JP2826706B2 - スナック菓子の製造方法 - Google Patents
スナック菓子の製造方法Info
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Description
きのこ、海藻、魚貝および畜肉の1種または2種以上を
用いたスナック菓子の製造方法に関するものであり、更
に詳しくは、粉部に加える食品原料の持つ自然な色調、
味、香りを良好な状態で保ち、しかも軽いテクスチャー
と口溶けの良さを特徴とし、かつ作りたての風味を長持
ちさせることを可能としたスナック菓子の製造方法に関
するものである。ここに述べるテクスチャーとは、主に
口の中での感触によって決定される、温度と味を除いた
食品の物理的品質を指すものである。
食べられる便益さと、あっさりした風味をもつことか
ら、子女のおやつの類から成人のアルコール飲料のつま
みにもなり、広い範囲の消費層、大衆向きの嗜好性を有
する食品であり、その代表的なものとして、エビせんべ
い、イカ焼せんべい等が挙げられ、それらはすり身や原
形を保ったままの状態の素材を練り込んでつくられてい
た。
食品を作る技術思想としては、「肉類を主体とする高蛋
白スナック風発泡食品の製造法」(特開昭57−144
941号)に魚肉または畜肉を主体として、これにデン
プン類を加えて混合した後成型して油で加熱調理する方
法、「野菜、果物、種子を含有したスナック及びその製
造方法」(特開平4−4845号)に減圧フライした野
菜、果物、種子の乾燥物を、せんべい、あられ、おか
き、かき餅、クラッカー、ビスケット、フレーク等の生
地に混入させることにより食材の色と風味を生かしたス
ナック菓子の製造方法、等が知られている。また、せん
べい、あられ、あるいはスナック菓子の多くは、米、小
麦粉、トウモロコシ等の穀粉を主原料として、これに水
を加えて蒸し練りした後冷却硬化させて、成型、裁断
し、それを乾燥させて、水分含量15〜20重量%の乾
燥生地とする。この乾燥生地(菓子種)を用いて、油揚
げ、焙焼等の加熱膨化処理を行って製品とする、いわゆ
る菓子種式製法でつくられている。一般に、軽いテクス
チャーと口溶けの良さを身上とするスナック食品にあっ
ては、菓子種式製法において、使用する食品原料の特性
によって仕上げ品のテクスチャーが大きく左右されるた
め、その使用量と使える種類が限られていた。
て、「スナック菓子」(実公昭60−8699号)が知
られている。それによると、加えられる食品原料の種類
は野菜、果実、きのこ、海藻であり、その量は粉部10
0重量%に対して40〜150重量%である。また、蒸
練後の生地の水分含量が50〜65重量%とかなり高い
ため、野菜等の原料類を多く使用しても軽いテクスチャ
ーと口溶けのよいスナック菓子が得られることが開示さ
れている。
から小麦タンパク質に由来するうま味を有し、かつ肌理
(きめ)の細かい製品が得られる特長があるものの、一
方では膨化が阻害される傾向があるため、粉部以外の食
品原料の割合が多くなると軽いテクスチャーが損なわれ
てくる。これらの現象は食品原料が粉部に対し150重
量%を越えると特に顕著に現れてくる。また、野菜、果
実等の食品原料を多く用いると、光や温度に対する経時
的な変化が起りやすくなり、食品原料が本来持っている
好ましい色調や風味が損なわれる傾向が認められる。こ
のため、商品の賞味期間を短く設定する等の工夫が必要
であった。
実現するため、膨張剤の使用が一般的に行われるが、こ
の場合、加熱工程が1回の製造法においては膨張剤とし
ての能力は有効であるものの、菓子種式製法のように複
数回の加熱工程を経る製造方法ではその能力を有効に利
用することができない。
有するこのような問題点を踏まえ、本発明はこれらの問
題を確実に解消し、当該製品に食品原料が本来持つ特性
を再現させることを目標として研究を重ねた結果、水分
含量50〜65重量%の生地を作る菓子種式製造方法に
おいて、タンパク質分解酵素、二糖類および増粘多糖類
を加えることにより食品原料の使用量が粉部100重量
%に対し、150〜500重量%であっても良好な膨
化、軽いテクスチャーと口溶けの良さ、食品原料の持つ
自然な色調、味、香り、更に作りたての風味を長持ちさ
せるという所期の目的を達成し得ることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
得なかった“食品原料が本来持っている特性の再現”を
果しながら、しかも従来実施を困難視されていたほど多
量に食品原料を加えることを可能とする菓子種式のスナ
ック菓子製造方法の開発を目的とするものである。
用いる際、グルテン形成による膨化阻害の解消を目的と
する。
菓子を製造する際、膨張剤の効果が期待できないことか
ら、それに代る膨張効果を発揮する能力を菓子種に付加
することを目的とする。
場合において、作りたての風味と色調を長持ちさせるこ
とを目的とする。
かった問題点の解決を目的とし、本発明が完成するに至
ったのである。すなわち、本発明の具体的な構成は、第
1に、小麦粉または小麦粉とデンプンの混合物、即ち粉
部に、食品原料の野菜、果実、きのこ、海藻、魚貝およ
び畜肉の1種または2種以上をジュースまたはペースト
状にして加え適量の水分の存在下で蒸練し、水分含量5
0〜65重量%の生地を作製し、これを成型した後乾燥
して油揚げまたは焙焼により製造するスナック菓子の製
造方法において、使用する前記食品原料の使用量が当該
粉部100重量%に対して150〜500重量%であ
り、かつ前記小麦粉にタンパク質分解酵素を水分の存在
下に作用させる工程と、二糖類および増粘多糖類を加え
る工程とを組み合わせることを特徴とするスナック菓子
の製造方法であり、第2に、前記タンパク質分解酵素と
して、パパインおよびブロメラインのいずれか1種を小
麦粉100重量%に対して0.05〜0.1重量%使用
することを特徴とする請求項1に記載のスナック菓子の
製造方法であり、第3に、前記増粘多糖類としてジェラ
ンガム、グルコマンナン、アカシアガムのいずれか1種
または2種または3種を粉部100重量%に対して0.
3〜1.0重量%使用することを特徴とする請求項1に
記載のスナック菓子の製造方法であり、更に第4とし
て、前記二糖類としてマルトース、トレハロースのいず
れか1種または2種を食品原料100重量%に対して
1.0〜3.0重量%使用することを特徴とする請求項
1に記載のスナック菓子の製造方法である。
本発明で使用する食品原料は、野菜、果実、きのこ、海
藻、魚貝および畜肉であれば、いずれもジュースあるい
はペースト状にして素材原料として使用することができ
るというのが基本的な考え方であるが、従来通り乾燥粉
末原料を水にもどして使うことも可能である。また、当
該食品原料は、その水分含量により粉部100重量%に
対して150〜500重量%使用することができるた
め、食品原料の持つ特徴を十分に再現可能である。更
に、本発明によれば、食品原料を必ずしも濃縮したり乾
燥させたりする必要がないため、それらの工程とコスト
を節約できるだけでなく、食品原料の持ち味として有す
る本来の色調や風味を損わずに利用できるという特徴を
持っている。また、水分含量が少ない食品原料について
は、水を添加し、あるいは水分含量が多い食品原料につ
いてはその一部を乾燥粉末にして加えることにより、最
終的なスナック生地の水分含量と食品原料の配合割合を
本発明の技術的範囲内に調節することができる。
クスチャーを軽くし、更にスナック生地を膨化させるた
めには、タンパク質分解酵素としてブロメライン、パパ
イン等が必要であり、これを含有させることによりグル
テンを分解して、特有の粘弾性だけを消失させ、膨化阻
害を解消できることを見い出した。また、タンパク質を
酵素分解すると、苦味を呈する場合があるが、本発明で
使用したブロメラインとパパインの2つのタンパク質分
解酵素は、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸およ
びフェニルアラニン、チロシン等の芳香族アミノ酸のカ
ルボニル基側のペプチド結合を選択的に切断する特性が
あり、スナック生地に作用させた場合、苦味の発現を起
こさせないという特性も加味される。そして、これらタ
ンパク質分解酵素は、食品原料が酸性である場合はブロ
メラインを、酸性から弱アルカリ性にかけてのものはパ
パインを選択して用いることができる。
用量は、0.05〜0.1重量%(商品名:パパインW
−40、ブロメラインF。ともに天野製薬株式会社製)
の範囲である。0.05重量%未満では処理に時間がか
かり過ぎ、また0.1重量%を越える量を用いても処理
時間は短縮されない。
熱処理することにより炭酸ガスやアンモニアガス等の気
体を発生してその効果を発揮するため、複数回の加熱処
理を行う製造工程には不適当であった。そこで膨張剤の
代りになるものとして、各種デンプン類、ゲル化剤、増
粘剤等を膨張助剤として種々検討した結果、増粘多糖類
のグルコマンナン、ジェランガム、アカシアガムをスナ
ック生地に含有させるという方法を見い出した。本発明
者らの研究によれば、これまで、菓子種式製法に増粘多
糖類を使って膨張助剤としての効果を得たという報告は
ない。上記した増粘多糖類の使用により、油揚げまたは
焙焼工程において、スナック生地を一層効果的に膨化さ
せることが可能となり、本発明の特徴である軽いテクス
チャーと口溶けの良さを実現できた。
における増粘多糖類の作用は、粉部100重量%に対し
て0.3〜1.0重量%の範囲で発揮され、これよりも
低い場合は量的に不十分で膨化が起らず、逆に高い場合
は蒸練と成型の工程での作業性が極端に悪くなり、膨化
が小さくなる傾向が認められることから、上記の割合で
増粘多糖類を含有させることがスナック生地を膨化させ
るのに最適である。
用いると、風味の保存性、退色防止性および防湿性を向
上させることが知られている。本発明者らは、本発明に
おけるスナック菓子において、製品本来の持つ風味、よ
り詳しくは使用した食品原料の持つ風味、色調をより長
持ちさせるための糖類について、単糖類、二糖類、三糖
類を用いて検討した結果、二糖類であるマルトースとト
レハロースが最も有効であることを見い出した。
試験を行った結果、スナック生地の食品原料100重量
%に対して1.0〜3.0重量%含有させることでその
効果が発揮できることを見い出した。また、これよりも
少量含有させた場合は十分にその効果が発揮されず、ま
た、これよりも多い場合は膨化に対する影響は少ないも
のの、蒸練後のスナック生地が柔かくなり付着性が増大
するため、作業性の点で問題が生ずる。
ク菓子は、種々の食品原料を用いることが可能であり、
その適用例は、野菜類として玉ねぎ、馬鈴薯、カボチ
ャ、グリンピース、トマト、ニンジン、ホウレン草、野
菜ジュース,果実類としてオレンジ、リンゴ、いちご、
グレープフルーツ,魚貝類としてエビ、イカ、ホタテ
貝、タラすり身,海藻類としてあまのり、コンブ、わか
め、あおさ、ひじき,キノコ類としてシイタケ、マッシ
ュルーム,肉類として豚肉、牛肉、鶏肉、等広汎な食品
を挙げることができる。また、本発明でいう粉部におけ
る小麦粉とは薄力粉、中力粉、強力粉より選択され、デ
ンプンについては馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、
トウモロコシデンプン、もちトウモロコシデンプンおよ
びそれらを原料とした加工デンプンより選ばれる。
明する。 実施例1 小麦粉200重量部、パパイン0.1重量部、乳酸カル
シウム1.0重量部および水200重量部を混合し、4
0℃で30分間保持して酵素処理を行った。これにゆで
たグリンピースのペースト2,600重量部、マルトー
ス80重量部、およびもちトウモロコシデンプン400
重量部を加えて溶解させた後、タピオカデンプン400
重量部およびジェランガム10重量部を加えて均一に混
合した。これを100℃で10分間蒸練して、水分含量
約60重量%の生地を得た。このようにして得られた生
地におけるグリンピースペーストの割合は、粉部100
重量%に対して260重量%であった。更に、この生地
を1.0mmの厚さに圧延した後、10℃で12時間保
持して冷蔵硬化を行い、好みの形に裁断した。次に、生
地の水分含量が15〜20重量%になるまで40〜70
℃で通風乾燥し、更に生地の水分を均一にするため密封
して室温で1日放置し、グリンピーススナックの乾燥生
地を得た。次いで、この乾燥生地を150〜160℃に
熱した植物油で揚げることにより、グリンピーススナッ
クを得た。
素を使用しないこと以外は、実施例1と同様な方法でグ
リンピーススナックを得た。
しないこと以外は、実施例1と同様な方法でグリンピー
ススナックを得た。
を使用すること(比較例3)、また三糖類としてガラク
トオリゴ糖を使用すること(比較例4)以外は、実施例
1と同様な方法によりグリンピーススナックを得た。
ックと、比較例1〜4のグリンピーススナックについて
評価を行った。その結果を表1に示す。
しないと、膨化性が悪くなり、硬いテクスチャーとなっ
てしまう。同様に、増粘多糖類を用いないと、膨化が十
分に起らず硬いテクスチャーとなる。また、二糖類の代
りに単糖類、三糖類を用いると、色調と風味の保存性が
低下した。
ペースト3,500重量部と水485重量部を使用した
他は実施例1に準じて行った。なお、このようにして作
製したスナック生地のグリンピース含量は、粉部100
重量%に対して350重量%であった。
ペースト5,000重量部と水60重量部を使用し、小
麦粉200重量部に対して、このうちの水60重量部と
ゆでたグリンピースのペースト200重量部を混合して
酵素処理をした他は実施例1に準じて行った。なお、こ
のようにして作製したスナック生地のグリンピース含量
は、粉部100重量%に対して500重量%であった。
ペースト6,000重量部を使用し、小麦粉200重量
部に対して、水を加えることなく、ゆでたグリンピース
のペースト300重量部だけを混合して酵素処理をした
他は実施例1に準じて行った。なお、このようにして作
製したスナック生地のグリンピース含量は、粉部100
重量%に対して600重量%であった。
ックと、実施例2、3および比較例5のグリンピースス
ナックについて評価を行った。その結果を表2に示す。
に対し500重量%まで使用したものについては、グリ
ンピースの風味が良好に再現され、膨化性、テクスチャ
ー、作業性ともに好ましいものであったが、600重量
%に配合量を増やしたものは膨化性、テクスチャーおよ
び作業性が著しく低下した。
りにグルコマンナン(実施例4)、アカシアガム(実施
例5)、プルラン(比較例6)、キサンタンガム(比較
例7)、ペクチン(比較例8)、アルギン酸ナトリウム
(比較例9)、グァガム(比較例10)、タマリンドシ
ードガム(比較例11)を用いる以外は、実施例1と同
様の重量%および方法によりグリンピーススナックを得
た。
ーススナックについて評価を行った。その結果を表3に
示す。
ガムについては膨化性、テクスチャー、作業性ともに良
好であった。
カルシウム0.4重量部を混合し、均一になるように攪
拌した後、ミキサーにかけたバレンシアオレンジ果肉入
りジュース2,000重量部とトレハロース20重量部
を混合して、40℃で30分間保持して酵素処理を行っ
た。これにもちトウモロコシデンプン300重量部、タ
ピオカデンプン300重量部およびジェランガム4重量
部を加えて均一に混合した。これを100℃で10分間
蒸練して、水分含量約63重量%の生地を得た。このよ
うにして得られた生地におけるバレンシアオレンジの割
合は、粉部100重量%に対して200重量%であっ
た。更に、この生地を0.9mmの厚さに圧延した後、
10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行い、好みの形で
裁断した。次に、生地の水分含量が15〜20重量%に
なるまで40〜70℃で通風乾燥し、更に生地の水分を
均一にするため密封して室温で1日放置し、オレンジス
ナックの生地を得た。次いで、この乾燥生地を150〜
160℃に熱した植物油で揚げることによりオレンジス
ナックを得た。この結果、得られたものは良好な膨化特
性を示し、軽快で口溶けの良い食感とオレンジの風味を
有し、色調も明るいオレンジ色であった。
混合し、均一になるように攪拌した後、市販の野菜ジュ
ース1,800重量部とマルトース30重量部を混合し
て、40℃で30分間保持して酵素処理を行った。これ
にアカシアガム6重量部を加えて均一に混合した。これ
を100℃で10分間蒸練して、水分含量約61重量%
の生地を得た。このようにして得られた生地における野
菜ジュースの割合は、粉部100重量%に対して180
重量%であった。更に、この生地を0.8mmの厚さに
圧延した後、10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行
い、好みの形に裁断した。次に、生地の水分含量が15
〜20重量%になるまで40〜70℃で通風乾燥し、更
に生地の水分を均一にするため密封して室温で1日放置
し、野菜ジューススナックの生地を得た。次いで、この
乾燥生地を150〜160℃に熱した植物油で揚げるこ
とにより野菜ジューススナックを得た。この結果、得ら
れたものは良好な膨化特性を示し、軽快で口溶けの良い
食感と野菜ジュースの風味を有し、色調も明るいトマト
色であった。
として使用し、これに小麦粉500重量部、ブロメライ
ン0.5重量部および乳酸カルシウム0.6重量部を加
えてよく攪拌し、これを40℃で30分間保持して酵素
処理を行った。これにもちトウロモロコシデンプン30
0重量部、タピオカデンプン200重量部、グルコマン
ナン3重量部、ジェランガム3重量部、マルトース50
重量部および淡口しょうゆ40重量部を加えて混合し
た。これを100℃で10分間蒸練して、水分含量約5
9重量%の生地を得た。このようにして得られた生地に
おけるイカの割合は、粉部100重量%に対して250
重量%であった。更に、この生地を1.1mmの厚さに
圧延した後、10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行
い、好みの形に裁断した。次に生地の水分含量が15〜
20重量%になるまで通風乾燥し、更に生地の水分を均
一にするために密封して室温で1日放置し、イカスナッ
クの生地を得た。次いでこの乾燥生地を180〜190
℃に熱した食塩により焙焼し、イカスナックを得た。こ
の結果、得られたものは良好な膨化特性を示し、軽快で
口溶けの良い食感と、イカを焼いたような香ばしい風味
を持ったスナック菓子であった。
主原料として使用し、これに小麦粉200重量部、ブロ
メライン0.1重量部および乳酸カルシウム1.0重量
部を加えてよく攪拌し、これを40℃で30分間保持し
て酵素処理を行った。これにもちトウロモロコシデンプ
ン300重量部、馬鈴薯デンプン500重量部、ジェラ
ンガム10重量部およびマルトース20重量部を加えて
混合した。これを100℃で10分間蒸練して、水分含
量約63重量%の生地を得た。このようにして得られた
生地におけるしいたけの割合は、粉部100重量%に対
して180重量%であった。更に、この生地を1.0m
mの厚さに圧延した後、10℃で12時間保持して冷蔵
硬化を行い、好みの形に裁断した。次に生地の水分含量
が15〜20重量%になるまで通風乾燥し、更に生地の
水分を均一にするため密封して室温で1日放置し、しい
たけスナックの生地を得た。次いでこの乾燥生地を15
0〜160℃に熱した植物油で揚げることにより、しい
たけスナックを得た。この結果、得られたものは良好な
膨化特性を示し、軽快で口溶けの良い食感と、しいたけ
特有の味と香りを損なわずに有していた。
シウム1.0重量部および水980重量部を混合し、4
0℃で30分間保持して酵素処理を行った。これに豚肉
をペースト状にしたもの2,000重量部、マルトース
10重量部、トレハロース20重量部、トウモロコシデ
ンプン200重量部、タピオカデンプン200重量部、
グルコマンナン5重量部およびアカシアガム5重量部を
加えて均一に混合し、再び40℃で30分間保持する。
これを100℃で10分間蒸練して、水分含量約58重
量%の生地を得た。このようにして得られた生地におけ
る豚肉の割合は、粉部100重量%に対して200重量
%であった。更に、この生地を1.0mmの厚さに圧延
した後、10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行い、好
みの形に裁断した。次に、生地の水分含量が15〜20
重量%になるまで40〜70℃で通風乾燥し、更に生地
の水分を均一にするため密封して室温で1日放置し、豚
肉スナックの乾燥生地を得た。次いで、この乾燥生地を
150〜160℃に熱した植物油で揚げることにより、
豚肉スナックを得た。この結果、得られたものは良好な
膨化特性を示し、軽快で口溶けの良い食感と豚肉の風味
を有していた。
加え、水分含量90重量%ののりペーストを作り、生の
りの性状を再現し、これを食品原料として用いた。これ
に小麦粉400重量部、ブロメライン0.2重量部およ
び乳酸カルシウム1.2重量部を加え良く攪拌し、40
℃で30分間保持して酵素処理を行った。これにもちト
ウモロコシデンプン400重量部、馬鈴薯デンプン20
0重量部、ジェランガム2重量部、グルコマンナン2重
量部、アカシアガム2重量部およびマルトース20重量
部を加えて均一に混合した。これを100℃で10分間
蒸練して、水分含量約62重量%の生地を得た。更に、
この生地を0.8mmの厚さに圧延した後、10℃で1
2時間保持して冷蔵硬化を行い、好みの形に裁断した。
次に、生地の水分含量が15〜20重量%になるまで4
0〜70℃で通風乾燥し、更に生地の水分を均一にする
ため密封して室温で1日放置し、のりスナック生地を得
た。この乾燥生地を150〜160℃に熱した植物油で
揚げることにより、のりスナックを得た。この結果、得
られたものは良好な膨化特性を示し、軽快で口溶けの良
い食感とのり特有の香り、色、味を再現することができ
た。
すりおろした生じゃがいも3,000重量部と玉ねぎジ
ュース300重量部とを混合し、40℃で30分間保持
して酵素処理を行った。これに豚肉ペースト50重量
部、マルトース80重量部およびアカシアガム8重量部
を加えて混合し、再び40℃で30分間保持して酵素処
理を行った。これを100℃で10分間蒸練して、水分
含量約64重量%の生地を得た。このようにして得られ
た生地における数種の食品原料の割合は、粉部100重
量%に対して335重量%であった。更に、この生地を
1.0mmの厚さに圧延した後、10℃で12時間保持
して冷蔵硬化を行い、好みの形に裁断した。次に、生地
の水分含量が15〜20重量%になるまで40〜70℃
で通風乾燥し、更に生地の水分を均一にするため密封し
て室温で1日放置し、肉じゃが風スナックの乾燥生地を
得た。次いでこの乾燥生地を170〜180℃に熱した
植物油で揚げることにより、肉じゃが風スナックを得
た。この結果、得られたものは良好な膨化特性を示し、
軽快で口溶けの良い食感と肉じゃが風の味と風味を有し
ていた。
食品原料をこれまでには考えられなかったほど多量に
(当該粉部に対し150〜500重量%)混合させるこ
とが可能となり、食品原料の持つ自然の色調、風味をス
ナック菓子として再現できる。
パク質分解酵素としてパパインおよびブロメラインのい
ずれか1種を加えることにより、小麦タンパク質による
スナック生地の膨化阻害を解消することが可能となる。
のジェランガム、グルコマンナン、アカシアガムのいず
れか1種または2種または3種をスナック生地に加える
ことにより、複数回の加熱工程を要する菓子種式スナッ
ク菓子製造方法においてもスナック生地を十分に膨化さ
せることが可能となる。
てマルトース、トレハロースのいずれか1種または2種
を加えることにより、食品原料の持つ色調と風味を長期
間保つことが可能となる。
状にしたり、濃縮する必要がないため、それらの工程と
コストが節約されることとなり、たいへん経済的であ
る。
子を作製することを可能にするだけでなく、実施例12
のように数種の食品原料を用いて、加工食品の持つ特有
の風味をスナック菓子として再現することが可能であ
る。
食品原料の繊維質や他の栄養成分がそのまま含有されて
いるため、その栄養的価値は大きく、健康食品としての
意義も大きい。
料は、ジュース、ペースト状、粉末として使用できるた
め、変形等の規格外のために通常は廃棄され、流通経路
に乗らない農水産物も有効に利用することが可能であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 小麦粉または小麦粉とデンプンの混合
物、即ち粉部に、食品原料の野菜、果実、きのこ、海
藻、魚貝および畜肉の1種または2種以上をジュースま
たはペースト状にして加え適量の水分の存在下で蒸練
し、水分含量50〜65重量%の生地を作製し、これを
成型した後乾燥して油揚げまたは焙焼により製造するス
ナック菓子の製造方法において、使用する前記食品原料
の使用量が当該粉部100重量%に対して150〜50
0重量%であり、かつ前記小麦粉にタンパク質分解酵素
を水分の存在下に作用させる工程と、二糖類および増粘
多糖類を加える工程とを組み合わせることを特徴とする
スナック菓子の製造方法。 - 【請求項2】 前記タンパク質分解酵素として、パパイ
ンおよびブロメラインのいずれか1種を小麦粉100重
量%に対して0.05〜0.1重量%使用することを特
徴とする請求項1に記載のスナック菓子の製造方法。 - 【請求項3】 前記増粘多糖類としてジェランガム、グ
ルコマンナン、アカシアガムのいずれか1種または2種
または3種を粉部100重量%に対して0.3〜1.0
重量%使用することを特徴とする請求項1に記載のスナ
ック菓子の製造方法。 - 【請求項4】 前記二糖類としてマルトース、トレハロ
ースのいずれか1種または2種を食品原料100重量%
に対して1.0〜3.0重量%使用することを特徴とす
る請求項1に記載のスナック菓子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6232435A JP2826706B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | スナック菓子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6232435A JP2826706B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | スナック菓子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0870780A JPH0870780A (ja) | 1996-03-19 |
JP2826706B2 true JP2826706B2 (ja) | 1998-11-18 |
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Family Applications (1)
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JP6232435A Expired - Fee Related JP2826706B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | スナック菓子の製造方法 |
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JP (1) | JP2826706B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180071708A (ko) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | 영산대학교산학협력단 | 파래 사브레쿠키 제조방법 |
-
1994
- 1994-09-02 JP JP6232435A patent/JP2826706B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180071708A (ko) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | 영산대학교산학협력단 | 파래 사브레쿠키 제조방법 |
KR101877648B1 (ko) | 2016-12-20 | 2018-08-09 | 영산대학교산학협력단 | 파래 사브레쿠키 제조방법 |
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---|---|
JPH0870780A (ja) | 1996-03-19 |
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