JP2817064B2 - Bu―3608抗生物質のセリン類縁体 - Google Patents

Bu―3608抗生物質のセリン類縁体

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真樹 西尾
威夫 宮気
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ブリストル―マイヤーズ スクイブ カンパニー
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    • C12P19/56Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides having an oxygen atom of the saccharide radical directly bound to a condensed ring system having three or more carbocyclic rings, e.g. daunomycin, adriamycin

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、抗真菌抗生物質、その製造法及びその用途
に関する。特に、その抗生物質は、アクチノマズラ ヒ
ビスカ(Actinomadura hibisca)によつて産生され、
ベンゾ〔a〕ナフタセン核を有している。
(従来技術) 微生物に由来するベンゾ〔a〕ナフタセン キノン類
としてはわずかな例が報告され、それらとしてはG−2N
及びG−2Aと名づけられた化合物、及びKS−619−1が
あげられる。G−2N及びG−2Aについてはどんな生物的
な活性も報告されていないが、KS−619−1はカルシウ
ムイオン及びカルモジユリン依存のサイクリツクヌクレ
オチドホスホジエステラーゼの阻害剤として記載されて
いる。最近の欧州特許出願公開第277,621号には、抗真
菌抗生物質BU−3608(I a)、BU−3608B(I b)、及びB
U−3608C(I c)が記載されている。抗生物質ベナノミ
シン(benanomicins)A及びBはJ.Antibiotics,1988,4
1:807−811において報告された;ベナノミシンBは、BU
−3608Cと同じものであることが明らかになつた。一
方、ベナノミシンAは、その糖アミノ基に代えてヒドロ
キシル基を有している。
R=CH3 I a:R′=CH3;R″=β−D−キシロシル I b:R′=CH3;R″=H I c:R′=H;R″=β−D−キシロシル R=H I d:R′=CH3;R″=β−D−キシロシル I e:R′=H;R″=β−D−キシロシル なお、1988年6月7日に米国に出願した我々の米国特
許出願第203,776号には、BU−3608D(I d)及びBU−360
8E(I e)が開示されている。
(発明の開示) 本発明は、式II (上式中、セリン基はD−セリンで;R1及びR2は独立に
H又はC1-6アルキルで;R3はH又はβ−D−キシロシル
である) の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供するもの
である。
β−D−キシロシル基は次なる残基である。
本発明は、式III (上式中、R1はH又はメチルである) の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を製造するにあ
たり、式IIIの化合物を産生しうるアクチノマズラ ヒ
ビスカ(Actinomadura hibisca)株を、炭素並びに窒
素、及びD−セリン又はDL−セリンの資化源を含有する
培地中で、好気性条件下に培養し、その培養液から該式
IIIの化合物を回収することを特徴とする方法を提供す
るものである。
また、本発明は、式IIの化合物及び薬学的に許容しう
る単体を含有する医薬組成物を提供するものである。
更に、本発明は、式IIの化合物の抗真菌有効量を哺乳
動物宿主に投与することからなる該宿主の真菌感染症を
治療する方法を提供する。
また、本発明は、D−セリンまたはDL−セリンを含有
する培地中で式IIIの抗生物質を産生しうるアクチノマ
ズラ ヒビスカ株を提供するものである。
更にまた、本発明により、式IV の化合物又はその塩が提供される。
この式IVの化合物は、BU−3608FA−1及びFA−2のア
グリコンで、母体の抗真菌剤又はその誘導体の合成にお
いて有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の抗生物質は、抗真菌活性を有する。式IIIの
化合物、すなわち、BU−3608FA−1及びBU−3608FA−2
は、該抗生物質を産生しうるアクチノマズラ ヒビスカ
(Actinomadura hibisca)株、又はその変異株、又はそ
の突然変異株を、D−セリン又はDL−セリンを含有する
培地中で培養することにより製造される。抗生物質を産
生するそのアクチノマズラ ヒビスカ株の例としては、
P157−2株及びそれから誘導された突然変異株A2660、A
2493及びB0012株があげられる。D−セリン源を添加さ
れた培地中で選択的にBU−3608FA−1を産生するP157−
2株は、南太平洋のフイージー島で採取された土壌サン
プルから単離された。アクチノマズラ ヒビスカ(Acti
nomadura hibisca)P157−2株の生物学的に純粋な培養
菌は、アメリカン.タイプ.カルチヤー コレクシヨン
(American Type Culture Collection,Rockville,MD.US
A)に寄託され、ATCC53557として永久保存株にされてい
る。P157−2株の培養特性及び形態特性の詳細な記載
は、1987年11月2日に米国に出願された我々の米国特許
出願第115,273号になされており、それはここに参考文
献として引用している。変異株A2660、A2493及びB0012
は、D−セリン源を含有する培地中でBU−3608FA−1及
びFA−2の両方を産生することができるが、その変異株
A2660、A2493及びB0012は、親株P157−2をN−メチル
−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(1,000μg/m
l)に1時間さらすことにより、その親株から誘導され
た;その変異株は、D−セリン無添加培地でのBU−3608
抗生物質コンプレツクス、すなわち、BU−3608、又はそ
のB、C、D及びE成分の産生能力に基いて選択され
た。A2660,A2493及びB0012の生物学的に純粋な培養株は
特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペ
スト条約に基づいて国際寄託機関当局、ザ アメリカン
タイプ カルチャー コレクション(ATCC)に寄託さ
れそして受託番号ATCC 53762、ATCC 53815及びATCC
53816をそれぞれ付与された。
アクチノマズラ ヒビスカの上記抗生物質産生株の培
養特性は、表1に示されている。
BU−3608FA−1及びFA−2を製造するにあたつては、
本発明は上記特定の菌株に限定されず、X線照射、UV照
射及び化学的変異誘発のような種々の方法によりこれら
の株から作成された変異株及び突然変異株を使用するこ
とがあげられることは理解されうるところのものであ
る。D−セリンを利用することのできるBU−3608同族体
の抗生物質の産生する他の菌株及びその変異株及び突然
変異株もまた包含される。
その産生微生物は、D−セリン源に加えて放射菌類
(actinomycetes)用の公知の栄養源、すなわち、炭素
並びに窒素の資化源と任意の無機塩及び他の公知の生育
因子を含有する栄養培地中で生育せられる。大量の抗生
物質の産生にあつては好ましくは深部好気培養条件が用
いられるが、限られた量の産生にあつては、表面培養及
びボトル培養もまた使用することができる。他の放射菌
類の培養に用いられる一般的な方法が、本願にも適用で
きる。
その栄養培地は、リボース、グルコース、シユクロー
ス、セロビオースのような適当な資化性炭素源を含有す
べきである。窒素源としては、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウ
ム、等が、単独であるいはペプトン、肉エキス、酵母エ
キス、コーンステイープリカー、大豆粉末、綿実粉、等
のような有機窒素源と一緒に使用されることができる。
もし必要ならば、栄養無機塩を、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、アンモニウム、リン酸塩、硫酸塩、塩
化物、臭化物、炭酸塩、亜鉛、マグネシウム、マンガ
ン、コバルト、鉄等の源として加えてよい。D−セリン
源としては、D−セリン又はDL−セリンのいずれも使用
しうる。
抗生物質BU−3608FA−1及びFA−2の製造は、産生微
生物の満足しうる生育をなしうる温度であればいかなる
なる温度でも、例えば、25−40℃、行なうことができ、
約27−32℃の温度で便利に行なうことができる。通常、
至適の抗生物質の製造は、振とうフラスコ中での5〜8
日間の培養後に得られるが、もつと長時間必要な場合も
ある。振とうフラスコ中でのエアレーシヨンは、激しく
振ること、例えば、回転式振とう器上で振り混ぜること
によりなされる。もしその醗酵がタンク培養器中で行な
われる場合は、斜面培養物または凍結培養物からの液体
培養物を接種して、栄養ブロス中に生育種菌を作ること
が望ましい。この方法で活性な種菌を得た後、無菌的に
醗酵タンク培地中に移す。タンク培養器中での抗生物質
の製造は通常接種後3−6日後に至適域に達する。タン
ク培養器中でのアジテーシヨンは撹拌することによりな
され、通気は空気又は酸素をそのアジテーシヨンされた
混合物中に注入することによりなされうる。抗生物質の
産生は、クロマトグラフイー法または分光学的方法、あ
るいは慣用の生物学的なアツセイ法によりモニターされ
ることができる。
抗生物質の単離及び精製 本発明の抗生物質は、その回収に適した方法により培
養ブロスから回収することができる。
その醗酵ブロスからの抗生物質BU−3608FA−1及びFA
−2の単離精製のための一般的な方法の一つを工程Iと
して下記に示す。
工程Iのフローチヤートを詳しく説明すると、先ず醗
酵ブロスを、遠心分離のような通常の方法で菌糸ケーキ
と上清液に分離する。その上清液を酸性にし、精製した
沈殿を除去する。液をpH5に合わせて、粗抗生物質を
沈殿させ、次に粗抗生物質をアルカリ性水溶液に再び溶
解し、過して、不純物を除去する。液をpH2の酸性
にし、ダイアイオン(Diaion)HP−20のような吸着カラ
ムのクロマトグラフイーにかけ、粗BU−3608HClコンプ
レツクスを得る。この粗製抗生物質コンプレツクスは、
例えば酢酸エチルから再結晶することができ、その生成
物は逆相シリカゲルHPLCを用いてそれぞれの抗生物質成
分に分離されうる。BU−3608FA−1及びBU−3608FA−2
を含有する分画は、さらにダイアイオンHP−20クロマト
グラフイーによつて精製されることができる。次にその
抗生物質の塩酸塩は、そのHCl塩の水溶液のpHをpH5.5に
合わせることにより両性イオンの形態に変えることがで
きる。
抗生物質BU−3608FA−1及びFA−2は次なる物理化学
的性質により特徴づけられる。
抗生物質BU−3608FA−1及びFA−2はさらに化学修飾
に付すことができる。BU−3608FA−1、FA−2、又はそ
の混合物を、酸性媒質中でキシロシル基が開裂するに十
分な時間加熱すると、相当するデスキシロシル誘導体及
び少量のアグリコンIVを与える。使用溶媒としては、例
えばジオキサン、テトラヒドロフラン、水、低級アルカ
ノール、またはそれらの混合物があげられ;酸触媒とし
ては例えば酸塩、硫酸、及びトリフルオロ酢酸があげら
れる。その温度としては約60−約100℃、又は溶媒の還
流温度があげられる。反応時間としては約0.5−約10時
間があげられるが、用いられる反応条件によつて異な
る。下記の還元的アルキル化法によつて製造されるN,N
−ジメチルBU−3608FA−2は、同様にしてその相当する
デスキシロシル化合物に変えられる。N,N−ジメチルBU
−3608FA−2を酸加水分解すると、実質的にアグリコン
IVを与えることが見出された。
BU−3608FA−1、FA−2またはその相当するデスキシ
ロシル誘導体のアミノ基は、還元的アルキル化によりア
ルキル化されることができ、そしてその還元的アルキル
化は先ず出発抗生物質をアルデヒド又はケトンと反応さ
せて、イミンを形成せしめ、次はこのようにして形成さ
れたイミンを還元することからなる。この縮合及び還元
は、同一反応容器中で1段階で、あるいは二つの別々の
工程で行なうことができる。BU−3608FA−2またはその
デスキシロシル誘導体の第一級アミン基は、その抗生物
質に対して少なくとも2当量のカルボニル化合物で処理
後還元することにより、2個の同一のアルキル基を有す
る第三級アミンに変えることができる;又は2個の異な
つたアルキル置換基を有する第三級アミンは、特定量の
第一のカルボニル試薬を用いて第一級アミンを第二級ア
ミンに変え、次にその第二級アミンを第二の異なつたカ
ルボニル化合物と反応させて、第三級アミンとすること
によつて得ることができる。もし第二のカルボニル化合
物を添加しなければ、第二級アミンが得られる。
そのカルボニル試薬は1個〜6個の炭素原子を有する
アルデヒドまたはケトン、例えば、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びアセト
ンであつてよい。そのイミンの還元は金属水素化物、例
えば、水酸化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナ
トリウム、水酸化アルミニウムリチウムのような還元剤
を用いて行なうことができる。その反応は、水、アセト
ニトリル、低級アルカノール類、及びジメチルスルホキ
シドのような極性有機溶媒またはその混合物中で行なわ
れる。その反応温度は特に限定されないが、室温から約
100℃までであつてよい。我々の経験に基づけば、室温
でそのアルキル化反応を行なつた場合、通常24時間以内
で完結する。もちろん最適な反応条件は使用する特定の
試薬の性質及び反応性に依存する。N,N−ジメチルBU−3
608FA−2は、BU−3608FA−2、FA−1、またはその混
合物からその二つの成分を分離することなしに得られう
るということが認められよう。同様に、N,N−ジメチル
デスキシロシルBU−3608FA−2は、デスキシロシルBU−
3608FA−2、FA−1、またはその混合物から得ることが
できる。
生物活性 本発明の代表的な化合物の抗真菌活性をin vitro
in vivoの両方で評価した。各種の真菌類に対する最
小育成阻止濃度(MIC)をサブロー(Sabouraud)デキス
トロース寒天培地を用いた段階寒天培地希釈法により測
定した。106細胞/mlを含有する約0.003mlの菌体懸濁液
を試験抗生物質を含有する寒天プレート表面に塗布し
た。そのプレートを28℃で40時間培養後測定したMIC値
を表IIIに示す。
in vivoの抗菌活性を、カンジダ アルビカンス(Ca
ndida albicans)A9540、クリプトコツカス ネオホル
マンス(Cryptococcus neoformans)IAM4514及びアスペ
ルギルス フミガトウス(Aspergillus fumigtus)IAM2
034によるマウス静脈内投与感染に対する活性で評価し
た。カンジダアルビカンス及びクリプトコツカス ネオ
ホルマンスはそれぞれ28℃で18時間及び48時間YGP培地
〔酵母エキス(0.2%)、グルコース(1.5%)、ペプト
ン(0.5%)、K2HPO4(0.05%)及びMgSO4(0.05%)〕
で培養し、食塩水に懸濁した。アスペルギルス フミガ
トウスは、28℃で7日間YGP寒天斜面上で培養し、食塩
水に懸濁した。菌体懸濁液をガーゼで過し胞子を集め
た。20〜24gの体重のICRマウスに、その菌の中間致死量
の約10倍量を静脈内投与により感染させた。
試験化合物を各群5匹のマウスの静脈に様々な投与量
で、菌感染後1回だけ(第0回目)あるいは第0日目か
ら第4日目までの5日間の間1日1回(gd×5)のいず
れかの方法で投与した。菌感染後第20日目に測定した生
存率から50%感染防御用量(PD50)を計算した。コント
ロールの動物すべては、菌感染後7〜15日以内に死亡し
た。in vivoでの結果を第IVに示す。
N,N−ジメチルBU−3608FA−2のLD50はマウス静脈に
1回投与した後測定した。最高投与量600mg/kgにおいて
も、致死的な毒性もいかなる有意な毒性の徴候も観察さ
れなかつた。
動物及び人間における真菌感染の治療のためには、本
発明の抗生物質は、その抗真菌有効量を許容されるいず
れの投与ルートによつても与えることができる;これら
のうちには、静脈内投与、筋肉内投与、経口投与、経鼻
投与、そして表面感染に対しては局所投与があげられる
がそれに限定されるものではない。非経口投与用調製剤
としては、滅菌水溶液または滅菌の非水性溶液、懸濁液
またはエマルジヨン液があげられる。それらはまた滅菌
水、生理食塩水、あるいは他の滅菌注射用媒体に使用直
前に溶解されることのできる無菌固体組成物の形態のも
のにされることもできる。経口用製剤としては、錠剤、
ゼラチンカプセル剤、粉末剤、ロゼンジ剤、シロツプ剤
等の形態であつてよい。局所投与のためには、その化合
物は、ローシヨン剤、オイントメント剤、ゲル剤、クリ
ーム剤、サアルブ剤、チンキ剤等に入れられることがで
きる。単位投与剤形は医薬品製造の分野の当業者に一般
的に知られた方法を用いて製造することができる。
本発明の抗生物質に感受性の菌の感染を受けている宿
主を治療するにあたつては、実際に好ましい投与法及び
投与量はその菌の感染症の治療の分野に習熟した医者の
自由な判断に基き又、起因菌、その抗生物質に対する感
受性、感染部位あるいはその程度、及び年令、体重、排
泄速度、同時使用の薬剤、及び一般的な身体条件のよう
な患者の特性に従つて変えられる。
次なる実施例は、本発明を説明するためのものであつ
て、その範囲を制限するためのものではない。
実施例 1. BU−3608FA−1の醗酵生産 (a) 寒天斜面培地 アクチノマズラ ヒビスカ(Ac
tinomadura hibisca)P157−2(ATCC53557)を次なる
組成のpH7.0の寒天斜面培地上で生育させた。
0.5% 可溶性テンプン 0.5% グルコース 0.1% 魚肉エキス 0.1% 酵母エキス 0.2% NZ−ケース(case)(消化カゼイン生成物、Sch
effield Chemical Co.U.S.A.)) 0.2% NaCl 0.1% CaCO3 1.6% 寒天 培養物を28℃で10日間培養した。
(b) 種菌培養 斜面培地からの生育菌を次なる組成
のpH7.0の生育培地100mlを含有する500mlエルレンマイ
ヤーフラスコに移した。
3% グルコース 3% 大豆ミール 0.5% フアルマメジア(Pharmamedia) 0.1% 酵母エキス 0.3% CaCO3 培養菌を32℃で6日間200rpmにセツトされた回転式振
とう器上で培養した。
(c) 産生培養 生育菌5mlを種菌培養物から、次なる組成の無菌産生
培地100mlを含有する500mlエルレンマイヤーフラスコに
移した。
3% グルコース 3% 大豆ミール 0.5% フアルマメジア(Pharmamedia) 0.1% 酵母エキス 0.3% CaCO3 0.25% D−セリン 培養菌を28℃で6日間200rpmにセツトされた回転式振
とう器上で培養した。抗生物質産生は443μg/mlに達
し、その72.9%はBU−3608FA−1で、26.0%はBU−3608
で1.1%がBU−3608であつた。醗酵ブロスから分離した
液の吸光度(OD)を50nm及び600nmで測定した抗生物質
産生量を測定した。真の光学光度は500nmでのOD値から6
00nmでのOD値を引いて得られた。抗生物質濃度はBU−36
08遊離塩基として示した。抗生物質は実施例5に記載さ
れているHPLC法を用いて同定した。
実施例 2. A−2493株を用いたBU−3608FA−1及びFA
−2の醗酵生産 A−2493株(ATCC53815)と命名されたアクチノマズ
ラ ヒビスカP157−2のアルギニン要求性変異株の寒天
斜面培養物及び種菌培養物を、実施例1のそれと同じ組
成を有する培地を用い、実施例1と同じ条件下に生育さ
せた。
生産A 種菌培養物からの生育菌5mlを、実施例1
(c)と同じ産生培地100mlを含有する各50mlエルレン
マイヤーフラスコ(100個)に移した。培養物を28℃で
6日間200rpmにセツトされた回転式振とう器上で培養し
た。抗生物質産生は261μg/mlに達し、BU−3608FA−1
29.8%、BU−3608FA−2 28.9%、BU−3608C 19.5
%及びBU−3608 21.8%からなつていた。
生産B A2493株による抗生物質製造を次の組成の培地
(pH7.0)で行なつた。
3% グルコース 3% プロテイン(Protein)S(大豆粉、味の素) 0.3% CaCO3 0.5% DL−セリン 培養物を28℃で11日間培養した後抗生物質産生は890
μg/mlに達した。その成分の比率は、BU−3608FA−2
17.7%、FA−1 17.0%、BU−3608 33.5%、BU−3608
C 31.8%であつた。
実施例 3. B−0012株を用いたBU−3608FA−1及びFA
−2の醗酵生産 生産A 親株P157−2株の代わりにB−0012(ATCC5381
6)と命名された変異株を用い実施例1の(a)、
(b)及び(c)に記載の条件及び培養培地を用いた。
抗生物質の産生は6日後1,150μg/mlに達し、その成分
の比率はBU−3608FA−1 33.7%、FA−2 21.2%、BU
−3608 24.0%及びBU−3608C 21.1%であつた。
生産B B−0012株の斜面培養物からの生育菌を次の組
成を有する培地pH7.0の100mlを含有する500mlエルレン
マイヤーフラスコに移した。
1% 可溶性デンプン 1% グルコース 0.5% 酵母エキス 0.5% ペプトン 0.3% NaCl 0.2% CaCO3 種菌培養物を32℃で6日間生育させ、5mlの生育菌
を、次の組成の生産培地pH7.0の100mlを含有する500ml
エルレンマイヤーフラスコに移した。
3% グルコース 3% プロテイン(Protein)S(大豆粉、味の素) 0.3% CaCO3 0.25% D−セリン 培養物を28℃で11日間培養した。抗生物質の生産は1,
970μg/mlに達し、その成分の比率はBU−3608FA−2 2
0.0%、FA−1 10.0%、BU−3608C 39.0%、BU−3608
31.0%であつた。
実施例 4. A−2660株を使用したBU−3608FA−1及び
FA−2の醗酵生産 アクチノマズラ ヒビスカ変異株A−2660株(ATCC53
762)の寒天斜面及び種菌培養物を実施例1(a)及び
(b)と同じ条件及び同じ培地を用いて製造した。5ml
の種菌培養物を、次の組成の生産培地100mlを含有する5
00mlのエルレンマイヤーフラスコに移した。
3% グルコース 3% 大豆ミール 0.5% フアルマメデイア(Pharmamedia) 0.1% 酵母エキス 0.3% CaCO3 0.5% DL−セリン 培養物を28℃で7日間培養した。抗生物質の生産は62
0μg/mlに達し、その成分の比率はBU−3608FA−1 17.
0%、FA−2 15.6%、BU−3608 23.9%、BU−3608C
24.7%、D 8.3%、E 10.5%であつた。
実施例 5. 醗酵ブロスからBU−3608FA−1及びFA−2
の単離精製 実施例2、生産Aに記載の方法で温られた10の醗酵
を遠心して菌糸ケーキと上清液とに分けた。上清液を6N
HClを用いてpH2.0の酸性にし、沈殿した無定形の沈殿
を過して除去した。澄んだ液を6N NaOHを用いてpH
5.0に合わせ、5℃で2時間保持した。沈殿した暗赤色
沈殿を過して集めた。沈殿を4.1の水に溶解し、6N
NaOHでpH9.0に合わせ、溶液を過し、不溶性の不純
物を除去した。液をpH2.0に合わせ、タイアイオン(D
iaion)HP−20(2.0)のカラムにかけた。カラムを水
で洗い、次に60%アセトン水溶液(pH3.0)で溶出し
た。赤色溶出液を濃縮し、BU−3608コンプレツクス塩酸
塩無定形固体(3.1g)を得た。そのコンプレツクス固体
(3.0g)をメタノール(120ml)に溶解し、過した。
撹拌液に、720mlの酢酸エチルを滴下して加え、得ら
れた溶液を5℃で15時間保持した。沈殿を過して集
め、乾燥した(1.28g)。
その固体(1.28g)を水(100ml)に溶解し、CH3CN−
0.15% KH2PO4 pH3.5(21:79)の混合物で平衡化したY
MC GEL ODS A60(10、山村化学(研))のカラム
の逆相クロマトグラフイーにかけた。溶出を同じ溶媒混
合物で行ない、溶出液を1−分画で集めた。その分画
をHPLCで分析した。
(カラム:YMC AP301−3,4.6mm I.D.×100mm、3μ
m、ODS(山村化学(研))、移動相:OH3CN−0.15% K
H2PO4,pH3.5(25:75)、流速:0.8ml/min、検知:UV吸収2
54nm、滞留時間:BU−3608FA−2、7.65分;BU−3608FA−
1、8.61分;BU−3608A、19.11分)。均一なBU−3608FA
−2又はBU−3608FA−1を含有する分画をプールし、減
圧下濃縮してCH3CNを除去した。各濃縮物をダイアイオ
ンHP−20クロマトグラフイーにより脱塩し、ほぼ均一な
BU−3608FA−2塩酸塩(75mg)及びBU−3608FA−1塩酸
塩(50mg)を得た。
その塩酸塩を遊離塩基に変換し、混在する無機塩を除
去するため、各塩の水溶液を0.1N NaOHでpH5.5に合わ
せ、BU−3608FA−2(48mg)及びBU−3608FA−1の純粋
な両性イオン形態のものを沈殿させた。
実施例 6. N,N−ジメチルBU−3608FA−2の製造 BU−3608FA−1及びBU−3608FA−2(45:55,510mg)
の混合物を50mlの水に溶解し、溶液を1N水酸化ナトリウ
ムを加えてpH7.9に合わせ、50mlのアセトニトリルで希
釈した。この溶液中に順次ホルムアルデヒド水溶液(>
35%、1.6ml)及び水素化シアノホウ素ナトリウム(240
mg)を室温で加えた。溶液を室温で1時間撹拌し、反応
の進行具合をHPLCでモニターした。有機溶媒を減圧下除
去し、残留水溶液をpH10.9に合わせる。溶液(40ml)を
撹拌下240mlのアセトン中に滴下して加え、5℃で2時
間保持した。生じた沈殿を遠心分離して集め(3000rp
m)、40mlの水に再び溶解した。減圧下痕跡量のアセト
ンを除去した後、溶液をpH5.0に合わせ、5℃で24時間
置いた。生じた沈殿を遠心分離して集め、順次水及びア
セトンで洗い、60℃で減圧下乾燥し、80mgの両性イオン
型のN,N−ジメチルFA−2を得た。
融点214−218℃(分解);▲UVλ0.01N NaOH max▼nm
(ε)232.8(32,900)、320.0(15,500)、498.4(15,
200)。
実施例 7. デスキシロシルBU−3608FA−1の製造 BU−3608FA−1(54mg)のジオキサン(5.4ml)と1N
HCl(5.4ml)の溶液を8時間蒸気浴上で還流した。反
応混合物を水(30ml)で希釈し、ダイアイオンHP−20
(三菱化成、1.8×25cm)の短かいカラムにかけた。カ
ラムを水で洗い、次に酸性の80%アセトン液(pH3、1N
HClで酸性化)で溶出した。赤橙色の溶出物を集め、
蒸発し、深赤色粉末を得た。その粉末を35%アセトニト
リル/リン酸塩緩衝液(pH3.5)に溶解し、ODSカラムの
クロマトグラフイーにかけた(YMC−ODS、2.1×25cm、
同じ溶媒で溶出)。所望化合物を有する分画を一緒に
し、HP−20カラムを通した。カラムを水で洗い、80%ア
セトン液(pH3)で溶出した。溶出液を蒸発し、暗赤色
粉末を得、その粉末を水(8ml)に溶解し、溶液を0.1N
NaOHでpH5.3に合わせた。得られた沈殿を遠心分離し
て集め、アセトンで洗い、乾燥して、暗赤色粉末(23.3
mg、51%)を得た。
HPLCによる純度:>95%。
IR:νmax(KBr)cm-1:3400、1605、1290、1255、1060。
UV:λmax(1/100N NaOH)nm(ε):212(35,400)、31
9(15,300)、498(14,500)。1 H NMR:(400MHz,DMSO−d6):1.26(3H,d,J=6Hz,6′
−CH3)、2.32(3H,s,Ph−CH3)、2.65(3H,s,NCH3)、
3.75(2H,m,OCH2)、3.91(3H,s,OCH3)、4.68(1H,d,J
=8Hz,1′−H)、6.72(1H,d,J=2Hz,10−H)、6.87
(1H,s,4−H)、7.12(1H,d,J=2Hz,12−H)、7.71
(1H,s,7−H)。
実施例 8. デスキシロシルBU−3608FA−2の製造 BU−3608FA−2(54mg)のジオキサン(5.4ml)と1N
HCl(5.4ml)との溶液を8時間蒸気浴上で還流した。
反応混合物を水(30ml)で希釈し、ダイアイオンHP−20
(三菱化成、1.8×25cm)の短かいカラムに吸着させ、
水で洗い、80%アセトン液(pH3)で溶出した。赤色の
溶出液をプールし、濃縮し、残留物を水(8ml)に溶解
した。溶液を0.1N NaOHでpH5.3に合わせ、得られた沈
殿を遠心して集め、アセトンで洗い、減圧下乾燥し、暗
赤色粉末(37.7mg、85%)を得た。融点>180℃分解。H
PLCによる純度:>95%。
IR:νmax(KBr)cm-1:3400、1605、1290、1265、1035 UV:λmax(1/100N NaOH)nm(ε):214(33,000)、23
4(32,300)、319(14,900)、498(14,100)1 H NMR(DMSO−d6):1.15(3H,d,J=7Hz,6′−CH3)、
2.32(3H,s,PhCH3)、3.75(2H,m,OCH2)、3.91(3H,s,
OCH3)、4.67(1H,d,J=8Hz,1′−H)、6.72(1H,d,J
=3Hz,10−H)、6.93(1H,s,4−H)、7.12(1H,d,J=
3Hz,12−H)、7.71(1H,s,7−H)。
実施例 9. デスキシロシルN,N−ジメチルBU−3608FA
−2の製造 方法A N,N−ジメチルBU−3608FA−2(実施例6の生成物、5
0mg)のジオキサン(5ml)及び1N HCl(5ml)の溶液を
8時間蒸気浴上で還流した。反応混合物を常温に冷却
し、過し、7.2mgを沈殿を得た。液を乾燥シリカゲ
ルカラム(Merck Kieselgel 60,4×30cm)にかけ、n−
BuOH−AcOH−H2O(3:1:1)で溶出した。溶出液を10ml分
画で集めた。分画2−14及び始めに得られた沈殿は実施
例10に記載のように処理された。分画21−32を一緒に
し、HP−20カラム(1.8×25cm)にかけた。そのカラム
を水で洗い、80%アセトン液(pH3)で溶出した。赤色
の溶出液を濃縮し、固体を得、その固体を順次ODSカラ
ムクロマトグラフイー(YMC−ODS、2×37cm、20% CH
3CN/pH3.5リン酸塩緩衝液で溶出)及びダイアイオンHP
−20クロマトグラフイー(1.8×25cm、pH3で80%アセト
ン液で溶出)によつて精製し、7.8mg(17%)の標題化
合物を暗赤色粉末として得た。
融点>180℃(分解)HPLCによる純度:>95% IR:νmax(KBr)cm-1:3400、1730、1610、1380、1260、
1070。
UV:λmax(1/100N NaOH)nm(ε):211(38,100)、31
8(14,200)、496(12,500)。1 H NMR(DMSO−d6):1.23(3H,d,J=7Hz,6′−CH3)、
2.29(3H,s,PhCH3)、2.75(6H,s,NCH3)、3.74(2H,m,
OCH2)、3.91(3H,s,OCH3)、4.60(1H,d,J=8Hz,1′−
H)、6.73(1H,d,J=3Hz,10−H)、6.89(1H,s,4−
H)、7.12(1H,d,J=3Hz,12−H)、7.77(1H,s,7−
H)。
方法B デスキシロシルBU−3608FA−2(実施例8の生成物、
71mg)の水(7ml)及びアセトニトリル(7ml)の溶液を
0.1N NaOHを用いpH7に合わせる。この溶液に室温でホ
ルムアルデヒド水溶液(35%、0.3ml)及び水素化シア
ノホウ素ナトリウム(45mg)を加えた。反応混合物を一
晩乾燥し、有機溶媒を減圧下除去した。残留物水溶液を
NaOHでpH10にあわせ、次にアセトン(70ml)に滴下して
加えた。沈殿を過し、pH2.5で水に溶解した。その溶
液をダイアイオンHP−20(1.8×25cm)のカラムにか
け、水で洗い、酸性アセトン液(pH3、1N HClで酸性
化)で展開した。深赤色の溶出液をプールし、約5mlに
濃縮し、希NaOH液でpH5.3に合わせ、次にアセトン(70m
l)に滴下した。得られた沈殿をろ過して集め、アセト
ン水溶液から再沈殿させて、66mg(90%)の標題化合物
を暗赤色粉末として得、それは方法Aで得られたものと
すべての点で一致した。HPLCによる純度:>95%。
実施例 10. BU−3608FAアグリコン 実施例9(方法A)のシリカゲルカラムから得られた
溶出液分画2−14を一緒にし、濃縮乾燥させ、粉末を得
た。その方法及び実施例9(方法A)の沈殿を0.01N N
aOH液に溶解し、ダイアイオンHP−20(1.8×25cm)のカ
ラムにかけ、水で洗い、80%アセトン液(pH3)で溶出
した、赤色の溶出液をプールし、アセトンを減圧下蒸発
させ、懸濁液を得た。この懸濁液を1N HCl(pH3)で酸
性化し、ブタノールで抽出した。ブタノール抽出液を濃
縮し、11.5mgのアグリコン(33%)を暗赤色無定形粉末
として得た。
融点>200℃(分解).HPLCにより純度:>95%. IR:νmax(KBr)cm-1:3240、1720、1605、1340、1305、
1165。
UV:λmax(1/100N NaOH)nm(ε):212(34,500)、31
9(15,200)、498(14,000)。1 H NMR(DMSO−d6):2.34(3H,s,PhCH3)、3.73(2H,
m,COH2)、3.91(3H,s,OCH3)、4.24(2H,AB−q,J=11H
z,5−H & 6−H)、4.46(1H,m,N−C−COO
H)、6.92(1H,d,J=2Hz,10−H)、7.06(1H,s,4−
H)、7.28(1H,d,J=2Hz,12−H)、8.08(1H,s,7−
H)。
実施例 11. 実施例6に記載の一般的方法を下記の反応剤を用いて
行ないBU−3608FA−1及びFA−2の相当するアルキル化
類縁体を得る。
A+B→II
【図面の簡単な説明】
第1図は、BU−3608FA−1のDMSO−d6中における400MHz
のプロトン核磁気共鳴スペクトルを示す。 第2図は、BU−3608FA−2のDMSO−d6中における400MHz
のプロトン核磁気共鳴スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:03) (C12P 19/56 C12R 1:03) (72)発明者 沖 俊一 神奈川県横浜市栄区庄戸4―20―10 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 15/24 C12P 19/56 A61K 31/71 C12N 1/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式の化合物 (上式中、Aは 又は−OHで;セリン基はD−セリンで;R1及びR2は独立
    にH又はC1-6アルキルで;R3はH又はβ−D−キシロシ
    ルである) 又はその薬学的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】該化合物が、次式の化合物 (上式中、セリン基はD−セリンで;R1及びR2は独立に
    H又はC1-6アルキルで;R3はH又はβ−D−キシロシル
    である) 又はその薬学的に許容しうる塩である請求項1に記載の
    化合物。
  3. 【請求項3】該基R3がβ−D−キシロシルである請求項
    2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】該基R3がHである請求項2に記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】該基R1がH又はメチルで、基R2がH又はメ
    チルである請求項2に記載の化合物。
  6. 【請求項6】該基R1及びR2が独立にC2-6アルキルである
    か;あるいは基R1がH又はメチルで且つR2がC2-6アルキ
    ルである請求項2に記載の化合物。
  7. 【請求項7】該化合物が、式 を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩である請
    求項2に記載の化合物。
  8. 【請求項8】該化合物が、式 を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩である請
    求項2に記載の化合物。
  9. 【請求項9】該化合物が、式 を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩である請
    求項2に記載の化合物。
  10. 【請求項10】該化合物が、式 を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩である請
    求項2に記載の化合物。
  11. 【請求項11】該化合物が、式 を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩である請
    求項2に記載の化合物。
  12. 【請求項12】該化合物が、式 を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩である請
    求項2に記載の化合物。
  13. 【請求項13】該化合物が、式 (上式中、セリン基はD−セリンである) を有する化合物又はその塩である請求項1に記載の化合
    物。
  14. 【請求項14】式III (上式中、R1はH又はメチルである) の抗生物質を製造するにあたり、アクチノマズラ属に属
    する上記抗生物質生産菌を培養し、培養物から該抗生物
    質を採取することを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】該式IIIの抗生物質を産生しうるアクチ
    ノマズラ ヒビスカ株を、炭素並びに窒素、及びD−セ
    リン又はDL−セリンの資化源を含有する培地中で、好気
    性条件下に培養し、その培養液から該抗生物質を回収す
    ることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】次式 (上式中、R1及びR2は独立にC1-6アルキルで;R3はH又
    はβ−D−キシロシルである) を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩を製造す
    るにあたり、 (a) 次式 (上式中、R3はH又はβ−D−キシロシルで、R4はH又
    はメチルである) の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を1個〜6個の
    炭素原子を有するアルデヒド又はケトンと反応させてイ
    ミンを形成させ、 (b) 次に工程(a)の該イミンを還元剤で処するこ
    とを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】活性成分として請求項2に記載の化合物
    又はその薬学的に許容しうる塩を含有することを特徴と
    する抗真菌剤。
  18. 【請求項18】寄託番号ATCC53815を有し、炭素、窒素
    及びD−セリンの資化源を含有する水溶液培地中で培養
    すると、式III (上式中、R1はH又はメチルである) の抗生物質を産生しうる微生物アクチノマズラ ヒビス
    カの生物学的に純粋な培養物。
  19. 【請求項19】寄託番号ATCC53816を有し、炭素、窒素
    及びD−セリンの資化源を含有する水溶液培地中で培養
    すると、式III (上式中、R1はH又はメチルである) の抗生物質を産生しうる微生物アクチノマズラ ヒビス
    カの生物学的に純粋な培養物。
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