JP2818321B2 - 基板上に金属パターンを形成する方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

基板上に金属パターンを形成する方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP2818321B2
JP2818321B2 JP16336391A JP16336391A JP2818321B2 JP 2818321 B2 JP2818321 B2 JP 2818321B2 JP 16336391 A JP16336391 A JP 16336391A JP 16336391 A JP16336391 A JP 16336391A JP 2818321 B2 JP2818321 B2 JP 2818321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に金属パターン
を形成する方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法に関し、
第1の視点によれば、特に前者の方法は薄膜磁気ヘッド
等の導体層、磁性層の形成に有用であり、第2の視点に
よれば、後者の方法は更に詳しくは、薄膜磁気ヘッドの
導体層のパッド部に形成された保護層の除去方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】第1の視点に関連して、基板上に所定の
パターンに従って金属層を形成する技術は近年の電子回
路技術の進展を受けて薄膜磁気ヘッド、電子デバイス等
の分野においてますます重要な技術となっており、この
ため従来から種々の改良が試みられている。
【0003】図を参照しながら従来の金属パターンの
形成方法について、薄膜磁気ヘッドにおいて採用されて
いるフォトレジストを使用したリフトオフ法による導体
パターンの形成方法を例として説明する。
【0004】表面が鏡面として研摩された基板11上に
は、絶縁層12、第一のレジスト層13、第二のレジスト層
14が順次積層される。第一のレジスト層13と第二のレジ
スト層14とは共に有機材料から成り互いにエッチングレ
ートの異なるレジスト材料によって形成し、或いは有機
材料から成る第一のレジスト層の上部のみを薬品処理し
て第二のレジスト層とすることもできる(同図(A))。
【0005】次に第一のレジスト層13と第二のレジスト
層14とをエッチングにより選択的に除去してパターン溝
部16を形成し、溝底面に絶縁層12の露出面12Aを形成す
る。このとき第一及び第二のレジスト層相互のエッチン
グレートの差を利用して第一のレジスト層13をアンダー
カットさせて第二のレジスト層14にリフトオフを容易に
するためのオーバーバング14Aを形成する(同図
(B))。
【0006】次に、スパッタリング或いは真空蒸着等に
より導体層15を形成する。導体層15は、同図(C)に示す
ように、第二のレジスト層14の表面上と絶縁層12の露出
面12A上の溝部16とに形成する。各レジスト層は最終的
に、第二のレジスト層14、第一のレジスト層13というよ
うに夫々に適当なエッチ液を介して順次に除去し、同図
(D)に示すような導体層15即ち金属の微細パターンが基
板11上の絶縁層12上に残される。この後各導体層の間の
隙間15Aには別の絶縁層が形成され、導体層の上面と隙
間に形成された別の絶縁層の上面とが平坦面となるよう
に平坦化が行われる。
【0007】本発明の第2の視点に関連して、薄膜磁気
ヘッドは、近年の磁気記憶装置における記録密度の高密
度化の要請により、その小型化可能性及び良好な高周波
特性のためにバルクの磁気ヘッドに比べてますます多用
される傾向にある。
【0008】薄膜磁気ヘッドの電磁変換素子部の保護層
を除いた平面図として示した図に見られるように、薄
膜磁気ヘッド10の電磁変換素子部では、磁性或いは非
磁性の基板1上に、センダスト或いはアモルファス等か
ら成る上部及び下部磁性層2、6、導電性材料のCu等
から成るコイル導体層4(コイル部導体層4a及びパッ
ド部4b)及び有機材料又は無機材料から成る絶縁層等
が所定の薄膜形成手段及び微細加工手段を介して積層形
成され、この上から全体を覆い、薄膜磁気ヘッドを機械
的に保護する保護層が最終的に形成される。
【0009】このように形成された電磁変換素子では上
部及び下部磁性2、6の先端部に形成された磁気ギャ
ップ9と磁気記録媒体との間で信号の授受がなされ、こ
の信号は上部及び下部磁性とコイル部導体層4aとの
間で相互に授受され、コイル部導体層4aと相互に連接
されて一体に形成されたパッド部4b(ターミナル)に
この信号が伝達され、パッド部4bと外部電子回路との
間で信号が伝達されることとなる。
【0010】従来薄膜磁気ヘッドにおいては、コイル部
導体層4aと連接して形成され外部線との接続部となる
前記パッド部4bにあっては最終層となる保護層によっ
て全体が一旦覆われた後に改めてエッチングによる除去
が行われていた。エッチングの方法としてはアルゴンに
よるイオンビームエッチング或いはフロン系ガスによる
反応性エッチングによる乾式エッチングの他、弗化水素
酸による湿式エッチングの方法もとられていた。またこ
のような厚い保護層の形成をマスクにより阻止して、そ
の後マスクによっては阻止できない保護層のみを弗化水
素酸利用による湿式エッチングによって除去する方法も
提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の視点に
関連して、従来の金属パターン形成法においては、二層
構造の有機物材料から成るフォトレジスト層13、14のパ
ターンを形成し、例えば磁気薄膜ヘッドのコイル導体層
の如き金属の微細パターンをこれらのフォトレジスト層
のパターンを介してスパッタリング、真空蒸着等によっ
て形成している。
【0012】一般に有機材料から成るフォトレジスト層
は、無機材料に比べると耐熱性に劣り、スパッタリン
グ、蒸着の際の金属膜製膜時の熱によって影響を受け、
パターン形状自体が変化したり、或いは熱硬化等により
レジスト材料としての性質が変化し、エッチ液に対する
溶解特性が変化し勝ちである。この形状変化のため所望
する金属パターンが得られなかったり、溶解特性の変化
でレジスト層の除去(リフトオフ)が不完全となり、所
望の金属パターン形成ができなくなるなどの問題があ
る。
【0013】本発明は、第1の視点において、上記問題
点に鑑み基板上に金属パターンを形成する方法におい
て、スパッタリングや真空蒸着の際にレジストのパター
ン形状が変化する恐れ、及び、エッチ液に対する溶解特
性の変化に起因してレジストの除去が不完全となる恐れ
を解消し、これにより、正確な微細パターンの形成が可
能で且つレジストのリフトオフが容易な改良された金属
パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【0014】更に本発明は、第1の視点において、上記
目的達成にあたって、パターニングの際に金属層の表面
に凹凸が生ずることなく、良好な平坦面を得ることがで
きる金属パターンの形成方法を提供することをも目的と
する。
【0015】本発明の第2の視点に関連して、従来の薄
膜磁気ヘッドの製造方法において、パッド部の保護層の
除去を乾式エッチングによって行う方法の場合には、乾
式エッチングのために真空槽等の設備を要し、この設備
がきわめて大がかりであるため製造コストが上昇すると
いう問題がある。一方弗化水素酸を採用した湿式エッチ
ングによる保護層の除去の場合には、弗化水素酸は化学
的性質がきわめて強くかつ有害なため危険性が高く、こ
のエッチング工程や使用するエッチング材料である弗化
水素酸の取扱い等にあたっては特に十分な注意が必要で
あるという問題がある。
【0016】本発明は、第2の視点において、上記の如
き従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法に採用されている保
護層の除去に際してできるだけ低コストでこの保護層の
除去を行い、且つエッチング工程及び取扱上危険性の少
ない保護層の除去方法を採用し、これにより改良した薄
膜磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点にお
いて、前記目的は、基板上に少なくとも2層以上(第1
層(最下層)及び第2層以上)の無機材料層を順次積層
する工程(a)、前記無機材料層上にレジストパターン
を形成する工程(b)、前記レジストパターンをマスク
として前記無機材料層を選択的に除去してパターン溝部
を形成する工程(c)、前記レジストパターンを除去す
る工程(d)、前記無機材料層の最上層の表面と前記溝
部とに金属層を被覆する工程(e)、前記溝部の金属層
の少くとも一部を残し、前記無機材料層の最上層の表面
を被覆する金属層を前記無機材料層の最上層の少くとも
一部が表われるまで除去する工程(f)、及び前記無機
材料層の少なくとも最上層を含む1層以上の無機材料層
を除去する工程(g)、を含む基板上に金属パターンを
形成する方法によって達成される。
【0018】前記工程(g)において、好ましくは、無
機材料層のうち少なくとも最下層を含む層を残す。
【0019】前記工程(c)は、好ましくは、無機材料
層のうちの少なくとも最下層を含む層と少なくとも最上
層を含む層に対して異なるエッチング特性を有する異な
るエッチング媒体を用いて行なう。
【0020】前記エッチング媒体は、好ましくは、夫
々、少なくとも最下層を含む層又は少なくとも最上層を
含む層に対して選択的な溶解度を有するエッチング液で
ある。
【0021】前記工程(a)は、好ましくは、カルボン
酸溶液に不溶の少なくとも最下層を含む層と、カルボン
酸溶液に溶解する少なくとも最上層を含む層を形成する
ことにより行ない、前記工程(c)において、無機材料
層のうちの少なくとも最上層を含む層の選択的なエッチ
ングのためにカルボン酸溶液を用い、少なくとも最下層
を含む層を選択的にエッチングするエッチング液を、少
なくとも最下層を含む層のエッチングに用いる。
【0022】前記無機材料層のうちの少なくとも最上層
を含む層は、好ましくは、2MgO・SiO2層であ
る。
【0023】前記無機材料層のうちの少なくとも最下層
を含む層は、好ましくは、SiO2層である
【0024】前記2MgO・SiO2層は、好ましく
は、減圧下において不活性ガスと酸素の混合気体中にお
けるスパッタリングにより形成する。例えば、95%の
Arと5%のO2の混合気体(圧力0.4Pa程度)中にお
けるスパッタリングにより形成する。
【0025】前記工程(f)は、好ましくは、基板の法
線に対して75°以上のイオン入射角でイオンビームを
照射するイオンビームエッチングにより行なう。
【0026】前記工程(c)の後における無機材料層の
うちの少なくとも最上層を含む層は、好ましくは、前記
工程(f)のイオン入射角以下の斜面を有する。
【0027】前記無機材料層としては、たとえばSiO2
Al2O3、MgO、2MgO−SiO2、GeO2等の酸化物が使用され
る。前記無機材料層を選択的に除去するためには、イオ
ンビームエッチング、酸等による湿式エッチング、反応
性エッチング等が採用でき、エッチ液としては弗酸、カ
ルボン酸等が使用され、反応性エッチングとしてはフロ
ン系ガス等によるもの等がある。
【0028】例えば無機材料層として、SiO、SiO2およ
び2MgO・SiO2が採用される場合には、SiO、SiO2は弗酸
(弗化水素酸)が好適であり、また2MgO・SiO2はカルボ
ン酸が好適である。
【0029】好ましくは、無機材料層のうちの最上層を
含む1層以上(但し、少なくとも最下層を除く)とし
て、減圧下で(例えば0.4Pa程度で)Ar等の不活性
ガスとO2の混合ガス雰囲気(例えば5%程度のO2を含
む)中でスパッタリング法により製膜した2MgO・S
iO2(フォルステライト)を用い、無機材料層のうち
の最下層を含む1層以上として、カルボン酸に不溶な無
機材料層(例えばSiO2層)を用いる。前記最上層と
して用いた2MgO・SiO2は、酢酸、シュウ酸、蟻
酸等のカルボン酸に可溶である。
【0030】本発明の第2の視点において、前記目的
は、基板上に少なくとも磁性層、コイル導体層、絶縁層
及び保護層が薄膜形成手段によって積層形成される薄膜
磁気ヘッドの製造方法において、前記コイル導体層と連
接して形成される外部線接続用パッド部の上部に形成さ
れた前記保護層をCOO-イオンを含む溶液でエッチングす
る工程を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方
法によって達成される。
【0031】保護層の除去には例えば酢酸、シュウ酸、
蟻酸等のCOO-イオンを含む溶液を使用し、保護層の構成
材料としては例えばMgO・SiO2、2MgO・SiO2(好ましく
は減圧下(例えば0.4Pa程度)において不活性ガス
(例えばAr等)とO2の混合ガス雰囲気(例えば5%
程度のO2を含む)中でスパッタリング法により形成し
たもの)、MgO、GeO2、MgO-SiO2系組成物、MgO-SiO2-Al
2O3系組成物等の無機材料を使用する。
【0032】好ましくは、磁性層(下部及び上部磁性
層)及びコイル導体層のうちの少なくとも1層を、本発
明の第1の視点による金属パターン形成方法で形成す
る。
【0033】
【作用】第1の視点 前記レジスト層は金属層の形成時には既に除去されてお
り、前記無機材料層から成る前記パターン溝部は、金属
層の形成時の熱によって形状変化が生じたり、リフトオ
フが困難になったりする恐れがなく、従って金属層形成
時の熱によって金属パターンの形状変化や金属パターン
ができなくなる等の障害は生じない。
【0034】上記構成によって形成される金属パターン
の好適な例としては薄膜磁気ヘッドのコイル導体層のパ
ターンがあり、また薄膜磁気ヘッドの下部及び上部磁性
膜のパターンにも採用でき、その他の固体電子デバイス
の金属導体パターンの形成にも有用である。
【0035】第2の視点 COO-イオンを含む溶液を保護層の除去に採用する湿式エ
ッチングの場合には、従来の乾式エッチングの場合のよ
うに真空槽等の大がかりな設備を要しなく、またカルボ
ン酸自体は有害物質でなく化学的性質もさほど強くない
ため、従来の弗化水素酸利用の湿式エッチングの場合と
異なり危険性がないので、エッチング工程及びその材料
の取扱いにさほど注意を払う必要もない。
【0036】
【実施例】
【第1の視点による実施例】本発明の一実施例について
図1及び図2を参照して説明する。この説明では、金属
パターンの形成方法として、薄膜磁気ヘッド等における
導体層パターンの形成方法を一例として示し、図1
(A)〜(E)及び図2(F)〜(H)に示された各工
程順に従って説明を加える。
【0037】図1(A)において1は基板を示し、この
基板1上にはSiOから成る第一の無機材料層2が3
μm厚みの膜としてスパッタリングによって形成され、
その上には2MgO・SiOから成る第二の無機材料
層3が2μmの層として形成される。
【0038】次に前記無機材料層上にレジスト層4とな
るフォトレジストが塗布される(図1(B))。前記レ
ジスト層4としてはネガタイプ或いはポジタイプのいず
れのフォトレジストも採用でき有機材料が使用される。
この実施例の場合その塗布厚みは約7μmである。
【0039】前記レジスト層4は、100℃程度に予熱
される安定化工程の後、露光によって所定のマスクパタ
ーンが転写され、更にエッチ液による湿式処理を介し
て、通常のパターニングの形成が行われる(図1
(C))。
【0040】前記レジスト層4のパターニングが完了す
るとこのレジスト層4をマスクパターンとして用い、前
記無機材料層2及び3をイオンビームエッチング等のエ
ッチング処理によってパターニングを行なう。これによ
ってパターン溝部6が形成され、この溝部6底面におい
て基板1に露出面1Aが形成される。このパターニング
に際して、フロン系ガス等による反応性エッチングも採
用でき、或いは、第一の無機材料層であるSiO2は弗酸、
第二の無機材料層である2MgO・SiO2はカルボン酸など、
適当なエッチ液を選定して湿式法を採用することも可能
である。
【0041】第二の無機材料層3及び第一の無機材料層
2のパターニングが完了すると(図1(D))、前記レ
ジスト層4はアセトン等のエッチ液を使用して除去さ
れ、無機材料から成る第二の無機材料層3の表面3Aが
露出する(図1(E))。この第二の無機材料層3の表
面3A及び基板面の一部の露出面1Aの上部の溝部6に
Cu等の導体層が第一の無機材料層2の厚み3μmと同
じ厚みだけ被着され、第二の無機材料層3の表面3Aに
は導体層51及び53が、溝部6には導体層52が夫々
形成される(図2(F))。導体層5はこの場合スパッ
タリング、蒸着法によって形成される。
【0042】次にイオンビーム等により第二の無機材料
層表面3A上の導体層51と53のエッチングが行われる。
この場合基板面の垂線nと所定角度α傾いた方向a、b
から照射されるイオンビームによって導体層51はエッチ
ングされる。イオンビーム入射角度αとしては約75度が
採用され、この角度によって導体層5の内第二の無機材
料層3の表面3A上部に被着した導体層51及び第一の無
機材料層と同じ高さ位置に形成されている導体層53(図
上破線で示された部分)のみがこのイオンエッチングに
よって除去される。但し基板露出面1A上の溝部6内に
被着した導体層52は、第二の無機材料層上の導体層51並
びにこの導体層51が除去された後には導体層53及び第二
の無機材料層3によってイオンビームから遮蔽されて、
最終段階の前までそのまま残され最終段階でわずかにエ
ッチングを受け平坦面となる。
【0043】導体層51、53のイオンビームエッチン
グが進行し、絶縁層2の表面が必要に応じ完全に又は一
部露出すると(図2(G))、イオンビームエッチング
は終了し、その後第二の無機材料層3は例えば湿式法に
よって除去される(図2(H))。この際エッチ液とし
ては導体層に作用したり悪影響を与えたりせず第二の無
機材料層を選択的に除去できるエッチ液、好ましくは蓚
酸、酢酸、蟻酸等のCOOイオン(カルボキシルイオ
ン)を有する酸が使用される。
【0044】第二の無機材料層3が除去されると、第一
の無機材料層2と導体層5とはほぼ同じ厚みに残され平
坦面として形成されており、従来の金属パターンの形成
方法とは異なり、導体層相互の間に新に別の絶縁層を形
成させる必要がないばかりか、本発明の金属パターンの
形成方法に後続する次の工程のために平坦化工程が不要
である。
【0045】ところで、本実施例においてはイオンビー
ム入射角度αを75゜としたが、前記第二の無機材料層
斜面の角度90−θは75゜以上が好適である。すなわ
ち前記斜面の角度90−θとイオンビーム入射角度αは
式の条件を満たすことが好適である。
【0046】90−θα −式 上記方法により、導体層5のスパッタリング等の際には
レジスト層4を構成する有機物レジスト材料は既に除去
されているので、このスパッタリング等に際して従来問
題となっていたレジスト層におけるパターン形状の変化
や、エッチ液に対する溶解特性に変化が生ずる等の恐れ
はない。
【0047】また、従来方法のように導体層表面の凹凸
が生じず、導体層と無機材料層表面とは平坦に形成され
る。
【0048】本実施例では、無機材料層が2層の場合に
ついて述べたが無機材料層が2層以上の場合にも同様な
効果があることは勿論である。
【0049】
【第2の視点による実施例】本発明の一実施例の薄膜磁
気ヘッドの製造方法における保護層の除去について図
を参照して説明する。同図はこの実施例の薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法において保護層の形成前、形成後及びパッ
ド部上の保護層の除去後の夫々の断面図を(a)〜
(c)として示してあり、これらは図に示した薄膜磁
気ヘッド10の電磁変換素子部のI−I矢視図でもあ
る。
【0050】同図(a)において基板1上には下部磁性層
2がまずスパッタリング等により形成され、次に絶縁層
3、コイル導体層4及び絶縁層5、ギャップ層8、上部
磁性層6が、下部磁性層2上に順次薄膜として形成され
ると共に所定の形状に従ってパターニングされる。
【0051】コイル導体層4はコイル部導体層4aと、
該コイル部導体層4aと同時に且つ互いに連接して形成
され外部リード線接続用端子として構成されるパッド部
4bとから成り、パッド部4bは、薄膜磁気ヘッドの完
成後外部配線に接続され、コイル導体層4aにおいて発
生した信号電圧を外部に伝達する外部端子として使用さ
れる。
【0052】絶縁層5は真空蒸着或いはスパッタリング
等により層として形成された後直ちに磁気ギャップ層形
成等のためのイオンビーム等により所定の形状に従って
パターニングされるのであるが、このパターニングの際
にパッド部4b上部に形成された絶縁層5も同時に除去
されている。
【0053】次に薄膜磁気ヘッド10の電磁変換素子部全
体を覆って保護層11が形成される。保護層11はCOO-イオ
ンを含む溶液に容易に溶ける無機材料、例えば2MgO・Si
O2から成り、機械強度上の要請等のためその厚みは例え
ば45μmと他の積層部位に比して極めて厚く積層される
ものである。この絶縁層は例えばスパッタリング等によ
って形成される。(同図(b))。
【0054】次に図示されないフォトレジスト層を保護
膜11の表面に塗布し、露光及び現像等の周知の方法によ
ってパターニングを行い、パッド部4b上及びその周辺
上に塗布されたフォトレジスト層のみをパッド部4bの
形状に対応して除去する。このフォトレジスト層をマス
クとしてCOO-イオンを含む溶液の一種であるシュウ酸溶
液によってパッド部4b上の保護層11のみを除去し、パ
ッド部4b上の保護層11に外部リード線接続のための窓
部を形成する。この後他の部分に塗布されて残されてい
るフォトレジスト層が周知の方法で除去される(同図
(c))。この後パッド部4bには外部リード線となる配
線がボンディングされる。
【0055】本実施例による薄膜磁気ヘッドの製造方法
の場合においては、保護層を構成する材料として2MgO・
SiO2を使用した例を示したが、保護層の材料としてはこ
の他に例えばMgO・SiO2その他のMgO-SiO2系組成物、MgO
-SiO2-Al2O3系組成物、MgO、GeO2等も使用でき、その他
にもCOO-イオンを含む溶液に溶ける材料であれば使用可
能である。
【0056】COO-イオンを含む溶液としては酢酸、シュ
ウ酸、蟻酸等が使用でき、いずれも保護層の除去に従来
使用されていた無機酸である弗化水素酸に比べると安全
で化学的性質がさほど強くなく、エッチング工程中及び
その材料の取扱い中において弗化水素酸等に比しさほど
の注意を要しない。
【0057】
【発明の効果】本発明の第1の視点においては、従来の
金属パターンの形成方法のように有機材料であるフォト
レジストの使用によるリフトオフの不安定性並びにパタ
ーンの形状変化を生ずることなく、安定なリフトオフと
形状変化の生じないパターニングを得ることができ、従
って円滑な工程による微細パターンの形成が可能な、基
板上に金属パターンを形成する方法を提供することがで
きた。
【0058】また第1の視点の発明によれば、最終的に
残される導体層の凸凹平坦化も同じ工程内において行う
ことができ、金属層の表面に凹凸の発生の恐れがない。
よって本発明の金属パターンの形成方法に後続する次の
工程が容易となる。
【0059】本発明の第2の視点による薄膜磁気ヘッド
の製造方法の構成において、COO-イオンを含む溶液を使
用した湿式エッチングによって導体層のパッド部上に形
成された保護層を除去する工程を採用したことにより、
真空槽等の如き大がかりな設備を要したイオンビーム等
の乾式エッチングとは異なり大がかりな設備を必要とし
ないため薄膜磁気ヘッドの製造コストを低減させること
ができ、また弗化水素酸をエッチング材料として採用し
た湿式エッチングに比べると、COO-イオンを含む溶液は
化学的性質がさほど強くはなく取扱者に対する危険が少
ないので、その工程及び材料の取扱いも容易であり、従
って、製造コストの低減が可能でエッチング作業自体が
容易な薄膜磁気ヘッドの製造方法の提供が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(E)は本発明の第1の視点の一実施
例に係る基板上に金属パターンを形成する方法に従っ
て、各工程毎に順次に各層の状態を示す各層断面図であ
る。
【図2】(F)〜(H)は本発明の第1の視点の一実施
例に係る基板上に金属パターンを形成する方法に従っ
て、各工程毎に順次に各層の状態を示す各層断面図であ
る。
【図3】第1の視点に関する従来の金属パターンを形成
する方法に従う図1と同様な図である。
【符号の説明】11 …基板12 …絶縁層13 …第一のレジスト層14 …第二のレジスト層15 …導体層16 …溝部12A …露出面
【図4】本発明の第2の視点の薄膜磁気ヘッドの製造方
法の一実施例であるパッド部上の保護層の除去の様子を
示すための薄膜磁気ヘッドの要部である電磁変換素子部
の断面図で、(a)は保護層形成前、(b)は保護層形
成後、(c)はパッド部上の保護層除去後を夫々示す図
である。
【符号の説明】 1…基板 2…下部磁性層 3…絶縁層 4a…コイル部導体層 4b…パッド部 5…絶縁層 6…上部磁性層 10…薄膜磁気ヘッド 11…保護層
【図5】第2の視点に関する従来及び本発明の薄膜磁気
ヘッドの構造を示すため保護層を除いて示す電磁変換素
子部の平面略図である。
【符号の説明】
1…基板 2…下部磁性 4…コイル導体層 4a…コイル部導体層 4b…パッド部 6…上部磁性 10…薄膜磁気ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/04 H01L 21/88 G (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/04 C23F 1/00 102 G11B 5/127 H01L 21/3065 H01L 21/3205 H05K 3/04

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも2層以上の無機材料層
    を順次積層する工程(a)、 前記無機材料層上にレジストパターンを形成する工程
    (b)、 前記無機材料層を前記レジストパターンをマスクにして
    選択的に除去してパターン溝部を形成する工程(c)、 前記レジストパターンを除去する工程(d)、 前記無機材料層の最上層の表面と前記パターン溝部とに
    金属層を被覆する工程(e)、 前記パターン溝部の金属層の少くとも一部を残し、前記
    無機材料層の最上層の表面を被覆する金属層を前記無機
    材料層の最上層の少くとも一部が表われるまで除去する
    工程(f)、及び前記無機材料層のうち少なくとも最上
    層を含む1層以上の無機材料層を除去する工程(g)、 を含むことを特徴とする基板上に金属パターンを形成す
    る方法。
  2. 【請求項2】前記工程(g)において、無機材料層のう
    ち少なくとも最下層を含む層を残すことを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記工程(c)は、無機材料層のうちの少
    なくとも最下層を含む層と少なくとも最上層を含む層に
    対して異なるエッチング特性を有する異なるエッチング
    媒体を用いて行なうことを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】前記エッチング媒体は、夫々、少なくとも
    最下層を含む層又は少なくとも最上層を含む層に対して
    選択的な溶解度を有するエッチング液であることを特徴
    とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記工程(a)は、カルボン酸溶液に不溶
    の少なくとも最下層を含む層と、カルボン酸溶液に溶解
    する少なくとも最上層を含む層を形成することにより行
    ない、 前記工程(c)において、無機材料層のうちの少なくと
    も最上層を含む層の選択的なエッチングのためにカルボ
    ン酸溶液を用い、少なくとも最下層を含む層を選択的に
    エッチングするエッチング液を、少なくとも最下層を含
    む層のエッチングに用いることを特徴とする請求項4記
    載の方法。
  6. 【請求項6】前記無機材料層のうちの少なくとも最上層
    を含む層は、2MgO・SiO2層であることを特徴と
    する請求項3〜5の一に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記無機材料層のうちの少なくとも最下層
    を含む層は、SiO2層であることを特徴とする請求項
    3〜5の一に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記2MgO・SiO2層は、ArとO2
    混合気体中におけるスパッタリングにより形成すること
    を特徴とする請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】前記工程(f)は、基板の法線に対して7
    5°以上のイオン入射角でイオンビームを照射するイオ
    ンビームエッチングにより行なうことを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  10. 【請求項10】前記工程(c)の後における無機材料層
    のうちの少なくとも最上層を含む層は、前記工程(f)
    のイオン入射角以下の斜面を有することを特徴とする請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】基板上に少なくとも磁性層、コイル導体
    層、絶縁層及び保護層が薄膜形成手段によって積層形成
    される薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前記コイル
    導体層と連接して形成される外部線接続用パッド部の上
    部に形成された前記保護層をCOO-イオンを含む溶液でエ
    ッチングする工程を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  12. 【請求項12】前記保護層がCOO-イオンを含む溶液に可
    溶な無機材料から構成されることを特徴とする請求項1
    1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】前記磁性層及びコイル導体層のうちの少
    なくとも1層を請求項1記載の金属パターンを形成する
    方法により形成することを特徴とする請求項11又は1
    2記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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