JPH0577656A - 車両用定速走行制御装置 - Google Patents

車両用定速走行制御装置

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JPH0577656A
JPH0577656A JP3237702A JP23770291A JPH0577656A JP H0577656 A JPH0577656 A JP H0577656A JP 3237702 A JP3237702 A JP 3237702A JP 23770291 A JP23770291 A JP 23770291A JP H0577656 A JPH0577656 A JP H0577656A
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JP
Japan
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vehicle speed
deviation
control
target
speed
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Application number
JP3237702A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Ishida
明 石田
Masahiro Takada
雅弘 高田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to US07/901,578 priority patent/US5329454A/en
Publication of JPH0577656A publication Critical patent/JPH0577656A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セット・リジューム開始時の車速の落込みを
小さくし、登坂時の高い変速段位置での無理な制御をな
くす。 【構成】 車速検出手段12で車体19の実車速を検出し、
指令手段11でセットした時の実車速が目標値設定手段12
で目標車速Vsetとして設定され、定速走行が開始され
る。この時、車速は制御量演算手段15により算出された
制御量で、アクチュエータ18を調節することにより制御
される。定速走行時及びリジューム時の目標軌道車速Vd
(t)は、目標軌道設定手段14により算出される。この目
標軌道車速Vd(t)と実車速との偏差と、アクチュエータ1
8への制御量とを用いて、制御入力係数決定手段16によ
り制御入力特性の値を更新し、変速指令手段17により前
記制御入力特性および前記偏差を用いて変速段変更時期
を決定し、走行状態に応じた変速段位置に切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の定速走行制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用定速走行制御装置
としては、種々の構成のものがあるが、その中には、実
車速を検出する車速センサと、定速走行指令信号を出力
するセットスイッチと、定速走行指令信号が発生したと
き、実車速を目標車速Vsetとして設定する目標値設定手
段と、スロットルバルブを駆動するアクチュエータと、
実車速が目標車速Vsetに収束するように、前記アクチュ
エータへの指令電圧を出力する制御量演算手段とを備え
た構成で定速走行制御を行っているものがある(特開昭
63-106144号公報参照)。この自動車用定速走行装置で
は、定速走行セット時に、セット時速度とセット時加速
度に基づいて、アクチュエータへの初期制御量を決定
し、スロットルバルブを駆動することにより、実車速を
目標車速Vsetに一致させて定速走行するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動車用定速走行装置にあっては、定速走行
を開始するときのセットイニシャライズ制御出力の算出
ゲインは、車速に関係なく一定値としているため、異な
る車両動特性を持つ複数の車種には適用できず、車種毎
にチューニングを行う必要があった。そこで、実車速と
目標車速Vsetとの偏差と偏差の微分値とアクチュエータ
への出力値と出力値の変化量とにより、車両の走行状態
を推定し、セット開始時やリジューム開始時の前記推定
された走行状態と車速偏差により、変速段位置を変更す
るか、またはセット・リジューム開始時の車速の落込み
量および落込み量の微分値をある設定値と比較し、設定
値以下となるまでアクチュエータを最大速度で開方向に
駆動することにより、セット・リジューム開始時の車速
の落込みを少なくし、目標車速Vsetや目標軌道車速Vd
(t)に良好に追従する車両用定速走行制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、車両の実車速を検出する車速検出手段と、ス
ロットルバルブを通して車速を調整するアクチュエータ
と、定速走行開始信号・定速走行解除信号、および定速
走行解除後、再び前回の定速走行時の車速に復帰するリ
ジューム信号を出す指令手段と、前記指令手段の定速走
行開始信号により目標車速Vsetを設定する目標値設定手
段と、tを時刻とし、一つの目標軌道車速Vd(t)を時間の
関数により与える目標軌道設定手段と、入力変数を前記
目標軌道車速Vd(t)と実車速との偏差または偏差の微分
値の少なくとも一つと、アクチュエータの平均移動速度
及び位置とし、出力変数を制御ゲイン算出定数である制
御入力特性bestとする一つ以上の係数決定規則を用い
て、新たに制御入力特性bestを求める制御入力係数決定
手段と、実車速が目標車速Vsetに前記目標軌道車速Vd
(t)に沿って収束するようにスロットルバルブを駆動す
るアクチュエータへの制御量を、前記車速検出手段によ
り検出された車速と、前記目標軌道車速Vd(t)とを用
い、タイム・ディレイ・コントロール制御則により演算
する制御量演算手段と、前記制御入力特性bestの値と、
車速偏差の値とにより、オーバードライブをオン・オフ
するタイミングを決定する変速指令手段とを備えた構成
とする。
【0005】また、上記手段に、前記指令手段で定速走
行開始信号が入力され定速走行制御が開始されたとき、
前記偏差の大きさ、及び偏差の1階微分値の符号または
大きさを判定し続け、前記偏差および偏差の微分値があ
る設定値以下となるまで、アクチュエータを最大速度で
スロットル開度が開く方向に駆動する初期制御量設定手
段とを備えた構成とする。
【0006】
【作用】本発明は上述の構成によって、車速偏差または
車速偏差の微分値の少なくとも一つと、アクチュエータ
の平均移動速度及び位置を用いて、制御入力係数決定手
段により、制御ゲイン算出定数である制御入力特性best
が更新される。そして、定速走行セット時やリジューム
開始時に、変速指令手段により、この更新された制御入
力特性の値と車速偏差とを用いて走行状態を判断し、適
切なタイミングで変速段位置を変更、例えばオーバード
ライブをオフする等により、登坂路での車速の落込みを
少なくすることができる。また、前記指令手段で定速走
行開始信号が入力され定速走行制御が開始されるか、リ
ジューム動作が開始されたとき、偏差の値がある設定値
以下となるか、または前記偏差の1階微分値、例えば制
御周期Lでサンプルされる偏差e(k)の差分式の符号を判
定し、偏差の絶対値がある設定値以内でも、この偏差の
微分値の符号が反転するか、または微分値がゼロとなる
までアクチュエータを最大速度で開方向に駆動すること
によりセット時やリジュームON時の車速の落込みを少な
くすることができ、目標軌道に安定で且つ良好に追従さ
せることができる。
【0007】
【実施例】以下、車両対象は自動車とし、本発明の実施
例を図面に基づいて説明する。
【0008】はじめに、車両用定速走行制御装置のシス
テム構成に付いて述べる。図1は本発明の第1の一実施
例を概念的に示した構成図である。車速検出手段12に
より車体19の実車速を読み込み、指令手段11で定速
走行における速度をセットする。ここで指令手段11は
安全面から現在実際に走行している速度の範囲内でのみ
目標車速Vsetが設定できるようになっている。すなわち
目標値設定手段で指令手段11によりセットされた時の
実車速が、目標車速Vsetとして設定される。そして目標
軌道設定手段14により前記実車速が前記目標車速Vset
に希望の応答特性で、例えば復帰時に一定の加速度αで
収束する基準軌道を与える目標軌道車速Vd(t)が算出さ
れる。セット時は実車速V(t)は目標車速Vsetと同一の値
であるので、目標軌道車速Vd(t)もVd(t)=Vsetで一定で
ある。リジューム時はリジュームON時の実車速V(t)と希
望の応答特性により算出される車速が目標軌道車速Vd
(t)となる。そして、実車速V(t)と目標軌道車速Vd(t)と
の偏差が零となるように、軌跡追従型のタイム・ディレ
イ・コントロールにより制御量演算手段15において、
前記偏差を基に、アクチュエータ18への制御量が算出
される。また、前記制御量演算手段15中の制御入力特
性bestは、アクチュエータ18への出力値と前記偏差を
基に制御入力係数決定手段16により各走行状態にあっ
た制御入力特性に変更される。そして、この新たに算出
された制御入力特性bestを用いて、前記制御量演算手段
15により引続き定速走行制御が行なわれる。ここで、
変速指令手段17により、新たに算出された制御入力特
性bestの値と、実車速と目標車速Vsetとの偏差を基に変
速指令時期を決定し、例えばオーバードライブをオンか
らオフに変更する。これより、登坂路等の車速低下に対
して速やかに目標車速Vsetへ収束することができ、ま
た、セット開始時やリジューム開始時の車速低下に対し
ても速やかに復帰することができ、搭載する車種や走行
中の路面状況に応じた変速段の切り替えが適切な時期に
できる。ここで、まず実システムの同定実験によるモデ
ルの構築および前記制御量演算手段15中の軌跡追従型
タイム・ディレイ・コントロール(以下TDC)の導出
について簡単に説明する。
【0009】まず、自動車モデルの構築のため、システ
ム同定を行なう。本実施例においては、正弦波信号を入
力としてプラントに与え、その時の出力波形との振幅比
と位相差より、入出力間の伝達関数を求める周波数応答
法によりプラントの同定を行った。制御対象をアクチュ
エータ18と車体19とし、この伝達関数をG(S)、入
力をU(S)出力をV(S)として表わす。この場合U(S)は
アクチュエータへの目標開度入力、V(S)は車速であ
る。このG(S)を前記周波数応答法により決定する。走
行条件(道路勾配、車速域、変速段位置)を変え、同定
実験を行なった結果、以下のようにアクチュエータから
車体間の伝達関数の次数を定めた。
【0010】
【数1】
【0011】但し、Sはラプラス演算子、T1はプラン
トの時定数、Kはプラントゲイン、bは入力配分特性で
ある。a,bは走行条件によって変動し、変動幅は実験
により以下のように求められた
【0012】。
【数2】
【0013】
【数3】
【0014】この様に制御対象を1次遅れで近似した
が、実際は走行状態によりパラメータ変動があり、また
むだ時間等を含む非線形プラントである。このTDC
は、未知の動特性を持つシステムに対して有効なコント
ローラであり、以下、軌跡追従型の制御則を求める。こ
れについては、伊藤修他「軌跡追従型タイム・ディレイ
・コントロールの提案とそのロボットマニピュレータ制
御への応用」精密工学会誌55/12/1989等に詳細が出てい
る。
【0015】まず、(数1)を時間領域に直すと以下の
式となる。ただし、微分はd/dtで表わす。
【0016】
【数4】
【0017】a,bは未知で、変動幅が(数2)、(数
3)式のように分かっているものとする。ここで車速V
の目標軌道車速をVd(t)とし、この偏差をe(t)として、
次式により定義する。
【0018】
【数5】
【0019】(数4)、(数5)式より誤差の動特性を
支配する次式が得られる。
【0020】
【数6】
【0021】ここで、U(t)が次式を常に満足するように
決定することができれば
【0022】
【数7】
【0023】(数6)、(数7)より次式を得る。
【0024】
【数8】
【0025】(数8)式は目標偏差特性を表す式であ
り、偏差フィードバック係数K1により、任意の誤差動特
性が定義できる。(数7)式より制御入力U(t)を求める
と、次式となる。
【0026】
【数9】
【0027】しかし、上式に於て未知変数a,bが含ま
れており、このままでは制御入力U(t)を決定することは
できない。そこで、この未知の部分を推定することを考
える。
【0028】まず、(数4)式を以下のように未知部分
aV(t)と他の部分とに分ける。
【0029】
【数10】
【0030】ここで、Lを微小な時間遅れとし、aV(t)=
h(t)として、以下のように仮定する。
【0031】
【数11】
【0032】(数10)、(数11)式より未知項aV
(t)、即ちh(t)は次式で推定される。
【0033】
【数12】
【0034】この推定値hest(t)を、(数9)式に代入
すると、定速走行制御に関するタイム・ディレイ・コン
トロールの制御則が次式で与えられる。
【0035】
【数13】
【0036】しかし、制御入力U(t)を演算する(13)式
は、未知項のbが含まれているので、このままではアク
チュエータへの制御入力U(t)を決定することが出来な
い。そこで、制御系が、安定となるような、入力配分特
性bの推定値、即ち制御入力特性bestを(数13)式
に代入して、実際の制御入力を得る。即ち次式で制御入
力を与える。
【0037】
【数14】
【0038】(数14)式により与えられる制御則が軌
跡追従型タイム・ディレイ・コントロールの制御式で、
U(t)をアクチュエータに目標開度入力として与えること
により、実車速Vと目標軌道車速Vdとの偏差eがゼロ
となり、希望する応答波形を与えることができる。ここ
で、-dV(t-L)/dt、U(t-L)は、プラントの未知部分打ち
消し項であり、dVd(t)/dt+K1・e(t)は、任意の目標軌
道に対する誤差動特性挿入項である。
【0039】次に、制御系全体が安定となるような、推
定値bestの導出に付いて説明する。まず、(数14)式
をラプラス変換すると次式となる。
【0040】
【数15】
【0041】また、(数4)式も同様にラプラス変換す
る。
【0042】
【数16】
【0043】(数15)、(数16)式より、次式を得
る。
【0044】
【数17】
【0045】ここで、パディ近似を(数17)式に用い
る。即ち次式を代入する。
【0046】
【数18】
【0047】
【数19】
【0048】よって、上式が安定となる条件は、ラウス
の安定判別により求められる。まず、(数19)式の分
母をF(S)とし、Sに付いて整理する。
【0049】
【数20】
【0050】ここで、(数2)、(数3)、(数8)式
および(数14)式のパラメータ範囲より、A1,A2は正
であることが分かるので、次式が安定性の必要十分条件
となる
【0051】。
【数21】
【0052】よって、bestの条件は次式で与えられ
る。
【0053】
【数22】
【0054】これより、bestは真の値の1/2以上に取ら
なければならない。そこで、(数3)式のパラメータ範
囲を考慮に入れると、(数22)式は次式となる。
【0055】
【数23】
【0056】以上により、この推定値と、(数14)式
で得られる制御入力U(t)を用いることにより、(数8)
式の誤差動特性を満足する応答を得ることが出来る。
尚、制御対象を1次遅れで近似して制御入力を算出した
が、2次以上のプラントとして設計してもよい。
【0057】次に、制御入力係数決定手段による制御入
力特性bestの変更ルールについて、基本的な考え方を以
下説明する。ここで、e(t)は目標軌道車速Vd(t)と実車
速V(t)との偏差、e(t)=Vd(t)-V(t) であり、de(t)/dtは
偏差の微分値である。またU(t)は目標偏差特性de(t)/dt
=-k・e(t)(kは偏差フィードバック係数)を満足する制
御入力で、(24)式によって演算されるもので次式で与え
られるものである。
【0058】
【数24】
【0059】ここで、Lは任意の微小時間遅れ、U(t-L)
は時間L前に制御対象に印加された入力、dV(t-L)/dtは
時間L前に制御対象より検出された実車速の微分値、bes
tは制御入力特性である。制御入力特性bestの変更ルー
ルは、前記偏差及び制御入力値および各微分値を用いて
車両の走行状態を推論する、定性的なルールであり、例
えば、以下のルールで構成されている。ここで、dU(t)/
dtはU(t)の微分値である。 ・IF e(t)>f1>0,de(t)/dt>0,U(t)≦g1,dU(t)/dt≦g2 TH
EN bestを減少させる。・IF e(t)>f1,de(t)/dt<0,eが目
標偏差特性以上に減少,U(t)≧g3,dU(t)/dt≧g4THEN bes
tを減少させる。 ・IF e(t)>f1,de(t)/dt<0,eが目標偏差特性以上に減少,
U(t)≦g3 THEN bestを増加させる。 ・IF e(t)>f1,de(t)/dt<0,上記以外 THEN bestを変更せ
ず。 ・IF e(t)<f2<0,de(t)/dt<0,U(t)≧g3,dU(t)/dt≧g4 TH
EN bestを減少させる。 ・IF e(t)<f2,de(t)/dt>0,eが目標偏差特性以上に減少,
U(t)≦g1,dU(t)/dt≦g2THEN bestを減少させる。 ・IF e(t)<f2,de(t)/dt>0,eが目標偏差特性以上に減少,
U(t)≧g1 THEN bestを減少させる。 ・IF e(t)<f2,de(t)/dt>0,上記以外 THEN bestは変更せ
ず。 ここで、f1,f2,g1,g2,g3,g4は、f1>0,f2<0,g1>g3>0,g2>
0>g4を満たす設定値である。また、偏差が目標偏差特性
以上で減少しているかどうかは次式により判断できる。
【0060】
【数25】
【0061】また上記ルールに於いて、制御対象が高次
遅れ系の場合には、偏差の高階の微分値を用いたルール
の作成も可能であり、制御対象に応じた様々なルールを
用いてbestを変更しても良い。ただし、制御入力特性be
stの変更範囲は制御対象の入力配分特性bの最大値の半
分以上の値を取るように設定される。
【0062】次に、変速指令手段による変速時期決定方
法について説明する。従来、オーバードライブをオン・
オフするタイミングは車速偏差がある設定値よりも大き
くなったときタイマーが作動し、このタイマー作動時間
だけオーバードライブをオフするといった方法でなされ
ており、道路勾配に対する追従制御は行われていなかっ
た。
【0063】そこで、前記制御入力特性bestの値を用い
て、オーバードライブのオン・オフのタイミングを決定
する。図2にフローを示し、それに基づいて具体的に説
明する。
【0064】まず、ステップ21でセットスイッチをon
することにより、目標車速Vsetが設定され定速走行が開
始される。ステップ22により実車速が読み込まれ、ス
テップ23により制御入力特性bestが走行状態に応じて
更新される。そしてステップ24により目標車速Vsetと
実車速との偏差eが、ある設定値Aと比較される。偏差
が設定値Aよりも大きい場合、ステップ25に進み制御
入力特性bestが、ある設定値Bより小さいかどうか判断
される。制御入力特性が設定値よりも小さい場合、即ち
自動車の駆動トルクが不足していると判断された場合、
ステップ26により変速段の位置を1段下げ、例えばオ
ーバードライブをオフし、駆動トルクを上げる。ステッ
プ25で制御入力特性が設定値よりも大きい場合は、ス
テップ27により、変速段位置を1段上げ、例えばオー
バードライブをオンして通常の走行を行う。 次に、ス
テップ24に於て、偏差が設定値Aよりも小さい時は、
ステップ28により制御入力特性をある設定値C(B>C)
と比較し、小さければ車速偏差は許容内であるがエンジ
ンの余裕トルクは無いと判断でき、ステップ29により
変速段の位置を1段下げる。ステップ28で制御入力特
性が設定値よりも大きければ、ステップ210により変
速段位置を1段上げ、ステップ211へ行きTDC制御
則によりアクチュエータの制御入力を算出し、ステップ
212によりアクチュエータを駆動し車速制御を行う。
以上の操作により、制御入力特性bestの値で自動車の走
行状態を知ることで各走行状態に応じた適切な変速段位
置の変更が行え、セット開始時の車速低下や長い上り坂
等により発生する車速偏差を速やかに無くし目標車速Vs
etに収束することができる。
【0065】次に、図3は本発明の第2の一実施例を概
念的に示した構成図である。車速検出手段32により車
体39の実車速を読み込み、指令手段31によりセット
された時の実車速V(t)が、目標値設定手段33により目
標車速Vsetとして設定される。そして目標軌道設定手段
34により前記実車速が前記目標車速Vsetに希望の応答
特性で、例えば復帰時に一定の加速度αで収束する基準
軌道を与える目標軌道車速Vd(t)が算出される。セット
時は目標車速Vsetが目標軌道車速Vd(t)であり、リジュ
ーム時はリジュームON時の実車速と希望の応答特性によ
り算出される車速が目標軌道車速Vd(t)となる。そし
て、実車速と前記目標軌道車速Vd(t)との偏差が零とな
るように、軌跡追従型のタイム・ディレイ・コントロー
ルにより制御量演算手段35において、前記偏差を基
に、アクチュエータ38への制御量が算出される。ま
た、前記制御量演算手段35中の制御入力特性bestは、
アクチュエータ38への出力値と前記偏差を基に制御入
力係数決定手段36により各走行状態にあった制御入力
特性に変更される。そして、この新たに算出された制御
入力特性bestを用いて、前記制御量演算手段35によ
り、引続き定速走行制御が行なわれる。前記指令手段3
1で定速走行開始信号およびリジューム信号が入力され
定速走行制御が開始されたとき、初期制御量設定手段3
7により前記偏差の大きさ、及び偏差の1階微分値の符
号または大きさを判定し続け、前記偏差の大きさ及び偏
差の微分値がある設定値以下となるまで、アクチュエー
タを最大速度でスロットル開度が開く方向に駆動する制
御入力を出力する。これより、セット開始時やリジュー
ム開始時の車速低下に対して速やかに目標軌道車速Vd
(t)へ収束することができ、搭載する車種や走行中の路
面状況に応じて制御ゲインをチューニングする必要は無
く、同一ソフトで複数の車両に搭載することができる。
以下、図4に初期制御量設定手段の操作をフローで示し
説明する。
【0066】まず、ステップ41でセットスイッチをon
することにより目標車速Vsetが設定され定速走行が開始
される。ステップ42でセット動作終了フラグをチェッ
クし、セット動作が終了していなければ、ステップ43
に於て、車速偏差eは、ある設定値Aと比較され、大き
ければステップ46により、アクチュエータへの制御入
力の変化量△Uは、アクチュエータ38をスロットルバ
ルブの開方向に最大移動速度で駆動する△Umaxとして
設定される。次に、ステップ43で車速偏差が許容値以
下であれば、ステップ44で、偏差の微分値が正である
かどうかを判断し、正であればステップ45により偏差
の微分値がある正の設定値Bと比較され、大きければ車
速低下中であると判断されステップ46により初期制御
量として△Umaxが設定される。偏差が設定値A以下で、
且つステップ44で偏差の微分値が負か、またはステッ
プ45で偏差の微分値が正の設定値よりも小さければ、
セット動作終了と判断し、ステップ47によりセット動
作終了フラグがセットされ、ステップ48により通常の
制御則であるTDC制御によりアクチュエータへの制御
量が算出され、ステップ49によりアクチュエータが駆
動される。以上の操作によりセット開始時の車速の低下
を速やかに回復することができる。
【0067】尚、ステップ46により制御変化量を△U
maxで固定したが、制御入力特性を小さくして制御ゲイ
ンを大きくし、車速の低下を防いでも良い。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明は、制御入力係数
設定手段により算出された制御入力特性bestで車両の走
行状態を推定し、このbestと車速偏差とを用いてオーバ
ードライブをオン・オフするタイミングを決定する変速
指令手段により変速段位置を変更することにより、セッ
ト開始時の車速低下や長い上り坂等の車速偏差を速やか
に無くし、目標車速Vsetに収束することができ、精度の
よい定速走行制御が実現できるという効果を有する。ま
た、初期制御量設定手段により、セット開始時やリジュ
ーム開始時の車速偏差と車速偏差の微分値を評価するこ
とにより、車速の落込み具合いを判断し、落込みが激し
い場合にはアクチュエータへの制御変化量をアクチュエ
ータの最大移動速度である△Umaxとすることにより、
スロットルワイヤの弛みによる無駄時間の影響を除去す
ることができ、セット時やリジューム時の車速の落込み
を少なくすることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概念を示した構成図
【図2】第1の実施例で用いられる変速指令手段の手順
を示すフローチャート
【図3】本発明の第2の実施例の概念を示した構成図
【図4】第2の実施例で用いられる変速指令手段の手順
を示すフローチャート
【符号の説明】
11 指令手段 12 車速検出手段 13 目標値設定手段 14 目標軌道設定手段 15 制御量演算手段 16 制御入力係数決定手段 17 変速指令手段 18 アクチュエータ 19 車体 37 初期制御量設定手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実車速を検出する車速検出手段と、スロッ
    トルバルブを通して車速を調整するアクチュエータと、
    定速走行開始信号・定速走行解除信号、および定速走行
    解除後、再び前回の定速走行時の車速に復帰するリジュ
    ーム信号を出す指令手段と、前記指令手段より出された
    定速走行開始信号により目標車速Vsetを設定する目標値
    設定手段と、tを時刻とし、一つの目標軌道車速Vd(t)を
    時間の関数により与える目標軌道設定手段と、前記車速
    検出手段の出力V(t)が目標車速Vsetと一致するように、
    前記アクチュエータに入力する制御量を、タイム・ディ
    レイ・コントロール、即ちプラントのモデル化誤差や外
    乱等の未知項の変動が微小なL時間一定であると仮定す
    ることにより、前記微小時間前の既知部の項を用いて、
    未知の項を推定する適応制御の一種である制御則により
    算出する制御量演算手段と、前記目標軌道車速Vd(t)と
    前記実車速V(t)との偏差e(t)または、前記偏差e(t)のn
    階までの微分値の少なくとも一つと、前記アクチュエー
    タの平均移動速度及び位置とを評価して、前記制御則に
    おける制御ゲインを決定する制御入力特性bestを与える
    一つ以上の係数決定規則を用いて前記制御入力特性best
    を算出する制御入力係数決定手段と、算出された前記制
    御入力特性bestの値と、車速偏差とにより、オーバード
    ライブをオン・オフするタイミングを決定する変速指令
    手段を具備することを特徴とする車両用定速走行制御装
    置。
  2. 【請求項2】目標軌道設定手段に於いて、リジューム時
    に於いては目標軌道車速Vd(t)は復帰時の軌道を表わす
    車速であり、リジューム操作終了後およびセット時は目
    標値設定手段で設定された目標車速Vsetと同値であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両用定速走行制御装
    置。
  3. 【請求項3】制御量演算手段に於いて、目標軌道設定手
    段の出力Vd(t)と車速検出手段の出力V(t)との偏差をe
    (t)、偏差フィードバック係数をki(>0, i=n-1〜0)、目
    標偏差特性を偏差フィードバック係数を各定数とする前
    記偏差e(t)のn階微分方程式で与え、制御ゲイン算出時
    に用いる制御入力特性bestの値を、入力をアクチュエー
    タへの入力、出力を車速とするモデルの入力配分特性b
    の最大値の1/2倍以上の値となるように調整範囲を定
    め、V(t)がVd(t)で与えられる目標軌道に沿って目標車
    速Vsetとなるように、前記アクチュエータへの制御量U
    (t)を、タイム・ディレイ・コントロールにより、U(t)
    の微小時間L前の値と、実車速V(t)の微小時間L前のn次
    微分値と、目標軌道車速Vd(t)のn次微分値と、目標誤差
    特性と前記制御入力特性bestを用いて算出することを特
    徴とする請求項1記載の車両用定速走行制御装置。
  4. 【請求項4】実車速を検出する車速検出手段と、スロッ
    トルバルブを通して車速を調整するアクチュエータと、
    定速走行開始信号・定速走行解除信号、および定速走行
    解除後、再び前回の定速走行時の車速に復帰するリジュ
    ーム信号をだす指令手段と、前記指令手段の定速走行開
    始信号により目標車速Vsetを設定する目標値設定手段
    と、tを時刻とし、一つの目標軌道車速Vd(t)を時間の関
    数により与える目標軌道設定手段と、前記車速検出手段
    の出力V(t)が目標車速Vsetとなるように、前記アクチュ
    エータに入力する制御量を、タイム・ディレイ・コント
    ロール、即ちプラントのモデル化誤差や外乱等の未知項
    の変動が微小なL時間一定であると仮定することによ
    り、前記微小時間前の既知部の項を用いて、未知の項を
    推定する適応制御の一種である制御則により算出する制
    御量演算手段と、前記目標軌道車速Vd(t)と前記実車速
    との偏差e(t)または、前記偏差e(t)のn階までの微分値
    の少なくとも一つと、アクチュエータの平均移動速度及
    び位置とを評価して、前記制御入力特性bestを与える一
    つ以上の係数決定規則を用いて前記制御入力特性bestを
    算出する制御入力係数決定手段と、前記指令手段で定速
    走行開始信号が入力され定速走行制御が開始されたと
    き、前記偏差の大きさ及び偏差の1階微分値の符号を判
    定し続け、前記偏差および偏差の微分値がある設定値以
    下となるまで、アクチュエータを最大速度でスロットル
    開度が開く方向に駆動し、その後前記タイム・ディレイ
    ・コントロールにより通常の制御を開始する初期制御量
    設定手段を具備することを特徴とする車両用定速走行制
    御装置。
  5. 【請求項5】初期制御量設定手段に於いて、偏差の値が
    ある設定値以下となるか、または偏差の微分値を、制御
    周期Lでサンプルされる偏差e(k)の差分式で与え、偏差
    の絶対値がある設定値以内でも、この偏差の差分値の符
    号が反転するか、または差分値がゼロとなるまでアクチ
    ュエータを最大速度で開方向に駆動することを特徴とす
    る請求項4記載の車両用定速走行制御装置。
JP3237702A 1991-06-19 1991-09-18 車両用定速走行制御装置 Pending JPH0577656A (ja)

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JP3237702A JPH0577656A (ja) 1991-09-18 1991-09-18 車両用定速走行制御装置
EP92110324A EP0519477B1 (en) 1991-06-19 1992-06-19 Constant speed maintaining apparatus for vehicle
DE69209159T DE69209159T2 (de) 1991-06-19 1992-06-19 Vorrichtung zur Aufrechterhaltung einer gleichbleibenden Geschwindigkeit eines Kraftfahrzeuges
US07/901,578 US5329454A (en) 1991-06-19 1992-06-19 Constant speed maintaining apparatus for vehicle

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5609217A (en) * 1994-05-26 1997-03-11 Nippondenso Co., Ltd. Constant-speed cruise control apparatus for a vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5609217A (en) * 1994-05-26 1997-03-11 Nippondenso Co., Ltd. Constant-speed cruise control apparatus for a vehicle

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