JP2820730B2 - 積層吸着体およびそれを用いたフィルター - Google Patents

積層吸着体およびそれを用いたフィルター

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JP2820730B2 JP22641289A JP22641289A JP2820730B2 JP 2820730 B2 JP2820730 B2 JP 2820730B2 JP 22641289 A JP22641289 A JP 22641289A JP 22641289 A JP22641289 A JP 22641289A JP 2820730 B2 JP2820730 B2 JP 2820730B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、空気清浄器や脱臭装置において、活性炭素
繊維の吸着性能を利用し、除塵および脱臭のために好適
に用いる積層吸着体およびそれを用いたフィルターに関
する。
<従来の技術> 上述したような積層吸着体としては、従来、特公昭63
−55971号公報に示されているものがあった。
この従来例では、活性炭素を含有した紙状の吸着板01
に、膨出によって突起物02を一体形成し、その突起物02
の背面側に凹入面03が形成され、それらの吸着板01を、
上下で隣合うものどうしで突起物02の位置が重ならない
ように積層し、被処理流体を突起物02…と衝突させると
ともに凹入面03に流入させることにより乱流を発生さ
せ、被処理流体との接触面積を増大して吸着効率を向上
できるように構成されている(第13図参照)。
また、気体中に含まれる塵埃を電気的に吸着して捕集
する電石不織布が開発されている。
<発明が解決しようとする課題> 上述従来例の積層吸着体では、上下の吸着板01,01ど
うしにあって、第13図の断面図に示すように、突起物02
の位置が重なると、上下の吸着板01,01の間隔が狭くな
って圧力損失が増大するばかりか、突起物02…の効果が
低下するとともに、凹入面03による効果が十分期待でき
ないという欠点があった。
また、被処理流体中に微小な塵埃が混入している場合
に、その塵埃が凹入面03…内に入り込みやすく、凹入面
03…による乱流効果および吸着効果のいずれもが早期に
低下して、所期の効果が発揮されなくなる欠点があっ
た。
また、従来の塵埃および脱臭を行う構成のものでは、
除塵用フィルターと脱臭用フィルターとを並設するため
に、被処理流体の流動方向に大きなスペースを必要と
し、また、活性炭を用いたものでは、その比表面積が比
較的小さいために、多量の活性炭が必要で、防塵兼脱臭
用フィルター自体が大型化して設置スペースが大きくな
る欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、本発明に係る積層吸着体は、接触面積が大きいに
もかかわらず圧力損失が小さな状態で吸着効率を向上で
きるとともに安価にして製作できるようにすることを目
的とし、脱臭および防塵性能を向上できるとともに安価
にして製作できるフィルターを提供することを目的とす
る。
<課題を解決するための手段> 本発明に係る積層吸着体は、上述のような目的を達成
するために、両面の一方の面にのみ一方側の面から他方
側の面に凹入して膨出させた複数の突起を形成したシー
ト状の第1の部材と、平板状の第2の部材のうちの一方
を電石不織布で形成するとともに、他方を抄紙構造の活
性炭素繊維含有紙で形成し、第1の部材の突起の膨出し
ない側の面に第2の部材を重ね合わせるとともに、突起
をスペーサとするように第1の部材に第2の部材を重ね
合わせて構成する。
上記活性炭素繊維含有紙は、活性炭素繊維を含有した
抄紙構造のものであり、その活性炭素繊維としては、不
融化したピッチ系活性炭素繊維や炭素繊維を賦活処理し
た活性炭素繊維や、粉末または粒状活性炭を繊維の表面
に固着した繊維付着活性炭などの種々の材料が使用され
る。
上記炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリ
ル系樹脂、フェノール系樹脂、レーヨン系樹脂、セルロ
ース系樹脂、リグニン−ポバール系混合物等の高分子繊
維、石油ピッチ系、石炭ピッチ系、リアクリロニトリル
(PAN)系、セルロース系等の種々の炭素繊維が使用さ
れる。
活性炭素繊維の公称比表面積は、700〜2500m2/gであ
るのが好ましい。700m2/g未満であると吸着能が小さ
く、一方、2500m2/gを越えると経済的でないからであ
る。
活性炭としてメソカーボンマイクロビーズを賦活処理
した光学的異方性多孔質微小粒体を用いた繊維付着活性
炭は、800〜4000m2/g程度の公称比表面積を有してい
て、吸着能に優れている。
活性炭素繊維が多数の細孔を有して機械的強度が小さ
い場合には、繊維とバインダーとによって活性炭素繊維
含有紙を製造すれば良い。
繊維としては、例えば、パルプ;木綿、麻等の天然繊
維;レーヨン繊維、アセテート繊維、ポリビニルアルコ
ール繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、アク
リル繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリ
プロピレン繊維、フェノール樹脂繊維等の合成繊維;ガ
ラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の無機繊維が、一種ま
たは二種以上使用される。これらの繊維は補強材として
機能する。
また、バインダーとしては、例えば、ポリビニルアル
コール、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩
化ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂
が使用できる。バインダーの形態は、液状、粉末状、粒
状などのいずれであっても良いが、活性炭素繊維の細孔
が閉塞されるのを抑制するため、繊維状であるのが好ま
しい。繊維状バインダーとしては、前記各種の合成繊維
が使用できる。これらの合成繊維は、積層吸着体の用途
に応じて要求される耐熱温度に応じて適宜選択される。
例えば、要求される耐熱温度が約80℃以下である場合に
はポリエチレン系繊維等が、それ以上の耐熱温度が要求
される場合には、ポリエステル繊維等が使用される。
活性炭素繊維と繊維とバインダーとの割合は、通常、
活性炭素繊維/繊維/バインダー=60/10〜50/5〜20重
量部、好ましくは、60/20〜40/5〜15重量部程度であ
る。
また、活性炭素繊維が繊維付着活性炭等のように機械
的強度の大きい場合、少なくともバインダーを含んでい
れば良く、その活性炭素繊維とバインダーとの割合は、
通常、活性炭素繊維/バインダー=60〜95/40〜5重量
部、好ましくは、70〜90/30〜10重量部程度である。
上記活性炭素繊維含有紙の厚みは、通常、0.2〜5mm、
好ましくは、0.5〜3mm程度である。厚みが0.2mm未満で
は機械的強度が低下し、一方、5mmを越えると、経済的
でないばかりか、単位容積当りの吸着空間が小さくなる
からである。
活性炭素繊維含有紙は、吸着能に影響を及ぼさない範
囲で、分散剤、安定剤、粘度調整剤、充填剤等の添加剤
を含有させても良い。
前記第1の部材に形成する突起としては、その突出基
端部での外径が1〜20mm、好ましくは2〜10mm程度、高
さが0.5〜10mm、好ましくは1〜5mm程度のものに形成さ
れる。上記突出基端部での外径および高さが上記範囲未
満であると圧力損失が大きくなり、一方、上記範囲を越
えると吸着効率が低下するからである。
そして、突起の相隣合うものどうしのピッチは、通常
2〜40mm程度であり、かつ、突起の突出基端部の面積が
単位面積に占める割合は40〜60%である。40%未満で
は、乱流効果が小さくて吸着効率が低下し、一方、60%
を越えると圧力損失が大きくなるからである。
突起の形状としては、半球面状、円錐面状、三角錘面
状、四角錘面状などの多角錘面状といった突出端側程小
さくなる形状や、円柱状や多角形状といった形状が採用
され、また、その突出端は台状に形成しても良い。
抄紙構造の活性炭素繊維含有紙は、例えば、活性炭素
繊維と繊維とバインダーと、必要に応じて分散剤、安定
剤、粘度調整剤、充填剤等の添加剤を含有する分散液を
調整し、湿式抄紙し、その後に脱水して乾燥することに
よって得られる。上記分散液中の分散媒としては、水、
炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、
ケトン類等、種々の溶媒が使用できるが、作業性および
経済性の点から水を使用するのが好ましい。上記分散液
は、適宜の濃度に調整できるが、通常、固形分濃度が0.
5〜5重量%、好ましくは、1〜3重量%程度になるよ
うに調整されるものである。
電石不織布としては、極細ポリプロピレンで、0.05〜
0.07デニールの糸から造られ、かつ、熱エレクトレット
法、エレクトロエレクトレット法あるいはマグネットエ
レクトレット法等で半永久的に電荷を付与することによ
って、その電石不織布の面に垂直な方向に高度に配列し
た分極構造を備えたものが用いられる。
この電石不織布としては、その電気分極の方向が任意
の方向を向いたものでも良いが、電石不織布の面に垂直
な方向に高度に配列した分極構造を有するものの方が好
ましい。高度に配列した分極構造を有するものでは、電
石不織布に吸着された塵埃自体が所定方向の極性を持つ
ようになり、より多くの塵埃を捕集できるからである。
そして、その分極構造を有する電石不織布は、例えば、
正に帯電している塵埃を捕集する場合であれば、被処理
流体と接触する側の表面が負極になるように活性炭素繊
維含有紙と積層し、一方、負に帯電している塵埃を捕集
する場合であれば、被処理流体と接触する側の表面が正
極になるように活性炭素繊維含有紙と積層するといった
ように、被処理流体と接触する側の表面が、塵埃の帯電
状況に応じた極性になるように付設するのが好ましい。
塵埃を電石不織布の表面に電気的に吸着して捕集しやす
いからである。
そして、本発明に係る積層吸着体を用いた第1のフィ
ルターは、上述積層吸着体と塵埃通気用シートとを、被
処理流体の流動方向に並設して構成する。
また、本発明に係る積層吸着体を用いた第2のフィル
ターは、上述積層吸着体と塵埃通気用シートとを、被処
理流体の流動方向に直交する方向に並設して構成する。
除塵通気用シートとしては、プリーツ加工した不織布
とか、ハニカム加工した不織布などが使用される。
<作用> 本発明の積層吸着体の構成によれば、突起の膨出側に
第2の部材が積層される場合に、突起をスペーサとし
て、被処理流体を突起に衝突させて乱流化し、被処理流
体を第1および第2の部材に良好に接触させ、電石不織
布によって塵埃を電気的に吸着捕集して除塵するととも
に、活性炭素繊維含有紙によって臭気成分や有害成分や
有機溶剤などを吸着除去することができる。
また、一方側の面から他方側の面に凹入して膨出させ
ることによる突起の形成に起因して生ずる第1の部材の
凹入面を第2の部材によって塞ぎ、塵埃の入り込みによ
る乱流効果や吸着効果の早期低下を回避する。
本発明の第1のフィルターの構成によれば、被処理流
体を、上述の積層吸着体と除塵通気用シートの両者に対
して通過させ、除塵通気用シートで除塵した後の被処理
流体に対して、積層吸着体によって更に除塵するととも
に臭気成分や有害成分の有機溶剤などを吸着除去する
か、あるいは、積層吸着体によって除塵するとともに臭
気成分や有害成分や有機溶剤などを吸着除去した後の被
処理流体に対して、除塵通気用シートによって更に除塵
することができる。
また、本発明の第2のフィルターの構成によれば、上
述の積層吸着体を通過した被処理流体に対して除塵と臭
気成分や有害成分や有機溶剤などの吸着除去とを行い、
一方、除塵通気用シートを通過した被処理流体に対して
除塵を行い、そのフィルターを繰り返して通過させるな
どにより、被処理流体に対する除塵と臭気成分や有害成
分や有機溶剤などの吸着除去とを行うことができる。
<実施例> 次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
実施例1 第1図は、シート状の積層吸着体を示す斜視図、第2
図は、積層吸着体の実施例1を示す断面図である。
これらの図において、1は、抄紙構造の活性炭素繊維
含有紙で形成された第1の部材を示し、この第1の部材
1に、一方の面からの凹入と他面への膨出によって面方
向に所定のピッチで突起2…が形成されている。
また、3は、電石不織布で形成された平板状の第2の
部材を示し、前記突起2…を有する第1の部材1と平板
状の第2の部材3とが、上下の突起2…が積層方向視に
おいて互いに重複する状態で交互に重ね合わせられて積
層吸着体Aが構成されている。
実施例2 第3図は、積層吸着体の実施例2を示す断面図であ
り、上下の突起2…の位置が積層方向視において互いに
ずらされた状態で、突起2…を有する第1の部材1と平
板状第2の部材3とが交互に重ね合わせられて積層吸着
体Aが構成されている。
実施例3 第4図は、積層吸着体の実施例3を示す断面図であ
り、平板状の第2の部材3を挟んで、突起2…を有する
第1の部材1,1が、突起2の頂部側を接触させる状態で
重ね合わせられるとともに、それらの突起2…を有する
第1の部材1,1それぞれに対して、平板状の第2の部材
3が、突起2…の基端部に位置するように重ね合わせら
れて積層吸着体Aが構成されている。この実施例3によ
れば、中間の第2の部材の部材3を介在させることによ
り、上下の突起2…の位置に関係無く、その第2の部材
3と第1の部材1との間に被処理流体を通過させる流路
を確実に確保できる利点を有している。
実施例4 第5図は、積層吸着体の実施例4を示す断面図であ
り、突起2…を有する第1の部材1と平板状の第2の部
材3とが重ね合わせられて帯状のシートが形成されると
とに、その帯状のシートを巻回により積層して積層吸着
体Aが構成されている。
以上例示するように第1の部材1と第2の部材3の重
ね合わせには種々の態様があるが、いずれの態様におい
ても、突起2…を有する第1の部材1に電石不織布で形
成された平板状の第2の部材3を重ね合わせてシート状
の積層吸着体Aを製造する。このとき、一体性および加
工性を高めるため、第1の部材1の突起2…の頂部また
は凹入面側の平面部と第2の部材3とを適宜接合するの
が好ましい。凹入面への流体の流入による圧力損失を確
実に防止できるからである。
そして、得られたシート状の積層吸着体Aは、用途に
応じた所望の形状および大きさに切断するのが好まし
い。例えば、空気清浄器や脱臭装置用フィルターとして
使用する場合、幅5〜20mm程度の長尺状に切断するのが
好ましい。なぜならば、第1および第2の部材1,3それ
ぞれを所定の大きさに切断した後に積層しても良いが、
例えば、奥行が小さな家庭用の空気清浄器用フィルター
等を作製する場合、その積層作業が煩雑化することにな
り、また、シート状の積層吸着体Aの複数枚を積層した
後に所定の大きさに切断するようにしても良いが、この
場合、積層吸着体Aが緩衝性および復元性を有している
ため、所定の大きさに精度良く切断することが困難にな
るからである。
次に、前述実施例のうちの所定のものをより一層具体
化した具体実施例と比較例とによって行った圧力損失に
ついての比較実験結果について説明する。
具体実施例1 公称比表面積700g/m2ピッチ系活性炭素繊維60重量
部、麻30重量部、繊維状バインダーとしてのポリエステ
ル繊維10重量部、粘度調整剤としてポリエチレンオキサ
イド0.27重量部および水5000重量部を混合槽で混合攪拌
し、湿式抄紙法により抄紙した後に脱水し、しかる後
に、乾燥機で乾燥して600mm×1000m×1mmの活性炭素繊
維含有紙を作製し、次いで、エンボス加工機によって、
外径が8mmで高さが2mmの凹入膨出状の突起を多数形成し
て第1の部材を作製した。
一方、極細ポリプロピレンで、0.05〜0.07デニールの
糸から造られて、かつ、熱エレクトレット法、エレクト
ロエレクトレット法あるいはマグネットエレクトレット
法等で半永久的に電荷を付与することによって、その電
石不織布の面に垂直な方向に高度に配列した分極構造を
備えた電石不織布トレミクロンWR−30(東レ株式会社
製:厚さ0.20mm、目付30g/m2、気孔容積83.6%、表面電
荷密度3×10-9〜1×10-10クーロン/cm2)によって平
板状の第2の部材を作製した。
上記突起を有する第1の部材に平板状の第2の部材を
重ね合わせてシート状の積層吸着体を作製し、それを37
0mm×10mmの短冊状に切断し、それらを積層して、前述
した実施例2の積層吸着体[第3図参照]を作製した。
具体実施例2 上記具体実施例2の活性炭素繊維含有紙を第1の部材
とし、この第1の部材に具体実施例1と同様の電石不織
布で形成した平板状の第2の部材を重ね合わせてシート
状の積層吸着体を作製し、それを370mm×10mmの短冊状
に切断し、それらを積層して、前述した実施例2の積層
吸着体[第3図参照]を作製した。
比較例1 上記具体実施例1の第1の部材どうしを、突起の突出
方向を同じにして重ね合わせ、積層吸着体を作製した。
比較例2 上記具体実施例1の第1の部材どうしを、突起の凹入
面側どうしが対向するようにして重ね合わせ、積層吸着
体を作製した。
上述具体実施例1および2、ならびに、比較例1およ
び2それぞれの積層吸着体により、長さ370mm、高さ180
mm、幅10mmの温風暖房器用フィルターを供試用のフィル
ターとして作製し、圧力損失測定装置を用い、面風速1m
/秒における圧力損失を測定したところ、表に示す結果
を得た。
上記の結果、本発明の具体実施例の積層吸着体を用い
たフィルターは、比較例の積層吸着体を用いたフィルタ
ーに比べて、圧力損失を著しく低減でき、単位時間当り
に処理する流体の速度を高くでき、処理能力を向上でき
ることが明らかであった。
また、各種の流体を流したところ、アンモニア、硫化
水素、メチルエチルメルカプタン等の臭気成分、トルエ
ン等の有機溶剤に対して高い吸着性能を有するととも
に、オゾン分解能が高いことが明らかであった。更に、
この積層吸着体は難燃性であった。
次に、本発明に係る積層吸着体を用いて構成した各種
のフィルターの実施例について説明する。
フィルターの実施例1 第6図はフィルターの実施例1を示す一部切欠斜視図
であり、前述した実施例1の積層吸着体Aがケーシング
4内に多段に積層されて収容され、フィルターが構成さ
れている。
フィルターの実施例2 第7図はフィルターの実施例2を示す一部切欠斜視図
であり、ケーシング4の、被処理流体の流動方向上流側
の位置に、不織布をプリーツ加工して形成した除塵通気
用シート5が収容され、そして、その除塵通気用シート
5の被処理流体の流動方向下流側の位置に並ぶように、
前述した実施例1の積層吸着体Aが多段に積層されて収
容され、フィルターが構成されている。このフィルター
の実施例2が、本発明に係る第1のフィルターの実施例
に相当するものである。
フィルターの実施例3 第8図はフィルターの実施例3を示す一部切欠斜視図
であり、ケーシング4の、被処理流体の流動方向上流側
の位置に、不織布をハニカム加工して形成した除塵通気
用シート6が収容され、そして、その除塵通気用シート
6の被処理流体の流動方向下流側の位置に並ぶように、
前述した実施例1の積層吸着体Aが多段に積層されて収
容され、フィルターが構成されている。このフィルター
の実施例3も、本発明に係る第1のフィルターの実施例
に相当するものである。
フィルターの実施例4 第9図はフィルターの実施例4を示す一部切欠斜視図
であり、ケーシング4の、被処理流体の流動方向に直交
する方向の下半部分に、不織布をプリーツ加工して形成
した除塵通気用シート7が収容され、そして、その除塵
通気用シート7の被処理流体の流動方向に直交する方向
の上半部分に並ぶように、前述した実施例1の積層吸着
体Aが多段に積層されて収容され、フィルターが構成さ
れている。このフィルターの実施例4が、本発明に係る
第2のフィルターの実施例に相当するものである。
フィルターの実施例5 第10図はフィルターの実施例5を示す一部切欠斜視図
であり、前述した実施例4の積層吸着体Aがケーシング
4内に収容されてフィルターが構成されている。
フィルターの実施例6 第11図はフィルターの実施例6を示す一部切欠斜視図
であり、ケーシング4の、被処理流体の流動方向上流側
の位置に、不織布をハニカム加工して形成した除塵通気
用シート8が収容され、そして、その除塵通気用シート
8の被処理流体の流動方向下流側の位置に並ぶように、
前述した実施例4の積層吸着体Aが巻回により積層され
て収容され、フィルターが構成されている。このフィル
ターの実施例6も、本発明に係る第1のフィルターの実
施例に相当するものである。
フィルターの実施例7 第12図はフィルターの実施例7を示す一部切欠斜視図
であり、ケーシング4の、被処理流体の流動方向に直交
する方向の下半部分に、不織布をプリーツ加工して形成
した除塵通気用シート9が収容され、そして、その除塵
通気用シート9の被処理流体の流動方向に直交する方向
の上半部分に並ぶように、前述した実施例4の積層吸着
体Aが巻回により積層されて収容され、フィルターが構
成されている。このフィルターの実施例7も、本発明に
係る第2のフィルターの実施例に相当するものである。
上記実施例の積層吸着体Aでは、いずれも、突起2…
を有する第1の部材1を活性炭素繊維含有紙で形成し、
一方、平板状の第2の部材3を電石不織布で形成してい
るが、本発明の積層吸着体としては、突起2…を有する
第1の部材1を電石不織布で形成し、一方、平板状の第
2の部材3を活性炭素繊維含有紙で形成するものでも良
い。
前記電石不織布としては、上述実施例におけるものに
限らず、電石不織布の面に垂直な方向に高度に配列した
分極構造を有するもので、例えば、トレミクロンWR−20
(東レ株式会社製:厚さ0.15mm、目付20g/m2、気孔容積
80.7%、表面電荷密度3×10-9〜1×10-10クーロン/cm
2)やトレミクロンWR−50(東レ株式会社製:厚さ0.41m
m、目付50g/m2、気孔容積86.5%、表面電荷密度3×10
-9〜1×10-10クーロン/cm2)なども適用できる。
本発明に係る積層吸着体は、家庭用、業務用の空気清
浄器用の脱臭・除塵フィルターとか、オゾン除去用フィ
ルターとか、自動車の空気清浄器用の脱臭・除塵フィル
ターとか、温風暖房器・エアコン用の脱臭・除塵フィル
ターとか、クリーンルームなどでの空調用プレフィルタ
ーなど、各種の用途のフィルターに適用できる。
<発明の効果> 以上の説明から明らかなように、本発明の積層吸着体
によれば、突起をスペーサとして第1の部材と第2の部
材との間に流路を確保し、被処理流体を突起に衝突させ
て乱流化する。それ故、従来例のように突起の形成に起
因する凹入部への流入に伴う圧力損失や塵埃の滞留が無
く、被処理流体を第1および第2の部材に良好に接触さ
せることができる。そして、活性炭素繊維含有紙による
吸着効率を向上できて臭気成分や有害成分や有機溶剤な
どの吸着除去を良好に行うことができる。また、電石不
織布によって塵埃を電気的に捕集し、塵埃を効率良く捕
捉して除塵を極めて良好に行うことができる。
しかも、突起を形成した第1の部材どうしの間に平板
状の第2の部材を介在させるから、従来例のように、突
起が凹入部に入り込むことが無く、突起の位置を配慮せ
ずに積層できる。
そのうえ、脱臭性能を有する活性炭素繊維含有紙と、
高い除塵性能を有する電石不織布とを一体化してあるか
ら、全体として極めてコンパクトで設置スペースの小さ
い構成にできる。
更に、第1の部材の一方側の面から他方側の面に凹入
して膨出させることによって突起を形成し、それに平板
状の第2の部材を重ね合わせて凹入部を閉塞するから、
中実の突起を形成する場合に比べて簡単に製作できると
ともに材料少なくて安価である。
そして、本発明の第1および第2のフィルターによれ
ば、被処理流体に対する除塵を積層吸着体のみならず除
塵通気用シートによっても行う。これにより、フィルタ
ーを安価に製作できるとともに除塵効率をより一層向上
でき、塵埃を多く含んだ被処理流体に対しても好適に使
用できる。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明に係る積層吸着体およびそれを用いたフ
ィルターの実施例を示し、第1図は、シート状の積層吸
着体の斜視図、第2図は、積層吸着体の実施例1を示す
断面図、第3図は、積層吸着体の実施例2を示す断面
図、第4図は、積層吸着体の実施例3を示す断面図、第
5図は、積層吸着体の実施例4を示す断面図、第6図
は、フィルターの実施例1を示す一部切欠斜視図、第7
図は、フィルターの実施例2を示す一部切欠斜視図、第
8図は、フィルターの実施例3を示す一部切欠斜視図、
第9図は、フィルターの実施例4を示す一部切欠斜視
図、第10図は、フィルターの実施例5を示す一部切欠斜
視図、第11図は、フィルターの実施例6を示す一部切欠
斜視図、第12図は、フィルターの実施例7を示す一部切
欠斜視図、第13図は、従来例の積層吸着体における問題
点を説明する断面図である。 1……第1の部材 2……突起 3……第2の部材 5,6,7,8,9……除塵通気用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−72967(JP,A) 特開 昭53−115393(JP,A) 特開 昭58−8536(JP,A) 特開 平3−86209(JP,A) 実開 昭63−90421(JP,U) 実開 昭51−67473(JP,U) 実開 昭64−36022(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/02 - 53/12 B01D 39/00 - 39/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面の一方の面にのみ一方側の面から他方
    側の面に凹入して膨出させた複数の突起を形成したシー
    ト状の第1の部材と、平板状の第2の部材のうちの一方
    を電石不織布で形成するとともに、他方を抄紙構造の活
    性炭素繊維含有紙で形成し、前記第1の部材の前記突起
    の膨出しない側の面に前記第2の部材を重ね合わせると
    ともに、前記突起をスペーサとするように前記第1の部
    材に前記第2の部材を重ね合わせたことを特徴とする積
    層吸着体。
  2. 【請求項2】請求項第(1)項に記載の積層吸着体と除
    塵通気用シートとを、被処理流体の流動方向に並設した
    フィルター。
  3. 【請求項3】請求項第(1)項に記載の積層吸着体と除
    塵通気用シートとを、被処理流体の流動方向に直交する
    方向に並設したフィルター。
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