JPH0753472Y2 - 植物の鮮度保持装置 - Google Patents
植物の鮮度保持装置Info
- Publication number
- JPH0753472Y2 JPH0753472Y2 JP4952593U JP4952593U JPH0753472Y2 JP H0753472 Y2 JPH0753472 Y2 JP H0753472Y2 JP 4952593 U JP4952593 U JP 4952593U JP 4952593 U JP4952593 U JP 4952593U JP H0753472 Y2 JPH0753472 Y2 JP H0753472Y2
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- JP
- Japan
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- ozone
- refrigerator
- concentration
- plant
- ethylene
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- Storage Of Harvested Produce (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、主として、切り花を保
存する植物の鮮度保持装置に関する。
存する植物の鮮度保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】植物は、冷蔵庫に入れて保存期間を長く
できる。低温環境が、植物の成熟を抑制するからであ
る。植物の成熟は、保存温度を低くするにしたがって次
第に抑制されるようになる。このため、冷蔵庫の保存温
度をより低くすることで、植物の保存期間を長くするこ
とが可能である。ただ、低温の環境で保存した植物は、
冷蔵庫から取り出して環境温度が一瞬に高くなると、鮮
度が急激に低下する性質がある。このため、冷蔵庫の保
存温度は、それほど低くできない。このことから適当な
保存温度は、外気温より10℃低くした温度と言われて
いる。
できる。低温環境が、植物の成熟を抑制するからであ
る。植物の成熟は、保存温度を低くするにしたがって次
第に抑制されるようになる。このため、冷蔵庫の保存温
度をより低くすることで、植物の保存期間を長くするこ
とが可能である。ただ、低温の環境で保存した植物は、
冷蔵庫から取り出して環境温度が一瞬に高くなると、鮮
度が急激に低下する性質がある。このため、冷蔵庫の保
存温度は、それほど低くできない。このことから適当な
保存温度は、外気温より10℃低くした温度と言われて
いる。
【0003】さらに、植物の保存期間を延長するため
に、冷蔵庫にオゾンを供給する装置が開発されている
(特開平4−108333号公報)。この装置は、オゾ
ンで植物の成熟を抑制する。オゾンは、植物から放出さ
れるエチレンを、下記の反応式で、炭酸ガスと水に分解
する作用がある。 C2H4+2O3→2H2O+2CO2
に、冷蔵庫にオゾンを供給する装置が開発されている
(特開平4−108333号公報)。この装置は、オゾ
ンで植物の成熟を抑制する。オゾンは、植物から放出さ
れるエチレンを、下記の反応式で、炭酸ガスと水に分解
する作用がある。 C2H4+2O3→2H2O+2CO2
【0004】オゾンで分解されるエチレンは、成熟する
植物から放出される。いいかえると、植物は、エチレン
を放出して成熟する。したがって、植物を、閉鎖した室
内に保存すると、エチレン濃度が次第が高くなる。室内
に溜ったエチレンは、保存する植物の成熟を促進する作
用がある。したがって、室内のエチレン濃度が高くなる
と、植物の成熟が加速される。オゾンは、植物を成熟さ
せるエチレンと反応して、炭酸ガスと水に分解する。エ
チレンが分解されると、室内のオゾン濃度が低下し、植
物の成熟は抑制される。
植物から放出される。いいかえると、植物は、エチレン
を放出して成熟する。したがって、植物を、閉鎖した室
内に保存すると、エチレン濃度が次第が高くなる。室内
に溜ったエチレンは、保存する植物の成熟を促進する作
用がある。したがって、室内のエチレン濃度が高くなる
と、植物の成熟が加速される。オゾンは、植物を成熟さ
せるエチレンと反応して、炭酸ガスと水に分解する。エ
チレンが分解されると、室内のオゾン濃度が低下し、植
物の成熟は抑制される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】このように、花等の植
物を保存する冷蔵庫は、室内にオゾンを供給して、植物
の成熟を抑制し、保存期間を延長できる。さらに、冷蔵
庫に供給されるオゾンは、エチレンを分解すると共に、
庫内に発生するカビ、バクテリア、ビールス等の有害な
微生物を死滅させる性質もある。冷蔵庫にオゾンを供給
する装置は、植物の保存期間を延長できると共に、庫内
を殺菌して、花の商品価値が、カビ等で低下するのを防
止できる優れた特長もある。
物を保存する冷蔵庫は、室内にオゾンを供給して、植物
の成熟を抑制し、保存期間を延長できる。さらに、冷蔵
庫に供給されるオゾンは、エチレンを分解すると共に、
庫内に発生するカビ、バクテリア、ビールス等の有害な
微生物を死滅させる性質もある。冷蔵庫にオゾンを供給
する装置は、植物の保存期間を延長できると共に、庫内
を殺菌して、花の商品価値が、カビ等で低下するのを防
止できる優れた特長もある。
【0006】しかしながら、冷蔵庫にオゾンを供給する
装置で、このことを実現することは、非常に難しいこと
である。それは、オゾン濃度の調整が極めて難しいから
である。エチレンを効率よく分解し、さらにカビ等を確
実に殺菌するために、冷蔵庫のオゾン濃度を高くする
と、その影響が植物の棚状組織に現れる。オゾン濃度が
高すぎると、葉に黄白色の小斑点が散在する被害がで
る。この状態になる冷蔵庫のオゾン濃度の限界は、わず
かに0.03ppmである。この濃度に植物を3時間接
触させると、小斑点が発生して植物の商品価値を極減さ
せる。この弊害を避けるには、冷蔵庫のオゾン濃度を
0.03ppm以下に制限する必要がある。
装置で、このことを実現することは、非常に難しいこと
である。それは、オゾン濃度の調整が極めて難しいから
である。エチレンを効率よく分解し、さらにカビ等を確
実に殺菌するために、冷蔵庫のオゾン濃度を高くする
と、その影響が植物の棚状組織に現れる。オゾン濃度が
高すぎると、葉に黄白色の小斑点が散在する被害がで
る。この状態になる冷蔵庫のオゾン濃度の限界は、わず
かに0.03ppmである。この濃度に植物を3時間接
触させると、小斑点が発生して植物の商品価値を極減さ
せる。この弊害を避けるには、冷蔵庫のオゾン濃度を
0.03ppm以下に制限する必要がある。
【0007】また、冷蔵庫のオゾン濃度が高くなると、
空気を冷却するための冷却用熱交換器の腐食も激しくな
る。冷却用熱交換器は、銅やアルミニウム等の金属で製
作されている。オゾンは、発生基の酸素となり、これが
極めて強い酸化力を有する。このため、冷蔵庫のオゾン
濃度を高くすると、冷却用熱交換器の金属の酸化が促進
されて寿命が著しく短くなる。
空気を冷却するための冷却用熱交換器の腐食も激しくな
る。冷却用熱交換器は、銅やアルミニウム等の金属で製
作されている。オゾンは、発生基の酸素となり、これが
極めて強い酸化力を有する。このため、冷蔵庫のオゾン
濃度を高くすると、冷却用熱交換器の金属の酸化が促進
されて寿命が著しく短くなる。
【0008】これ等の弊害を防止するために、冷蔵庫の
オゾン濃度を低くすると、エチレンを効率よく分解でき
ず、また、カビや細菌等の微生物を効果的に殺菌できな
くなってしまう。冷蔵庫は、植物に付着して搬入される
ポトリウス等のカビの侵入を皆無にできない。さらに困
ったことに、冷蔵庫は、植物を高鮮度に保持するため
に、高湿度な環境に調整される。高湿度な環境は、カビ
の繁殖に最適な環境となる。冷蔵庫内で増殖したポトリ
ウス等のカビは、空気中を飛散して別の花の花弁に付着
する。花に付着したカビは、花弁に斑点をつけて、花の
商品価値を極減する。オゾンは、ポトリウスなどのカビ
やバクテリアを殺菌する作用がある。しかしながら、カ
ビ等の微生物を効果的に殺菌できるオゾン濃度は、0.
3ppmである。この濃度は、植物に悪影響を与える限
界濃度の10倍もあり、さらに、冷却用熱交換器の酸化
を促進する。
オゾン濃度を低くすると、エチレンを効率よく分解でき
ず、また、カビや細菌等の微生物を効果的に殺菌できな
くなってしまう。冷蔵庫は、植物に付着して搬入される
ポトリウス等のカビの侵入を皆無にできない。さらに困
ったことに、冷蔵庫は、植物を高鮮度に保持するため
に、高湿度な環境に調整される。高湿度な環境は、カビ
の繁殖に最適な環境となる。冷蔵庫内で増殖したポトリ
ウス等のカビは、空気中を飛散して別の花の花弁に付着
する。花に付着したカビは、花弁に斑点をつけて、花の
商品価値を極減する。オゾンは、ポトリウスなどのカビ
やバクテリアを殺菌する作用がある。しかしながら、カ
ビ等の微生物を効果的に殺菌できるオゾン濃度は、0.
3ppmである。この濃度は、植物に悪影響を与える限
界濃度の10倍もあり、さらに、冷却用熱交換器の酸化
を促進する。
【0009】以上のように、従来の冷蔵庫は、互いに相
反するする特性を考慮して、オゾン濃度を調整する必要
がある。このため、理想的な状態にオゾン濃度を調整す
ることはほとんど不可能である。オゾン濃度をいかに正
確に調整しても、エチレンを効率よく分解するととも
に、微生物を効率よく殺菌し、さらに、植物の害を皆無
にして、冷却用熱交換器の腐食を防止することができな
い。この考案は、これ等の矛盾する弊害を防止すること
を目的に開発されたものである。
反するする特性を考慮して、オゾン濃度を調整する必要
がある。このため、理想的な状態にオゾン濃度を調整す
ることはほとんど不可能である。オゾン濃度をいかに正
確に調整しても、エチレンを効率よく分解するととも
に、微生物を効率よく殺菌し、さらに、植物の害を皆無
にして、冷却用熱交換器の腐食を防止することができな
い。この考案は、これ等の矛盾する弊害を防止すること
を目的に開発されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案の植物の鮮度保持
装置は、前述の目的を達成するために下記の構成を備え
る。この考案の植物の鮮度保持装置は、庫内空気を冷却
する冷却用熱交換器1を備える冷蔵庫2と、この冷蔵庫
2にオゾンを供給するオゾン発生装置3とを備える。オ
ゾン発生装置3から発生するオゾンは、冷蔵庫2に収納
される植物から放出されるエチレンを、下記の反応式で
反応させて炭酸ガスと水とに分解して植物の鮮度を保持
する。 C2H4+2O3→2H2O+2CO2
装置は、前述の目的を達成するために下記の構成を備え
る。この考案の植物の鮮度保持装置は、庫内空気を冷却
する冷却用熱交換器1を備える冷蔵庫2と、この冷蔵庫
2にオゾンを供給するオゾン発生装置3とを備える。オ
ゾン発生装置3から発生するオゾンは、冷蔵庫2に収納
される植物から放出されるエチレンを、下記の反応式で
反応させて炭酸ガスと水とに分解して植物の鮮度を保持
する。 C2H4+2O3→2H2O+2CO2
【0011】さらに、この考案の植物の鮮度保持装置
は、オゾン発生装置3に、冷蔵庫2内のオゾン濃度を所
定の周期で脈動させる濃度脈動手段4を備える。濃度脈
動手段4は、冷蔵庫2のオゾン濃度を脈動させる。オゾ
ン濃度をピーク値とするとき、冷蔵庫2内の細菌を殺菌
し、また、エチレンを効果的に分解する。
は、オゾン発生装置3に、冷蔵庫2内のオゾン濃度を所
定の周期で脈動させる濃度脈動手段4を備える。濃度脈
動手段4は、冷蔵庫2のオゾン濃度を脈動させる。オゾ
ン濃度をピーク値とするとき、冷蔵庫2内の細菌を殺菌
し、また、エチレンを効果的に分解する。
【0012】冷蔵庫2内で脈動されるオゾン濃度は、た
とえば、ピーク値を0.2ppm以上、好ましくは0.
3ppm以上に設定する。このオゾン濃度をピークとす
るときに、微生物を効果的に殺菌する。オゾン濃度の最
少値は、0.03ppm以下に設定する。それは、植物
のオゾンによる弊害を防止すると共に、冷却用熱交換器
1の酸化を防止するためである。
とえば、ピーク値を0.2ppm以上、好ましくは0.
3ppm以上に設定する。このオゾン濃度をピークとす
るときに、微生物を効果的に殺菌する。オゾン濃度の最
少値は、0.03ppm以下に設定する。それは、植物
のオゾンによる弊害を防止すると共に、冷却用熱交換器
1の酸化を防止するためである。
【0013】
【作用】本考案の植物の鮮度保持装置は、濃度脈動手段
4でもって、図1に示すように、冷蔵庫2内のオゾン濃
度を脈動させる。オゾン濃度を脈動させるこの考案の植
物の鮮度保持装置は、微生物が増殖する時間の遅れと、
低下されたエチレン濃度が高くなる時間の遅れとを有効
に利用して、平均的なオゾン濃度を低くして、冷却用熱
交換器1の腐食と植物の成熟を抑制する。
4でもって、図1に示すように、冷蔵庫2内のオゾン濃
度を脈動させる。オゾン濃度を脈動させるこの考案の植
物の鮮度保持装置は、微生物が増殖する時間の遅れと、
低下されたエチレン濃度が高くなる時間の遅れとを有効
に利用して、平均的なオゾン濃度を低くして、冷却用熱
交換器1の腐食と植物の成熟を抑制する。
【0014】オゾン濃度を脈動させるこの考案の植物の
鮮度保持装置は、オゾン濃度がピーク値となったとき
に、バクテリアやカビ等の微生物を効率よく殺菌する。
微生物は指数関数的に増殖するが、いったん殺菌される
と、増殖するまでに相当の時間がかかる。微生物が死滅
した状態で、冷蔵庫2のオゾン濃度を高く保持しても、
オゾンは微生物を殺菌することがない。微生物が死滅し
ているからである。
鮮度保持装置は、オゾン濃度がピーク値となったとき
に、バクテリアやカビ等の微生物を効率よく殺菌する。
微生物は指数関数的に増殖するが、いったん殺菌される
と、増殖するまでに相当の時間がかかる。微生物が死滅
した状態で、冷蔵庫2のオゾン濃度を高く保持しても、
オゾンは微生物を殺菌することがない。微生物が死滅し
ているからである。
【0015】さらに、オゾン濃度がピーク値になると、
エチレンは炭酸ガスと水とに分解されて、冷蔵庫2のエ
チレン濃度は低くなる。エチレン濃度は、微生物と同じ
ように、いったん低下すると、これが高くなるまでに相
当に時間がかかる。植物の成熟が抑制されているからで
ある。
エチレンは炭酸ガスと水とに分解されて、冷蔵庫2のエ
チレン濃度は低くなる。エチレン濃度は、微生物と同じ
ように、いったん低下すると、これが高くなるまでに相
当に時間がかかる。植物の成熟が抑制されているからで
ある。
【0016】この考案の装置は、死滅した微生物が増殖
するまで時間がかかり、また、エチレン濃度を低下させ
た後、これが上昇するまでの時間に遅れができる独得の
性質を有効に利用して、オゾンの平均濃度を低下させ
る。すなわち、オゾン濃度を脈動させることにより、ピ
ーク値で微生物を殺菌すると共に、エチレン濃度を低く
し、その後はオゾン濃度を低くして、植物のオゾンによ
る悪影響と冷却用熱交換器1の腐食とを防止する。
するまで時間がかかり、また、エチレン濃度を低下させ
た後、これが上昇するまでの時間に遅れができる独得の
性質を有効に利用して、オゾンの平均濃度を低下させ
る。すなわち、オゾン濃度を脈動させることにより、ピ
ーク値で微生物を殺菌すると共に、エチレン濃度を低く
し、その後はオゾン濃度を低くして、植物のオゾンによ
る悪影響と冷却用熱交換器1の腐食とを防止する。
【0017】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本考案の技術思想
を具体化するための植物の鮮度保持装置を例示するもの
であって、本考案は、植物の鮮度保持装置を下記のもの
に特定するものでない。
する。ただし、以下に示す実施例は、本考案の技術思想
を具体化するための植物の鮮度保持装置を例示するもの
であって、本考案は、植物の鮮度保持装置を下記のもの
に特定するものでない。
【0018】さらに、この明細書は、実用新案登録請求
の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対
応する番号を、「実用新案登録請求の範囲の欄」、「作
用の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に
示される部材に付記している。ただ、実用新案登録請求
の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するもの
では決してない。
の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対
応する番号を、「実用新案登録請求の範囲の欄」、「作
用の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に
示される部材に付記している。ただ、実用新案登録請求
の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するもの
では決してない。
【0019】図1に示す植物の鮮度保持装置は、冷蔵庫
2と、オゾン発生装置3とを備える。冷蔵庫2は、外部
から収納する花等の植物を見ることができるように、ガ
ラスで閉鎖された箱形となっている。この冷蔵庫2は、
庫内空気を冷却する冷却用熱交換器1を内部に備えてい
る。冷却用熱交換器1は、冷蔵庫2の上部に配設され
て、庫内の空気を設定温度に冷却する。冷却用熱交換器
1は、冷蔵庫2の外部に設けた冷媒の冷却機6に連結さ
れ、冷却機6から冷媒が供給されて、庫内の空気を冷却
する。
2と、オゾン発生装置3とを備える。冷蔵庫2は、外部
から収納する花等の植物を見ることができるように、ガ
ラスで閉鎖された箱形となっている。この冷蔵庫2は、
庫内空気を冷却する冷却用熱交換器1を内部に備えてい
る。冷却用熱交換器1は、冷蔵庫2の上部に配設され
て、庫内の空気を設定温度に冷却する。冷却用熱交換器
1は、冷蔵庫2の外部に設けた冷媒の冷却機6に連結さ
れ、冷却機6から冷媒が供給されて、庫内の空気を冷却
する。
【0020】オゾン発生装置3は、冷蔵庫2にオゾンを
供給する。冷蔵庫2に供給されたオゾンは、下記の反応
式でエチレンを炭酸ガスと水とに分解する。 C2H4+2O3→2H2O+2CO2 このオゾン発生装置3は、冷蔵庫2の外部に配設され
て、ホース7を介してオゾンを冷蔵庫2に吹き込む。オ
ゾンを冷蔵庫2に吹き込むために、オゾン発生装置3に
連結されたホース7を、冷蔵庫2を貫通して内部に挿入
する。冷蔵庫2の外部に配設されたオゾン発生装置3
は、冷蔵庫2内の湿度で寿命が短くなるのを防止でき
る。オゾン発生装置3は、オゾンを発生するオゾン発生
部5と、このオゾン発生部5を制御して、オゾン濃度を
脈動させる濃度脈動手段4とを備える。
供給する。冷蔵庫2に供給されたオゾンは、下記の反応
式でエチレンを炭酸ガスと水とに分解する。 C2H4+2O3→2H2O+2CO2 このオゾン発生装置3は、冷蔵庫2の外部に配設され
て、ホース7を介してオゾンを冷蔵庫2に吹き込む。オ
ゾンを冷蔵庫2に吹き込むために、オゾン発生装置3に
連結されたホース7を、冷蔵庫2を貫通して内部に挿入
する。冷蔵庫2の外部に配設されたオゾン発生装置3
は、冷蔵庫2内の湿度で寿命が短くなるのを防止でき
る。オゾン発生装置3は、オゾンを発生するオゾン発生
部5と、このオゾン発生部5を制御して、オゾン濃度を
脈動させる濃度脈動手段4とを備える。
【0021】オゾン発生部は、図示しないが、空気中で
放電させて酸素をオゾンとするものが使用できる。オゾ
ン発生部5は、発生したオゾンを冷蔵庫2に吹き込むた
めに、ファン(図示せず)を備えている。オゾン発生部
5で発生したオゾンは、冷蔵庫2に挿入されたホース7
を介して、庫内に供給される。
放電させて酸素をオゾンとするものが使用できる。オゾ
ン発生部5は、発生したオゾンを冷蔵庫2に吹き込むた
めに、ファン(図示せず)を備えている。オゾン発生部
5で発生したオゾンは、冷蔵庫2に挿入されたホース7
を介して、庫内に供給される。
【0022】濃度脈動手段4は、オゾン発生装置3を制
御して、冷蔵庫2内のオゾン濃度を脈動させる。濃度脈
動手段4には、タイマーが使用できる。タイマーは、一
定の周期でオゾン発生部5を作動させ、また一定時間は
運転を停止する。濃度脈動手段4がオゾン発生部5の運
転を制御して、冷蔵庫2のオゾン濃度を脈動させる。オ
ゾン発生部5が作動するとき、オゾン発生装置3は所定
の濃度のオゾンを冷蔵庫2に供給する。オゾン発生部5
の動作が停止するとき、オゾン発生装置3はオゾンを冷
蔵庫2に供給しない。オゾン発生部5が作動するとき、
オゾン発生装置3は、オゾン濃度を0.5ppmとする
空気を冷蔵庫2に吹き込む。
御して、冷蔵庫2内のオゾン濃度を脈動させる。濃度脈
動手段4には、タイマーが使用できる。タイマーは、一
定の周期でオゾン発生部5を作動させ、また一定時間は
運転を停止する。濃度脈動手段4がオゾン発生部5の運
転を制御して、冷蔵庫2のオゾン濃度を脈動させる。オ
ゾン発生部5が作動するとき、オゾン発生装置3は所定
の濃度のオゾンを冷蔵庫2に供給する。オゾン発生部5
の動作が停止するとき、オゾン発生装置3はオゾンを冷
蔵庫2に供給しない。オゾン発生部5が作動するとき、
オゾン発生装置3は、オゾン濃度を0.5ppmとする
空気を冷蔵庫2に吹き込む。
【0023】図2は、濃度脈動手段がオゾン発生装置の
運転を制御して、冷蔵庫のオゾン濃度を変化させる状態
を示している。この図は、下記の条件で、花を保存した
冷蔵庫にオゾンを吹き込んだグラフである。 オゾン発生装置の運転時間……………………………1分 オゾン発生装置の運転休止時間………………………9分 オゾン発生装置が供給するオゾン濃度…………0.5ppm
運転を制御して、冷蔵庫のオゾン濃度を変化させる状態
を示している。この図は、下記の条件で、花を保存した
冷蔵庫にオゾンを吹き込んだグラフである。 オゾン発生装置の運転時間……………………………1分 オゾン発生装置の運転休止時間………………………9分 オゾン発生装置が供給するオゾン濃度…………0.5ppm
【0024】図2のグラフで示す装置は、冷蔵庫のオゾ
ン濃度のピーク値を0.4ppmとしている。オゾン発
生装置からオゾンが供給されるとき、冷蔵庫のオゾン濃
度は次第に高くなる。しかしながら、オゾン発生装置の
運転が停止されて、オゾンが供給されなくなると、オゾ
ンはエチレンと反応して消費され、オゾン濃度が低下す
る。オゾン濃度が高いとき、冷蔵庫内のカビ等の細菌は
殺菌され死滅する。死滅した細菌が、繁殖するまでに相
当に時間がかかる。このため、細菌を死滅させた後、オ
ゾン濃度が低くなっても、細菌が繁殖して植物に害を与
えることはない。
ン濃度のピーク値を0.4ppmとしている。オゾン発
生装置からオゾンが供給されるとき、冷蔵庫のオゾン濃
度は次第に高くなる。しかしながら、オゾン発生装置の
運転が停止されて、オゾンが供給されなくなると、オゾ
ンはエチレンと反応して消費され、オゾン濃度が低下す
る。オゾン濃度が高いとき、冷蔵庫内のカビ等の細菌は
殺菌され死滅する。死滅した細菌が、繁殖するまでに相
当に時間がかかる。このため、細菌を死滅させた後、オ
ゾン濃度が低くなっても、細菌が繁殖して植物に害を与
えることはない。
【0025】図2に示す鮮度保持装置は、オゾン濃度の
ピーク値を0.4ppmに設定している。ただ、この考
案の鮮度保持装置は、オゾン濃度のピーク値を、たとえ
ば、0.2ppm以上、好ましくは0.3ppm以上に
設定して、微生物を効果的に殺菌できるようにする。オ
ゾン濃度の最小値は、例えば0.03ppm以下に設定
する。脈動の周期は、エチレン濃度の回復、オゾン濃度
の回復等を考慮して、オゾン濃度の最少値が例えば0.
03ppm以下となるよう設定しておく。こうしておけ
ば植物の成熟を抑制でき、また冷却用熱交換器の腐食を
防止できる。さらに、オゾン発生装置は、冷蔵庫の外に
あるため、オゾンによる腐食が生じない。
ピーク値を0.4ppmに設定している。ただ、この考
案の鮮度保持装置は、オゾン濃度のピーク値を、たとえ
ば、0.2ppm以上、好ましくは0.3ppm以上に
設定して、微生物を効果的に殺菌できるようにする。オ
ゾン濃度の最小値は、例えば0.03ppm以下に設定
する。脈動の周期は、エチレン濃度の回復、オゾン濃度
の回復等を考慮して、オゾン濃度の最少値が例えば0.
03ppm以下となるよう設定しておく。こうしておけ
ば植物の成熟を抑制でき、また冷却用熱交換器の腐食を
防止できる。さらに、オゾン発生装置は、冷蔵庫の外に
あるため、オゾンによる腐食が生じない。
【0026】
【考案の効果】この考案の植物の鮮度保持装置は、従来
の装置では実現できなかった互いに相反する特性、すな
わち、微生物を効果的に殺菌して植物の商品価値を低下
させることなく高鮮度に長期保存でき、しかも、冷却用
熱交換器の腐食を有効に防止できる優れた特長がある。
この特長は、冷却用熱交換器が腐食する性質と、細菌お
よび植物の性質を有効に利用して達成される。冷却用熱
交換器は、オゾン濃度を高くすると、加速度的に腐食さ
れて寿命が著しく短くなる。この考案の植物の鮮度保持
装置は、オゾン濃度を高くする時間を制限して、平均濃
度を低くする。このため、冷蔵庫に配設される金属製の
冷却用熱交換器のオゾンによる腐食を少なくできる。
の装置では実現できなかった互いに相反する特性、すな
わち、微生物を効果的に殺菌して植物の商品価値を低下
させることなく高鮮度に長期保存でき、しかも、冷却用
熱交換器の腐食を有効に防止できる優れた特長がある。
この特長は、冷却用熱交換器が腐食する性質と、細菌お
よび植物の性質を有効に利用して達成される。冷却用熱
交換器は、オゾン濃度を高くすると、加速度的に腐食さ
れて寿命が著しく短くなる。この考案の植物の鮮度保持
装置は、オゾン濃度を高くする時間を制限して、平均濃
度を低くする。このため、冷蔵庫に配設される金属製の
冷却用熱交換器のオゾンによる腐食を少なくできる。
【0027】さらに、この考案の植物の鮮度保持装置
は、平均的なオゾン濃度を低くできるにもかかわらず、
カビやバクテリア等の微生物を確実に殺菌して、微生物
によって植物の商品価値が低下するのを有効に防止する
ことができる。それは、この考案の装置が、オゾン濃度
を脈動させることによって、一時的にオゾン濃度を高く
できるからである。オゾン濃度を一時的にピーク値とし
て、冷蔵庫内の微生物を、確実に死滅できる。微生物
は、いったん死滅されると、繁殖するまでに相当の時間
がかかる。いいかえると、オゾン濃度を低くしても、冷
蔵庫内にカビ等が繁殖することがない。したがって、こ
の考案の装置は、オゾンの平均濃度を低くできるにもか
かわらず、微生物を確実に殺菌できる特長がある。
は、平均的なオゾン濃度を低くできるにもかかわらず、
カビやバクテリア等の微生物を確実に殺菌して、微生物
によって植物の商品価値が低下するのを有効に防止する
ことができる。それは、この考案の装置が、オゾン濃度
を脈動させることによって、一時的にオゾン濃度を高く
できるからである。オゾン濃度を一時的にピーク値とし
て、冷蔵庫内の微生物を、確実に死滅できる。微生物
は、いったん死滅されると、繁殖するまでに相当の時間
がかかる。いいかえると、オゾン濃度を低くしても、冷
蔵庫内にカビ等が繁殖することがない。したがって、こ
の考案の装置は、オゾンの平均濃度を低くできるにもか
かわらず、微生物を確実に殺菌できる特長がある。
【0028】さらにまた、この考案の植物の鮮度保持装
置は、一時的にオゾン濃度を高くすることによって、冷
蔵庫内のエチレン濃度を低くすることもできる。エチレ
ン濃度が低くなると、微生物と同じように、エチレン濃
度が高くなるまでに相当に時間がかかり、この間はオゾ
ン濃度を低くして、植物の成熟を効果的に抑制できる。
置は、一時的にオゾン濃度を高くすることによって、冷
蔵庫内のエチレン濃度を低くすることもできる。エチレ
ン濃度が低くなると、微生物と同じように、エチレン濃
度が高くなるまでに相当に時間がかかり、この間はオゾ
ン濃度を低くして、植物の成熟を効果的に抑制できる。
【図1】この考案の一実施例を示す植物の鮮度保持装置
の概略断面図
の概略断面図
【図2】冷蔵庫内のオゾン濃度を示すグラフ
1…冷却用熱交換器 2…冷蔵庫 3…オゾン発生装置 4…濃度脈動手段 5…オゾン発生部 6…冷却機 7…ホース
Claims (1)
- 【請求項1】 庫内空気を冷却する冷却用熱交換器(1)
を備える冷蔵庫(2)と、この冷蔵庫(2)にオゾンを供給す
るオゾン発生装置(3)とを備え、オゾン発生装置(3)から
発生するオゾンでもって、冷蔵庫(2)に収納される植物
から放出されるエチレンを下記の反応式で反応させて炭
酸ガスと水とに分解して鮮度を保持する方法において、 オゾン発生装置(3)が、冷蔵庫(2)内のオゾン濃度を所定
の周期で脈動させる濃度脈動手段(4)を備え、濃度脈動
手段(4)でもって冷蔵庫(2)のオゾン濃度が脈動され、オ
ゾン濃度のピーク値で冷蔵庫(2)内の細菌を殺菌するよ
うに構成されてなることを特徴とする植物の鮮度保持装
置。 C2H4+2O3→2H2O+2CO2
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4952593U JPH0753472Y2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 植物の鮮度保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4952593U JPH0753472Y2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 植物の鮮度保持装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0713115U JPH0713115U (ja) | 1995-03-07 |
JPH0753472Y2 true JPH0753472Y2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=12833565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4952593U Expired - Lifetime JPH0753472Y2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 植物の鮮度保持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753472Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3914050B1 (en) * | 2020-05-22 | 2023-08-02 | Chang Hoon Lee | System and method for preserving cut-flowers using an atmospheric pressure plasma generator |
KR102505616B1 (ko) * | 2021-12-20 | 2023-03-06 | 주식회사 퓨어플라텍 | 트럭용 저장창고의 농산물 신선도 유지 장치 및 그 장치의 구동 방법 |
-
1993
- 1993-08-18 JP JP4952593U patent/JPH0753472Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0713115U (ja) | 1995-03-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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EXPY | Cancellation because of completion of term |