JP2814383B2 - 収穫したイチゴの出荷方法 - Google Patents

収穫したイチゴの出荷方法

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JP2814383B2
JP2814383B2 JP24539395A JP24539395A JP2814383B2 JP 2814383 B2 JP2814383 B2 JP 2814383B2 JP 24539395 A JP24539395 A JP 24539395A JP 24539395 A JP24539395 A JP 24539395A JP 2814383 B2 JP2814383 B2 JP 2814383B2
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巌 大和
好枝 田村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、収穫したイチゴを次の
日に出荷してイチゴの鮮度を長時間保持するイチゴの出
荷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イチゴは、他の果物に比較して鮮度が急
激に低下する性質がある。このため、収穫した日に出荷
することが要求される。収穫した次の日に出荷すると、
出荷してから日持ちが悪くなるからである。収穫した日
に出荷するために、イチゴを栽培する農家には非常に厳
しい作業環境が要求されている。たとえば、イチゴは早
朝の5時頃から収穫して、その日の昼過ぎに出荷するこ
とが要求される。出荷が遅くなると、次の日の扱いにな
るからである。決められた時間までに出荷するために、
収穫時間を遅くすることができない。さらに、収穫され
たイチゴは、出荷するまでに著しく手間がかかる。それ
は、1個1個のイチゴを大きさ別に選別して、綺麗に並
べてパック詰めするからである。さらに、表面が非常に
弱い果物であるから、少しでも強く握ると、表面が変質
して商品とならない欠点がある。このため、機械で選別
し、あるいはパック詰めできず、1個1個のイチゴを慎
重に扱って選別、パック詰めする必要がある。
【0003】さらに、収穫されたイチゴは、鮮度の低下
するのを少なくするために、冷蔵庫に入れて予冷してい
る。予冷は、収穫してパック詰めするまでの間に、ある
いは、パック詰めして出荷するまでの間に行われる。予
冷は、イチゴを冷却して、成熟を抑制するのに効果があ
る。イチゴの鮮度保持を有効にするためには、中心温度
を5℃以下にする必要がある。しかしながら、従来の出
荷方法は、収穫したイチゴを、その日に出荷するので、
長い時間は冷却することができない。とくに、選別して
パック詰めするのに相当な時間がかかるので、イチゴの
中心温度が5℃以下になるまで、冷却することは不可能
である。
【0004】短時間で、イチゴの中心温度を低くするに
は、冷蔵庫の温度をより低温にする必要がある。低温に
予冷して表面温度が相当に低下したイチゴは、冷蔵庫か
ら取り出して環境温度が一瞬に高くなると、鮮度が急激
に低下する弊害がある。このため、冷蔵庫の保存温度は
それほど低くできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、イチゴ
は収穫したその日に出荷するので、栽培農家には、極め
て厳しい作業環境が要求される。さらに、このように、
収穫した日に出荷するにもかかわらず、出荷されたイチ
ゴのその後の鮮度保持は充分に満足されるようにできな
い。出荷されたイチゴは、収穫した日の次の日には、色
艶や香りが低下してしまう。
【0006】さらに、イチゴは、冷蔵庫で予冷するとき
に水分が除去されて、みずみずしさが低下する欠点があ
る。この弊害を防止するために、イチゴを入れた箱の開
口部にプラスチックフィルム等をおいて開口部を閉塞
し、水分が除去されないようにして予冷する必要があ
る。この状態で冷却されるイチゴは、効率よく冷却され
なくなる。このような弊害を防止するには、冷蔵庫に加
湿して湿度を高くすることで解消できる。しかしなが
ら、冷蔵庫の内部空気加湿して高湿度にすると、カビ
が繁殖しやすい環境となって、出荷するイチゴの品質を
著しく低下させる。
【0007】本発明は、以上のように、収穫したその日
に出荷している厳しい作業環境を解消して、収穫した次
の日に出荷してイチゴ栽培農家の作業を極めて楽にし
て、さらに、出荷されるイチゴを高品質、高鮮度にでき
る収穫したイチゴの出荷方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
される収穫したイチゴの出荷方法は、収穫したイチゴを
予冷、パック詰めして出荷する従来の出荷方法を改良し
たものである。本発明の出荷方法は、収穫してパック詰
めしたイチゴを、冷蔵庫2で予冷する。冷蔵庫2で予冷
されるイチゴには、冷気が循環する状態として、連続
的、断続的、あるいは一時的にオゾンを空気と共に供給
する。パック詰めされたイチゴは、オゾン環境で冷却さ
て、出荷される。
【0009】さらに、本発明の請求項2に記載される収
穫したイチゴの出荷方法は、収穫したイチゴを、冷蔵庫
2で予冷する。冷蔵庫2で予冷するとき、イチゴに冷気
が循環する状態として、連続的、断続的、あるいは一時
的にオゾンを空気と共に供給し、オゾン環境で夜間に冷
却して予冷する。予冷したイチゴは、パック詰めして出
荷する。
【0010】さらに、本発明の請求項3に記載される収
穫したイチゴの出荷方法は、収穫したイチゴを冷蔵庫2
で予冷する。冷蔵庫2で予冷されるイチゴには、冷気が
循環する状態として、連続的、断続的、あるいは一時的
にオゾンを空気と共に供給する。予冷したイチゴをパッ
ク詰めする。パック詰めしたイチゴを、冷蔵庫2で予冷
する。冷蔵庫2で予冷されるイチゴは、冷気を循環させ
る状態として、連続的、断続的、あるいは一時的にオゾ
ンを空気と共に供給して、パック詰めされたイチゴを、
オゾン環境で冷却する。パック詰めして予冷したイチゴ
を、出荷する。
【0011】オゾン環境でイチゴを予冷する冷蔵庫2
は、たとえば、オゾン濃度を0.3〜10ppmとする
空気を供給する。冷蔵庫2に供給する空気のオゾン濃度
は、好ましくは0.4〜5ppm、さらに好ましくは
0.5〜2ppmとする。冷蔵庫2のオゾン濃度が高す
ぎるとイチゴにオゾンの臭いが付着する。オゾン濃度を
低くすると、イチゴの鮮度保持できる効果が少なくな
る。
【0012】オゾン環境で冷却されるイチゴは、供給さ
れるオゾンで、バクテリアやカビ等の微生物が効率よく
殺菌される。イチゴは、柑橘類のように水で洗浄できな
いので、土壌菌として表面に無数の微生物が付着してい
る。イチゴに付着する微生物は、時間が経過するにした
がって指数関数的に増殖する。しかしながら、予冷され
るときに、オゾンで殺菌されると、増殖するまでに相当
の時間がかかる。微生物が死滅した状態で、イチゴを冷
蔵庫2から取り出して、温度が上昇しても、微生物は急
激に繁殖することはない。予冷するときに微生物が死滅
しているからである。
【0013】冷蔵庫2にオゾンを供給して、微生物を効
率よく殺菌する本発明の出荷方法は、予冷する冷蔵庫2
の湿度を相当に高くできる。それは、湿度を高くして
も、オゾンによってかび等の微生物の繁殖が阻止される
からである。したがって、本発明の出荷方法は、イチゴ
を予冷する冷蔵庫2の温度と湿度からなる外的環境を快
適な状態にしてイチゴを高鮮度に保持できる。
【0014】さらに、高湿度の冷蔵庫2に供給されるオ
ゾンは、濃度を低くして有効にかび等の微生物の繁殖を
阻止する効果がある。オゾンは、乾燥された状態では、
微生物の殺菌効果が低下するが、湿度を高くすると殺菌
効果が向上する。したがって、冷蔵庫2に供給するオゾ
ン濃度を低くして、イチゴを高鮮度に保持できる。さら
に、微生物の殺菌に消費されたオゾンは、分解され
素となり、イチゴの酸素源となってイチゴを高鮮度に保
持する。
【0015】さらに、冷蔵庫2に供給されたオゾンは、
イチゴから放出されるエチレンを下記の反応式で反応さ
せて炭酸ガスと水とに分解して鮮度を保持する効果もあ
る。 C24+2O3→2H2O+2CO2
【0016】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発
明の技術思想を具体化するための出荷方法を例示するも
のであって、本発明は、イチゴの出荷方法を下記のもの
に特定するものでない。
【0017】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応す
る番号を、「特許請求の範囲の欄」および「課題を解決
するための手段の欄」に示される部材に付記している。
ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の
部材に特定するものでは決してない。
【0018】本発明の実施の形態の収穫したイチゴの出
荷方法に使用する冷蔵庫を図1に示す。この冷蔵庫2
は、オゾン発生装置3を連結して、内部には加湿器を設
けている。冷蔵庫2は、庫内空気を冷却する冷却用熱交
換器1を内部に備えている。冷却用熱交換器1は、冷蔵
庫2の上部に配設されて、庫内の空気を設定温度に冷却
する。冷却用熱交換器1は、冷蔵庫2の外部に設けた冷
媒の冷却機6に連結され、冷却機6から冷媒が供給され
て、庫内の空気を冷却する。
【0019】オゾン発生装置3は、冷蔵庫2にオゾンを
供給する。オゾン発生装置3は、冷蔵庫2の外部に配設
されて、ホース7を介してオゾンを含有する空気を冷蔵
庫2に吹き込む。オゾンを冷蔵庫2に吹き込むために、
オゾン発生装置3に連結されたホース7を、冷蔵庫2を
貫通して内部に挿入する。冷蔵庫2の外部に配設された
オゾン発生装置3は、冷蔵庫2内の湿度で寿命が短くな
るのを防止できる。オゾン発生装置3は、オゾンを発生
するオゾン発生部5と、このオゾン発生部5を制御し
て、オゾン濃度を脈動させる濃度脈動手段4とを備え
る。
【0020】オゾン発生部5は、図示しないが、空気中
で放電させて酸素をオゾンとするものが使用できる。オ
ゾン発生部5は、発生したオゾンを冷蔵庫2に吹き込む
ために、ファン(図示せず)を備えている。オゾン発生
部5で発生したオゾンは、冷蔵庫2に挿入されたホース
7を介して、庫内に供給される。
【0021】濃度脈動手段4は、オゾン発生装置3を制
御して、冷蔵庫2内のオゾン濃度を脈動させる。濃度脈
動手段4には、タイマーが使用できる。タイマーは、一
定の周期でオゾン発生部5を作動させ、また一定時間は
運転を停止する。濃度脈動手段4がオゾン発生部5の運
転を制御して、冷蔵庫2のオゾン濃度を脈動させる。オ
ゾン発生部5が作動するとき、オゾン発生装置3は所定
の濃度のオゾンを冷蔵庫2に供給する。オゾン発生部5
の動作が停止するとき、オゾン発生装置3はオゾンを冷
蔵庫2に供給しない。オゾン発生部5が作動するとき、
オゾン発生装置3は、オゾン濃度を0.5ppmとする
空気を冷蔵庫2に吹き込む。
【0022】図2は、濃度脈動手段4がオゾン発生装置
3の運転を制御して、冷蔵庫2のオゾン濃度を変化させ
る状態を示している。この図は、下記の条件で、イチゴ
を予冷する冷蔵庫2にオゾンを吹き込んだグラフであ
る。 オゾン発生装置の運転時間……………………………8分 オゾン発生装置の運転休止時間……………………15分 オゾン発生装置が供給するオゾン濃度…………0.5ppm
【0023】図2のグラフで示す装置は、冷蔵庫2のオ
ゾン濃度のピーク値を0.4ppmとしている。オゾン
発生装置3からオゾンが供給されるとき、冷蔵庫2のオ
ゾン濃度は次第に高くなる。しかしながら、オゾン発生
装置3の運転が停止されて、オゾンが供給されなくなる
と、オゾンはエチレンと反応して消費され、オゾン濃度
が低下する。オゾン濃度が高いとき、冷蔵庫2内のカビ
等の細菌は殺菌され死滅する。死滅した細菌が、繁殖す
るまでに相当に時間がかかる。このため、細菌を死滅さ
せた後、オゾン濃度が低くなっても、細菌が繁殖して植
物に害を与えることはない。
【0024】図2に示す鮮度保持装置は、オゾン濃度の
ピーク値を0.42ppmに設定している。ただ、この
発明の鮮度保持装置は、オゾン濃度のピーク値を、たと
えば、0.2ppm以上、好ましくは0.3ppm以上
に設定して、微生物を効果的に殺菌できるようにする。
オゾン濃度の最小値は、例えば0.03ppm以下に設
定する。
【0025】脈動の周期は、エチレン濃度の回復、オゾ
ン濃度の回復等を考慮して、オゾン濃度の最少値が例え
ば0.03ppm以下となるよう設定しておく。こうし
ておけば植物の成熟を抑制でき、また冷却用熱交換器1
の腐食を防止できる。さらに、オゾン発生装置3は、冷
蔵庫2の外にあるため、オゾンによる腐食が生じない。
【0026】以上のように、断続的にオゾンを供給する
冷蔵庫2は、微生物を効果的に殺菌してイチゴ高鮮度
に保存できる。また、平均的なオゾン濃度を低くできる
ので、冷却用熱交換器1の腐食を有効に防止できる。さ
らに、オゾンは、イチゴを冷蔵庫2に入れた最初に多量
に供給することもできる。さらにまた、冷蔵庫2に低濃
度のオゾンを含有する空気を連続して供給することもで
きる。
【0027】以上のように、オゾンを供給する冷蔵庫2
を使用して、図3のチャート図に示すようにしてイチゴ
を予冷して出荷する。 朝にイチゴを収穫する。収穫した日にイチゴを出荷
しないので、従来のように、朝早く収穫する必要はな
い。たとえば、朝の8〜10時の間に収穫する。
【0028】 収穫したイチゴを冷蔵庫2に入れて予冷する。図3
のチャート図に示す方法は、朝の10時から夕方の5時
まで7時間予冷する。予冷する時間は、イチゴを収穫し
てから、次パック詰めするまでの間である。この工程
の予冷時間は、好ましくは3時間以上、さらに好ましく
は5時間以上とする。この予冷時間を長くすることは、
イチゴの鮮度保持には優れた効果がある。ただ、予冷時
間を長くすると、次の工程のパック詰めする時間が夜遅
くなってしまう。パック詰めする時間と、収穫する時間
とを考慮して、この予冷時間を最適な時間に調整する。
【0029】イチゴは、上に2段に積み重ねることな
く、大きなトレイに並べて冷蔵庫2に収納する。トレイ
には、たとえば、紙を敷いてその上にイチゴを並べる。
トレイに並べたイチゴに冷気が循環するように、図1に
示すように、トレイを多少ずらせて積層して、冷蔵庫2
に入れる。図示しないが、トレイの位置をずらせるので
はなくて、トレイを多段の棚に載せてイチゴに冷気が循
環するようにして冷蔵庫2に入れることもできる。
【0030】トレイを入れる冷蔵庫2の設定温度は、た
とえば、約5℃とする。ただし、冷蔵庫2の設定温度は
3〜6℃とすることもできる。オゾン発生装置3でもっ
て冷蔵庫2に断続的にオゾンを供給する。オゾン発生装
置3は、オゾン濃度を0.5ppmとする空気を断続的
に冷蔵庫2に吹き込む。オゾン発生装置3がオゾンを発
生しないとき、オゾン発生装置3は空気を冷蔵庫2に供
給しない。オゾン発生装置3は、前にも記載したよう
に、8分間はオゾン空気を供給し、その後15分はオゾ
ン空気の供給を停止する。この工程で、イチゴは、収穫
された朝から夕方まで予冷される。
【0031】冷蔵庫2の空気が乾燥しないように、加湿
器を設けている。加湿器は、冷蔵庫2の湿度を80%以
上に保持する。図に示す加湿器は、バケツ等の容器に水
を入れて、ここにタオル等の布地の下端部を浸漬するよ
うに吊り下げたものである。この加湿器は、タオルに水
が吸い上げられて気化して加湿する。この構造の加湿器
は、極めて簡単で安価にできる。ただ、市販されている
超音波加湿器等を使用することもできる。また、水を非
常に微細な粒子にして噴射する加湿器も使用できる。
【0032】 イチゴを冷蔵庫2から取り出し、トレイから取り出
して、大きさ別に選別しながら、市販用の小さいパック
に並べ変えてパック詰めする。図3のチャート図は、5
時に冷蔵庫2から取り出したイチゴを、夜の9時までに
パック詰めしている。
【0033】 パック詰めが完了したイチゴは、再び冷蔵庫2に入
れて、次の日の午後1時まで、16時間予冷する。この
工程の予冷時間は、イチゴのパック詰めが完了する時間
し、出荷する時間とで決定される。パック詰めした日の
夜間に予冷して、次の日に出荷するので、充分に長い時
間予冷できる。
【0034】冷蔵庫2で予冷されるパック詰めのイチゴ
は、効率よく冷却するために、パックの蓋を開き、ある
いは、パックの蓋に通気孔を開口してトレイに一列に並
べ、トレイを積層して冷蔵庫2に入れる。トレイは、パ
ック詰めされたイチゴに冷気を循環できるように、図1
に示すように、多少位置をずらせて積層するか、あるい
は、棚に載せてトレイの間に隙間ができるようにする。
この予冷工程においては、前記のの予冷工程と同じよ
うに、オゾン発生装置3でもって冷蔵庫2に断続的にオ
ゾンを供給する。オゾン発生装置3は、オゾン濃度を
0.5ppmとする空気を断続的に冷蔵庫2に吹き込
む。オゾン発生装置3がオゾンを発生しないとき、オゾ
ン発生装置3は空気を冷蔵庫2に供給しない。オゾン発
生装置3は、前にも記載したように、8分間はオゾン空
気を供給し、その後15分はオゾン空気の供給を停止す
る。この工程で、イチゴは、パック詰めされた夕方か
ら、次の日の昼すぎまで、充分に冷却される。
【0035】 予冷が完了したパック詰めイチゴを、冷蔵庫2から
取り出して出荷する。
【0036】以上の〜の工程で処理されたイチゴ
の、1〜6日後の変化を調べると表1のようになった。
実施例1の処理をしたイチゴがいかに優れているかを明
らかにするために、従来の方法で処理したイチゴも同じ
ように測定した。この表において、実施例1、比較例
1、比較例2は下記の処理をしたイチゴの物性を示して
いる。 実施例1……前記の〜の処理をしたイチゴ 比較例1……実施例1と同じ条件で冷蔵庫で予冷する
が、 冷蔵庫にオゾンを供給しないで 処理したイチゴ 比較例2……全く予冷しないイチゴ
【0037】試験の条件は下記のようにした。 処理をしたイチゴ、処理をしないイチゴを常温で保
存して鮮度保持試験をした。 硬度は、果実硬度計で弾力試験をした。 糖度の測定には、アタゴ手持屈折計を使用した。 色艶、香り、食味については三段階評価を行い、 良いを○印、普通を△印、劣るを×印とした。
【0038】
【表1】
【0039】この表に示すように、本発明の実施例1で
処理したイチゴは、収穫してから5日経過後において
は、色艶、香り、食味の全てが優れており、6日経過後
には、色艶は普通になったが、香りと、食味はまだ優れ
ていた。これに対して、予冷をオゾン環境としない比較
例1のイチゴは、収穫して2日後に、色艶、香り、食味
が普通に低下し、収穫して3日後に色艶と、香りが劣る
まで低下した。さらに、収穫して4日後にはかびが発生
した。さらに、予冷しない比較例2のイチゴは、収穫し
て2日後に色艶と、香りが普通に低下し、さらに、収穫
して3日後には色艶と、香りと、食味が普通に低下し、
4日後には色艶と、香りと、食味が劣るまで低下した。
以上のように、本発明の処理をしたイチゴは、6日(処
理してから5日)後まで、香りと、食味が優れていたの
に対し、比較例1のイチゴは、収穫して2日後に、色艶
と、香りと、食味の全てが劣るとなり、比較例2のイチ
ゴは、色艶と、香りとが劣るに低下した。このため、本
発明のイチゴの出荷方法は、1日遅く出荷して作業環境
を相当に楽にできるにもかかわらず、出荷した後の鮮度
は、収穫したその日に出荷するよりもさらに新鮮に保持
される極めてすぐた方法である。
【0040】以上の出荷方法は、収穫して一定時間は冷
蔵庫2に入れて予冷し、収穫した日にパック詰めして、
その日の夜間に冷蔵庫2に入れて予冷している。すなわ
ち、集荷したイチゴを冷蔵庫2で冷却し、冷たくなった
イチゴをパック詰めして、その日の夜間に再び冷蔵庫2
で予冷している。この出荷方法は、理想的な状態でイチ
ゴを処理できる。それは、収穫したイチゴをオゾン環境
で予冷して、イチゴを冷却すると共に、かび等の微生物
を殺菌してパック詰めするので、微生物を有効に殺菌で
きると共に、冷却したイチゴをパック詰めするので、パ
ック詰めするときの鮮度低下を極減できるからである。
【0041】ただ、本発明の出荷方法は、収穫したイチ
ゴをパック詰めすることなく冷蔵庫2に入れてオゾン環
境で次の日まで予冷し、次の日に冷蔵庫2から取り出し
てパック詰めして出荷することもできる。この方法は、
パック詰めする時間帯を、実施例1の夜間から昼間にで
きるの特長がある。この処理において、イチゴを冷蔵庫
2に入れてオゾン環境で予冷する条件は実施例1と同じ
にできる。この方法は、イチゴを冷蔵庫2に出し入れす
る手間がかからず、処理手間を省力化できる特長があ
る。この方法で処理されたイチゴも、オゾン環境の予冷
工程で、微生物が効果的に殺菌され、また、イチゴの中
心部まで充分に冷却されて、出荷後には、実施例1で処
理されイチゴにほぼ匹敵する鮮度を保持した。
【0042】この処理は、図4のチャート図に示すよう
に、下記の工程でイチゴを処理する。 イチゴを収穫する工程 この工程は、実施例1のの工程と同じである。 イチゴを予冷する工程 この工程も、実施例1のの工程と同じである。ただ
し、この工程において、イチゴをオゾン環境で予冷する
時間は、朝の10時から次の日の朝の9時までの23時
間する。この工程の予冷時間は、収穫してから次の日の
パック詰めするまでの間で充分に長くできる。 イチゴをパック詰めする工程 この工程も、実施例1のの工程と同じである。ただ
し、パック詰めする時間帯は、朝の9時から昼の1時ま
でとする。出荷時間が遅いときは、出荷に間に合う時間
に冷蔵庫2から取り出してパック詰めする。 パック詰めしたイチゴを出荷する工程 この工程は、実施例1のの工程と同じである。
【0043】さらに、本発明の出荷方法は、収穫したイ
チゴを予冷することなくパック詰めし、パック詰めした
イチゴを冷蔵庫2に入れてオゾン環境で予冷することも
できる。この方法も、イチゴを冷蔵庫2に入れてオゾン
環境で予冷する条件を実施例1と同じにできる。この方
法も、イチゴを冷蔵庫2に出し入れする手間がかから
ず、処理手間を省力化できる特長がある。この方法で処
理されたイチゴも、オゾン環境の予冷工程で、微生物が
効果的に殺菌され、また、イチゴの中心部まで充分に冷
却されて、出荷後には、実施例1で処理されイチゴに
ほぼ匹敵する鮮度を保持した。さらに、この方法も、イ
チゴをパック詰めする時間帯を、実施例1の夜間から昼
間にできる特長がある。
【0044】この処理は、図5のチャート図に示すよう
に、下記の工程でイチゴを処理する。 イチゴを収穫する工程 この工程は、実施例1のの工程と同じである。 イチゴを予冷することなくパック詰めする工程 この工程は、実施例1のの工程と同じである。ただ
し、この工程は、朝の10時から昼の2時までの間に行
われる。 イチゴを予冷する工程 この工程は、実施例1のの工程と同じである。ただ
し、イチゴをオゾン環境で予冷する時間は、パック詰め
の完了した昼の2時から次の日の昼の1時までの23時
間する。パック詰めを完了してから、次の日の出荷する
まで予冷するので、予冷時間は充分に長くできる。冷蔵
庫2から出すのは、出荷する前である。 イチゴを出荷する工程 この工程は、実施例1のの工程と同じである。
【0045】
【発明の効果】本発明の収穫したイチゴの出荷方法は、
収穫したその日に出荷する必要がなく、収穫した次の日
に出荷するにもかかわらず、表1に示すように、出荷し
たイチゴを高鮮度に保持できる理想的な特長を実現す
る。このため、収穫したその日に出荷しなければならな
かった忙しい作業環境を解消して、イチゴ栽培農家の作
業を極めて楽にできる特長がある。このことは、特に、
近年は高齢者が多くなっているイチゴの栽培農家にとっ
て、健康管理に最適である。さらに、出荷されるイチゴ
は、高品質、高鮮度に保持されて、しかも、日持ちする
ので、流通段階で腐敗して廃棄するのを極減できる優れ
た特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる方法の一例を示
すイチゴの鮮度保持装置の概略断面図
【図2】冷蔵庫内のオゾン濃度を示すグラフ
【図3】図1に示す冷蔵庫で冷却するイチゴの収穫から
出荷までを示すタイムチャート図
【図4】図1に示す冷蔵庫で冷却するイチゴの収穫から
出荷までを示すタイムチャート図
【図5】図1に示す冷蔵庫で冷却するイチゴの収穫から
出荷までを示すタイムチャート図
【符号の説明】
1…冷却用熱交換器 2…冷蔵庫 3…オゾン発生装置 4…濃度脈動手段 5…オゾン発生部 6…冷却機 7…ホース

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収穫したイチゴを予冷、パック詰めして
    出荷するイチゴの出荷方法において、 収穫してパック詰めしたイチゴを、冷蔵庫(2)で予冷す
    ると共に、冷蔵庫(2)で予冷されるイチゴに冷気循環
    させる状態として、連続的、断続的、あるいは一時的に
    オゾンを空気と共に供給し、パック詰めされたイチゴ
    を、オゾン環境で冷却して出荷することを特徴とする収
    穫したイチゴの出荷方法。
  2. 【請求項2】 収穫したイチゴを予冷、パック詰めして
    出荷するイチゴの出荷方法において、 収穫したイチゴを、冷蔵庫(2)で予冷すると共に、冷蔵
    庫(2)で予冷されるイチゴに冷気循環させる状態とし
    て、連続的、断続的、あるいは一時的にオゾンを空気と
    共に供給し、オゾン環境で冷却したイチゴをパック詰め
    て出荷することを特徴とする収穫したイチゴの出荷方
    法。
  3. 【請求項3】 収穫したイチゴを予冷、パック詰めして
    出荷するイチゴの出荷方法において、 収穫したイチゴを冷蔵庫(2)で予冷すると共に、冷蔵庫
    (2)で予冷されるイチゴに冷気循環させる状態とし
    て、連続的、断続的、あるいは一時的にオゾンを空気と
    共に供給し、予冷したイチゴをパック詰めし、パック詰
    めしたイチゴを、冷蔵庫(2)で予冷すると共に、冷蔵庫
    (2)で予冷されるイチゴに冷気循環させる状態とし
    て、連続的、断続的、あるいは一時的にオゾンを空気と
    共に供給し、パック詰めされたイチゴを、オゾン環境
    却して出荷することを特徴とする収穫したイチゴの出
    荷方法。
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