JP2823524B2 - ガス圧縮膨張器のロッドシール機構 - Google Patents

ガス圧縮膨張器のロッドシール機構

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JP2823524B2
JP2823524B2 JP13140395A JP13140395A JP2823524B2 JP 2823524 B2 JP2823524 B2 JP 2823524B2 JP 13140395 A JP13140395 A JP 13140395A JP 13140395 A JP13140395 A JP 13140395A JP 2823524 B2 JP2823524 B2 JP 2823524B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストン及び/又はデ
ィスプレーサの摺動によって低温を発生させる冷凍装置
のガス圧縮膨張器であって、特にピストンロッドに付着
した潤滑オイルを除去し、潤滑オイルのピストン作動室
への侵入を防止するロッドシール機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子デバイス分野、バイオテクノロジー
分野等に於いて、各種試料、材料、赤外線センサー、超
伝導デバイス等を超低温で冷却、保存するための冷凍技
術の開発が望まれている。超低温を発生する冷凍装置と
して、ガス圧縮膨張器によって冷媒ガスを圧縮又は膨張
する装置が知られており、スターリング冷凍機、GMサ
イクル冷凍機等が挙げられる。これらのガス圧縮膨張器
を具えた冷凍装置は、優れた効率で超低温を実現するこ
とが出来る。
【0003】以下、スターリング冷凍機を例に挙げて説
明する。図5は、公知の2ピストン型のスターリング冷
凍機(1)であって、冷媒ガスが充填されたケーシング(1
0)中に、ピストン駆動室(11)が形成され、ガス圧縮器の
作用をする圧縮側ピストン作動室(2)及びガス膨張器の
作用をする膨張側ピストン作動室(3)がピストン駆動室
(11)に接続して配備されている。圧縮側ピストン作動室
(2)と膨張側ピストン作動室(3)は、クランク軸(12)に
対して略90°ずれて配置され、クランク軸(12)が反時計
方向に回転して、該クランク軸(12)へコネクティングロ
ッド(24)(34)、ピストンロッド(23)(33)を介して連繋し
た2つのピストン(22)(32)が、90°の位相差で摺動す
る。ピストン(22)(32)の摺動によって、圧縮室(20)、膨
張室(30)、ガス流通管(13)及び再生熱交換器(14)とから
なる空間(以下「表圧空間(16)」という)内部に充填さ
れたヘリウムガス等の冷媒ガスが圧縮室(20)及び膨張室
(30)で圧縮、膨張、移動を繰り返すことにより、圧縮室
(20)と膨張室(30)を連結するガス流通管(13)及び金属メ
ッシュを積層して構成された再生熱交換器(14)を通過、
移動し、膨張室(30)で超低温の冷凍を発生し、圧縮室(2
0)で高温を発生する。膨張室(30)で発生した超低温の冷
凍によって、上記各種デバイス等の冷却を行なう。
【0004】圧縮側ピストン作動室(2)について説明す
る。圧縮側ピストン作動室(2)には、冷媒ガスが充填さ
れたピストン作動室(2)と、該ピストン作動室(2)に摺
動可能に嵌合されたピストン(22)を具え、該ピストン(2
2)に嵌合したピストンリング(22a)によってピストン作
動室(2)は、表圧空間(16)と背圧空間(21)とに仕切ら
れ、表圧空間(16)は前記ガス流通管(13)に通じている。
ピストン駆動室(11)は、同様に冷媒ガスが充填され、動
力源(図示せず)の駆動によって回転するクランク軸(12)
が配備される。クランク軸(12)の回転を円滑に行なうた
めに、ピストン駆動室(11)の底部には、潤滑オイル(15)
が充たされており、クランク軸(12)に配備されたオイル
スプラッシャー(図示せず)等によって、クランク軸(12)
に潤滑オイル(15)を跳ね掛けている。ピストン(22)は、
ピストンロッド(23)及びコネクティングロッド(24)を介
して、クランク軸(12)に連繋している。背圧空間(21)と
ピストン駆動室(11)は、ピストンロッド(23)が往復移動
する貫通孔(26a)を具えたシール部材(26)によって仕切
られる。尚、背圧空間(21)は、膨張側ピストン作動室
(3)の背圧空間(31)とガス流路(図示せず)で接続されて
おり、クランク機構の駆動時に圧縮又は膨張して動力ロ
スとなる気密空間であって、膨張室(30)における極低温
の発生には関与しない。背圧空間(21)(31)は、ピストン
の摺動に伴って、図4の点線に示すごとき圧力変動を行
なう。
【0005】クランク軸(12)の回転によって、ピストン
(22)が上昇し、表圧空間(16)の容積を減少させる方向に
移動すると、表圧空間(16)の冷媒ガスが圧縮されてガス
流通管(13)に流出し、又、表圧空間(16)の容積を拡大さ
せる方向にピストン(22)が移動すると、ガス流通管(13)
から表圧空間(16)に冷媒ガスが流入する。膨張側ピスト
ン作動室(3)も同様に構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ピストン駆動室(11)内
部の冷媒ガスには、霧状となった潤滑オイルが浮遊して
いる。ピストン駆動室(11)内の潤滑オイルミストが混合
している冷媒ガスが、ピストン(22)の摺動による背圧空
間(21)とピストン駆動室(11)との差圧(図4の点線及び
一点鎖線に示す)によって背圧空間(21)に流入したり、
ピストンロッド(23)の往復移動によって、ピストンロッ
ド(23)に膜状に付着した潤滑オイルが背圧空間(21)に流
入することがあった。背圧空間(21)とピストン駆動室(1
1)とは、前述の通りシール部材(26)によって仕切られて
いるが、シール部材(26)のみで背圧空間(21)への潤滑オ
イルの侵入を防止することは困難であった。又ピストン
ロッド(23)に付着した潤滑オイルには、クランク機構の
摩耗による金属粉等が混ざっていることがある。金属粉
等がシール部材(26)とピストンロッド(23)との摺動部分
に付着したり、背圧空間(21)に侵入すると、シール効果
が薄れたり、ピストン(22)の摩耗が起こることがある。
【0007】更に、背圧空間(21)に侵入した潤滑オイル
が、ピストンリング(22a)で仕切られている表圧空間(1
6)に漏れた場合、表圧空間(16)に流入した潤滑オイル
は、ガス流通管(13)を通って再生熱交換器(14)に達し、
再生熱交換器(14)の金属メッシュに付着して、目詰りを
起こしたり、熱交換率の低下を招き、再生熱交換器(14)
の蓄冷能力を劣化させることがある。再生熱交換器(14)
の蓄冷能力の劣化は、冷凍装置の冷凍能力の劣化及び冷
凍装置の短命化の原因となる。これらの問題を回避する
には、潤滑オイルのピストン駆動室(11)から背圧空間(2
1)、即ちピストン作動室(2)への流出を防止すること
が、極めて重要である。
【0008】本発明の目的は、ピストンロッドに付着し
た潤滑オイルを除去し、潤滑オイルのピストン作動室へ
の侵入を防止するガス圧縮膨張器のロッドシール機構を
提供することである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】上記課題を解決するため
に、本発明のガス圧縮膨張器のロッドシール機構に於い
ては、仕切板(25)にはピストンロッド(23)を包囲する仕
切空間(4)を形成し、ピストン作動室(2)から仕切空間
(4)へのガス流のみを許容する逆止弁(61)を具えたガス
通路(6)によって仕切空間(4)とピストン作動室(2)を
連通する。仕切空間(4)を往復移動するピストンロッド
(23)の周面には1又は複数のオイル吸込口(51)を開設
し、該オイル吸込口(51)をピストンロッド(23)の内部に
貫通開設したオイル吸込孔(5)と連通し、オイル吸込孔
(5)の他端をピストン駆動室(11)と連通する。ピストン
駆動室(11)とピストン作動室(2)は、ピストン駆動室(1
1)からピストン作動室(2)へのガス流のみを許容する逆
止弁(71)及びオイルフィルター(72)を具えたガス通路
(7)によって連通する。
【0010】
【作用】クランク機構の駆動によって、ピストンロッド
(23)が往復移動してピストン(22)が摺動すると、ピスト
ン駆動室(11)内に浮遊する霧状となった潤滑オイルがピ
ストンロッド(23)に付着する。ピストンロッド(23)に付
着した潤滑オイル(15a)は、ピストンロッド(23)の往復
移動によって、仕切板(25)を越えて、仕切空間(4)に侵
入する。ピストン作動室(2)の圧力は、ピストン(22)の
摺動によって、例えば前述の図4の実線に示す背圧空間
(21)のように変動する。又、ピストン駆動室(11)は、ピ
ストンロッドの出没以外に容積を変動する機構がなく、
又容積が大きいため、圧力の変動は殆どない。仕切空間
(4)は、ピストン駆動室(11)とオイル吸込孔(5)によっ
て連通しているため、ピストン駆動室(11)と同圧であっ
て圧力変動がない。従って、ピストン作動室(2)の圧力
がピストン駆動室(11)の圧力よりも高くなると、逆止弁
(61)が開いて、ピストン作動室(2)の冷媒ガスがガス通
路(6)を通って仕切空間(4)に流入する。ピストン作動
室(2)から仕切空間(4)に冷媒ガスが流入すると、仕切
空間(4)のガス圧が高くなるが、仕切空間(4)とピスト
ン駆動室(11)とがオイル吸込孔(5)によって連通してい
るため、仕切空間(4)の冷媒ガスがオイル吸込口(51)か
らオイル吸込孔(5)を通ってピストン駆動室(11)に排出
される。このとき、ピストンロッド(23)に付着して仕切
空間(4)に侵入した潤滑オイル(15a)が、冷媒ガスと共
にオイル吸込口(51)から吸い込まれ、オイル吸込孔(5)
を通ってピストン駆動室(11)に排出される。
【0011】又、ピストンロッド(23)に付着して仕切空
間(4)に侵入した潤滑オイル(15a)が、仕切空間(4)に
て霧状となって冷媒ガス中に浮遊しても、オイル吸込孔
(5)に吸い込まれる冷媒ガスと共にピストン駆動室(11)
に排出され、又、シール部材(26)によって、ピストン作
動室(2)への潤滑オイルの侵入が防止されているため、
ピストン作動室(2)に潤滑オイルが侵入することはな
い。
【0012】ピストン(22)の摺動によって、ピストン作
動室(2)がピストン駆動室(11)よりも低圧となると、ガ
ス通路(7)の逆止弁(71)が開いて、ピストン駆動室(11)
の冷媒ガスがオイルフィルター(72)にて潤滑オイルを除
去されて、ピストン作動室(2)に流入する。
【0013】
【発明の効果】上記構成のガス圧縮膨張器のロッドシー
ル機構によれば、ピストン駆動室(11)内でピストンロッ
ド(23)に付着した潤滑オイルが、仕切空間(4)からピス
トン駆動室(11)に向かうガス流によって、ピストン駆動
室(11)に吹き戻される。従って、潤滑オイルのピストン
作動室(2)への侵入がなくなり、再生熱交換器(14)に潤
滑オイルが付着することによる冷凍能力の劣化及び短命
化が防止される。
【0014】又、本発明のロッドシール機構は、ピスト
ン(22)の摺動によるピストン作動室(2)とピストン駆動
室(11)との圧力差を利用しており、他の動力源等を必要
としない。従って、ガス圧縮膨張器の小型化も可能であ
る。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例につき、図面に沿って詳述
する。以下では、本発明をクランク機構によって駆動す
る2ピストン型のスターリング冷凍機(1)に適用した例
について述べるが、本発明はこれに限定されることな
く、例えば、1ピストン1ディスプレーサ型のスターリ
ング冷凍機、GMサイクル冷凍機等のガス圧縮及び/又
は膨張器、1シリンダ又は複数シリンダの空気圧縮器に
も適用でき、ピストン駆動機構もクランク機構に限定さ
れない。
【0016】先ず、スターリング冷凍機の基本構成につ
いて、図1に沿って説明する。スターリング冷凍機(1)
は、密閉されたケーシング(10)の内部に、ヘリウム、窒
素等の冷媒ガスが充填され、ピストン駆動機構としての
クランク機構を具えたピストン駆動室(11)と、クランク
機構によって摺動するピストン(22)(32)を夫々具えた2
つのピストン作動室(2)(3)が形成される。ピストン作
動室(2)(3)は、クランク機構のクランク軸(12)に対し
て、90°ずれて配備される。
【0017】ピストン駆動室(11)と、ピストン作動室
(2)(3)は、後述するロッドシール機構及びシール部材
(26)(36)を具えた仕切板(25)(35)によって仕切られてい
る。ピストン駆動室(11)の内部には、クランク軸(12)と
該クランク軸(12)に接続されたコネクティングロッド(2
4)(34)とから構成されるクランク機構が配備される。ク
ランク軸(12)の一端に、電動機、内燃機関等の動力源
(図示せず)が接続され、該動力源の回転駆動によってク
ランク軸(12)は回転する。クランク軸(12)の他端は、ケ
ーシング(10)に回転自由に支持される。ピストン駆動室
(11)の底部には、潤滑オイル(15)が充たされており、該
潤滑オイル(15)は、クランク軸(12)に配備されたオイル
スプラッシャー(図示せず)等によって、クランク機構に
跳ね掛けて、回転接続部を潤滑している。
【0018】2つのピストン作動室(2)(3)は、ピスト
ン(22)(32)によって2つの空間に夫々仕切られる。クラ
ンク軸(12)が反時計周りに回転したときに、90°位相が
進んで摺動するピストン(32)側のピストン作動室を膨張
側ピストン作動室(3)、該ピストン(32)を膨張側ピスト
ン(32)、他方のピストン作動室(2)を圧縮側ピストン作
動室(2)又、嵌装されるピストン(22)を圧縮側ピストン
(22)と呼ぶ。又、膨張側ピストン作動室(3)について、
ピストン駆動室(11)に近い方を膨張側背圧空間(31)、遠
い方を膨張室(30)とし、圧縮側ピストン作動室(2)につ
いて、ピストン駆動室(11)に近い方を圧縮側背圧空間(2
1)、遠い方を圧縮室(20)とする。各ピストン(22)(32)
は、ピストンロッド(23)(33)に接続される。ピストンロ
ッド(23)(33)は、仕切板(25)(35)の略中央部に開設され
た貫通孔(26a)(36a)を通って、コネクティングロッド(2
4)(34)と接続され、該コネクティングロッド(24)(34)が
前記クランク軸(12)に連繋される。ピストン(22)(32)の
外周面には、ピストンリング(22a)(32a)が嵌められてお
り、圧縮室(20)及び膨張室(30)と、背圧空間(21)(31)と
の間をシールしている。
【0019】圧縮室(20)と膨張室(30)とは、ガス流通管
(13)によって接続され、該ガス流通管(13)の流路中に
は、金属メッシュを積層した再生熱交換器(14)が配備さ
れる。圧縮室(20)と膨張室(30)、ガス流通管(13)及び再
生熱交換器(14)が占める空間を表圧空間(16)とする。
【0020】スターリング冷凍機(1)は、図示省略する
動力源の駆動によって、クランク軸(12)が回転し、2つ
のピストン(22)(32)が90°の位相差で摺動して、表圧空
間(16)で圧縮行程、等容移送行程、膨張行程、等容移送
行程からなる冷凍サイクルを繰り返して、圧縮室(20)で
圧縮熱を放出、膨張室(30)で冷媒ガスの膨張による吸熱
によって超低温を発生する。膨張室(30)で超低温となっ
た冷媒ガスは、ガス流通管(13)を通って圧縮室(20)に移
動するときに、再生熱交換器(14)を冷却する。又圧縮室
(20)にて高温化して移動する冷媒ガスが、再生熱交換器
(14)で放熱して冷却され膨張室(30)に流入する。
【0021】上記構成のスターリング冷凍機に、本発明
のロッドシール機構を配備する。図2及び図3は、図1
のスターリング冷凍機(1)の圧縮側背圧空間(21)とピス
トン駆動室(11)との仕切板(25)の周辺部の拡大図であ
る。膨張側にも同様の構成の機構が配備されている。仕
切板(25)のピストン(22)側には、ピストンロッド(23)を
包囲し、ピストン(22)側が開口するよう形成され、開口
部分を前記シール部材(26)にて閉じられている仕切空間
(4)が形成される。該仕切空間(4)のピストンロッド方
向の長さは、ピストン(22)のストロークよりも長く、後
述するオイル吸込口(51)は、仕切空間(4)内を往復移動
することが望ましいが、オイル吸込口(51)のピストン側
の移動限がシール部材(26)を越えなければよく、例え
ば、後述する鍔(53)をピストンロッド(23)に配備しない
構成とすると、ピストン駆動室(11)側の移動限は特に限
定されない。仕切板(25)には、背圧空間(21)と仕切空間
(4)とを連通するガス通路(6)が貫通開設され、該ガス
通路(6)には、背圧空間(21)から仕切空間(4)へのガス
流のみを許容する逆止弁(61)が配備される。
【0022】前記仕切空間(4)を往復移動するピストン
ロッド(23)の周面には、図2に示す如く、1又は複数の
オイル吸込口(51)が開設される。又、ピストンロッド(2
3)の内部には、オイル吸込孔(5)が開設されており、オ
イル吸込孔(5)の一端が、オイル吸込口(51)と連通して
いる。ピストンロッド(23)の周面のオイル吸込口(51)よ
りもピストン駆動室(11)側には、オイル吸込口(51)に向
けて1又は複数のオイル溝(52)が開設されており、ピス
トンロッド(23)に付着して仕切空間(4)に侵入した潤滑
オイル(15a)が、オイル溝(52)によってオイル吸込口(5
1)に導かれる。又、ピストンロッド(23)のオイル吸込口
(51)よりもピストン(22)側の周面に亘って、ピストンロ
ッド(23)に付着した潤滑オイル(15a)がピストン(22)方
向に移動することを阻止する鍔(53)が突設されている。
オイル吸込孔(5)の他端は、ピストンロッド(23)とコネ
クティングロッド(24)とを連結するピン(28)に向けて開
口しており、オイル吸込孔(5)に吸い込まれた潤滑オイ
ルが、ピストンロッド(23)とコネクティングロッド(24)
との連結部(29)の潤滑に利用される構成としている。
【0023】又、ピストン駆動室(11)と背圧空間(21)と
は、これらに夫々端部が接続されたガス通路(7)によっ
て連通しており、該ガス通路(7)には、オイルフィルタ
ー(72)と、ピストン駆動室(11)から背圧空間(21)へのガ
ス流のみを許容する逆止弁(71)が配備される。
【0024】上記構成のロッドシール機構の動作につい
て説明する。クランク軸(12)の回転駆動によって、ピス
トンロッド(23)が往復移動し、ピストン(22)がピストン
作動室(2)を摺動する。クランク軸(12)の回転駆動によ
って、図示省略するオイルスプラッシャー等によって潤
滑オイル(15a)が霧状となってピストン駆動室(11)内の
冷媒ガス中に浮遊する。該潤滑オイルの一部がピストン
ロッド(23)に付着し、ピストンロッド(23)の往復移動に
よって、潤滑オイル(15a)が仕切板(25)とピストンロッ
ド(23)との隙間から仕切空間(4)に侵入する。
【0025】ピストン(22)が摺動して、背圧空間(21)の
冷媒ガスの圧力が図4の区間Aに示す如く、ピストン駆
動室(11)よりも高圧となると、図2に示す如く、ガス通
路(6)に配備された逆止弁(61)が開放して仕切空間(4)
に冷媒ガスが流入する。ピストン駆動室(11)と仕切空間
(4)とはオイル吸込孔(5)によって連通しているため、
仕切空間(4)に侵入した冷媒ガスは、オイル吸込口(51)
からオイル吸込孔(5)を通ってピストン駆動室(11)に向
かうガス流となる。このとき、ピストンロッド(23)に付
着した状態で仕切空間(4)に侵入した潤滑オイルは、オ
イル吸込口(51)に向かうオイル溝(52)に沿って、オイル
吸込口(51)に流れ、前記ガス流によってオイル吸込口(5
1)に吸い込まれて、オイル吸込孔(5)からオイル吸込孔
(5)の他端開口であるピストンロッド(23)とコネクティ
ングロッド(24)との連結部(29)に達する。該連結部(29)
に達した潤滑オイルは、ピストンロッド(23)、コネクテ
ィングロッド(24)及びこれらを連結するピン(28)との潤
滑に用いられる。万一、ピストンロッド(23)に付着した
潤滑オイル(15a)がオイル吸込口(51)から吸い込まれず
に、ピストン(22)側に向かってもピストンロッド(23)に
突設された鍔(53)によって、潤滑オイル(15a)がピスト
ン方向に移動することを防止する。
【0026】更にクランク軸(12)が回転し、ピストン(2
2)が摺動して、背圧空間(21)の冷媒ガスの圧力が図4の
区間Bに示す如く、ピストン駆動室(11)よりも低圧とな
ると、図3に示す如く、ガス通路(6)に配備された逆止
弁(61)が閉じる。又、ピストン駆動室(11)と背圧空間(2
1)との差圧によって、ガス通路(7)に配備された逆止弁
(71)が開いて、ピストン駆動室(11)の冷媒ガスが、ガス
通路(7)のオイルフィルター(72)で潤滑オイルが除去さ
れて、背圧空間(21)に流入する。
【0027】ガス通路(6)及びガス通路(7)によって、
背圧空間(21)、ピストン駆動室(11)、仕切空間(4)を冷
媒ガスが循環するため、本発明のロッドシール機構を配
備することによって、背圧空間(21)(図4の実線)とピ
ストン駆動室(11)(図4の一点鎖線)との差圧が従来(図
4の点線)よりも小さくなる。従って、従来問題となっ
ていた背圧空間(21)の動力ロスを、圧力の平滑化によっ
て小さくすることが出来る。
【0028】上記構成のロッドシール機構によれば、ク
ランク軸(12)を駆動する動力源以外の駆動源を用いるこ
となく、ピストン(22)の摺動による背圧空間(21)とピス
トン駆動室(11)との差圧を利用して、仕切空間(4)にて
ピストンロッド(23)に付着した潤滑オイル(15a)をオイ
ル吸込口(51)及びオイル吸込孔(5)から吸い出すことが
出来、ピストン作動室(2)への潤滑オイルの侵入を阻止
できる。又、霧状となった潤滑オイルが冷媒ガス中に浮
遊して仕切空間(4)に侵入又は、ピストンロッド(23)に
付着した潤滑オイル(15a)が仕切空間(4)にて霧状とな
っても、仕切空間(4)からオイル吸込孔(5)を通ってピ
ストン駆動室(11)に至るガス流によって、ピストン駆動
室(11)に吐き出される。
【0029】更に、オイル吸込孔(5)に吸い込まれた潤
滑オイルは、ピストンロッド(23)とコネクティングロッ
ド(24)との連結部(29)の潤滑に用いることも出来るた
め、該連結部(29)への他の潤滑オイル供給手段を必要と
しない。又、万一オイル吸込口(51)から潤滑オイルが吸
い込まれずにピストンロッド(23)に付着した状態で、ピ
ストン方向に移動しても、鍔(53)によって潤滑オイル(1
5a)のピストン方向への移動が阻止され、更に仕切板(2
5)の背圧空間(21)側に配備されたシール部材(26)に
よって、背圧空間(21)への潤滑オイルの侵入が防止
されているため、ピストン作動室(2)に潤滑オイルが侵
入することがない。
【0030】膨張側ピストン作動室(3)とピストン駆動
室(11)との間の仕切板(35)にも同様の機構が配備されて
おり、同様に、潤滑オイルのピストン作動室(3)への侵
入が防止される。
【0031】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【0032】上記実施例では、ピストンロッド(23)のオ
イル吸込口(51)への潤滑オイルの流れを促進するため
に、オイル溝(52)及び鍔(53)を配備している。しかしな
がら、オイル吸込孔(51)への潤滑オイルの吸込力は多少
低下するが、オイル溝(52)及び/又は鍔(53)を配備しな
い構成とすることも出来る。
【0033】又、オイル吸込口(51)は、仕切空間(4)内
を往復移動することが望ましいが、オイル吸込口(51)の
ピストン側の移動限がシール部材(26)を越えなければよ
く、例えば、鍔(53)をピストンロッド(23)に配備しない
構成とすると、ピストン駆動室(11)側の移動限は特に限
定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロッドシール機構を具えたスターリン
グ冷凍機の断面図である。
【図2】ロッドシール機構の拡大断面図である。
【図3】ロッドシール機構の拡大断面図である。
【図4】背圧空間とピストン駆動室の圧力変動を示すグ
ラフである。
【図5】従来のスターリング冷凍機の断面図である。
【符号の説明】
(1) スターリング冷凍機 (11) ピストン駆動室 (2) 圧縮側ピストン作動室 (21) 圧縮側背圧空間 (23) ピストンロッド (25) 仕切板 (26) シール部材 (4) 仕切空間 (5) オイル吸込孔 (51) オイル吸込口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 9/14 520 F25B 9/14 510

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒ガスを圧縮、膨張及び/又は移動し
    て極低温を発生する冷凍機であって、ピストン駆動機構
    を収容するピストン駆動室(11)と、ピストン駆動機構に
    連繋されたピストンロッド(23)によって摺動するピスト
    ン(22)又はディスプレーサを具えたピストン作動室(2)
    とが、ピストンロッド(23)が貫通するシール部材(26)を
    具えた仕切板(25)によって仕切られるガス圧縮膨張器の
    ロッドシール機構に於いて、 仕切板(25)にはピストンロッド(23)を包囲する仕切空間
    (4)を形成し、ピストン作動室(2)から仕切空間(4)へ
    のガス流のみを許容する逆止弁(61)を具えたガス通路
    (6)によって仕切空間(4)とピストン作動室(2)を連通
    し、 仕切空間(4)を往復移動するピストンロッド(23)の周面
    に1又は複数のオイル吸込口(51)を開設し、該オイル吸
    込口(51)をピストンロッド(23)の内部に貫通開設したオ
    イル吸込孔(5)と連通し、オイル吸込孔(5)の他端をピ
    ストン駆動室(11)と連通し、 ピストン駆動室(11)とピストン作動室(2)を、ピストン
    駆動室(11)からピストン作動室(2)へのガス流のみを許
    容する逆止弁(71)及びオイルフィルター(72)を具えたガ
    ス通路(7)によって連通することを特徴とするガス圧縮
    膨張器のロッドシール機構。
  2. 【請求項2】 仕切空間(4)のピストン(22)側は開口し
    ており、該開口がシール部材(26)によって閉じられてい
    ることを特徴とする請求項1記載のガス圧縮膨張器のロ
    ッドシール機構。
  3. 【請求項3】 オイル吸込孔(5)のピストン駆動室(11)
    側の開口は、ピストンロッド(23)をピストン駆動機構に
    連繋する連結部(29)に向けて開口していることを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載のガス圧縮膨張器のロッ
    ドシール機構。
  4. 【請求項4】 仕切空間(4)を往復移動するピストンロ
    ッド(23)の周面には、オイル吸込口(51)に向けてオイル
    を導く1又は複数のオイル溝(52)が開設されていること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3記載のガス圧縮膨張
    器のロッドシール機構。
  5. 【請求項5】 仕切空間(4)を往復移動するピストンロ
    ッド(23)にはオイル吸込口(51)より上方のピストン(22)
    側に、オイルのピストン(22)方向への移動を阻止する鍔
    (53)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項4記載のガス圧縮膨張器のロッドシール機構。
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