JP3198797B2 - 車両運動制御装置 - Google Patents

車両運動制御装置

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JP3198797B2
JP3198797B2 JP9660194A JP9660194A JP3198797B2 JP 3198797 B2 JP3198797 B2 JP 3198797B2 JP 9660194 A JP9660194 A JP 9660194A JP 9660194 A JP9660194 A JP 9660194A JP 3198797 B2 JP3198797 B2 JP 3198797B2
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヨーレート等の運動状
態量を用いたフィードバック制御による車両運動制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両運動制御装置としては、例え
ば、特開平2−18168号公報に記載のものが知られ
ている。
【0003】この従来出典には、操舵角に対するヨーレ
ートの所望の応答特性を規範モデルで与え、これを実現
するための後輪舵角を線形2自由度車両モデルの逆系を
用いて計算し制御するフィードフォワード後輪舵角制御
系に、外乱の影響を緩和するため、ヨーレート目標値と
実際値の偏差に基づくフィードバック制御を追加したシ
ステムにおいて、目標値に対し得る実際値の遅れをムダ
時間として考慮し、外乱のない状態ではフィードフォワ
ード制御のみが働き、横風や路面不整による外乱が入力
された時のみフィードバック制御によりその影響を緩和
する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両運動制御装置にあっては、この制御を実際のマ
イクロコンピュータを用いた車載コントローラで実現す
る場合、ムダ時間が刻み時間Tの整数倍に限られてしま
うため、下記のような問題点があった。
【0005】(問題点1)例えば、演算周期10ms
で、実際の車両の遅れが35msであった場合、ムダ時
間としては30msまたは40msのいずれかを選択し
なければならない。
【0006】(問題点2)ムダ時間相当の遅れの1つの
要因であるタイヤコーナリングフォースの発生遅れは、
一般に低速で大、高速で小となるため、車速により目標
値と実際値の遅れに差が発生する。
【0007】上記2つの問題点は共に、外乱がない状態
でのヨーレート目標値と実際値の偏差を生み、不要なフ
ィードバック制御が行なわれるため、図16に示すよう
に、ヨーレートの微変動を引き起こす。
【0008】また、車速によって遅れが変化することに
対応してムダ時間Tを車速の関数として与えることは、
特開平2−18168号公報に示唆されている。
【0009】しかし、刻み時間Tが十分に短ければ(1
ms〜2ms)、実際の車両の遅れと近い値を選択する
ことで対応できるものの、刻み時間Tが5ms,10m
sとなると、近い値を選択したところで、各々最大2.
5ms,5msの誤差が発生し、車両挙動としてみた場
合、無視できない誤差となる。安全上問題になるレベル
ではないが、感覚に優れるドライバに対しては“よれ
感”とか“ふらつき感”といった言葉で表現される違和
感を与える。
【0010】しかるに、一般の車両用のマイクロコンピ
ュータの場合、オフィス等で使用されるいわゆるコンピ
ュータと比較して演算能力は高くなく、車両モデルの計
算等を実用上問題のでない刻み時間(1〜2ms)でリ
アルタイムに実行することは困難が伴う。
【0011】本発明は、上記問題点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、車載のデジタルコン
ピュータを演算処理に用い、フィードバック制御により
車両運動を制御する車両運動制御装置において、演算能
力を高めることなく、外乱の入力がない時に不必要なフ
ィードバック制御によるドライバへの違和感を防止する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の第1の発明の車両運動制御装置では、図
1のクレーム対応図に示すように、操舵角もしくは操舵
角に相当する量を検出する操舵角検出手段aと、車速を
検出する車速検出手段bと、目標とする動特性を数学モ
デル化してなる規範モデルに、前記操舵角および車速の
検出値を与え、自車で実現使用とする運動状態量の第1
の目標値をデジタルコンピュータを用いて刻み時間T毎
に少なくとも1種類以上求める第1の運動状態量目標値
演算手段cと、前記第1の運動状態量目標値を自車で実
現するために必要な少なくとも1つの制御入力値を、自
車の車両諸元と自車の運動方程式で表される運動特性に
基づきデジタルコンピュータを用いて刻み時間T毎に決
定する制御入力決定手段dと、前記第1の運動状態量目
標値を、デジタルコンピュータのメモリに刻み時間T毎
に順次保存する運動目標値格納手段eと、車速検出値を
入力し、予めデジタルコンピュータ内に記憶させてある
各車速における車両ムダ時間の関係式もしくは関数マッ
プよりムダ時間τを決定するムダ時間決定手段fと、n
T≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足するnを算出
し、nサンプル前の第1の運動状態量目標値A(nT)
および(n+1)サンプル前の同目標値A{(n+1)
T}およびムダ時間決定手段fで決定されたムダ時間τ
を用いた補間計算により第2の運動状態量目標値を求め
る第2の運動状態量目標値設定手段gと、自車に生じる
運動状態量のうち前記運動状態量目標値と同種の運動状
態量をデジタルコンピュータの刻み時間T毎に検出する
運動状態量検出手段hと、前記第2の運動状態量目標値
と前記運動状態量検出値の差に対応して補助制御入力値
を決定する補助入力決定手段iと、前記制御入力値に前
記補助入力値を加え合わせて制御入力目標値を修正する
制御入力修正手段jと、前記制御入力修正手段jで修正
された制御入力目標値にしたがって制御入力可変機構k
を調整する制御入力可変機構調整手段mと、を備えてい
ることを特徴とする。
【0013】上記目的を達成するため請求項2記載の第
2の発明の車両運動制御装置では、図2のクレーム対応
図に示すように、操舵角もしくは操舵角に相当する量を
検出する操舵角検出手段aと、車速を検出する車速検出
手段bと、少なくとも前記操舵角の検出値を入力し、予
め与えられる制御関数に基づき、デジタルコンピュータ
を用いて刻み時間T毎に制御入力値を決定する制御入力
決定手段d’と、前記操舵角および車速の検出値と、前
記制御入力決定手段d’で決定された制御入力値を入力
し、自車の車両諸元と運動方程式に基づき与えられる車
両モデルを用いて、デジタルコンピュータにより刻み時
間T毎に少なくとも1種類の第1の運動状態量推定値を
求める第1の運動状態量推定手段c’と、前記第1の運
動状態量推定値を、デジタルコンピュータのメモリに刻
み時間T毎に順次保存する運動推定値格納手段e’と、
車速検出値を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記
憶させてある各車速における車両ムダ時間の関係式もし
くは関数マップよりムダ時間τを決定するムダ時間決定
手段fと、nT≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足
するnを算出し、nサンプル前の第1の運動状態量推定
値A(nT)および(n+1)サンプル前の同推定値A
{(n+1)T}およびムダ時間決定手段fで決定され
たムダ時間τを用いた補間計算により第2の運動状態量
推定値を求める第2の運動状態量推定手段g’と、自車
に生じる運動状態量のうち前記運動状態量推定値と同種
の運動状態量をデジタルコンピュータの刻み時間T毎に
検出する運動状態量検出手段hと、前記第2の運動状態
量推定値と前記運動状態量検出値の差に対応して補助制
御入力値を決定する補助入力決定手段i’と、前記制御
入力値に前記補助入力値を加え合わせて制御入力目標値
を修正する制御入力修正手段j’と、前記制御入力修正
手段j’で修正された制御入力目標値にしたがって制御
入力可変機構kを調整する制御入力可変機構調整手段m
と、を備えていることを特徴とする。
【0014】上記目的を達成するため請求項3記載の第
3の発明の車両運動制御装置では、図3のクレーム対応
図に示すように、操舵角もしくは操舵角に相当する量を
検出する操舵角検出手段aと、車速を検出する車速検出
手段bと、前記操舵角および車速の検出値を入力し、自
車の車両諸元と運動方程式に基づき与えられる車両モデ
ルを用いて、デジタルコンピュータにより刻み時間T毎
に少なくとも1種類の第1の運動状態量推定値を求める
第1の運動状態量推定手段c’と、前記第1の運動状態
量推定値を、デジタルコンピュータのメモリに刻み時間
T毎に順次保存する運動推定値格納手段e’と、車速検
出値を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記憶させ
てある各車速における車両ムダ時間の関係式もしくは関
数マップよりムダ時間τを決定するムダ時間決定手段f
と、nT≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足するn
を算出し、nサンプル前の第1の運動状態量推定値A
(nT)および(n+1)サンプル前の同推定値A
{(n+1)T}およびムダ時間決定手段fで決定され
たムダ時間τを用いた補間計算により第2の運動状態量
推定値を求める第2の運動状態量推定手段g’と、自車
に生じる運動状態量のうち前記運動状態量推定値と同種
の運動状態量をデジタルコンピュータの刻み時間T毎に
検出する運動状態量検出手段hと、前記第2の運動状態
量推定値と前記運動状態量検出値の差に対応して制御入
力目標値を決定する制御入力目標値決定手段nと、前記
制御入力目標値決定手段nで決定された制御入力目標値
にしたがって制御入力可変機構kを調整する制御入力可
変機構調整手段mと、を備えていることを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項1〜請求
項3記載の車両運動制御装置において、制御入力とは、
後輪舵角または/および前輪補助舵角であることを特徴
とする。
【0016】請求項5記載の発明では、請求項1〜請求
項3記載の車両運動制御装置において、制御入力とは、
前輪の制動/駆動力の左右輪差、または/および後輪の
制動/駆動力の左右輪差であることを特徴とする。
【0017】上記目的を達成するため請求項6記載の第
4の発明の車両運動制御装置では、図4のクレーム対応
図に示すように、制御対象に入力する第1の制御指令値
を演算する第1の制御指令値演算部d”と、後述する
御指令値決定部にて求められた第1および第2の制御指
令値を加え合わせた制御指令値を入力し、予め同定され
た制御対象の入出力関係に基づき数式化された制御対象
モデルを用いて、制御対象の出力すなわち被制御量を推
定する被制御量推定部pと、被制御量を検出する被制御
量検出センサh”と、前記被制御量推定値と被制御量検
出値の偏差を入力し、予め与えられた制御関数を用い
て、第2の制御指令値を演算する第2の制御指令値演算
部i”と、前記第1および第2の制御指令値を加え合わ
せて制御指令決定値とする制御指令値決定部j”と、前
記制御指令決定値にしたがい制御入力可変機構kを調整
する制御入力可変機構調整手段mを有し、少なくとも前
記被制御量推定部pの演算はデジタルコンピュータを用
いて刻み時間Tで実行される車両運動制御装置におい
て、前記被制御量推定部pは、制御対象の入出力特性
が、 制御出力(被制御量)=(制御対象基本特性)・(ムダ時間)・制御入力 y= Gp(S) ・ e(τs) ・u で表される場合、制御対象の基本特性に基づき、制御出
力すなわち被制御量の仮の値を刻み時間T毎に演算する
被制御量仮推定値演算手段c”と、前記被制御量仮推定
値をデジタルコンピュータのメモリに刻み時間T毎に順
次保存する被制御量仮推定値格納手段e”と、動作状態
によりムダ時間τ相当の値を決定するムダ時間決定手段
f’と、nT≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足す
るnを算出し、nサンプル前の被制御量仮推定値y^
(nT)および(n+1)サンプル前の被制御量仮推定
値y^{(n+1)T}およびムダ時間決定手段f’で
決定されたムダ時間τを用いた補間計算により被制御量
推定値を決定する被制御量推定値決定手段g”で構成さ
れていることを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
車両運動制御装置において、第2の制御指令値演算部
i”で用いられる制御関数は、制御対象基本特性の逆系
と、ゲイン1のローパスフィルタの積で構成されること
を特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明では、請求項1〜請求
項7記載の車両運動制御装置において、制御対象のムダ
時間相当の値τが各種動作状態によらずほぼ一定とみな
せ、かつ、刻み時間Tに対してkT<τ<(k+1)T
であり、かつ、τ−kT,(k+1)T−τが制御性能
上無視できない場合、固定されたτ値とn値(n=k)
を用いた補間計算により、第2の車両運動目標値または
第2の車両運動推定値または被制御量推定値を決定する
ことを特徴とする。
【0020】
【作用】第1の発明の作用を説明する。
【0021】走行時には、第1の運動状態量目標値演算
手段cにおいて、目標とする動特性を数学モデル化して
なる規範モデルに、操舵角検出手段aからの操舵角およ
び車速検出手段bからの車速の検出値が与えられ、自車
で実現使用とする運動状態量の第1の目標値がデジタル
コンピュータを用いて刻み時間T毎に少なくとも1種類
以上求められる。そして、制御入力決定手段dにおい
て、第1の運動状態量目標値を自車で実現するために必
要な少なくとも1つの制御入力値が、自車の車両諸元と
自車の運動方程式で表される運動特性に基づきデジタル
コンピュータを用いて刻み時間T毎に決定される(フィ
ードフォワード制御)。
【0022】一方、運動目標値格納手段eにおいて、第
1の運動状態量目標値演算手段cからの第1の運動状態
量目標値が、デジタルコンピュータのメモリに刻み時間
T毎に順次保存され、ムダ時間決定手段fにおいて、車
速検出値を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記憶
させてある各車速における車両ムダ時間の関係式もしく
は関数マップよりムダ時間τが決定される。そして、第
2の運動状態量目標値設定手段gにおいて、nT≦τ<
(n+1)T(n:整数)を満足するnが算出され、n
サンプル前の第1の運動状態量目標値A(nT)および
(n+1)サンプル前の同目標値A{(n+1)T}お
よびムダ時間決定手段fで決定されたムダ時間τを用い
た補間計算により第2の運動状態量目標値が求められ
る。そして、補助入力決定手段iにおいて、この第2の
運動状態量目標値と運動状態量検出値の差に対応して補
助制御入力値が決定される。ここで、運動状態量検出値
は、自車に生じる運動状態量のうち前記運動状態量目標
値と同種の運動状態量をデジタルコンピュータの刻み時
間T毎に検出する運動状態量検出手段hから得られる
(フィードバック制御)。
【0023】そして、制御入力修正手段jにおいて、前
記制御入力決定手段dからの制御入力値(フィードフォ
ワード分)に前記補助入力決定手段iからの補助入力値
(フィードバック分)を加え合わせて制御入力目標値が
修正され、制御入力可変機構調整手段mにおいて、制御
入力修正手段jで修正された制御入力目標値にしたがっ
て制御入力可変機構kが調整される。
【0024】したがって、フィードフォワード制御で
は、目標とする動特性を数学モデル化してなる規範モデ
ルを用いた第1の運動状態量目標値を自車で実現するべ
く自車の車両諸元と自車の運動方程式で表される運動特
性に基づきフィードフォワード分の制御入力が決定され
る。
【0025】また、フィードバック制御では、第2の運
動状態量目標値と運動状態量検出値の差に対応してフィ
ードバック分の補助制御入力値が決定される。ここで、
第2の運動状態量目標値は、ムダ時間τを各車速におけ
る関係式もしくは関数マップより予め与え、この関係式
または関数マップから得られらムダ時間τに対し、nT
≦τ<(n+1)T(T:刻み時間,n:整数)を満足
するnを求め、格納されているnサンプル前と(n+
1)サンプル前の第1の運動状態量目標値を用いた補間
計算により求めるようにしているため、補間計算による
わずかな誤差を除き車速に対応した最適なムダ時間τが
設定され、刻み時間T(演算周期)を現行のままとして
もムダ時間τが刻み時間Tの整数倍に限られることがな
い。
【0026】この結果、外乱の入力がない時には目標値
と検出値の偏差がほぼゼロとなり、不必要なフィードバ
ック制御が行なわれることがない。
【0027】第2の発明の作用を説明する。
【0028】走行時には、制御入力決定手段d’におい
て、少なくとも操舵角検出手段aからの操舵角の検出値
を入力し、予め与えられる制御関数に基づき、デジタル
コンピュータを用いて刻み時間T毎に制御入力値が決定
される(フィードフォワード制御)。
【0029】一方、第1の運動状態量推定手段c’にお
いて、操舵角および車速の検出値と、前記制御入力決定
手段d’で決定された制御入力値を入力し、自車の車両
諸元と運動方程式に基づき与えられる車両モデルを用い
て、デジタルコンピュータにより刻み時間T毎に少なく
とも1種類の第1の運動状態量推定値が求められ、運動
推定値格納手段e’において、第1の運動状態量推定値
が、デジタルコンピュータのメモリに刻み時間T毎に順
次保存され、ムダ時間決定手段fにおいて、車速検出値
を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記憶させてあ
る各車速における車両ムダ時間の関係式もしくは関数マ
ップよりムダ時間τが決定される。そして、第2の運動
状態量推定手段g’において、nT≦τ<(n+1)T
(n:整数)を満足するnを算出し、nサンプル前の第
1の運動状態量推定値A(nT)および(n+1)サン
プル前の同推定値A{(n+1)T}およびムダ時間決
定手段fで決定されたムダ時間τを用いた補間計算によ
り第2の運動状態量推定値が求められ、補助入力決定手
段i’において、この第2の運動状態量推定値と運動状
態量検出値の差に対応して補助制御入力値が決定され
る。ここで、運動状態量検出値は、自車に生じる運動状
態量のうち前記運動状態量推定値と同種の運動状態量を
デジタルコンピュータの刻み時間T毎に検出する運動状
態量検出手段hから得られる(フィードバック制御)。
【0030】そして、制御入力修正手段j’において、
前記制御入力決定手段d’からの制御入力値(フィード
フォワード分)に前記補助入力決定手段i’からの補助
入力値(フィードバック分)を加え合わせて制御入力目
標値が修正され、制御入力可変機構調整手段mにおい
て、制御入力修正手段j’で修正された制御入力目標値
にしたがって制御入力可変機構kが調整される。
【0031】すなわち、この第2の発明は、フィードフ
ォワード制御において、予め与えられる制御関数に基づ
き少なくとも操舵角検出値を用いてフィードフォワード
分の制御入力値を与える点で第1の発明とは異なる。
【0032】第3の発明の作用を説明する。
【0033】走行時には、第1の運動状態量推定手段
c’において、操舵角検出手段aからの操舵角および車
速検出手段bからの車速の検出値を入力し、自車の車両
諸元と運動方程式に基づき与えられる車両モデルを用い
て、デジタルコンピュータにより刻み時間T毎に少なく
とも1種類の第1の運動状態量推定値が求められ、この
第1の運動状態量推定値が、運動推定値格納手段e’に
おいて、デジタルコンピュータのメモリに刻み時間T毎
に順次保存され、ムダ時間決定手段fにおいて、車速検
出値を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記憶させ
てある各車速における車両ムダ時間の関係式もしくは関
数マップよりムダ時間τが決定される。そして、第2の
運動状態量推定手段g’において、nT≦τ<(n+
1)T(n:整数)を満足するnが算出され、nサンプ
ル前の第1の運動状態量推定値A(nT)および(n+
1)サンプル前の同推定値A{(n+1)T}およびム
ダ時間決定手段fで決定されたムダ時間τを用いた補間
計算により第2の運動状態量推定値が求められる。
【0034】一方、運動状態量検出手段hにおいて、自
車に生じる運動状態量のうち前記運動状態量推定値と同
種の運動状態量がデジタルコンピュータの刻み時間T毎
に検出され、制御入力目標値決定手段nにおいて、前記
第2の運動状態量推定値と前記運動状態量検出値の差に
対応して制御入力目標値が決定される。
【0035】そして、制御入力可変機構調整手段mにお
いて、制御入力目標値決定手段nで決定された制御入力
目標値にしたがって制御入力可変機構kが調整される。
【0036】したがって、この第3の発明は、フィード
フォワード制御は行なわず、フィードバック制御のみに
より外乱の抑制を行なうような制御系に適用される。
【0037】第4の発明の作用を説明する。
【0038】走行時には、第1の制御指令値演算部d”
において、制御対象に入力する第1の制御指令値が演算
される(フィードフォワード制御)。
【0039】一方、被制御量推定部pにおいて、後述す
制御指令値決定部j”にて求められた第1および第2
の制御指令値を加え合わせた制御指令値を入力し、予め
同定された制御対象の入出力関係に基づき数式化された
制御対象モデルを用いて、制御対象の出力すなわち被制
御量がデジタルコンピュータを用いて刻み時間Tで推定
され、被制御量検出センサh”において、被制御量が検
出され、第2の制御指令値演算部i”において、前記被
制御量推定値と被制御量検出値の偏差を入力し、予め与
えられた制御関数を用いて、第2の制御指令値が演算さ
れる(フィードバック制御)。
【0040】そして、制御指令値決定部j”において、
前記第1および第2の制御指令値を加え合わせて制御指
令決定値とされ、制御入力可変機構調整手段mにおい
て、前記制御指令決定値にしたがい制御入力可変機構k
が調整される。
【0041】ここで、前記被制御量推定部pでは、制御
対象の入出力特性が、 制御出力(被制御量)=(制御対象基本特性)・(ムダ時間)・制御入力 y= Gp(S) ・ e (τs) ・u で表される場合、被制御量仮推定値演算手段c”におい
て、制御対象の基本特性に基づき、制御出力すなわち被
制御量の仮の値が刻み時間T毎に演算され、被制御量仮
推定値格納手段e”において、この被制御量仮推定値が
デジタルコンピュータのメモリに刻み時間T毎に順次保
存され、ムダ時間決定手段f’において、動作状態によ
りムダ時間τ相当の値が決定され、被制御量推定値決定
手段g”において、nT≦τ<(n+1)T(n:整
数)を満足するnが算出され、nサンプル前の被制御量
仮推定値y^(nT)および(n+1)サンプル前の被
制御量仮推定値y^{(n+1)T}およびムダ時間決
定手段f’で決定されたムダ時間τを用いた補間計算に
より被制御量推定値が決定される。
【0042】したがって、この第4の発明は、第1〜第
3の発明と同様に、外乱の入力がない時に不必要なフィ
ードバック制御を抑えることができると共に、制御対象
の実応答と推定モデルを用いた推定値の偏差に基づきフ
ィードバック制御を行なう他の車載制御システムに適用
することができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0044】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0045】図5は請求項1及び請求項4記載の第1の
発明に対応する第1実施例の後輪舵角制御装置(車両運
動制御装置の一例)のシステムブロック図、図6は第1
実施例装置の制御系ブロック図である。尚、実施例で用
いる符号で、『’』は一階微分値、『”』は二階微分
値、『*』は目標値あるいは指令値、『^』は推定値を
示す。
【0046】図5において、1は操舵角センサ(操舵角
検出手段aに相当)、2は車速センサ(車速検出手段b
に相当)、3はヨーレートセンサ(運動状態量検出手段
hに相当)、4はコントローラ、5は後輪操舵アクチュ
エータ(制御入力可変機構kに相当)、6は後輪舵角セ
ンサである。
【0047】前記コントローラ4は、各入力信号をマイ
クロコンピュータ4−2に取り込むためのインターフェ
ース回路4−1と、各入力信号に基づき刻み時間T毎に
後輪舵角目標値δ*Rを計算するマイクロコンピュータ4
−2と、後輪舵角目標値δ*Rと後輪舵角実際値δR とが
一致するように制御するアクチュ駆動回路4−3(制御
入力可変機構調整手段mに相当)により構成されてい
る。
【0048】図6の制御系は実システムにおいてはマイ
クロコンピュータ4−2の制御プログラムとして具現化
されている。
【0049】図6において、10は車両運動目標値設定
部(第1の運動状態量目標値演算手段cに相当)、11
はフィードフォワード後輪舵角計算部(制御入力決定手
段dに相当)、12は目標値記憶部(運動目標値格納手
段eに相当)、13はムダ時間決定部(ムダ時間決定手
段fに相当)、14は第2の運動目標値決定部(第2の
運動状態量目標値設定手段gに相当)、15はフィード
バック補償器(補助入力決定手段iに相当)、16は加
算器(制御入力修正手段jに相当)である。
【0050】前記車両運動目標値設定部10では、操舵
角θと車速Vを入力し、予め与えた規範モデルを用いた
演算により、第1ヨーレート目標値ψ1'* とヨー加速度
目標値ψ"*が求められる。
【0051】前記フィードフォワード後輪舵角計算部1
1では、操舵角θと車速Vと第1ヨーレート目標値ψ1'
* とヨー加速度目標値ψ"*とを入力し、運動方程式で記
述される車両モデルに基づく逆演算によりフィードフォ
ワード後輪舵角目標値δR*F/Fが計算される。
【0052】前記目標値記憶部12では、刻み時間T毎
に設定される第1ヨーレート目標値ψ1'* を順次記憶す
る。
【0053】前記ムダ時間決定部13では、車速Vに応
じてムダ時間τが決定される。
【0054】前記第2の運動目標値決定部14では、前
記目標値記憶部12に記憶されている第1ヨーレート目
標値ψ1'* と、前記ムダ時間決定部13で決定されたム
ダ時間τを用いて第2ヨーレート目標値ψ2'* が演算さ
れる。
【0055】前記フィードバック補償器15では、第2
ヨーレート目標値ψ2'* とヨーレート検出値ψ’の偏差
e(=ψ2'* −ψ’)と、予め与えてあるフィードバッ
ク制御関数に基づきフィードバック後輪舵角目標値δR*
F/B が計算される。
【0056】前記加算器16では、後輪舵角目標値δR*
が前記フィードフォワード後輪舵角目標値δR*F/F と前
記フィードバック後輪舵角目標値δR*F/B との加算によ
り求められる。
【0057】次に、作用を説明する。
【0058】図7はコントローラ4のマイクロコンピュ
ータ4−2で実行される後輪舵角制御処理作動の流れを
示すフローチャートで、このフローチャートにしたがっ
て第1実施例装置での後輪舵角制御作用を説明する。
【0059】ステップ70では、車速Vと操舵角θとヨ
ーレート検出値ψ’が入力される。ステップ71では、
車両運動目標値設定部10において、操舵角θと車速V
を入力し、予め与えた規範モデルを用いた演算により、
第1ヨーレート目標値ψ1'* とヨー加速度目標値ψ"*
求められる。
【0060】ステップ72では、フィードフォワード後
輪舵角計算部11において、操舵角θと車速Vと第1ヨ
ーレート目標値ψ1'* とヨー加速度目標値ψ"*とを入力
し、運動方程式で記述される車両モデルに基づく逆演算
によりフィードフォワード後輪舵角目標値δR*F/F が計
算される。
【0061】ステップ73では、目標値記憶部12にお
いて、刻み時間T毎に設定される第1ヨーレート目標値
ψ1'* が順次記憶される。
【0062】すなわち、メモリ群に記憶してあるKサン
プル前のψ1'* であるψ1'*(K-1)をψ1'*(K)に、(K−
1)サンプル前のψ1'* であるψ1'*(K-2)をψ1'*(K-1)
に、というように順次シフトし、最新のψ1'* をψ1'
*(0)に格納する。このようなシフトを行なうことにより
xサンプル前(xは整数)のψ1'* をψ1'*(x)に格納さ
れていることになる。
【0063】ステップ74では、ムダ時間決定部13で
は、車速Vに応じてムダ時間τが決定される。ここで、
ムダ時間τは、例えば、図8に示すように、車速Vの関
数としてマップもしくは数式(近似式)で予め与えられ
ている。
【0064】ステップ75では、上記ムダ時間τを刻み
時間Tで割り、小数点以下を切り捨てた値がnとされ
る。例えば、τ=35ms,T=10msの場合、n=
3となる。
【0065】ステップ76では、第2の運動目標値決定
部14において、前記目標値記憶部12に格納されてい
るデータよりψ1'*(n)とψ1'*(n+1)を引き出し、これら
のデータと前記ムダ時間決定部13で決定されたムダ時
間τを用いた次式の計算を行なうことによって第2ヨー
レート目標値ψ2'* が求められる。
【0066】 ψ2'* =[ψ1'*(n){(n+1)T−τ}+ψ1'*(n+1){τ−nT}]/T ステップ77では、フィードバック補償器15におい
て、第2ヨーレート目標値ψ2'* とヨーレート検出値
ψ’の偏差e(=ψ2'* −ψ’)が計算される。
【0067】ステップ78では、フィードバック補償器
15において、偏差eと予め与えてあるフィードバック
制御関数W(s) に基づきフィードバック後輪舵角目標値
δR*F/B が計算される。
【0068】ステップ79では、加算器16において、
後輪舵角目標値δR*が前記フィードフォワード後輪舵角
目標値δR*F/F と前記フィードバック後輪舵角目標値δ
R*F/B との加算により求められる。
【0069】ステップ80では、ステップ79で求めら
れた後輪舵角目標値δR*がアクチュエータ駆動回路4−
3に出力される。
【0070】次に、効果を説明する。
【0071】後輪舵角制御で、上記のように第2ヨーレ
ート目標値ψ2'* を求めるようにした効果について図9
を用いて説明する。この例は、刻み時間Tは10ms,
車両の持つムダ時間相当の遅れは35msの場合を示し
ている。
【0072】まず、従来の方法では、ムダ時間を30m
sまたは40ms(刻み時間Tの整数倍)から選択しな
ければならなかったため、例えば、30msを選択する
と、ψ2'* は実際のヨーレートψ’より進み(×印)、
40msを選択すると、ψ2'* は実際のヨーレートψ’
より遅れてしまう(△印)。このような進みや遅れは、
図16に示したように、外乱の入力がない状態でも偏差
を生じさせ、車両に不要な後輪舵角を与えることになる
ため、結果として、ヨーレートのふらつきを生じさせ
る。
【0073】これに対し、本発明を適用した場合、ムダ
時間τを車速Vに応じて設定すると共に、補間計算によ
り実質的に演算の刻み時間Tより細かくムダ時間τを与
えるようにしていることで、外乱の入力がない状態では
ψ2'* とψ’との偏差eを実質的にゼロとできるため、
従来問題となっていたフィードバック制御によるヨーレ
ートのふらつきは、刻み時間T(演算周期)を現行のま
まとしてもほとんど発生しない。この結果、フィードバ
ック制御系を本来狙いとしていた外乱抑制にのみ有効に
働かせることができる。
【0074】(第2実施例)まず、構成を説明する。
【0075】図10は請求項2及び請求項4記載の第2
の発明に対応する第2実施例の後輪舵角制御装置の制御
系ブロック図である。
【0076】図10において、17はフィードフォワー
ド後輪舵角計算部(制御入力決定手段d’に相当)、1
8は車両モデル(第1の運動状態量推定手段c’に相
当)、12は推定値記憶部(運動推定値格納手段e’に
相当)、13はムダ時間決定部(ムダ時間決定手段fに
相当)、14は第2の運動状態量推定部(第2の運動状
態量推定手段g’に相当)、15はフィードバック補償
器(補助入力決定手段i’に相当)、16は加算器(制
御入力修正手段j’に相当)である。
【0077】前記フィードフォワード後輪舵角計算部1
7では、操舵角θと車速Vを入力し、例えば、下記の制
御関数に基づきフィードフォワード後輪舵角目標値δR*
F/F が計算される。
【0078】 δR*F/F =KP(V)θ+KD(V)θ’+KDDθ” 前記車両モデル18では、操舵角θと車速Vとフィード
フォワード後輪舵角目標値δR*F/F を入力し、自車の車
両諸元と運動方程式に基づき与えられる車両モデルを用
いてヨーレート推定値ψ'∧が求められる。
【0079】尚、他の構成は第1実施例装置と同様であ
るので説明を省略する。
【0080】また、作用効果についてもフィードフォワ
ード制御が異なるだけで、フィードバック制御について
は第1実施例装置と同様であるので説明を省略する。
【0081】(第3実施例)まず、構成を説明する。
【0082】図11は請求項3及び請求項4記載の第3
の発明に対応する第3実施例の後輪舵角制御装置の制御
系ブロック図である。
【0083】図11において、18’は車両モデル(第
1の運動状態量推定手段c’に相当)、12は推定値記
憶部(運動推定値格納手段e’に相当)、13はムダ時
間決定部(ムダ時間決定手段fに相当)、14は第2の
運動状態量推定部(第2の運動状態量推定手段g’に相
当)、15はフィードバック補償器(制御入力目標値決
定手段nに相当)である。
【0084】前記車両モデル18’では、操舵角θと車
速Vを入力し、自車の車両諸元と運動方程式に基づき与
えられる車両モデルを用いてヨーレート推定値ψ'∧が
求められる。
【0085】尚、他の構成は第1実施例装置と同様であ
るので説明を省略する。
【0086】また、作用効果についてもフィードフォワ
ード制御を行なわず、フィードバック制御のみにより外
乱の抑制を行なうような制御系に適用される例で、フィ
ードバック制御については第1実施例装置と同様である
ので説明を省略する。
【0087】(第4実施例)まず、構成を説明する。
【0088】図12は請求項6,請求項7記載の第4の
発明に対応する第4実施例の定速走行制御装置(車両運
動制御装置の一例)のシステムブロック図、図13は第
4実施例装置の制御系ブロック図である。
【0089】図12において、101は各種センサ、1
02はコントローラ、103はアクチュエータ(制御入
力可変機構kに相当)、104は制御対象、105は被
制御量検出センサ(被制御量検出センサh”に相当)で
ある。
【0090】前記各種センサ101は、定速走行制御装
置(ASCD)の場合、セット信号,アクセラレート信
号,リジューム信号等を発生する操作スイッチ類であ
る。
【0091】前記コントローラ102は、各入力信号を
マイクロコンピュータ4−2に取り込むためのインター
フェース回路102−1と、各入力信号に基づき刻み時
間T毎に制御指令決定値u* を計算するマイクロコンピ
ュータ102−2と、制御指令決定値u* と制御実際値
uとが一致するように制御するアクチュエータ駆動回路
102−3(制御入力可変機構調整手段mに相当)によ
り構成されている。
【0092】前記アクチュエータ103は、ASCDの
場合、スロットル開度を調整するスロットルアクチュエ
ータである。
【0093】前記制御対象104は、ASCDの場合、
エンジン+トランスミッション等の駆動系+車輪+車体
等で構成される車両である。
【0094】前記被制御量検出センサ105は、ASC
Dの場合、被制御量である車速または車輪速を検出する
センサである。
【0095】図13の制御系は実システムにおいてはマ
イクロコンピュータ102−2の制御プログラムとして
具現化されている。
【0096】図13において、110は第1の制御指令
値演算部(第1の制御指令値演算部d”に相当)、11
5は第2の制御指令値演算部(第2の制御指令値演算部
i”に相当)、116は被制御量推定部(被制御量推定
部pに相当)、117は加算器(制御指令値決定部j”
に相当)であり、前記被制御量推定部116には、制御
対象の特性モデル111(被制御量仮推定値演算手段
c”に相当)と、推定値記憶部112(被制御量仮推定
値格納手段e”に相当)と、ムダ時間決定部113(ム
ダ時間決定手段f’に相当)と、推定値決定部114
(被制御量推定値決定手段g”に相当)とを有する。
【0097】前記第1の制御指令値演算部110では、
各種センサ値や被制御量検出値yを入力し、第1の制御
指令値u1 が演算される。
【0098】前記制御対象の特性モデル111では、制
御指令決定値u* を入力し、予め同定された制御対象の
特性のうちムダ時間分を除く部分を数式化した制御対象
の特性モデルを用いて、刻み時間T毎に被制御量の推定
値y∧(i)を計算する。
【0099】前記推定値記憶部112では、推定値y∧
(i)が第1実施例装置の目標値記憶部12と同様に順次
格納される。
【0100】前記ムダ時間決定部113では、制御対象
の動作状態に基づきムダ時間τが求められる。
【0101】前記推定値決定部114では、第1実施例
装置の第2の運動目標値決定部14と同様に、nT≦τ
<(n+1)T(n:整数)を満足するnを算出し、格
納されているy∧(i)群のうちnサンプル前の被制御量
推定値y^(nT)および(n+1)サンプル前の被制
御量仮推定値y^{(n+1)T}およびムダ時間決定
部113で決定されたムダ時間τを用いた補間計算によ
り被制御量推定値y∧ が決定される。
【0102】前記第2の制御指令値演算部115では、
被制御量推定値y∧ と被制御量検出値yの偏差を入力
し、予め与えられた制御関数を用いて制御入力補正値u
2 が演算される。
【0103】前記加算器117では、制御指令決定値u
* が第1の制御指令値u1 と制御入力補正値u2 との和
により計算される。
【0104】図13について、ASCDを例にとって説
明を加える。
【0105】第1の制御指令値演算部110は、セット
信号等に基づき設定された設定車速V* と実車速Vに基
づき第1のスロットル開度θ1 を決定する。
【0106】制御対象の特性モデル111は、スロット
ル開度θから車速Vまでの伝達特性からモデル化された
車両モデルである。
【0107】ムダ時間決定部113は、エンジンのムダ
時間相当の遅れや車速の検出遅れに基づきエンジン回転
数または車速の関数としてムダ時間τを与える。
【0108】次に、作用を説明する。
【0109】制御対象に外乱が入力されていない場合、
第1実施例装置と同様に、ムダ時間τの設定制限を実質
的に除く補間計算により被制御量推定値y∧ が計算さ
れるため、y∧ ≒yとなり、フィードバック制御分の
制御入力補正値u2 がu2 =0となる。よって、ASC
Dの場合には、外乱の入力がない限り、スロットル開度
を変動させる制御が行なわれなく、安定した定速走行が
確保される。
【0110】制御対象に外乱が入力された場合、被制御
量推定値y∧ と被制御量検出値yの間に偏差が生じ、
これを補正するようにフィードバック制御分の制御入力
補正値u2 が計算される。よって、ASCDの場合、例
えば、登降坂道にさしかかった場合の走行抵抗等による
外乱が入力されると、この走行抵抗分を補うようにスロ
ットル開度が制御され、外乱の影響が小さく抑えられ
る。
【0111】ここで、第2の制御指令値演算部115
を、制御対象の伝達特性(ムダ時間分を除く)の逆系と
ゲイン1のローパスフィルタで構成すると効果的に外乱
による影響を除去することができる(請求項7)。以
下、図14及び図15を用いて説明する。
【0112】図14は基本動作を説明するためのもの
で、制御対象のムダ時間は無視できる場合を示してあ
る。GP(S)は制御対象の伝達特性、GP∧(S) はGP(S)
を数学モデルかしてなる推定モデルに相当する。H(S)
/GP∧(S) は、第2の制御指令値演算部115に相当
する部分で、H(S) はゲイン1のローパスフィルタであ
る。
【0113】まず、外乱dがゼロの場合、GP∧(S) が
十分な精度で制御対象を表現していればGP∧(S) =GP
(S)となるので、偏差e=0となり、u2 =0である。
【0114】したがって、第1の制御指令値u1 に対す
る制御対象の応答は、 y=GP(S)u1 …A となる。
【0115】次に、GP∧(S) =GP(S)の仮定のもとに
外乱dが入力された場合の制御対象の出力応答を計算す
ると、 y=GP(S)u1 +GP(S)(1−H(S) )d …B となる。
【0116】ここで、H(S) が1とみなせる周波数域で
は、B式の右辺第2項はゼロとなり、出力yはA式の応
答、すなわち外乱のない場合の応答と一致する。
【0117】以上の説明により、第2の制御指令値演算
部115をH(S) /GP∧(S) で構成することにより、
制御入力の補正値であるu2 は外乱の影響を除去するよ
うに発生されることが分かる。この手法は「近似ゼロイ
ング」と呼ばれる公知の技術であるが、この技術をムダ
時間を持つ制御対象に適用したのが図15である。
【0118】この図15において、制御対象はGP(S)e
-LS の伝達特性を持っており、これをGP(S)e-L'Sとモ
デル化して構成した場合を示している。
【0119】ここで、L’はLと一致していることが外
乱除去性能上重要であり、Lが制御対象の動作状態によ
り変化する場合、本発明を適用し、L’を常にLと一致
させることが有効に作用する。
【0120】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0121】例えば、第1実施例〜第3実施例では、制
御機構が後輪舵角制御機構の適用例を示したが、制御機
構が前輪舵角制御機構の場合や前後輪舵角制御機構の場
合であっても本発明を同様に適用することができる(請
求項4)。ここで、前後輪共に制御可能な場合には、ヨ
ーレートに加え、重心点横速度等の2つの良が制御可能
となるが、この場合には、ヨーレート目標値および横速
度目標値の設定の各々に本発明を適用する。
【0122】第1実施例〜第3実施例では、ヨーレート
を制御する方法として舵角の例を示したが、舵角の他に
左右輪の制駆動力の差を利用することも可能であり、こ
のような装置に対しても全く同様に本発明を適用するこ
とができる(請求項5)。
【0123】第4実施例では、定速走行制御装置を例に
とって説明したが、この第4の発明はムダ時間相当の遅
れを持つ制御対象の実応答と、推定モデルを用いた推定
値の偏差に基づきフィードバック制御を行なう他の車載
システムにも全く同様に適用することができる。
【0124】第1〜第4の発明は、制御対象のムダ時間
相当の遅れが変化する場合に特に有効であるが、ほぼ一
定値であってもマイクロコピュータの演算都合上、正確
に推定値にムダ時間相当の遅れを持たせることができな
い場合は、本発明の一部を用いてこの問題を解決するこ
とができる(請求項8)。
【0125】例えば、演算周期T=10ms、制御対象
のムダ時間34msで固定の場合、常に40ms前の値
まで残しておき、 y=0.6・y∧ (3T)+0.4・y∧ (4T) なる計算を行なう。
【0126】
【発明の効果】請求項1記載の第1の発明にあっては、
車載のデジタルコンピュータを演算処理に用い、規範モ
デル適合手法によるフィードフォワード制御+フィード
バック制御により車両運動を制御する車両運動制御装置
において、各車速における車両ムダ時間の関係式または
関数マップを予め与え、この関係式または関数マップか
らムダ時間τを決定するムダ時間決定手段と、nT≦τ
<(n+1)T(T:刻み時間,n:整数)を満足する
nを求め、格納されているnサンプル前と(n+1)サ
ンプル前の第1の運動状態量目標値を用いた補間計算に
より第2の運動状態量目標値(フィードバック制御の目
標値)を設定する第2の運動状態量目標値設定手段とを
有してフィードバック制御系を構成したため、演算能力
を高めることなく、外乱の入力がない時に不要なフィー
ドバック制御量の発生によるドライバへの違和感を防止
することができるという効果が得られる。
【0127】請求項2記載の第2の発明にあっては、車
載のデジタルコンピュータを演算処理に用い、制御関数
に基づくフィードフォワード制御+フィードバック制御
により車両運動を制御する車両運動制御装置において、
各車速における車両ムダ時間の関係式または関数マップ
を予め与え、この関係式または関数マップからムダ時間
τを決定するムダ時間決定手段と、nT≦τ<(n+
1)T(T:刻み時間,n:整数)を満足するnを求
め、格納されているnサンプル前と(n+1)サンプル
前の第1の運動状態量推定値を用いた補間計算により第
2の運動状態量推定値(フィードバック制御の推定値)
を設定する第2の運動状態量推定手段とを有してフィー
ドバック制御系を構成したため、演算能力を高めること
なく、外乱の入力がない時に不要なフィードバック制御
量の発生によるドライバへの違和感を防止することがで
きるという効果が得られる。
【0128】請求項3記載の第3の発明にあっては、車
載のデジタルコンピュータを演算処理に用いフィードバ
ック制御のみにより車両運動を制御する車両運動制御装
置において、各車速における車両ムダ時間の関係式また
は関数マップを予め与え、この関係式または関数マップ
からムダ時間τを決定するムダ時間決定手段と、nT≦
τ<(n+1)T(T:刻み時間,n:整数)を満足す
るnを求め、格納されているnサンプル前と(n+1)
サンプル前の第1の運動状態量推定値を用いた補間計算
により第2の運動状態量推定値を設定する第2の運動状
態量推定手段とを有して制御系を構成したため、演算能
力を高めることなく、外乱の入力がない時に不要なフィ
ードバック制御量の発生によるドライバへの違和感を防
止することができるという効果が得られる。
【0129】請求項6記載の第4の発明にあっては、車
載のデジタルコンピュータを演算処理に用い、フィード
フォワード制御+フィードバック制御により車両運動を
制御する車両運動制御装置において、動作状態によりム
ダ時間τ相当の値を決定するムダ時間決定手段と、nT
≦τ<(n+1)T(T:刻み時間,n:整数)を満足
するnを求め、格納されているnサンプル前と(n+
1)サンプル前の被制御量仮推定値を用いた補間計算に
より被制御量推定値(フィードバック制御の推定値)を
設定する被制御量推定値決定手段とを有してフィードバ
ック制御系を構成したため、演算能力を高めることな
く、外乱の入力がない時に不要なフィードバック制御量
の発生によるドライバへの違和感を防止することができ
ると共に、補助舵角や制駆動力の制御に限らず制御対象
の実応答と推定モデルを用いた推定値の偏差に基づきフ
ィードバック制御を行なう他の車載制御システムにも適
用可能であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の車両運動制御装置を示すクレーム
対応図である。
【図2】第2の発明の車両運動制御装置を示すクレーム
対応図である。
【図3】第3の発明の車両運動制御装置を示すクレーム
対応図である。
【図4】第4の発明の車両運動制御装置を示すクレーム
対応図である。
【図5】第1の発明に相当する第1実施例の後輪舵角制
御装置(車両運動制御装置の一例)を示す全体システム
ブロック図である。
【図6】第1実施例装置の制御系ブロック図である。
【図7】第1実施例装置のマイクロコンピュータで実行
される後輪舵角制御勝利差動の流れを示すフローチャー
トである。
【図8】第1実施例装置で用いられる車速に対するムダ
時間マップ図である。
【図9】第1実施例装置のヨーレートの発生に対する効
果確認実験結果図である
【図10】第2の発明に相当する第2実施例の後輪舵角
制御装置(車両運動制御装置の一例)を示す制御系ブロ
ック図である。
【図11】第3の発明に相当する第3実施例の後輪舵角
制御装置(車両運動制御装置の一例)を示す全体システ
ムブロック図である。
【図12】第4の発明に相当する第4実施例の定速走行
制御装置(車両運動制御装置の一例)を示す制御系ブロ
ック図である。
【図13】第4実施例装置の制御系ブロック図である。
【図14】第4実施例装置の第2の制御指令値演算部の
基本構成を示す制御系ブロック図である。
【図15】第4実施例装置の第2の制御指令値演算部を
ムダ時間を持つ制御対象に適用した場合の制御系ブロッ
ク図である。
【図16】従来のフィードフォワード制御+フィードバ
ック制御を行なう後輪舵角制御装置でステップ操舵時に
実車両に対してムダ時間の設定が小の場合と大の場合と
における後輪舵角及びヨーレートのふらつきを示すタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
a 操舵角検出手段 b 車速検出手段 c 第1の運動状態量目標値演算手段 d 制御入力決定手段 e 運動目標値格納手段 f ムダ時間決定手段 g 第2の運動状態量目標値設定手段 h 運動状態量検出手段 i 補助入力決定手段 j 制御入力修正手段 k 制御入力可変機構 m 制御入力可変機構調整手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 - 6/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵角もしくは操舵角に相当する量を検
    出する操舵角検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 目標とする動特性を数学モデル化してなる規範モデル
    に、前記操舵角および車速の検出値を与え、自車で実現
    使用とする運動状態量の第1の目標値をデジタルコンピ
    ュータを用いて刻み時間T毎に少なくとも1種類以上求
    める第1の運動状態量目標値演算手段と、 前記第1の運動状態量目標値を自車で実現するために必
    要な少なくとも1つの制御入力値を、自車の車両諸元と
    自車の運動方程式で表される運動特性に基づきデジタル
    コンピュータを用いて刻み時間T毎に決定する制御入力
    決定手段と、 前記第1の運動状態量目標値を、デジタルコンピュータ
    のメモリに刻み時間T毎に順次保存する運動目標値格納
    手段と、 車速検出値を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記
    憶させてある各車速における車両ムダ時間の関係式もし
    くは関数マップよりムダ時間τを決定するムダ時間決定
    手段と、 nT≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足するnを算
    出し、nサンプル前の第1の運動状態量目標値A(n
    T)および(n+1)サンプル前の同目標値A{(n+
    1)T}およびムダ時間決定手段で決定されたムダ時間
    τを用いた補間計算により第2の運動状態量目標値を求
    める第2の運動状態量目標値設定手段と、 自車に生じる運動状態量のうち前記運動状態量目標値と
    同種の運動状態量をデジタルコンピュータの刻み時間T
    毎に検出する運動状態量検出手段と、 前記第2の運動状態量目標値と前記運動状態量検出値の
    差に対応して補助制御入力値を決定する補助入力決定手
    段と、 前記制御入力値に前記補助入力値を加え合わせて制御入
    力目標値を修正する制御入力修正手段と、 前記制御入力修正手段で修正された制御入力目標値にし
    たがって制御入力可変機構を調整する制御入力可変機構
    調整手段と、 を備えていることを特徴とする車両運動制御装置。
  2. 【請求項2】 操舵角もしくは操舵角に相当する量を検
    出する操舵角検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 少なくとも前記操舵角の検出値を入力し、予め与えられ
    る制御関数に基づき、デジタルコンピュータを用いて刻
    み時間T毎に制御入力値を決定する制御入力決定手段
    と、 前記操舵角および車速の検出値と、前記制御入力決定手
    段で決定された制御入力値を入力し、自車の車両諸元と
    運動方程式に基づき与えられる車両モデルを用いて、デ
    ジタルコンピュータにより刻み時間T毎に少なくとも1
    種類の第1の運動状態量推定値を求める第1の運動状態
    量推定手段と、 前記第1の運動状態量推定値を、デジタルコンピュータ
    のメモリに刻み時間T毎に順次保存する運動推定値格納
    手段と、 車速検出値を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記
    憶させてある各車速における車両ムダ時間の関係式もし
    くは関数マップよりムダ時間τを決定するムダ時間決定
    手段と、 nT≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足するnを算
    出し、nサンプル前の第1の運動状態量推定値A(n
    T)および(n+1)サンプル前の同推定値A{(n+
    1)T}およびムダ時間決定手段で決定されたムダ時間
    τを用いた補間計算により第2の運動状態量推定値を求
    める第2の運動状態量推定手段と、 自車に生じる運動状態量のうち前記運動状態量推定値と
    同種の運動状態量をデジタルコンピュータの刻み時間T
    毎に検出する運動状態量検出手段と、 前記第2の運動状態量推定値と前記運動状態量検出値の
    差に対応して補助制御入力値を決定する補助入力決定手
    段と、 前記制御入力値に前記補助入力値を加え合わせて制御入
    力目標値を修正する制御入力修正手段と、 前記制御入力修正手段で修正された制御入力目標値にし
    たがって制御入力可変機構を調整する制御入力可変機構
    調整手段と、 を備えていることを特徴とする車両運動制御装置。
  3. 【請求項3】 操舵角もしくは操舵角に相当する量を検
    出する操舵角検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記操舵角および車速の検出値を入力し、自車の車両諸
    元と運動方程式に基づき与えられる車両モデルを用い
    て、デジタルコンピュータにより刻み時間T毎に少なく
    とも1種類の第1の運動状態量推定値を求める第1の運
    動状態量推定手段と、 前記第1の運動状態量推定値を、デジタルコンピュータ
    のメモリに刻み時間T毎に順次保存する運動推定値格納
    手段と、 車速検出値を入力し、予めデジタルコンピュータ内に記
    憶させてある各車速における車両ムダ時間の関係式もし
    くは関数マップよりムダ時間τを決定するムダ時間決定
    手段と、 nT≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足するnを算
    出し、nサンプル前の第1の運動状態量推定値A(n
    T)および(n+1)サンプル前の同推定値A{(n+
    1)T}およびムダ時間決定手段で決定されたムダ時間
    τを用いた補間計算により第2の運動状態量推定値を求
    める第2の運動状態量推定手段と、 自車に生じる運動状態量のうち前記運動状態量推定値と
    同種の運動状態量をデジタルコンピュータの刻み時間T
    毎に検出する運動状態量検出手段と、 前記第2の運動状態量推定値と前記運動状態量検出値の
    差に対応して制御入力目標値を決定する制御入力目標値
    決定手段と、 前記制御入力目標値決定手段で決定された制御入力目標
    値にしたがって制御入力可変機構を調整する制御入力可
    変機構調整手段と、 を備えていることを特徴とする車両運動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御入力とは、後輪舵角または/お
    よび前輪補助舵角であることを特徴とする請求項1〜請
    求項3記載の車両運動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御入力とは、前輪の制動/駆動力
    の左右輪差、または/および後輪の制動/駆動力の左右
    輪差であることを特徴とする請求項1〜請求項3記載の
    車両運動制御装置。
  6. 【請求項6】 制御対象に入力する第1の制御指令値を
    演算する第1の制御指令値演算部と、 後述する制御指令値決定部にて求められた第1および第
    2の制御指令値を加え合わせた制御指令値を入力し、予
    め同定された制御対象の入出力関係に基づき数式化され
    た制御対象モデルを用いて、制御対象の出力すなわち被
    制御量を推定する被制御量推定部と、 被制御量を検出する被制御量検出センサと、 前記被制御量推定値と被制御量検出値の偏差を入力し、
    予め与えられた制御関数を用いて、第2の制御指令値を
    演算する第2の制御指令値演算部と、 前記第1および第2の制御指令値を加え合わせて制御指
    令決定値とする制御指令値決定部と、 前記制御指令決定値にしたがい制御入力可変機構を調整
    する制御入力可変機構調整手段を有し、 少なくとも前記被制御量推定部の演算はデジタルコンピ
    ュータを用いて刻み時間Tで実行される車両運動制御装
    置において、 前記被制御量推定部は、制御対象の入出力特性が、 制御出力(被制御量)=(制御対象基本特性)・(ムダ時間)・制御入力 y= Gp(S) ・ e(τs) ・u で表される場合、制御対象の基本特性に基づき、制御出
    力すなわち被制御量の仮の値を刻み時間T毎に演算する
    被制御量仮推定値演算手段と、 前記被制御量仮推定値をデジタルコンピュータのメモリ
    に刻み時間T毎に順次保存する被制御量仮推定値格納手
    段と、 動作状態によりムダ時間τ相当の値を決定するムダ時間
    決定手段と、 nT≦τ<(n+1)T(n:整数)を満足するnを算
    出し、nサンプル前の被制御量仮推定値y^(nT)お
    よび(n+1)サンプル前の被制御量仮推定値y^
    {(n+1)T}およびムダ時間決定手段で決定された
    ムダ時間τを用いた補間計算により被制御量推定値を決
    定する被制御量推定値決定手段で構成されていることを
    特徴とする車両運動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の制御指令値演算部で用いられ
    る制御関数は、制御対象基本特性の逆系と、ゲイン1の
    ローパスフィルタの積で構成されることを特徴とする請
    求項6記載の車両運動制御装置。
  8. 【請求項8】 制御対象のムダ時間相当の値τが各種動
    作状態によらずほぼ一定とみなせ、かつ、刻み時間Tに
    対してkT<τ<(k+1)Tであり、かつ、τ−k
    T,(k+1)T−τが制御性能上無視できない場合、
    固定されたτ値とn値(n=k)を用いた補間計算によ
    り、第2の車両運動目標値または第2の車両運動推定値
    または被制御量推定値を決定することを特徴とする請求
    項1〜請求項7記載の車両運動制御装置。
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