JP2817862B2 - ドライヤーカンバスの走行ガイド用パーム - Google Patents

ドライヤーカンバスの走行ガイド用パーム

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JP2817862B2
JP2817862B2 JP4053140A JP5314092A JP2817862B2 JP 2817862 B2 JP2817862 B2 JP 2817862B2 JP 4053140 A JP4053140 A JP 4053140A JP 5314092 A JP5314092 A JP 5314092A JP 2817862 B2 JP2817862 B2 JP 2817862B2
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良行 大森
登志朗 田尻
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敷島紡績 株式会社
倉敷ボーリング機工 株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抄紙機のドライヤーパ
ートにおいて、ドライヤーカンバスの自動走行ガイドと
して使用されるパームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】抄紙機のドライヤーパートにおいて、ド
ライヤーカンバスの自動走行ガイドであるパームのカン
バスと接する面の材質は、従来、ステンレス製のものが
使用されていたが、ドライヤーカンバスの端部でパーム
が摩損されることになる。
【0003】そのため、最近では、耐摩耗性の観点から
セラミックを使用したものが使われている(実公昭58−
12879号公報、実開昭61−164300号公報等)。
【0004】また、ドライヤーカンバスの方は、湿紙の
乾燥性や耐久性の面から合成繊維製のモノフィラメント
糸又はマルチフィラメント糸で織成されたものが多く使
用されており、合成繊維としては、ポリエステル、ポリ
アクリル及びナイロン等が一般に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】パームは、セラミック
をドライヤーカンバスとの接触面に使用することによっ
て耐摩耗性は改善されたが、一方、ドライヤーカンバス
は、セラミック粒子がもつ硬度が高いこと及び熱伝達係
数が低いことの原因により、セラミックとの接触面であ
る耳部が摩耗と摩擦熱により摩損し、ドライヤーカンバ
スの耐久性が低下する問題が発生してきた。
【0006】特に、抄紙機の高速化に伴って、この摩損
の現象が増大される傾向になり、抄紙機の運転上、重要
な問題となってきた。
【0007】上記の問題点を解決する手段としては、パ
ームのドライヤーカンバスとの接触面がセラミックであ
る場合でも、ドライヤーカンバスの耳部が摩損しないよ
うにドライヤーカンバスの方で対策することが考えられ
る。
【0008】しかし、ドライヤーカンバス1反に対し、
パームは1組備えられるのが一般的である。ドライヤー
カンバスの1反の長さは平均的には40〜50mとなる
ので、最小限その耳部を例えば摩損しない材質等に補強
するとしても価格的には大幅な上昇となる。
【0009】そのため、本発明者等は、パームの方で対
策を行う方が得策であるとの観点に立って、ドライヤー
カンバスとの接触面であるパームの材質をどうすればド
ライヤーカンバスの耳部の摩損が減少でき、かつ、パー
ムの損傷もなくなるかについて種々検討及び試験により
確認を行った。
【0010】一般には、パームは、ステンレス、アルミ
ニウム、鉄等の基材の表面にセラミック(酸化クローム
または、酸化アルミニウム97%と酸化チタニウム3%の
混合材料)の溶射コーティングが施工されている。
【0011】ドライヤーカンバスの耳部が摩損する原因
としては、 硬いセラミック粒子による切削摩損 低い熱伝導率の為、摩擦熱のコーティング層での蓄熱
による溶融 が考えられる。
【0012】このため、ドライヤーカンバス耳部摩損防
止対策として、パームを、 耐熱性の高い材料で粒子があまり鋭利にならないもの
を選定する。
【0013】熱伝導率の高い材料とし、熱の拡散を図
る。
【0014】従来の物と同等もしくは、それに近い耐
摩耗性を保有する。
【0015】ことが必要であることが判明した。
【0016】その結果、本発明を完成するに到ったもの
である。
【0017】本発明の目的とするところは、ドライヤー
カンバスの耳部の摩損を減少させ、ドライヤーカンバス
の耐久性を向上させ、その寿命を一段と向上させ、パー
ム自体の損傷もないパームを提供しようとするものであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、抄紙機におけるドライヤーカンバスの走
行ガイド用パームの表面に6Kcal/m・h・℃以上
の熱伝導率をもつ良熱伝導性、耐熱性、耐摩耗性を備え
た硬質合金材料の溶射皮膜を形成した。
【0019】
【作用】本発明は、良熱伝導性、耐熱性、耐摩耗性を備
えた硬質合金材料の溶射皮膜をパームの表面に形成した
から、耐熱性、耐摩耗性が高く、ドライヤーカンバスの
耳部に対して、セラミックのような切削作用が軽減さ
れ、熱伝導率が高いため熱の拡散が良好であり、ドライ
ヤーカンバスの耳部を溶融させることを減少させ得る。
【0020】
【実施例】図1は本発明に係るパームとドライヤーカン
バスとの関係を示す平面図であって、(1)はパーム、
(2)はドライヤーカンバスを示している。
【0021】パーム(1)は、図2に示す様に、基材
(1a)の表面、即ちドライヤーカンバス(2)の耳部
と接触して案内する面に溶射皮膜(1b)を適当な結合
材(1c)を介して密着形成させてある。
【0022】パーム(1)の基材(1a)は、ステンレ
ス、アルミニウム、鉄等の金属材料で構成される。
【0023】本発明の実施例の1つは、上記パーム
(1)の表面に、Ni(ニッケル)、Cr(クローム)
の粉末にMo(モリブデン)を混合したものを溶射して
溶射皮膜(1b)を密着形成させた構成が挙げられる。
【0024】また、本発明の他の実施例として、上記パ
ーム(1)の表面に、WC(タングステンカーバイド)
とCo(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cr(クロー
ム)をバインダとして用いて溶射した溶射皮膜(1b)
を密着形成させた構成が挙げられる。
【0025】溶射皮膜(1b)に使用される溶射材料
は、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Mo(モリブ
デン)、Co(コバルト)、WC(タングステンカーバ
イド)、WC−Co(91-9重量%)、WC−Co(87−
13重量%)、WC−Co(85−15重量%)、WC−WC
・WCr−Ni(25−70− 5重量%)、WC−Co−C
r(86−10−4重量%)、(W,Ti)C−Ni(83−1
7重量%)、その他、耐熱性、耐摩耗性、熱伝導率が高
い各種硬質合金材料が使用可能である。
【0026】溶射方法は、ガス式溶射と電気式溶射のい
ずれでもよい。尚、ガス式溶射には、溶線式フレーム溶
射、溶棒式フレーム溶射、粉末式フレーム溶射(高速、
低速)等がある。また、電気式溶射には、アーク溶射、
プラズマ溶射、線爆溶射、レーザー溶射等がある。
【0027】結合材(1c)は、基材(1a)の表面へ
の溶射皮膜(1b)の形成を容易化し、基材(1a)へ
の結合力を強固にするためのものであって、基材(1
a)の材質、溶射材料の性質、溶射方法との関係等によ
って適宜選択され、例えば、Ni・Al合金等が50〜
70μmの厚さで溶射形成される。
【0028】次に、本発明の実施例と従来のものとの摩
耗試験結果を説明する。
【0029】
【表1】
【0030】パーム(1)の基材(1a)は、ステンレ
スで、結合材(1c)には、Ni・Al合金を50〜7
0μmで溶射した。そして、実施例1は、Ni、Cr、
Si、Bの合金にMoを混合したものをプラズマ溶射法
で溶射して300〜400μmの厚さの溶射皮膜(1
b)を形成させたものである。
【0031】実施例2は、WCとCoとの粉末を、粉末
式高速フレーム溶射法で溶射して50〜80μmの厚さ
の溶射皮膜(1b)を形成させたものである。
【0032】従来例は、セラミックの一例として、Cr
2 3 をプラズマ溶射法で溶射して300〜400μm
の皮膜を形成させたものである。
【0033】上記3種類のパーム(1)によるドライヤ
ーカンバス(2)の摩耗量を調べるため、図3の(A)
に示すように起動ロール(3)、ガイドロール(4)
(5)及びテンションロール(6)間にドライヤーカン
バス(2)を無端状に張設し、張力1.85kg/c
m、走行速度600mm/minで20時間の走行テス
トをし、途中両側耳部に図3の(B)に示すようにパー
ム(1)をスプリング(7)を介して3kgの力で圧接
させてドライヤーカンバス(2)の耳部の摩耗量を夫々
のパーム(1)について測定した。この場合、試験に使
用したドライヤーカンバス(2)は、図3の(C)に示
すように、長さ4m、幅20cmで−側の耳部(2a)
には幅40mmに亘ってポリウレタン樹脂加工を施した
ものを使用した。そして、このドライヤーカンバス
(2)の構成は、図4に示すように、二重織組織とし、
経糸には太さ0.4mmのテトロンモノフィラメントT
M040(テトロン−商標名−ポリエステル繊維)を8
4.0(本/2.54cm)の密度で、また、緯糸に
は、表裏ともに太さ0.5mmのテトロンモノフィラメ
ントTM050(テトロン−商標名−ポリエステル繊
維)を16.5×2(本/2.54cm)の密度で使用
している。
【0034】図5は、実施例1及び2のパームと従来例
のパームとによるドライヤーカンバスの耳部の摩耗量を
4mの長さの複数位置で測定して示している。この結
果、従来例のパームによるカンバスの摩耗量は、最大部
分が約7.5mm、最小部分でも約5.5mmであった
が、本発明の実施例1では、最大部分が約4mm、最小
部分が約2.5mmであり、実施例2では、最大部分が
約4mm、最小部分が約3.5mmであって、いずれも
摩耗量が30〜50%減少していることが確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ドライヤーカンバスと
の接触部で発生する摩擦熱が溶射皮膜の高い熱伝導性に
よってパームの基板並びに取付アーム等の部材に速やか
に伝達拡散して放熱され、ドライヤーカンバスの耳部の
溶融損傷を著減させることができ、かつ、パーム自体の
摩損が軽減されると共に、従来のセラミック製のパーム
のような硬度の高いセラミック粒子による切削作用がな
いため、ドライヤーカンバスの耳部の摩損を減少させ、
ドライヤーカンバスの耐久性及び寿命を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパームとドライヤーカンバスとの
関係を示す平面図
【図2】本発明に係るパームの構成を示す断面図
【図3】 (A)はパームによるカンバスの摩耗状況を調べるため
に使用した走行テスト装置の概略側面図 (B)はパーム部分の正面図 (C)は試料カンバスの説明図
【図4】試料カンバスの組織説明図
【図5】本発明の実施例と従来例とのパームによるカン
バスの摩耗量比較グラフ
【符号の説明】
1 パーム 1a 基材 1b 溶射皮膜 1c 結合材 2 ドライヤーカンバス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田尻 登志朗 岡山県倉敷市松江2丁目4番20号 倉敷 ボーリング機工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−105533(JP,A) 特公 昭57−38339(JP,B2) 特公 昭56−32394(JP,B2) 実公 昭64−1999(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙機におけるドライヤーカンバスの走
    行ガイド用パームの表面に6Kcal/m・h・℃以上
    の熱伝導率をもつ良熱伝導性、耐熱性、耐摩耗性を備え
    た硬質合金材料の溶射皮膜を形成したことを特徴とする
    ドライヤーカンバスの走行ガイド用パーム。
JP4053140A 1992-03-12 1992-03-12 ドライヤーカンバスの走行ガイド用パーム Expired - Lifetime JP2817862B2 (ja)

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