JP2002226247A - 吹付材料及びそれを用いた吹付工法 - Google Patents
吹付材料及びそれを用いた吹付工法Info
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Abstract
初期強度、付着力、凝結性状の優れた吹付材料の提供。 【解決手段】 セメントコンクリート、液体急結剤、及
びアルカリフリー粉体急結剤を含有する吹付材料。液体
急結剤はアルカリフリー液体急結剤が好ましい。さら
に、減水剤を含有してもよい。
Description
導水路等のトンネル掘削工事において露出した地山面や
地山が露出した法面において、崩落を防止するための吹
付工法に関する。尚、本発明でいうセメントコンクリー
トとは、モルタル及びコンクリートを総称するものをい
う。
崩落を防止するために、エアー圧送又はポンプ圧送され
たセメントコンクリートと、エアー圧送された急結剤と
を、Y字管等で混合し、急結性セメントコンクリートと
して吹付ける吹付工法が行われている。
すると、カルシウムアルミネート等を主成分とする粉体
急結剤とアルカリアルミン酸塩や硫酸アルミニウム等を
主成分とする液体急結剤の2種類が挙げられる。
があり、その特性は大きく異なる。
ては、セメントコンクリートと混合した時の凝結促進作
用や強度発現性が大きく、湧水部への吹付に大きな効果
を示すことが挙げられる。しかしながら、粉体急結剤の
急結剤供給装置が大規模で、かつ、圧縮空気を調製し、
圧送するコンプレッサー等の装置が別に必要であり、更
に、粉体急結剤を空気圧送してセメントコンクリートと
混合した時に粉体急結剤の一部が作業空間に粉塵として
飛散する等の課題があった。
給装置が簡易であること、セメントコンクリートへの供
給に定量性があること、セメントコンクリートとの混合
が良好であること、急結性セメントコンクリートの地山
への付着力が良好であり、跳ね返り率が少ないこと等が
挙げられる。しかしながら、セメントコンクリートと混
合した時の凝結促進作用が粉体急結剤と比較して弱く、
軟弱な地山や湧水部への吹付に使用できない等の課題が
あった。
した結果、液体急結剤と粉体急結剤を併用することによ
り、簡単な設備で吹付でき、凝結性状と強度性状のいず
れも向上できる吹付材料を見出し、本発明を完成するに
至った。
を含有していないセメントコンクリート、液体急結剤、
及びアルカリフリー粉体急結剤を含有してなる吹付材料
であり、液体急結剤がアルカリフリー液体急結剤である
該吹付材料であり、さらに、減水剤を含有してなる該吹
付材料である。そして、急結剤を含有していないセメン
トコンクリート、液体急結剤、及びアルカリフリー粉体
急結剤を圧送、合流して急結性セメントコンクリートを
調製し、吹付けることを特徴とする吹付工法である。
する。
を個別に空気圧送し、次いでセメントコンクリートと直
ちに合流させて吹付けるものである。液体急結剤の作用
により急結性セメントコンクリートの跳ね返り率が少な
くなり、粉体急結剤の作用により凝結性状や強度の増大
を可能にするものである。
ている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルト
ランドセメント、並びにこれらのポルトランドセメント
にフライアッシュや高炉スラグ等を混合した各種混合セ
メントが挙げられる。セメントとしては、低跳ね返り
率、粉塵量の低減、圧送性、強度発現性、及び施工容易
性等、吹付施工に要求される性能に適したセメントを選
択できる。これらの中では、安価で一般的な点で、普通
ポルトランドセメント及び/又は早強ポルトランドセメ
ントが好ましい。
れもが使用できる。細骨材としては、天然砂、珪砂、及
び石灰砂等が挙げられる。細骨材の最大粒径は2.5m
m以下が好ましい。2.5mmを越えると圧送性が低下
し、吹付時の跳ね返りが多くなるおそれがある。粗骨材
としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が挙げられ
る。粗骨材の最大粒径は5〜15mm以下が好ましい。
15mmを越えると吹付時の跳ね返りが多くなるおそれ
がある。
の流動性を改善するために、減水剤を使用してもよい。
も使用できる。
その誘導体、及び高性能減水剤等が挙げられ、これらの
一種又は二種以上が使用できる。これらの中では、凝結
遅延効果、流動性、及び圧送性が大きい点で、高性能減
水剤が好ましい。
コール等のポリオール誘導体、ナフタレンスルホン酸等
の芳香族スルホン酸及び/又は芳香族スルホン酸ホルマ
リン縮合物等の芳香族スルホン酸系高性能減水剤、ポリ
カルボン酸系高性能減水剤、メラミン系高性能減水剤、
及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中では、
凝結遅延効果、流動性、及び圧送性が大きい点で、ポリ
オール誘導体が好ましい。
に対して、0.05〜5質量部が好ましく、0.1〜3
質量部がより好ましい。0.05質量部未満だと流動性
改善の効果が小さくなり、粉塵やリバウンドが多くな
り、凝結性状が悪くなり、5質量部を越えるとセメント
コンクリートが分離するおそれがある。
性の点で、アルカリフリー粉体急結剤を使用する。アル
カリフリー粉体急結剤はセメントコンクリートに混合で
きるものであれば特に制限はない。アルカリフリー粉体
急結剤としては、カルシウムアルミネート類や硫酸アル
ミニウム等が挙げられる。アルカリフリー粉体急結剤の
中では、凝結硬化が早い点で、カルシウムアルミネート
類が好ましく、強度発現性が良好な点で、硫酸アルミニ
ウムが好ましい。
ート類とは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原
料等とを混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融
等の熱処理をして得られる、CaOとAl2O3 とを主
たる成分とし、水和活性を有する物質の総称であり、C
aO及び/又はAl2O3の一部が、アルカリ金属酸化
物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類
金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ
土類金属硫酸塩等と置換した物質、あるいはCaOとA
l2O3とを主成分とするものに、これらが少量固溶した
物質である。鉱物形態としては、結晶質、非晶質いずれ
であってもよい。
活性に優れる点で、C12A7(CはCaOの略、AはA
l2O3の略)が好ましく、非晶質のC12A7がより好ま
しい。
ーン値で3000cm2 /g以上が好ましく、5000
cm2 /g以上がより好ましい。3000cm2 /g未
満だと初期強度発現性が低下するおそれがある。
メント100質量部に対して、1〜10質量部が好まし
く、3〜8質量部がより好ましい。1質量部未満だと凝
結性状や初期強度発現性が弱いおそれがあり、10質量
部を越えると粉塵やリバウンドが増加するおそれがあ
る。
クリートに混合できるものであれば特に制限はなく、液
体急結剤としては、アルミン酸ナトリウム等のアルカリ
金属アルミン酸塩やケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属
ケイ酸塩等の無機塩系といったアルカリ含有液体急結剤
や、硫酸アルミニウム等のアルカリフリー液体急結剤が
挙げられる。これらの中では、長期強度発現性の良好な
点で、アルカリフリー急結剤が好ましく、硫酸アルミニ
ウムがより好ましい。
が好ましく、25〜35%がより好ましい。20%未満
だと初期凝結や強度発現性を阻害するおそれがあり、4
0%を越えると液体急結剤の粘度が大きくなり、圧送性
が低下し、又、液体急結剤中の成分が均一に分散しにく
くなり、液体急結剤の取り扱いが難しくなるおそれがあ
る。
部に対して、3〜12質量部が好ましく、5〜9質量部
がより好ましい。3質量部未満だと付着不良やダレが発
生し、初期強度発現が弱いおそれがあり、12質量部を
越えると配管が閉塞し、経済的に好ましくないおそれが
ある。
0〜75%が好ましく、35〜70%がより好ましく、
35〜65%が最も好ましい。30%未満だと吹付セメ
ントコンクリートの粘性が大きく吹付作業性が低下し、
75%を越えると強度発現性や凝結性状に悪影響を与え
るおそれがある。尚、ここでいう水セメント比の水には
液体急結剤中の水は考慮されない。
コンクリート、アルカリフリー粉体急結剤、及び液体急
結剤を混合して急結性セメントコンクリートとする。本
発明に係る急結性セメントコンクリートの混合方法とし
ては、まず急結剤を含有していないセメントコンクリー
トと液体急結剤を混合し、次いでアルカリフリー粉体急
結剤を混合して急結性セメントコンクリートとしても良
く、セメントコンクリート、アルカリフリー粉体急結
剤、及び液体急結剤を一括混合して急結性セメントコン
クリートとしても良い。
吹付設備等が使用できる。吹付設備は吹付が十分に行わ
れれば、特に限定するものではなく、例えば、セメント
コンクリートの圧送にはアリバー社製「アリバ285」
やピストン式のコンクリートポンプ等も使用できる。急
結剤の圧送には急結剤圧送装置「ナトムクリート」等が
使用できる。
2のモルタルを調製した。このモルタルに、セメント1
00質量部に対して、減水剤1.2質量部、液体急結剤
7質量部、及び表1に示す量のアルカリフリー粉体急結
剤を添加し、急結性モルタルを調製した。得られた急結
性モルタルにつき、試験温度20℃の条件下で、プロク
ター貫入抵抗値と圧縮強度を測定した。結果を表1に示
す。
3.16 細骨材:新潟県姫川産天然砂、細骨材の最大粒径2.5
mm以下、比重2.62液体急結剤:アルカリフリー液
体急結剤、硫酸アルミニウム系液体急結剤、成分濃度2
7% アルカリフリー粉体急結剤a:硫酸アルミニウム系粉体
急結剤 アルカリフリー粉体急結剤b:非晶質、C12A7、ブレ
ーン値6050cm2 /gのカルシウムアルミネート類 減水剤:高性能減水剤、ポリエチレングリコール、液
状、固形分濃度40%、市販品
ート用急結剤品質規格(JSCED−102)」に準じ
て測定した。 圧縮強度:JIS R 5201に準じて、20℃、所
定の材齢で測定した。
骨材1200kg/m 3、減水剤5.4kg/m3 、及
び水203kg/m3 とし、プレーンスランプ20cm
のコンクリートを調製した。このコンクリートをピスト
ン式のコンクリートポンプで圧送した。圧送途中で三方
管を設けてその一方にコンクリートを圧送した。このコ
ンクリートに、三方管のもう一方から液体急結剤をセメ
ント100質量部に対して7質量部、三方管の更にもう
一方から表2に示すアルカリフリー粉体急結剤をセメン
ト100質量部に対して表2に示す質量部、それぞれ添
加し、急結性コンクリートを調製した。得られた急結性
コンクリートにつき、試験温度20℃の条件下で、跳ね
返り損失と粉塵量を測定した。結果を表2に示す。
比重2.62
ンネルに急結性コンクリートを吹付け、(跳ね返り落下
した急結性コンクリートの量)/(吹付に使用した急結
性コンクリート全体の量)×100(%)で示した。 粉塵量:急結性コンクリートを4m3/hの圧送速度で
10分間、鉄板でアーチ状に制作した高さ3.5m、幅
2.5m、長さ20mの模擬トンネルに、吹付ノズル先
端から吹付けた。その後、吹付ノズル先端から3m手前
の定位置で粉塵量を測定し、得られた測定値の平均値で
示した。
質量部、表3に示すアルカリフリー粉体急結剤をセメン
ト100質量部に対して5質量部、それぞれ添加し、得
られた急結性コンクリートにつき、付着特性、ダレ、及
び配管の閉塞状況を測定したこと以外は、実験例2と同
様に行った。結果を表3に示す。
の馬蹄径のトンネルの側壁に急結性コンクリートを4m
3/hの圧送速度で15秒間吹付け、吹付面たる側壁か
ら付着した急結性コンクリートの頂点までの距離を測定
し、付着特性とした。 ダレ:急結性コンクリートを4m3/hの圧送速度で5
分間、幅5.5m×高さ5.5mの馬蹄径のトンネルに
吹付けた後の状態を観察した。ダレが生じなかったもの
を○とし、ダレが少し生じたものを△とし、ダレが多く
生じたものを×とした。 配管の閉塞状況:急結性コンクリートを4m3/hの圧
送速度で4分間吹付けた後、三方管内部を観察し、固化
物の付着が認められた場合を×、少し認められた場合を
△、全く認められなかった場合を○とした。
粉塵量や跳ね返り率が少なく、ダレが生じず、凝結性状
が良好で、急結性セメントコンクリートの吹付面への付
着も良くなり、湧水部への吹付も可能となる。更に初期
や長期の強度も増加する為、本発明は急結性セメントコ
ンクリートの剥落防止にも繋がる優れた施工方法にな
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 急結剤を含有していないセメントコンク
リート、液体急結剤、及びアルカリフリー粉体急結剤を
含有してなる吹付材料。 - 【請求項2】 液体急結剤がアルカリフリー液体急結剤
である請求項1記載の吹付材料。 - 【請求項3】 さらに、減水剤を含有してなる請求項1
又は2記載の吹付材料。 - 【請求項4】 急結剤を含有していないセメントコンク
リート、液体急結剤、及びアルカリフリー粉体急結剤を
圧送、合流して急結性セメントコンクリートを調製し、
吹付けることを特徴とする吹付工法。
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