった無理の無い滑らかな
リジューム応答を得ることが出来る。また、制御入力特
性bestが、この定速走行制御装置の装着車の入力配分特
性bと大きく異なっているとき、偏差または偏差の微分
値の少なくとも一つと、アクチュエータの平均速度及び
位置とを用いて、制御入力係数決定手段により、制御入
力特性bestを修正する。そして、求められた制御入力特
性を用いて制御量演算手段により制御入力を算出し、実
車速の目標車速への収束性を、走行負荷の変動等による
車両動特性変化の影響を受けることなく、常に一定とす
る事ができ、安定で目標軌道に良好に追従させることが
できる。また、更新された制御入力特性の変化の状態を
観測し、係数幅修正手段により、制御入力特性の最大値
である初期制御入力特性best0と最小制御入力特性best1
とを更新し、制御入力特性の許容変動幅の大きさを更新
する。これにより、セット時やリジューム時の初期制御
入力特性best0は、各走行条件に応じた搭載車種の入力
配分特性bに近づき、このbest0を用いて初期制御入力量
U(0)を初期制御入力算出手段により求め、セット時やリ
ジュームON時の車速の落込みを少なくすることができ、
目標軌道に安定で且つ良好に追従させることができる。
また、リジューム応答収束時に目標軌道を与える復帰加
速度αを目標軌道車速Vd(t)の微分値が小さくなるよう
に変更し、目標車速に目標軌道車速が滑らかに収束する
ようにする収束加速度変更手段により収束時のオーバー
シュートおよびアンダーシュートを少なくすることが出
来る。また、リジュームON時の車速の落込みにより、目
標軌道車速と実車速の偏差がある一定値以上になると初
期目標軌道変更手段により目標軌道をその時点の実車速
まで下げることにより、むやみにアクセルを噴かすこと
なく安定に目標軌道に追従することができる車両用定速
走行制御装置となる。
【0012】
【実施例】以下、車両対象は自動車とし、本発明の実施
例を図面に基づいて説明する。
【0013】はじめに、車両用定速走行制御装置のシス
テム構成及び制御系の構成に付いて述べる。図1は本発
明の第1の一実施例を概念的に示した構成図である。定
速走行指令信号及び定速走行指令解除後再び同じ速度に
復帰し定速走行を行わせるリジューム信号及び定速走行
中の車速を増減させる増減速信号等を入力する指令回路
11より定速走行指令信号が入力されると、車速検出回
路12により実車速を検出し、目標値設定回路13によ
り目標車速として設定される。リジューム時の希望応答
波形の軌道を数通り目標軌道設定手段15で与え、目標
軌道選択手段19で前記目標軌道設定手段で与えられた
数通りの軌道の中からドライバーが一つの軌道を選択
し、この目標軌道車速と、実車速と、目標車速とから、
制御量演算手段14で実車速が目標車速に希望の応答波
形で収束する、即ち実車速と目標軌道車速との誤差が零
となるように、プラントへの制御入力、即ちアクチェー
タ16への制御入力が演算される。即ち、14、15が
軌跡追従型タイム・ディレイ・コントロールである。こ
こで、制御対象、即ちプラントはアクチュエータ16+
スロットルバルブ17+車体18である。以上の操作に
より、スロットルバルブ17の開度がアクチュエータ1
6により調節され、車体18を通して車速が希望の収束
性で目標車速に収束し、目標車速で安定となる定速走行
制御が実現できる。
【0014】図2は本発明の第2の発明に対する一実施
例を概念的に示した構成図である。いったん定速走行が
解除された状態で、既に目標値設定回路23で設定され
た目標車速に指令回路21のリジューム操作により復帰
するとき、復帰スタート時の実車速を車速検出回路22
で検出し、前記目標車速と、この実車速との偏差を復帰
車速偏差検出手段29で検出し、この検出値の大きさに
対応する、収束時間の違う目標軌道を目標軌道設定手段
25で与えることにより、この初期偏差の大きさに応じ
て与えられた目標軌道車速と、実車速と、目標車速とか
ら、制御量演算手段24で実車速が目標車速に希望の応
答波形で、即ち目標軌道に沿って収束するようプラント
(アクチュエータ26+スロットルバルブ27+車体2
8)への制御量を算出する。
【0015】図3は本発明の一実施例のシステム構成図
である。図中38は、CPU,ROM,RAM,I/O
等で構成された制御回路であり、各種センサやスイッチ
などの入力信号により、定速走行制御を行う。33は、
アクチュエータ電源や、制御回路への電源を供給するス
イッチで、31は目標車速を設定するセットスイッチ
と、目標車速の設定値を下げるコーストスイッチの兼用
スイッチであり、32は、目標車速へ復帰するリジュー
ムスイッチと、目標車速の設定値を上げるアクセルスイ
ッチの兼用スイッチである。35は、ブレーキを踏むと
ONされるブレーキスイッチであり、34は、セット及び
リジューム機能を解除するキャンセルスイッチで 、3
6は、実車速を検出する車速センサである。37は、変
速段が、ニュートラルまたは、パーキング位置にあるこ
とを検出する、N・Pスイッチで、39は、定速走行を
開始または終了するときに、アクチュエータ310への
電源を供給または遮断するソレノイドである。セットス
イッチ31または、リジュームスイッチ32のONにより
定速走行制御が開始されると、制御回路38により、ソ
レノイド39がONされ、車速センサ36の実車速と、セ
ットされた目標車速との差を算出し、この値と、予めR
OMに内蔵されている目標軌道生成のための情報、例え
ば、正規化された目標軌道データ等から、目標軌道車速
が求まる。そして、この目標軌道車速と実車速との誤差
が零となるように制御量を算出し、アクチュエータ31
0へ出力する。そして、このアクチュエータ310の駆
動により311のスロットルバルブを開閉し、エンジン
への燃料供給量を調整することにより、定速走行制御を
実現している。
【0016】図4は上記一実施例の制御ブロック図であ
る。この図を基に適応制御の一種である軌跡追従型のタ
イム・ディレイ・コントロール(TDC)の制御概念に
ついて説明する。目標開度入力Uによりアクチュエータ
45はスロットルバルブ46の開度を調節し、車体47
を通して車速をコントロールする。この車速Vは、車速
センサ43により読み込まれ、前記目標値設定回路によ
りセットされた時の実車速を目標車速Vsetとして、
目標車速設定41で記憶される。リジュームスイッチ3
2がONされると、その時の実車速Vと目標車速Vse
tとの差から、目標軌道設定手段42により、目標軌道
車速Vdが時間の関数で与えられる。この目標軌道車速
Vdは、収束時の希望応答波形を時系列で与えたもの
で、実車速Vと目標軌道車速Vdとの偏差eが零となる
ようにTDC制御式44によりアクチュエータ45への
制御量Uが算出される。セット時は目標車速Vsetが
目標軌道車速Vdとなる。以上の操作により、実車速V
が、目標車速Vsetに希望の応答特性で追従する、即
ち目標軌道車速Vdに追従する速度制御を行なうことが
でき、常に安定で収束性が一定となるような定速走行制
御が実現できる。次に、この軌跡追従型のタイム・ディ
レイ・コントロール(以下TDC)の制御系設計に付い
て説明する。
【0017】まず、プラントの伝達関数を求める。アク
チュエータ45への目標開度入力をU(S)とし、実車速
をその出力V(S)とすると、この間の伝達関数G(S)は次
式で与えられる。 G(S)= b/(S+a) (1) この様に制御対象を1次遅れで近似したが、実際は走行
状態によりパラメータ変動があり、またむだ時間等を含
む非線形プラントである。このTDCは、未知の動特性
を持つシステムに対して有効なコントローラであり、以
下、非線形プラントに対し、CP動作に適した軌跡追従
型の制御則を求める。これについては、伊藤修他「軌跡
追従型タイム・ディレイ・コントロールの提案とそのロ
ボットマニピュレータ制御への応用」精密工学会誌55/1
2/1989等に詳細が出ている。
【0018】まず、(1)式を時間領域に直すと以下の式
となる。ただし、微分はd/dtで表わす。 dV(t)/dt=-aV(t)+bU(t) (2) a,bは未知で、変動幅が以下のように分かっているも
のとする。 0 < amin < a < amax (3) 0 < bmin < b < bmax (4) ここで車速Vの目標軌道車速をVdとし、この偏差をeと
して、次式により定義する。 e=Vd-V (5) (2),(5)式より誤差の動特性を支配する次式が得られ
る。 de(t)/dt=dVd(t)/dt+aV(t)-bU(t) (6) ここで、Uが次式を常に満足するように決定することが
できれば dVd(t)/dt+aV(t)-bU(t)=-Ae・e(t) (7) (6),(7)式より次式を得る。 de(t)/dt=-Ae・e(t) Ae>0 (8) よって、Aeにより、任意の誤差動特性が定義できる。
(7)式より制御入力Uを求めると、次式となる。 U=b-1(dVd/dt+aV+Ae・e) (9) しかし、上式に於て未知変数a,bが含まれており、こ
のままでは制御入力Uを決定することはできない。そこ
で、この未知の部分を推定することを考える。
【0019】まず、(2)式を以下のように未知部分aVと
他の部分とに分ける。 aV=-dV/dt+bU (10) ここで、Lを微小な時間遅れとし、aV=hとして、以下の
ように仮定する。
【0020】 h(t)m2h(t-L) (11) (10),(11)式より未知項aV、即ちhは次式で推定され
る。 hest(t)=-dV(t-L)/dt+bU(t-L) (12) この推定値hestを、(9)式に代入すると、定速走行制御
に関するタイム・ディレイ・コントロールの制御則が次
式で与えられる。 U(t)=U(t-L)+b-1{-dV(t-L)/dt+dVd(t)/dt+Ae・e}(13) しかし、制御入力Uを演算する(13)式は、未知項のbが
含まれているので、このままではアクチュエータへの制
御入力U(t)を決定することが出来ない。そこで、制御系
が、安定となるような、bの推定値bestを(14)式に代
入して、実際の制御入力を得る。即ち次式で制御入力を
与える。 U(t)=U(t-L)+best-1{-dV(t-L)/dt+dVd(t)/dt+Ae・e} best>0 (14) (14)式により与えられる、制御則を詳しく表わしたブロ
ック図が図5である。制御対象53に、ある制御入力U
が与えられると、車速Vが出力される。目標軌道車速V
dとVの偏差をeとし、このVdとeにより目標誤差特性
挿入部51で誤差収束性の保障をし、実車速VとUによ
り未知特性打消部52で非線形項を推定することによ
り、軌跡追従型タイム・ディレイ・コントローラ54が
構成され、偏差eがゼロとなり、希望する応答波形とな
るように制御対象53への制御入力Uが算出される。即
ち、-dV(t-L)/dt、U(t-L)は、プラントの未知部分打ち
消し項であり、dVd(t)/dt+Ae・eは、任意の目標軌道に
対する誤差動特性挿入項である。
【0021】次に、制御系全体が安定となるような、推
定値bestの導出に付いて説明する。まず、(14)式をラプ
ラス変換すると次式となる。 best(1-e-LS)U(S)={-(Se-LS+Ae)V(S)+(S+Ae)Vd(S)} (15) また、(2)式も同様にラプラス変換する。 U(S)=b-1(S+a)V(S) (16) (15),(16)式より、次式を得る。 {bestb-1(S+a)(1-e-LS)+Se-LS+Ae}V(S)=(S+Ae)Vd(S) (17) ここで、パディ近似を(17)式に用いる。即ち次式を代入
する。 e-LS=(2-LS)/(2+LS) (18) V(S)/Vd(S)= (2+LS)(S+Ae)/{2bestb-1(S+a)LS+S(2-LS)+(2+LS)Ae} (19) よって、上式が安定となる条件は、ラウスの安定判別に
より求められる。まず、(19)式の分母をF(S)とし、Sに
付いて整理する。 F(S)=(2bestb-1-1)LS2+{(2abestb-1+Ae)L+2}S+2Ae (20) =A0S2+A1S+A2 ここで、(3)(4)(8)式および(14)式のパラメータ範囲よ
り、A1,A2は正であることが分かるので、次式が安定性
の必要十分条件となる。 A0=(2bestb-1-1)L>0 (21) よって、bestの条件は次式で与えられる。 best>b/2 (22) これより、bestは真の値の1/2以上に取らなければなら
ない。そこで、(4)式のパラメータ範囲を考慮に入れる
と、(22)式は次式となる。 best>bmax/2 (23) 以上により、この推定値と、(14)式で得られる制御入力
Uを用いることにより、(8)式の誤差動特性を満足する応
答を得ることが出来る。尚、制御対象を1次遅れで近似
して制御入力を算出したが、2次以上のプラントとして
設計してもよい。
【0022】次に、目標軌道車速Vdの算出方法につい
て説明する。図6は上記第1の一実施例の目標軌道設定
手段で与えられる車速軸(縦軸)、時間軸(横軸)共に
正規化された目標軌道の図である。例えばドライバーの
好みを図中(A),(B),(C)の様に三通りで与
え、(A)はスピーディ、(B)はノーマル、(C)は
スローと言う各々の特性を与えた軌道である。例えばド
ライバーが若者で非常にレスポンスのよい加速感で復帰
走行したいと思えば目標軌道選択手段で(A)を選択す
ればよい。また、ドライバーが高齢でゆっくりした応答
性で復帰走行したいと思えば目標軌道選択手段で(C)
を選択すればよい。この様に(A),(B),(C)い
ずれかの正規化された目標軌道を選択し、これに目標車
速VsetとリジュームON時の実車速との偏差の絶対値で
ある、初期車速偏差を掛けることにより目標車速へ収束
するときの目標軌道車速が計算される。
【0023】図7(a)は上記第2の一実施例の目標軌
道設定手段で与えられる収束時間の違う車速軸(縦軸)
のみが正規化された目標軌道の図である。例えば、定速
走行可能な車速範囲が50km/h〜100km/hで
あるとすると、リジュームON時の初期車速偏差は0〜
50km/hであり、これを一例として次のように3つ
の収束時間の違う目標軌道に分ける。0〜15km/h
を(A)、15〜35km/hを(B)、35〜50km
/hを(C)とし、各々の目標車速への収束時間を例え
ば10秒・20秒・30秒とする。図7(b)はリジュ
ーム時の車速偏差が10km/h,25km/hの時の
目標軌道車速の軌道(D),(E)である。例えば、リジ
ュームスイッチをONしたときの目標車速と実車速の偏
差、即ち初期車速偏差FEが25km/hの時、先ず図
7(a)で(B)の正規化された目標軌道が選ばれる。
次にこの正規化された目標軌道に、初期車速偏差25k
m/hを掛けた値が、図7(b)の(E)で、これにリ
ジュームON時の実車速をバイアスとして加えた車速
が、復帰時の目標軌道車速であり、制御周期毎に与えら
れる。
【0024】図8は上記発明の一実施例の制御ブロック
図である。この図を基に目標軌道車速Vdの算出方法お
よび適応制御の一種である軌跡追従型のタイム・ディレ
イ・コントロール(以下TDC)の制御概念について説
明する。まず、目標軌道車速の算出に付いて説明する。
目標軌道選択手段85により目標軌道設定手段84で与
えられる正規化された軌道の中から、好みの目標軌道の
形を選択する。次にこの正規化された目標軌道に対し
て、目標値設定回路81で設定された目標車速Vsetと
復帰時車速検出83で得られるリジュームON時の実車
速とから、復帰車速偏差検出手段82により初期車速偏
差FEを算出し、目標軌道設定手段84に於て、予め選
択されている正規化された目標軌道の時間軸、即ち収束
時間をこの検出値FEの大きさに応じて変更する。そし
て制御量演算手段86で、この目標軌道に初期車速偏差
FEを掛け、復帰時車速検出83によりリジュームON
時の実車速をオフセット分として加えることにより、目
標軌道車速Vdが算出される。そして、TDC制御式8
7により、この目標軌道車速Vdと車速検出回路89で
検出される実車速Vとの偏差eを零とする、即ち実車速
Vが目標軌道車速Vdで与えられる希望応答波形で目標
車速へ収束する為のプラントへの操作量Uが算出され
る。ここでプラントは(アクチュエータ+スロットルバ
ルブ+車体)88である。図22〜図27はある2000cc
ターボ車(205/6400 (PS/rpm))の軌跡追従型タイム・
ディレイ・コトロールでのシャーシ上走行実験結果であ
る。制御入力は(14)式を離散化した以下の式で与えた。
【0025】 U(k)=U(k-1)+best-1{ー(V(k)ーV(k-1))/L+(Vd(k)ーVd(k-1))/L+Ae・e(k)}(24) Vd(k)=(1-cos(π*k/TAU))*(Vset-V0)/2 (25) best=0.11808 , Ae=0.11574 , 制御周期L=720msec また、Vsetは目標車速、V0はリジュームスイッチon時の
実車速である。また、TAU=20の時は整定時間が20secと
なりTAU=30では30secとなる軌跡を表わす。図22〜図
27は全て車速は50km/h〜80km/hのリジューム動作であ
る。図22〜図24は整定時間が30秒の目標軌道車速を
与えた場合の、+3%,0%,-3%でのリジューム実験結果であ
る。また図25〜図27は整定時間が20秒の目標軌道車
速を与えた場合の、+3%,0%,-3%でのリジューム実験結果
である。この様に目標軌道を選択することにより、望み
通りの応答波形を得ることができる。また、勾配変化に
対しても非常にロバストな制御系となっている。
【0026】次に目標軌道自動修正方法及び制御ゲイン
自動変更則について説明する。図9は本発明の第3の実
施例を概念的に示した構成図である。車速検出回路91
により車体97の実車速を読み込み、目標値設定回路9
2により、セットされた時の実車速が目標車速として設
定される。そして目標軌道設定手段93により前記実車
速が前記目標車速に希望の応答波形で収束する基準軌道
を与える目標軌道車速が算出される。そして、実車速と
目標軌道車速との偏差が零となるように、制御量演算手
段95により、前記偏差を基に、アクチュエータ96へ
の制御量が算出される。また、前記目標軌道設定手段9
3により与えられる目標軌道車速は、アクチュエータ9
6の出力値と前記偏差を基に目標軌道修正手段94によ
り各車種や走行状態にあった目標軌道車速に修正され
る。そして、この新たに修正された目標軌道車速を用い
て、前記制御量演算手段95により、引続き定速走行制
御を行なう。
【0027】次に、目標軌道車速Vd(t)を修正する基本
的な考え方に付いて説明する。前記目標軌道設定手段9
3により、目標軌道車速Vd(t)が算出される。これは、
時間の関数で与えられるものであり、例えば正規化され
た目標軌道を与えるマップを有し、このマップにリジュ
ーム時の目標車速と実車速との差を掛けることにより制
御周期毎の目標軌道車速が時系列として与えられる。ま
た、収束時の加速度を与えることにより目標軌道車速を
算出してもよい。この目標軌道車速Vd(t)に追従する制
御を行う場合、搭載する車によって、また道路勾配等の
走行状態の違いによって追従可能なものもあれば、フル
スロットルで追従不可能な車も存在する。そこで、この
様に追従不可能な車に対して、前記目標軌道車速を追従
可能となるような目標軌道車速に修正する必要がある。
そこで、図10に追従可能性を検討し、目標軌道を修正
する基本フローを示す。以下説明に於いては、次のよう
な一入力一出力の一次遅れ系で表わされる制御対象を考
える。 G(s)=V(s)/U(s)=b/(s+a) (26) ここで、s:ラプラス演算子、V:車速、U:入力、a:未
知特性、b:未知入力配分特性である。図10に於いてe
(t)は目標軌道車速Vd(t)と実車速V(t)との偏差、e(t)=V
d(t)-V(t) であり、de(t)/dt(=Δe(t))は偏差の微分値
である。またU(t)は目標偏差特性de(t)/dt=-k・e(t)(k
は偏差フィードバック係数)を満足する制御入力で、次
式によって演算されるものである。 U(t)=U(t-L)+{-dV(t-L)/dt+dVd(t)/dt+k・e(t)}/best (27) ここで、Lは任意の微小時間遅れ、U(t-L)は時刻L前に制
御対象に印加された入力、dV(t-L)/dtは時刻L前に制御
対象より検出された実車速の微分値、bestは制御入力特
性である。また、ΔUはΔU=dU(t)/dtでU(t)の微分値で
ある。ステップ101でリジューム開始後、ステップ1
02で偏差eは設定値f1>0と比較され、大きければステ
ップ103で偏差の微分値Δeが正であるかどうかを判
断する。そして、Δeが正であれば、ステップ104で
制御入力Uとg1>0が比較される。例えば、g1の値として
制御入力の飽和値等を用いる。ここで、e>f1かつΔe>0
でU≧g1ならばステップ110で目標軌道修正を行う。
また、U≧g1でなければ、ステップ105で制御入力Uの
変化量ΔUとg2>0が比較される。例えば、g2の値として
アクチュエータの開方向最大速度値とする。この時、e>
f1かつΔe>0でΔU≧g2ならばステップ110で目標軌道
修正を行う。また、ステップ102で偏差eが設定値f1>
0と比較され、小さければステップ106で偏差eはf3<0
と比較され、小さければステップ107で偏差の微分値
Δeが正であるかどうかを判断する。そして、Δeが負で
あれば、ステップ108で制御入力Uとg3>0が比較され
る。例えば、g3の値として制御入力の最小値等を用い
る。ここで、e<f3かつΔe<0でU≦g3ならばステップ11
0へ行き目標軌道修正を行う。また、U≦g3でなけれ
ば、ステップ109で制御入力Uの変化量ΔUとg4<0が比
較される。例えば、g4の値としてアクチュエータの閉方
向最大速度値とする。この時、e<f3かつΔe<0でΔU≦g4
ならばステップ110で目標軌道修正を行う。以上、目
標軌道修正のためのルールをまとめると以下のようにな
る。 [1]IF e>f1,Δe>0,U≧g1 THEN 目標軌道を修正する。 [2]IF e>f1,Δe>0,ΔU≧g2 THEN 目標軌道を修正する。 [3]IF e<f3,Δe<0,U≦g3 THEN 目標軌道を修正する。 [4]IF e<f3,Δe<0,ΔU≦g4 THEN 目標軌道を修正する。 [5]上記以外は修正せず。 また、偏差eだけの比較で判断しても良く、制御対象が
高次遅れ系の場合には偏差の高階の微分値を用いること
も可能である。また、Δeの比較値にゼロを用いたが、
偏差eのf3<e<f1の様に不感帯を設けてもよい。次にステ
ップ110の目標軌道修正の一方法に付いて図11を用
いて説明する。図中(A)は前記目標軌道設定手段93
により与えられる目標軌道車速Vdであり、(C)がリジ
ュームをONしてからの実車速Vを表わしている。もし
も、このままの目標軌道車速Vdを用いると、(C)の点
線のように、オーバーシュートを起こし、整定時間が長
くなってしまうことがある。そこで、図10のフローで
目標軌道修正を行なう条件が揃ったとき、例えば、図中
(B)のように目標軌道車速(A)を条件が揃った時点
の速度と一致するようにずらし、これを新たに目標軌道
車速とすると、無理な加速を防ぐことができ、オーバー
シュートの無い滑らかな加速を得ることができる。尚、
新たな目標軌道車速決定法として、軌道(A)を図中
(D)のように条件が揃った時点の速度Vと一致するよ
うに、時間軸に対し、引き伸ばして新たな目標軌道車速
としても良い。また、軌道を三角関数で与えておき、そ
の周期を長くしてもよい。更に、上記[1]〜[5]のルール
の入出力変数をファジィ変数で与え、例えば目標軌道を
三角関数とした場合、後件部出力変数をその周期とし、
直接法および間接法により周期を求め目標軌道を決定し
てもよい。
【0028】次に、クルーズコントロールに於て最適な
目標軌道の与え方に付いて、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0029】以下、目標軌道設定手段に於いては、リジ
ューム時に実車速が目標車速に希望の復帰加速度αで収
束する基準軌道を与える目標軌道車速が算出される事と
する。 この目標軌道車速Vd(t)は、予め収束時の目標
軌道の傾き、即ち復帰加速度αを与え、リジュームon時
の車速にこの復帰加速度αの増加分を制御周期毎に加算
することにより与えられる。この目標軌道車速Vd(t)に
追従する制御を行う場合、搭載する車によって、追従可
能なものもあれば、フルスロットルで追従不可能な車も
存在する。そこで、この様に追従不可能な車に対して、
前記目標軌道車速を追従可能となるような目標軌道車速
に修正する必要がある。
【0030】図12は本発明の第4の一実施例を概念的
に示した構成図である。車速検出回路121により車体
127の実車速を検出し、目標値設定回路122によ
り、セット時の実車速が目標車速として設定される。そ
して目標軌道設定手段123によりリジューム時に前記
実車速が前記目標車速に希望の応答特性で収束する、例
えば復帰時に一定の加速度αで収束する基準軌道を与え
る目標軌道車速が算出される。そして、実車速と目標軌
道車速との偏差が零となるように、制御量演算手段12
5により、前記偏差を基に、アクチュエータ126への
制御量が算出される。また、収束加速度変更手段124
により目標軌道車速と目標車速との偏差がある一定値以
下になったとき、目標車速へ収束するときの加速度を小
さな値に変更することにより、リジューム終了時の目標
軌道車速は滑らかな目標軌道車速に修正される。そし
て、この新たに修正された目標軌道車速を用いて、前記
制御量演算手段125により、引続きリジューム制御を
行なうことにより、収束時にオーバーシュートのないリ
ジューム応答を行うことが出来る。
【0031】次に、目標軌道車速の目標車速への収束時
の加速度αを変更する基本的な考え方に付いて説明す
る。前記目標軌道設定手段123により、目標軌道車速
Vd(t)が算出される。これは、予め収束時の目標軌道の
傾き、即ち復帰加速度αを与え、リジュームON時の車速
に、この復帰加速度αの増加分を制御周期毎に加算する
ことにより与えられる。この目標軌道車速Vd(t)と目標
車速との偏差がある一定値以下になったとき、目標軌道
車速演算の周期を短くし、また、加速度αをある一定の
割合で小さくして行くことにより、目標軌道車速の目標
車速への収束時の変化量が小さくなり、目標軌道の急変
による不連続性がなくなり、リジューム応答の収束時の
オーバーシュートやアンダーシュートを抑えることがで
き、リジューム時に違和感の無い定速走行制御装置を実
現できる。なお、収束時の目標軌道車速の演算周期は一
定でもよく、また、加速度αを小さくする方法も一定の
割合ではなく、例えば、小さくする率を偏差が大きいと
きは大きく、収束に近づくにつれて小さくするような方
法でもよい。次に、図13は本発明の第5の一実施例を
概念的に示した構成図である。車速検出回路131によ
り車体137の実車速を検出し、目標値設定回路132
により、セット時の実車速が目標車速として設定され
る。そして目標軌道設定手段133によりリジューム時
に前記実車速が前記目標車速に希望の復帰加速度αで収
束する基準軌道を与える目標軌道車速が算出される。そ
して、実車速と目標軌道車速との偏差が零となるよう
に、制御量演算手段135により、前記偏差を基に、ア
クチュエータ136への制御量が算出される。また、リ
ジュームON時に前記目標軌道設定手段133により与え
られる目標軌道車速を、初期目標軌道変更手段134に
より前記偏差がある一定値以上になったとき、その時点
の実車速の値に変更する。そして、この新たに変更され
た目標軌道車速を用いて、前記制御量演算手段135に
より、引続きリジューム制御を行なうことにより、スロ
ットルワイヤの弛み等による無駄時間の影響を除去する
ことができ、無駄な加速をすることなく滑らかなリジュ
ーム応答制御を行うことが出来る。
【0032】次に、リジュームON時の目標軌道を変更す
る基本的な考え方に付いて図14を基に説明する。ま
ず、細い破線で表わされる図中(B)は初期目標軌道変更
を行わない場合のリジュームON後の目標車速への目標軌
道を表わしており、この目標軌道車速を用いた場合の車
速応答を太い破線で表わされる図中(D)に示す。この時
の制御入力は図中(F)で表わされる。この様に軌道変更
を行わない場合、軌道に追いつこうとするため、過大な
スロットル開度量となり図中(D)のようにオーバーシュ
ートを引き起こす原因となる。また、急加速となるため
運転者に不安感を与え乗り心地も悪く感じられる。そこ
で、初期目標軌道変更手段により、リジュームON後、実
車速が目標軌道車速に対してある一定値以上離れた場合
図中(A)のように目標軌道をその時点での実車速まで落
とすことにより、車速は図中(C)のように精度良く追従
し、制御入力量も図中(E)で表わされるような無理の無
い滑らかな応答波形となる。
【0033】図28、29に上記目標軌道の各変更手段
に於ける実車テスト結果を示す。制御式は(24)式で与え
られ、L=720msec,best=0.11808,Ae=0.11574である。ま
た、目標軌道車速Vdは復帰時(リジューム時)の傾きα
で与えられ、 Vd=V0+α*L (27) 但し、α=1.5km/h/sec or 1.0km/h/sec 両図とも目標軌道は復帰時の傾きを示す加速度で与え
た。図28の実験車は2000ccノンターボ車(125/5600
(PS/rpm))で、道路勾配が0%,車速範囲が50km/h〜100km
/hのリジューム動作に於てシャーシ実験を行ったもので
ある。100km/hで走行中にキャンセルしスロットル開度
が全閉状態で減速させ、車速が50km/hになった時点で、
リジュームスイッチをonした図である。図から分かるよ
うに、リジュームスイッチon後に、ある一定の傾きで目
標軌道車速が与えられて行くが実車速は、まだ減少して
おり、車速偏差は大きくなって行く。そこで初期目標軌
道変更手段により目標値を実車速と一致させることによ
り無理の無い加速を得ることができスロットル開度の異
常な開きもなくなっている。また、収束加速度変更手段
によりオーバーシュートする事なく、目標車速に滑らか
に収束している。
【0034】第29図は、同じ実験車で+3%,70km/h〜10
0km/hのリジューム動作を行った実験結果である。図2
8と同様に、リジュームスイッチon後に目標軌道が変更
され、実車速と一致させているにも拘らず、再び車速偏
差が増加しており、そのため目標軌道修正手段により、
この目標軌道を与える加速度では追従不可能と判断され
加速度を変更している。このことにより乗り心地の良い
リジューム応答を得ることができる。
【0035】次に、制御ゲイン自動変更則に付いて説明
する。図15は本発明の第6の一実施例を概念的に示し
た構成図である。車速検出回路151により車体157
の実車速を読み込み、目標値設定回路152により、セ
ットされた時の実車速が目標車速として設定される。そ
して目標軌道設定手段153により前記実車速が前記目
標車速に希望の応答波形で収束する基準軌道を与える目
標軌道車速が算出される。そして、実車速と目標軌道車
速との偏差が零となるように、制御量演算手段155に
より、前記偏差を基に、アクチュエータ156への制御
量が算出される。また、前記制御量演算手段155中の
制御入力特性bestは、アクチュエータ156の出力値と
前記偏差を基に制御入力係数決定手段154により各走
行状態に応じた制御入力特性に変更される。そして、こ
の新たに算出された制御入力特性bestを用いて、前記制
御量演算手段155により、引続き定速走行制御が行な
われる。次に、制御入力特性bestと実際の制御対象の入
力配分特性bが異なっている場合に、実車速を目標軌道
車速に良好に追従させるための制御入力特性bestを変更
する基本的な考え方を以下説明する。まず、偏差や偏差
の微分値やアクチュエータの位置・速度を用いて制御入
力特性bestを決定するルールを作成するために、コント
ローラの入力特性(制御入力特性)bestが実際の入力配
分特性bより大きい場合の目標軌道車速Vdと制御対象の
出力である車速Vを図16の上図に、またアクチュエー
タへの入力を図16の下図に示す。同図において、Ueは
best=b(ただし、b>0)の時の入力を表わす。図16の
上図に示すように4つの状態(A)〜(D)が考えられ
る。そこで、各々の状態において、どの様にbestを変更
するのかを、図17、図18のフローで説明する。ま
ず、ステップ171でリジュームが開始され、ステップ
172でbestはbMAXに設定される。そして、発振してい
るかどうかを、まずステップ173〜177で判定し、
発振していれば、制御入力特性bestを大きくし、システ
ムの極を安定な方向へ移動させ振動を抑える。具体的に
は、まずステップ173でL時刻離れている2つの入力
の微分値(偏差の微分値でもよい)の積が大きく負であ
るかを判断し、負であれば大きく発振しているものとし
て、安定化を図るためにステップ174で制御入力特性
bestを大きくする。次に、ステップ175で偏差の絶対
値をある値FAと比較し、小さい場合、即ち定速走行状態
の時、小さく振動しているかどうかをステップ176で
判断し、振動していればステップ177で制御入力特性
bestを大きくする。上記発振判定で振動していないと判
定されたとき、ステップ178で、偏差の絶対値がある
設定値FBより大きいかを判定し、大きければステップ1
712で制御入力特性bestを小さくし、ステップ171
4によりその車の能力に応じた目標軌道に変更する。次
に状態が図16の(A)である時、即ちステップ179
で偏差がf1>0より大きいと判断され、且つステップ17
10により偏差の微分値が設定値f2=0よりも大きいと判
断されたとき、以下のどの場合であるかをステップ17
11,1713により判断し、ステップ1714,171
5によりbest及び目標軌道の変更を行なう。(A)の状
態とは、 [a-1]上り坂のように、実際の入力配分特性bに比べコン
トローラの入力特性bestの方が大きく、従って、コント
ローラの入力の増加分が小さく、十分な入力 が得
られていない状態である。 [a-2]アクチュエータを最大変位位置(フルスロット
ル)にしてもエンジンの能力 により車速が上がら
ない状態である。 [a-3]アクチュエータの遅れにより、希望の入力を得る
ことが出来ない状態でる。以上をルール化すると以下の
ようになる。 [a-1]IF e(t)>f1,Δe(t)>f2,U(t)≦g1,ΔU(t)≦g2 THEN
bestを減少させる。 [a-2]IF e(t)>f1,Δe(t)>f2,U(t)≧g1 THEN 目標軌道を
変更する。 [a-3]IF e(t)>f1,Δe(t)>f2,U(t)≦g1,ΔU(t)≧g2 THEN
目標軌道を変更する。
【0036】同様に、図16の状態(B)とは、ステッ
プ179で偏差がf1>0より大きいと判断され、且つステ
ップ1710により偏差の微分値が設定値f2=0よりも小
さい即ち負であると判断された状態であり、以下の状態
が考えられる。 [b-1]best>bであり、(A)部でbestを減少させて入力
を増加したが、依然best>bであるので、十分な入力の減
少が得られない。偏差は目標偏差特性以上に減少する。 [b-2]下り坂のように実際の入力配分特性bが、現在コン
トローラで用いている入力特性以上に増加した状態であ
る。 [b-3]上記以外の時は変更しない。 以上の判断をステップ1716、1717、1719で
行い、ステップ1718、1720によりbestの変更を
行なう。以上の関係をルール化すると以下のようにな
る。 [b-1]IF e(t)>f1,Δe(t)<f2,eが目標偏差特性以上に減
少,U(t)≧g3,ΔU(t)≧g4THENbestを減少させる。 [b-2]IF e(t)>f1,Δe(t)<f2,eが目標偏差特性以上に減
少,U(t)≦g3 THEN bestを増加させる。 [b-3]IF e(t)>f1,Δe(t)<f2,上記以外 THEN bestを変更
せず。 同様に図16の状態(C)に於いても同じ様なことが言
え、状態(C)とは、ステップ1721で偏差が設定値
f3<0よりも小さい、即ち負のある値よりも小さいと判断
され、且つステップ1723により偏差の微分値が設定
値f2>0よりも小さい、即ち負であると判断された状態で
あり、 [c-1]best>bであり(B)部でbestを減少させて入力を
増加し目標軌道に追いつい たが、依然best>bであ
るので、逆に十分な入力の減少が得られない。 [c-2]下り坂のように実際の入力配分特性bが、現在コン
トローラで用いている入力特性以上に増加した状態。 [c-3]上記以外の時は変更しない。 のどれかであり、図18において、ステップ1724、
1726でどの状態の(C)であるのかを判断し、ステ
ップ1725、1727により目標軌道およびbestの変
更を行なう。以上(C)の各状態をルール化すると以下
のようになる。 [c-1]IF e(t)<f3,Δe(t)<f2,U(t)≧g3,ΔU(t)≧g4 THEN
bestを減少させる。 [c-2]IF e(t)<f3,Δe(t)<f2,U(t)≦g3 THEN 目標軌道を
変更する。 [c-3]IF e(t)<f3,Δe(t)<f2,U(t)≧g3,ΔU(t)≦g4 THEN
目標軌道を変更する。同様に図16の状態(D)と
は、ステップ1721で偏差が設定値f3<0よりも小さ
い、即ち負のある値よりも小さいと判断され、且つステ
ップ1723により偏差の微分値が設定値f2>0よりも大
きい、即ち正であると判断された状態であり、 [d-1]依然best>bであり、十分な入力の減少が得られ
ず、偏差は目標偏差特性以上に減少する。 [d-2]上り坂のように、実際の入力配分特性bが減少して
いる状態。 [d-3]上記以外の時は変更しない。 であり、ステップ1728、1729、1730でどの
状態であるかを判断し、ステップ1731、1732でb
estを変更する。以上(D)の状態をルール化すると以
下のようになる。[d-1]IF e(t)<f3,Δe(t)>f2,eが目標
偏差特性以上に減少,U(t)≦g1,ΔU(t)≦g2THEN bestを
減少させる。 [d-2]IF e(t)<f3,Δe(t)>f2,eが目標偏差特性以上に減
少,U(t)≧g1 THEN bestを減少させる。 [d-3]IF e(t)<f3,Δe(t)>f2,上記以外 THEN bestは変更
せず。 ここで、偏差が目標偏差特性以上で減少しているかどう
かは次式により判断できる。 |(1-exp(-k・L))・e(t-L)|<|e(t-L)-e(t)|(26) また上記ルール[a-1]〜[d-3]に於いて、制御対象が高次
遅れ系の場合には、偏差の高階の微分値を用いたルール
の作成も可能であり、制御対象に応じた様々なルールを
用いて、bestを変更しても良い。更に、図18、図19
に於いて、上記ルールのbestの変更部分をbest=best*zo
u(zou>1.0),best=best*gen(gen<1.0)としたが、係数zo
u,genの与え方は、ただ単に数値を与えるだけでもよ
く、また以下の式で与えてもよい。 zou=1+|e|・uk gen=1-|e|・uk (uk>0) (27) また、ルール中の入出力変数をファジィ変数で表現し、
直接法もしくは間接法でbestを推定してもよい。
【0037】以上の様に本実施例によれば初期制御入力
特性bestを全対象車種の入力配分特性bの最大値bMAX
し、予めマップで正規化され与えられている目標軌道に
より定速走行制御を行ない、偏差または偏差の高階の微
分値の少なくとも一つと、アクチュエータの平均速度及
び位置を用いて、目標軌道修正手段により新たに搭載さ
れている車種の能力に応じた適切な目標軌道車速を求め
ることが出来る。また、初期制御入力特性bestが、この
定速走行制御装置の装着車の入力配分特性と大きく異な
っているとき、偏差または偏差の高階の微分値の少なく
とも一つと、アクチュエータの平均速度及び位置とを用
いて、制御入力係数決定手段により、制御入力特性を変
更し、この制御入力特性bestを用いて制御量演算手段に
より制御入力を算出することにより、実車速の目標車速
への収束性を、走行負荷の変動等による車両動特性変化
の影響を受けることなく、常に一定とする事ができ、安
定で目標軌道に良好に追従させることができる。
【0038】なお、一入力一出力高次遅れ系の制御対象
に対しても同様の効果を有する。さらに、制御量演算手
段をディジタル回路系で構成してもよく、この場合サン
プリング周期を時間遅れLとするか、もしくはサンプリ
ング周期の整数倍をLとすることにより簡単に定速走行
制御装置を実現でき同様の効果を有する。また、車速の
微分値を直接検出できない場合は、車速の差分によって
求めても良い。
【0039】次に、bestの変動幅を絞り込み、各車に最
適な初期制御入力量を算出する方法に付いて、本発明の
実施例を図面に基づいて説明する。
【0040】はじめに、システム構成及び制御系の構成
に付いて述べる。図19は本発明の第7の一実施例を概
念的に示した構成図である。車速検出回路181により
車体189の実車速を読み込み、目標値設定回路182
により、セットされた時の実車速が目標車速として設定
される。そして目標軌道設定手段183により前記実車
速が前記目標車速に希望の応答特性で、即ち復帰時に一
定の加速度αで収束する基準軌道を与える目標軌道車速
が算出される。セット時は目標車速が目標軌道車速とな
る。そして、実車速と前記目標軌道車速との偏差が零と
なるように、制御量演算手段187により、前記偏差を
基に、アクチュエータ188への制御量が算出される。
また、前記制御量演算手段187中の制御入力特性best
は、アクチュエータ188の出力値と前記偏差を基に制
御入力係数決定手段184により各走行状態にあった制
御入力特性に変更される。そして、この新たに算出され
た制御入力特性bestを用いて、前記制御量演算手段18
7により、引続き定速走行制御が行なわれる。ここで、
新たに算出された制御入力特性bestの変化の状態を係数
幅修正手段185により観測し、次回の初期制御入力特
性best0の値、即ち制御入力特性bestの変動幅の上限値
と最小制御入力特性best1の値、即ち制御入力特性の変
動幅の下限値とを決定する。前記best0を用いて初期制
御入力算出手段186によりセット時やリジュームON時
の初期制御入力量U(0)を算出し、搭載する車種や走行中
の路面状況に応じた初期目標スロットル開度を与えるこ
とが出来る。次に、制御入力特性bestの搭載車種毎の変
動幅即ち、上限値および下限値を決定する基本的な考え
方を以下説明する。まず、定速走行中に、走行状態に応
じて制御入力特性bestを制御入力係数決定手段により更
新している。ここで、装着後、最初のクルーズ始動時の
制御入力特性bestの初期値、即ち変動幅の上限値best0
はどの車種に装着されているか分からないため安定を補
償する上で全対象車種の入力配分特性bの最大値bMAX
設定されている。図20、図21に係数幅修正手段によ
る、上限値best0、下限値best1の更新を行うための基本
フローを表す。ステップ191で、クルーズがonされ定
速走行制御が開始される。この時ステップ192で制御
入力特性の上限値と下限値が各々bMAX,bMINにセットさ
れる。以下ステップ193から1914で上限値best0
の更新を行い、ステップ1915から1933で下限値
best1の更新を行う。この間、常に制御入力係数決定手
段によりbestは更新されている。まずステップ193で
定速走行中であるか即ち、偏差の絶対値がある値Aより
も小さいかどうかを判断し、小さければステップ194
へ進み、制御入力が発振しているかどうかを判断する。
発振していなければステップ195により過去に発振し
たかどうかを判断し、発振していなければ、安定に定速
走行している状態が、ある設定時間T1以上になったと
き、即ちカウント値taがT1以上になったときステップ1
97に進み、taをクリアし、ステップ198で上限値be
st0をある一定値genだけ小さくする。そして、ステップ
199、1910により制御入力特性bestの変動幅があ
る一定値H以上となるようにする。また、ステップ19
4において、制御入力が発振していれば、ステップ19
11で上限値best0をある一定値zouだけ大きくし、ステ
ップ1912、1913でbMAXよりも大きくならないよ
うにしている。そして、ステップ1914により発振判
定フラグをセットし、以下このbest0よりも小さくなる
ことをステップ195により防いでいる。次に下限値be
st1の更新に付いて説明する。ステップ1915によ
り、更新されている制御入力特性bestが前回以前のbest
の最小値bmより小さいかどうかを判断し、小さければス
テップ1916によりカウンタtbをリセットし、ステッ
プ1917で最小値bmを更新する。ステップ1918で
は今回のbestが最小値bmと同じ値かどうかを判断し、同
じであればステップ1919により、この状態が、ある
一定時間T2以上経過しているかどうかをカウンタtbの値
で判断し、経過していれば、ステップ1920によりカ
ウンタtbをリセットし、ステップ1921により、この
最小値bmが現在の下限値best1かどうかを判断、同じで
あればステップ1922でカウントtcをリセットし、ス
テップ1923で下限値best1をある一定値genだけ小さ
くする。そして、ステップ1924、1925により、
この更新された下限値がbMIN以下にならないようにす
る。又、ステップ1921で等しくない場合、ステップ
1927へ進む。また、ステップ1918で等しくない
場合、ステップ1926へ進み、カウンタtbをリセット
し、ステップ1927でbestの最小値bmが下限値best1
より大きい状態が、ある一定時間T3以上経過しているか
をカウンタtcで判断し、経過していればステップ192
8でカウンタtcをリセットし、ステップ1929で下限
値best1をある一定値zouだけ大きくする。そして、ステ
ップ1930、1931で上限値と下限値がある一定幅
Hを保っているようにし、ステップ1932、1933
で更新された下限値がbestの最小値bmよりも大きくなら
ないようにする。以上の操作により、上限値best0と下
限値best1は、設定された変動幅の最大値、最小値であ
るbMAX、bMINの範囲内である一定幅H以上を保ちなが
ら、搭載車種や走行条件に応じて適切な値に変更され更
新される。この更新された値はキャンセル時メインスイ
ッチoff時にも保存されており、更新された上限値の値b
est0を用いて、次回のセットON時やリジュームON時の初
期制御入力量U(0)を初期制御入力算出手段により、以下
の式により算出する。 U(0)=V*a/best0 (28) ここで、VはスイッチON時の車速であり、セット時は目
標車速で、リジューム時はリジュームON時の実車速であ
る。また、aは車両動特性に関する定数である。
【0041】以上のように、初期制御入力特性best0を
係数幅修正手段により更新することにより、その搭載す
る車種に応じた初期制御入力特性とすることができ、ま
たセットON時やリジュームON時の初期制御入力量を算出
できることにより、セット時やリジューム時の車速の落
込みや、この落込みが原因による、リジューム時のオー
バーシュート等を少なくすることができ、精度のよい定
速走行制御が実現できる。なお、上限値、下限値の増減
に於て、同じ値を用いる必要はなく、各々別々の値を用
いてもよい。また、ある一定の率を掛けて求めてもよ
い。
【0042】以下、図30、図31は、前記制御入力係
数決定手段を用いた路上実験データである。制御式は式
(24)で与えられ、bestの初期値best0は0.2315で与え
た。実験車は2000ccターボ車(205/6400(PS/rpm))であ
る。図30は平坦路で車速80km/hでのセット動作であ
る。制御入力特性bestはセット時に減少するが、ある一
定値で止まり、安定な定速走行制御が実現されている。
図31は前記実験車で目標車速100km/hで走行中の路面
勾配変化に対する路上実験結果である。路面勾配が上り
にさしかかるにしたがい、推定値bestは減少し下りにな
ると増加していることが解る。それにともない、アクチ
ュエータへの制御入力は増減しているが、車速は一定で
目標車速に精度良く追従している。これらの実験により
制御入力特性を変更するアルゴリズムの有効性が確認さ
れた。次に目標軌道自動修正方法及び制御ゲイン自動変
更則を備えた制御アルゴリズムによる走行実験を同一ソ
フトで2車種に於て行った。制御式は(24)式で与えら
れ、目標軌道車速は式(26)で与えられる。また、L=360m
sec,best0=0.2315である。図32〜図35、図36〜図
39に、それぞれ3000cc車(280/6200(PS/rpm)),3000cc
車(180/6000(PS/rpm))のシャーシ上走行実験の結果を示
す。図32、図36は両図とも、+3%時の100km/hセット
動作、及び50km/h〜100km/hリジューム動作の制御結果
を表わす。以下図33と図37は、0%、ー3%での図32と
同条件でのセット動作、リジューム動作を表わす。ま
た、図35と図39は目標車速100km/hで走行中に+3%→
ー3%、ー3%→+3%へ急激に勾配変化が生じた場合の車速応答
実験の結果である。以上の結果より同一ソフトで車種が
変わっても、また路面勾配が変化しても、安定で精度の
良い定速走行制御が行え、リジュームに於いても希望の
応答波形でオーバーシュートする事なく目標車速に到達
しており、搭載する車種の変化や、路面勾配の変化に対
しロバストな定速走行制御装置を提供できた。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明は、予め数通りの
応答波形の軌道を与え、軌跡追従型タイム・ディレイ・
コントロールを構築することにより、ドライバーが希望
の応答を選択することができ、ドライバーの走行フィー
リングに合ったリジューム時の加速感を得ることが出来
ると言う効果を有する。また、本発明は、リジュームON
後の車速偏差の大きさに応じて収束時間を変えることに
より、乗り心地の良い定速走行制御を実現出来るという
効果を有する。
【0044】また、本発明は、リジューム時の目標軌道
を搭載する車の能力に応じた軌道に自動修正する目標軌
道修正手段により、搭載車種毎に目標軌道を予め設定す
ることなく安定で滑らかなリジューム応答を得ることが
出来ると言う効果を有する。また、対象車種が広範囲に
わたると、未知の入力配分特性bが、制御入力特性best
と大きく異なる場合が有り、この時、制御入力係数決定
手段によりbestを変更することにより、目標軌道車速に
良好に追従する定速走行制御を実現出来るという効果を
有する。
【0045】また、本発明は、初期制御入力特性best0
を係数幅修正手段により更新し、初期制御入力算出手段
により、その搭載する車種に応じた初期ゲインを求め、
セットON時やリジュームON時の初期制御入力量を算出す
ることにより、セット時やリジューム時の車速の落込み
や、この落込みが原因による、リジューム時のオーバー
シュート等を少なくすることができ、精度のよい定速走
行制御が実現できるという効果を有する。また、目標軌
道設定手段に於て、復帰加速度αで軌道を与えることに
より、リジューム時の目標軌道の収束時間を、車速偏差
の大きさに応じて変えることができ、また、搭載する車
の能力や道路環境に応じた復帰加速度に変更することに
より、搭載車種毎に目標軌道を予め設定することなく安
定で滑らかなリジューム応答を得ることができるという
効果を有する。また、収束加速度変更手段により、収束
時の加速度αをある割合で小さくして行くことにより、
目標軌道車速の目標車速への収束時の変化量が小さく、
目標軌道の急変による不連続性がなくなり、リジューム
応答の収束時のオーバーシュートやアンダーシュートを
抑えることができ、リジューム時に違和感の無い定速走
行制御を実現できるという効果を有する。さらに、目標
軌道車速を、初期目標軌道変更手段により車速偏差があ
る一定値以上になったとき、その時点の実車速の値に変
更することにより、スロットルワイヤの弛みによる無駄
時間の影響を除去することができ、無駄な加速をするこ
となく滑らかなリジューム応答制御を行うことができ、
目標軌道車速に良好に追従する定速走行制御を実現出来
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の一実施例の概念を示した構成
【図2】 本発明の第2の一実施例の概念を示した構成
【図3】 本発明の一実施例を示す全体構成図
【図4】 軌跡追従型TDCの制御ブロック図
【図5】 軌跡追従型タイム・ディレイ・コントローラ
の制御則の構成図
【図6】 第1の発明で与えられる正規化された目標軌
道を示す図
【図7】 第2の発明で用いられる目標車速算出手段を
示す図
【図8】 本発明に関する一実施例の制御概念構成図
【図9】 本発明の第3の一実施例の概念を示した構成
【図10】 第3の実施例で用いられる目標軌道修正手
段の基本的手順を示すフローチャート
【図11】 第3の実施例で用いられる目標軌道修正方
法の説明図
【図12】 本発明の第4の実施例の概念を示した構成
【図13】 本発明の第5の実施例の概念を示した構成
【図14】 第4の実施例で用いられる目標軌道修正方
法の説明図
【図15】 本発明の第6の実施例の概念を示した構成
【図16】 コントローラの入力特性(制御入力特性)
bestが実際の入力配分特性bより大きい場合の目標軌道
車速Vdと制御対象の出力である車速Vの関係を示す図
【図17】 第6の実施例で用いられる係数幅修正手段
および初期制御入力算出手段の手順を示すフローチャー
【図18】 第6の実施例で用いられる係数幅修正手段
および初期制御入力算出手段の手順を示すフローチャー
【図19】 本発明の第6の実施例の概念を示した構成
【図20】 本発明の第7の実施例の概念を示した構成
【図21】 第7の実施例の初期目標軌道変更手段の車
速応答及び制御入力量を示す概念図
【図22】 軌跡追従型タイム・ディレイ・コトロール
でのシャーシ上走行実験結果を示す図
【図23】 軌跡追従型タイム・ディレイ・コトロール
でのシャーシ上走行実験結果を示す図
【図24】 軌跡追従型タイム・ディレイ・コトロール
でのシャーシ上走行実験結果を示す図
【図25】 軌跡追従型タイム・ディレイ・コトロール
でのシャーシ上走行実験結果を示す図
【図26】 軌跡追従型タイム・ディレイ・コトロール
でのシャーシ上走行実験結果を示す図
【図27】 軌跡追従型タイム・ディレイ・コトロール
でのシャーシ上走行実験結果を示す図
【図28】 目標軌道の各変更手段に於ける実車テスト
結果を示す図
【図29】 目標軌道の各変更手段に於ける実車テスト
結果を示す図
【図30】 平坦路で車速80km/hでのセット動作を示す
【図31】 実験車で目標車速100km/hで走行中の路面
勾配変化に対する路上実験結果を示す図
【図32】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【図33】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【図34】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【図35】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【図36】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【図37】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【図38】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【図39】 リジューム動作のシャーシ上走行実験の結
果を示す図
【符号の説明】 11 指令回路 12 車速検出回路 13 目標値設定回路 14 制御量演算手段 15 目標軌道設定手段 16 アクチュエータ 17 スロットルバルブ 18 車体 19 目標軌道選択手段 121 車速検出回路 122 目標値設定回路 123 目標軌道設定手段 124 収束加速度変更手段 125 制御量演算手段 126 アクチュエータ 127 車体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−150039 (32)優先日 平3(1991)6月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 伊藤 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−314635(JP,A) 特開 昭62−241737(JP,A) 特開 平3−163601(JP,A) 特開 平3−281437(JP,A) 特開 平3−295726(JP,A) 特開 平4−31135(JP,A) 特開 平4−372430(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 31/00 - 31/18 F02D 29/02 301 F02D 41/14 320

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実車速を検出する車速検出回路と、スロッ
    トルバルブを通して車速を調整するアクチュエータと、
    定速走行開始信号および定速走行解除信号および定速走
    行解除後、再び前回の定速走行時の車速に復帰するリジ
    ューム信号をだす指令回路と、前記指令回路の定速走行
    開始信号により目標車速を設定する目標値設定回路と、
    前記車速検出回路の出力が目標車速となるように、前記
    アクチュエータに入力する制御量を、プラントのモデル
    化誤差や外乱等の未知項の変動が微小なL時間一定であ
    ると仮定することにより、前記微小時間前の既知部の項
    を用いて、未知の項を推定する適応制御の一種で、制御
    ゲインの大きさを決定する制御入力特性bestの大きさ
    を、入力を前記アクチュエータへの入力、出力を車速と
    するモデルのプラントゲインの値の1/2倍以上の大きさ
    とすることにより制御系の安定性が補償されることを特
    徴とする制御則(以下、タイムディレイコントロールと
    称す)により算出する制御量演算手段と、前記指令回路
    のリジューム信号により実車速が目標車速へ到達するま
    での軌道を、予め設定されている2つ以上の異なる形の
    軌道として、時間の関数によって与える目標軌道設定手
    段と、ドライバーが上記2つ以上の異なる形の軌道の中
    から、好みの一軌道を選択できる目標軌道選択手段とを
    備え、前記目標軌道選択手段で選択された一軌道に対し
    て、実車速が追従するように目標車速へ収束することを
    特徴とする車両用定速走行制御装置。
  2. 【請求項2】実車速を検出する車速検出回路と、スロッ
    トルバルブを通して車速を調整するアクチュエータと、
    定速走行開始信号および定速走行解除信号および定速走
    行解除後、再び前回の定速走行時の車速に復帰するリジ
    ューム信号をだす指令回路と、前記指令回路の定速走行
    開始信号により目標車速を設定する目標値設定回路と、
    前記車速検出回路の出力が目標車速となるように、前記
    アクチュエータに入力する制御量を、タイム・ディレイ
    ・コントロール(により演算する制御量演算手段と、前
    記指令回路のリジューム信号により実車速が目標車速へ
    到達するまでの軌道を、予め設定されている2つ以上の
    収束時間の違う軌道として、時間の関数によって与える
    目標軌道設定手段と、前記指令回路のリジューム信号を
    認識した直後の目標車速と実車速との偏差を読みとる復
    帰車速偏差検出手段を備え、この偏差の大きさに応じて
    前記目標軌道設定手段の目標車速への収束時間の違う目
    標軌道を選定することを特徴とする車両用定速走行制御
    装置。
  3. 【請求項3】目標軌道設定手段に於て、予め車速軸が正
    規化された整定時間の違う目標軌道、即ちリジューム時
    の滑らかな応答波形の軌道をマップとして2通り以上設
    定しておき、リジュームスイッチON時の実車速と目標車
    速との偏差に応じて目標軌道車速が算出されることを特
    徴とする請求項1または2に記載の車両用定速走行制御
    装置。
  4. 【請求項4】目標軌道設定手段に於て、リジューム時の
    目標車速へ収束する時の加速度αを与えることにより車
    速偏差に応じた整定時間となる目標軌道車速を算出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用定速
    走行制御装置。
  5. 【請求項5】実車速を検出する車速検出回路と、スロッ
    トルバルブを通して車速を調整するアクチュエータと、
    目標車速Vsetを設定する目標値設定回路と、tを時刻と
    し、リジューム時の一つの目標軌道車速Vd(t)を与える
    目標軌道設定手段と、このVd(t)と前記車速検出回路の
    出力V(t)との偏差をe(t)、偏差フィードバック係数をki
    (>0, i=n-1〜0)、目標偏差特性を前記偏差フィードバッ
    ク係数を各定数とする前記偏差e(t)のn階微分方程式で
    与え、制御ゲイン算出時に用いる制御入力特性bestの値
    をプラントゲインの最大値の小さくとも1/2倍以上の値
    とするとき、V(t)がVd(t)で与えられる目標軌道に沿っ
    て目標車速Vsetとなるように、前記アクチュエータへの
    制御量U(t)を、タイム・ディレイ・コントロールによ
    り、U(t)の微小時刻L前の値と、実車速V(t)の微小時刻L
    前のn次微分値と、目標軌道車速のn次微分値と、前記目
    標誤差特性と前記制御入力特性bestを用いて、算出する
    制御量演算手段と、前記目標軌道車速と実車速との偏差
    または、前記偏差のn階までの微分値の少なくとも一つ
    と、アクチュエータの平均速度及び位置とを評価して、
    新たな目標軌道車速Vd(t)を与える一つ以上の軌道修正
    規則を用いて新たに目標軌道車速Vd(t)を求める目標軌
    道修正手段とを具備することを特徴とする車両用定速走
    行制御装置。
  6. 【請求項6】目標軌道修正手段の軌道修正規則に於い
    て、入力変数である偏差または偏差の微分値の少なくと
    も一つが設定値と比較され、さらにアクチュエータの平
    均速度と位置を設定値と比較し、各設定値に対する大小
    関係を判断することにより、出力変数である目標軌道車
    速Vd(t)を実数値で与えるか、あるいは前記偏差または
    偏差の微分値の少なくとも一つを用いた線形または非線
    形関数の演算によって与えるか、もしくは前記入出力変
    数がファジィ変数で表現された変数決定規則を用いて前
    記目標軌道車速Vd(t)を求めることを特徴とする請求項
    5記載の車両用定速走行制御装置。
  7. 【請求項7】目標軌道設定手段に於て、目標軌道車速Vd
    (t)は一定加速度αで与えられる直線上の車速とし、目
    標車速と実車速との偏差がある設定値以下になると目標
    軌道が目標車速に滑らかに収束するように前記加速度α
    を変更する収束加速度変更手段を具備することを特徴と
    する、請求項5または6に記載の車両用定速走行制御装
    置。
  8. 【請求項8】収束加速度変更手段に於いて、目標車速と
    リジューム時の実車速との偏差が設定値以下になると加
    速度を小さくすることを特徴とする請求項5または6に
    記載の車両用定速走行制御装置。
  9. 【請求項9】目標軌道設定手段において、リジュームON
    時から計測されている前記偏差e(t)がある設定値以上と
    なったとき前記目標軌道車速をその時点での実車速に一
    致するように平行移動し、新たに目標軌道車速とする初
    期目標軌道変更手段を具備することを特徴とする、請求
    項5または6に記載の車両用定速走行制御装置。
  10. 【請求項10】実車速を検出する車速検出回路と、スロ
    ットルバルブを通して車速を調整するアクチュエータ
    と、目標車速Vsetを設定する目標値設定回路と、tを時
    刻とし、リジューム時の目標軌道車速Vd(t)を与える目
    標軌道設定手段と、このVd(t)と前記車速検出回路の出
    力V(t)との偏差をe(t)、誤差フィードバック係数をki(>
    0, i=n-1〜0)、目標偏差特性を前記偏差フィードバック
    係数を各定数とする前記偏差e(t)のn階微分方程式で与
    え、制御ゲイン算出時に用いる制御入力特性bestの値を
    プラントゲインの最大値の小さくとも1/2倍以上の値と
    するとき、V(t)がVd(t)で与えられる目標軌道に沿って
    目標車速Vsetとなるように、前記アクチュエータへの制
    御量U(t)を、タイム・ディレイ・コントロールにより、
    U(t)の微小時刻L前の値と、実車速V(t)の微小時刻L前の
    n次微分値と、目標軌道車速のn次微分値と、前記目標誤
    差特性と前記制御入力特性bestを用いて、算出する制御
    量演算手段と、前記目標軌道車速と実車速との偏差また
    は、この偏差のn階までの微分値の少なくとも一つと、
    アクチュエータの平均速度及び位置とを評価して、前記
    制御入力特性bestを与える、一つ以上の係数決定規則を
    用いて前記制御入力特性bestを求める制御入力係数決定
    手段とを具備することを特徴とする車両用定速走行制御
    装置。
  11. 【請求項11】制御入力係数決定手段の係数決定規則に
    於いて、入力変数である偏差または偏差の微分値の少な
    くとも一つが設定値と比較され、さらにアクチュエータ
    の平均速度と位置を設定値と比較し、各設定値に対する
    大小関係を判断することにより、出力変数である制御入
    力特性bestを実数値で与えるか、あるいは前記偏差また
    は偏差の微分値の少なくとも一つを用いた線形または非
    線形関数の演算によって与えるか、もしくは前記入出力
    変数がファジィ変数で表現された変数決定規則を用いて
    前記制御入力特性bestを求めることを特徴とする請求項
    10記載の車両用定速走行制御装置。
  12. 【請求項12】実車速V(t)(tは時刻)を検出する
    車速検出回路と、前記実車速を調整するアクチュエータ
    と、目標車速Vsetを設定する目標値設定回路と、リジュ
    ーム時の目標軌道車速Vd(t)を与える目標軌道設定手段
    と、前記目標軌道車速Vd(t)と前記実車速V(t)との
    偏差をe(t)、誤差フィードバック係数をki(>0, i=n-1〜
    0)、目標偏差特性を前記偏差フィードバック係数を各定
    数とする前記偏差e(t)のn階微分方程式で与え、制御ゲ
    イン算出時に用いる制御入力特性bestの値をプラントゲ
    インの最大値の小さくとも1/2倍以上の値とするとき、V
    (t)がVd(t)で与えられる面標軌道に沿って目標車速Vset
    となるように、前記アクチュエータへの制御量U(t)を、
    タイム・ディレイ・コントロールにより、U(t)の微小時
    刻L前の値と、実車速V(t)の微小時刻L前のn次微分値
    と、目標軌道車速のn次微分値と、前記目標誤差特性と
    前記制御入力特性bestを用いて、算出する制御量演算手
    段と、前記偏差e(t)または、前記偏差e(t)のn階までの
    微分値の少なくとも一つと、アクチュエータの平均移動
    速度及び位置とを評価して、前記制御入力特性bestを与
    える、一つ以上の係数決定規則を用いて前記制御入力特
    性bestを算出する制御入力係数決定手段と、算出された
    前記制御入力特性bestの変化の状態により、制御入力特
    性の最大値である初期制御入力特性best0の値と制御入
    力特性の最小値best1を変更し、制御入力特性bestの変
    動幅を絞り込む係数幅修正手段と、セット時、リジュー
    ム時の初期制御入力量U(0)を前記best0を用いて算出す
    る初期制御入力算出手段を具備することを特徴とする、
    車両用定速走行制御装置。
  13. 【請求項13】初期制御入力算出手段に於いて、セット
    時、リジューム時の車速をV0、aを定数とすると、初期
    制御入力U(0)は初期制御入力特性best0を用いて、V0*a
    /best0で与えられることを特徴とする請求項12記載の
    車両用定速走行制御装置。
  14. 【請求項14】係数幅修正手段に於て、制御入力特性の
    最大値best0、最小値best1の初期値は全対象車種のプラ
    ントゲインの変動幅の最大値と最小値とすることを特徴
    とする請求項12記載の車両用定速走行制御装置。
  15. 【請求項15】微小時間Lを制御周期とし、離散化する
    ことを特徴とする請求項1、2、5、10、12のいず
    れかに記載の車両用定速走行制御装置。
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