JP2816650B2 - 転造により溝が形成されたピンの面取り・端面仕上加工方法 - Google Patents
転造により溝が形成されたピンの面取り・端面仕上加工方法Info
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Description
に環状溝を形成し、端部の角に面取りを施し、端面を平
坦に仕上げるための加工方法に関する。
ンPがある。このピンPは、外周に環状溝Dが形成さ
れ、両端に面取りE,Eが施されており、例えば、チェ
ーンのリンクプレート同士を連結する連結ピンとして使
用されている。
る。先ず、ドラム(図示省略)に巻き取られた線材を、
引き出しながら切断機によって所定の長さに切断し、ブ
ランクピンBPを作り出す[図4(a)参照]。次に、
バレル研磨機によってブランクピンBPの角のバリを取
るとともに、角に大まかな面取りFを施す[図4(b)
参照]。最後に、旋盤15の溝切バイト16と面取りバ
イト17によってブランクピンBPの外周に環状溝Dを
形成し、端部に面取りを施し、ピンPに仕上げる[図4
(c)、(d)参照]。
性が悪く、コスト高になるという問題点を有している。
さらに、溝切バイト16によって環状溝Dを形成する際
に、ファイバーフローが切断され、ピンP端部の強度が
低下するという問題点も有している。ファイバーフロー
とは、線材を引抜き加工によって製作する際に、金属が
延ばされ、あたかも、繊維状に連なり筋のように見える
金属組織のことである。
の加工方法がある。先ず、ドラムに巻き取られた線材
を、引き出しながら切断機によって所定の長さに切断
し、ブランクピンBPを作り出す。次に、ヘッダー(図
示省略)でブランクピンBPの角に面取りを施す。最後
に、転造機18[図5(a)、(b)参照]によってブ
ランクピンBPに環状溝Dを形成する。これによって、
ファイバーフローを切断することなく、ピンに環状溝D
を形成することができる。
ってピンの外周に環状溝を形成すると、ピンの外周が押
圧された際に、図5(b)に示すように、ピンの角が軸
方向に膨出して面取り部分がなくなり、ピン端面の略々
中央にへこみHが生じる。
を、例えば連結ピンとして使用し、ピンの端部をかしめ
たとき、端部が欠けたり、充分なかしめが得られないと
いう問題点を有している。また、ピンの角が膨出するこ
とによって、ピンの長さが不揃いになり寸法管理が困難
になるという問題点も有している。ちなみに、ピンの長
さは約21mmであり、長さ公差は約±0.05mmで
ある。
動ダイとの対向する挟持面間にピンを前記移動ダイの移
動方向と直交させて挟み込ませ、前記移動ダイを移動さ
せて前記各挟持面に前記移動ダイの移動方向と平行に突
設された溝形成突条によって前記ピンの外周に環状溝を
形成し、前記移動ダイをさらに移動させて前記各挟持面
に前記溝形成突条と平行に突設され前記溝形成突条に沿
った面が斜めに形成された面取り突条によって前記ピン
に面取りを施した後、前記面取り突条の頭部に形成され
前記ピンと対向する面が前記挟持面に対して略々直角で
あり幅方向の頭部断面形状が鋭角であり且つ前記ピンの
端面の切削を開始する端面仕上開始部の高さより前記端
面の切削を終了する端面仕上終了部の高さの方が高い端
面仕上突条によって前記ピンの端面を平坦に仕上げる加
工方法により、前記の課題を解決した。
込ませ、移動ダイを移動させ、ピンを転がせながら溝形
成突条によってピンの外周に環状溝を形成する。環状溝
はピンの端部近くに形成される。このため、ピンの端部
は軸方向へ膨出し、ピン端面の略々中央にへこみが生じ
る。
ながら面取り突条によってピンの端部に面取りを施す。
移動ダイをなおも移動させ、ピンを転がせながら端面仕
上突条によって上記膨出した部分をへこみとともに切除
するか、或いは削り取るかして、端面を平坦に仕上げ
る。端面仕上突条の端面仕上開始部の高さが端面仕上終
了部の高さより低くなっているため、膨出した部分は徐
々に切除されるか、或いは削り取られる。これによっ
て、ピンは、所定の形状と長さの溝付きピンに仕上げら
れる。
いて説明する。先ず、ピンを転造加工するピン転造加工
装置20について説明する。ピン転造加工装置20は、
図1に示すように、ピン供給機構21、固定ダイ22、
移動ダイ23等で構成されている。
ダイ23との間に後述するブランクピンBPを供給する
機構であり、ピン押圧片24、ピン支え片25、ピン押
込み板26、ピン受け天板27等で構成されている。ピ
ン押圧片24は、移動ダイ23の長手と平行(矢印A方
向)に水平移動可能に設けられ、固定ダイ22の端面側
にスプリング(図示省略)によって常時付勢されてい
る。ピン押圧片24には、ブランクピンBPを上方から
受け入れるための断面半円状の縦溝28が形成されてい
る。
動可能なピン支え片25が設けられている。このピン支
え片25は、断面L字状に形成され、垂直部分が固定ダ
イ22とピン押圧片24の間に進入しており、スプリン
グ(図示省略)によって上方へ常時付勢されている。ピ
ン押込み板26は、矢印C方向へ水平往復移動可能な平
板であり、固定ダイ22とピン押圧片24との間を出入
りする厚みを有した平板である。
ク機構によって、固定ダイ22に対して一定の間隔を保
持して矢印D方向へ平行往復移動可能に配設されてい
る。移動ダイ23は、固定ダイ22より長く形成されて
いる。
飛出防止片35が設けられている。移動ダイ23と固定
ダイ22との挟持面30,31には、溝形成突条32
と、面取り突条33と、端面仕上突条34とが移動ダイ
23の移動方向と平行に形成されている。挟持面30,
31の一部分には、ローレット加工、サンドブラスト加
工等によって粗面38が形成されている(挟持面30の
粗面は図示省略)。粗面38は、ブランクピンBPを転
動させる際に、挟持面30,31に対して滑らないよう
にするために形成されている。
参照)から中間部47にかけての幅は徐々に広く形成さ
れ、高さは徐々に高く形成され、幅方向断面形状は三角
形に形成されている。溝形成突条32の中間部47から
ピン送出端37にかけての断面形状は、四角形に形成さ
れている。なお、溝形成開始端36はブランクピンBP
に溝を形成し始める端部であり、ピン送出端37は製品
となった溝付きピンPを送り出す端部である。
突出して形成されている。溝形成突条32側の側面40
は斜面になっている。端面仕上突条34は、面取り突条
33の頭部に継ぎ足すようにして形成されている。端面
仕上突条34のブランクピンBPと対向する面41は、
固定ダイ22と移動ダイ23との挟持面30,31に対
して略々直角に形成されている。なお、面41[図3
(g)参照]は、ブランクピンBP側に多少傾いていた
方が、ピンの端面の表面を平坦に仕上げることができ
る。
方向の頭部断面形状は鋭角に形成されている。端面仕上
突条34の高さは、端面仕上開始部42から端面仕上終
了部43に向けて、徐々に高く形成されている。
に形成されている。面取り突条33と端面仕上突条34
は平板45に形成されている。平板45はボルト46,
46によって本体44に取り付けられている。
ドラム(図示省略)に巻き取られた線材を、引き出しな
がら切断機によって所定の長さに切断し、ブランクピン
BPを作り出す[図3(a)参照]。ブランクピンBP
[図3(b)参照]は、2つのダイス51,52とダイ
スピン53,54とによって両端が絞られ、さらに、異
なるダイス55とダイスピン56,57とによってブラ
ンクピンBPの端部の形状が整えられる[図3(c)参
照]。
工装置20(図1参照)のピン供給機構21に送り込ま
れる。ブランクピンBPは、ピン押圧片24の縦溝28
と固定ダイ22の端面との間に落とし込まれ、ピン支え
片25によって受け止められる。ピン押込み板26がピ
ン押圧片24と固定ダイ22の端面との間に進入し、ブ
ランクピンBPを縦溝28から押し出す。
された後に、ピン受け天板27の下に入り込み、ピン受
け天板27とピン支え片25との間に押込まれる。ピン
受け天板27の受け入れ端はブランクピンBPを受け入
れ易くするため、やや上向きに形成されている。ピン支
え片25はスプリング(図示省略)によって常時上方に
付勢されているため、ブランクピンBPの上端をピン受
け天板27に押し付けている。
ン受け天板27によって位置決めされる。従って、ブラ
ンクピンBPは上端を基準にして加工が施される。ピン
押込み板26はブランクピンBPをなおも押圧し、移動
ダイ23に押し付ける。ブランクピンBPはピン飛出防
止片35によって移動ダイ23の端部からの飛出しが防
止されて、移動ダイ23に押圧される。
方向へ移動を開始する。ブランクピンBPは、移動ダイ
23の移動にともなって、移動ダイ23と固定ダイ22
との間で転動を開始させられる。ブランクピンBP[図
3(d)参照]の外周には、溝形成突条32の溝形成開
始端36によって環状溝の幅と深さの寸法を有する断面
三角形の環状溝が形成され始める。
おも転動させられ、外周には溝形成突条32の断面四角
形状の中間部分によって、断面四角形状の環状溝Dが仕
上げ形成される。環状溝DはブランクピンBPの端部近
くに形成される。このため、ブランクピンBPの端部は
膨出し、端面の略々中央にはへこみHが生じる。
さらに転動を継続させられ、面取り突条33によって面
取りEが施される。ブランクピンBPはなおも転動し、
ブランクピンBP[図3(g)参照]の膨出端は、端面
仕上突条34,34によって、へこみHとともに切除さ
れるか、或いは、削り取られる。膨出端は、端面仕上突
条34の高さがブランクピンBPが転動して行く方向に
おいて徐々に高くなっているため、徐々に取り除かれ
る。膨出端が取り除かれることによって、ブランクピン
BPの端面は平坦に仕上げられる。
定の形状と寸法に仕上げられ、製品のピンPとなって固
定ダイ22と移動ダイとの間から送り出される。なお、
ブランクピンBPに環状溝Dを形成し、面取りEを施し
たとき、多少、太くなる部分がある場合には、ピンPを
研磨機によって所定の直径寸法に研磨する必要がある。
イバーフローを切断することなく、ピンに溝を形成する
ことができるため、ピンの強度を高めることができると
ともに、耐用年数を長くすることができる。又、ピンに
環状溝を形成したときピン端部に膨出した部分を、その
まま転造を継続して端面仕上突条によって取り除き、端
面を仕上げるようになっているため、ピンを正確な長さ
に仕上げることができる。さらに、ピンの脆弱な膨出し
た部分を取り除くことによって、ピンにかしめを行なう
ような場合、ピンに確実なかしめを行なうことができ
る。
る。
る。
22 固定ダイ 23 移動ダイ 30,31 挟持面
32 溝形成突条 33 面取り突条 34 端面仕上突条
40 面取り突条の面 41 端面仕上突条の面 42 端面仕上開始部 43 端面仕上終了部
Claims (1)
- 【請求項1】 固定ダイと移動ダイとの対向する挟持面
間にピンを前記移動ダイの移動方向と直交させて挟み込
ませ、前記移動ダイを移動させて前記各挟持面に前記移
動ダイの移動方向と平行に突設された溝形成突条によっ
て前記ピンの外周に環状溝を形成し、前記移動ダイをさ
らに移動させて前記各挟持面に前記溝形成突条と平行に
突設され前記溝形成突条に沿った面が斜めに形成された
面取り突条によって前記ピンに面取りを施した後、前記
面取り突条の頭部に形成され前記ピンと対向する面が前
記挟持面に対して略々直角であり幅方向の頭部断面形状
が鋭角であり且つ前記ピンの端面の切削を開始する端面
仕上開始部の高さより前記端面の切削を終了する端面仕
上終了部の高さの方が高い端面仕上突条によって前記ピ
ンの端面を平坦に仕上げることを特徴とする、転造によ
り溝が形成されたピンの面取り・端面仕上加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23964894A JP2816650B2 (ja) | 1994-09-08 | 1994-09-08 | 転造により溝が形成されたピンの面取り・端面仕上加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23964894A JP2816650B2 (ja) | 1994-09-08 | 1994-09-08 | 転造により溝が形成されたピンの面取り・端面仕上加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0871899A JPH0871899A (ja) | 1996-03-19 |
JP2816650B2 true JP2816650B2 (ja) | 1998-10-27 |
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1994
- 1994-09-08 JP JP23964894A patent/JP2816650B2/ja not_active Expired - Fee Related
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