JP2826706B2 - スナック菓子の製造方法 - Google Patents

スナック菓子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品原料の野菜、果実、
きのこ、海藻、魚貝および畜肉の1種または2種以上を
用いたスナック菓子の製造方法に関するものであり、更
に詳しくは、粉部に加える食品原料の持つ自然な色調、
味、香りを良好な状態で保ち、しかも軽いテクスチャー
と口溶けの良さを特徴とし、かつ作りたての風味を長持
ちさせることを可能としたスナック菓子の製造方法に関
するものである。ここに述べるテクスチャーとは、主に
口の中での感触によって決定される、温度と味を除いた
食品の物理的品質を指すものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スナック菓子は、一般に、手軽に
食べられる便益さと、あっさりした風味をもつことか
ら、子女のおやつの類から成人のアルコール飲料のつま
みにもなり、広い範囲の消費層、大衆向きの嗜好性を有
する食品であり、その代表的なものとして、エビせんべ
い、イカ焼せんべい等が挙げられ、それらはすり身や原
形を保ったままの状態の素材を練り込んでつくられてい
た。
【0003】すでに開示されている、素材を練り込んで
食品を作る技術思想としては、「肉類を主体とする高蛋
白スナック風発泡食品の製造法」(特開昭57−144
941号)に魚肉または畜肉を主体として、これにデン
プン類を加えて混合した後成型して油で加熱調理する方
法、「野菜、果物、種子を含有したスナック及びその製
造方法」(特開平4−4845号)に減圧フライした野
菜、果物、種子の乾燥物を、せんべい、あられ、おか
き、かき餅、クラッカー、ビスケット、フレーク等の生
地に混入させることにより食材の色と風味を生かしたス
ナック菓子の製造方法、等が知られている。また、せん
べい、あられ、あるいはスナック菓子の多くは、米、小
麦粉、トウモロコシ等の穀粉を主原料として、これに水
を加えて蒸し練りした後冷却硬化させて、成型、裁断
し、それを乾燥させて、水分含量15〜20重量%の乾
燥生地とする。この乾燥生地(菓子種)を用いて、油揚
げ、焙焼等の加熱膨化処理を行って製品とする、いわゆ
る菓子種式製法でつくられている。一般に、軽いテクス
チャーと口溶けの良さを身上とするスナック食品にあっ
ては、菓子種式製法において、使用する食品原料の特性
によって仕上げ品のテクスチャーが大きく左右されるた
め、その使用量と使える種類が限られていた。
【0004】この問題を解決するための技術思想とし
て、「スナック菓子」(実公昭60−8699号)が知
られている。それによると、加えられる食品原料の種類
は野菜、果実、きのこ、海藻であり、その量は粉部10
0重量%に対して40〜150重量%である。また、蒸
練後の生地の水分含量が50〜65重量%とかなり高い
ため、野菜等の原料類を多く使用しても軽いテクスチャ
ーと口溶けのよいスナック菓子が得られることが開示さ
れている。
【0005】しかし、小麦粉をそのまま用いていること
から小麦タンパク質に由来するうま味を有し、かつ肌理
(きめ)の細かい製品が得られる特長があるものの、一
方では膨化が阻害される傾向があるため、粉部以外の食
品原料の割合が多くなると軽いテクスチャーが損なわれ
てくる。これらの現象は食品原料が粉部に対し150重
量%を越えると特に顕著に現れてくる。また、野菜、果
実等の食品原料を多く用いると、光や温度に対する経時
的な変化が起りやすくなり、食品原料が本来持っている
好ましい色調や風味が損なわれる傾向が認められる。こ
のため、商品の賞味期間を短く設定する等の工夫が必要
であった。
【0006】また、軽いテクスチャーと口溶けの良さを
実現するため、膨張剤の使用が一般的に行われるが、こ
の場合、加熱工程が1回の製造法においては膨張剤とし
ての能力は有効であるものの、菓子種式製法のように複
数回の加熱工程を経る製造方法ではその能力を有効に利
用することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のスナック菓子が
有するこのような問題点を踏まえ、本発明はこれらの問
題を確実に解消し、当該製品に食品原料が本来持つ特性
を再現させることを目標として研究を重ねた結果、水分
含量50〜65重量%の生地を作る菓子種式製造方法に
おいて、タンパク質分解酵素、二糖類および増粘多糖類
を加えることにより食品原料の使用量が粉部100重量
%に対し、150〜500重量%であっても良好な膨
化、軽いテクスチャーと口溶けの良さ、食品原料の持つ
自然な色調、味、香り、更に作りたての風味を長持ちさ
せるという所期の目的を達成し得ることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、従来方法では解決し
得なかった“食品原料が本来持っている特性の再現”を
果しながら、しかも従来実施を困難視されていたほど多
量に食品原料を加えることを可能とする菓子種式のスナ
ック菓子製造方法の開発を目的とするものである。
【0009】また、本発明は、スナック菓子に小麦粉を
用いる際、グルテン形成による膨化阻害の解消を目的と
する。
【0010】更に、本発明は、菓子種式製法でスナック
菓子を製造する際、膨張剤の効果が期待できないことか
ら、それに代る膨張効果を発揮する能力を菓子種に付加
することを目的とする。
【0011】加うるに本発明は、製品を常温で保存した
場合において、作りたての風味と色調を長持ちさせるこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した従来克服し得な
かった問題点の解決を目的とし、本発明が完成するに至
ったのである。すなわち、本発明の具体的な構成は、第
1に、小麦粉または小麦粉とデンプンの混合物、即ち粉
部に、食品原料の野菜、果実、きのこ、海藻、魚貝およ
び畜肉の1種または2種以上をジュースまたはペースト
状にして加え適量の水分の存在下で蒸練し、水分含量5
0〜65重量%の生地を作製し、これを成型した後乾燥
して油揚げまたは焙焼により製造するスナック菓子の製
造方法において、使用する前記食品原料の使用量が当該
粉部100重量%に対して150〜500重量%であ
り、かつ前記小麦粉にタンパク質分解酵素を水分の存在
下に作用させる工程と、二糖類および増粘多糖類を加え
る工程とを組み合わせることを特徴とするスナック菓子
の製造方法であり、第2に、前記タンパク質分解酵素と
して、パパインおよびブロメラインのいずれか1種を小
麦粉100重量%に対して0.05〜0.1重量%使用
することを特徴とする請求項1に記載のスナック菓子の
製造方法であり、第3に、前記増粘多糖類としてジェラ
ンガム、グルコマンナン、アカシアガムのいずれか1種
または2種または3種を粉部100重量%に対して0.
3〜1.0重量%使用することを特徴とする請求項1に
記載のスナック菓子の製造方法であり、更に第4とし
て、前記二糖類としてマルトース、トレハロースのいず
れか1種または2種を食品原料100重量%に対して
1.0〜3.0重量%使用することを特徴とする請求項
1に記載のスナック菓子の製造方法である。
【0013】以下に本発明について、詳細に説明する。
本発明で使用する食品原料は、野菜、果実、きのこ、海
藻、魚貝および畜肉であれば、いずれもジュースあるい
はペースト状にして素材原料として使用することができ
るというのが基本的な考え方であるが、従来通り乾燥粉
末原料を水にもどして使うことも可能である。また、当
該食品原料は、その水分含量により粉部100重量%に
対して150〜500重量%使用することができるた
め、食品原料の持つ特徴を十分に再現可能である。更
に、本発明によれば、食品原料を必ずしも濃縮したり乾
燥させたりする必要がないため、それらの工程とコスト
を節約できるだけでなく、食品原料の持ち味として有す
る本来の色調や風味を損わずに利用できるという特徴を
持っている。また、水分含量が少ない食品原料について
は、水を添加し、あるいは水分含量が多い食品原料につ
いてはその一部を乾燥粉末にして加えることにより、最
終的なスナック生地の水分含量と食品原料の配合割合を
本発明の技術的範囲内に調節することができる。
【0014】本発明者らは、本発明のスナック菓子のテ
クスチャーを軽くし、更にスナック生地を膨化させるた
めには、タンパク質分解酵素としてブロメライン、パパ
イン等が必要であり、これを含有させることによりグル
テンを分解して、特有の粘弾性だけを消失させ、膨化阻
害を解消できることを見い出した。また、タンパク質を
酵素分解すると、苦味を呈する場合があるが、本発明で
使用したブロメラインとパパインの2つのタンパク質分
解酵素は、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸およ
びフェニルアラニン、チロシン等の芳香族アミノ酸のカ
ルボニル基側のペプチド結合を選択的に切断する特性が
あり、スナック生地に作用させた場合、苦味の発現を起
こさせないという特性も加味される。そして、これらタ
ンパク質分解酵素は、食品原料が酸性である場合はブロ
メラインを、酸性から弱アルカリ性にかけてのものはパ
パインを選択して用いることができる。
【0015】小麦粉に対するこれらの酵素の好ましい使
用量は、0.05〜0.1重量%(商品名:パパインW
−40、ブロメラインF。ともに天野製薬株式会社製)
の範囲である。0.05重量%未満では処理に時間がか
かり過ぎ、また0.1重量%を越える量を用いても処理
時間は短縮されない。
【0016】一般に、従来広く知られている膨張剤は、
熱処理することにより炭酸ガスやアンモニアガス等の気
体を発生してその効果を発揮するため、複数回の加熱処
理を行う製造工程には不適当であった。そこで膨張剤の
代りになるものとして、各種デンプン類、ゲル化剤、増
粘剤等を膨張助剤として種々検討した結果、増粘多糖類
のグルコマンナン、ジェランガム、アカシアガムをスナ
ック生地に含有させるという方法を見い出した。本発明
者らの研究によれば、これまで、菓子種式製法に増粘多
糖類を使って膨張助剤としての効果を得たという報告は
ない。上記した増粘多糖類の使用により、油揚げまたは
焙焼工程において、スナック生地を一層効果的に膨化さ
せることが可能となり、本発明の特徴である軽いテクス
チャーと口溶けの良さを実現できた。
【0017】このような本発明のスナック菓子製造方法
における増粘多糖類の作用は、粉部100重量%に対し
て0.3〜1.0重量%の範囲で発揮され、これよりも
低い場合は量的に不十分で膨化が起らず、逆に高い場合
は蒸練と成型の工程での作業性が極端に悪くなり、膨化
が小さくなる傾向が認められることから、上記の割合で
増粘多糖類を含有させることがスナック生地を膨化させ
るのに最適である。
【0018】一般に、スナック菓子やクッキーに糖類を
用いると、風味の保存性、退色防止性および防湿性を向
上させることが知られている。本発明者らは、本発明に
おけるスナック菓子において、製品本来の持つ風味、よ
り詳しくは使用した食品原料の持つ風味、色調をより長
持ちさせるための糖類について、単糖類、二糖類、三糖
類を用いて検討した結果、二糖類であるマルトースとト
レハロースが最も有効であることを見い出した。
【0019】これら二糖類について、さまざまな濃度で
試験を行った結果、スナック生地の食品原料100重量
%に対して1.0〜3.0重量%含有させることでその
効果が発揮できることを見い出した。また、これよりも
少量含有させた場合は十分にその効果が発揮されず、ま
た、これよりも多い場合は膨化に対する影響は少ないも
のの、蒸練後のスナック生地が柔かくなり付着性が増大
するため、作業性の点で問題が生ずる。
【0020】このようにして製造される本発明のスナッ
ク菓子は、種々の食品原料を用いることが可能であり、
その適用例は、野菜類として玉ねぎ、馬鈴薯、カボチ
ャ、グリンピース、トマト、ニンジン、ホウレン草、野
菜ジュース,果実類としてオレンジ、リンゴ、いちご、
グレープフルーツ,魚貝類としてエビ、イカ、ホタテ
貝、タラすり身,海藻類としてあまのり、コンブ、わか
め、あおさ、ひじき,キノコ類としてシイタケ、マッシ
ュルーム,肉類として豚肉、牛肉、鶏肉、等広汎な食品
を挙げることができる。また、本発明でいう粉部におけ
る小麦粉とは薄力粉、中力粉、強力粉より選択され、デ
ンプンについては馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、
トウモロコシデンプン、もちトウモロコシデンプンおよ
びそれらを原料とした加工デンプンより選ばれる。
【0021】
【実施例】次に実施例に基づいて、本発明を具体的に説
明する。 実施例1 小麦粉200重量部、パパイン0.1重量部、乳酸カル
シウム1.0重量部および水200重量部を混合し、4
0℃で30分間保持して酵素処理を行った。これにゆで
たグリンピースのペースト2,600重量部、マルトー
ス80重量部、およびもちトウモロコシデンプン400
重量部を加えて溶解させた後、タピオカデンプン400
重量部およびジェランガム10重量部を加えて均一に混
合した。これを100℃で10分間蒸練して、水分含量
約60重量%の生地を得た。このようにして得られた生
地におけるグリンピースペーストの割合は、粉部100
重量%に対して260重量%であった。更に、この生地
を1.0mmの厚さに圧延した後、10℃で12時間保
持して冷蔵硬化を行い、好みの形に裁断した。次に、生
地の水分含量が15〜20重量%になるまで40〜70
℃で通風乾燥し、更に生地の水分を均一にするため密封
して室温で1日放置し、グリンピーススナックの乾燥生
地を得た。次いで、この乾燥生地を150〜160℃に
熱した植物油で揚げることにより、グリンピーススナッ
クを得た。
【0022】比較例1 実施例1においてスナック生地成分にタンパク質分解酵
素を使用しないこと以外は、実施例1と同様な方法でグ
リンピーススナックを得た。
【0023】比較例2 実施例1においてスナック生地成分に増粘多糖類を使用
しないこと以外は、実施例1と同様な方法でグリンピー
ススナックを得た。
【0024】比較例3、4 実施例1においてマルトースの代りに単糖類として果糖
を使用すること(比較例3)、また三糖類としてガラク
トオリゴ糖を使用すること(比較例4)以外は、実施例
1と同様な方法によりグリンピーススナックを得た。
【0025】実施例1で得た本発明のグリンピーススナ
ックと、比較例1〜4のグリンピーススナックについて
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】スナック生地にタンパク質分解酵素を使用
しないと、膨化性が悪くなり、硬いテクスチャーとなっ
てしまう。同様に、増粘多糖類を用いないと、膨化が十
分に起らず硬いテクスチャーとなる。また、二糖類の代
りに単糖類、三糖類を用いると、色調と風味の保存性が
低下した。
【0028】実施例2 粉部1,000重量部に対して、ゆでたグリンピースの
ペースト3,500重量部と水485重量部を使用した
他は実施例1に準じて行った。なお、このようにして作
製したスナック生地のグリンピース含量は、粉部100
重量%に対して350重量%であった。
【0029】実施例3 粉部1,000重量部に対して、ゆでたグリンピースの
ペースト5,000重量部と水60重量部を使用し、小
麦粉200重量部に対して、このうちの水60重量部と
ゆでたグリンピースのペースト200重量部を混合して
酵素処理をした他は実施例1に準じて行った。なお、こ
のようにして作製したスナック生地のグリンピース含量
は、粉部100重量%に対して500重量%であった。
【0030】比較例5 粉部1,000重量部に対して、ゆでたグリンピースの
ペースト6,000重量部を使用し、小麦粉200重量
部に対して、水を加えることなく、ゆでたグリンピース
のペースト300重量部だけを混合して酵素処理をした
他は実施例1に準じて行った。なお、このようにして作
製したスナック生地のグリンピース含量は、粉部100
重量%に対して600重量%であった。
【0031】実施例1で得た本発明のグリンピーススナ
ックと、実施例2、3および比較例5のグリンピースス
ナックについて評価を行った。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】グリンピースペーストを粉部100重量%
に対し500重量%まで使用したものについては、グリ
ンピースの風味が良好に再現され、膨化性、テクスチャ
ー、作業性ともに好ましいものであったが、600重量
%に配合量を増やしたものは膨化性、テクスチャーおよ
び作業性が著しく低下した。
【0034】実施例4、5および比較例6〜11 実施例1において用いた増粘多糖類:ジェランガムの代
りにグルコマンナン(実施例4)、アカシアガム(実施
例5)、プルラン(比較例6)、キサンタンガム(比較
例7)、ペクチン(比較例8)、アルギン酸ナトリウム
(比較例9)、グァガム(比較例10)、タマリンドシ
ードガム(比較例11)を用いる以外は、実施例1と同
様の重量%および方法によりグリンピーススナックを得
た。
【0035】各種増粘多糖類を用いて作製したグリンピ
ーススナックについて評価を行った。その結果を表3に
示す。
【0036】
【表3】
【0037】ジェランガム、グルコマンナン、アカシア
ガムについては膨化性、テクスチャー、作業性ともに良
好であった。
【0038】実施例6 小麦粉400重量部、ブロメライン0.4重量部、乳酸
カルシウム0.4重量部を混合し、均一になるように攪
拌した後、ミキサーにかけたバレンシアオレンジ果肉入
りジュース2,000重量部とトレハロース20重量部
を混合して、40℃で30分間保持して酵素処理を行っ
た。これにもちトウモロコシデンプン300重量部、タ
ピオカデンプン300重量部およびジェランガム4重量
部を加えて均一に混合した。これを100℃で10分間
蒸練して、水分含量約63重量%の生地を得た。このよ
うにして得られた生地におけるバレンシアオレンジの割
合は、粉部100重量%に対して200重量%であっ
た。更に、この生地を0.9mmの厚さに圧延した後、
10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行い、好みの形で
裁断した。次に、生地の水分含量が15〜20重量%に
なるまで40〜70℃で通風乾燥し、更に生地の水分を
均一にするため密封して室温で1日放置し、オレンジス
ナックの生地を得た。次いで、この乾燥生地を150〜
160℃に熱した植物油で揚げることによりオレンジス
ナックを得た。この結果、得られたものは良好な膨化特
性を示し、軽快で口溶けの良い食感とオレンジの風味を
有し、色調も明るいオレンジ色であった。
【0039】実施例7 小麦粉1,000重量部、ブロメライン0.5重量部を
混合し、均一になるように攪拌した後、市販の野菜ジュ
ース1,800重量部とマルトース30重量部を混合し
て、40℃で30分間保持して酵素処理を行った。これ
にアカシアガム6重量部を加えて均一に混合した。これ
を100℃で10分間蒸練して、水分含量約61重量%
の生地を得た。このようにして得られた生地における野
菜ジュースの割合は、粉部100重量%に対して180
重量%であった。更に、この生地を0.8mmの厚さに
圧延した後、10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行
い、好みの形に裁断した。次に、生地の水分含量が15
〜20重量%になるまで40〜70℃で通風乾燥し、更
に生地の水分を均一にするため密封して室温で1日放置
し、野菜ジューススナックの生地を得た。次いで、この
乾燥生地を150〜160℃に熱した植物油で揚げるこ
とにより野菜ジューススナックを得た。この結果、得ら
れたものは良好な膨化特性を示し、軽快で口溶けの良い
食感と野菜ジュースの風味を有し、色調も明るいトマト
色であった。
【0040】実施例8 イカをペースト状にしたもの2,500重量部を主原料
として使用し、これに小麦粉500重量部、ブロメライ
ン0.5重量部および乳酸カルシウム0.6重量部を加
えてよく攪拌し、これを40℃で30分間保持して酵素
処理を行った。これにもちトウロモロコシデンプン30
0重量部、タピオカデンプン200重量部、グルコマン
ナン3重量部、ジェランガム3重量部、マルトース50
重量部および淡口しょうゆ40重量部を加えて混合し
た。これを100℃で10分間蒸練して、水分含量約5
9重量%の生地を得た。このようにして得られた生地に
おけるイカの割合は、粉部100重量%に対して250
重量%であった。更に、この生地を1.1mmの厚さに
圧延した後、10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行
い、好みの形に裁断した。次に生地の水分含量が15〜
20重量%になるまで通風乾燥し、更に生地の水分を均
一にするために密封して室温で1日放置し、イカスナッ
クの生地を得た。次いでこの乾燥生地を180〜190
℃に熱した食塩により焙焼し、イカスナックを得た。こ
の結果、得られたものは良好な膨化特性を示し、軽快で
口溶けの良い食感と、イカを焼いたような香ばしい風味
を持ったスナック菓子であった。
【0041】実施例9 生しいたけをペースト状にしたもの1,800重量部を
主原料として使用し、これに小麦粉200重量部、ブロ
メライン0.1重量部および乳酸カルシウム1.0重量
部を加えてよく攪拌し、これを40℃で30分間保持し
て酵素処理を行った。これにもちトウロモロコシデンプ
ン300重量部、馬鈴薯デンプン500重量部、ジェラ
ンガム10重量部およびマルトース20重量部を加えて
混合した。これを100℃で10分間蒸練して、水分含
量約63重量%の生地を得た。このようにして得られた
生地におけるしいたけの割合は、粉部100重量%に対
して180重量%であった。更に、この生地を1.0m
mの厚さに圧延した後、10℃で12時間保持して冷蔵
硬化を行い、好みの形に裁断した。次に生地の水分含量
が15〜20重量%になるまで通風乾燥し、更に生地の
水分を均一にするため密封して室温で1日放置し、しい
たけスナックの生地を得た。次いでこの乾燥生地を15
0〜160℃に熱した植物油で揚げることにより、しい
たけスナックを得た。この結果、得られたものは良好な
膨化特性を示し、軽快で口溶けの良い食感と、しいたけ
特有の味と香りを損なわずに有していた。
【0042】実施例10 小麦粉600重量部、パパイン0.6重量部、乳酸カル
シウム1.0重量部および水980重量部を混合し、4
0℃で30分間保持して酵素処理を行った。これに豚肉
をペースト状にしたもの2,000重量部、マルトース
10重量部、トレハロース20重量部、トウモロコシデ
ンプン200重量部、タピオカデンプン200重量部、
グルコマンナン5重量部およびアカシアガム5重量部を
加えて均一に混合し、再び40℃で30分間保持する。
これを100℃で10分間蒸練して、水分含量約58重
量%の生地を得た。このようにして得られた生地におけ
る豚肉の割合は、粉部100重量%に対して200重量
%であった。更に、この生地を1.0mmの厚さに圧延
した後、10℃で12時間保持して冷蔵硬化を行い、好
みの形に裁断した。次に、生地の水分含量が15〜20
重量%になるまで40〜70℃で通風乾燥し、更に生地
の水分を均一にするため密封して室温で1日放置し、豚
肉スナックの乾燥生地を得た。次いで、この乾燥生地を
150〜160℃に熱した植物油で揚げることにより、
豚肉スナックを得た。この結果、得られたものは良好な
膨化特性を示し、軽快で口溶けの良い食感と豚肉の風味
を有していた。
【0043】実施例11 裁断した乾燥のり170重量部に水1,600重量部を
加え、水分含量90重量%ののりペーストを作り、生の
りの性状を再現し、これを食品原料として用いた。これ
に小麦粉400重量部、ブロメライン0.2重量部およ
び乳酸カルシウム1.2重量部を加え良く攪拌し、40
℃で30分間保持して酵素処理を行った。これにもちト
ウモロコシデンプン400重量部、馬鈴薯デンプン20
0重量部、ジェランガム2重量部、グルコマンナン2重
量部、アカシアガム2重量部およびマルトース20重量
部を加えて均一に混合した。これを100℃で10分間
蒸練して、水分含量約62重量%の生地を得た。更に、
この生地を0.8mmの厚さに圧延した後、10℃で1
2時間保持して冷蔵硬化を行い、好みの形に裁断した。
次に、生地の水分含量が15〜20重量%になるまで4
0〜70℃で通風乾燥し、更に生地の水分を均一にする
ため密封して室温で1日放置し、のりスナック生地を得
た。この乾燥生地を150〜160℃に熱した植物油で
揚げることにより、のりスナックを得た。この結果、得
られたものは良好な膨化特性を示し、軽快で口溶けの良
い食感とのり特有の香り、色、味を再現することができ
た。
【0044】実施例12 小麦粉1,000重量部、ブロメライン1.0重量部、
すりおろした生じゃがいも3,000重量部と玉ねぎジ
ュース300重量部とを混合し、40℃で30分間保持
して酵素処理を行った。これに豚肉ペースト50重量
部、マルトース80重量部およびアカシアガム8重量部
を加えて混合し、再び40℃で30分間保持して酵素処
理を行った。これを100℃で10分間蒸練して、水分
含量約64重量%の生地を得た。このようにして得られ
た生地における数種の食品原料の割合は、粉部100重
量%に対して335重量%であった。更に、この生地を
1.0mmの厚さに圧延した後、10℃で12時間保持
して冷蔵硬化を行い、好みの形に裁断した。次に、生地
の水分含量が15〜20重量%になるまで40〜70℃
で通風乾燥し、更に生地の水分を均一にするため密封し
て室温で1日放置し、肉じゃが風スナックの乾燥生地を
得た。次いでこの乾燥生地を170〜180℃に熱した
植物油で揚げることにより、肉じゃが風スナックを得
た。この結果、得られたものは良好な膨化特性を示し、
軽快で口溶けの良い食感と肉じゃが風の味と風味を有し
ていた。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法により、請求項1に示した
食品原料をこれまでには考えられなかったほど多量に
(当該粉部に対し150〜500重量%)混合させるこ
とが可能となり、食品原料の持つ自然の色調、風味をス
ナック菓子として再現できる。
【0046】本発明に従い、スナック菓子の生地にタン
パク質分解酵素としてパパインおよびブロメラインのい
ずれか1種を加えることにより、小麦タンパク質による
スナック生地の膨化阻害を解消することが可能となる。
【0047】本発明に従い、膨化助剤として増粘多糖類
のジェランガム、グルコマンナン、アカシアガムのいず
れか1種または2種または3種をスナック生地に加える
ことにより、複数回の加熱工程を要する菓子種式スナッ
ク菓子製造方法においてもスナック生地を十分に膨化さ
せることが可能となる。
【0048】本発明に従い、スナック生地に二糖類とし
てマルトース、トレハロースのいずれか1種または2種
を加えることにより、食品原料の持つ色調と風味を長期
間保つことが可能となる。
【0049】本発明で使用する食品原料は必ずしも粉末
状にしたり、濃縮する必要がないため、それらの工程と
コストが節約されることとなり、たいへん経済的であ
る。
【0050】本発明は、単独の食品原料からスナック菓
子を作製することを可能にするだけでなく、実施例12
のように数種の食品原料を用いて、加工食品の持つ特有
の風味をスナック菓子として再現することが可能であ
る。
【0051】本発明により製造されるスナック菓子は、
食品原料の繊維質や他の栄養成分がそのまま含有されて
いるため、その栄養的価値は大きく、健康食品としての
意義も大きい。
【0052】また、本発明によるスナック菓子の食品原
料は、ジュース、ペースト状、粉末として使用できるた
め、変形等の規格外のために通常は廃棄され、流通経路
に乗らない農水産物も有効に利用することが可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−370064(JP,A) 特開 平4−152847(JP,A) 特開 昭62−115232(JP,A) 特開 昭60−30642(JP,A) 特開 昭57−144961(JP,A) 特開 昭53−59071(JP,A) 特開 平4−4845(JP,A) 特開 平2−273137(JP,A) 特開 平5−45(JP,A) 実開 昭60−8699(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23G 3/00 - 3/32 A21D 2/04 A21D 2/14 - 2/18 A21D 8/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉または小麦粉とデンプンの混合
    物、即ち粉部に、食品原料の野菜、果実、きのこ、海
    藻、魚貝および畜肉の1種または2種以上をジュースま
    たはペースト状にして加え適量の水分の存在下で蒸練
    し、水分含量50〜65重量%の生地を作製し、これを
    成型した後乾燥して油揚げまたは焙焼により製造するス
    ナック菓子の製造方法において、使用する前記食品原料
    の使用量が当該粉部100重量%に対して150〜50
    0重量%であり、かつ前記小麦粉にタンパク質分解酵素
    を水分の存在下に作用させる工程と、二糖類および増粘
    多糖類を加える工程とを組み合わせることを特徴とする
    スナック菓子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記タンパク質分解酵素として、パパイ
    ンおよびブロメラインのいずれか1種を小麦粉100重
    量%に対して0.05〜0.1重量%使用することを特
    徴とする請求項1に記載のスナック菓子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記増粘多糖類としてジェランガム、グ
    ルコマンナン、アカシアガムのいずれか1種または2種
    または3種を粉部100重量%に対して0.3〜1.0
    重量%使用することを特徴とする請求項1に記載のスナ
    ック菓子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記二糖類としてマルトース、トレハロ
    ースのいずれか1種または2種を食品原料100重量%
    に対して1.0〜3.0重量%使用することを特徴とす
    る請求項1に記載のスナック菓子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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