JP2814008B2 - コンクリート吹付け工法 - Google Patents

コンクリート吹付け工法

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  • On-Site Construction Work That Accompanies The Preparation And Application Of Concrete (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、切土法面、盛土法面、あるいは崩壊・崩落
のおそれのある法面を保護するための現場打設法枠工法
による法枠等におけるコンクリート吹付け工法に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、耐久性および景観性を同時に備える法面安定工
法として、たとえばフリーフレーム工法等の現場打設法
枠工法が注目されている。
前記フリーフレーム工法は、金網型枠を地山なりに設
置し、この金網型枠内に鉄筋を組入れ、地盤中にアンカ
ーを取り、モルタムまたはコンクリートを直接吹付けて
法枠を築造する工法で、この法枠と地山とが一体になる
とともに、法枠が連続して形成されるため強度および耐
久性が高く、地山状況に応じて自由に経済的な断面、寸
法を選択することができる。また、枠内裸地部には袋詰
め客土植生、客土吹付け植生、あるいはモルタル・コン
クリート吹付けなどを施して環境保全および防災を図る
ことができる。
一方、コンクリートの吹付け工法とは、吹付け機を用
いて圧縮空気によりコンクリートをたとえば法面等に高
圧、高速で吹付ける工法であり、湿式工法と乾式工法と
がある。前者の湿式工法は、吹付ける全材料を予め吹付
け機で混練りし、圧縮空気で施工場所まで圧送して吹付
けノズルから吹付ける工法である。一方、後者の乾式工
法は、骨材とセメントとを混合して吹付け機に投入し、
その後圧縮空気により圧送し、ノズル部にて別経路にて
圧送した水と合流させ混合させた後、吹付ける工法であ
る。一般にその用途としては、前記法枠施工の他、トン
ネル等の一次覆工などに利用されている。
他方、通常のコンクリートにおいては、そのワーカビ
リチーの改善のため、あるいはコンクリートの耐久性向
上のためにAE剤(陰イオンまたは非イオン系界面活性
剤)を添加することがよく行われている。前記AE剤はコ
ンクリート中に微細な独立気泡を一様に分布させる混和
剤であり、この微細な気泡の作用によりコンクリート粒
子間の滑りを良好にして流動性等の改善を図るものであ
る。通常、AE剤の添加量は、C×0.02〜0.05重量%程度
とされ、その際の空気量はAir=3〜5体積%程度であ
る。
前記したAE剤、気泡剤等を添加した気泡形成コンクリ
ートの応用技術としては、たとえば多量の気泡剤を添加
させて空気量を40〜60%としたエアモルタルをトンネル
の裏込め用に吹付けて施工する場合がある。なお、この
エアモルタルの材令28日圧縮強度は、σ=20kgf/cm2
度である。また、その他の応用例としては、建築部材に
おいて軽量化のために多量の気泡を形成させる場合があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記コンクリートの吹付け工法においては、リバウン
ド(はね返り)によりコンクリート内に蜂巣状にポケッ
トが生じ、強度の弱い層が形成されるおそれがあるた
め、予めリバウンドした固塊が混入しないように除去す
るなどの処理をする必要がある。しかし、法枠コンクリ
ートの場合のように下向きの吹付けの場合には、リバウ
ンドを完全に除去することは不可能であり、このため極
力リバウンドを少なくするための処置が必要となる。通
常、リバウンド率を小さくするためには、過去の経験・
試験等に基づき、単位セメント量、水セメント比、細骨
材率を大きくすること、すなわちモルタル分が多く、か
つ水分の多いコンクリートとすることが効果的である。
しかし、セメント量が多くなると、モルタル材料中の
セメントペーストがホース内に付着してホースが閉塞す
る原因となるとともに、材料分離が起こりコンクリート
の品質にバラツキが生じる原因となる。また、逆に水セ
メント比が大きく流動性に富むコンクリートとした場合
には、法枠の場合のように、斜面上に設置された金網枠
内への吹付けに際しては、枠外にダレ落ち、施工性上難
があるため、吹付けコンクリートの物性としては好まし
くない。
また、一般に湿式吹付けコンクリートの場合には、コ
ンクリート材料がホース内を一様な状態で流動させるこ
とは難しく、骨材の粒度、水セメント比、空気圧等の影
響を受けて脈動状態で送られることが多く、このためノ
ズルが大きく振動してノズルマンが適正な方向へノズル
を保持することができなくなり、一様なコンクリート吹
付けが困難となるばかりでなく、リバウンドも多くなり
コンクリートの品質上好ましくないばかりでなく、高い
リバウンド率のため歩留りが悪く不経済となる。しか
し、水セメント比が小さく、したがってスランプの小さ
い吹付けコンクリートをホースにより効率よく圧送する
方法および装置については未だ開発されずにいるのが現
状である。
そこで本発明の課題は、撹拌混合された吹付けコンク
リートのホース内圧送に際しては、効率良く圧送可能で
あるとともに、ノズル吹出し直後はその流動性によりエ
アポケットを形成せずにコンクリートの吹付けができ、
また、その吹付け直後に急激にゲル化してせん断抵抗力
を増すチキソトロピー性を有することにより、金網枠外
へのダレを無くすことのできるコンクリート吹付け工法
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、微粉末系セメントCを用い、気泡剤をC
×0.05〜0.3重量%混入するとともに、ダレ止め剤をC
×0.1〜3.0重量%混入し、さらに水セメント比W/Cを30
〜60%として撹拌混合し空気量を15〜40体積%とした
後、ホース内を圧送させて吹付けを行うことで解決する
ことができる。
また、セメント、細骨材および減水剤については特
に、粒径100μm以下のセメント15〜70重量%、粒径15
μm以下の高炉急冷スラグ微粉末85〜30重量%の割合か
らなるセメント部20〜70重量部、細骨材として粒径70μ
m〜5.0mmの高炉急冷スラグ80〜30重量部、およびセメ
ント部に対して固形分で4重量%以下の減水剤を用いる
こととしてもよい。
〔作用〕
本発明においては、セメントとしては微粉末系セメン
トのもの、具体的には高炉急冷スラグ微粉末を混入する
セメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、高
強度用セメント等を用い、気泡剤をC×0.05〜0.3重量
%およびダレ止め剤をC×0.1〜3.0重量%混入するとと
もに、水セメント比W/Cを30〜60%として撹拌混合し、
空気量を15〜40体積%とする。なお、前記気泡剤として
はAE剤、気泡剤、発泡剤等を使用することができる。ま
た、ダレ止め剤としては、天然繊維鉱物、鋼繊維物、ナ
イロン等の有機繊維物等を使用することができる。
したがって、コンクリートの圧送に際して、モルタル
と管内壁との接触する部分では、細かい気泡が消泡して
水滴に変化することによって、コンクッリートモルタル
の圧送抵抗を減少させるとともに、モルタル自身は気泡
剤およびダレ止め剤の混入によりチキソトロピー性に良
好な物性となる。したがって、撹拌直後においてはせん
断抵抗力τ=3.0g/cm2程度となり流動性に優れるため、
効率良くホース内の圧送を行うことができる。また、ノ
ズル吹出し直後においては、モルタルは前述のようにハ
イチキソトロピー性を示し低粘性を示しているため、リ
バウンドを防止することができ、モルタル内に発生する
エアポケットを無くすことができる。その後、吹付けさ
れ静置されたコンクリートは、急激にせん断抵抗力を増
し高粘性の性質を示すため、法面の勾配があってもタレ
ることなく、施工性が良好となる。
一方、セメント材としては、ポルトランドセメント
(NPC)の場合には、後の実施例により明らかにされる
ように混練り直後のせん断抵抗力τが大きく、圧送性に
欠けるとともに、静置時間の経過に伴うせん断抵抗力の
増加が見られずチキソトロピー性に弱いため、微粉末系
セメントのものを用いている。
また、セメント、細骨材および減水剤については特開
昭61−281057号公報に開示されている、粒径100μm以
下のセメント15〜70重量%、粒径15μm以下の高炉急冷
スラグ微粉末85〜30重量%の割合からなるセメント部20
〜70重量部、細骨材として粒径70μm〜5.0mmの高炉急
冷スラグ80〜30重量部、およびセメント部に対して固形
分で4重量%以下の減水剤を用いた配合とした場合に
は、特に化学結合性が強度を高め、乾燥収縮率を小さく
できること、耐摩耗性、耐凍害性、化学抵抗性、耐塩分
浸透性等の効果が得られ、打継ぎ部の付着強度が高くな
り、また微細な独立気泡が含まれることによりストレス
が吸収され亀裂の発生を抑止することができる。なお、
前記特開昭61−281057号公報開示のモルタルは、日鉄セ
メント株式会社より製品名「NEM−F」として販売され
ており、簡単に入手することができる。また、その専用
細骨材についても同時に「NEM−G」として販売されて
いる。なお、本明細書実施例において、前記モルタルを
用いて試験を行う際には、単にNEM−F、NEM−Gの名称
を用いている。
一方、気泡剤およびダレ止め剤の数値限定については
後述する実施例による知見に基づくものであり、他方水
セメント比W/Cについては、耐久性および水密性を考慮
してその上限値を60%とするとともに、水セメント比W/
Cが大きくなると、それに逆比例して空気量の含有量が
減少し空気量15%を確保することが難しくなるためであ
る。また、空気量については、上記水セメント比W/Cの
関係よりその下限値は15体積%とされ、その上限値につ
いては、気泡剤の含有量との関係および強度上との関係
より40体積%とされる。
なお、本明細書にいう「吹付けコンクリート」には、
細骨材のみを混合させたモルタル、およびさらに粗骨材
を混合させたコンクリートの両者を含むものとする。
〔発明の具体的な構成〕
以下、本発明を実施例により明らかにする。
(実施例 1) 実施例1においては、気泡剤添加量とせん断抵抗力τ
との関係および気泡材種類によるせん断抵抗力τの差異
について試験を行い、第1図および第2図にその試験結
果を示す。
第1図は気泡剤添加量とせん断抵抗力との関係を表す
図であり、第2図は気泡剤種類とせん断抵抗力との関係
を表す図である。第1図および第2図は共に縦軸にせん
断抵抗力τ(gf/cm2)を示し、横軸には混練り後の静置
時間(min)を示す。
先ず第1図において、モルタル配合はNEM−F689g、NE
M−G1378g、ダレ止め剤C×1.5%、水セメント比55%と
し、L1ラインは気泡剤をC×0.1%混入した場合につい
て示し、L2ラインは気泡剤をC×0.2%混入した場合に
ついて示し、L3ラインは気泡剤を添加しない場合につい
て示す。なお、前記気泡剤としてはAE剤を使用してい
る。
第1図より、L2ラインは0〜5minに至るまで急激にτ
値が上昇しており、チキソトロピー性が高いことを示し
ている。一方、L1ラインは、2min経過後は横這い状態と
なっているが、0〜2minに至るまで急激にτ値が上昇し
ており、この間においては高いチキソトロピー性を示し
ている。他方、気泡剤の添加しないL3ラインは、静置当
初より横這い状態となり、チキソトロピー性に欠けるこ
とが判明される。なお、この際含有される空気量(Air
値)はL1ラインで30体積%、L2ラインで35体積%、L3ラ
インで5体積%である。
ところで、気泡剤の種類には、タンパク質系、界面活
性剤等のものがあり、前者のタンパク質系にはたとえば
毒性のない加水分解蛋白質があり、気泡作用に優れ、そ
の泡には安定性がある。また後者の界面活性剤には、た
とえば高級アルキルエーテル硫酸エステル塩などがあ
り、気泡作用に優れる。第2図に示す試験においては、
陰イオン性界面活性剤と蛋白質系の2種類について試験
を行った。なお、モルタル配合はNEM−F689g、NEM−G13
78g、気泡剤C×0.2%、ダレ止め剤C×1.5%、水セメ
ント比55%とし、L1ラインは気泡剤を陰イオン性界面活
性剤とした場合について示し、L2ラインは気泡剤を蛋白
質系とした場合について示す。第2図より陰イオン性界
面活性剤を使用したL1ラインについては直線的に一定勾
配でτ値が上昇し、また蛋白質系気泡剤を使用したL2ラ
インの場合には3分経過時点で一旦横這い状態となって
おり、陰イオン性界面活性剤の方が効果が大であること
が判明している。また、気泡剤としてAE剤を使用した場
合については第1図に示される通りであるが、前記の陰
イオン性界面活性剤の方が若干であるが効果が大きい。
なお、前記陰イオン性界面活性剤としては、PARIC#1
00を使用した。
(実施例 2) 実施例2においては、ダレ止め剤添加量とτ値との関
係およびダレ止め剤の種類とτ値との関係について試験
を行い、第3図および第4図にその試験結果を示す。
第3図はダレ止め剤添加量とせん断抵抗力τとの関係
を表す図であり、第4図はダレ止め剤種類とせん断抵抗
力τとの関係を表す図である。第3図および第4図は共
に縦軸にせん断抵抗力τ(gf/cm2)を示し、横軸には混
練り後の静置時間(min)を示す。
先ず第3図において、モルタル配合はNEM−F689g、NE
M−G1378g、気泡剤(AE)C×0.2%、水セメント比55%
とし、L1ラインはダレ止め剤を混入しない場合を示し、
L2ラインはダレ止め剤をC×1.5%混入した場合につい
て示し、L3ラインはダレ止め剤をC×3.0%混入した場
合について示す。
第3図より、ダレ止め剤をC×1.5%混入したL2ライ
ンが最も効果が大きく、時間経過に伴い短時間に高いせ
ん断抵抗力τ値を示し、チキソトロピー性が高いことが
判明される。
ところで、ダレ止め剤としては、たとえば昭和鉱業株
式会社の製品で、天然繊維状粘土鉱物を特殊加工した
「ミルコン」を使用することができる。前記ミルコン
は、水中や樹脂中で撹拌した場合に増粘効果を示し、ま
た回転粘度計で測定した場合、ミルコン中に含有される
単繊維形状同士による絡み合いにより、せん断力が大き
いと低粘度となり、逆に小さいと高粘度を示すチキソト
ロピー性の特徴を有する。また、このミルコンによれば
モルタル、コンクリート吹付け時の吸着性を向上するこ
とができる。
前記ミルコンには、繊維形状により長繊維状のLS、微
粉状のSP、中繊維状のEタイプ等があり、この3種類に
ついてその効果の差異の試験を行った。なお、他の実施
例においてはダレ止め剤として前者のLSタイプのものを
使用している。
モルタル配合はNEM−F689g、NEM−G1378g、気泡剤(A
E)C×0.2%、ダレ止め剤C×1.5%、水セメント比55
%と固定し、前記ダレ止め剤について、ミルコンのLSタ
イプを使用した場合をL1ラインで示し、SPタイプを使用
した場合についてL2ラインで示し、Eタイプを使用した
場合についてはL3ラインで示した。
第4図より、ダレ止め剤としては長繊維状のLSタイプ
を使用した場合が最も効果が高く、微粉状のSPタイプお
よび中繊維状のEタイプについては特に有意差はないこ
とが判明される。
(実施例 3) 実施例3は、セメント種類とτ値との関係について試
験を行い、第5図にその試験結果を示す。第5図は縦軸
にせん断抵抗力τ(gf/cm2)を示し、横軸には混練り後
の静置時間(min)を示す。
モルタル配合はセメント689g、NEM−G1378g、気泡剤
(AE)C×0.2%、ダレ止め剤C×1.5%、水セメント比
55%とし、前記セメントとしては、普通ポルトランドセ
メント(NPC)を使用した場合とNEM−Fを使用した場合
との2種類について試験を行った。
第5図において、前記普通ポルトランドセメント(NP
C)を使用した場合についてL1ラインで示し、NEM−Fを
使用した場合についてはL2ラインで示す。
第5図より、普通ポルトランドセメント(NPC)の場
合には、撹拌直後のせん断抵抗値τで大きく、流動性に
欠けることが判る。また、チキソトロピー性についても
静置時間1分経過時点より横這い状態となりτ値が上昇
せずにチキソトロピー性が弱く、本発明コンクリート吹
付け用には不適であることが判明される。一方、NEM−
Fを使用した場合には、混練り直後のτ値は3g/cm2程度
と低く、その後静置時間の経過に伴い急勾配でτ値が上
昇し高いチクソトロピー性を示すことが判明している。
なお、空気量(Air)については、普通ポルトランド
セメント(NPC)の場合で28%、NEM−Fの場合で35%で
あった。
(実施例 4) 実施例4は、水セメント比とせん断抵抗値τ値および
空気量の関係について試験を行い、第6図にその試験結
果を示す。第6図は縦軸にせん断抵抗力τ(gf/cm2)を
示し、横軸には混練り後の静置時間(min)を示す。
モルタル配合はNEM−F689g、NEM−G1378g、気泡剤(A
E)C×0.2%、ダレ止め剤C×1.5%とし、水セメント
比については、53%、55%、58%の3種類について試験
を行った。
第6図において、水セメント比が53%の場合について
はL1ラインで示し、水セメント比が55%の場合について
はL2ライン、水セメント比が58%の場合についてはL3ラ
インで示す。
第6図より、W/C=55%の場合が最も高いチキソトロ
ピー性を示し、静置時間5分経過時のτ値が最も高い。
一方、W/C=58%の場合が最も低いτ値を示す結果とな
った。しかし、W/C=53%〜58%とで極端にτ値の差が
生じているわけではない。しかし、その際の空気量(Ai
r値)には顕著な差が見られる。W/C=53、55%の場合に
は空気量がAir=35%であったのに対し、W/C=58%の場
合にはAir=15%であり、水セメント比が高くなると、
気泡含有量が減少し、気泡剤添加による発泡効果が薄れ
ることが判明される。
(実施例 5) 実施例5は、空気量とモルタル圧縮強度の関係につい
て試験を行い、第7図にその試験結果を示す。第7図は
縦軸に圧縮強度σ(kg/cm2)を示し、横軸には材令
(日)を示す。
モルタル配合はNEM−F689g、気泡剤(AE)は空気量の
調整のために適量、ダレ止め剤C×1.5%、水セメント
比55%として、NEM−G1378gの場合とNEM−G2067gの場
合、すなわちC/S=1/2の場合と1/3の場合の2種類につ
いて試験を行った。
なお、その際の空気量についてはAir=20〜35%の範
囲になるように気泡剤量を適宜調節した。
ところで、前記NEM−Fを使用したモルタルは、高炉
スラグをベースとしているため、スラグの水和反応によ
り緻密な水和物を形成し、仮に水セメント比30〜35%の
場合には材令28日強度で1000〜1100(kgf/cm2)の圧縮
強度を示し、また水セメント比42%程度の場合には材令
28日強度で750(kgf/cm2)の圧縮強度を示す。
一方、一般に気泡剤、あるいはAE剤を混入させ空気量
を増やした場合には、この空気量の増大に伴い、圧縮強
度は低下する。したがって、本発明においては前述した
ように高いチキソトロピー性を得るために微粉末系のセ
メントを使用する理由の他、ホース内の流動性確保のた
めに多量の空気量を含有するようにしており、それに伴
い圧縮強度の低下の問題が生じるが、高圧縮強度を示す
微粉末系のセメントを使用することによりこの問題を解
消している。
第7図に示されるように、C/S=1/2とC/S=1/3間では
圧縮強度の顕著な差異は見られず、また両者共に材令28
日強度で約300(kgf/cm2)程度と高い圧縮強度を確保す
ることができた。
〔発明の効果〕
以上詳説したように本発明によれば、法枠コンクリー
トの施工に際し、コンクリートに高いチキソトロピー性
を付与することができ、ホース圧送時には流動性に富み
圧送性が増すとともに、気泡剤添加による気泡によりホ
ースとの摩擦抵抗の減少を図り、この二重効果により効
率良く圧送することができる。また、ノズル吹出し時に
はそのハイチキソトロピー性により低粘性であるため、
エアポケットを発生することなくコンクリート吹付けが
できるとともに、その後急激にゲル化しせん断抵抗値を
増すためダレを防ぐことができ、施工性および経済性の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は気泡剤添加量とせん断抵抗力τとの関係を表す
図、第2図は気泡剤種類とせん断抵抗力τとの関係を表
す図、第3図はダレ止め剤添加量とτ値との関係を表す
図、第4図はダレ止め剤の種類とτ値との関係を表す
図、第5図はセメント種類とτ値との関係を表す図、第
6図は水セメント比とせん断抵抗値τおよび空気量Air
の関係を表す図、第7図は空気量とモルタル圧縮強度の
関係を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−68714(JP,A) 特開 昭61−281057(JP,A) 特開 昭57−144067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 17/20 104 E04G 21/02 103

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粉末系セメントCを用い、気泡剤をC×
    0.05〜0.3重量%混入するとともに、ダレ止め剤をC×
    0.1〜3.0重量%混入し、さらに水セメント比W/Cを30〜6
    0%として撹拌混合し空気量を15〜40体積%とした後、
    ホース内を圧送させ吹付けを行うことを特徴とするコン
    クリート吹付け工法。
  2. 【請求項2】粒径100μm以下のセメント15〜70重量
    %、粒径15μm以下の高炉急冷スラグ微粉末85〜30重量
    %の割合からなるセメント部20〜70重量部、細骨材とし
    て粒径70μm〜5.0mmの高炉急冷スラグ80〜30重量部、
    およびセメント部に対して固形分で4重量%以下の減水
    剤からなるモルタルを用い、気泡剤をC×0.05〜0.3重
    量%混入するとともに、ダレ止め剤をC×0.1〜3.0重量
    %混入し、さらに水セメント比W/Cを30〜60%として撹
    拌混合し、空気量を15〜40体積%とした後、ホース内を
    圧送させ吹付けを行うことを特徴とするコンクリート吹
    付け工法。
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