JP4576297B2 - 床下地面へ床材を敷き詰める方法 - Google Patents

床下地面へ床材を敷き詰める方法 Download PDF

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本発明は床下地面へ床材を敷き詰める方法に関し、特に、モザイク模様を持つフロアを形成するときに有効な床材の敷き詰め方法に関する。
モザイク模様を表面模様として持つフロアは知られており、モザイクフロアあるいはパーケットフロアなどと呼ばれている。施工に当たっては、通常、表面にモザイク模様を持つ床材を作り、その複数枚を接着剤を用いて床下地面に敷き詰めるようにしている(特許文献1,特許文献2など参照)。特許文献1では、異なった表面柄模様を持つ多数の単位ピースを可撓性のある材料で作った矩形状の下地材に貼着して1つの床材とし、その多数枚を床下地面に敷き詰めている。特許文献2では、複数の単位材をモザイク状に貼着集成して集成物を作り、そこからスライスして得た表面化粧材を合板のような芯材に貼り付けてモザイク模様を表面模様に持つ床材とし、その多数枚を床下地面に敷き詰めている。
特開平10−280646号公報 特開平10−58406号公報
従来の表面にモザイク模様を持つ床材は、特許文献1,2に記載のように、一枚の下地材の上にモザイク模様となるようにして表面層を形成するようにしており、施工現場において、床下地面の端部などでの寸法合わせの理由から、床材を長手方向の途中で裁断することが必要となったときに、適切に裁断することが容易でなかった。特に、4周にサネ加工がされている床材の場合、裁断面ではサネがなくなっており、裁断面においてサネ接合が必要となったときに、それを行うことができなかった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、施工現場で寸法合わせなどの必要から床材の一部を除去することが必要となったときでも、それを適切かつ容易に行うことができ、さらに、一部を除去した部分の端面においても、隣接する床材との間でサネ接合を行いうるようにした、床下地面へ床材を敷き詰める方法を提供することを目的とする。また、本発明は、モザイク模様を表面模様として持つフロアを施工するのに特に好適な床下地面へ床材を敷き詰める方法を提供することを目的とする。
本発明は、床下地面に床材を敷き詰める方法であって、床材として、4周にサネを有する2個以上の単位ピースが、隣接する単位ピースの側辺に形成したサネ同士を接着剤により接合することによって1枚の床材とされている床材を用い、その床材の必要枚数を互いにサネ接合しながら敷き詰めると共に、床下地面の端部などにおいて必要となった場合には、床材から1枚または1枚以上の単位ピースをサネ接合の位置から分離した状態の床材を調整して、それを敷き詰めることを特徴とする。
本発明による方法で使用する床材は、各単位ピースがサネ同士(例えば、一方のオスサネと他方のメスサネ同士)を接着剤により接合して形成されており、必要なときに、任意のサネ接合部から1枚または1枚以上の単位ピースを容易に分離することができる。サネ加工の形状は、容易に分離・着脱可能なサネ形状であればよく、特に制限はないが、より一層容易に分離できることから、本サネ形状が好適である。
従って、床材の敷き詰めを行う施工現場において、模様1個分をずらした状態で床材を敷き詰めて綺麗なモザイク模様を持つフロアとするために、床下地面の端部で1枚または複数枚の単位ピースを分離した床材を敷き詰めることが必要となったとき、あるいは、床下地面の端部や柱周りなどで1枚の床材全体を配置するスペースがなく、床材の一部を分離して寸法合わせをすることが必要となったとき、などに、所要個数の単位ピースを分離する作業をきわめて容易に行うことができる。また、分離面には、単位ピースに予め形成されているサネ加工部がそのまま現れるので、必要な場合には、隣接する床材との間にサネ接合を形成することもできる。
なお、単位ピース同士を接着する接着剤として、硬化後にも柔軟性のあるホットメルト系接着剤を用いることが好ましく、それにより、分離作業はより容易となる。
単位ピースは、基材としての合板あるいはMDFのような加工木質材の表面に突き板のような化粧層を貼り付けたものでもよく、無垢薄板の上面に塗装などにより化粧層を形成したものでもよく、複数枚の銘木の無垢薄板材を積層接着したものの上面に塗装などにより化粧層を形成したものでもよい。
本発明の方法で用いる床材において、床材を構成する単位ピースはすべて同じ形状の単位ピースであってもよく、形状の異なる2種以上の単位ピースで構成されていてもよい。後者の場合、形状の異なる単位ピースを一定のパターンを繰り返すようにして長手方向に配列することにより、より意匠性の高い床材が得られる。
本発明の方法で用いる床材の好ましい態様では、床材を構成する各単位ピースは表面に木目模様を有しており、隣接する単位ピースが木目模様の方向が異なるようにして接合されている部分を少なくとも一か所に有すことを特徴とする。木目模様はすべてが同じであってもよく、一部が異なっていてもよく、すべてが異なっていてもよい。隣接している木目模様の方向を異ならせることにより、意匠性に富んだモザイク模様を持つ床材とすることができ、床材を敷き詰め後のフロアを、綺麗なモザイク模様を備えたものとすることができる。
本発明の方法によれば、施工現場で寸法合わせなどの必要から床材の一部を除去することが必要となったときでも、それを適切かつ容易に行うことができる。また、一部の単位ピースを除去した部分の端面にはサネ加工部が現れており、隣接する床材との間で、容易にサネ接合を行うことができる。さらに、本発明の方法により床材を敷き詰めることにより、綺麗なモザイク模様を表面模様として持つフロアを容易に施工することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は、本発明による床下地面へ床材を敷き詰める方法で用いる床材の一形態をその製造方法と共に説明する図であり、図2は製造された床材を用いて、本発明による床材を敷き詰める方法を説明するための模式図である。図3は本発明による床下地面へ床材を敷き詰める方法で用いる床材の第2の実施の形態をその製造方法と共に説明する図である。
最初に、本発明の方法で用いる床材30について説明する。図1に示す態様では、出発材料である第1の床基材として、図1aに示すように、2種類の床基材10a,10bを用いている。この例において、2つの床基材10a,10bは、いずれも、1525mm×1525mmであるバーチ薄板を木目方向を交互に直交させながら9層積層して12mm厚としたものである。それを、床基材10aでは木目方向を縦方向にして使用し、床基材10bでは木目方向を横方向にして使用している。第1の床基材の構成や寸法がこれに限らないことはもちろんであり、例えば、合板基材に化粧単板を貼着したものでもよい。
上記2つの第1の床基材10a,10bをランニングソーにセットして、図1bに示すように、適宜の寸法の第1の長尺部材11a、11bを切り出す。この例では、一方の第1の床基材10aからは、313mm×1284mmである4枚の長尺部材11aを切り出し、他方の第1の床基材10bからも、同じ寸法313mm×1284mmである4枚の長尺部材11bを切り出している。切り出し方向を同じにしているので、一方の長尺部材11aの木目方向は長辺方向であり、他方の長尺部材11bの木目方向は短辺方向である。切り出した長尺部材11a,11bの寸法との関係で、この例では、261mm×1284mmである第1の余剰材12a,12b(木目方向は長辺方向)と、1521mm×238mmである第2の余剰材13a,13b(木目方向は短辺方向)が同時に切り出される。このような余剰材は、後記する第2の実施形態では床材構成材料として有効利用される。このような余剰材が出ないように、第1の床基材10a,10bの寸法を予め設定することも、当然に可能である。
切り出した長尺部材11a,11bに対して、テノーナーを用いて、その対向する2つの長辺側にサネ加工を行う。このサネ加工は従来の床材において行われているものと同じであってよく、それにより、図1cに示すように、一方の長辺側にオスサネ14が、他方の長辺側にメスサネ15が形成された、実寸法が303mm×1284mmの長尺部材11a,11bが得られる。好ましくは、さらに、第1の長尺部材11a,11bの長手方向側縁の表面側縁部に面取り加工を施す。
次ぎに、2つの第1の長尺部材11a,11bの組み付けを行って、第2の床基材20とする。その際に、同一の第1の床基材(例えば、第1の床基材10a)から切り出した第1の長尺部材11a、11aの間に他の第1の床基材(この例では、第1の床基材10b)から切り出した第1の長尺部材11bが位置している状態が、少なくとも一か所に形成されるようにして、組み付けを行う。
ここでは、図1dに示すように、2枚の第1の長尺部材11aと2枚の第1の長尺部材11bとを交互に配置して、計4枚の第1の長尺部材で第2の床基材20としている。それにより、組み付け後の第2の床基材20は、組み付けた第1の長尺部材の木目方向が一枚ごとに異なったものとなる。なお、何枚の第1の長尺部材を組み付けるかは、製造しようとする床材の長さによって決められるが、この例で、第2の床基材20の寸法は1212mm×1284mmであり、実寸法1212mmの長さの床材30が最後に製造されることとなる。
なお、各第1の長尺部材に当たっては、長手方向の側辺に形成したオスサネ14とメスサネ15をサネ結合をなすようにして組み付ける。サネ接合部には容易には分離しない程度に接着剤を塗布する。接着剤には、好ましくは、ホットメルト系接着剤を用いる。
第2の床基材20をランニングソーに掛け、図1eに示すように、その接着接合しているサネの方向に直交する方向に、所定幅で裁断する。どの程度の幅で裁断するかは、製造しようとする床材の短辺側の幅によって決められるが、この例では、313mmの幅で裁断して、4枚の第2の長尺部材21を得るようにしている。
次ぎに、図1fに示すように、テノーナーを用いて、得られた各第2の長尺部材21の対向する2つの長辺側にサネ加工を行う。このサネ加工も従来の床材において行われているものと同じであってよく、それにより、上方の長辺側にオスサネ16が、下方の長辺側にメスサネ17が形成される。好ましくは、さらに、長手方向側縁の表面側縁部に面取り加工を施す。左右の側辺側(短辺側)には、既に、オスサネ14、メスサネ15が形成されているので、長辺側にサネ加工を行うことにより、4つの単位ピースPが接着接合して形成された、実寸法が303mm×1212mmであり4周にサネを有する床材30が形成される。その表面は、実質的に正方形である木目模様(単位ピースPの表面の木目模様)が、その方向を交互に直交するようにして長手方向に配列したモザイク模様となっている。
次ぎに、上記図1fに示した構成を持つ床材30を用いて、本発明による床下地面へ床材を敷き詰める方法を実施する場合の一態様を説明する。図2において、Fは床下地面であり、壁Wで区画されている。この床下地面Fに、前記床材30を左右方向と上下方向の双方に連続する木目模様がないようにして敷き詰め、綺麗なモザイク模様を持つフロアとする場合を例として説明する。最初に、上辺左上偶部に床材30を配置する。床材30の裏面に点状または線状に接着剤を塗布して床下地面に貼り付けてもよく、床下地面の表面が薄いクッションシートが敷設されている場合には、接着剤なして単に配置していくようにしてもよい。その後、順次右方向に、短手方向に形成したオスサネ14とメスサネ15とをサネ接合しながら、右方端まで敷き詰める。
次ぎに、2段目の床材30を配置する。その際、1段目に床材30の真下に2段目の床材30をそのままを置いたのでは、上下方向が連続した木目模様となり、高い意匠性を備えたモザイク模様が得られない。そのために、図示のように、単位ピース1個分だけ、右方向にずらして床材30を配置することとなるが、そのずらしたスペースに敷き詰めるために、図で縦方向の木目模様を持つ1つの単位ピースPからなる床材P1が必要となる。本発明で使用する床材30は上記した構造を備えており、予備の床材30Pから3つ分の単位ピースを接着剤によるサネ接合の箇所から分離して、1つの単位ピースPからなる床材P1を得ることはきわめて容易であり、2段目の床材を配置するときに、最初に前記した床材P1を左壁面に接した位置に配置し、その側方に床材30を順次配置していくことにより、上下方向と左右方向に連続した木目模様が存在しないモザイク模様を形成することができる。
3段目の床材30を配置するときには、単位ピース2個分だけ、右方向にずらして床材30を配置する。そのために、予備の床材30Pから2つ分の単位ピースを接着剤によるサネ接合の箇所から分離して、単位ピース2個分の床材P2を得ることが必要であり、4段目の床材30を配置するときには、単位ピース3個分だけ、右方向にずらして床材30を配置することとなり、そのために、予備の床材30Pから1つ分の単位ピースを接着剤によるサネ接合の箇所から分離して、単位ピース3個分からなる床材P3を得ることが必要となる。本発明による床材30(30P)を用いることにより、このような単位ピース1個分からなる床材P1、単位ピース2個分からなる床材P2、単位ピース3個分からなる床材P3を施工現場で調整することはきわめて容易である。また、周囲にはサネが形成されているので、そのままサネ接合状態を形成することができる。
図2の右壁面側に示すように、床材30を左から右に向けて敷き詰めていく場合に、右壁面側でも、単位ピース1個分、2個分、3個分のスペースが発生する。そのスペースに対しては、前記のように左壁面側を施工するときに床材30Pから分離した単位ピースを、そのまま、単位ピース1個分の床材Q1(1段目),2個分の床材Q2(2段目),3個分の床材Q3(3段目)として使用することができる。このように、本発明による床下地面へ床材を敷き詰める方法を採用することにより、現場での作業性は大きく向上させることが可能となる。
図3に基づき、本発明による床下地面へ床材を敷き詰める方法で用いる床材の第2の形態を説明する。この例では、図3aに示すように、1種類の第1の床基材10aのみを用いている。第1の形態と同様にして第1の床基材10aから第1の長尺部材11aを切り出す。それにより、図3bに示すように、4枚の第1の長尺部材11aと共に、261mm×1284mmである第1の余剰材12a(木目方向は長辺方向)と、1521mm×238mmである第2の余剰材13a(木目方向は短辺方向)が同時に切り出される。この態様では、第2の余剰材13a(木目方向は短辺方向)を有効利用する。
図3bに示すように、第2の余剰材13aから、長さは第1の長尺部材11aと同じ長さ(1284mm)であり、幅は任意である第3の長尺部材11cを切り出す。図3cに示すように、切り出した第3の長尺部材11cをその長辺方向が第1の長尺部材11aの長辺方向と同じ方向になるように並べると、第3の長尺部材11cの木目方向は第1の長尺部材11aの木目方向に対して直交した方向となる。
その状態で、図3dに示すように、第1の長尺部材11aと第3の長尺部材11cとを交互に配置して、図1に示したと同様にして、第2の床基材20aとする。以下、図1に示した第1の形態と同じ工程を経て、第2の長尺部材21aを作り(図3e)、さらに床材30a(図3f)とする。製造される床材30aは、2種類の単位ピースP,Paの組み合わせとなっており、単位ピースPは、図1に示した床材30を構成する単位ピースPと同じものであり、単位ピースPaは、第2の余剰材13aから第3の長尺部材11cを切り出すときの横幅に従って規定される。この場合、余剰材13aを使用しており、広い幅のものは確保できないので、通常の場合、図示のもののように、単位ピースPaの横幅は単位ピースPよりも幅の狭いものとなる。
この床材30aを用いる場合にも、単位ピースPと単位ピースPaとの任意のサネ接合部分で床材を分離することにより、図2基づき説明した床材30の場合と同様の敷き詰め方法を実施できることは説明を要しない。
なお、以上の床材の説明では、第1の長尺部材として2種類のものを用いる例を説明したが、横幅あるいは模様の絵柄や方向の異なる3種以上の第1の長尺部材を用い、それらを適宜配列して第2の床基材を作ることもできる。それにより、より変化に富んだモザイク模様を表面に持つ床材が得られる。また、寸法を示すすべての数値はあくまでも例示であって、所望に応じて任意の寸法のものを用いかつ製造できることはいうまでもない。
本発明による床下地面へ床材を敷き詰める方法で用いる床材の一形態をその製造方法と共に説明する図。 図1に示した床材を用いて、本発明による床材を敷き詰める方法を説明するための模式図。 本発明による床下地面へ床材を敷き詰める方法で用いる床材の第2の実施の形態をその製造方法と共に説明する図。
符号の説明
10a,10b…第1の床基材、11a、11b…第1の長尺部材、11c…第3の長尺部材、12a,12b…第1の余剰材、13a,13b…第2の余剰材、14,15,16,17…サネ、20、20a…第2の床基材、21、21a…第2の長尺部材、30,30a…床材、P,Pa…単位ピース、P1,P2,P3,Q1,Q2,Q3…床材から一部の単位ピースを分離して調整された床材

Claims (3)

  1. 床下地面に床材を敷き詰めて上下方向と左右方向に連続した木目模様が存在しないモザイク模様を形成するための床下地面に床材を敷き詰める方法であって、床材として、4周にサネを有する2個以上の単位ピースが、隣接する単位ピースの側辺に形成したサネ同士を接着剤により接合することによって1枚の床材とされている床材であって、該床材を構成する各単位ピースは表面に木目模様を有しており、隣接する単位ピースが木目模様の方向が異なるようにして接合されている床材を用い、その床材の必要枚数を床下地面に左右方向と上下方向の双方に連続する木目模様がないようにして敷き詰めると共に、床下地面の端部などにおいて必要となった場合には、前記床材から1枚または1枚以上の単位ピースをサネ接合の位置から分離した状態の分離床材を調整して、その分離床材前記床材とともに敷き詰めることで、床下地面に上下方向と左右方向に連続した木目模様が存在しないモザイク模様を形成することを特徴とする床下地面に床材を敷き詰める方法。
  2. 床材として、床材を構成する単位ピースがすべて同じ形状の単位ピースである床材を用いることを特徴とする請求項1に記載の床下地面に床材を敷き詰める方法。
  3. 床材として、床材を構成する単位ピースが形状の異なる2種以上の単位ピースで構成されている床材を用いることを特徴とする請求項1に記載の床下地面に床材を敷き詰める方法。
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