JP2826805B2

JP2826805B2 - 長葱切断機

Info

Publication number: JP2826805B2
Application number: JP3532695A
Authority: JP
Inventors: 弘松本
Original assignee: Matsumoto Inc
Current assignee: Matsumoto Inc
Priority date: 1995-02-23
Filing date: 1995-02-23
Publication date: 1998-11-18
Anticipated expiration: 2013-11-18
Also published as: JPH08228742A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、農場で収穫された長葱
の茎元と葉先を切断して長葱を所定寸法にする長葱切断
機の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の長葱切断機としては、例えば平
成７年実用新案登録願第１５０号により、本出願人が先
に出願したようなものがある。この長葱切断機では、図
１０に示すように、軟質ロール１の前方（図１０では左
方）の、矢印Ｘの方向へ移動される受入れ部材２の上に
長葱を載せると、この長葱は軟質ロール１に到達して、
長葱の茎元の部分が軟質ロール１により押圧され固定さ
れるようになっている。さらに、この固定状態で、長葱
の茎元が回転刃３により切断されると共に、長葱の葉先
が回転刃４により切断され、切断された長葱の本体部は
軟質ロール１の後方へ運ばれて基枠５の外部に送出され
るようになっており、一方、切断された茎元はシュート
６により基枠５の外部に排出されるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、受入れ
部材２に置かれる長葱の茎元の径の大きさは一定でない
ため、長葱の茎元が軟質ロール１に押圧されて切断され
る際、所定の径に満たない小径の長葱では軟質ロール１
の押圧力が小さくなり過ぎて長葱が動いてしまい、長葱
の茎元を所定の位置で切断することができず、逆に、所
定の径を越える大径の長葱では軟質ロール１による押圧
力が大きくなり過ぎ、長葱が潰れて変形してしまい商品
としての価値が低下する虞れがあった。また、軟質ロー
ル１は長葱の葉先から遠く離れた茎元の部分を押圧し固
定しているため、長葱の葉先を切断する際、長葱の葉先
が動いてしまい長葱の葉先を所定の位置で切断すること
ができないという虞れもあった。さらに、長葱の切断
後、受入れ部材２に置かれた長葱が軟質ロール１から離
れる際に、長葱が軟質ロール１の回転力を受けて持ち上
がり受入れ部材３からはみ出してしまうという問題点が
あった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、長葱を切断部
所に送り込む送込み手段と、前記切断部所において長葱
の正確な判断位置を確保するための位置決め手段と、切
断部所で長葱の茎部及び葉部を押圧し固定する固定手段
と、長葱の茎元及び葉先を切断する切断手段とから成
り、前記固定手段は送込み手段の受け入れ部材に対し上
方又は下方或いは前方又は後方に移動調節する手段を設
けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】長葱は送込み手段で切断部所に送り込まれ、送
り込まれるときに位置決め手段で切断位置を決め、切断
部所では固定手段で長葱の本体部を固定して切断手段で
茎元と葉先を切断し、切断直後に長葱の本体部のうち葉
の部分を抑制手段で固止して正しい姿勢で搬出する長葱
切断機であって、切断するときの固定手段である軟質ロ
ールは送込み手段の受入れ部材に対し前方又は後方或い
は上方又下方に適宜調節して長葱の大きさに適応されて
最適の切断条件を得るものである。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１及び図２は本発明に係る長葱切断機の一実施例
を示す。図１において、枠組み形成された基枠１１の前
端部上面と後端部上面には、長葱の送り込み方向（すな
わち長葱の前進方向）Ｘに離間し、この長葱切断機の幅
方向（以下、単に「幅方向」という）へ延設した一対の
回転軸１２ａ、１２ｂを、その左右両端部に軸受１３
ａ、１４ａ、１３ｂ、１４ｂを介して回転自在に取り付
けてある。基枠１１の構成部材であり基枠１１の右側端
で長葱の前進方向Ｘへ延設した支持部材１１ａから、基
枠１１の外部に突出した一対の回転軸１２ａ、１２ｂの
右端には、プーリ１５ａ、１５ｂを固設し、このプーリ
１５ａ、１５ｂに無端ベルト１７を巻き回してある。基
枠１１の一方の回転軸１２ａには、幅方向へ所定の間隔
をもって後側のスプロケット１８ａ、１９ａを固設し、
また基枠１１の他方の回転軸１２ｂには、前側のスプロ
ケット１８ｂ、１９ｂに対向する位置に後側のスプロケ
ット１８ｂ、１９ｂを固設し、スプロケット１８ａと１
８ｂ、スプロケット１９ａと１９ｂにそれぞれ無端チェ
ーン２０と２１を巻き掛けてある。

【０００７】受入れ部材２２は、長葱を受け入れる長さ
を有し断面略Ｖ字形をなし、また、受入れ部材２２の一
端部には、図３に示すように、長葱の茎元を載せるロー
ル受け部２２ａとして、頂部に近い部分を水平方向に折
り曲げた断面略Ｖ字形の凹所を形成し、さらに、ロール
受け部２２ａの一端部には止め板２２ｂを立設してあ
る。そして、受入れ部材２２が幅方向に位置し、かつ、
受入れ部材２２のロール受け部２２ａが基枠１１の構成
部材であり基枠１１の左側端で長葱の前進方向Ｘへ延設
した支持部材１１ｂ側に位置するように、２つのループ
状の無端チェーン２０と２１の外周には、周方向へ所定
のピッチで複数の受入れ部材２２を無端チェーン２０と
２１間に掛け渡しビス又は溶接等により固設してある。
さらに、左側の支持部材１１ｂと受入れ部材２２の間に
隙間Ｓ₁を設け、また、右側の支持部材１１ａと受入れ
部材２２の間に隙間Ｓ₂を設けてある。

【０００８】左側の支持部材１１ｂから基枠１１の外部
に突出した後側の回転軸１２ｂの端部には、図２に示す
ように、プーリ２３を固設し、また、基枠１１の後端部
左側端に電動機等の駆動源２４を取り付け、この駆動源
２４の出力軸にプーリ２５を固設し、このプーリ２５と
前記プーリ２３に無端ベルト２７を巻き掛けてある。そ
して駆動源２４、無端ベルト２７、一対の回転軸１２
ａ、１２ｂ、無端ベルト１７、チェーン２０、２１及び
受入れ部材２２等により、送り込み手段Ａが構成され
る。

【０００９】図１において、基枠１１の左側の支持部材
１１ｂには、長葱の切断時に長葱の正確な切断位置を確
保するための位置決め手段Ｂを設けてある。この位置決
め手段Ｂは、基枠１１の左側の支持部材１１ｂの上面に
長葱の前進方向Ｘへ延設した取付部材２８を取り付け、
この取付部材２８の上面に一辺２９ａと他の辺２９ｂを
有する断面逆Ｌ字状の長葱の前進方向Ｘへ延設した位置
決め部材２９の一辺２９ａを載せ、他の辺２９ｂを受入
れ部材２２のロール受け部２２ａの先端に対向するよう
に、幅方向に対し略直交する方向へ垂下させて構成され
る。さらに、取付部材２８の上面には、幅方向へ延びる
長孔（図示せず）を長葱の前進方向Ｘにおいて離間させ
て２箇所、穿設し、この取付部材２８の上面に当接した
位置決め部材２９の一辺２９ａには、取付部材２８の前
記長孔に対応する位置にボルト挿通孔（図示せず）を２
箇所、穿設してあり、この２箇所のボルト挿通孔と長孔
に螺子３０を挿通して締め付け、位置決め部材２９を取
付部材２８に固定することにより、位置決め部材２９の
位置を幅方向に調節できるようにしてある。

【００１０】位置決め手段Ｂより後方（つまり、長葱の
前進方向Ｘにおいて位置決め手段Ｂより先方）の左側の
支持部材１１ｂには、回転刃取付部材３１を立設し、こ
の回転刃取付部材３１に電動機等の駆動源３２を取り付
けてある。この駆動源３２の出力軸には、左側の支持部
材１１ｂと受入れ部材２２との隙間Ｓ₁において受入れ
部材２２に載せられた長葱の茎元を切断できるように、
茎元切断用回転刃３３を取り付けてある。また、左側の
回転刃取付部材３１と幅方向で対向するように、右側の
支持部材１１ａに右側の回転刃取付部材３４を立設し、
この回転刃取付部材３４にモータ等の駆動源３５を取り
付け、さらに、この駆動源３５の出力軸には、右側の支
持部材１１ａと受入れ部材２２との隙間Ｓ₂において受
入れ部材２２に載せられた長葱の葉先を切断できるよう
に、葉先切断用回転刃３７を取り付けてあり、茎元切断
用回転刃３３と葉先切断用回転刃３７は幅方向で対向す
るようにしてある。そして、回転刃取付部材３１、３
４、駆動源３２、３５、茎元切断用回転刃３３、葉先切
断用回転刃３７等により切断手段Ｃが構成される。さら
に、茎元切断用回転刃３３と葉先切断用回転刃３７の下
方には、切断された長葱の茎元と葉先が基枠１１の内部
に落下しないように、シュート２６ａと２６ｂを設けて
ある。以上に述べた本実施例に係る長葱切断機の構成
は、従来の技術として前述した本出願人により先に出願
されたものと同様な構成をなしている。

【００１１】さらに、本出願人により先に出願されたも
のには記載されていない新たに改良した点について説明
する。茎元切断用回転刃３３と葉先切断用回転刃３７の
少し手前（前方）には、長葱の茎元を押圧して固定する
茎元固定手段Ｄの構成要素の一部である茎元固定用軟質
ロール３８と長葱の葉部を押圧して固定する固定手段と
しての葉部固定用軟質ロール３９を幅方向で対向し離間
して配設してある。

【００１２】葉部固定用軟質ロール３９の右方には、幅
方向に所定の隙間Ｓ₃をもって葉部固定用軟質ロール３
９の径より長く、長葱の前進方向Ｘへ延設した一対の案
内部材３６を右側の支持部材１１ａに取り付け、この案
内部材３６の隙間Ｓ₃に葉先切断用回転刃３７の下部が
入り込むようにしてある。案内部材３６の高さは、受入
れ部材２２が回転するループ状のチェーン２０、２１の
上側部分に来たときの受入れ部材２２の高さとほぼ同じ
高さにしてあり、また、前進する受入れ部材２２に載せ
られた長葱の葉部が案内部材３６の上にスムーズに乗り
移れるように、案内部材３６の後端部を下方へ傾斜させ
てある。なお、この案内部材３６は長葱の葉部の垂れ下
がりを抑制する葉部支持手段３６となっている。

【００１３】茎元固定用軟質ロール３８と葉部固定用軟
質ロール３９は、図４、図５及び図６に示すように、ス
ポンジ、ゴム、樹脂等から成る軟質ロール３８ａ、３９
ａの軸心に軸受３８ｂ、３９ｂを固設して構成され、長
葱の葉部は長葱の茎元より軟らかく押圧すると潰れやす
いため、葉部固定用軟質ロール３９は、長葱の葉部を疵
つけないように、茎元固定用軟質ロール３８より軟らか
くしてある。

【００１４】次に、茎元固定用軟質ロール３８と葉部固
定用軟質ロール３９の支持機構を説明する。図４におい
て、位置決め手段Ｂより後方の左側の支持部材１１ｂの
外側面には、側壁に螺子孔４０を設けた支持筒４１を上
下方向に固設してある。この支持筒４１には、上下方向
へ延設した棒状支持体４２の垂直部４２ａを嵌入させ
て、螺子４３を螺子孔４０に螺着し、棒状支持体４２を
押圧して固定することができ、棒状支持体４２の高さを
調節できるようにしてある。この棒状支持体４２は、垂
直部４２ａの上端で折曲し、受入れ部材２２の上方の略
水平面内で幅方向へ所定長さ延設した水平部４２ｂを有
しており、片持ち梁状に形成される。

【００１５】棒状支持体４２の水平部４２ｂにおいて左
側の支持部材１１ｂ近傍には、側壁に螺子孔４４を設け
た支持筒４５を摺動可能に嵌入させ、螺子４７を螺子孔
４４に螺着し棒状支持体４２の水平部４２ｂを押圧して
支持筒４５を水平筒４２ｂに固定し、支持筒４５の位置
を幅方向に調節できるようにしてある。

【００１６】支持筒４５には、図４及び図５に示すよう
に、幅方向へ突出した水平部４８ａと下方へ突出した垂
直部４８ｂを有し、長葱の前進方向Ｘへ張出した断面逆
Ｌ字状の支持部材４８を固設し、この支持部材４８の垂
直部４８ｂに、長葱の前進方向Ｘへ延びる長孔４８ｃを
穿設してある。さらに、この支持部材４８の張出部にお
ける水平部４８ａの下面に当接するように、幅方向へ突
出した突出片４９ａと下方へ突出した突出片４９ｂを有
する断面逆Ｌ字状の支持部材４９を、支持部材４８の長
孔４８ｃを挿通して螺子５０により締めつけて支持部材
４８に取り付けてある。支持部材４９の突出片４９ｂの
下端部には、支持部材４９から前方へ張出し、一辺５１
ａを支持部材４９の突出片４９ｂに当接し、支持部材４
９の他の辺５１ｂを幅方向へ突出した断面Ｌ字状のレバ
ー５１を、そのレバー５１の一辺５１ａの略中央部でピ
ン５２により回動自由に軸着してある。

【００１７】レバー５１の前端部には、幅方向へ突出し
た固定軸５３を設け、この固定軸５３に前述した茎元固
定用軟質ロール３８の軸受３８ｂを軸着させ、茎元固定
用軟質ロール３８を自由に回転できるようにしてある。
支持部材４９の突出片４９ａには、ピン５２より後方に
螺子孔５４を設け、さらに、この螺子孔５４より手前の
突出片４９ａの部分とピン５２より手前の支持部材５１
の他の辺５１ｂの部分とに引っ張りバネ５５を掛けてあ
る。従って、螺子孔５４に螺子５７を螺着し、支持部材
５１の他の辺５１ｂを下方向へ押圧すると、引っ張りバ
ネ５５の付勢力に抗して、ピン５２を中心に支持部材５
３が図５において左回りに回転し茎元固定用軟質ロール
３８が上方へ移動することができる。すなわち、螺子５
７を調節することにより、茎元固定用軟質ロール３８の
高さを上下に調節することができる。また、支持部材４
９を、螺子５０を弛めて支持部材４８の長孔４８ｃに沿
って前後に移動した後、螺子５０を締めつけて支持部材
４９を支持部材４８に固定することにり、茎元固定用軟
質ロール３８の位置を長葱の前進方向又は逆方向に調節
することができる。そして、レバー５１、ピン５２、引
っ張りばね５５及び固定軸５３に軸着された茎元固定用
軟質ロール３８及び螺子５７により茎元を固定する固定
手段Ｄが構成される。

【００１８】さらに、棒状支持体４２の水平部４２ｂの
自由端には、幅方向へ延設した支持筒５８を摺動可能に
嵌入させてある。図６に示すようにこの支持筒５８と棒
状支持体４２との嵌合部における支持筒５８の側壁に
は、螺子孔５９を設け、この螺子孔５９に螺子６０を螺
着し棒状支持体４２を押圧して、支持筒５８を棒状支持
体４２に固定し、支持筒５８の位置を幅方向へ調節でき
るようにしてある。

【００１９】この支持筒５８の自由端には、支持部材６
１を長葱の前進方向Ｘへ張出し、この支持部材６１に長
葱の前進方向Ｘへ延びる長孔６１ａを穿設してある。さ
らに、この支持部材６１に当接し、支持部材６１の下方
へ突出した支持部材６２の上端部に螺子挿通孔を穿設
し、この螺子挿通孔と支持部材６１の長孔６１ａとに螺
子６３を螺着して支持部材６２を支持部材６１に取り付
けてある。さらに、支持部材６２の下端部に長葱の前進
方向Ｘへ張出した支持部材６４の後端部を当接し、支持
部材６２の下端部と支持部材６４の後端部とを螺子６５
により締め付け、支持部材６４を支持部材６２に取り付
けてある。この支持部材６４の前端部には、幅方向へ固
定軸６７を突設し、この固定軸６７に前述した軟質ロー
ル３９ａを軸受３９ｂを介して回転自在に取り付けてあ
る。

【００２０】従って、螺子６３を弛めて支持部材６２を
長孔に沿って所定位置に移動した後、螺子６３を締め付
けて支持部材６２を固定することにより、葉部固定用軟
質ロール３９の位置を長葱の前進方向Ｘに調節すること
ができ、また、螺子６５を弛めて螺子６５を中心に支持
部材６４を回転させて、支持部材６４の前端の固定軸６
７を上下方向に移動することにより、葉部固定用軟質ロ
ール３９の位置を上下方向に調節することができる。

【００２１】さらに、図９に示すように茎元固定用軟質
ロール３８と葉部固定用軟質ロール３９の間で葉部固定
用軟質ロール３９寄りの支持筒５８には、長葱の前進方
向Ｘへ張出した支持部材６８を固設し、この支持部材６
８に長葱の前進方向Ｘへ延設した支持筒６９を長葱の前
進方向Ｘで摺動可能に嵌入させてある。この支持筒６９
と支持部材６８との嵌合部における支持筒６９の後端部
側壁には、螺子孔７０を設け、この螺子孔７０に螺子７
１を螺着し支持部材６８を押圧して、支持筒６９を支持
部材６８に固定できるようにしてある。この支持筒６９
の前端部には、上下方向へ貫通した螺子挿通孔７２を穿
設し、この螺子挿通孔７２には、上下方向へ延設した垂
直部７３ａとこの垂直部７３ａの下端で折曲して長葱の
前進方向Ｘへ延設した水平部７３ｂとより成る棒状押さ
え部材７３の垂直部７３ａを挿通してある。さらに、こ
の垂直部７３ａの上部には雄螺子７４を設けてあり、雄
螺子７４が支持筒６９の螺子挿通孔７２を挿通した状態
で、支持筒６９より上方の雄螺子７４の部分と下方の雄
螺子７４の部分とに、それぞれ雌螺子７５を螺着し、支
持筒６９の上側面と下側面に押圧することにより、長葱
の逸脱抑制手段としての棒状押さえ部材７３を支持筒６
９に固定するようにしてある。

【００２２】従って、螺子７１を弛め支持筒６９を長葱
の前進又はその逆方向に移動した後、螺子７１を締めつ
けて支持筒６９を支持部材６８に固定することにより、
棒状押さえ部材７３の位置を長葱の前進又はその逆方向
へ調節できるようになっており、また、支持筒６９を挟
む上下の各雌螺子７２を弛めて棒状押さえ部材７３を上
下方向に移動した後、各雌螺子７２を締めつけ棒状押さ
え部材７３を支持筒６９に固定することにより、棒状押
さえ部材７３の位置を上下方向へ調節できるようになっ
ている。

【００２３】さらに、本実施例では、図７で示すように
安全のため、茎元固定用軟質ロール３８、葉部固定用軟
質ロール３９、茎元切断用回転刃３３、葉先切断用回転
刃３７、棒状押さえ部材７３の上方を覆う保護カバー７
８を設けてある。この保護カバー７８は、基枠１１の左
右側端に螺子７９により取り付けられ、その上面には、
内部を観察できる透明なプラスチック製などの蓋部材８
０を蝶番８１等により開閉可能に取り付けてある。

【００２４】このような本実施例に係る長葱切断機の構
成においては、電動機等の駆動源２４を始動すると、駆
動源２４の出力はプーリ２５、無端ベルト２７、プーリ
２３を介して後側の回転軸１２ｂに伝達され、さらにプ
ーリ１５ｂ、無端ベルト１７、プーリ１５ａを介して前
側の回転軸１２ａに伝達されて、後側の回転軸１２ｂと
前側の回転軸１２ａは、図１において矢印Ｙで示すよう
な右回転を行う。これにより、スプロケット１８ａと１
８ｂ、及びスプロケット１９ａと１９ｂを介して、それ
ぞれループ状のチェーン２０と２１が右回転を行い、さ
らに、この回転するループ状のチェーン２０と２１の上
側の部分に位置する受入れ部材２２は、長葱の前進方向
Ｘへ移動することができる。

【００２５】このような受入れ部材２２の前進状態で、
位置決め手段Ｂにより長葱の位置決めを行い、長葱を受
入れ部材２２に載せると、受入れ部材２２に載せられた
長葱は前進させられて、茎元固定用軟質ロール３８と葉
部固定用軟質ロール３９に接近し、長葱の茎元が茎元固
定用軟質ロール３８に押圧されて固定されると同時に、
長葱の葉部が葉部固定用軟質ロール３９に轢かれて固定
される。

【００２６】長葱の茎元が茎元固定用軟質ロール３８に
押圧されると、長葱の茎元の径が所定の径より大きい場
合には、支持部材５１の固定軸５３に軸支された茎元固
定用軟質ロール３８がピン５２を中心に引っ張りばね５
５の弾性付勢力に抗して、上方へ向かって回転し、上方
へ移動する。このため、長葱の茎元に必要以上の圧力が
かからずに、長葱の茎元を疵つけずに固定する。

【００２７】一方、長葱の葉部が葉部固定用軟質ロール
３９に押圧された際、葉部の先端部は、案内部材３６の
上面を摺動して前進するため、葉先が下方へ垂れ下がる
ことがなく葉先切断用回転刃３７による葉先の切断が向
上する。

【００２８】茎元固定用軟質ロール３８と葉部固定用軟
質ロール３９に固定され、茎元と葉先とを切断された長
葱は、さらに、受入れ部材２２に載せられて前進し、茎
元固定用軟質ロール３８と葉部固定用軟質ロール３９の
固定状態から解かれる前に、棒状押さえ部材７３の下側
に進入する。このため、長葱は茎元固定用軟質ロール３
８の回転力による受入れ部材２２からの逸脱が防止され
て、基枠１１の前端から所定位置に正確に送出される。

【００２９】なお、切断された長葱の茎元は、図８で示
すように、左側の支持部材１１ｂと受入れ部材２２との
隙間Ｓ₁に設けられたシュート２６ａの上面に落下して
床上に排出される。一方、切断された長葱の葉部は、右
側の支持部材１１ａと受入れ部材２２との隙間Ｓ₂に設
けられたシュート２６ｂ上面に落下して床上に排出され
る。

【００３０】更に茎元切断用回転刃３３と葉先切断用回
転刃３７の先端が共に外側に向けてテーパー状３３′，
３７′に形成してあるから切れ味が良く、而も長葱の本
体の寸法を正確に切断できる。

【００３１】

【考案の効果】本発明によると、送り込み用受入れ部材
によって切断部所に送り込まれる長葱は茎元固定用軟質
ロールと葉部固定用軟質ロールによって下方に程良く押
さえつけられることになるので長葱に傷を与えることな
くして固定されている状態で茎元切断用回転刃と葉先切
断用回転刃により長葱の茎元と葉先が同時に切断され、
食用に供する本体部が一定の長さに加工されるもので、
切断直後の長葱の葉は、棒状押さえ部材により受入れ部
材の下方に押さえられるので乱りに向きを変えることな
く搬出部に正確に送り出すことができる。

【００３２】次に本発明によれば、茎元固定用軟質ロー
ルと葉部固定用軟質ロールが、共に受入れ部材に対し前
方又は後方に移動させて調節することができ、加えて上
方又は下方にも程良く調節できるので切断する長葱の大
きさに適応させて長葱を加工することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の斜視図である

【図２】本発明駆動部の斜視図である

【図３】受け入れ部材の一部斜視図である

【図４】本発明の長葱固定用軟質ロール調節機構の斜視
図である

【図５】本発明の茎元固定用軟質ロール調節機構の側断
面図である

【図６】本発明の葉部固定用軟質ロール調節機構の側断
面図である

【図７】本発明に保護カバーを被せた斜視図である

【図８】本発明による葱切断部所の正面図である

【図９】本発明の棒状押さえ部材の側断面図である

【図１０】先願に係る長葱切断機の斜視図である

【符号の説明】

１１…基枠１２ｂ，１２ｂ…回転軸１３ａ，１３ｂ，１４ａ，１４ｂ…軸受１５ａ，１５ｂ…プーリ１７…無端ベルト１８ａ，１８ｂ，１９ａ，１９ｂ…スプロケット２０，２１…無端チェーン２２…受入れ部材２３…プーリ２４…駆動源２５…プーリ２７…無端ベルト２８…取付部材２９…位置決め部材３０…螺子３１…回転刃取付部材３２…駆動源３３…茎元切断用回転刃３４…回転刃取付部材３５…駆動源３６…案内部材（葉部支持部材）３７…葉先切断用回転刃３８…茎元固定用軟質ロール３９…葉部固定用軟質ロール４０…螺子孔４１…支持筒４２…棒状支持体４３…螺子４４…螺子孔４５…支持筒４７…螺子４８…支持部４９…支持部材５０…螺子５１…レバー５２…ピン５３…固定軸５４…ピン５５…引っ張りバネ５７…螺子５８…支持筒５９…螺子筒６０…螺子６１…支持部材６２…支持部材６３…螺子６４…支持部材６５…螺子６７…固定軸６８…支持部材６９…支持筒７０…螺子孔７１…螺子７２…螺子挿通孔７３…棒状押さえ部材（逸脱抑制手段）７４…雄螺子７５…雌螺子７８…保護カバー７９…螺子８０…蓋部材Ａ…送り込み手段Ｂ…位置決め手段Ｃ…切断手段Ｄ…固定手段

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】長葱を切断部所に送り込む送込み手段
と、前記切断部所において長葱の正確な切断位置を確保
するための位置決め手段と、切断部所で長葱の茎部及び
葉部を押圧し固定する固定手段と、長葱の茎元及び葉先
を切断する切断手段とから成り、前記固定手段は送込み手段の受け入れ部材に対し上方又
は下方、或いは前方又は後方に移動調節する手段を形成
したことを特徴とする長葱切断機。
【請求項２】長葱を切断部所に送り込む送込み手段
と、前記切断部所において長葱の正確な切断位置を確保
するための位置決め手段と、切断部所で長葱の茎部及び
葉部を押圧し固定する固定手段と、長葱の茎元及び葉先
を切断する切断手段とから成り、前記固定手段は、上下方向に移動可能で長葱の茎部を押
圧するロールと、一定位置で長葱の葉部を押圧するロー
ルとを有することを特徴とする長葱切断機。
【請求項３】長葱を切断部所に送り込む送込み手段
と、前記切断部所において長葱の正確な切断位置を確保
するための位置決め手段と、切断部所で長葱の茎部を押
圧し固定する固定手段と、長葱の茎元及び葉先を切断す
る切断手段とから成り、前記固定手段は、上下方向に移動可能で長葱の茎部を押
圧するロールを有することを特徴とする長葱切断機。
【請求項４】長葱の切断後に長葱の受け入れ部材から
の逸脱を抑制する逸脱抑制手段を備えた請求項１、２又
は３記載の長葱切断機。
【請求項５】前記固定手段による長葱の固定時に、長
葱の葉部の垂れ下がりを抑制する葉部支持部材を備えた
請求項１又は２、３記載の長葱切断機。
【請求項６】前記送り込み手段の走行方向と直交する
方向で、回転刃と基枠との間に広い隙間を設け、前記切
断部所において切断された長葱の茎元が前記隙間を落下
して排出できるようにした請求項１、２又は３記載の長
葱切断機。
【請求項７】前記固定手段を覆う保護カバーを設けた
請求項１、２又は３記載の長葱切断機。