JP2822786B2 - 音声モード識別信号発生回路 - Google Patents

音声モード識別信号発生回路

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JP2822786B2
JP2822786B2 JP4163729A JP16372992A JP2822786B2 JP 2822786 B2 JP2822786 B2 JP 2822786B2 JP 4163729 A JP4163729 A JP 4163729A JP 16372992 A JP16372992 A JP 16372992A JP 2822786 B2 JP2822786 B2 JP 2822786B2
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薫 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイビジョン信号を記
録するVTRにかかり、特にステレオ,モノラル,2カ
国語などの音声モードを識別するための音声モード識別
信号を発生する音声モード識別信号発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイビジョンの音声信号には、ステレ
オ,2カ国語,サラウンドなど20数通りの音声モード
が設定されている。この音声モード識別信号は、送信側
から送られており、受信側でデコードされて再生時に利
用される。ハイビジョン放送を一度VTRに記録して再
生するような場合は、この音声モード識別信号も正しく
VTRに記録する必要があり、映像信号や音声信号とは
別に何らかの音声モード識別信号を設けて機器間でやり
とりする必要が生ずる。
【0003】ハイビジョンにおける音声モード識別信号
としては、いわゆるMUSE(Multiple Sub-Nyquist S
ampling Encode)デコーダから出力されるMUSEビッ
トストリームがある。図5の一般的なハイビジョン放送
システムに基づいて説明すると、放送局10から送信さ
れたMUSE信号は、送信アンテナ12,放送衛星1
4,受信アンテナ16を経て衛星放送受信機18で受信
される。受信信号は、一方においてMUSEデコーダ2
0に入力され、ここでデコードされてアナログの映像信
号,音声信号,及びディジタルのMUSEビットストリ
ームが各々CRT22に各々供給される。CRT22で
は、MUSEビットストリーム中に含まれている音声モ
ード識別信号に基づいて音声モードが識別され、識別さ
れた音声モードに基づいて音声の再生が行われる。
【0004】他方、衛星放送受信機18から出力された
MUSE信号又はMUSEデコーダ20から出力された
MUSEビットストリームなどは、録画する必要があれ
ばMUSE・VTR24にも供給される。MUSE・V
TR24は、例えば図6に示すように構成されており、
スイッチ部26の切り換えによって衛星放送受信機1
8,MUSEデコーダ20のいずれの出力にも対応でき
る。衛星放送受信機18から供給されたMUSE信号
は、MUSEデコーダでデコードされて映像信号,音声
信号,及び音声モード識別信号を含むMUSEビットス
トリームが各々出力される。
【0005】最初に、記録時の動作から説明する。MU
SEデコーダ20又は28から出力された映像信号は、
スイッチ部26を介して映像信号処理回路30に供給さ
れ、ここでプリエンファシス,FM変調などの処理が行
われて記録アンプ32に出力される。MUSEデコーダ
20又は28から出力された音声信号は、スイッチ部2
6を介して音声信号処理回路34に供給され、ここで符
号化などの処理が行われて記録アンプ32に出力され
る。
【0006】MUSEデコーダ20又は28から出力さ
れたMUSEビットストリームは、スイッチ部26を介
してMUSEビットストリーム/音声モード識別信号デ
コーダ36に供給され、ここで音声モードの制御信号が
検出されて全体の動作を制御するマイクロコンピュータ
38に出力される。この制御信号は、マイクロコンピュ
ータ38から制御信号発生/検出回路40を介して記録
アンプ32に供給される。記録アンプ32では入力信号
が増幅され、増幅後の信号は記録ヘッド42によってビ
デオテープ44に記録される。
【0007】次に、再生時の動作について説明する。再
生ヘッド46によってビデオテープ44から再生された
信号は、プリアンプ48で増幅された後、前記制御信号
発生/検出回路40,映像信号処理回路50,音声信号
処理回路52に各々供給される。制御信号発生/検出回
路40では、入力信号から音声モードなどの制御信号が
検出され、マイクロコンピュータ38にその制御信号が
送られる。マイクロコンピュータ38では、その制御信
号に更にアフレコなどの情報が付加され、音声モード識
別信号発生回路54に送られる。
【0008】音声モード識別信号発生回路54では、述
する予め決められたフォーマットに従って音声モード識
別信号が発生され、これが音声信号処理回路52の音声
出力とともにMUSEビットストリームエンコーダ56
に入力される。このエンコーダ56では、入力信号に基
づいてMUSEビットストリームが生成され、図示しな
い他のMUSE・VTRなどに出力される。映像信号処
理回路50ではFM復調などの処理が行われ、再生され
たハイビジョン映像信号が出力される。また、音声信号
処理回路52でも必要な処理が行われ、処理後の音声信
号が出力される。
【0009】このように、MUSEビットストリーム
は、映像信号や音声信号とともにMUSEデコーダ20
又は28から出力されており、MUSE信号に時間圧縮
多重されたディジタルの音声データ信号の時間軸を伸張
して連続したディジタル信号とし、これにバイフェーズ
マーク変調が行なわれた信号である。バイフェーズマー
ク変調を除けば新たに追加する回路が少ないため、ディ
ジタルの音声データ出力には好都合である。また、誤り
訂正符号が付加されているので、正しいデータ伝送を行
うことができる。
【0010】図7(A)には、8ビット4チャンネルの
Aモードの場合のMUSEビットストリームのビット配
分が示されており、先頭から16ビットのフレーム同期
信号,22ビットの制御符号となっており、更にレンジ
ビットが16ビット,データビットが512ビット,レ
ンジビットが16ビット,データビット512ビット,
独立データ128ビット,訂正符号128ビットとなっ
ている。これら全体で合計1350ビットとなり、この
1350ビットをフレームと呼び、更に36フレームを
マスタフレームと称している。これらのうち、制御符号
の各ビットの制御内容は、例えば次の表1のようになっ
ており、音声形式の6ビットによって音声モードが表わ
されている。
【0011】
【表1】
【0012】次に、MUSEビットストリーム中の音声
データや独立データには、訂正符号BCH(82,7
4)が適用されている。この訂正符号の生成は、上述し
た図7(A)に示したフレーム信号の順ではなく、図8
に示すビットインターリーブマトリクス上で行われる。
すなわち、同図の横方向に示すようにデータが書き込ま
れ、それを同図の縦方向に送出することで、図7(A)
に示すMUSEビットストリームが得られており、制御
符号を除いて16行に展開して表現されている。ここ
で、BCH(82,74)は、各行の74ビット(レン
ジビットの各1ビット,音声1〜4の各16ビット,独
立データの8ビットの合計)に対して8ビットの誤り訂
正符号が付加されていることを意味する。
【0013】このような訂正符号の生成多項式は(X8
+X7+X4+X3+X+1)であり、これに従う訂正符
号発生器は図9(A)に示す通りである。同図におい
て、「D」は1ビット遅延を行う遅延回路であり、
「+」は排他的論理和の演算を行うEXOR回路でり、
これらによってシフトレジスタが構成されている。ま
た、スイッチSW1,SW2は連動してa又はbに切り
換えられるようになっている。最初、スイッチSW1,
SW2は、いずれもa側に切り換えられる。すると、入
力された前記74ビットは、一方においてそのままスイ
ッチSW1を介して出力されるとともに、シフトレジス
タの該当部分に入力される。
【0014】そして、74ビット目の出力が完了した時
点で、スイッチSW1,SW2はb側に切り換えられ、
生成多項式(X8+X7+X4+X3+X+1)による訂正
符号が生成されて出力される。これによって、74ビッ
トの情報ビットの後に8ビットの訂正符号が付加される
ことになる。
【0015】次に、音声1,2に対応するレンジビット
(1,2),音声3,4に対応するレンジビット(3,
4)には、音声1〜4の音声データとは独立に訂正符号
BCH(7,3)が適用されている。すなわち、図7
(A)及び図8に示すレンジビット中には、レンジ情報
とその訂正符号とが含まれている。この場合の生成多項
式は(X4+X3+X2+1)であり、これに従う訂正符
号発生器は図9(B)に示す通りである。同図中、
「D」,「+」,スイッチSW1,SW2は同図(A)
と同様であり、最初、スイッチSW1,SW2は、いず
れもa側に切り換えられる。すると、入力された前記3
ビットは、一方においてそのままスイッチSW1を介し
て出力されるとともに、シフトレジスタの該当部分に入
力される。
【0016】そして、3ビット目の出力が完了した時点
で、スイッチSW1,SW2はb側に切り換えられ、生
成多項式(X4+X3+X2+1)による訂正符号が生成
されて出力される。これによって、3ビットの情報ビッ
トの後に4ビットの訂正符号が付加されることになる。
【0017】以上のようにして得られた図7(A)のM
USEビットストリームが、映像信号や音声信号ととも
にMUSEデコーダから出力される。このようなMUS
Eビットストリームは、音声のディジタル接続も目的と
した信号であるため、音声データのディジタル信号(図
7(A)の音声1〜4)が含まれており、図8に示すよ
うなインターリーブがかけられている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ここで、例えば図6の
MUSE・VTR24に別のMUSE・VTRを接続し
てダビングを行うような場合、前記インターリーブの関
係から、MUSEビットストリームエンコーダ56,M
USEデコーダ28を用いてMUSEビットストリーム
のエンコード/デコードを行う必要がある。この処理に
よって、制御符号に含まれている音声モードも判別可能
となる。しかし、このような手法ではMUSEデコーダ
28,MUSEビットストリームエンコーダ56をVT
Rに設ける必要があり、回路規模は大きくなってしま
う。
【0019】特に、MUSE・VTR24で記録済みビ
デオテープに対して音声のアフレコを行い、このときに
音声モードが変更されたような場合は、その変更後の音
声モード情報をダビングするVTRに伝えなければなら
ない。この場合、従来通りの手法で行うときは、変更後
の音声モード情報を含む制御符号などを生成し、MUS
Eビットストリームのエンコード,デコードを行う必要
がある。
【0020】そこで、MUSEビットストリームのフォ
ーマット(図7(A)参照)はそのままとし、音声デー
タ(音声1〜4)を使用することなく制御符号のみを変
更して使用する方法が考えられる。ただし、この場合、
音声データの領域をどのようなデータで埋めるかという
問題が生ずる。ダビング側のVTRには、通常アナログ
で映像信号と音声信号が供給されるようになっており、
MUSEビットストリーム中のディジタルの音声データ
は使用されないが、このディジタルの音声データが使用
される場合には前記疑似音声データも本来の音声データ
としてデコードされることになる。従って、かかる疑似
音声データによって不要な音が再生されないように留意
する必要がある。
【0021】例えば、レンジビット,音声データ,及び
独立データをすべて論理値の「0」にした場合、図9
(A)に示した訂正符号発生器の構成から訂正符号もす
べて「0」となる。つまり、同期符号及び制御符号以外
の信号をすべて「0」とした信号は、訂正符号BCH
(82,74)に存在するパターンであり、誤りではな
い正しい符号となる。従って、誤って意味の無い音声が
出てしまう可能性がある。本発明は、これらの点に着目
したもので、デコーダからの誤った音声出力を防止した
音声モード識別信号を良好に発生することができる簡便
な構成の音声モード識別信号発生回路を提供すること
を、その目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の1つは、音声モ
ード識別信号を生成する音声モード識別信号生成手段
と、レンジビット信号及び音声データ信号に予め定めら
れているデコード処理を行ったときにそれらの誤り訂正
符号によって誤り検出は可能であるが誤り訂正は不可能
となるように、前記レンジビット信号及び音声データ信
号の疑似信号を生成する疑似信号生成手段と、これらの
信号生成手段によって生成された信号を利用して予め定
められているフォーマットの信号列を得る信号列形成手
段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
【0024】
【作用】本発明によれば、レンジビット及び音声データ
に付された誤り訂正符号の性質が有効に利用され、誤っ
て音声データがデコードされても誤り検出可能,誤り訂
正不可能となるフェールセーフのビット配列となるよう
に信号発生が行われる。
【0025】
【実施例1】以下、本発明による音声モード識別信号発
生回路の実施例について、添付図面を参照しながら説明
する。なお、上述した従来例と同様の構成部分又は従来
例に相当する構成部分については、同一の符号を用いる
こととする。
【0026】図1には、本実施例による音声モード識別
信号発生回路60が示されている。この回路は、図2に
示すようにVTR100,102に設けられており、ダ
ビング用のVTR102に対して上述した信号フォーマ
ットの音声モード識別信号を出力する機能を有してい
る。これらの図1及び図2において、音声モード識別信
号発生回路60は、カウンタ62,同期パターン発生器
64,制御ビット発生器66を各々含んでいる。これら
のカウンタ62,同期パターン発生器64,制御ビット
発生器66にはクロック発生器68が接続されており、
例えば1.35MHzのクロックが共通に供給されてい
る。
【0027】カウンタ62のカウント出力側は切換スイ
ッチ70の切換制御側に接続されており、同期パターン
発生器64,制御ビット発生器66の各出力側は切換ス
イッチ70の切換端子a,bに各々接続されている。切
換スイッチ70の切換端子cは、電源VCCに接続されて
おり、論理値の「1」が発生するようになっている。切
換スイッチ70の切換端子dはアースに接続されてお
り、論理値の「0」が発生するようになっている。この
切換スイッチ70の出力側は、バイフェーズマーク変調
器72に接続されており、このバイフェーズマーク変調
器72の出力側が音声モード識別信号発生回路60の出
力側となっている。
【0028】以上の各部のうち、カウンタ62は、MU
SEビットストリームの1フレームに相当する1から1
350までのカウントを繰返し行うためのものである。
すなわち、クロック発生器68から入力されるクロック
をカウントし、1から1350までカウントすると再び
1に戻る。次に、同期パターン発生器64は、上述した
図7(A)のフレーム同期信号のビットパターンを発生
するためのものである。次に、制御ビット発生器66
は、音声モード識別信号のビットパターンを発生するた
めのもので、音声モード情報は,VTR100のマイク
ロコンピュータ38から供給されている。
【0029】次に、切換スイッチ70は、カウンタ62
のカウント値に対応して切換端子を切り換える機能を有
しており、カウンタ値が1〜16のときは切換端子a,
カウント値が17〜38のときは切換端子b,カウント
値が39〜54のときは切換端子c,カウント値が55
〜566のときは切換端子d,カウント値が567〜5
82のときは切換端子c,カウント値が583〜135
0のときは切換端子dに各々切り換えられるようになっ
ている。
【0030】次に、図2に示すVTR100,102
は、例えば図3に示すような構成となっている。図2の
MUSEデコーダ20の出力信号は、映像信号処理回路
30,音声信号処理回路34,MUSEビットストリー
ム/音声モード識別信号デコーダ36に各々入力される
ようになっており、MUSEデコーダや切換スイッチは
設けられていない。また、音声モード識別信号発生回路
60の出力がそのまま外部に出力されるようになってお
り、エンコーダは設けられていない。その他の部分は、
上述した図6の装置と同様である。
【0031】次に、以上のように構成された音声モード
識別信号発生回路60の動作について説明する。なお、
図2のVTR100から102に対してダビングを行う
場合を例として説明する。VTR100からは、映像信
号及び音声信号とともに、音声モード識別信号がVTR
102に出力される。このとき、音声モード識別信号
は、VTR100の音声モード識別信号発生回路60か
らVTR102のMUSEビットストリーム/音声モー
ド識別信号デコーダ36に供給される。
【0032】この音声モード識別信号について図4
(A),(B)を参照しながら詳述すると、音声モード
識別信号発生回路60のカウンタ62のカウント値が1
〜16のときは、切換スイッチ70が切換端子aに接続
される。このため、同期パタ−ン発生器64の出力であ
る同期パタ−ンのビット列「000100110101
1110」が切換スイッチ70から出力されることにな
る。
【0033】次に、カウンタ62のカウント値が17〜
38のときは、切換スイッチ70が切換端子bに接続さ
れる。このため、制御ビット発生器66の出力である音
声モード識別信号のビット列「XXXX…XX」が切換
スイッチ70から出力されることになる。次に、カウン
タ62のカウント値が39〜54のときは、切換スイッ
チ70が切換端子cに接続される。このため、レンジビ
ット(1,2)に相当する論理値の「1」の疑似的なビ
ット列「111……11」が切換スイッチ70から出力
されることになる。
【0034】次に、カウンタ62のカウント値が55〜
566のときは、切換スイッチ70が切換端子dに接続
される。このため、音声1,2に相当する論理値の
「0」の疑似的なビット列「000……00」が切換ス
イッチ70から出力されることになる。次に、カウンタ
62のカウント値が567〜582のときは、切換スイ
ッチ70が切換端子cに接続される。このため、レンジ
ビット(3,4)に相当する論理値の「1」の疑似的な
ビット列「111……11」が切換スイッチ70から出
力されることになる。次に、カウンタ62のカウント値
が583〜1350のときは、切換スイッチ70が切換
端子dに接続される。このため、音声3,4,独立デー
タ,及びチェックビットに相当する論理値「0」の疑似
的なビット列「0000……00」が切換スイッチ70
から出力されることになる。
【0035】すなわち、カウンタ62が1から1350
までカウントすると、切換スイッチ70から図4(B)
に示すビットストリームが出力され、これがバイフェー
ズマーク変調器72でバイフェーズ変調されてVTR1
02のMUSEビットストリーム/音声モード識別信号
デコーダ36に入力されることになる。図4(B)のビ
ットストリームについて更に説明すると、同期符号及び
制御符号は図7(A)のMUSEビットストリームのま
まとなっており、デ−タ領域であるレンジビットについ
ては全て論理値の「1」,それ以外のデ−タについては
総て論理値の「0」となっている。
【0036】これらのうち、レンジビットの全て「1」
は存在しないパターンであり、その訂正符号の部分は正
しい符号のうちの2ビットを誤った符号となっている。
従って、これが仮にMUSEビットストリーム/音声モ
ード識別信号デコーダ36でデコードされても、誤りを
検出はできるがその訂正はできない。音声1〜4の訂正
符号であるチェックビットについても、同様に正しい符
号のうちの2ビットを誤った符号となり、MUSEビッ
トストリーム/音声モード識別信号デコーダ36は誤り
を検出できるが訂正はできない。
【0037】従って、音声モード識別信号発生回路60
からMUSEビットストリーム/音声モード識別信号デ
コーダ36に供給されたビットストリーム中の音声デー
タの部分は、訂正不可能な誤ったデータであると判断さ
れて音声データとしては寄与しないことになる。このた
め、図4(B)に示した疑似ビットストリームによって
不要な音が再生されるというような不都合は良好に防止
されることになる。
【0038】仮に誤って音声デ−タとしてデコードされ
たとしても、音声1〜4の全部「0」はDPCMにおけ
る“差分無し”に相当するためDC(直流)が出力され
るだけで音にはならない。更に、デコ−ダに備えられて
いるハイパスフィルタ(HPF)でDC成分はカットさ
れてしまうので、格別な不都合は生じない。その他、映
像信号及び音声信号の処理については、図6の装置と同
様である。
【0039】なお、本発明は何ら上記実施例に限定され
るものではなく、例えば次のようなものも含まれる。 (1)前記実施例は音声伝送が8ビット4チャンネル
(32KHzサンプリング)で行われるAモ−ドの時を
例に説明したが、11ビット2チャンネル(48KHz
サンプリング)のBモ−ドの場合にも本発明は適用可能
である。図7(B)には、Bモ−ドの場合のMUSEビ
ットストリームのビット配分が示されており、先頭から
16ビットのフレーム同期信号,22ビットの制御符号
となっており、更にレンジビットが16ビット,音声1
のデータビットが528ビット,音声2のデータビット
528ビット,独立データ112ビット,訂正符号12
8ビットとなっている。これら全体で合計1350ビッ
トとなる。
【0040】このようなBモードの場合に前記実施例を
そのまま適用すると、図4(B)に示すビットストリー
ムがVTR102のMUSEビットストリーム/音声モ
ード識別信号デコーダ36(図2,図3参照)でBモ−
ドのフォーマットでデコードされることになる。このた
め、図4(A)のレンジビット(3,4)に相当する
「1111……11」のデ−タが同図(C)に示すBモ
ードの音声1の一部となる。しかし、音声1のLSBが
「1」となるのみであるので、MUSEビットストリー
ム/音声モード識別信号デコーダ36でデコ−ドされて
も最小限の影響のみで抑えられる。
【0041】(2)前記実施例では、図4(A),
(B)に示したように、レンジビットを論理値の
「1」,音声データを論理値の「0」としたが、これも
必要に応じて適宜変更してよい。上述したBCH(8
2,74)訂正符号は、1ビットの誤り訂正,2ビット
の誤り検出が可能であり、いずれか2ビットを論理値の
「1」,残りを「0」とすることで、デコードされたと
きに誤り訂正不能とすることができる。従って、BC
H(82,74)のデータ74ビットのうちの任意の2
ビットを「1」とし、残りを全て「0」としたパター
ン,誤りのない訂正符号のうちの任意の2ビットを反
転したパターンなどの場合にも、前記実施例と同様の効
果を得ることができる。
【0042】(3)前記実施例は、一般的なMUSEビ
ットストリームの場合であるが、ディジタル信号列とし
ては必ずしも上述したフォーマットに限定されるもので
はなく、種々のものに適用可能である。 (4)その他、回路構成も、例えばマイコンでソフト的
に処理するなど同様の作用を奏するように種々設計変更
が可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による音声
モード識別信号発生回路によれば、音声データに付され
た誤り訂正符号の性質を利用し、誤って音声データがデ
コードされても誤り検出可能,誤り訂正不可能となるフ
ェールセーフのビット配列としたので、簡便な回路構成
で誤った音声出力が良好に防止されるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による音声モード識別信号発生回路の一
実施例を示す構成図である。
【図2】前記実施例を適用したハイビジョンの放送シス
テムの一例を示す説明図である。
【図3】前記図2のシステムにおけるVTRの一例を示
す構成図である。
【図4】前記実施例で生成される疑似的なビット列とM
USEビットストリームのフォーマットとの関係を示す
説明図である。
【図5】従来の一般的なハイビジョンの放送システムの
一例を示す説明図である。
【図6】前記図5のシステムにおけるVTRの一例を示
す構成図である。
【図7】MUSEビットストリームのフォーマットを示
す説明図である。
【図8】MUSEビットストリームにおける符号訂正と
インターリーブの関係を示す説明図である。
【図9】MUSEビットストリームの訂正符号の生成回
路を示す回路図である。
【符号の説明】
30,50…映像信号処理回路、32…記録アンプ、3
4,52…音声信号処理回路、36…MUSEビットス
トリーム/音声モード識別信号デコーダ、38…マイク
ロコンピュータ、40…制御信号発生/検出回路、42
…記録ヘッド、44…ビデオテープ、46…再生ヘッ
ド、48…プリアンプ、60…音声モード識別信号発生
回路、62…カウンタ、64…同期パターン発生器、6
6…制御ビット発生器(音声モード識別信号生成手
段)、68…クロック発生器、70…切換スイッチ(信
号列形成手段)、72…バイフェーズマーク変調器、1
00,102…VTR、VCC…電源(疑似信号生成手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−20709(JP,A) 特開 平4−111588(JP,A) 特開 平1−73560(JP,A) 特開 平3−116586(JP,A) 特開 平5−74062(JP,A) 特開 平5−28665(JP,A) 実開 昭57−195618(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 20/12 - 20/12 103 H04N 5/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声モード識別信号を生成する音声モー
    ド識別信号生成手段と、レンジビット信号及び音声デー
    タ信号に予め定められているデコード処理を行ったとき
    にそれらの誤り訂正符号によって誤り検出は可能である
    が誤り訂正は不可能となるように、前記レンジビット信
    号及び音声データ信号の疑似信号を生成する疑似信号生
    成手段と、これらの信号生成手段によって生成された信
    号を利用して予め定められているフォーマットの信号列
    を得る信号列形成手段とを備えたことを特徴とする音声
    モード識別信号発生回路。
JP4163729A 1992-05-29 1992-05-29 音声モード識別信号発生回路 Expired - Lifetime JP2822786B2 (ja)

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