JPH08291947A - スターリング冷凍機 - Google Patents

スターリング冷凍機

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JPH08291947A
JPH08291947A JP9489195A JP9489195A JPH08291947A JP H08291947 A JPH08291947 A JP H08291947A JP 9489195 A JP9489195 A JP 9489195A JP 9489195 A JP9489195 A JP 9489195A JP H08291947 A JPH08291947 A JP H08291947A
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pressure space
gas
crank chamber
back pressure
space
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JP9489195A
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Inventor
Yasuyuki Kuwaki
康之 桑木
Takafumi Nakayama
隆文 中山
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 背圧空間のガス圧力を一定且つクランク室の
ガス圧力より高くし、又、表圧空間への潤滑オイルの流
入を防ぎ、更に、装置の動力源の低振動、低騒音化にも
対応できるスターリング冷凍機を提供する。 【構成】 クランク室4と背圧空間32を連結管44にて接
続し、連結管44のクランク室4側端部にはクランク室4
の冷媒ガスを連結管44を介して背圧空間32に送る圧縮ガ
ス補給器5を具え、連結管44のガス流路中には、クラン
ク室4から背圧空間32へのガスの流入のみを許容する弁
56とオイルフィルター58が配備され、仕切板36には背圧
空間32からクランク室4へのガスの流出のみを許容する
逆止弁38を配備する。又、圧縮ガス補給器5としてロー
タリーコンプレッサ5aを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストン及び/又はデ
ィスプレーサの摺動によって低温を発生させるスターリ
ング冷凍機であって、特にクランク室から背圧空間及び
表圧空間への潤滑オイルの流入を防止するスターリング
冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、密閉空間に充填されたヘリウム、
窒素等の冷媒ガスを圧縮及び膨張させて低温を発生させ
る装置が知られている。該装置として、スターリング冷
凍機が挙げられる。スターリング冷凍機は、超低温を発
生させることが出来、各種赤外線センサー、超伝導デバ
イス等の冷却用、バイオメディカル用のフリーザー等に
利用されつつある。
【0003】図10は、2ピストン型のスターリング冷
凍機(1)であって、動力源(図示せず)に接続されたクラ
ンク機構の回転軸(41)の回転によって、2つのピストン
(23)(33)が90°の位相差で摺動する。冷媒ガスは、圧縮
室(21)と膨張室(31)で圧縮、膨張、又、ガス流通路(12)
と再生熱交換器(13)を介し、両室(21)(31)の移動を繰り
返して、膨張室(31)で超低温を発生し、圧縮室(21)から
高温を放熱する。以下、前記圧縮室(21)、膨張室(31)、
ガス流通路(12)及び再生熱交換器(13)の占める空間を
「表圧空間(30)」という。
【0004】スターリング冷凍機(1)は、表圧空間(30)
以外の空間、即ち背圧空間(22)(32)、クランク室(4)は
超低温を発生する冷凍サイクルに寄与しないため、冷媒
ガスの圧力変動による動力ロスが小さいことが望まし
い。クランク室(4)は、表圧空間(30)及び背圧空間(22)
(32)に比べて容積が大きく、又容積の変動もないため、
冷媒ガスの圧力値は一定である。背圧空間(22)(32)は、
背圧ガス流路(37)によって接続された空間であって、ピ
ストン(23)(33)によって表圧空間(30)と仕切られ、クラ
ンク室(4)とオイルシールを具えた仕切板(26)(36)によ
って仕切られている。背圧空間(22)(32)では、ピストン
(23)(33)の摺動による容積の変動により、図11に示す
如く、表圧空間(30)と逆位相の圧力変動が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図11は、従来のスタ
ーリング冷凍機(1)の表圧空間(30)、背圧空間(22)(3
2)、クランク室(4)の夫々の圧力変動を示している。表
圧空間(30)と背圧空間(22)(32)の圧力値は、前述の通り
逆位相であるため、ピストン(23)(33)の摺動に伴い、動
力源にかかる負荷の変動(図6の2点鎖線)が大きくな
り、スターリング冷凍機(1)の稼働時の振動及び騒音の
原因となる。
【0006】又、動力源の振動等の問題以外に、図11
の区間Eでは、表圧空間(30)の圧力値が、背圧空間(22)
(32)の圧力値よりも低くなっており、又、図11の区間
Fでは、背圧空間(22)(32)の圧力値がクランク室(4)の
圧力値よりも低くなっている。背圧空間(22)(32)は、表
圧空間(30)及びクランク室(4)と夫々仕切られてはいる
が、差圧が拡大すると、仕切り部分から冷媒ガスが漏れ
て他の空間に流入する。つまり、前記区間Eでは、背圧
空間(22)(32)から表圧空間(30)に、又、区間Fでは、ク
ランク室(4)から背圧空間(22)(32)に冷媒ガスが流入す
る。
【0007】クランク室(4)には、クランク機構の円滑
な動作のために潤滑オイル(14)が充たされており、クラ
ンク室(4)内の冷媒ガスには、霧状となった潤滑オイル
(14)が混合している。潤滑オイル(14)の混合した冷媒ガ
スが、前記の通り、クランク室(4)から、背圧空間(22)
(32)を介して表圧空間(30)に流入すると、再生熱交換器
(13)の金属メッシュに潤滑オイル(14)が付着して、金属
メッシュの目詰りを引き起こし、再生熱交換器(13)の蓄
冷能力が劣化し、スターリング冷凍機(1)の冷凍能力を
低減させるという問題があった。
【0008】そこで、他の駆動源によって、背圧空間(2
2)(32)に冷媒ガスを供給し、背圧空間(22)(32)の圧力を
図9に示す如く、一定に調節して、スターリング冷凍機
(1)を駆動すると、動力源に加わる負荷は、図6の1点
鎖線に示す如き波形となって、動力源に加わる負荷の変
動は小さくなる。しかしながら、他の駆動源を配備する
と、装置の大型化、振動及び騒音の拡大等が予想される
ため望ましくない。
【0009】本発明に於いては、上記問題に鑑み、背圧
空間のガス圧力を一定且つクランク室のガス圧力より高
圧として、表圧空間への潤滑オイルの流入を防ぎ、又、
表圧空間と背圧空間との差圧を小さくすることによっ
て、動力源に加わる負荷の変動を小さくし、装置の動力
源の低振動、低騒音化にも対応できるスターリング冷凍
機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】上記課題を解決するため
に、本発明のスターリング冷凍機(1)に於いては、クラ
ンク室(4)とシリンダ室(3)の背圧空間(32)を連結管(4
4)にて接続し、連結管(44)のクランク室(4)側端部には
クランク室(4)の冷媒ガスを連結管(44)を介して背圧空
間(32)に送る圧縮ガス補給器(5)を具え、該連結管(44)
のガス流路中に、クランク室(4)から背圧空間(32)への
ガスの流入のみを許容する弁(56)とオイルフィルター(5
8)が配備され、オイルシールを具えた仕切板(36)には、
背圧空間(32)からクランク室(4)へのガスの流出のみを
許容する逆止弁(38)を具える。
【0011】又、上記圧縮ガス補給器(5)として、ロー
タリーコンプレッサ(5a)を用い、該ロータリーコンプ
レッサ(5a)のロータ(51)を、クランク機構の回転軸(4
1)に偏心して配備する。ロータリーコンプレッサ(5a)
のガス吸入口(54)は、クランク室(4)と接続し、又、ガ
ス吐出口(55)は、連結管(44)と接続する。
【0012】
【作用】クランク室(4)内の冷媒ガスが圧縮ガス補給器
(5)によって高圧に圧縮され、しきい値を越えると弁(5
6)が開放して、圧縮ガス補給器(5)から連結管(44)に冷
媒ガスが流出する。該冷媒ガスは、オイルフィルター(5
8)を通過することにより潤滑オイル(14)が除去されて、
背圧空間(32)に供給される。背圧空間(32)に流入した冷
媒ガスのガス圧力がしきい値を越えると、仕切板(36)に
配備された逆止弁(38)が開放して、背圧空間(32)からク
ランク室(4)に冷媒ガスが流出する。前記弁(56)と逆止
弁(38)の開放しきい値を調節することによって、背圧空
間(32)のガス圧力を表圧空間(30)のガス圧力の平均値と
略一致し、且つクランク室(4)のガス圧力よりも高圧で
ある一定値に調節する。
【0013】圧縮ガス補給器(5)として、ロータリーコ
ンプレッサ(5a)を用いた場合、回転軸(41)の回転に伴
って、ロータ(51)が回転し、ロータリーコンプレッサ
(5a)のガス吸入口(54)からクランク室(4)の冷媒ガス
を吸引して、ロータ(51)によって圧縮し、圧縮された冷
媒ガスをガス吐出口(55)から連結管(44)を介して背圧空
間(32)に送り込む。
【0014】
【発明の効果】上記構成のスターリング冷凍機(1)によ
れば、背圧空間(32)に潤滑オイル(14)の除去された高圧
の冷媒ガスが供給される。背圧空間(32)に供給された冷
媒ガスの圧力は、連結管(44)に配備された弁(56)と仕切
板(36)に配備された逆止弁(38)によって、クランク室
(4)のガス圧力よりも高圧に保たれるため、クランク室
(4)から背圧空間(32)への冷媒ガスの流入が防止され、
冷媒ガスに混合している潤滑オイルの流入がなくなる。
従って、表圧空間(30)に潤滑オイルが流入することがな
く、スターリング冷凍機の冷凍能力の低下が防がれる。
更に、背圧空間(32)のガス圧力を表圧空間(30)のガス圧
力の平均値と略一致する値に保つことによって、表圧空
間(30)と背圧空間(32)との圧力差が小さくなるため、動
力源(10)にかかる負荷も軽減できる。
【0015】ロータリーコンプレッサ(5a)を用いた場
合には、ピストン(33)の駆動源がロータ(51)の駆動源を
兼ねるため、動力源(10)を新たに加える必要がない。
又、ロータ(51)の回転軸(41)への取り付け角度は、ピス
トン(33)の摺動による負荷が最小となる位置に、ロータ
リーコンプレッサ(5a)の最大負荷発生位置を合わせる
とにより、動力源(10)にかかる負荷の増加を最小限に
し、動力源(10)の動力を有効に活用することが出来、負
荷の平滑化を行なうことが出来る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図面に沿っ
て詳述する。尚、圧縮ガス補給器(5)として、ロータリ
ーコンプレッサ(5a)を用いる。図1は、2ピストン型
のスターリング冷凍機(1)を示すものであって、説明を
分かりやすくするため、ロータリーコンプレッサ(5a)
が配備されているケーシング(11)の壁を取り除いて、ロ
ータリーコンプレッサ(5a)のカバー(52)の一部及び連
結管(44)を断面している。又、図2は、図1の装置を線
X−Xに沿って断面して矢印方向に視た図である。ケー
シング(11)によって密閉された空間には、ヘリウム、窒
素等の冷媒ガスが充填されている。ケーシング(11)の内
部には、クランク室(4)と、回転軸(41)に対して90°ず
れて配置された2つのシリンダ室(2)(3)が形成され
る。シリンダ室(2)(3)とクランク室(4)は、樹脂製の
オイルシールを具える仕切板(26)(36)によって仕切られ
ている。又、シリンダ室(2)(3)は、内部に嵌められた
ピストン(23)(33)のピストンリング(23a)(33a)によって
仕切られ、ピストン(23)(33)の前後に表圧空間(30)と背
圧空間(22)(32)を形成している。
【0017】クランク室(4)には、回転可能に回転軸(4
1)が配備され、一端が電動機、内燃機関等の動力源(10)
に接続される。回転軸(41)には、クランクアーム(42)に
よって回転中心から偏心した位置にクランクピン(43)を
連繋し、該クランクピン(43)に2つのコネクティングロ
ッド(25)(35)及びピストンロッド(24)(34)を具えるクラ
ンク機構を配備している。各ピストンロッド(24)(34)の
自由端には、ピストン(23)(33)が接続される。回転軸(4
1)の回転によって、ピストン(23)(33)は90°の位相差で
摺動する。クランク室(4)の底部には、クランク機構の
潤滑のための潤滑オイル(14)が充たされている。
【0018】以下、回転軸(41)が図1の紙面に向って反
時計周りに回動したときに、位相が90°進んでいるピス
トン(33)の摺動するシリンダ室(3)の表圧空間(30)を
「膨張室(31)」、他方のシリンダ室(2)の表圧空間(30)
を「圧縮室(21)」という。又、圧縮室(21)を摺動するピ
ストンを高温側ピストン(23)、膨張室(31)を摺動するピ
ストンを低温側ピストン(33)とし、高温側ピストン(23)
及び低温側ピストン(33)について、クランク室(4)に最
も近づいた状態を下死点、クランク室(4)から最も遠ざ
かった状態を上死点とする。又、上死点と下死点の中間
の位置を中点とする。
【0019】圧縮室(21)と膨張室(31)は、ガス流通路(1
2)によって接続され、ガス流通路(12)中には、金属メッ
シュを積層した再生熱交換器(13)を具えている。又、2
つのシリンダ室(2)(3)に形成された背圧空間(22)(32)
は、背圧ガス流路(37)によって冷媒ガスが自由に流通す
るよう接続され、両背圧空間(22)(32)のガス圧力は同一
となっている。オイルシールを具えた仕切板(36)には、
背圧空間(32)からクランク室(4)側への冷媒ガスの流入
のみを許容する逆止弁(38)が配備されている。該逆止弁
(38)は、バネ(39)によって付勢されており、クランク室
(4)と背圧空間(22)(32)との圧力差が後述する開放しき
い値を越えるとクランク室(4)側に向けて開放する。
【0020】ケーシング(11)の外周面の動力源(10)の配
備されていない回転軸(41)の端部には、ロータリーコン
プレッサ(5a)が配備される。ロータリーコンプレッサ
(5a)は、図1乃至図3に示す如く、円形の空間(52a)を
有するカバー(52)と、該空間(52a)と同じ厚さの円盤状
のロータ(51)及び、空間(52a)の内面からロータ(51)に
向けてバネ付勢されたベーン(53)とから構成される。ロ
ータ(51)は回転軸(41)に偏心して配備され、ロータ(51)
の移行路を囲むようにカバー(52)の円形空間(52a)が形
成される。ベーン(53)の両側のカバー(52)には、空間(5
2a)とクランク室(4)を接続するガス吸入口(54)と、空
間(52a)と連結管(44)を接続するガス吐出口(55)が開設
される。ベーン(53)は、バネ付勢によってロータ(51)の
外周面に常に当接している。
【0021】ロータリーコンプレッサ(5a)のガス吐出
口(55)に連結管(44)の一端が接続され、連結管(44)の他
端は背圧空間(32)に接続している。連結管(44)の管路中
には、オイルフィルター(58)が配備される。又、ガス吐
出口(55)には、円形空間(52a)から連結管(44)への冷媒
ガスの流出のみを許容するバネ付勢された逆止弁(56)が
配備されている。該逆止弁(56)の開放しきい値について
は以下で説明する。
【0022】本発明のスターリング冷凍機(1)の動作に
ついて説明する前に、連結管(44)に配備された逆止弁(5
6)と、仕切板(36)に配備された逆止弁(38)の開放しきい
値について説明する。背圧空間(22)(32)のガス圧力は表
圧空間(30)の冷媒ガスの圧力の平均値と略一致すること
が望ましい。従って、連結管(44)に配備された逆止弁(5
6)は、ロータリーコンプレッサ(5a)で圧縮された背圧
空間(22)(32)のガス圧力が前記平均値に達すると開放
し、又平均値以下となると閉じるようバネのバネ定数を
調節する。又同様に仕切板(36)に配備された逆止弁(38)
は、背圧空間(22)(32)のガス圧力が平均値を越える、即
ち背圧空間(22)(32)とクランク室(4)との差圧が所定値
を越えると開放し、平均値以下、即ち差圧が所定値以下
となると閉じるようにバネ(39)のバネ定数を調節する。
【0023】先ず、スターリング冷凍機(1)の冷凍発生
の原理について説明し、次にロータリーコンプレッサ
(5a)の動作について説明した後、背圧空間(22)(32)の
圧力変動及び動力源(10)の負荷の変動について説明す
る。スターリング冷凍機(1)は、90°の位相差のある2
つのピストン(23)(33)の摺動によって、冷媒ガスを圧
縮、膨張及び圧縮室(21)と膨張室(31)間を移動させて超
低温を発生させている。この行程は4段階に分けること
が出来る。高温側ピストン(23)及び低温側ピストン(33)
の変位は、図7で示される。又、圧縮室(21)及び膨張室
(31)の容積の変動及び表圧空間(30)の容積の変動は、図
8で示される。
【0024】図7及び図8の区間Aは、圧縮行程であっ
て、表圧空間(30)の容積が減少する状態にある。このと
き、圧縮室(21)を形成するケーシング(11)の外周面に具
えられた熱交換器(図示せず)から圧縮熱が放出される。
区間Bは、低温側ピストン(33)が上死点付近から中点方
向に向って移動し、高温側ピストン(23)が中点付近から
上死点方向に向って移動する等容行程であって、表圧空
間(30)の容積は大きく変動しない。このとき、圧縮室(2
1)からガス流通路(12)及び再生熱交換器(13)を通って、
膨張室(31)に冷媒ガスが移動する。膨張室(31)に移動す
る冷媒ガスは、後述する区間Dにて冷却された再生熱交
換器(13)を通過することによって、再生熱交換器(13)に
熱を放出し、冷却されて膨張室(31)に流入する。
【0025】区間Cは、膨張行程であり、表圧空間(30)
の容積は拡大する状態にある。冷媒ガスの膨張にともな
って、冷媒ガスの温度が低下する。このため、膨張室(3
1)を形成するケーシング(11)の外周面に具えられた熱交
換器(図示せず)から熱を吸収する。この吸熱が冷凍能力
に相当する。区間Dは、低温側ピストン(33)が下死点付
近から中点方向に向って移動し、高温側ピストン(23)が
中点付近から下死点方向に向って移動する等容行程であ
って、表圧空間(30)の容積は大きく変動しない。このと
き、膨張室(31)からガス流通路(12)及び再生熱交換器(1
3)を通って、圧縮室(21)に冷媒ガスが移動する。超低温
に冷却されている膨張室(31)の冷媒ガスは、再生熱交換
器(13)を通過することによって、再生熱交換器(13)を冷
却する。この後、再度区間Aに移行する。上記区間A乃
至区間Dからなる冷凍サイクルを継続することによっ
て、膨張室(31)にて超低温を発生する。
【0026】次に、ロータリーコンプレッサ(5a)の動
作原理を図3乃至図5に沿って説明する。ロータ(51)が
ベーン(53)をカバー(52)側に完全に押し出していると
き、冷媒ガスの吸入及び吐出は行なわれない。このと
き、弁(56)は閉じている。回転軸(41)が図3に向かって
反時計周りに回転すると、ロータ(51)が回転し、ガス吸
入口(54)から図4の空間Aに冷媒ガスを吸入する。この
とき、空間Bでは、すでに空間Bに吸入された冷媒ガス
の圧縮が開始される。ロータ(51)が更に回転して、空間
Bでの冷媒ガスの圧縮が進むと、空間Bのガス圧力が連
結管(44)のガス圧力よりも大きくなり(図5)、弁(56)が
開放しきい値を越えると開放して冷媒ガスがガス吐出口
(55)から連結管(44)に流出する。このとき、空間Aでは
冷媒ガスの吸入が続いている。ロータ(51)が更に回転し
てロータ(51)とカバー(52)の当接部分がガス吐出口(55)
を通過するまで冷媒ガスの吸入及び吐出が継続される。
ロータ(51)がガス吐出口(55)を通過すると、再度図3の
状態に戻って、上記動作が継続される。ロータリーコン
プレッサ(5a)を駆動するために必要な負荷の変動は、
図6に示す如く、空間Bの冷媒ガスの圧縮と共に増大
し、弁(56)が開放している間は一定値を保持している。
ロータリーコンプレッサ(5a)の負荷の1周期は、回転
軸(41)の1回転に対応している。
【0027】上記ロータリーコンプレッサ(5a)が配備
されたスターリング冷凍機(1)の背圧空間(22)(32)の圧
力変動について説明する。動力源(10)を駆動すると、ク
ランク室(4)の冷媒ガスが、ロータリーコンプレッサ
(5a)に吸入、圧縮されて、オイルフィルター(58)で潤
滑オイル(14)が除去された後、背圧空間(22)(32)に供給
される。背圧空間(22)(32)のガス圧力は、冷媒ガスがロ
ータリーコンプレッサ(5a)から供給されると高圧とな
るが、仕切板(36)に配備された逆止弁(38)の開閉によっ
て、所定しきい値を越えると冷媒ガスがクランク室(4)
に流出する。弁(38)(56)の調整によって背圧空間(22)(3
2)の冷媒ガスの圧力変動は、図9の実線に示す如く表圧
空間(30)の圧力の変動値の平均値と略一致し、クランク
室(4)のガス圧力よりも高圧である一定値とすることが
出来る。
【0028】クランク室(4)のガス圧力よりも背圧空間
(22)(32)のガス圧力を高圧とすることによって、クラン
ク室(4)の冷媒ガスが仕切板(26)(36)から漏れて背圧空
間(22)(32)に流入することがない。従って、背圧空間(2
2)(32)に潤滑オイル(14)が流入することがなく、又、表
圧空間(30)にも潤滑オイル(14)が流入することはなく、
再生熱交換器(13)の蓄冷能力低下等が発生することはな
い。
【0029】次に、上記ロータリーコンプレッサ(5a)
が配備されたスターリング冷凍機(1)の動力源(10)の負
荷変動について説明する。ロータリーコンプレッサ(5
a)とピストン(23)(33)の駆動源と同一にした場合、動力
源(10)にかかる負荷の増加が問題となる。上述の通り、
ロータリーコンプレッサ(5a)により背圧空間(22)(32)
に供給される冷媒ガスによって、背圧空間(22)(32)のガ
ス圧力は略一定であるため、動力源(10)に加わる負荷
は、前述の他の駆動源によって、背圧空間(22)(32)に冷
媒ガスを供給した場合に動力源(10)に加わる負荷(図6
の1点鎖線)に、ロータリーコンプレッサ(5a)を駆動す
る負荷を加えた総合負荷となる。総合負荷の増大は、動
力源(10)の大型化を招くため、小さい方が望ましい。従
って、本発明では、総合負荷を最小限に留めるために、
ロータリーコンプレッサ(5a)の駆動に必要な負荷の最
大値と、背圧空間(22)(32)の圧力一定の場合の負荷の最
小値とを、図6に示す如く一致させている。これによ
り、図6に示す通り、総合負荷の振幅が従来のスターリ
ング冷凍機(1)と比較して、平滑化されている。従っ
て、スターリング冷凍機(1)の駆動時の振動、騒音が低
減されることが解る。
【0030】負荷の変動を更に平滑化するために、ロー
タリーコンプレッサ(5a)のロータ(51)と位相が180°ず
れたロータB(図示せず)を取り付けたツインロータリー
コンプレッサを用いることも出来る。ツインロータリー
コンプレッサの負荷変動は、夫々のロータ(51)、ロータ
Bの負荷変動(図6に示す)を合成した波形(図6に示す)
で表わされ、これらをピストン(23)(33)を摺動させるた
めの負荷(図6の2点鎖線)と合成すると、図6の1点鎖
線に示す如き波形となる。従って、1基のロータを配備
した場合に比べて、更に負荷変動が平滑化することが解
る。
【0031】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【0032】上記実施例では、ロータリーコンプレッサ
(5a)をケーシング(11)外部に配置したがケーシング(1
1)の内部に配置することも出来るし、連結管(44)を高温
側背圧空間(22)に接続することも出来る。又、本発明
は、2ピストン型のスターリング冷凍機に限定されず、
例えば、1ピストン1ディスプレーサ型等のスターリン
グ冷凍機にも適用できる。
【0033】又、圧縮ガス補給器(5)として、ロータリ
ーコンプレッサ(5a)を例に挙げたが、回転軸(41)を駆
動源として供用できるコンプレッサ、例えば、レシプロ
式コンプレッサや、スクロール式コンプレッサ等をロー
タリーコンプレッサ(5a)に換えて取り付けて、動力源
(10)の負荷が小さい値となる位置と、コンプレッサの負
荷が最大となる位置を一致させることによって、動力源
(10)にかかる負荷の平滑化等、同様の効果を得ることが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスターリング冷凍機の断面図である。
【図2】図1の装置の線X−Xに沿う矢視断面図であ
る。
【図3】ロータリーコンプレッサの断面図である。
【図4】ロータリーコンプレッサの断面図である。
【図5】ロータリーコンプレッサの断面図である。
【図6】動力源の負荷変動を示すグラフである。
【図7】ピストンの変位を示すグラフである。
【図8】表圧空間、圧縮室及び膨張室の容積変動を示す
グラフである。
【図9】表圧空間、背圧空間及びクランク室の圧力変動
を示すグラフである。
【図10】従来のスターリング冷凍機の断面図である。
【図11】従来のスターリング冷凍機の表圧空間、背圧
空間及びクランク室の圧力変動を示すグラフである。
【符号の説明】
(1) スターリング冷凍機 (2) シリンダ室 (21) 圧縮室 (22) 背圧空間 (23) ピストン (3) シリンダ室 (31) 膨張室 (32) 背圧空間 (33) ピストン (38) 逆止弁 (4) クランク室 (44) 連結管 (5a) ロータリーコンプレッサ (51) ロータ (56) 弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒ガスが充填されたケーシング(11)に
    よって形成される密閉空間に、ピストン(33)が摺動可能
    に嵌められるシリンダ室(3)と、ピストン(33)を摺動さ
    せるクランク機構が配備されるクランク室(4)が仕切板
    (36)によって仕切られて形成され、シリンダ室(3)はピ
    ストン(33)の前後に表圧空間(30)と背圧空間(32)を形成
    しているスターリング冷凍機に於いて、クランク室(4)
    とシリンダ室(3)の背圧空間(32)は連結管(44)にて接続
    され、連結管(44)のクランク室(4)側の端部には、クラ
    ンク室(4)中の冷媒ガスを連結管(44)を介して背圧空間
    (32)に送る圧縮ガス補給器(5)を具え、連結管(44)のガ
    ス流路中には、クランク室(4)から背圧空間(32)への冷
    媒ガスの流入のみを許容する弁(56)とオイルフィルター
    (58)が配備され、仕切板(36)には、背圧空間(32)からク
    ランク室(4)への冷媒ガスの流出のみを許容する逆止弁
    (38)が配備されることを特徴とするスターリング冷凍
    機。
  2. 【請求項2】 圧縮ガス補給器(5)は、ロータリーコン
    プレッサ(5a)であって、該ロータリーコンプレッサ
    (5a)のロータ(51)は、クランク機構の回転軸(41)に
    偏心して配備されることを特徴とする請求項1記載のス
    ターリング冷凍機。
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