JP2816556B2 - 電子ガバナ付ガソリンエンジン - Google Patents

電子ガバナ付ガソリンエンジン

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JP2816556B2
JP2816556B2 JP1068457A JP6845789A JP2816556B2 JP 2816556 B2 JP2816556 B2 JP 2816556B2 JP 1068457 A JP1068457 A JP 1068457A JP 6845789 A JP6845789 A JP 6845789A JP 2816556 B2 JP2816556 B2 JP 2816556B2
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宏次 福井
健司 野村
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ヤンマーディーゼル株式会社
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は電子式ガバナを設けたガソリンエンジに関
するものである。
従来の技術 周知のように、ガソリンエンジンにおいては、始動時
にクランク軸が回転状態となるまで手動もしくは始動モ
ーターによって強制的に回転させてやる必要があるが、
従来においては、少なくともクランク軸回転を350rpm以
上に上げることが必要であった。また、田植え機や管理
作業機等の農用ガソリンエンジンの回転数制御は、機械
式のガバナが用いられている。
発明が解決しようとする課題 田植え機や管理作業機或いは発電機駆動エンジン等に
おいては、エンジン全体をできるだけ小型にしてなおか
つ充分な出力性能を備えていることが必要である。たと
えば、エンジンの出力が充分でない場合には、必要な出
力を得るために排気量の大きいエンジンを搭載しなけれ
ばならず、エンジン全体が大型化し、ボンネット内のス
ペースへの配置も困難となる不都合がある。ところが、
前述のような従来のガソリンエンジンにおいては、始動
可能なクランク軸回転数が350rpm以上であることから、
始動トルクの大きい大型の始動モーターが必要で、更
に、その大型の始動モーターへ電源を供給するバッテリ
ーも大型とならざるを得ず、全体が大型化する欠点があ
る。他方、機械式ガバナを備えたこの種のガソリンエン
ジンにおいては、エンジン回転数を或る回転数に設定し
ても、その位置で負荷をかけるとその特性により必ず回
転数が低下した位置で整定する。そのため、最高回転域
で7%程度、アイドル回転域では40%もの出力が低下す
ることになる。それ故、特に低速高負荷時の出力が不充
分なため、排気量の大きいエンジンを用いるか或いは過
給機を取付ける等の方策が必要となり、結局、全体が大
型になる欠点を有している。
この発明は、これらの諸問題を解決して、エンジン全
体を小型化してなおかつ充分な出力性能を得ることがで
きるようにしたものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、この本発明では、4サイク
ルガソリン機関において、エンジンの始動可能な回転域
を少なくとも350rpm以下の低回転とするとともに、前記
エンジンを始動させるための始動モータと、エンジン回
転数を検出してこれが設定された設定回転数に一致する
よう、気化器のスロットルを開閉するアクチュエータを
駆動制御する電子式ガバナとが設けられ、該電子式ガバ
ナは、前記エンジン回転数からエンスト状態を検出して
前記気化器のスロットルが閉じるように前記アクチュエ
ータを駆動させる手段と、スローダウン検出用のスイッ
チがスローダウン側に入っている場合に前記エンジンが
アイドル回転となるように前記アクチュエータを駆動さ
せる手段と、前記エンジン回転数の過回転又は前記始動
モータに電気的に接続されたバッテリー側の電源電圧の
過電圧を検出してイグナイターの着火を停止させる手段
とを備えたことを特徴としている。
作用 上記構成において、始動可能な回転域が少なくとも35
0rpm以下の低回転とされていることにより、そのための
起動トルクが少なくてすみ、始動モーター及びバッテリ
ーを小型のものにすることができる。更に、上記電子式
ガバナを設けていることにより、エンジンの出力性能が
増大し、排気量の小さい小型のエンジンを用いることが
可能である。しかも、電子式ガバナにおけるエンスト
時、スローダウン時、エンジンの過回転及びバッテリー
の過電圧時の各種対応機能により、より付加価値の高い
電子ガバナ付エンジンを提供することができる。
実 施 例 第1図及び第2図はこの発明の実施例を示すエンジン
全体の立面であり、クランク軸中心Pに対してシリンダ
ー中心線Qが斜め方向に傾斜した傾斜型の4サイクルガ
ソリンエンジンである。クランク軸中心P直上のエンジ
ン本体(1)上方部には、燃料タンク(2)が搭載さ
れ、その側方におけるシリンダヘッド上方部分に排気消
音器(3)が搭載されている。クランク軸中心P方向の
一方の側面部にファンケース(4)が取付けられ、更
に、このファンケース(4)の側面にリコイルスタータ
(5)が取付けられている。リコイルスタータ(5)と
同じ側のシリンダヘッド側方にエアクリーナ(6)が配
置され、このエアクリーナ(6)は、シリンダヘッドへ
取付けられた気化器(7)へ連結されている。気化器
(7)の上部に、その気化器(7)のスロットルを開閉
するアクチュエータ(8)が取付けられている。他方、
リコイルスタータ(5)のケースには、リコイルスター
タホイル等を内装する円形等出部(9)の側方に、始動
モーター(10)とバッテリー(11)が、上下に並べて配
置されている。リコイルスタータ(5)は、ボルト(1
2)(12)…によって、前記ファンケース(4)の外側
面に固定されている。また、リコイルスタータ(5)内
のスタータホイルに巻き掛けられたロープを引くための
引手(13)が、前記の円形突出部(9)より斜め上方に
突出して設けられている。更に、ファンケース(4)と
燃料タンク(2)との間には、この燃料タンク(2)を
支持するブラケット(14)の側面に、摘み(15)を回転
操作することによってエンジン回転数を設定するように
したスロットルセンサー(16)が設けられている。始動
モータ(10)は、その回転数が20,000〜35,000rpm程度
の高速型のものを使用する。そして、その高速回転を大
きく減速してクランク軸へ伝えることにより、始動モー
タ(10)に要求される起動トルクを小さくして非常に小
型のものを使用することができる。その結果、バッテリ
(11)自体も小型化できて全体にコンパクトなものとす
ることが可能となる。
第4図は、前記アクチュエータ(8)の具体的な取付
け構造を示したもので、アクチュエータ(8)は、本体
部分が気化器(7)の上部に、その気化器(7)へ固定
したブラケット(20)を介して、ボルト(21)によって
取付けられている。そして、下向きに突出するこのアク
チュエータ(8)の出力軸(22)が、気化器(7)内へ
挿入されて、この出力軸(22)へスロットルバルブ(2
3)が一体に取付けられている。この場合、スロットル
バルブ(23)の軸と出力軸(22)とを別体にして相互に
連結させることも可能である。
上記において、バッテリー(11)は、第3図で示すよ
うに、ケース(17)内へ充電式の乾電池(18)を複数個
内装したもので、これを、リコイルスタータ(5)のケ
ース側面へ取付けることによって、前記始動モーター
(10)と電気接続される。また、始動モーター(10)
は、リコイルスタータケース(9)内のスタータホイル
等と減速ギア(19)(19)…を介して連結され、このリ
コイルスタータ(5)部分を介してクランク軸を駆動す
るようになっている。他方、クランク軸は、引手(13)
を引くことによっても回転させられる。これらバッテリ
ー(11)及び始動コータ(10)は、エンジンの始動回転
域が350rpm以下就中250rpmでも始動可能とされており、
これにより非常に小型化されて、リコイルスタータケー
ス(9)の外側面等へコンパクトに設置できるようにな
っている。このような、エンジンの始動回転域を低回転
にする手段としては、 低回転時にシリンダー内の自動減圧を行うこと、 低回転域で適正な空燃比を得るような気化器とするこ
と、 低回転域でチョーク操作なしで着火に適した空燃比を
得るような気化器とすること、 添加装置の発火回転速度を下げること、 低回転時に、点火時期をケッチンを下げることのでき
る時期(たとえば上死点付近)まで遅角させること、 イグニッションコイルの二次電圧を上げること、 が考えられ、、これらの一部又は全部を用いることによ
って可能となる。次に、これらの具体例について説明す
る。
周知のように、始動時にエンジンのクランク軸を回す
ためには、ピストン上死点付近での圧縮工程を乗り切る
必要があり、そのためには非常に大きな力を必要とす
る。これを解消するには、排気弁或いは吸気弁を強制的
に開いて圧縮を解除することであり、本発明の場合、い
わゆる低速回転時に自動的に圧縮を解除するようにした
自動デコンプ装置を用いることによって、スタータモー
タ(10)の必要容量を低減することができる。かかる自
動デコンプ装置としては、例えば、この発明の出願人が
特願昭59−11539号(特開昭60−156976号)として出願
した遠心式自動減圧装置がある。この装置は、カム軸の
回転に伴って変位する遠心ウエイトで、ピンを軸直径方
向に移動させ、このピンでタペットを圧縮解除方向へ押
し上げるものであり、低回転時には遠心ウエイトが自動
的に前記圧縮解除方向に移動するため、何ら特別の操作
を行なうことなく始動時のデコンプが得られる。
次に、第5図は、本発明に使用される点火電源装置の
電気回路を示している。図において、イグニッションコ
イル(31)の2次側コイル(32)と点火プラグ(33)が
直列に接続されている。他方、1次側コイル(34)の両
端には、トランジスタ(35)のコレクタとエミッタ側の
端子が、その1次側コイル(34)と並列に接続されてい
る。同じくトランジスタ(35)の両端に、サイリスタ
(36)のアノード・カソード側端子が並列に接続され、
更に、サイリスタ(36)のアノード側がトランジスタ
(35)のベースへ接続されている。ツェナーダイオード
(37)の両端子が、サイリスタ(36)のアノード・カソ
ード側端子へ並列接続されるとともに、同じくツェナー
ダイオード(37)のアノード側がサイリスタ(36)のゲ
ート端子へ接続されている。第6図は、1次側コイル
(34)に発生する電圧波形を示している。この実施例に
使用される電圧発生装置は、フライホイールの回転に伴
って交流電圧を発生させるフライホイールマグネット式
のものであり、その発生電圧がツェナーダイオード(3
7)の動作電圧V0以下の状態では、トランジスタ(35)
のベース側に電圧が付加され、そのトランジスタ(35)
のコレクタ・エミッタ間に電流が流れる。発生電圧が前
記V0を越えるとサイリスタ(36)のゲート端子へ電圧が
付加されるので、サイリスタ(36)のアノード・カソー
ド間に電流が流れ(図の破線矢印方向)、トランジスタ
(35)のベース電圧が低下し、このトランジスタ(35)
のコレクタ・エミッタ間に流れる電流が遮断される。そ
のため、2次側コイル(32)に大きな2次電圧が発生
し、点火プラグ(33)が発火するものである。
第5図で示すように、1次側コイル(34)に発生する
電圧は、エンジンの回転数によって変化し、例えばエン
ジン回転数が250rpm程度の場合には、その発生電圧がツ
ェナーダイオード(37)の動作電圧V0よりも低い。その
ため、トランジスタ(35)を流れる電流が遮断されず、
2次側コイル(32)に大きな電圧を発生させることがで
きない。そこで、この実施例では、ツェナーダイオード
(37)と並列に図のようなコンデンサ(38)を設け、そ
のコンデンサ(38)の充放電の変換による電圧のピーク
点Pを検出回路によって検出し、その検出によって、前
記電圧V0よりも低い電圧しか発生しない低回転時には、
その電圧のピーク点Pにおいて、前記トランジスタ(3
5)の導通を解除する信号を発生させ、1次側コイル(3
4)の電流をカットさせて発火できるようにしている。
次に、低回転始動時の逆回転(ケッチン)を防止する
ため、この実施例では、フライホイールマグネット方式
の点火装置において、第7図のように、イグニッション
コイル(31)を巻いた鉄芯(40)の形状を、次のように
して低速回転時の点火時期を遅角させるようにしてい
る。即ち、第7図において、フライホイール(41)のマ
グネット(42)と対向して、その先端に、互いに対向す
るリップ(43)(44)を備えたコの字形の鉄芯(40)を
固定し、この鉄芯(40)にイグニッションコイル(31)
を巻いているが、この実施例では、フライホイール(4
1)の回転方向の後部側に位置するリップ(43)の長さl
1を、他方のリップ(44)の長さl2よりも大きくし、こ
れによって、前記1次側コイル(34)の発生電圧の波形
を第8図のように変形させて、低回転時の遅角量を第6
図のものよりも大きくしている。そして、前記第5図及
び第6図で示したように、動作電V0以下の250rpm程度の
低回転においては、電圧のピーク点Pを検出し、これに
よって遮断信号を発生させるようにしているが、第8図
の波形では、第1のピーク点P1と第2のピーク点P2の2
つのピーク点が現れる。この場合、第1のピーク点P1で
遮断させると、最大回転時の発火角度θ1に対して遅角
量が未だ充分でなく、第2のピーク点P2で遮断信号を取
る必要があり、これにより、最大回転域に対する低回転
時の遅角量Δθ=θ2−θ1を大きくし、前記のような
逆回転を生じないような充分な遅角量を取ることができ
る。そのような第2ピーク点P2の検出は、例えば、ピー
ク点が最初のピーク点であるか或いは2回目のピーク点
であるかを判断する判断手段と、その判断手段の判断結
果に基づいて、第2ピーク点において前記トランジスタ
の遮断信号を発生させる制御手段を備えたマイクロコン
ピュータを用いることによって容易に実現することがで
きる。なお、実施例で行なった最大回転時に対する具体
的な遅角量Δθは7度であった。
低回転時での着火性能を良好とするため、更に、この
実施例では、点火プラグ(33)を発火させる2次側コイ
ル(32)の電圧を、従来の8KV/250rpmよりも更に大きく
し、これによって着火性能を向上させる。
さて、低回転でしかも逆回転を生ずることなく発火さ
せることができた場合であっても、その低回転時におい
て気化器から適正な空燃比の燃料量をシランダ内へ供給
することができなければ、着火させることができない。
そこで、この実施例では、350rpm以下の低回転状態で着
火させるに充分な適正な空燃比を得るため、第9図のよ
うに、気化器(7)のベンチュリー部(46)の径D1を従
来のものよりも小さくして、この部分の流入速度を増大
させ、ノズル(47)からの燃料の吸上げを確実に行なわ
せしめるようにしている。また、エアジェット(48)の
取出し位置とノズル(47)形状の適正な組合せ選定に依
っても低回転時に適正な空燃比が得られ、冷態時でもチ
ョーク操作を行なうことなく確実に始動させることが可
能となる。
このような手段を全部または一部を適宜組み合わせて
用いることにより、350rpm以下の低回転域で小さなトル
クで始動を行なうことが可能であり、これに伴って、ス
タータモータ(10)の必要容量を従来のものに比較して
遥かに小さくして且つバッテリも同様に小さくすること
が可能となる。
第10図は、上記アクチュエータ(8)及びスロットル
センサー(16)を用いたエンジン回転数制御の流れを示
すブロックダイヤグラムである。図において、(51)
は、エンジン回転センサーであり、例えば、エンジンの
フライホイールに取り付けたマグネットにより、そのエ
ンジンの回転に応じた交流波形を発生させるようにした
ものが用いられる。このエンジン回転センサー(51)の
出力電流は、回転パルス検出器(52)へ入力され、この
検出器(52)によって検出されたパルスがF/Vコンバー
タ(53)を介して、コントローラ(54)の回転数偏差演
算器(55)へ入力される。他方、回転数設定具による設
定量に応じた電流を発生させるスロットルセンサー(1
6)からの出力は、回転数指示器(56)から同様に回転
数偏差演算器(55)へ入力される。この回転数偏差演算
器(55)において両回転数を演算し、更に回転数制御演
算器(57)によって必要な制御量を演算して、その結果
を、増幅器(58)からアクチュエータ(8)のドライブ
回路(59)へ出力して、アクチュエータ(8)がその制
御信号に応じた量だけ動作する。即ち、第4図におい
て、そのアクチュエータ(8)の出力軸(22)がその分
だけ回転することによって、スロットルの開量が変化す
る。なお、回転パルス検出器(52)の出力信号は、エン
スト検出器(60)にも送られ、エンジンがスエンスト状
態にあるときには、前記アクチュエータ(8)側へその
信号を出力することによって、スロットルの開度が0と
なるように駆動する。
(61)は、スローダウン検出用のスイッチで、このス
イッチ(61)がスローダウン側に入っている場合には、
スローダウン制御部(62)から前記回転数偏差演算器
(55)側にその信号を出力し、回転数制御演算器(57)
からの制御信号が、スローダウン側即ちエンジンガアイ
ドル回転となるよう、前記アクチュエータ(8)側へ信
号を出力する。このスローダウンスイッチ(61)として
は、例えば田植機においては、植付け装置のクラッチを
OFFにしたときに、これと連動させるようにしたり、或
いは、その他の作業機の場合には、その作業機を停止さ
せる手段と連動される。また、非作業時にオペレータが
このスイッチ(61)を手動操作するようにしてもよい。
(63)は、過回転検出器であって、前記回転パルス検出
器(52)によって検出されたエンジン回転数が過回転の
場合は、エンジンの停止回路(64)を作動させてイグナ
イター(65)のイグニション即ち着火を停止させる。ま
た、バッテリ(11)側の電源電圧が過電圧になった場合
にも、過電圧検出器(66)によってその状態を検出し
て、エンジン停止回路(64)を作動させる。これら過回
転検出器(63)及び過電圧検出器(66)は、いずれも緊
急停止用として用いられるものである。
第11図は、上記エンジン回転数制御の具体的なフロー
チャートを示したもので、この図で示すように、設定さ
れた回転数N1に対し現在のエンジンの回転数N2が異なる
場合には、前記アクチュエータ(8)への信号電流をそ
れに見合っただけ増減し、気化器(7)のスロットル開
度を調節し、他方、その偏差が0の場合には、そのまま
の状態を続行する。
第12図は、クランク軸回転速度に対する軸出力の変化
を、従来の機械式ガバナと比較して示すグラフである。
このグラフで判るように、機械式ガバナにおいては、エ
ンジン回転数をある回転数に設定しても、その位置で負
荷をかけるとその特性により必ず回転数が低下した位置
で整定する。この値を整定変動立と言い、このグラフで
判るように、最高回転域ではその変動率が7%程度であ
るのに対し、アイドル回転では40%も出力が低下する。
即ち、低速回転になる程整定変動率が大きく、出力が低
下している。このため、特に、農用エンジンのように低
速高負荷域で多用されるものにおいては、充分な出力を
得ることができず、排気量の大きいエンジンを用いるか
或いは過給器を取付ける以外に、これを解消する手段が
ない。これに対して、本発明の電子コントロール付ガバ
ナを備えたエンジンでは、常にその設定された回転数に
なるようスロットルが制御されるので、かかる回転数低
下を生ずることがなく、従来よりも低速回転域では40%
程度、高速回転域では7%程度も出力を向上させること
ができ、特に、低速高負荷域で使用する農用エンジンに
適したものが得られるのである。
第13図及び第14図は、この発明の別の実施例を示すエ
ンジンの全体図であり、第15図のような田植機に取付け
られるものを示す。この実施例では、スロットルセンサ
ー(16)をシリンダヘッドへ冷却を導くため、そのシリ
ンダヘッド上方に取付けた導風板(70)の上面に取付け
ている。そしてこのスロットルセンサー(16)を電気配
線によって、前記のコントローラー(54)側と、運転席
等に設けられた回転数設定具へ連結されている。
田植機は、運転席(71)を備えた機体(72)に前後の
走行輪(73)(73)を取付け、その後方にロータリ式の
植付爪(74)を設けたもので、運転席(71)前部側のボ
ンネット(75)内に前記のエンジン(76)を搭載してい
る。
発明の効果 以上のように、この発明によれば、始動回転域を350r
pm以下の低回転とし、これによって始動に必要な始動モ
ータやバッテリーを小型化してコンパクトにするととも
に、設定回転数とエンジン回転数が常に一致するよう制
御する電子式ガバナを設けることにより、特に低回転域
の出力性能を大幅に向上させているため、このことによ
り排気量の小さい小型のエンジンを用いることを可能と
し、エンジンの全体を小型化することができたものであ
って、従来のものより遥かに優れた4サイクルのガソリ
ンエンジンを提供できるという効果がある。更に、エン
ジンがエンスト状態にあるときに気化器のスロットルが
閉じるようにしているので、より確実な始動性を確保す
ることができ、スローダウン検出用のスイッチがスロー
ダウン側に入っている場合にエンジンがアイドル回転と
なるようにしているので、例えばスローダウンスイッチ
を作動機を停止させる手段と連動させれば作動機が停止
したときにエンジンをアイドル回転として効率良く駆動
させることができ、さらにまたエンジン回転数が過回転
の場合又はバッテリー側の電源電圧が過電圧の場合にイ
グナイターの着火を停止させてエンジンを緊急停止させ
るようにしているので、異常状態を早めに回避してエン
ジンやバッテリーの寿命を延ばすことができる。また、
始動モータをエンジンへ予め取付けておくことにより、
農業機械等に搭載する際にその始動モータとエンジンと
の連結を改めて行う必要がないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示すエンジンの側面図、第
2図は第1図の右方向から見た側面図、第3図はバッテ
リーの斜視図、第4図はアクチュエータと気化器との連
結構造を示す要部縦断正面図、第5図は、点火装置の電
源回路図、第6図は、フライホイールマグネット方式に
よって点火を行う点火装置の発生電圧を示すグラフ、第
7図は、同じくこの発明の実施例に使用するフライホイ
ールマグネット方式の発電図の概略説明図、第8図は、
第7図の発電装置によって得られる発生電圧の波形を示
すグラフ、第9図は、気化器の要部の縦断面図、第10図
は、この発明の電子式ガバナによる制御の流れを示すブ
ロックダイヤグラフ、第11図は同じくフーローチャー
ト、第12図は、この発明の電子コントロール式ガバナと
従来の機械ガバナとを比較して示すクランク軸回転速度
と軸出力との関係のグラフ、第13図は、この発明の別の
実施例を示すエンジン全体の正面図、第14図は同じく平
面図、第15図は田植機の側面図である。 (1)……エンジン本体、(7)……気化器、 (8)……アクチュエータ、 (10)……始動モーター、(11)……バッテリー、 (16)……スロットルセンサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 11/02 301 F02P 11/02 301L (56)参考文献 特開 昭64−53058(JP,A) 特開 昭55−112837(JP,A) 特開 昭61−232341(JP,A) 特開 昭61−43227(JP,A) 特開 昭63−285263(JP,A) 特開 昭63−235663(JP,A) 実開 昭56−150834(JP,U) 実開 昭54−42822(JP,U) 実開 昭63−200674(JP,U) 実公 昭57−35623(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 9/02 F02N 11/00 - 11/08 F02D 17/04 F02P 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4サイクルガソリン機関において、エンジ
    ンの始動可能な回転域を少なくとも350rpm以下の低回転
    とするとともに、前記エンジンを始動させるための始動
    モータと、エンジン回転数を検出してこれが設定された
    設定回転数に一致するよう、気化器のスロットルを開閉
    するアクチュエータを駆動制御する電子式ガバナとが設
    けられ、該電子式ガバナは、前記エンジン回転数からエ
    ンスト状態を検出して前記気化器のスロットルが閉じる
    ように前記アクチュエータを駆動させる手段と、スロー
    ダウン検出用のスイッチがスローダウン側に入っている
    場合に前記エンジンがアイドル回転となるように前記ア
    クチュエータを駆動させる手段と、前記エンジン回転数
    の過回転又は前記始動モータに電気的に接続されたバッ
    テリー側の電源電圧の過電圧を検出してイグナイターの
    着火を停止させる手段とを備えたことを特徴とする電子
    ガバナ付ガソリンエンジン。
JP1068457A 1989-03-20 1989-03-20 電子ガバナ付ガソリンエンジン Expired - Fee Related JP2816556B2 (ja)

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