JP2812696B2 - 炭素鋼線を微細パーライト構造を得るように熱処理する方法 - Google Patents

炭素鋼線を微細パーライト構造を得るように熱処理する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭素鋼線を微細パーライト構造を得るよう
に熱処理する方法に関する。これらの線材は、ゴム製品
やプラスチック製品の補強、特にタイヤの補強に使用さ
れる。
炭素鋼線の熱処理の目的は、線材の線引き性能を向上
させると共に、線材の機械特性とその耐久性とを改良す
るにある。
〔従来の技術と問題点〕
この種の公知の処理法は下記の2段階を含む。
均一オーステナイト構造を得るように、変態温度AC3
以上の温度に線材を加熱しこの温度に保持する第一段
階、 微細パーライト構造を得るように線材を冷却する第二
段階。
最もよく使用される1つの方法はいわゆるパテンチン
グ熱処理法であって、線材を900〜1000℃の温度でオー
ステナイト化し、450〜600℃に保持された鉛浴または溶
融塩浴中に浸漬するにある。
鉛によるパテンチングの場合に得られる好ましい結果
は、線材と冷却流体との間の非常に高い対流係数の故
に、一方では変態温度AC3と鉛温度より少し高い温度と
の間の線材の急速な冷却を生じ、他方では準安定オース
テナイトからパーライトへの変態中の再熱が制限される
事による。この再熱は、冶金学的変態によって加えられ
るエネルギーが放射および対流によって失われるエネル
ギーより大である事によって線材温度が上昇する事であ
る。
しかし、パテンチングはコストが高い。液状金属また
は溶融塩を扱うので技術的に困難であり、パテンチング
後に線材を浄化する必要がある。他方、鉛は非常に有毒
であって、衛生上の問題から多額の経費を必要とする。
フランス特許出願86/16705号に記載の微細パーライト
構造を得るように炭素鋼線を熱処理する方法において
は、オーステナイト・パーライト変態中の線材温度が、
変態温度より低くパーライト化ノーズ温度より高い所定
温度から10℃以上変動しないように調整され、この温度
調整はパーライト化時間より長い時間中、線材に電流を
通し、この時間の一部において調整的に通気する事によ
って実施される。この方法は、溶融金属または塩を使用
せず、従って前記のような衛生上の問題と線材浄化の問
題を避けると共に、より簡単な操作しやすい装置を使用
する事ができる。しかしこの方法は調整的通気を実施す
るために、コンプレッサまたはタービンを使用する必要
があり、従って投資コストと運転コストが高い。またこ
の方法は、工業規模では、比較的小直径の線材、例えば
最大3mmの線材についてのみ使用する事ができる。
本発明の目的は、金属および溶融塩の使用と強制通気
の使用を避けて広範囲の直径の線材を処理する事のでき
るオーステナイトパーライト変態熱処理方法を提供する
にある。
本発明の処理前に均一オーステナイト構造を得るよう
に変態温度AC3以上の温度に保持された炭素鋼線に微細
パーライト構造を得るように熱処理する方法は、 (a) 線材を変態温度AC3以上の温度から変態温度AC1
以下の温度まで冷却する段階と、 (b) 線材を変態温度AC1以下の温度においてパーラ
イト化処理を実施する段階と、 (c) 線材を強制通気されないガスを収容する少なく
とも1本の熱搬送流体によって包囲された管の中に通過
させて冷却およびパーライト化処理を実施する段階と、 (d) 少なくともパーライト化処理に先立つ冷却時に
下記の関係式が満足される管、線材およびガスの特性を
選定する段階と、 1.05≦R≦15 (1) 5≦K≦10 (2) ここに、 R=Dit/Df、 K=[Log(Dti/Df)]xDf2/λ、 Dtiは管の内径(mm)、Dfは線材の直径(mm)、線材
は直径が0.4ないし6mm、λは600℃において測定された
ガス伝熱率(ワット・m-1・゜K-1)およびLogは自然対
数 を有することを特徴とする。
ここで強制通気されないとは、管の中のガスが不動状
態にある事、また線材とガスとの間の熱交換を実際上変
更しない程度の弱い通気作用を受け、この通気作用は例
えば線材そのものの移動のみによって生じる事を言う。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例について詳細に説明
する。
第1図は、パーライト化処理を受ける鋼線の時間関数
としての温度の変動を示す曲線φを示す。またこの図
は、この鋼線の鋼について準安定オーステナイトのパー
ライトへの変態の初期に対応する曲線X1と、準安定オー
ステナイトのパーライトへの変態の末期に対応する曲線
X2を示す。またこの第1図において、横座標は時間Tに
対応し、縦座標は温度θに対応する。
パーライト化処理に先だって、鋼線は均質オーステナ
イトを得るように変態温度AC3以上の温度まで加熱され
この温度に保持される。この温度θは例えば900℃と1
000℃との間に含まれ、第1図の点Aに対応する。いわ
ゆる「パーライト化ノーズ」点は曲線X1の最短時間Tmに
対応し、このパーライト化ノーズ温度はθpで表示され
ている。時間Tの原点Oは点Aに対応する。
鋼線は、変態温度AC1以下の温度に達するまで冷却さ
れ、この冷却後の鋼線の状態は点Bに対応し、冷却時間
TB後にこの点Bにおいて得られた温度をθで示す。第
1図においてこの温度θはパーライト化ノーズ温度θ
pよりも高く表示され、これは実際上もっとも多いケー
スであるが、これは必ずしも必要ではない。点Aと点B
との間の鋼材の冷却中に、鋼線温度が変態点AC3以下に
下降すると同時に、安定オーステナイトから準安定オー
ステナイトへの変態が生じ、準安定オーステナイトの粒
界に核発生を生じる。曲線X1とX2との間に含まれる区域
はωで示される。パーライト化は、鋼線を区域ωの左側
の点Bの状態から、区域ωの右側の点Cの状態に移行さ
せるにある。この変態は、例えば曲線X1はBxにおいて切
り曲線X2をCxにおいて切る線分BCによって表示される
が、本発明は点Bと点Cとの間の鋼線温度の変動が直線
でない場合にも適用される。
核形成は、区域ωの左側にある線分BC部分、すなわち
線分BBxの中で生じる。区域ωを横断する線分BC部分に
おいては、すなわち線分BxCxにおいては、準安定オース
テナイトからパーライトへの変態、すなわちパーライト
化が生じる。このパーライト化時間は鋼材ごとに相違
し、また線分CxCによって示される処理は、パーライト
化が終了していない時に鋼線の過早な冷却を防止するた
めである。実際に残留した準安定オーステナイトが急速
に冷却されると、ベイナイトに変態し、このベイナイト
は熱処理後の線引き性にも、最終製品の使用価値にも、
機械特性にも好ましい構造ではない。
点Aと点Bとの間の急速な冷却と、準安定オーステナ
イト領域すなち点BとBxとの間の等温維持により、核の
数を増大させ、その寸法を縮小させる事ができる。これ
らの核は、その後の準安定オーステナイトからパーライ
トへの変態の出発点となるものであって、公知のように
パーライト化の微細構造、従って線材の使用価値はこれ
らの核が多数で小さいほど大になる。
パーライト化処理後に、鋼線を例えば周囲温度にまで
冷却し、この冷却は好ましくは急速冷却であって、例え
ば湾曲線分にCDによって表示され、点Dの温度をθ
示す。
第2図と第3図は本発明による装置100を示す。この
装置100は熱交換器であって、内径Dti、外径Dteの管状
ケーシングを含み、このケーシングの中で処理される線
材1が矢印F方向に通過し、この線材1の直径はDfで表
示され、炭素鋼線材である。
第2図は、線材1の軸線xx′に沿った断面図であっ
て、この軸線xx′は同時に装置100の軸線であり、第3
図はこの軸線xx′に対して垂直の断面図である。第3図
の断面は、第2図の線分III−IIIによって示され、実線
xx′は第3図において「x」で示される。線材1の駆動
手段は第2図と第3図においては簡略化のための図示さ
れない公知の手段であって、例えば処理後の線材を巻取
るためにモータによって駆動される巻取機とする事がで
きる。線材1と管3との間のスペース6はガス12によっ
て充填され、このガスが直接に線材1および管3の内側
面と接触する。ガス12は線材1の処理中にスペース6の
中に留まり、装置100はガス12の強制送気手段を備えて
いない。すなわちガス12は強制送気される事なく、矢印
F方向の線材1の運動のみによってスペース6の内部を
移動させられる。線材1の熱処理中に、線材1からガス
12に伝熱が生じる。λは600℃におけるガス12の熱伝動
率である。この熱伝動率はワット・m-1・゜K-1で示され
る。線材1は、例えばセラミックスまたは炭化タングス
テンから成る案内部材2によって案内され、その一方は
線材1の入口に配置され、他方は線材1の出口に配置さ
れる。管3は外部から排熱流体9によって、例えば管3
を包囲する環状スリーブ4の中を循環する水によって外
部から冷却される。このスリーブ4は、長さLm、内径Dm
i、外径Dmeを有する。スリーブ4は導管8から水を供給
され、水は導管10から出るので、管3に沿った水の流れ
は線材方向Fと逆方向になる。水9のスペース7(スリ
ーブ4の内部)とガス12を収容するスペース6との間の
密封は、例えばエラストマーのパッキング5によって得
られる。流体9と接触する管3の長さは第2図において
Ltで示す。
熱交換器100が単独で本発明の装置を構成する事がで
きる。また、スリーブ4の末端部分を成すフランジ11に
よって複数の熱交換器を軸線xx′に沿って組立てる事が
でき、その場合に、線材1は軸線xx′に沿って直列に配
置された多数の熱交換器の内部を通過する。
これらの装置100は、点Aと点Cとの間の曲線φ部分
における線材の熱処理、すなわち冷却とこれに続くパー
ライト化処理とを実施する事ができる。また所望なら
ば、これらの装置は曲線φのCD部分に対応する線材1の
パーライト化処理後の冷却に使用する事もできる。
管3と、線材1と、ガス12との特性は、少なくともパ
ーライト化に先行する曲線φ部分ABの冷却期間内に、下
記の関係式が満たされるように選定される。
1.05≦R≦15 (1) 5≦K≦10 (2) ここに、 R=Dti/Df K=[Log(Dti/Df)]xDf2/λ DtiとDfはミリメートルで表され、λは600℃で測定さ
れたガスの伝熱率(ワット・m-1・゜K-1)およびLogは
自然対率であって、Dfは最高6mmに等しい。
ガス12は、例えば水素、窒素、ヘリウム、水素−窒素
混合物、水素−メタン混合物、窒素−メタン混合物、ヘ
リウム−メタン混合物、水素−窒素−メタン混合物であ
る。
大直径の線材1の場合、管3の内径Dtiと線材2の外
径Dfとの比率Rは1に近く、非常に伝熱性のガス12、例
えば水素ガスを使用する事が必要になる。第4図と第5
図は軸線yy′を有する本発明の装置の他の実施態様200
であって、第4図はこの軸線に沿った断面図、第5図は
この軸線に垂直な断面図であって第4図の線分V−Vに
沿った断面図である。第5図において、軸線x′は
「x」で示され、軸線yy′は「y」で示される。
この熱交換器200は前記の熱交換器100と類似である
が、その相違点は円筒形スリーブ4によって包囲された
6本の管3を含み、これらの各管3の軸線xx′に沿って
線材1が配置され、またこの軸線は各管3の中に配置さ
れた線材1の軸線を成す。各管3は熱交換器100と同様
にガス12によって充填され、またスリーブ4の内部の管
3の外部のスペース7は熱輸送液、例えば水の循環部分
である。
熱交換器100の場合と同様に、熱交換器200は単独で本
発明の装置を構成する事ができ、あるいはスリーブ4の
末端のフランジ11によって他の熱交換器200と同軸に組
立て、直列に配置された複数の熱交換器200の中を複数
線材1が貫通する事ができる。
最良条件でのオーステナイト−パーライト化変態を実
施するためには、第1図において線BCで示された変態段
階が可能な限り変動しない温度で実施され、例えば線材
1の温度が線ABの冷却後に得られた温度θの上下10℃
の範囲内にある事が好ましい。このような温度変態の制
限は、線分BxCxに対応するパーライト化時間より長い時
間継続される。線材1の温度はこの線分BC上において5
℃以上変動しない事が好ましい。例えば第1図は、この
温度が線BCの段階中に一定で、θに等しく、従って線
分BCが横座標軸線に対して平行な場合を示す。
パーライト化区域ωにおいて生じるオーステナイト−
パーライト化変態は約100,000J・kg-1の熱量を放出し、
この区域内での変態速度は時間と共に変動し、点Bxと点
Cxの近傍で低く、線分BxCxの中央付近で最大となる。従
って、この変態中に温度を実際上一定に保持しようと望
むならば、熱交換を調整する必要がある。すなわち、線
材1の単位長さあたりの熱交換効率が熱交換器の長さに
沿って変動し、パーライト化速度が最大の時にガス12に
よる冷却が最大となるようにする必要がある。これはパ
ーライト化中の線材1の過度の温度上昇による再熱現象
を防止するためである。
このような調整は、好ましくは線材1の通る管3の内
径またはその長さを変動させる事によって実施される。
第6図は、管の内径を変動させる事によってこのよう
な調整を実施した装置を示す。この装置300は、前記の
第2図と第3図に図示の熱交換器100と同様の7本の熱
交換器を含む。これらの熱交換器100−1〜100−7はそ
れぞれフランジ11によって直列に接続され、線材1は矢
印F方向に熱交換器100−1から熱交換器100−7までの
中を通過し、また1つの熱交換器の排水導管10が先行の
熱交換器の給水導管8に接続され、従って水はこれらの
熱交換器100の中を矢印Fと逆方向に直列に流れる。各
熱交換器100について、管3の内径Dtiは一定であるが、
この内径は熱交換器100−1から100−7まで下記のよう
に変動する。
−熱交換器100−2から熱交換器100−4まで管3の内径
Dtiが減少するので、単位長さあたりの冷却能力が熱交
換器100−2から熱交換器100−4まで増大する。
−熱交換器100−4から熱交換器100−6まで内径Dtiが
増大するので、単位長さあたりの冷却能力が減少する。
すべての要素100−1〜100−7について、要素長さL
m1〜Lm7、および水と接触する管3の長さLt1〜Lt7は一
定である。
従って、最大の冷却能力を有する熱交換器100−4
が、パーライト化速度の最大区域に対応する。
この最大区域においては、下記の式が得られる。
1.05≦R≦8 (3) 3≦K≦8 (4) ここに、RとKは前記と同様の定義による。
第7図に図示の装置400は、前記の装置300と同様の構
造を有し、7基の熱交換器100−1〜100−7がそれぞれ
フランジ11によって直列に接続されている。装置300と
の相違点は、この装置400のすべての熱交換器100の流体
と接触する管3の内径Dtiが同一であるが、線材1に対
して平行に測定された管3の長さLtが変動される事にあ
り、従ってこの装置400においてはすべての熱交換器100
の長さLm1〜Lm7は同一値を有する。
第7図において、管3の長さはそれぞれの熱交換器10
0−1〜100−7についてLt1〜Lt7で示される。熱交換器
100−2〜100−4の管の長さLt2〜Lt4は矢印F方向に増
大するので、線材1メートルあたりの平均冷却能力は熱
交換器100−2から熱交換器100−4まで増大する。これ
に対して、長さLt4〜Lt6は矢印F方向に減少するので、
線材1メートルあたりの冷却能力は熱交換器100−4か
ら熱交換器100−6まで減少する。冷却能力が最大の熱
交換器100−4はパーライト化速度が最大の区域に対応
し、この場合にも装置300について述べた関係式(3)
と(4)が成立する。
調整式装置300と400においては、式(3)と(4)は
パーライト化速度が最大の熱交換器100−4についての
み成立する。
装置300と400においては、熱交換器100−1と100−7
は、装置300の場合には対応の直径Dtiが大でありまた装
置400の場合には対応の長さLtiが小であるので、単位長
さあたりの熱交換能力が低く、これらの熱交換器100−
1と100−7は式(1)〜(4)を満足させない。これ
らの熱交換器100−1〜100−7はパーライト化の前後に
おいて、すなわち区域ωの外部の線分BC部分BBxとCxC
(第1図)において、線材1を実際上等温状態に保持
し、従って線分BC上において温度は実際上一定となる。
線分CxCはパーライト化後の等温保持時間に対応し、こ
れはパーライト化が終了しない場合に線材1の過早な冷
却を防止するためである。前述のように、パーライト化
時間は鋼ごとに変動するからである。
熱交換器100−1と100−7において線材1の一定温度
を得るためには、線材がこれらの熱交換器の中を通る際
に線材の中に電流を通す事ができ、またこれらの熱交換
器の代わりに温度θに保持されたマッフル炉を使用
し、これらのマッフル炉を導電性となす事ができるが、
これらのマッフル炉は第6図と第7図には簡略化のため
に図示されていない。
本発明は、同一の熱交換器においてその直径Dtiと長
さLtとを同時に変更した場合を含む。また、装置300と4
00において、複数の熱交換器200を直列に配置し、同時
に複数の線材を処理する事ができる。
また、パーライト化速度が最大になる区域において前
記の式(3)と(4)に対応するように熱交換能力を変
動させるために、直径の相違する複数の管3を使用する
代わりに、軸線に沿って直径の変動する一本の管を使用
する事ができる。
第8図は、前記の少なくとも1つの装置を使用した本
発明による線材処理プラント全体の略図である。
このプラント500は、5区域Z1〜Z5を含む。コイル13
から出る線材1が区画Z1において、公知のようにガス炉
またはマッフル炉によって、900乃至1000℃の温度まで
加熱され、第1図の点Aに対応する温度の均質オーステ
ナイト構造を得る。この温度Aは変態温度AC3より高
い。
つぎに線材は区域Z2において500〜600℃の温度まで冷
却されて、第1図の点Bに対応する準安定オーステナイ
ト構造を得る。
つぎに線材は区域Z3の中に入り、そこで第1図の線分
BCに対応する処理を受ける。つぎに線材は区域Z4に入
り、そこで例えば約300℃の温度まで冷却される。つぎ
に線材は区域Z5に入り、そこで例えば水中浸漬によって
20〜50℃の常温に近い温度に成される。区域Z4とZ5にお
いて実施される冷却は第1図の線分CDに対応する。
水浴Z5から出た線材1はコイル14上に巻取られる。
区域Z2〜Z4は前記の熱交換器100、200と同一型の熱交
換器を使用する事ができるが、場合によっては区域Z3に
おいては調整式装置300,400を使用する事ができる。
本発明は下記の利点を有する。
−構造の簡単さ、投資コストと運転コストが低い事、こ
れは、 ・溶融金属または塩を使用しない事、 ・強制式ガス循環にとって必要となるコンプレッサまた
はタービンを使用しないですむ事による。
−正確な冷却法則が得られ、再熱現象が避けられる。
−同一のプラントにおいて、広い範囲内の線材直径Dfに
ついてパーライト化処理を実施する事ができ、このDfは
最大6mm、好ましくは少なくとも0.4mmに等しい。
−溶融金属または塩を使用しないので、衛生上の問題が
なく、線材の浄化作業が不必要である。
これらの利点は、曲線φの部分AB(第1図)に対応す
る冷却時に、式(1)と(2)が満たされる場合にのみ
得られる。強制循環されないガスを収容し熱搬送流体に
よって包囲された管を使用するがパーライト化前の曲線
φの部分ABに対応する冷却時に式(1)と(2)が満た
されなければ、正確なパーライト化を実施する事ができ
ない。
以下において、本発明による9実施例によって本発明
を説明する。
これらの実施霊に使用される線材は鋼線であって、こ
の鋼の組成例と、変態温度AC1およびAC3を表1に示す。
これらすべての実施例は、前記の5区域Z1〜Z5を有す
るプラント500によって実施された。再熱現象を避ける
ように、すなわち区域S3において実際上一定の温度を保
持するように実施された実施例1〜8の場合、このプラ
ントは、区域Z2とZ4について熱交換器100または200を使
用し、区域Z3について熱交換器300または400を使用し
た。これに対して実施例9は再熱現象を防止する事な
く、区域Z3において温度が変動する。実施例9の条件に
ついては後述する。
実施例1〜8の条件は下記である。
a)線材強度、毎秒1メートル、 b)線材にそって測定された各区域Z1〜Z5の長さは下記
である。
区域Z1:3mm、区域Z2:2.6m、区域Z3:3m、 区域Z4:3m、区域Z5:1m、これらの長さは第8図におい
てL1〜L5で表示されている。
c)線材温度は下記である。
−区域Z1の出口=975℃、 −区域Z2の出口および区域Z3全体=550℃、 −区域Z4の出口=300℃。
すべての実施例1乃至9において、Z2区域中の冷却時
間は5秒以下であり、この冷却は曲線φの部分AB(第1
図)に対応する。
各実施例は下記のように実施された。
実施例1 −処理される線材の直径:1.3mm −伝熱性ガス12:分解NH3 (堆積%:H2=75%、N2=25%) −20℃の水9の流量:毎分8リットル、 すべてのスリーブ4は直列接続。
−区域Z2の熱交換器100の特性: ・パイレックスガラス製の管3、直径:Dti=5mm、Dte=
10mm。
・スリーブ4の直径:Dmi=35.2mm、Dmi=42.4mm。
・975℃の線材温度の場合、管3の温度: 内側面190℃、外側面65℃。
−区域Z3の特性: Dtiの変動によって調整される装置300を使用する場
合、熱交換器100−1〜100−7のDtiおよびDteの値はそ
れぞれ下記である。
熱交換器100−1と100−7:Dti=25mm、Dte=35mm、 熱交換器100−2と100−6:Dti=5mm、Dte=10mm、 熱交換器100−3と100−5:Dti=4mm、Dte=8mm、 熱交換器100−4:Dti=3mm、Dte=8mm。
熱交換器100−4はパーライト化速度が最大となる区
域である。
すべての場合に、スリーブ4の直径は下記である:Dmi
=35.2mm、Dme=42.4mm。
スリーブ4の長さ:熱交換器100−1と100−7、Lm=
0.75m。熱交換器100−2〜100−6、Lm=0.30m、従って
全長は3mである。
−区域Z4を成す熱交換器100の特性は下記である。
パイレックスガラス管3:Dti=5mm、Dte=10mm。
スリーブ4の直径:Dmi=35.2mm、Dme=42.4mm。
600℃におけるλ値は、0.28ワット・m-1・゜K-1であ
る。
表2は、区域Z2〜Z4における値RとK、およびこれら
の区域において成立する式(1)〜(4)を示す。
線材1はプラント500の中で処理された後に、1350MPa
(メガパスカル)の引っ張り破断抵抗を有する。つぎに
この線材を黄銅メッキし、公知の手法で線引きして最終
直径0.20mmを得る。この線引きされた線材の引っ張り破
断抵抗は3500MPaである。断面比は下記に対応するもの
と定義する: 実施例1の場合、断面比は42.25に等しい。
実施例2 この実施例は、線材直径Dfと水素/窒素混合物の組成
を変更して実施例1と同様の条件で実施される。すべて
の場合に、区域Z2とZ4の熱交換器は式(1)と(2)を
満足させ、区域Z3の装置300中のパーライト化速度が最
大となる熱交換器100−4は式(3)と(4)を満足さ
せる。別表3は、区域Z2とZ4について値Df、RおよびK
を示し、装置300の熱交換器100−4についてはガス混合
物中の水素体積%および600℃のλの値を示す。区域Z2
とZ4のRとKの値はそれぞれRM,KMで示され、また熱交
換器100−4のRとKの値は、それぞれRmとKmで示され
る。
また表3は下記の値を示す。
−熱処理後の線材の破断抵抗(引っ張り破断抵抗):MP
a; −線材の線引き直径,mm、すなわち線引き後の線材直
径; −線引きによる断面比、 −最終直径、すなわち線引き後の線材の破断抵抗(引っ
張り破断抵抗)、MPa。
実施例3 この実施例は、区域Z3が装置400によって構成される
事以外は実施例1と同一条件で実施された。この装置40
0の熱交換器100の特性は下記である。
7熱交換器100のすべての管3はアルミナであって、
同一の直径Dti=3mm、Dte=8mmを有する。管の長さLtは
下記のように変動する。
熱交換器100−1と100−7の場合、Lt=0.15m; 熱交換器100−2と100−6の場合、Lt=0.20m; 熱交換器100−3と100−5の場合、Lt=0.25m; 熱交換器100−4の場合、Lt=0.28m。
すべての熱交換器100−1〜100−7は式(1)〜
(4)を満足させ、λ=0.28;R=2.31;K=5.05である。
線材1をプラント500の中で処理した後に、1340MPaの
引っ張り破断強さを有する。この線材を公知の手法で機
同メッキし、0.2mmの直径を有するように線引きすれ
ば、3480MPaの引っ張り破断抵抗を有し、断面比は42.25
に等しい。
実施例4 直径Rf=2mmの線材を使用する。冷却ガスは純粋水素
である。20℃の水の流量は毎分19である。この実施例
の特性は下記である。
−区域Z2:3個の熱交換器100を直列に使用し、それぞれ
下記の特性を有する:Dti=4.5mm;Dte=10mm。スリーブ
4の直径;Dmi=35.2mm;Dme=42.4mm。
−区域Z3:内側面にガラスライニングを有する鋼管3を
含む装置300を使用。これらの鋼管の直径は下記であ
る。
熱交換器100−1と100−7:Dti=25mm、Dte=35mm。
熱交換器100−2と100−6:Dti=3.5mm、Dte=10mm。
熱交換器100−3と100−5:Dti=3mm、Dte=10mm。
熱交換器100−4:Dti=2.8mm、Dte=10mm。
スリーブ4の直径:Dmi=35.2mm,Dme=42.4mm。
−区域Z4:3個の熱交換器100を直列に使用する。各熱交
換器は下記の特性を有する:内側面をガラスライニング
された鋼管3:Dti=4.5mm;Dte=10mm。λ=0.42ワット・
m-1・゜K-1が得られた。
区域Z2とZ4は式(1)と(2)とを満足させる。表4
は、装置300の熱交換器100−1〜100−7について、R
とKの値と、場合によって満足された式(1)〜(4)
を示す。
熱処理後に、線材1は1340MPaの引っ張り破断抵抗を
示す。0.3mmの直径を有するように公知の手法で黄銅メ
ッキし線引きした後、引っ張り破断抵抗は3450MPaであ
り、断面比は44.44である。
実施例5 この実施例は、6本の線材1を同時に処理するため区
域Z2、Z3、Z4について、熱交換器200を使用したプラン
トについて実施された。
20℃の水の流量は毎分110であり、スリーブ4の直
径は下記である。
Dmi=82.5mm、Dme=88.9mm これらの点以外の条件は実施例4の場合と同一であ
る。
線材1は熱処理の後に、1350MPaの引っ張り破断抵抗
を示す。0.3mmの直径を得るように黄銅処理し線引きし
た後の引っ張り破断抵抗は3500MPaであり、断面比は44.
44である。
実施例6 線材直径Dfとガス組成を変動させて(水素と窒素の混
合物)、実施例4と同様条件を使用した。
すべての場合に、区域Z2とZ4の熱交換器は式(1)と
(2)を満足させ、区域Z3の装置300の中のパーライト
化速度が最大になる熱交換器100−4は式(3)と
(4)とを満足させる。
下記の表5は、区域Z2、Z4と装置300の熱交換器100−
4についてDf、R、Kの値を示し、またガス混合物中の
水素体積%および600℃におけるλの値を示す。
区域Z2およびZ4の値RとKはそれぞれRM、KMで示さ
れ、熱交換器100−4の値RとKはそれぞれRmとKmで表
示される。
また表5は下記の値を示す。
−熱処理後の線材の破断抵抗(引っ張り破断抵抗):MP
a、 −線材の線引き直径、mm、すなわち線引き後の線材直
径、 −線引きによる断面比、 −最終直径の線材、すなわち線引き後の線材の破断抵抗
(引っ張り破断抵抗)、MPa、 実施例7 この実施例は実施例1と同一条件で実施されたが、脱
炭ガスとしての分解アンモニアの代わりに、800℃にお
いて鋼炭素に対して熱力学平衡を保持するガスを使用し
た。このガスの体積組成は、H2=74%、N2=24%であ
る。RとKの値および満足された式は表2に記載のもの
と同一であり、線引きと線材抵抗に関する数字は実施例
1の場合と2%の誤差で同一である。
実施例8 この実施例は、実施例1と同一条件で実施されたが、
分解アンモニアの代わりに、本発明による熱処理以前の
処理において生じた脱炭を補正する事のできる炭化水素
含有ガスを使用した。このガスの体積組成:H2=63.75
%,N2=21.25%、CH4=15%、線材表面に黒鉛の堆積が
見られず、浸炭厚さは3μmのオーダである。
RとKの値および満足された式は表2に記載のものと
同一である。熱処理後に、線材は1320MPaの引っ張り破
断抵抗を示す。0.2mmの直径を有するように公知の手法
で黄銅メッキと線引きを実施した後に、断面比は42.2
5、引っ張り破断抵抗は3450MPaであった。
実施例9 この実施例は再熱を消去する事なく実施された。線材
1の直径Df=5.5mm;線材1の繰り出し速度=1.5m/s。
区域Z2、Z3、Z4はそれぞれ熱交換器100を使用し、こ
れらの熱交換器はすべて同型であって、内側面にガラス
ライニングを有する管3は、Dti=6mm、Dte=12mm。20
℃の水の流量=120/分、冷却用ガスは純粋水素。全
熱処理時間=9.9秒。熱処理プラントの長さ(区域Z2〜Z
4)=14.85m。
線材温度は下記である。
−区域Z1の出口において:975℃、 −準安定オーステナイトからパーライトへの変態開始
(第1図の点Bx):550℃、 −区域Z4の出口:350℃。
従ってオーステナイトからパーライトへの変態中の
(再熱中の)最高温度と最低温度との偏差は60℃であ
る。
λ=0.42;R=1.091;K=6.27 熱処理後に、線材は1310MPaの引っ張り破断抵抗を示
す。0.84mmの直径を得るように公知の手法で黄銅メッキ
と線引きを実施した後に、断面比は42.87であり、線材
は3350MPaの引っ張り破断抵抗を示す。
本発明によって処理された線材1は、公知の鉛パテン
チングによって得られた構造、すなわち微細パーライト
構造を有する。この構造は、フェライト層によって分離
されたセメンタイト層を含む。一例として第9図はこの
ような微細パーライト構造の一部50の断面を示す。この
部分50は、フェライト層52によって相互に分離された実
際上平行な2セメンタイト層51を含む。セメンタイト層
の厚さは「i」で示され、フェライト層52の厚さは
「e」で示されている。このパーライト構造は微細であ
って、平均値i+eは最高1000Å、標準偏差値250Åで
ある。
前記のすべての実施例1〜9は、部分50について述べ
た構造を得る事ができるが、この構造は再熱を防止する
場合に一層微細となる。
好ましくは本発明は下記の結果の少なくとも1つを得
る事ができる。
−熱処理と線引きの後に、線材は少なくとも1300MPaの
引っ張り破断抵抗を示す、 −線材は少なくとも40の断面比を有するように線引きす
る事ができる、 −線材は線引き後に少なくとも3000MPaの引っ張り破断
抵抗を示す。
対照として、下記の2実施例は本発明によるものでは
ない。これらの2実施例は、区域Z1〜Z5を有する前記の
プラント500と類似のプラントにおいて製造された。区
域Z2、Z3、Z4はそれぞれ熱交換器100を使用し、これら
の熱交換器はすべて同型であって、パイレックスガラス
管3から成り、Dti=25mm、Dte=35mm。スリーブ直径は
すべての場合に下記の直径を有する:Dmi=50mm,Dme=60
mm。プラントの長さは18m(区域Z2からZ4まで)であ
る。
2対照例において伝熱ガス12は75%の水素と25%の窒
素(体積%)を含有する分解アンモニアである。600℃
における伝熱性λは0.28ワット・m-1・゜K-1に等しい。
鋼は0.7%の炭素を含有し、前記実施例4、5、6につ
いて使用された鋼と同様である(表1参照)。
対照例10と11の特定条件は下記の通りである。
実施例10 処理された線材の直径:1.3mm;線材の送り速度:1mm/
秒。従ってR=19.23およびK=17.8。式(1)乃至
(4)のいずれも満足されない。区域Z1の出口の線材温
度:975℃。区域Z2に対応する冷却時間は6.7秒、この区
域Z2を出る線材は約600℃の温度を有する。
区域Z3の通過時間は4.6秒、この区域Z3の出口におい
てパーライト化が終了する。
再熱は大であって、オーステナイトからパーライトへ
の変態(区域Z3)中の最高温度と最低温度との差は80℃
である。
熱処理後に線材は1100MPaの引っ張り破断抵抗を有す
る。つぎに線材を0.23mmの直径まで公知の手法で黄銅メ
ッキと線引きを実施した後に、2765MPaの引っ張り破断
抵抗を有し、断面比は31.95である。従って本発明によ
らないこの実施例は過度の再熱を生じ、線引き前後の引
っ張り破断抵抗は低い。他方において、この実施例の熱
処理を受けた線材の構造はi+e=1350Å(平均値)に
対応し、標準偏差値は255Åである。従ってこの構造は
前記の構造に対応しない。
実施例11 処理された線材の直径:2.8mm、線材の送り速度:0.5m/
秒。
従ってR=8.93とK=61.3が得られた。式(1)乃至
(4)のうち、式(1)のみが満足される。
前記の実施例の場合と同様に、区域Z1の出口における
線材温度は975℃である。
区域Z2の中の線材通過時間は11.5秒であり、この区域
Z2の出口の線材温度は約630℃である。
区域Z3の通過時間は8.5秒であり、この区域Z3の出口
においてパーライト化が終了した。この区域Z3中におい
て、パーライト化に際して、線材の最高温度と最低温度
との差は60℃である。すなわち、この区域Z3においては
実施例10の場合よりも、変態温度が高いのでパーライト
化速度が低い結果、再熱度が少ない。
熱処理後に、線材は1010MPaの引っ張り破断抵抗を有
する。つぎに0.42mm直径を得るまで線材を公知の手法で
黄銅メッキと線引きを実施し、そこで線材は2500MPaの
引っ張り破断抵抗を有し、断面比は44.44である。
本発明によらないこの実施例は、非常に長い処理時間
と、低い引っ張り破断抵抗を特徴とする。
また、この実施例の熱処理を受けた線材の構造は下記
の式を満足させる。
i+e=1450Å(平均値)、 標準偏差は300Å、 すなわち、線材構造は前記の構造に対応していない。
もちろん、本発明は前記の実施例のみに限定されるも
のでなく、その主旨の範囲内において任意に変更実施で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図はオーステナイトからパーライトへの変態曲線
と、微細パーライト構造を得るように処理される鋼線の
時間に対する温度の変化を示す曲線図、第2図は本発明
の装置の軸線に沿った断面図、第3図は第2図の装置の
III−III線に沿った横断面図、第4図は本発明による複
数の線材を同時に処理する装置の断面図、第5図は第4
図の装置のV−V線に沿った横断面図、第6図と第7図
はそれぞれ管の直径と長さを変動された装置の概略図、
第8図は本発明による少なくとも1つの装置を使用した
鋼線熱処理プラント全体を示す図、第9図は本発明によ
って処理された線材の微細パーライト構造の一部を示す
図である。 AC1,AC3……変態温度、ω……パーライト化区域、1…
…鋼線、3……管、4……スリーブ、12……ガス、9…
…冷却水、300,400……熱交換器装置、100−1〜100−
7……熱交換器、500……プラント、51……セメントタ
イト層、52……フェライト層。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−60816(JP,A) 特開 昭54−13406(JP,A) 特開 昭52−14507(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/52,9/56,8/06,1/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)線材を変態温度AC3以上の温度から
    変態温度AC1以下の温度まで冷却する段階と、 (b)線材を変態温度AC1以下の温度においてパーライ
    ト化処理を実施する段階と、 (c)線材を強制通気されないガスを収容する少なくと
    も1本の熱搬送流体によって包囲された管の中に通過さ
    せて冷却およびパーライト化処理を実施する段階と、 (d)少なくともパーライト化処理に先立つ冷却時に下
    記の関係式が満足される管、線材およびガスの特性を選
    定する段階と、 1.05≦R≦15 (1) 5≦K≦10 (2) ここに、 R=Dti/Df、 K=[Log(Dti/Df)]xDf2/λ、 Dtiは管の内径(mm)、Dfは線材の直径(mm)、線材は
    直径が0.4ないし6mm、λは600℃において測定されたガ
    ス伝熱率(ワット・m-1・゜K-1)およびLogは自然対
    数、 とを有することを特徴とする処理前に均一オーステナイ
    ト構造を得るように変態温度AC3以上の温度に保持され
    た炭素鋼線を微細パーライト構造を得るように熱処理す
    る方法。
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