JP2820992B2 - 雁行模様を形成する化粧材の製造方法 - Google Patents

雁行模様を形成する化粧材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は建築物の内装材として使用する化粧材の製造
方法に関し、特に雁行模様を形成するのに適した化粧材
の製造方法に関する。
《従来の技術》 従来から、建築物の内装工事において矩形状の化粧材
を長辺方向にずらして雁行模様を形成せしめることが行
われており、施工を容易とするために、予め雁行形状を
構成せしめた建築板も開発されている(例えば、特開
昭59−85067号、同特開昭61−137961号、実開昭61
−85608号及び同61−102737号)。
しかしながら、上記化粧材のうち、、及びの化
粧板は、矩形体の夫々に設けられた実部で隣接する部材
を長辺方向にずらして一体化することにより化粧板の両
端部に雁行形状を形成せしめているため、製造工程が煩
雑になって製品コストが高くなるのみならず、寸法精度
が悪く雁行模様を形成する端部の接続部分に目スキが発
生したり、化粧板の表面に段違いが生じ易いという欠点
を有していた。
又、の建築板は、実加工が施された方形の基板上に
矩形状化粧材を長辺方向にずらして貼着することにより
建築板の両端部に雁行形状を形成せしめているため、雁
行形状を成す端部に矩形状化粧材の一部が基板から突出
し、その部分に破損を生じ易いという欠点を有してい
た。
《発明が解決しようとする課題》 そこで、本発明者等は上記の欠点を解決すべく鋭意検
討を重ねた結果、予め端部に雁行形状を形成せしめた表
面材、中芯材及び裏面材を貼着せしめて長辺方向に接合
箇所のない一体物の化粧材とすることにより表面に段違
いが発生することなく且つ寸法精度を向上せしめること
ができるので、秀麗な雁行模様を形成せしめることがで
きると共に、各部材を貼着する際に中芯材を表面材及び
裏面材よりもわずかにずらして貼着することにより化粧
材の長辺側及び/又は短辺側の各相対向する辺に嵌合用
の凸部及び凹部を容易に形成せしめることができること
を見出し本発明に到達した。
従って、本発明の第1の目的は、施工時における長辺
方向の接合を減少せしめ、秀麗な雁行模様を形成するこ
とができる化粧材を提供することにある。
本発明の第2の目的は、嵌合用の凹部及び凸部と共に
雁行形状を有する化粧材の簡単な製造方法を提供するこ
とにある。
《課題を解決するための手段》 本発明の上記の諸目的は、少なくとも表面材、中芯材
及び裏面材の三層からなり、両端部が雁行形状を成す化
粧材の製造方法であって、前記各層の部材の両端部に雁
行形状を形成せしめた後、該各層をずらして貼着するこ
とにより相対向する長辺側及び/又は短辺側の辺に嵌合
用の凸部及び凹部を形成せしめることを特徴とする雁行
模様を形成する化粧材の製造方法によって達成された。
第1図は、本発明の方法によって製造した化粧材の一
例を示す斜視図である。
第2図(a)及び(b)は、本発明の方法によって製
造した化粧材の一例を示す平面図及び断面図である。
図中、符号(1)は本発明の方法によって得られた化
粧材であり、端部が夫々雁行形状を成す表面材(3)、
中芯材(5)及び裏面材(7)から成る。本発明におい
て、「雁行形状」又は「雁行模様」とは、同一寸法の矩
形体が長辺方向に順次ずれて化粧材の両端部に階段状に
形成するような形状又は模様をいう。雁行形状を形成す
る2辺の寸法は任意で良いが、両辺の寸法を同一にすれ
ば直列接合のみならず直角接合をも行うことができる
(第3図参照)。
中芯材(5)及び裏面材(7)は、表面材(3)と略
同一形状で良いが、貼りずれによる目スキの発生を防止
する意味から、表面材(3)よりも1〜2mm程度小さく
することが好ましい。
本発明によって得られた化粧材は、少なくとも上記の
三層からなるが、必要に応じて表面材(3)の上面に木
質単板等の表面化粧材を貼着せしめたり、何れかの層
間、例えば表面材(3)と中芯材(5)との間に制振材
を介在せしめたりすることもでき、更に、裏面材(7)
の下面に緩衝材を貼着することもできる。
以下、本発明の化粧材の製造方法を図面に基づいて詳
述する。
先ず、表面材(3)、中芯材(5)及び裏面材(7)
の両端部に雁行形状を形成せしめる。その形成方法は、
打ち抜き機による方法、切断機による方法等の公知の方
法の中から適宜選択して使用することができる。
次に、表面材(3)、中芯材(5)及び裏面材を重合
し貼着する。この時に中芯材(5)を表面材(3)及び
裏面材(7)よりも若干斜め方向にずらして貼着するこ
とにより化粧材の相対向する長辺側及び短辺側の辺に嵌
合用の凸部及び凹部を容易に形成せしめることができ
る。ここで、中芯材(5)を長手方向のみ又は短手方向
のみにずらして貼着すれば、長手方向のみ又は短手方向
のみに嵌合用の凸部及び凹部を形成せしめることができ
ることはいうまでもない。
切断機により雁行形状を形成せしめる場合には、第4
図の如く長方形部材の中央を階段状に切断した後、該2
片の直線部を接合することにより、化粧材を歩留まり良
く作製することができる。この工程は、上記した製造方
法による場合には各層を貼着積層する前に行うことにな
るが、この際、長方形部材からなる各層を仮留め重合し
て上記工程を行うことが工程数を減らす上から好まし
い。
又、上記の工程を使用した他の製造方法としては、同
一面積、同一形状の各層の部材を長辺側及び/又は短辺
側の辺に嵌合用の凸部及び凹部を形成せしめる如く貼着
積層せしめた後、上記工程を行い両端部に雁行形状を形
成せしめる方法があるが、この場合には雁行形状をなす
端部には嵌合用の凸部及び凹部が形成されないので、実
加工用の機械で実加工を施す必要がある。
《発明の効果》 以上詳述した如く、本発明によって得られた化粧材は
長辺方向に接合箇所のない一体物であるので、寸法精度
が高く、表面に段違いが発生することがない。従って、
接合部に目スキが発生せず秀麗な雁行模様を形成せしめ
ることができる。
又、両端部が嵌合形状を成す表面材、中芯材及び裏面
材の各層を貼着する際に、中芯材を表面材及び裏面材よ
りもわずかにずらして貼着するだけで、容易に嵌合用の
凹部及び凸部を形成せしめることができ、実加工用の機
械設備(テノーナ)を使用する必要がないので、生産コ
ストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の製造方法によって得られた化粧材の
一例を示す斜視図である。 第2図(a)及び(b)は、本発明の製造方法によって
得られた化粧材の一例を示す平面図及び断面図である。 第3図は、本発明の製造方法によって得られた化粧材の
接合方法を示した平面図であり、(a)は直列接合、
(b)は直角接合である。 第4図は、本発明の化粧材の製造方法において化粧材の
両端部に雁行形状を形成せしめる方法の一例を示した平
面図である。 1……化粧材 3……表面材 5……中芯材 7……裏面材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面材、中芯材及び裏面材の三
    層からなり、両端部が雁行形状を成す化粧材の製造方法
    であって、前記各層の部材の両端部に雁行形状を形成せ
    しめた後、該各層をずらして貼着することにより相対向
    する長辺側及び/又は短辺側の辺に嵌合用の凸部及び凹
    部を形成せしめることを特徴とする雁行模様を形成する
    化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】長方形部材の中央を階段状に切断した後、
    該2辺の切断されなかった直線状をなす端部を接合する
    ことにより、化粧材を構成する各層の部材の両端部に雁
    行形状を形成せしめる、請求項1に記載の雁行模様を形
    成する化粧材の製造方法。
  3. 【請求項3】少なくとも表面材、中芯材及び裏面材の三
    層からなる雁行模様を形成する化粧材の製造方法であっ
    て、相対向する長辺側及び/又は短辺側の辺に嵌合用の
    凸部及び凹部を形成せしめる如く、同一面積、同一形状
    の前記各層を形成する長方形部材を貼着積層した後、得
    られた積層板の中央を階段状に切断して該2片の切断さ
    れなかった直線状をなす端部を接合することにより、両
    端部に雁行形状を形成せしめることを特徴とする雁行模
    様を形成する化粧材の製造方法。
JP3005290A 1990-02-08 1990-02-08 雁行模様を形成する化粧材の製造方法 Expired - Lifetime JP2820992B2 (ja)

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