JP2824492B2 - 建築物における制振方式 - Google Patents

建築物における制振方式

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、建築物、とくに超高層建築において問題と
なる風圧力、地震力に対する制振方式に関する。
[従来の技術] 100階建クラスの超高層建築になると、風、地震に対
する居住性の観点から何等かの制振機構が必要となる。
米国では100階建クラスの超高層建築の建設実績がかな
りあり、例えば、ワールドトレードセンタービル(110
階、高さ約414m、周期約10秒)においては、梁の下弦材
約1万箇所に粘性ダンパーを組み込んで、建物全体の減
衰定数を約2%にし、平常時の建物頂部の変位振幅を約
1.3cm程度にしている。
この程度の大規模な建築物になると、その質量の大き
さ、振動エネルギーの大きさからして、マス・ダンパー
系の制振機構は、付加する振子を収納するスペースが大
きくなること及びその振幅が大きくなること(数m〜10
数m)など、実用面での問題点が多々存在する。そこ
で、本発明者は、摩擦によるエネルギー吸収能力の大き
いことに着目して、大規模な超高層建築物に適する制振
機構を特公昭56−23515号公報により提案した。
その原理を第7図および第8図により説明する。図は
摩擦によるエネルギー減衰装置のモデルおよび復元力特
性を示している。
第7図(a)において、梁Aに作用する荷重をP、梁
Aに作用する外力をF、変形量をx、バネによる梁Aの
復元力をkx、梁Aと滑り面Bとの間の摩擦係数をμとす
ると、 F=kx+μP の関係となり、梁Aの変形量xに対する復元力特性は
(b)図のようになる。しかしながら、この図のような
復元力特性のままでは、外力Fの大きさがを摩擦力μP
より大きくならないとエネルギー吸収能力を発揮しない
し、また、外力の作用がなくなると残留変形が残ること
になる。
そこで、微小変形から機能を発揮し、かつ、残留変形
が残らないように摩擦力を制御する機構、つまり摩擦力
が変位xに比例し、かつ梁の復元力より小さくなるよう
に工夫する。これを第8図(a)に示す。摩擦力を制御
するためのバネをk′、滑り面B′の傾斜角をθとする
と、 F=kx−εkx ε=μk′tanθ/k の関係となり、梁Aの変形量xに対する復元力特性は
(b)図のようになる。図において、変形量xを0→x1
→0→−x1→0と順次変化させると、外力Fは0→a→
b→0→c→d→0と順次変化する。そして、斜線部分
の面積が摩擦によって失われるエネルギーであり、この
エネルギー損失を振動論でいう減衰定数に等価的に換算
すると、等価減衰定数は、 h=ε/π となる。上記系における等価減衰定数の上限値は、理論
上約32%になり、前記したワールドトレードセンタービ
ルの2%減衰と比較して大きな減衰性能が得る可能性を
秘めている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、上記原理にもとずく具体的な建築物
における制振方式を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
そのために本発明の建築物における制振方式は、第1
図ないし第4図に示すように、柱1および梁2からなる
フレームにより形成される壁空間3と、該壁空間3の上
下方向に積層して配置される積層ブロック壁体5と、該
積層ブロック壁体5の各ブロック5aに形成された開口6
と、最上部および最下部のブロックに設けられた複数の
線材支持軸10、13と、前記各ブロックの開口6を貫通し
前記線材支持軸10、13により支持され、各ブロック5aを
締付固定してなる線材7とを有し、前記フレームに外力
が作用すると、積層ブロック壁体5の各ブロック間のず
れによって摩擦を生じさせ、入力してくる外力の振動エ
ネルギーを吸収させることを特徴としている。
なお、上記構成に付加した番号は、理解を容易にする
ために図面と対比させるためのもので、これにより本発
明の構成が限定されるものではない。
〔作用〕
本発明においては、例えば第5図に示すように、フレ
ームに地震力、風圧力等の外力が作用すると、積層ブロ
ック壁体5の各ブロック間のずれによって摩擦を生じさ
せ、入力してくる外力の振動エネルギーを吸収させる。
このとき、各ブロック間の摩擦力を層間変形量xにほぼ
比例させ、摩擦力がフレームの復元力よりも小さくなる
ようにして、フレームに残留変形を生じさせないように
している。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図は本発明の建築物における制振方式を示す正面
図、第2図は積層ブロック壁体の平面図、第3図は第1
図の要部拡大図、第4図は第3図のIV−IV線に沿う側面
図である。
鉄骨柱1および鉄骨梁2からなるフレームにより形成
される壁空間3には、複数のブロック5aを垂直方向に積
層した積層ブロック壁体5が設けられる。各ブロック5a
には、第2図に示すように、長手方向に開口6が形成さ
れ、該開口6内にPC鋼線、ワイヤーロープ等からなる複
数の線材7が貫通し、各ブロック5aを締め付けるように
構成している。
第3図および第4図に示すように、最上部のブロック
5aには、線材支持ブロック9が載置され、該線材支持ブ
ロック9に形成された溝9a内に線材支持軸10が挿入さ
れ、楔11により支持されている。そして、該線材支持軸
10を跨ぐようにエンドレス状の線材7が配置される。線
材7の下端は、前記線材支持ブロック9と同様の構成の
線材支持ブロック12の線材支持軸13により支持されてい
る。
前記線材支持ブロック12は、梁2に固定されると共
に、線材支持ブロック9は、楔11の作用により線材7を
締め付けるため、各ブロック5aが緊密に締め付けられる
ことになる。そして、第5図に示すように、フレームに
地震力、風圧力等の外力が作用すると、積層ブロック壁
体5の各ブロック間のずれによって摩擦を生じさせ、入
力してくる外力の振動エネルギーを吸収させる。このと
き、各ブロック間の摩擦力を層間変形量xにほぼ比例さ
せ、摩擦力がフレームの復元力よりも小さくなるように
して、フレームに残留変形を生じさせないようにしてい
る。
第5図は上記構成からなる制振方式の力学的構成図で
ある。
線材の断面積をA、線材のヤング係数をE、線材の初
期セット角度をθ、各ブロック間の摩擦係数をμ、層間
変形量をx、制振壁の高さをHとすると、 線材の発生張力Tは、 T=AE(x/H)sinθ・cosθ ブロック壁間への支圧力は、 P=AE(x/H)sinθ・cos2θ 摩擦力fは、 f=μAE(x/H)sinθ・cos2θ 制振壁への加力Fは、 F=AE(x/H)sinθ・cosθ(sinθ±cosθ) また、等価減衰定数hは下式で表される。
h=ε/π … ε=μ[(ν/(1+ν)]cosθ/sinθ ν=(AE/H)sin2θ・cosθ/kF (kFはフレームの復元力特性) 第6図は第1図の制振方式を100階建超高層建築に組
み込んだ例を示し、(a)は高層部基準階、(b)は中
層部基準階、(c)は低層部基準階の平面図を示し、図
中○印が制振機構の組み込み壁を示している。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、構造物の変形量を積層
ブロック壁体の各ブロック間のずれによって摩擦を生じ
させ、入力してくる外力の振動エネルギーを吸収させ
る。このとき、各ブロック間の摩擦力を層間変形量にほ
ぼ比例させ、摩擦力がフレームの復元力よりも小さくな
るようにして、フレームに残留変形を生じさせないよう
にしている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の建築物における制振方式を示す正面
図、第2図は積層ブロック壁体の平面図、第3図は第1
図の要部拡大図、第4図は第3図のIV−IV線に沿う側面
図、第5図は第1図の力学的構成図、第6図は制振機構
の配置図、第7図および第8図は摩擦によるエネルギー
減衰装置のモデルおよび復元力特性を示す図である。 1……柱、2……梁、3……壁空間、5……積層ブロッ
ク壁体、5a……ブロック、7……線材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱および梁からなるフレームにより形成さ
    れる壁空間と、該壁空間の上下方向に積層して配置され
    る積層ブロック壁体と、該積層ブロック壁体の各ブロッ
    クに形成された開口と、最上部および最下部のブロック
    に設けられた複数の線材支持軸と、前記各ブロックの開
    口を貫通し前記線材支持軸により支持され、各ブロック
    を締付固定してなる線材とを有し、前記フレームに外力
    が作用すると、積層ブロック壁体の各ブロック間のずれ
    によって摩擦を生じさせ、入力してくる外力の振動エネ
    ルギーを吸収させることを特徴とする建築物における制
    振方式。
JP1331784A 1989-12-21 1989-12-21 建築物における制振方式 Expired - Fee Related JP2824492B2 (ja)

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