JP2015045093A - ロッドまたはワイヤ製造システム、それに関連する方法、およびそれに関連する製品 - Google Patents

ロッドまたはワイヤ製造システム、それに関連する方法、およびそれに関連する製品 Download PDF

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Abstract

【課題】技術システムの不足に対応しつつ、新規および改良ロッドもしくはワイヤ製造システム、新規および改良加熱−冷却作業、新規および改良冷却ユニット、ロッドもしくはワイヤを製造する新規および改良方法、ならびに/または新規および改良ロッドもしくはワイヤを提供する。【解決手段】冷却ユニット、冷却ユニットを含む加熱−冷却作業、ロッドまたはワイヤ製造システム、ロッドまたはワイヤを製造する方法、ロッドまたはワイヤの熱処理の方法、金属を処理する方法、スチールロッドまたはスチールワイヤおよび向上した引張強度を有する処理金属が開示される。冷却ユニットは、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域および少なくとも1つの適応可能浸漬区域を含む。少なくとも1つの適応可能焼入れ区域は浸漬温度に焼入れ可能である。少なくとも1つの適応可能浸漬区域は実質的に浸漬温度を維持することが可能である。【選択図】図2

Description

優先権主張出願
本願は、参照により全体において本明細書に援用される、“THERMODYNAMIC METAL TREATING APPARATUS AND METHOD”と題され、2006年7月14日に出願された米国出願第11/487,004号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、少なくとも1つの加熱−冷却ユニットを含むロッドまたはワイヤ製造システムに関する。また、本発明はロッドまたはワイヤを加熱して、その後冷却する工程を含む、ロッドまたはワイヤを製造する方法に関する。さらに、本発明はロッドもしくはワイヤ製造システムの使用により生じる製品および/またはロッドもしくはワイヤを加熱してその後冷却する工程を含むロッドもしくはワイヤを製造する方法に関する。
背景
産業用の伸線されたロッドまたはワイヤは、アルミニウム、銅、合金鋼および炭素鋼を含むが、これらに限定されない種々の金属または合金から構成され得る。炭素鋼を使用して構成される場合、炭素含有量は約0.35重量%から1.1重量%の範囲であり得る。炭素鋼はまた、クロム(Cr)、ホウ素(B)、ケイ素(Si)またはこれらの元素の組み合わせなどの合金元素を含み得る。
伸線前に、材料には通常焼鈍として既知の熱処理が施される。炭素鋼に関しては、熱処理は、加熱炉などの熱源にロッドまたはワイヤを通し、ロッドまたはワイヤを約930℃から1020℃まで加熱する工程からなる。この高温処理は、規制された粒度を備えた均一な面心立方オーステナイト相(uniform face centered cubic austenite phase)を生成して、その後の製品の延性を決定するのに役立つ。その後の空気中またはより一般的には融解された鉛もしくは流動砂の中での冷却により、面心立方オーステナイトから、併せてパーライトと呼ばれる、交互のプレートに(in alternating plates)配置される体心立方フェライトおよび斜方晶系セメンタイトへの相変態を生じる。この変態は、処理されるセクションが比較的小さい(概ね3.5mm未満)ので、急激である。得られる構造は、好適には粒界フェライトもセメンタイトもない非常に微細なパールライトで構成される。パールライトの粉末度は、製品の化学的性質および、オーステナイト化後に製品が低減される温度に依存する。焼鈍されると、微細なパールライトロッドまたはワイヤは伸線されて、97%まで、ときにはそれを超えるまで面積が低減され、非常に高度の伸線フィラメント強度を生じることが可能である。最終的な伸線フィラメント強度は非常に微細なパーライトサイズのために並外れた耐疲労性、優れた表面品質および伸線方向のセメンタイトプレートの配列を提供する。
流動床による熱処理金属体が既知であり、気体中に懸濁された砂などの固形媒質の温度を使用して熱伝導率を規制する。ロッドまたはワイヤの単位表面積当たりの周囲の媒質への熱伝導率は、対流熱伝導係数が選択された媒質に対して一定であるので、媒質の温度によって決定される。
液体鉛浴または媒質による熱処理金属体も既知であり、液体鉛浴の温度を使用して熱伝導率を規制する。ワイヤの単位表面積当たりの周囲の媒質への熱伝導率は媒質の温度によって決定される。
空気による熱処理金属体も既知であり、空気の温度および速度を使用して熱伝導率を規制する。
しかしながら、流動砂または融解鉛浴の物理的特性が一旦設定されると、熱処理工程の柔軟性は制限される。異なる焼入れ温度を必要とするSAE1070鋼およびSAE1090鋼などの異なる化学的性質のらせん構造製品を処理する際には、焼入れ区域または槽のいずれか1つでは1つの温度だけが維持され得るので、両方を収容するのは不可能である。
合金鋼などの金属合金は、異なる目的で異なる産業において使用されるように、多くの異なる特性を備えて生成される。近年では、車両タイヤなどの産業用途に使用されるスチールらせん構造体やワイヤ、橋らせん構造体、プレストレストらせん構造体、亜鉛めっき伸線ワイヤ、ミュージックワイヤ、のこぎりワイヤおよび他の製品に対して、耐久性および強度改善の要求が高まってきている。車両の使用に関して、かかるタイヤは一般的に、従来の非ベルトタイヤに比べるとより強度で、最終的にはるかに長いタイヤとして実現されるスチールベルトラジアルと呼ばれる。
様々な企業が、タイヤ製造業者により使用されるタイヤワイヤコードを製造しているが、それらは通常スプールで供給され、SAE1070、1080、1090の指定標準合金および、使用されるスチールのタイプと同等の破壊荷重と最終伸線における合計面積縮小を有する指定非標準合金1090Cr、1090B、1090CrB、1080SiCrである。
長期使用後、スチールベルトタイヤのワイヤの一部が磨耗、疲労および破損するのは珍しいことではない。タイヤ製造業者および供給業者は、製造技術を変更したり他のより安価なスチール化合物、ワイヤ径などをテストして結果を変えることにより、スチールベルトタイヤの品質向上に努めている。
以上を鑑みると、上記の技術システムの不足に対応しつつ、新規および改良ロッドもしくはワイヤ製造システム、新規および改良加熱−冷却作業、新規および改良冷却ユニット、ロッドもしくはワイヤを製造する新規および改良方法、ならびに/または新規および改良ロッドもしくはワイヤを提供することは非常に望ましいことであろう。
発明の概要
本発明は、冷却ユニット、冷却ユニットを含む加熱−冷却作業、ロッドもしくはワイヤ製造システム、ロッドもしくはワイヤを製造する方法、ロッドもしくはワイヤの熱処理の方法、金属を処理する方法、スチールロッドもしくはスチールワイヤ、ならびに/または向上した引張強度を有する処理金属のうちのいずれか1つを提供することにより、これらおよび他の必要性を満たす。かかる冷却ユニットは、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域と、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域を含む。少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域は、少なくとも1つの連続供給ロッドまたは少なくとも1つの連続供給ワイヤを浸漬温度に焼入れすることが可能である。少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、熱処理を実質的に完了できるように少なくとも1つの連続供給ロッドまたは少なくとも1つの連続供給ワイヤを実質的に浸漬温度に維持することが可能である。冷却ユニット構成要素に加えて、加熱−冷却作業は、少なくとも1つの加熱ユニットを含む。かかる加熱ユニットは少なくとも1つの連続供給ロッドまたは少なくとも1つの連続供給ワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能である。単独作業として行われる場合、加熱−冷却作業は少なくとも1つの供給ユニットおよび少なくとも1つの巻き取りユニットも含む。少なくとも1つの供給ユニットは、少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能である。少なくとも1つの巻き取りユニットは、少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続して収集することが可能である。
本発明の1つの態様は、ともにロッドまたはワイヤ製造システムで使用可能な、冷却ユニットまたは冷却ユニットを含む加熱−冷却作業を提供することである。かかる冷却ユニットは少なくとも1つの熱伝導係数適用可能焼入れ区域と少なくとも1つの熱伝導係数適用可能浸漬区域とを含む。少なくとも1つの熱伝導係数適用可能焼入れ区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に焼入れすることが可能である。少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、熱処理を実質的に完了することが可能なように、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に実質的に維持することが可能である。冷却ユニット構成要素に加えて、加熱−冷却作業は少なくとも1つの加熱ユニットを含む。かかる加熱ユニットは、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能である。独立した作業とした場合、加熱−冷却作業は、さらに少なくとも1つの供給ユニットと少なくとも1つの巻き取りユニットを含む。少なくとも1つの供給ユニットは、少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能である。少なくとも1つの巻き取りユニットは少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続して収集することが可能である。
本発明の別の態様は、少なくとも1つの供給ユニットと、少なくとも1つの加熱ユニットと、少なくとも1つの冷却ユニットと、少なくとも1つの巻き取りユニットとを含む、ロッドまたはワイヤ製造システムを提供することである。少なくとも1つの供給ユニットは少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能である。少なくとも1つの加熱ユニットは、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能である。少なくとも1つの加熱ユニットの下流の少なくとも1つの冷却ユニットは、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域と少なくとも1つの適応可能浸漬区域とを含む。同様に、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に焼入れすることが可能である。同じく、少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に実質的に維持することが可能である。このように、少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤの実質的に完全な熱処理を促進する。少なくとも1つの巻き取りユニットは、少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続的に収集することが可能である。
本発明のさらに別の態様は、ロッドまたはワイヤを製造する方法を提供することである。かかる方法は、少なくとも1つのロッドまたはワイヤを、供給する工程と、加熱する工程と、焼入れする工程と、実質的に予め選択された温度に維持する工程と、収集する工程とを含む。供給する工程は、少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤの連続供給であり得る。加熱する工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱する工程を含む。焼入れする工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に冷却する工程を含む。予め選択された浸漬温度に実質的に維持する工程は、少なくとも発泡液体焼入れ剤を供給して、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤの熱処理を実質的に完了することにより達成され得る。収集する工程は、少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤの連続収集であり得る。
本発明のさらなる態様は、ロッドまたはワイヤの熱処理の方法を提供することである。かかる熱処理は、加熱する工程と、焼入れする工程と、浸漬する工程とを含む。加熱する工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱する工程を含む。焼入れする工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に焼入れする工程を含む。浸漬する工程は、少なくとも発泡液体焼入れ剤を提供して、実質的に熱処理を完了することが可能なように、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に実質的に維持する工程を含む。
本発明の別のさらなる態様は、金属を処理する方法を提供することである。方法は、加熱する工程と、少なくとも1つの焼入れ剤(quenchant)にさらす工程と、制御する工程と、除去する工程とを含む。加熱する工程は、金属を加熱する工程を含む。さらす工程は、加熱された金属を、液体および気体または気体媒質混合物を含む少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程を含む。制御する工程は、少なくとも1つの液体/気体または気体媒質混合物を制御する工程を含む。除去する工程は、処理された金属を焼入れ剤から除去する工程を含む。
本発明のさらに別のさらなる態様は、少なくとも約39面積パーセントの微細パールライトを含むスチールロッドまたはスチールワイヤを提供することである。別の態様では、かかるスチールロッドまたはスチールワイヤは、最大約45面積パーセントの微細パールライトを含む。
本発明の代替的態様は、向上した引張強度を有する処理金属を提供することである。かかる金属は、加熱する工程と、少なくとも1つの液体および気体または気体媒質混合物に導かれる工程と、除去する工程とで形成され得る。加熱する工程は、金属を選択された温度に加熱する工程を含む。導く工程は、加熱された金属を少なくとも1つの液体および気体または気体媒質混合物内に導いて、金属を処理する工程を含む。除去する工程は、少なくとも1つの液体およびまたは気体媒質混合から処理された金属を除去する工程を含む。
本発明のこれらならびに他の態様、利点および顕著な特徴は、以下の詳細な説明、添付図面および添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
図2のロッドまたはワイヤ製造システムとともに使用可能な、本発明の実施形態の態様による加熱ユニットを含む冷却ユニットの側視概略図を示す。 図1Aの冷却ユニットの平面概略図を示す。 図2のロッドまたはワイヤ製造システムとともに使用可能な、本発明の実施形態の態様による冷却ユニットの詳細の断面概略図を示す。 本発明の実施形態の態様によるロッドまたはワイヤ製造システムの側視概略図を示す。 焼入れ剤混合物の空気/水容積パーセントの対流係数のグラフを示す。 SAE1080鋼に対する典型的な時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 共折鋼に対する典型的な時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 SAE1070鋼に対する第1の時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 SAE1070鋼に対する第2の時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 SAE1070鋼に対する第3の時間―温度変態(TTT)曲線を示す。 FBP製品、PBP製品、LQF製品(本発明の実施形態の態様による製品)に対する真応力ひずみ曲線を示す。 PBP製品およびLQF製品に対する微細構造解析結果を示す。
発明の詳細な説明
以下の説明では、同一の参照文字は、図に示されるいくつかの見方を通して同一または対応する部分を示す。また、「上部」「底部」「外側」「内側」などの用語は便宜上使用される言葉であり、限定的用語として解釈されるべきでないことも理解される。
図面全体および特に図1A、図1B、図1Cおよび図2を参照すると、図示は1つ以上の態様および/または本発明の実施形態を説明するのを目的とし、本発明を限定することを意図しないことは理解されるであろう。図2で最もよく分かるように、総称して10で示されるロッドまたはワイヤ製造システムは本発明により構成されるように示される。ロッドまたはワイヤ製造システム10は、少なくとも1つの供給ユニット14と、少なくとも1つの加熱−冷却作業12と、少なくとも1つの巻き取りユニット16とを含む。ロッドまたはワイヤ製造システム10は、1つ以上の伸線ユニット20、20′および20″、1つ以上の洗浄ユニット24および24″、1つ以上のコーティングユニット26、ならびに1つ以上のより線ユニット30のような1つ以上の仕上げまたは結合ユニットなどの他の構成要素を含み得ることは理解されるであろう。さらにロッドまたはワイヤ製造システム10は図2に描かれる構成要素の一部、図2に描かれる構成要素のすべて、図2に描かれるものに追加された構成要素、またはそれらの任意の組み合わせを含み得ることは理解されるであろう。理解されるように、図1A、図1B、図1Cおよび図2は、本明細書で使用されるようにすべての機械的、電気的および/または他の構成要素を完全に示しているわけではない。例えば、1つ以上の伸線ユニット20、20′および20″、1つ以上の洗浄ユニット24および24″、1つ以上のコーティングユニット26、ならびに1つ以上のより線ユニット30のような1つ以上の仕上げまたは結合ユニットは同業者には標準的で得、特定の必要用件に依存して大きさ、形状および効率性を変更し得る。
供給ユニット14を使用して稼働中の、図2に示されるロッドまたはワイヤ製造システム10は、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を設け、一方、巻き取りユニット16は、本発明の実施形態の態様では、1つ以上の熱処理されたロッドまたはワイヤ11であり得る1つ以上の中間品または完成品18を収集する。ユニット14と16の間で、1つ以上のロッドまたはワイヤ11が例えば第1の伸線ユニット20を通って運ばれ、中間品17を供給する。かかる中間品17は第1の加熱−冷却作業12が行われ、中間品17を焼鈍および焼入れし、今度は他の中間品17′を生み出す。この他の中間品17′はその後、第2の伸線作業20′に運ばれ、中間品17″を供給し得る。1つ以上の作業を行う各ユニットにより1つ以上の中間品17、17′、17″、…17(n)、17(n−1)を生み出し得ることは理解されるであろう。
上述のように、ロッドまたはワイヤ製造システム10の終わりでは、巻き取りユニット16が1つ以上の中間品または完成品18を収集し、これらは、さらなる製造工程において個々にフィードストックとして使用され得るか、または代替的に、さらなる製造工程においてフィードストックとして接合または結合された形態で使用される中間品または完成品18を生成するように、図2に示されるより線ユニット30を使用するなどして1つ以上の作業で接合または結合され得る。そのために、中間品または完成品18は、ワイヤ(例えば、囲いワイヤ:牛用囲い、羊用囲い、馬用囲い、耐ウサギ囲いなどを含むが、これに限定されない家畜用ワイヤ、トレリスを含むが、これに限定されない園芸用ワイヤ、海洋網ケージを含むが、これに限定されない水産養殖ワイヤ、ブライトワイヤ、亜鉛めっきワイヤ、チェーンメッシュワイヤ、機械バネワイヤ、ネイルワイヤ、コンクリート強化ワイヤ…など)、ロッドおよび/またはバー(例えば、コイル状ロッド、まっすぐなロッド、円形状、四角形状、六角形状、変形バー、扁平、軽量構造…など)、強化(例えばメッシュバー、強化バー、採掘メッシュ、工業用メッシュ、農業メッシュ…など)、コンクリートにおけるスチール(道路、橋、トンネル、住居、住居用建物、倉庫、ショッピングセンター、工場、アクセサリ、コンプリートパイプ、鉄道枕木…など)、採掘(例えば、引き綱ロープ、シャベルロープ、地層制御ベルト、地層制御メッシュ、ケーブルベルト…など)、製造(例えば、レールクリップ、一般的バネ、マットレスコイルおよび/またはバネ…などを含むが、これに限定されないバネ製造、溶接電極および/または溶接ワイヤを含むが、これに限定されない溶接、スクリーン、格子およびシェッドを含むがこれに限定されない組み立て、くぎおよび他の留め具を含むがこれに限定されない留め具、バネ、タイヤコード、タイヤビードワイヤ、他のスチールタイヤ強化、ブライトバー…などを含むが、これに限定されない自動車…など)のうちのいずれか1つを含み得る、そのようなものとして使用され得る、またはその中に含まれ得るが、これらに限定されない。
図1Aおよび図1Bは、本発明の態様による、加熱−冷却作業12を平面図および上面図としてそれぞれ示している。図2と同様に、図1Aおよび図1Bは1つ以上のロッドまたはワイヤ11を1つ以上の加熱ユニット32、32′に供給し、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を予め選択された温度に加熱する供給ユニット14を示す。1つ以上のロッドまたはワイヤ11は予め選択された温度に加熱された後、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…、36(n−1)と1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n−1)、37(n)を含む冷却ユニット8に供給される。
1つ以上の加熱されたロッドまたはワイヤ11は図1Aおよび図1Bに示すように、加熱ユニット32′を出ると、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)に入り得る。図1A、図1Bおよび図1Cは、1つ以上適応可能焼入れ区域36、36(n−1)として使用する本発明の実施形態の態様による焼入れ剤タンク40内の第2のセルタイプ90を示す。図1Cは、第2のセルタイプ90についてさらに詳細を示す。例えば、第2のセルタイプ90は例えば、第2のセルタイプ90の上部レベルの上方に溢れる液体として焼入れ剤を供給することが可能であり得る。液体焼入れ剤38の流れは、ポンプなどの液体焼入れ剤供給器52と、バルブ、流量計または流量計と組み合わされたバルブなどの調整機構54とを含む、第2の熱伝導調節器50により制御され得る。
本出願人は、適応可能焼入れ区域36、36(n−1)の第2のセルタイプ90への液体焼入れ剤38の流速を調節して、液体焼入れ剤38と溢れる液体焼入れ剤38を通って進行する1つ以上のロッドまたはワイヤ11との間の熱伝導係数を調整し得ることを見出した。詳細には、本出願人は、ロッドまたはワイヤ11に対して相互に作用する液体焼入れ剤38の流速は、ワイヤ焼入れ剤界面における熱伝導係数に影響を及ぼし得ることを見出した。本出願人は、焼入れ剤の流速が増加するにつれて、ロッドまたはワイヤ11/液体焼入れ剤38界面において沸騰膜(膜沸騰または膜水冷却とも呼ばれる)を形成する傾向は低減して、進行するロッドまたはワイヤ11と液体焼入れ剤38との間はより密接に接触するので、かかる界面における熱伝導係数は増加し得ると確信する。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、熱液体焼入れ剤38の組成を変化させてより小さいまたはより大きい熱伝導係数を生じ、ひいてはより小さいまたはより大きい熱除去率を生じることにより、熱除去率を調節し得ることが理解されるであろう。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、液体焼入れ剤38の温度を予め選択してより小さいまたはより大きい温度差を生じて、ひいてはより小さいまたはより大きい温度勾配を生じることにより、熱除去率が調整され得ることが理解されるであろう。このように、本発明の実施形態の態様による適応可能焼入れ区域36、36(n−1)は、熱伝導係数もしくは液体焼入れ剤38温度の独立した操作を介して、または熱伝導係数および液体焼入れ剤38温度の組み合わされた操作を介して、実質的に連続的に調整され得る調整可能熱除去率の機能を有する、1つ以上の調節可能焼入れ区域36、36(n−1)を提供し得る。
代替的に、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)は、焼入れ剤、例えば発泡体(例えば、液体焼入れ剤38に多くの気泡を捕捉することにより形成される)を、第2のセルタイプ90の上部レベルの上方に供給することが可能な第2のセルタイプ90を使用し得る。気泡として液体焼入れ剤38に捕捉される気体の量は、送風機または圧縮気体源などの気体媒質供給44と、焼入れ剤38に沈められた多孔性媒体84を含むディフューザ82と連通した、バルブ、流量計または流量計と組み合わされたバルブなどの調節機構46とを含む第1の熱伝導調節器42により制御され得る。第2のセルタイプ90と連通する熱伝導調節器42のさらなる詳細は図1Cで示され、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48により供給される気体を洗浄する気体媒質洗浄器45を含み得る。尚、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48はともに、予め選択された気体体積が予め選択された圧力でディフューザ82に供給されて、発泡体組成(例えば、液体焼入れ剤38に気泡として捕捉されて発泡体を生成する気体量)および/または体積を調整して、予め選択された熱伝導率を得ることを可能とするものである。
第2のセルタイプ90のさらなる特徴は図1Cに示され、適切な体積および圧力で焼入れ剤供給器52を介して液体焼入れ剤38を供給して、第2のセルタイプ90の上部レベルの上方に液体焼入れ剤38を溢れさせる能力と、液体焼入れ剤38が第2のセルタイプ90の上部レベルの上の泡立ちとして供給される際に、焼入れ剤タンク40から、また液体焼入れ剤供給器52を通過させることにより焼入れ剤38を供給する能力とを含む。本発明の実施形態の態様では、かかる柔軟性は、焼入れ剤供給器52から液体焼入れ剤38を受け取りつつ、焼入れ剤タンク40から第2のセルタイプ90の体積分を分離させることが可能な機構または選択器94(図1Cで示されるような三方弁など)を用いることで達成され得る。代替的には、かかる機構または選択器94(図1Cで示されるような三方弁など)は、液体焼入れ剤38が発泡体として供給される際に、第2のセルタイプ90の体積分が焼入れ剤タンク40と連通して、焼入れ剤タンク40から液体焼入れ剤38を受け取るのを可能とする。また、本出願人は、適切な液体焼入れ剤38流速が達成可能であるためには、領域96(例えば、第2のセルタイプ90の壁とディフューザ82の壁とのスペースにより画成される)が供給ライン92の断面積の少なくとも2倍あることが望ましいことを見出した。
1つ以上のロッドまたはワイヤ11が1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)を通って進行した後、1つ以上のロッドまたはワイヤ11は1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)を通って進行する。図1A、図1Bおよび図1Cは、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)として使用する、本発明の実施形態の別の態様による、焼入れ剤タンク40内の第1のセルタイプ80を示す。図1Cは第1のセルタイプ80に関するさらなる詳細を示す。例えば、第1のセルタイプ80は例えば、発泡体(例えば液体焼入れ剤38に多くの気泡を捕捉することにより形成される)として焼入れ剤を、第1のセルタイプ80の上部レベルの上方に供給することが可能であり得る。気泡として液体焼入れ剤38に捕捉される気体の量は、送風機または圧縮気体源などの気体媒質供給44と、焼入れ剤38に沈められた多孔性媒体84を含むディフューザ82と連通した、バルブ、流量計、または流量計と組み合わされたバルブなどの調節機構46とを含む第1の熱伝導調節器42により制御され得る。第1のセルタイプ80と連通する熱伝導調節器42のさらなる詳細は図1Cで示され、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48により供給される気体を洗浄する気体媒質洗浄器45を含み得る。尚、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48はともに、予め選択された気体体積が予め選択された圧力でディフューザ82に供給されて、発泡体組成(例えば、液体焼入れ剤38に気泡として捕捉されて発泡体を生成する気体量)および/または体積を調整して、予め選択された熱伝導率を得ることを可能とするものである。
本出願人は、適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の第1のセルタイプ80への気体の流速を調節して、発泡焼入れ剤と発泡焼入れ剤を通って進行する1つ以上のロッドまたはワイヤ11との間の熱伝導係数を調整し得ることを見出した。詳細には、本出願人は、ロッドまたはワイヤ11に相互に対して作用する発泡焼入れ剤を生成するために使用される気体の流速は、熱伝導係数に影響を及ぼし得ることを見出した。本出願人は、発泡焼入れ剤を生成するのに使用される気体の流速が増加するにつれて、進行するロッドまたはワイヤ11と発泡体の液体焼入れ剤38との間の密接な接触量が低減する傾向があることを見出した。従って、熱伝導係率の低減が生じる。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、熱除去率は液体焼入れ剤38の組成を変化させてより小さいまたはより大きい熱伝導係数を生じ、ひいてはより小さいまたはより大きい熱除去率を生じることにより、熱除去率を調節し得ることは理解されるであろう。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、発泡焼入れ剤を生じるのに使用される液体焼入れ剤38の温度を予め選択することにより、熱除去率が調整され得ることが理解されるであろう。このように、本発明の実施形態の態様により、適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)が互いに独立しておよび/または適応可能焼入れ区域36、36(n−1)から独立して焼入れ剤タンク40を含む場合、熱伝導係数もしくは液体焼入れ剤38温度もしくは液体焼入れ剤38の組成の独立した操作を介して、または前述のいずれかの任意の組み合わせの組み合わせ操作(例えば、熱伝導係数と液体焼入れ剤38温度の操作、液体焼入れ剤38の組成と液体焼入れ剤38温度の操作、熱伝導係数と液体焼入れ剤38の組成の操作、熱伝導係数と液体焼入れ剤38温度と液体焼入れ剤38の組成の操作)を介して、実質的に連続して調整され得る調整可能熱除去率の機能を有する、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)を提供し得る。
第2のセルタイプ90および第1のセルタイプ80のさらなる特徴が図1Cに示され、ソケット86を使用してディフューザ82を取り外し可能に装着してディフューザ82をいずれかのセルタイプ80、90に対して設けるおよび/または交換する容易さを提供するという機能を含む。図示されていないが、ソケット86は、内周または外周のいずれかに1つ以上のシール材(例えば、Oリング)を収容するための1つ以上の戻り止めを設けることにより生成され得ることは理解されるであろう。1つ以上の外周戻り止めの場合、1つ以上のシール材(例えば、Oリング)の設置後、その外周に実質的に一致した内周を有する導管をソケット86に係合させ得る。1つ以上の内周戻り止めの場合は、1つ以上のシール材(例えば、Oリング)の設置後、その内周に実質的に一致した外周を有する導管をソケット86に係合させ得る。1つ以上の戻り止めはソケット86ではなく円周部に形成し得ることは理解されるであろう。
第2のセルタイプ90および第1のセルタイプ80のディフューザ82は、液体焼入れ剤38に気泡の捕捉を生じて発泡焼入れ剤を生成するように、大量の気体を供給することが可能な任意の設計のものであればよい。そのために、本出願人は、Purolator EEP(Tulsa,OK、Houston,TX、Shelby,NC、St.Catharines,Ontario,Canada、およびDalton,GAに拠点を置く)から市販されているもの、またPOROPLATE(登録商標)焼結積層スクリーンパックスとして販売されているものなどの多孔性媒体84が機能することを見出した。また、本出願人は、ディフューザ82の多孔性媒体84の外面が、焼入れ剤タンク40の液体焼入れ剤38の表面より実質的にほんの少し下になる分だけ、焼入れ剤タンク40に沈ませ得ることを見出した。同様に、本出願人は、例えば、圧力等化器47および/または圧力レギュレータ48における圧力は、デュフューザ82の多孔性媒体84の外面上方の液体焼入れ剤38の高さよりもほんの少し高いければ十分であることを見出した。さらに、本出願人は、発泡焼入れ剤を生成する際の液体焼入れ剤38の気体の捕捉が、焼入れ剤タンク40内の液体焼入れ剤38のかかる再循環を生じ、液体焼入れ剤38の温度は終始実質的均一であり得ることを見出した。
焼入れ剤タンク40の液体焼入れ剤38に関しては、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)および/または1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)をそれぞれ、その意図された目的のために機能させることが可能な任意の液体または液体混合物であり得る。また、図1A、図1Bおよび図1Cを参照して、液体焼入れ剤38は、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)の1つ以上の第2のセルタイプ90および/または1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の1つ以上の第1のセルタイプ80をそれぞれその意図された目的のために機能させることが可能な任意の液体または液体混合物であり得る。そのために、本出願人は、水、またはPhiladelphia,PennsylvaniaのRichards Apex,Incにより販売されているRAQ−TWT焼入れ溶液またはRAQ−TWT−2焼入れ溶液のいずれかと混合された水が機能可能であることを見出した。RAQ−TWT焼入れ溶液は、ポリアルキレングリコール−約45.5%、ポリエチレングリコールエステル−約12%、専用金属加工流体添加剤−約12%、消泡剤−約0.5%および水−約30%を含み、約3−9%の典型的pHを有する、専用の処方である。RAQ−TWT−2焼入れ溶液は、RAQ−TWT−2焼入れ溶液と実質的に同じであるが、消泡剤を含まない。これらの焼入れ溶液は、使用前に水で最大約90容量%あるいはそれ以上希釈され得る。約1%の濃度で水に加えられた場合の各焼入れ溶液の測定特性は、下記の表1および表2にまとめられる。他の商業用焼入れ液体または水も同様に、もしくは代わりに使用され得ることは理解されるであろう。
Figure 2015045093
Figure 2015045093
冷却システム8の焼入れ剤タンク40の別の態様は、焼入れ剤レベル設定器62、焼入れ剤供給64および焼入れ剤再供給66を含み得る焼入れ剤レベル制御60である。焼入れ剤レベル制御60は、冷却システム8の1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37…37(n−1)、37(n)が本明細書に記載される種々のモードまたは方法で動作することが可能であるように、焼入れ剤タンク40における液体焼入れ剤38の所定のレベルを維持することを可能とする任意の構造または任意の構造の組み合わせであり得ることは理解されるであろう。そのために、図1Aおよび図1Bは液体焼入れ剤38の過剰分が焼入れ剤供給64に向かって流れるのを可能にするように、焼入れ剤タンク40の上部に向かう導管として焼入れ剤レベル設定器62を示す。同様に、焼入れ剤供給64はタンクとして示されるが、一方、焼入れ再供給66はポンプとして示される。このように、焼入れ剤レベル設定器62は、それぞれその目的のために機能する1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)の1つ以上の第2のセルタイプ90および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の1つ以上の第1のセルタイプ80の上部の液体焼入れ剤38のレベルを維持し得る。
本発明の実施形態の態様によると、液体焼入れ剤38の温度を調節して、1つ以上のロッドまたはワイヤ11からの熱伝導率を調整することができるようにすることが望ましいこともあり得る。そのために、1つ以上の温度レギュレータ(図1A、図1Bおよび図1Cには示されない)を焼入れ剤タンク40、焼入れ剤供給64、または焼入れ剤タンク40および焼入れ剤供給64のいずれか1つに設けることが望ましいことがあり得るであろう。本実施形態の種々の態様によると、かかる1つ以上の温度レギュレータは、ヒータ、クーラまたはヒータおよびクーラを含み得るであろう。さらに、かかる1つ以上の温度レギュレータは市販されていることが理解されるであろう。
本発明の実施形態の他の態様によると、複数のロッドまたはワイヤ11は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′を含む、図2に示されるロッドまたはワイヤ製造システム10か、または図1Aおよび図1Bに示される加熱−冷却作業12のいずれかを使用して処理され得る。例えば、1束につき約5〜90以上のワイヤを有するワイヤの束を、通常の生産時に同時に処理し得るであろう。他の金属らせん構造材料も同様に処理され得るであろう。かかる複数のロッドまたはワイヤ11は、有利に、複数のロッドもしくはワイヤ11化学的性質、複数のロッドもしくはワイヤ11の直径または複数のロッドもしくはワイヤ11の化学的性質および直径を含み得る。作業において、本出願人は、実質的に同じ化学的性質および/または実質的に同じ直径を有するロッドまたはワイヤ11がバンクとして運ばれ得るであろうと確信する。例えば、図1Aは、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を1つ以上の加熱ユニット32、32′、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)、および対応する少なくとも1つの巻き取りユニット16に供給する少なくとも1つの供給ユニット14として1つのバンクを示す。さらなる例として、図1Aは、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を1つ以上の加熱ユニット32(k)、32′(k)、1つ以上の適応可能焼入れ区域36(k)、36(n−1) (k)、1つ以上の適応可能浸漬区域37(k)、…37(n−1) (k)、37(n) (k)および対応する少なくとも1つの巻き取りユニット16に供給する少なくとも1つの供給ユニット14として第2のバンクを示す。図2に示されるロッドもしくはワイヤ製造システム10の1つ以上の加熱−冷却作業12、12′または図1Aおよび図1Bに示される加熱−冷却作業12は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′の独立した調整機能の結果としてかかる機能を有し得ることは理解されるであろう。詳細には、上記の独立した調整機能は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′内の独立した調整機能から生じ得る。上述のように、熱除去率は1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)、および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)のそれぞれに対して独立して調整され得る。加えて、1つのバンクの適応可能焼入れ区域36、36(n−1)の第1の数および適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の第2の数は、第1のロッドまたはワイヤ直径および組成の特性に合うように規定され得、一方、別のバンクの適応可能焼入れ区域36、36(n−1)の第3の数およびの適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の第4の数は、第2のロッドまたはワイヤ直径および組成の特性に合うように規定され得える。そのために、冷却ユニット8は、適応可能焼入れ区域36、36(n−1)の長さおよび/または適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の長さを変更する能力を介してさらなる調整機能を有することは理解されるであろう。
本発明の実施形態の1つの態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)は、溢れる液体焼入れ剤か発泡液体焼入れ剤のいずれかを供給し、一方、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)は発泡液体焼入れ剤を供給する。本発明の実施形態の別の態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)は発泡液体焼入れ剤を供給し、一方1つ以上の適応可能浸漬区域37…37(n−1)、37(n)は発泡液体焼入れ剤を供給する。本発明の実施形態のさらに別の態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)は発泡液体焼入れ剤を供給し、一方、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)は発泡液体焼入れ剤か、空気または不活性気体などの気体焼入れ剤のいずれかを供給する。本発明の実施形態のなおさらに別の態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)は溢れる液体焼入れ剤を供給し、一方、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の一部は発泡液体焼入れ剤を供給し、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の他の一部は、空気または不活性気体などの気体焼入れ剤を供給する。
本発明の実施形態の他の態様は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′を含む、図2に示されるロッドまたはワイヤ製造システム10か、または図1Aおよび図1Bに示される加熱−冷却作業12のいずれかのユニットもしくは構成要素の1つ以上と連通することが可能なコントローラ70を含む。かかるコントローラ70は、例えば、供給ユニット14からのロッドまたはワイヤ回収(payout)の速度および巻き取りユニット16による中間品または完成品18の巻き取り速度を規制し、これにより1つ以上のロッドまたはワイヤ11が加熱ユニット32、32′と冷却ユニット8を通って進行するにつれて、1つ以上のロッドまたはワイヤ11の所定の張力を作用させる機能を有し得る。また、コントローラ70は、種々の熱伝導調節器42、50のいずれかと連通して、例えば熱伝導係数、液体焼入れ剤38温度、適応可能焼入れ区域36、36(n−1)の数、適応可能浸漬区域37、…37(n−1)、37(n)の数または適宜前述のいずれかの任意の組み合わせを変更することにより、熱伝導率の調整を可能とするように構成され得る。
コントローラ70は、任意の周辺機器の必要条件を満たす複数の入力および出力を備えた市販のコントローラであり得る。コントローラ70は、マイクロコントローラ、適切なハードウェアおよびソフトウェアを備えたPCおよびこれら1つ以上の組み合わせのいずれか1つであり得る。ロッドまたはワイヤ製造システム10または1つ以上の加熱−冷却作業12、12′aにおいて使用され得るコントローラに関する詳細は、例えば、それぞれの開示全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,980,078号、同第5,726,912号、同第5,689,415号、同第5,579,218号、同第5,351,200号、同第4,916,600号、同第4,646,223号、同第4,344,127号および同第4,396,976号において論じられる。
図1Aおよび図1Bには示されていないが、1つの以上のロッドまたはワイヤ11の温度は、1つ以上の加熱ユニット32、32′のそれぞれ、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n−1)のそれぞれ、1つ以上の多数の適応可能浸漬区域37…37(n−1)、37(n)のそれぞれ、または前述のいずれかの任意の組み合わせのいずれか1つを経て、例えば温度測定装置(例えば、Houston TexasのRaytex Equipment CompnayのRaytex 500〜1100℃近接フォーカス光ファイバタイプなどの温度計など光学タイプ高温計または他の任意の適切な代替タイプ)を使用して測定し得る。このように、加熱−冷却作業12の態様は、所定の、または所望の中間品または完成品18を得るのに適切なレベルに対応するように調節され得るであろう。代替的には、ロッドまたはワイヤ11温度は、ロッドまたはワイヤ11が最初にシステムに供給される場合、システム、作業、ユニットおよび/または区域を設置している間に測定され得る。この場合、ロッドまたはワイヤ11の温度測定は、各作業に適切なレベルを設定するように、作業、ユニットおよび/もしくは区域を通って進行するにつれて、またはその後に行われ得る。
本発明の態様および実施形態の理解のために、本出願人は以下の非制限的実施例を提供する。供給作業14、加熱ユニット32、冷却ユニット8、巻き取りユニット16を含む加熱−冷却作業12が構成された。加熱ユニット32(例えば、Winston Salem,North Carolina 27177−2037のThermcraft,Inc.により製造されたThermcraft、長さ6′、1600℃チューブ炉)は、温度測定装置(Windsor,New Jersey,08561−0479のPyrometer Instrument Companyの(高温計(700〜1400℃))を備えて、ワイヤ11の温度をそれが排出されたときに測定した。適応可能焼入れ区域36および適応可能浸漬区域37として、冷却ユニット8は5つの連続セルを含む。
第1のセル(20)は実質的に図1Cに示される第2のセルタイプ90のタイプであり、さらに、熱源(例えば、定格240V、4.5Kwで、約100℃などの予め選択された温度に液体焼入れ剤を維持することができるサイズの3相の従来の電気浸漬ヒータ)を含む。熱伝導調節器42の調節機構46として、冷却ユニット8は、気体媒質供給44(例えば、定格XXPSIのACSIデジタル圧力計(部品番号1200−0030,602056)、Ashcroft.com(Ashcroft,Inc)の0〜200PSF気圧計と、Speedaire2Z767D,200PSI 125°F空気レギュレータ(Grainger.comにて販売)とを含む)と連通した、空気レギュレータ(Michigan City,IndianaのDwyer Instruments,Inc.の定格0〜50L/min.のDwyer Air Flow計)を含む。熱伝導調節器50の調節機構54として、冷却ユニット8は、焼入れ剤供給器52(Bell&Gossett NBF−220 110℃、15PASI,115V,2ワット(P83033モデル)再循環ポンプなど)を含む。4つの後続のセル(21,22、23および24)は図1Cに示される第1のセルタイプ80と実質的に同じタイプであり、さらに熱源(例えば、定格240V,4.5Kw,3相の従来の電気浸漬ヒータ)を含む。
ワイヤ11のコイル、2.0mmの公称直径を有する1090に指定される従来のスチールワイヤ(例えば、AISI−SAE合金鋼指定)または代替的に1.2mmの公称直径を有する1070(例えば、AISI−SAE合金鋼指定)が、典型滝な工業処理作業と同様に供給作業14において搭載される。ワイヤ11は、例えばスチールで構成されるワイヤ11に対して約930〜1020℃に加熱するための加熱ユニット32を通って供給される。加熱されたワイヤ11はその後、例えば、ローラガイド(図1Aおよび図1bには図示されない)により、適応可能焼入れ区域36として動作するように構成される第1のセル(20)のわずかに上部に導かれ、ここで、液体焼入れ剤38へ気体媒質が導入されてその結果ワイヤ11を実質的に完全に覆う発泡液体焼入れ剤が生じることにより、液体焼入れ剤38は第1のセルの上面を覆うように移動される。ワイヤ11は、後続の4つのセル(21、22、23および24)の上面に亘って、連続して発泡液体焼入れ剤を通って進行する。後続の4つのセルの第1番目は適応可能焼入れ区域36または適応可能浸漬区域37のいずれかとして構成され得るが、後続の4つのセルの2番目から4番目は典型的には適応可能浸漬区域37として構成される。後続の4つのセルのうちの4番目(24)の発泡液体焼入れ剤を通過した後、ワイヤ11は空気を介した蒸発により乾燥し、中間品または完成品18(例えば、処理ワイヤ)を形成し、これはロールガイドを通過して、加熱−冷却作業12の末端にあるリール巻き取りユニット16上に巻かれる。
以上のように、気体媒質供給44により供給される気体媒質(例えば、1つ以上の実質的に不活性気体、1つ以上の反応性気体または1つ以上の不活性気体および1つ以上の反応性気体のうちのいずれか1つが適当であり得る)を使用して、発泡液体焼入れ剤を形成し得る。液体焼入れ剤38に捕捉された気体媒質の量は、例えば、気体媒質流速および/または捕捉された気体媒質の体積割合を変化させて強制対流熱伝導係数を調整することにより変化させ得る。例えば、図3は、液体焼入れ剤80に捕捉された空気に対する対流熱伝導係数の変化を表すが、ここでは空気は約0.5W/(sq.m*K)であると推定され、液体焼入れ剤80(例えば、実質的に空気なしの水)は約10,000W/sq.m*K)と推定される。かかる強制対流熱伝導係数は、図3に示すように液体焼入れ剤80(例えば水)に捕捉された空気の量が変化するにつれて直線的に変化し得る。
図4は、1080鋼(例えば、AISI−SAE合金鋼指定)に対する典型的時間、温度、変態(TTT)曲線を表す。1080鋼の工業的伸線に対する所望の構造は、1080鋼をある温度(約930〜1020℃)に十分な時間加熱して、安定したオーステナイトフィールドにおいて十分均一な構造を得、その後不安的なオーステナイトフィールドのままで、図4に示すすべての曲線の左手に留まるようにオーステナイト化された1080鋼ワイヤを約540℃に急速冷却する(例えば、約1秒)ことを含む熱処理により理論的に展開される。約540℃で一旦、1080スチールワイヤを約540℃に適当な時間(例えば、約6秒)維持して、所定の形態を有するパールライト構造(例えば、フェライトおよびセメンタイト相)への不安定なオーステナイト構造の変態を制御することが望ましいであろう。一旦所定の形態が得られると、例えば進行するロッドまたはワイヤをさらに冷却することにより、それを保存するのが望ましいであろう。製造環境においては、これは非常に難しいことであり得る。というのは、最初の瞬間で進行するロッドまたはワイヤを急速に加熱および冷却することは難問であり、また進行するロッドまたはワイヤを実質的に等温に維持することは今のところ難問だからである。詳細には、加熱ユニットおよび/または冷却ユニットが実質的に等温に維持され得たとしても、今のところ実質的に対処不可能な形で、その温度を上げるために進行するロッドまたはワイヤを加熱し得る変態の熱には、ロッドまたはワイヤの相変態(例えば、不安定オーステナイトからパールライト)が伴う。
図5は、共折鋼(約0.8から0.83炭素を備えた鉄/炭素鋼)に対する、TTT曲線を示し、所望の構造を獲得するのに、かかる組成を有するロッドまたはワイヤの処理時において熱除去領域の少なくとも3つの異なる速度があり得ることを示す。本発明の実施形態の態様によると、熱除去領域のそのような異なる速度は、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…、36(n−1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n−1)、37(n)を有する加熱−冷却作業12を使用して提供され得る。そのために、図5は、かかる1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…36(n−1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n−1)、37(n)を特定して所望の構造をどのように獲得し得るかについてのガイドを提供し得る。
熱伝導率が主として対流による場合、これは典型的に工業作業に多いが、理論的には、周囲の媒質に対する単位表面積(A)当たりの熱伝導率(Q)はニュートンの冷却法則により、以下のように表され得る。
Figure 2015045093
1.式中、(1)Q/Aはロッドまたはワイヤの単位表面積(A)当たりの周囲の媒質に伝導される熱の比率(Q)(Q/Aはときには熱流速とも呼ばれる)であり、
2.Twは進行するロッドまたはワイヤの温度であり、
3.Tmは熱を吸収するまたは受け取る媒質の温度(例えば、液体焼入れ剤、発泡焼入れ剤、気体焼入れ剤…など)であり、
4.hは対流熱伝導係数である。
複雑な状況のこの簡素化は、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…、36(n−1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n−1)、37(n)のタイプおよび数を特定するためのガイドとして使用され得ることは理解されるであろう。一旦タイプおよび数が特定されると、この簡素化は、かかる変化する熱伝導率がどのように達成され得るかを特定するためのガイドとして使用され得る。例えば、本明細書で論じられるように、熱流速は、熱伝導係数(h)、温度差(Tw−Tm)またはその両方のいずれか1つを変化させることにより変化させ得る。同様に本明細書で論じられるように、熱伝導係数(h)は、1つ以上の焼入れ剤組成、焼入れ剤形態、焼入れ剤組成および焼入れ剤形態、焼入れ剤熱容量、進行するロッドまたはワイヤに最も近い焼入れ剤を供給またはリフレッシングする速度を変化させることにより変化され得る。
例えば、進行するロッドまたはワイヤ温度を、短時間(例えば、約1秒以下)で約930〜1020℃から540℃に下げるためには、高熱伝導率が望まれるであろう。そのためには、図5の領域(60)での熱流束を増加させるためには、上記オプションのいくつかが有効である。液体焼入れ剤38の温度を操作して、より大きい温度差(Tw−Tm)を達成することにより熱流束にゲインがあり得るようである。また、図5の領域(60)において対流熱伝導係数を操作することにより熱流束においてさらに大きいゲインがあり得るようである。従って、少なくとも1つ適応可能焼入れ区域36が特定され得る。
図5の領域(61)では、進行ロッドまたはワイヤ11は実質的に等温に維持されるべきである。しかし、そうするためには、オーステナイトからパールライト変態(例えば、発熱変態)によりロッドまたはワイヤ11への放熱を説明することが望ましいであろう。液体焼入れ剤38の温度を操作して、より大きい温度差(Tw−Tm)を達成することによる熱流束制御に関しては難問があり得るようである。代替的には、図5の領域(60)において対流熱伝導係数を操作することによる熱流束においてより良好なゲインがあり得るようである。従って、オーステナイトからパールライトへの発熱反応時の温度に進行するロッドまたはワイヤ11を保つのに適するように、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36または少なくとも1つの適応可能浸漬区域37または、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36および少なくとも1つの適応可能浸漬区域37が特定され得るであろう。
図5の領域(62)では、進行するロッドまたはワイヤ11は、例えばオーステナイトからパールライトの変態を実質的に完了するために実質的に等温に維持され、その後安全な作業温度で冷却されるべきである。ここでは、液体焼入れ剤38の温度を操作してより大きい温度差(Tw−Tm)を達成するか、または図5の領域(62)において対流熱伝導係数を操作するかのいずれかにより熱流束を制御するオプションを有するのが望ましいようである。従って、進行するロッドまたはワイヤ11の温度を制御するのに適するように、少なくとも1つの適応可能浸漬区域37が特定され得るであろう。
AISI−SAE1090鋼を含む、本発明の実施形態の態様による冷却ユニット8、方法および/または加熱−冷却作業12のいくつか実施例が下記の表3に提供される。
Figure 2015045093
表3のデータから分かるように、公称2mm直径のAISI−SAE1090スチールワイヤが、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36および少なくとも1つの適応可能浸漬区域37として構成される複数のセル(20〜24)を含む加熱−冷却作業12を使用して処理された場合、かかるワイヤ11の破壊荷重および引張強度が調整され得る。詳細には、加熱された公称2mm直径AISI−SAE1090スチールワイヤは、液体焼入れ剤38(例えば、上述のようにRAQ−TWT焼入れ溶液が混合された水から成る)と
、異なる速度で気体媒質(例えば空気から成る)を複数のセル(20〜24)に供給して、それにより多様な発泡液体焼入れ剤構成を形成するための気体媒質供給44の調節機構46とを含む、冷却ユニット8に供給された。
表3にまとめられる実施例1では、公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)を複数のセル(20〜24)のうちの4つで構成された冷却ユニット8を使用して処理すると、3600ニュートン(N)の破壊荷重および1192メガパスカル(MPa)の引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表3にまとめられた実施例6では、同じ公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)を、複数のセル(20〜24)のうち2つだけで構成された冷却ユニット8を使用して処理すると、3947Nの増加した破壊荷重と、1305MPaの引張強度を備えた処理ワイヤが生成された。表3にまとめられた実施例20では、公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)を、複数のセル(20〜24)のうちすべてのセルで構成された冷却ユニット8を使用して処理すると、4171Nの増加した破壊荷重と、1381MPaに増加した引張強度を備えた処理ワイヤが生成された。表3にまとめられた実施例のすべてにおいて、公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)から成るロッドまたはワイヤ11は、1分当たり約7メートルの一定のワイヤスピードで運ばれた。
これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けることにより、1090ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示した。また、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用することにより、1090ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示した。さらに、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けることにより、1090ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示した。本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けて、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用して、および/または本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けた場合、任意の多様な異なる組成を有するロッドまたはワイヤ11を処理すると、同様または同一の利点が達成され得ることは明らかであろう。
AISI−SAE1070鋼に関する本発明の実施形態の態様による冷却ユニット8、方法および/または加熱−冷却作業12のいくつかの実施例が下記の表4に提供され、図6、図7および図8は対応するTTT曲線を示す。
Figure 2015045093
表4のデータから分かるように、公称1.2mm直径のAISI−SAE1070鋼ワイヤは、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36および少なくとも1つの適応可能浸漬区域37として構成される複数のセル(20〜24)を含む加熱−冷却作業12を使用して処理された。詳細には、加熱された公称1.2mm直径AISI−SAE1090スチールワイヤは、液体焼入れ剤38(例えば、上述のようにRAQ−TWT焼入れ溶液が混合された水から成る)と、異なる速度で液体焼入れ剤38を複数のセル(20〜24)のうちの第1のセル(20)に供給するための焼入れ剤供給器52の調節機構54と、異なる速度で気体媒質(例えば空気から成る)を複数のセル(20〜24)に供給して、それにより多様な発泡液体焼入れ剤構成を形成するための気体媒質供給44の調節機構46とを含む、冷却ユニット8に供給された。
実施例Aでは、複数のセル(20〜24)のうち第1のセル(20)は、進行するロッドまたはワイヤ11に直交した約3/8インチの丸いスプレーを適用するように修正された。
実施例B〜Eでは、複数のセル(20〜24)のうち第1のセル(20)は、進行するロッドまたはワイヤ11に平行な約6インチの扁平なスプレー(約1/8インチの厚さ)を適用するように修正された。
実施例F〜Kでは、複数のセル(20〜24)のうちの第1のセル(20)は、1.5〜3g/mの範囲の種々の流速で液体焼入れ剤38を供給するように修正され、一方、進行するロッドまたはワイヤ11は公称3/8インチ直径、4インチの長さのパイプで包み込まれるようにした。
表4にまとめられた実施例Aでは、構成された冷却ユニット8を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1289ニュートン(N)の増加した破壊荷重と、1148メガパスカル(MPa)の引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表4にまとめられた実施例Dでは、構成された冷却ユニット8を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1276Nの増加した破壊荷重と、1168MPaの引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表4にまとめられた実施例Hでは、構成された冷却ユニット8と、流れる液体焼入れ剤38が充填されたパイプを通って導かれると加熱された進行するロッドまたはワイヤ11の完全な液体焼入れ剤38浸漬が提供されるように構成された第1のセル(20)を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1267Nの増加した破壊荷重と、1153MPaの引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表4にまとめられた実施例Iでは、構成された冷却ユニット8と、流れる液体焼入れ剤38が充填されたパイプを通って導かれると加熱された進行するロッドまたはワイヤ11の完全な液体焼入れ剤38浸漬が提供されるように構成された第1のセル(20)を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1407Nの増加した破壊荷重と、1234MPaの引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表3にまとめられた実施例のすべてにおいて、公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)から成るロッドまたはワイヤ11は、1分当たり約12.5メートルの一定のワイヤスピードで運ばれた。
これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けることにより、1070ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示す。また、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用することにより、1090ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示す。さらに、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けることにより、1070ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示す。本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けて、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用して、および/または本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けた場合、任意の多様な異なる組成を有するロッドまたはワイヤ11を処理すると、同様または同一の利点が達成され得ることは明らかであろう。
さらなる実施例では、1回の製造工程から得られた溶鋼(one heat of steel)からのAISI−SAE1090伸線ワイヤを購入して、ロットに分け、液体焼入れ剤流動床技術(これも本発明の実施形態の態様による冷却ユニット8および/または加熱−冷却作業12であり、本明細書ではこれよりLQFと呼ばれる)、鉛系作業(本明細書ではこれより鉛パテンチングおよびSTDとも呼ばれる)、および空気流動砂床系作業(air fluidized sand bed based operation)(本明細書ではこれより流動床パテンチングおよびFBPとも呼ばれる)の比較のためにタイヤコード製造参加者に提供した。公称1.95mmのワイヤが、種々の技術(例えば、図2を参照して説明されたような)を使用してパテンチングおよびめっきを施された後、公称0.35mmに伸線された。金型実行の際の各位置における引張強度および真応力を判定することにより真応力ひずみ曲線が生成された。各曲線は同様であり、それぞれの場合においてLQF製品がより高い最終強度を生み出した。LQFおよび鉛パテンチング(STD)が施された製品のねじり特性は安定していた。空気流動砂(FBP)製品はねじりにおいて安定しなかった。引張強度および真応力調査の結果は下記の表3にまとめられ、図9はその調査の真応力ひずみ曲線を示す。
Figure 2015045093
微細構造解析は、鉛(STD)パテンチングが施された製品およびLQFパテンチングが施された製品に関して完了した。公称直径は約2.0mmで種々の化学的性質が検査された。調査を完了するために、微細パールライト、変性パールライトおよびベイライト(degenerative perlite&bainite)およびフラグメントパールライトの割合に関して評価された。いずれの場合においても、初析微視的成分は観察されなかった。その結果、LQF製品は概ね高い割合の微細パールライトと、同様の量の変性パールライトおよびベイライトと、わずかに少ないフラグメントパールライトとを有することがわかった。本出願人は、さらなる改良を通して、LQFパテンチングは、変性パールライトおよびベイライトを犠牲にして微細パールライトの量を増加することができるであろうと予測している。調査の結果は下記の表4にまとめられ、図10においてグラフに示される。
Figure 2015045093
本明細書で提供される図示および実施例は説明目的のためであり、特許請求の範囲を限定することを意図しない。
当業者は前述の説明を読めば一定の変更例および改良が思いつくであろう。例えば、他のらせん構造材料ならびに金属形状およびサイズもまた、システム、作業、ユニット、区域、製品および/または処理の必要条件に依存して、システム、1つ以上の作業、1つ以上のユニット、1つ以上の区域および/または1つ以上の処理工程のいずれか1つに対する変更により提供され得るであろう。かかる変形および改良はすべて、簡潔に、また読みやすくするために省略されているが、厳密に特許請求の範囲内にあることが理解されなければならない。
冷却ユニット8
ロッドまたはワイヤ製造システム10
ロッドまたはワイヤ11
加熱−冷却作業12
供給ユニット14
巻き取りユニット16
中間品17
中間品17′
中間品17″
中間品17(n−1)
中間品17(n)
中間品または完成品18
第1の伸線ユニット20
第2の伸線ユニット20′
第3の伸線ユニット20″
第1の洗浄ユニット24
第2の洗浄ユニット24′
コーティングユニット26
より線ユニット30
第1の加熱(焼鈍)ユニット32
第2の加熱(焼鈍)ユニット32′
冷却(焼入れ)ユニット34
適応可能焼入れ区域36
適応可能焼入れ区域36′
適応可能焼入れ区域36(n−1)
適応可能焼入れ区域36(n)
適応可能浸漬区域37
適応可能浸漬区域37′
適応可能浸漬区域37(n−1)
適応可能浸漬区域37(n)
液体焼入れ剤38
焼入れ剤タンク40
第1の熱伝導調節器42
気体媒質供給44
気体媒質洗浄器45
調節機構46
圧力等化器47
圧力レギュレータ48
第2の熱伝導調節器50
焼入れ供給器52
調節機構54
流量制御56
焼入れ剤レベル制御60
焼入れ剤レベル設定器62
焼入れ剤供給64
焼入れ剤再供給器66
コントローラ70
第1のセルタイプ80
ディフューザ82
多孔性媒体84
ソケット86
第2のセルタイプ90
ライン92
選択器94
バイパス96
残留物除去器98
優先権主張出願
本願は、参照により全体において本明細書に援用される、“THERMODYNAMIC METAL TREATING APPARATUS AND METHOD”と題され、2006年7月14日に出願された米国出願第11/487,004号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、少なくとも1つの加熱−冷却ユニットを含むロッドまたはワイヤ製造システムに関する。また、本発明はロッドまたはワイヤを加熱して、その後冷却する工程を含む、ロッドまたはワイヤを製造する方法に関する。さらに、本発明はロッドもしくはワイヤ製造システムの使用により生じる製品および/またはロッドもしくはワイヤを加熱してその後冷却する工程を含むロッドもしくはワイヤを製造する方法に関する。
背景
産業用の伸線されたロッドまたはワイヤは、アルミニウム、銅、合金鋼および炭素鋼を含むが、これらに限定されない種々の金属または合金から構成され得る。炭素鋼を使用して構成される場合、炭素含有量は約0.35重量%から1.1重量%の範囲であり得る。炭素鋼はまた、クロム(Cr)、ホウ素(B)、ケイ素(Si)またはこれらの元素の組み合わせなどの合金元素を含み得る。
伸線前に、材料には通常焼鈍として既知の熱処理が施される。炭素鋼に関しては、熱処理は、加熱炉などの熱源にロッドまたはワイヤを通し、ロッドまたはワイヤを約930℃から1020℃まで加熱する工程からなる。この高温処理は、規制された粒度を備えた均一な面心立方オーステナイト相(uniform face centered cubic austenite phase)を生成して、その後の製品の延性を決定するのに役立つ。その後の空気中またはより一般的には融解された鉛もしくは流動砂の中での冷却により、面心立方オーステナイトから、併せてパーライトと呼ばれる、交互のプレートに(in alternating plates)配置される体心立方フェライトおよび斜方晶系セメンタイトへの相変態を生じる。この変態は、処理されるセクションが比較的小さい(概ね3.5mm未満)ので、急激である。得られる構造は、好適には粒界フェライトもセメンタイトもない非常に微細なパールライトで構成される。パールライトの粉末度は、製品の化学的性質および、オーステナイト化後に製品が低減される温度に依存する。焼鈍されると、微細なパールライトロッドまたはワイヤは伸線されて、97%まで、ときにはそれを超えるまで面積が低減され、非常に高度の伸線フィラメント強度を生じることが可能である。最終的な伸線フィラメント強度は非常に微細なパーライトサイズのために並外れた耐疲労性、優れた表面品質および伸線方向のセメンタイトプレートの配列を提供する。
流動床による熱処理金属体が既知であり、気体中に懸濁された砂などの固形媒質の温度を使用して熱伝導率を規制する。ロッドまたはワイヤの単位表面積当たりの周囲の媒質への熱伝導率は、対流熱伝導係数が選択された媒質に対して一定であるので、媒質の温度によって決定される。
液体鉛浴または媒質による熱処理金属体も既知であり、液体鉛浴の温度を使用して熱伝導率を規制する。ワイヤの単位表面積当たりの周囲の媒質への熱伝導率は媒質の温度によって決定される。
空気による熱処理金属体も既知であり、空気の温度および速度を使用して熱伝導率を規制する。
しかしながら、流動砂または融解鉛浴の物理的特性が一旦設定されると、熱処理工程の柔軟性は制限される。異なる焼入れ温度を必要とするSAE1070鋼およびSAE1090鋼などの異なる化学的性質のらせん構造製品を処理する際には、焼入れ区域または槽のいずれか1つでは1つの温度だけが維持され得るので、両方を収容するのは不可能である。
合金鋼などの金属合金は、異なる目的で異なる産業において使用されるように、多くの異なる特性を備えて生成される。近年では、車両タイヤなどの産業用途に使用されるスチールらせん構造体やワイヤ、橋らせん構造体、プレストレストらせん構造体、亜鉛めっき伸線ワイヤ、ミュージックワイヤ、のこぎりワイヤおよび他の製品に対して、耐久性および強度改善の要求が高まってきている。車両の使用に関して、かかるタイヤは一般的に、従来の非ベルトタイヤに比べるとより強度で、最終的にはるかに長いタイヤとして実現されるスチールベルトラジアルと呼ばれる。
様々な企業が、タイヤ製造業者により使用されるタイヤワイヤコードを製造しているが、それらは通常スプールで供給され、SAE1070、1080、1090の指定標準合金および、使用されるスチールのタイプと同等の破壊荷重と最終伸線における合計面積縮小を有する指定非標準合金1090Cr、1090B、1090CrB、1080SiCrである。
長期使用後、スチールベルトタイヤのワイヤの一部が磨耗、疲労および破損するのは珍しいことではない。タイヤ製造業者および供給業者は、製造技術を変更したり他のより安価なスチール化合物、ワイヤ径などをテストして結果を変えることにより、スチールベルトタイヤの品質向上に努めている。
以上を鑑みると、上記の技術システムの不足に対応しつつ、新規および改良ロッドもしくはワイヤ製造システム、新規および改良加熱−冷却作業、新規および改良冷却ユニット、ロッドもしくはワイヤを製造する新規および改良方法、ならびに/または新規および改良ロッドもしくはワイヤを提供することは非常に望ましいことであろう。
発明の概要
本発明は、冷却ユニット、冷却ユニットを含む加熱−冷却作業、ロッドもしくはワイヤ製造システム、ロッドもしくはワイヤを製造する方法、ロッドもしくはワイヤの熱処理の方法、金属を処理する方法、スチールロッドもしくはスチールワイヤ、ならびに/または向上した引張強度を有する処理金属のうちのいずれか1つを提供することにより、これらおよび他の必要性を満たす。かかる冷却ユニットは、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域と、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域を含む。少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域は、少なくとも1つの連続供給ロッドまたは少なくとも1つの連続供給ワイヤを浸漬温度に焼入れすることが可能である。少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、熱処理を実質的に完了できるように少なくとも1つの連続供給ロッドまたは少なくとも1つの連続供給ワイヤを実質的に浸漬温度に維持することが可能である。冷却ユニット構成要素に加えて、加熱−冷却作業は、少なくとも1つの加熱ユニットを含む。かかる加熱ユニットは少なくとも1つの連続供給ロッドまたは少なくとも1つの連続供給ワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能である。単独作業として行われる場合、加熱−冷却作業は少なくとも1つの供給ユニットおよび少なくとも1つの巻き取りユニットも含む。少なくとも1つの供給ユニットは、少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能である。少なくとも1つの巻き取りユニットは、少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続して収集することが可能である。
本発明の1つの態様は、ともにロッドまたはワイヤ製造システムで使用可能な、冷却ユニットまたは冷却ユニットを含む加熱−冷却作業を提供することである。かかる冷却ユニットは少なくとも1つの熱伝導係数適用可能焼入れ区域と少なくとも1つの熱伝導係数適用可能浸漬区域とを含む。少なくとも1つの熱伝導係数適用可能焼入れ区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に焼入れすることが可能である。少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、熱処理を実質的に完了することが可能なように、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に実質的に維持することが可能である。冷却ユニット構成要素に加えて、加熱−冷却作業は少なくとも1つの加熱ユニットを含む。かかる加熱ユニットは、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能である。独立した作業とした場合、加熱−冷却作業は、さらに少なくとも1つの供給ユニットと少なくとも1つの巻き取りユニットを含む。少なくとも1つの供給ユニットは、少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能である。少なくとも1つの巻き取りユニットは少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続して収集することが可能である。
本発明の別の態様は、少なくとも1つの供給ユニットと、少なくとも1つの加熱ユニットと、少なくとも1つの冷却ユニットと、少なくとも1つの巻き取りユニットとを含む、ロッドまたはワイヤ製造システムを提供することである。少なくとも1つの供給ユニットは少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能である。少なくとも1つの加熱ユニットは、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能である。少なくとも1つの加熱ユニットの下流の少なくとも1つの冷却ユニットは、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域と少なくとも1つの適応可能浸漬区域とを含む。同様に、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に焼入れすることが可能である。同じく、少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に実質的に維持することが可能である。このように、少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤの実質的に完全な熱処理を促進する。少なくとも1つの巻き取りユニットは、少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続的に収集することが可能である。
本発明のさらに別の態様は、ロッドまたはワイヤを製造する方法を提供することである。かかる方法は、少なくとも1つのロッドまたはワイヤを、供給する工程と、加熱する工程と、焼入れする工程と、実質的に予め選択された温度に維持する工程と、収集する工程とを含む。供給する工程は、少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤの連続供給であり得る。加熱する工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱する工程を含む。焼入れする工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に冷却する工程を含む。予め選択された浸漬温度に実質的に維持する工程は、少なくとも発泡液体焼入れ剤を供給して、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤの熱処理を実質的に完了することにより達成され得る。収集する工程は、少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤの連続収集であり得る。
本発明のさらなる態様は、ロッドまたはワイヤの熱処理の方法を提供することである。かかる熱処理は、加熱する工程と、焼入れする工程と、浸漬する工程とを含む。加熱する工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱する工程を含む。焼入れする工程は、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に焼入れする工程を含む。浸漬する工程は、少なくとも発泡液体焼入れ剤を提供して、実質的に熱処理を完了することが可能なように、少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に実質的に維持する工程を含む。
本発明の別のさらなる態様は、金属を処理する方法を提供することである。方法は、加熱する工程と、少なくとも1つの焼入れ剤(quenchant)にさらす工程と、制御する工程と、除去する工程とを含む。加熱する工程は、金属を加熱する工程を含む。さらす工程は、加熱された金属を、液体および気体または気体媒質混合物を含む少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程を含む。制御する工程は、少なくとも1つの液体/気体または気体媒質混合物を制御する工程を含む。除去する工程は、処理された金属を焼入れ剤から除去する工程を含む。
本発明のさらに別のさらなる態様は、少なくとも約39面積パーセントの微細パールライトを含むスチールロッドまたはスチールワイヤを提供することである。別の態様では、かかるスチールロッドまたはスチールワイヤは、最大約45面積パーセントの微細パールライトを含む。
本発明の代替的態様は、向上した引張強度を有する処理金属を提供することである。かかる金属は、加熱する工程と、少なくとも1つの液体および気体または気体媒質混合物に導かれる工程と、除去する工程とで形成され得る。加熱する工程は、金属を選択された温度に加熱する工程を含む。導く工程は、加熱された金属を少なくとも1つの液体および気体または気体媒質混合物内に導いて、金属を処理する工程を含む。除去する工程は、少なくとも1つの液体およびまたは気体媒質混合から処理された金属を除去する工程を含む。
本発明のこれらならびに他の態様、利点および顕著な特徴は、以下の詳細な説明、添付図面および添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
図2のロッドまたはワイヤ製造システムとともに使用可能な、本発明の実施形態の態様による加熱ユニットを含む冷却ユニットの側視概略図を示す。 図1Aの冷却ユニットの平面概略図を示す。 図2のロッドまたはワイヤ製造システムとともに使用可能な、本発明の実施形態の態様による冷却ユニットの詳細の断面概略図を示す。 本発明の実施形態の態様によるロッドまたはワイヤ製造システムの側視概略図を示す。 焼入れ剤混合物の空気/水容積パーセントの対流係数のグラフを示す。 SAE1080鋼に対する典型的な時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 共折鋼に対する典型的な時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 SAE1070鋼に対する第1の時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 SAE1070鋼に対する第2の時間−温度変態(TTT)曲線を示す。 SAE1070鋼に対する第3の時間―温度変態(TTT)曲線を示す。 FBP製品、PBP製品、LQF製品(本発明の実施形態の態様による製品)に対する真応力ひずみ曲線を示す。 PBP製品およびLQF製品に対する微細構造解析結果を示す。
発明の詳細な説明
以下の説明では、同一の参照文字は、図に示されるいくつかの見方を通して同一または対応する部分を示す。また、「上部」「底部」「外側」「内側」などの用語は便宜上使用される言葉であり、限定的用語として解釈されるべきでないことも理解される。
図面全体および特に図1A、図1B、図1Cおよび図2を参照すると、図示は1つ以上の態様および/または本発明の実施形態を説明するのを目的とし、本発明を限定することを意図しないことは理解されるであろう。図2で最もよく分かるように、総称して10で示されるロッドまたはワイヤ製造システムは本発明により構成されるように示される。ロッドまたはワイヤ製造システム10は、少なくとも1つの供給ユニット14と、少なくとも1つの加熱−冷却作業12と、少なくとも1つの巻き取りユニット16とを含む。ロッドまたはワイヤ製造システム10は、1つ以上の伸線ユニット20、20′および20″、1つ以上の洗浄ユニット24および24″、1つ以上のコーティングユニット26、ならびに1つ以上のより線ユニット30のような1つ以上の仕上げまたは結合ユニットなどの他の構成要素を含み得ることは理解されるであろう。さらにロッドまたはワイヤ製造システム10は図2に描かれる構成要素の一部、図2に描かれる構成要素のすべて、図2に描かれるものに追加された構成要素、またはそれらの任意の組み合わせを含み得ることは理解されるであろう。理解されるように、図1A、図1B、図1Cおよび図2は、本明細書で使用されるようにすべての機械的、電気的および/または他の構成要素を完全に示しているわけではない。例えば、1つ以上の伸線ユニット20、20′および20″、1つ以上の洗浄ユニット24および24″、1つ以上のコーティングユニット26、ならびに1つ以上のより線ユニット30のような1つ以上の仕上げまたは結合ユニットは同業者には標準的で得、特定の必要用件に依存して大きさ、形状および効率性を変更し得る。
供給ユニット14を使用して稼働中の、図2に示されるロッドまたはワイヤ製造システム10は、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を設け、一方、巻き取りユニット16は、本発明の実施形態の態様では、1つ以上の熱処理されたロッドまたはワイヤ11であり得る1つ以上の中間品または完成品18を収集する。ユニット14と16の間で、1つ以上のロッドまたはワイヤ11が例えば第1の伸線ユニット20を通って運ばれ、中間品17を供給する。かかる中間品17は第1の加熱−冷却作業12が行われ、中間品17を焼鈍および焼入れし、今度は他の中間品17′を生み出す。この他の中間品17′はその後、第2の伸線作業20′に運ばれ、中間品17″を供給し得る。1つ以上の作業を行う各ユニットにより1つ以上の中間品17、17′、17″、…17(n)、17(n-1)を生み出し得ることは理解されるであろう。
上述のように、ロッドまたはワイヤ製造システム10の終わりでは、巻き取りユニット16が1つ以上の中間品または完成品18を収集し、これらは、さらなる製造工程において個々にフィードストックとして使用され得るか、または代替的に、さらなる製造工程においてフィードストックとして接合または結合された形態で使用される中間品または完成品18を生成するように、図2に示されるより線ユニット30を使用するなどして1つ以上の作業で接合または結合され得る。そのために、中間品または完成品18は、ワイヤ(例えば、囲いワイヤ:牛用囲い、羊用囲い、馬用囲い、耐ウサギ囲いなどを含むが、これに限定されない家畜用ワイヤ、トレリスを含むが、これに限定されない園芸用ワイヤ、海洋網ケージを含むが、これに限定されない水産養殖ワイヤ、ブライトワイヤ、亜鉛めっきワイヤ、チェーンメッシュワイヤ、機械バネワイヤ、ネイルワイヤ、コンクリート強化ワイヤ…など)、ロッドおよび/またはバー(例えば、コイル状ロッド、まっすぐなロッド、円形状、四角形状、六角形状、変形バー、扁平、軽量構造…など)、強化(例えばメッシュバー、強化バー、採掘メッシュ、工業用メッシュ、農業メッシュ…など)、コンクリートにおけるスチール(道路、橋、トンネル、住居、住居用建物、倉庫、ショッピングセンター、工場、アクセサリ、コンプリートパイプ、鉄道枕木…など)、採掘(例えば、引き綱ロープ、シャベルロープ、地層制御ベルト、地層制御メッシュ、ケーブルベルト…など)、製造(例えば、レールクリップ、一般的バネ、マットレスコイルおよび/またはバネ…などを含むが、これに限定されないバネ製造、溶接電極および/または溶接ワイヤを含むが、これに限定されない溶接、スクリーン、格子およびシェッドを含むがこれに限定されない組み立て、くぎおよび他の留め具を含むがこれに限定されない留め具、バネ、タイヤコード、タイヤビードワイヤ、他のスチールタイヤ強化、ブライトバー…などを含むが、これに限定されない自動車…など)のうちのいずれか1つを含み得る、そのようなものとして使用され得る、またはその中に含まれ得るが、これらに限定されない。
図1Aおよび図1Bは、本発明の態様による、加熱−冷却作業12を平面図および上面図としてそれぞれ示している。図2と同様に、図1Aおよび図1Bは1つ以上のロッドまたはワイヤ11を1つ以上の加熱ユニット32、32′に供給し、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を予め選択された温度に加熱する供給ユニット14を示す。1つ以上のロッドまたはワイヤ11は予め選択された温度に加熱された後、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…、36(n-1)と1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n-1)、37(n)を含む冷却ユニット8に供給される。
1つ以上の加熱されたロッドまたはワイヤ11は図1Aおよび図1Bに示すように、加熱ユニット32′を出ると、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)に入り得る。図1A、図1Bおよび図1Cは、1つ以上適応可能焼入れ区域36、36(n-1)として使用する本発明の実施形態の態様による焼入れ剤タンク40内の第2のセルタイプ90を示す。図1Cは、第2のセルタイプ90についてさらに詳細を示す。例えば、第2のセルタイプ90は例えば、第2のセルタイプ90の上部レベルの上方に溢れる液体として焼入れ剤を供給することが可能であり得る。液体焼入れ剤38の流れは、ポンプなどの液体焼入れ剤供給器52と、バルブ、流量計または流量計と組み合わされたバルブなどの調整機構54とを含む、第2の熱伝導調節器50により制御され得る。
本出願人は、適応可能焼入れ区域36、36(n-1)の第2のセルタイプ90への液体焼入れ剤38の流速を調節して、液体焼入れ剤38と溢れる液体焼入れ剤38を通って進行する1つ以上のロッドまたはワイヤ11との間の熱伝導係数を調整し得ることを見出した。詳細には、本出願人は、ロッドまたはワイヤ11に対して相互に作用する液体焼入れ剤38の流速は、ワイヤ焼入れ剤界面における熱伝導係数に影響を及ぼし得ることを見出した。本出願人は、焼入れ剤の流速が増加するにつれて、ロッドまたはワイヤ11/液体焼入れ剤38界面において沸騰膜(膜沸騰または膜水冷却とも呼ばれる)を形成する傾向は低減して、進行するロッドまたはワイヤ11と液体焼入れ剤38との間はより密接に接触するので、かかる界面における熱伝導係数は増加し得ると確信する。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、熱液体焼入れ剤38の組成を変化させてより小さいまたはより大きい熱伝導係数を生じ、ひいてはより小さいまたはより大きい熱除去率を生じることにより、熱除去率を調節し得ることが理解されるであろう。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、液体焼入れ剤38の温度を予め選択してより小さいまたはより大きい温度差を生じて、ひいてはより小さいまたはより大きい温度勾配を生じることにより、熱除去率が調整され得ることが理解されるであろう。このように、本発明の実施形態の態様による適応可能焼入れ区域36、36(n-1)は、熱伝導係数もしくは液体焼入れ剤38温度の独立した操作を介して、または熱伝導係数および液体焼入れ剤38温度の組み合わされた操作を介して、実質的に連続的に調整され得る調整可能熱除去率の機能を有する、1つ以上の調節可能焼入れ区域36、36(n-1)を提供し得る。
代替的に、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)は、焼入れ剤、例えば発泡体(例えば、液体焼入れ剤38に多くの気泡を捕捉することにより形成される)を、第2のセルタイプ90の上部レベルの上方に供給することが可能な第2のセルタイプ90を使用し得る。気泡として液体焼入れ剤38に捕捉される気体の量は、送風機または圧縮気体源などの気体媒質供給44と、焼入れ剤38に沈められた多孔性媒体84を含むディフューザ82と連通した、バルブ、流量計または流量計と組み合わされたバルブなどの調節機構46とを含む第1の熱伝導調節器42により制御され得る。第2のセルタイプ90と連通する熱伝導調節器42のさらなる詳細は図1Cで示され、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48により供給される気体を洗浄する気体媒質洗浄器45を含み得る。尚、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48はともに、予め選択された気体体積が予め選択された圧力でディフューザ82に供給されて、発泡体組成(例えば、液体焼入れ剤38に気泡として捕捉されて発泡体を生成する気体量)および/または体積を調整して、予め選択された熱伝導率を得ることを可能とするものである。
第2のセルタイプ90のさらなる特徴は図1Cに示され、適切な体積および圧力で焼入れ剤供給器52を介して液体焼入れ剤38を供給して、第2のセルタイプ90の上部レベルの上方に液体焼入れ剤38を溢れさせる能力と、液体焼入れ剤38が第2のセルタイプ90の上部レベルの上の泡立ちとして供給される際に、焼入れ剤タンク40から、また液体焼入れ剤供給器52を通過させることにより焼入れ剤38を供給する能力とを含む。本発明の実施形態の態様では、かかる柔軟性は、焼入れ剤供給器52から液体焼入れ剤38を受け取りつつ、焼入れ剤タンク40から第2のセルタイプ90の体積分を分離させることが可能な機構または選択器94(図1Cで示されるような三方弁など)を用いることで達成され得る。代替的には、かかる機構または選択器94(図1Cで示されるような三方弁など)は、液体焼入れ剤38が発泡体として供給される際に、第2のセルタイプ90の体積分が焼入れ剤タンク40と連通して、焼入れ剤タンク40から液体焼入れ剤38を受け取るのを可能とする。また、本出願人は、適切な液体焼入れ剤38流速が達成可能であるためには、領域96(例えば、第2のセルタイプ90の壁とディフューザ82の壁とのスペースにより画成される)が供給ライン92の断面積の少なくとも2倍あることが望ましいことを見出した。
1つ以上のロッドまたはワイヤ11が1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)を通って進行した後、1つ以上のロッドまたはワイヤ11は1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)を通って進行する。図1A、図1Bおよび図1Cは、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)として使用する、本発明の実施形態の別の態様による、焼入れ剤タンク40内の第1のセルタイプ80を示す。図1Cは第1のセルタイプ80に関するさらなる詳細を示す。例えば、第1のセルタイプ80は例えば、発泡体(例えば液体焼入れ剤38に多くの気泡を捕捉することにより形成される)として焼入れ剤を、第1のセルタイプ80の上部レベルの上方に供給することが可能であり得る。気泡として液体焼入れ剤38に捕捉される気体の量は、送風機または圧縮気体源などの気体媒質供給44と、焼入れ剤38に沈められた多孔性媒体84を含むディフューザ82と連通した、バルブ、流量計、または流量計と組み合わされたバルブなどの調節機構46とを含む第1の熱伝導調節器42により制御され得る。第1のセルタイプ80と連通する熱伝導調節器42のさらなる詳細は図1Cで示され、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48により供給される気体を洗浄する気体媒質洗浄器45を含み得る。尚、気体媒質供給44、圧力等化器47および圧力レギュレータ48はともに、予め選択された気体体積が予め選択された圧力でディフューザ82に供給されて、発泡体組成(例えば、液体焼入れ剤38に気泡として捕捉されて発泡体を生成する気体量)および/または体積を調整して、予め選択された熱伝導率を得ることを可能とするものである。
本出願人は、適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の第1のセルタイプ80への気体の流速を調節して、発泡焼入れ剤と発泡焼入れ剤を通って進行する1つ以上のロッドまたはワイヤ11との間の熱伝導係数を調整し得ることを見出した。詳細には、本出願人は、ロッドまたはワイヤ11に相互に対して作用する発泡焼入れ剤を生成するために使用される気体の流速は、熱伝導係数に影響を及ぼし得ることを見出した。本出願人は、発泡焼入れ剤を生成するのに使用される気体の流速が増加するにつれて、進行するロッドまたはワイヤ11と発泡体の液体焼入れ剤38との間の密接な接触量が低減する傾向があることを見出した。従って、熱伝導係率の低減が生じる。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、熱除去率は液体焼入れ剤38の組成を変化させてより小さいまたはより大きい熱伝導係数を生じ、ひいてはより小さいまたはより大きい熱除去率を生じることにより、熱除去率を調節し得ることは理解されるであろう。
熱伝導係数を調整して、進行するロッドまたはワイヤ11からの熱除去率を調節することに加えて、発泡焼入れ剤を生じるのに使用される液体焼入れ剤38の温度を予め選択することにより、熱除去率が調整され得ることが理解されるであろう。このように、本発明の実施形態の態様により、適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)が互いに独立しておよび/または適応可能焼入れ区域36、36(n-1)から独立して焼入れ剤タンク40を含む場合、熱伝導係数もしくは液体焼入れ剤38温度もしくは液体焼入れ剤38の組成の独立した操作を介して、または前述のいずれかの任意の組み合わせの組み合わせ操作(例えば、熱伝導係数と液体焼入れ剤38温度の操作、液体焼入れ剤38の組成と液体焼入れ剤38温度の操作、熱伝導係数と液体焼入れ剤38の組成の操作、熱伝導係数と液体焼入れ剤38温度と液体焼入れ剤38の組成の操作)を介して、実質的に連続して調整され得る調整可能熱除去率の機能を有する、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)を提供し得る。
第2のセルタイプ90および第1のセルタイプ80のさらなる特徴が図1Cに示され、ソケット86を使用してディフューザ82を取り外し可能に装着してディフューザ82をいずれかのセルタイプ80、90に対して設けるおよび/または交換する容易さを提供するという機能を含む。図示されていないが、ソケット86は、内周または外周のいずれかに1つ以上のシール材(例えば、Oリング)を収容するための1つ以上の戻り止めを設けることにより生成され得ることは理解されるであろう。1つ以上の外周戻り止めの場合、1つ以上のシール材(例えば、Oリング)の設置後、その外周に実質的に一致した内周を有する導管をソケット86に係合させ得る。1つ以上の内周戻り止めの場合は、1つ以上のシール材(例えば、Oリング)の設置後、その内周に実質的に一致した外周を有する導管をソケット86に係合させ得る。1つ以上の戻り止めはソケット86ではなく円周部に形成し得ることは理解されるであろう。
第2のセルタイプ90および第1のセルタイプ80のディフューザ82は、液体焼入れ剤38に気泡の捕捉を生じて発泡焼入れ剤を生成するように、大量の気体を供給することが可能な任意の設計のものであればよい。そのために、本出願人は、Purolator EEP(Tulsa,OK、Houston,TX、Shelby,NC、St.Catharines,Ontario,Canada、およびDalton,GAに拠点を置く)から市販されているもの、またPOROPLATE(登録商標)焼結積層スクリーンパックスとして販売されているものなどの多孔性媒体84が機能することを見出した。また、本出願人は、ディフューザ82の多孔性媒体84の外面が、焼入れ剤タンク40の液体焼入れ剤38の表面より実質的にほんの少し下になる分だけ、焼入れ剤タンク40に沈ませ得ることを見出した。同様に、本出願人は、例えば、圧力等化器47および/または圧力レギュレータ48における圧力は、デュフューザ82の多孔性媒体84の外面上方の液体焼入れ剤38の高さよりもほんの少し高いければ十分であることを見出した。さらに、本出願人は、発泡焼入れ剤を生成する際の液体焼入れ剤38の気体の捕捉が、焼入れ剤タンク40内の液体焼入れ剤38のかかる再循環を生じ、液体焼入れ剤38の温度は終始実質的均一であり得ることを見出した。
焼入れ剤タンク40の液体焼入れ剤38に関しては、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)および/または1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)をそれぞれ、その意図された目的のために機能させることが可能な任意の液体または液体混合物であり得る。また、図1A、図1Bおよび図1Cを参照して、液体焼入れ剤38は、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)の1つ以上の第2のセルタイプ90および/または1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の1つ以上の第1のセルタイプ80をそれぞれその意図された目的のために機能させることが可能な任意の液体または液体混合物であり得る。そのために、本出願人は、水、またはPhiladelphia,PennsylvaniaのRichards Apex,Incにより販売されているRAQ−TWT焼入れ溶液またはRAQ−TWT−2焼入れ溶液のいずれかと混合された水が機能可能であることを見出した。RAQ−TWT焼入れ溶液は、ポリアルキレングリコール−約45.5%、ポリエチレングリコールエステル−約12%、専用金属加工流体添加剤−約12%、消泡剤−約0.5%および水−約30%を含み、約3−9%の典型的pHを有する、専用の処方である。RAQ−TWT−2焼入れ溶液は、RAQ−TWT−2焼入れ溶液と実質的に同じであるが、消泡剤を含まない。これらの焼入れ溶液は、使用前に水で最大約90容量%あるいはそれ以上希釈され得る。約1%の濃度で水に加えられた場合の各焼入れ溶液の測定特性は、下記の表1および表2にまとめられる。他の商業用焼入れ液体または水も同様に、もしくは代わりに使用され得ることは理解されるであろう。
Figure 2015045093
Figure 2015045093
冷却システム8の焼入れ剤タンク40の別の態様は、焼入れ剤レベル設定器62、焼入れ剤供給64および焼入れ剤再供給66を含み得る焼入れ剤レベル制御60である。焼入れ剤レベル制御60は、冷却システム8の1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37…37(n-1)、37(n)が本明細書に記載される種々のモードまたは方法で動作することが可能であるように、焼入れ剤タンク40における液体焼入れ剤38の所定のレベルを維持することを可能とする任意の構造または任意の構造の組み合わせであり得ることは理解されるであろう。そのために、図1Aおよび図1Bは液体焼入れ剤38の過剰分が焼入れ剤供給64に向かって流れるのを可能にするように、焼入れ剤タンク40の上部に向かう導管として焼入れ剤レベル設定器62を示す。同様に、焼入れ剤供給64はタンクとして示されるが、一方、焼入れ再供給66はポンプとして示される。このように、焼入れ剤レベル設定器62は、それぞれその目的のために機能する1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)の1つ以上の第2のセルタイプ90および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の1つ以上の第1のセルタイプ80の上部の液体焼入れ剤38のレベルを維持し得る。
本発明の実施形態の態様によると、液体焼入れ剤38の温度を調節して、1つ以上のロッドまたはワイヤ11からの熱伝導率を調整することができるようにすることが望ましいこともあり得る。そのために、1つ以上の温度レギュレータ(図1A、図1Bおよび図1Cには示されない)を焼入れ剤タンク40、焼入れ剤供給64、または焼入れ剤タンク40および焼入れ剤供給64のいずれか1つに設けることが望ましいことがあり得るであろう。本実施形態の種々の態様によると、かかる1つ以上の温度レギュレータは、ヒータ、クーラまたはヒータおよびクーラを含み得るであろう。さらに、かかる1つ以上の温度レギュレータは市販されていることが理解されるであろう。
本発明の実施形態の他の態様によると、複数のロッドまたはワイヤ11は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′を含む、図2に示されるロッドまたはワイヤ製造システム10か、または図1Aおよび図1Bに示される加熱−冷却作業12のいずれかを使用して処理され得る。例えば、1束につき約5〜90以上のワイヤを有するワイヤの束を、通常の生産時に同時に処理し得るであろう。他の金属らせん構造材料も同様に処理され得るであろう。かかる複数のロッドまたはワイヤ11は、有利に、複数のロッドもしくはワイヤ11化学的性質、複数のロッドもしくはワイヤ11の直径または複数のロッドもしくはワイヤ11の化学的性質および直径を含み得る。作業において、本出願人は、実質的に同じ化学的性質および/または実質的に同じ直径を有するロッドまたはワイヤ11がバンクとして運ばれ得るであろうと確信する。例えば、図1Aは、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を1つ以上の加熱ユニット32、32′、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)、および対応する少なくとも1つの巻き取りユニット16に供給する少なくとも1つの供給ユニット14として1つのバンクを示す。さらなる例として、図1は、1つ以上のロッドまたはワイヤ11を1つ以上の加熱ユニット32(k)、32′(k)、1つ以上の適応可能焼入れ区域36(k)、36(n-1) (k)、1つ以上の適応可能浸漬区域37(k)、…37(n-1) (k)、37(n) (k)および対応する少なくとも1つの巻き取りユニット16に供給する少なくとも1つの供給ユニット14として第2のバンクを示す。図2に示されるロッドもしくはワイヤ製造システム10の1つ以上の加熱−冷却作業12、12′または図1Aおよび図1Bに示される加熱−冷却作業12は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′の独立した調整機能の結果としてかかる機能を有し得ることは理解されるであろう。詳細には、上記の独立した調整機能は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′内の独立した調整機能から生じ得る。上述のように、熱除去率は1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)、および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)のそれぞれに対して独立して調整され得る。加えて、1つのバンクの適応可能焼入れ区域36、36(n-1)の第1の数および適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の第2の数は、第1のロッドまたはワイヤ直径および組成の特性に合うように規定され得、一方、別のバンクの適応可能焼入れ区域36、36(n-1)の第3の数およびの適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の第4の数は、第2のロッドまたはワイヤ直径および組成の特性に合うように規定され得える。そのために、冷却ユニット8は、適応可能焼入れ区域36、36(n-1)の長さおよび/または適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の長さを変更する能力を介してさらなる調整機能を有することは理解されるであろう。
本発明の実施形態の1つの態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)は、溢れる液体焼入れ剤か発泡液体焼入れ剤のいずれかを供給し、一方、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)は発泡液体焼入れ剤を供給する。本発明の実施形態の別の態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)は発泡液体焼入れ剤を供給し、一方1つ以上の適応可能浸漬区域37…37(n-1)、37(n)は発泡液体焼入れ剤を供給する。本発明の実施形態のさらに別の態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)は発泡液体焼入れ剤を供給し、一方、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)は発泡液体焼入れ剤か、空気または不活性気体などの気体焼入れ剤のいずれかを供給する。本発明の実施形態のなおさらに別の態様では、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)は溢れる液体焼入れ剤を供給し、一方、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の一部は発泡液体焼入れ剤を供給し、1つ以上の適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の他の一部は、空気または不活性気体などの気体焼入れ剤を供給する。
本発明の実施形態の他の態様は、1つ以上の加熱−冷却作業12、12′を含む、図2に示されるロッドまたはワイヤ製造システム10か、または図1Aおよび図1Bに示される加熱−冷却作業12のいずれかのユニットもしくは構成要素の1つ以上と連通することが可能なコントローラ70を含む。かかるコントローラ70は、例えば、供給ユニット14からのロッドまたはワイヤ回収(payout)の速度および巻き取りユニット16による中間品または完成品18の巻き取り速度を規制し、これにより1つ以上のロッドまたはワイヤ11が加熱ユニット32、32′と冷却ユニット8を通って進行するにつれて、1つ以上のロッドまたはワイヤ11の所定の張力を作用させる機能を有し得る。また、コントローラ70は、種々の熱伝導調節器42、50のいずれかと連通して、例えば熱伝導係数、液体焼入れ剤38温度、適応可能焼入れ区域36、36(n-1)の数、適応可能浸漬区域37、…37(n-1)、37(n)の数または適宜前述のいずれかの任意の組み合わせを変更することにより、熱伝導率の調整を可能とするように構成され得る。
コントローラ70は、任意の周辺機器の必要条件を満たす複数の入力および出力を備えた市販のコントローラであり得る。コントローラ70は、マイクロコントローラ、適切なハードウェアおよびソフトウェアを備えたPCおよびこれら1つ以上の組み合わせのいずれか1つであり得る。ロッドまたはワイヤ製造システム10または1つ以上の加熱−冷却作業12、12′において使用され得るコントローラに関する詳細は、例えば、それぞれの開示全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,980,078号、同第5,726,912号、同第5,689,415号、同第5,579,218号、同第5,351,200号、同第4,916,600号、同第4,646,223号、同第4,344,127号および同第4,396,976号において論じられる。
図1Aおよび図1Bには示されていないが、1つの以上のロッドまたはワイヤ11の温度は、1つ以上の加熱ユニット32、32′のそれぞれ、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、36(n-1)のそれぞれ、1つ以上の多数の適応可能浸漬区域37…37(n-1)、37(n)のそれぞれ、または前述のいずれかの任意の組み合わせのいずれか1つを経て、例えば温度測定装置(例えば、Houston TexasのRaytex Equipment CompnayのRaytex 500〜1100℃近接フォーカス光ファイバタイプなどの温度計など光学タイプ高温計または他の任意の適切な代替タイプ)を使用して測定し得る。このように、加熱−冷却作業12の態様は、所定の、または所望の中間品または完成品18を得るのに適切なレベルに対応するように調節され得るであろう。代替的には、ロッドまたはワイヤ11温度は、ロッドまたはワイヤ11が最初にシステムに供給される場合、システム、作業、ユニットおよび/または区域を設置している間に測定され得る。この場合、ロッドまたはワイヤ11の温度測定は、各作業に適切なレベルを設定するように、作業、ユニットおよび/もしくは区域を通って進行するにつれて、またはその後に行われ得る。
本発明の態様および実施形態の理解のために、本出願人は以下の非制限的実施例を提供する。供給作業14、加熱ユニット32、冷却ユニット8、巻き取りユニット16を含む加熱−冷却作業12が構成された。加熱ユニット32(例えば、Winston Salem,North Carolina 27177−2037のThermcraft,Inc.により製造されたThermcraft、長さ6′、1600℃チューブ炉)は、温度測定装置(Windsor,New Jersey,08561−0479のPyrometer Instrument Companyの(高温計(700〜1400℃))を備えて、ワイヤ11の温度をそれが排出されたときに測定した。適応可能焼入れ区域36および適応可能浸漬区域37として、冷却ユニット8は5つの連続セルを含む。
第1のセル(20)は実質的に図1Cに示される第2のセルタイプ90のタイプであり、さらに、熱源(例えば、定格240V、4.5Kwで、約100℃などの予め選択された温度に液体焼入れ剤を維持することができるサイズの3相の従来の電気浸漬ヒータ)を含む。熱伝導調節器42の調節機構46として、冷却ユニット8は、気体媒質供給44(例えば、定格XXPSIのACSIデジタル圧力計(部品番号1200−0030,602056)、Ashcroft.com(Ashcroft,Inc)の0〜200PSF気圧計と、Speedaire2Z767D,200PSI 125°F空気レギュレータ(Grainger.comにて販売)とを含む)と連通した、空気レギュレータ(Michigan City,IndianaのDwyer Instruments,Inc.の定格0〜50L/min.のDwyer Air Flow計)を含む。熱伝導調節器50の調節機構54として、冷却ユニット8は、焼入れ剤供給器52(Bell&Gossett NBF−220 110℃、15PASI,115V,2ワット(P83033モデル)再循環ポンプなど)を含む。4つの後続のセル(21,22、23および24)は図1Cに示される第1のセルタイプ80と実質的に同じタイプであり、さらに熱源(例えば、定格240V,4.5Kw,3相の従来の電気浸漬ヒータ)を含む。
ワイヤ11のコイル、2.0mmの公称直径を有する1090に指定される従来のスチールワイヤ(例えば、AISI−SAE合金鋼指定)または代替的に1.2mmの公称直径を有する1070(例えば、AISI−SAE合金鋼指定)が、典型な工業処理作業と同様に供給作業14において搭載される。ワイヤ11は、例えばスチールで構成されるワイヤ11に対して約930〜1020℃に加熱するための加熱ユニット32を通って供給される。加熱されたワイヤ11はその後、例えば、ローラガイド(図1Aおよび図1には図示されない)により、適応可能焼入れ区域36として動作するように構成される第1のセル(20)のわずかに上部に導かれ、ここで、液体焼入れ剤38へ気体媒質が導入されてその結果ワイヤ11を実質的に完全に覆う発泡液体焼入れ剤が生じることにより、液体焼入れ剤38は第1のセルの上面を覆うように移動される。ワイヤ11は、後続の4つのセル(21、22、23および24)の上面に亘って、連続して発泡液体焼入れ剤を通って進行する。後続の4つのセルの第1番目は適応可能焼入れ区域36または適応可能浸漬区域37のいずれかとして構成され得るが、後続の4つのセルの2番目から4番目は典型的には適応可能浸漬区域37として構成される。後続の4つのセルのうちの4番目(24)の発泡液体焼入れ剤を通過した後、ワイヤ11は空気を介した蒸発により乾燥し、中間品または完成品18(例えば、処理ワイヤ)を形成し、これはロールガイドを通過して、加熱−冷却作業12の末端にあるリール巻き取りユニット16上に巻かれる。
以上のように、気体媒質供給44により供給される気体媒質(例えば、1つ以上の実質的に不活性気体、1つ以上の反応性気体または1つ以上の不活性気体および1つ以上の反応性気体のうちのいずれか1つが適当であり得る)を使用して、発泡液体焼入れ剤を形成し得る。液体焼入れ剤38に捕捉された気体媒質の量は、例えば、気体媒質流速および/または捕捉された気体媒質の体積割合を変化させて強制対流熱伝導係数を調整することにより変化させ得る。例えば、図3は、液体焼入れ剤38に捕捉された空気に対する対流熱伝導係数の変化を表すが、ここでは空気は約0.5W/(sq.m*K)であると推定され、液体焼入れ剤38(例えば、実質的に空気なしの水)は約10,000W/sq.m*K)と推定される。かかる強制対流熱伝導係数は、図3に示すように液体焼入れ剤38(例えば水)に捕捉された空気の量が変化するにつれて直線的に変化し得る。
図4は、1080鋼(例えば、AISI−SAE合金鋼指定)に対する典型的時間、温度、変態(TTT)曲線を表す。1080鋼の工業的伸線に対する所望の構造は、1080鋼をある温度(約930〜1020℃)に十分な時間加熱して、安定したオーステナイトフィールドにおいて十分均一な構造を得、その後不安的なオーステナイトフィールドのままで、図4に示すすべての曲線の左手に留まるようにオーステナイト化された1080鋼ワイヤを約540℃に急速冷却する(例えば、約1秒)ことを含む熱処理により理論的に展開される。約540℃で一旦、1080スチールワイヤを約540℃に適当な時間(例えば、約6秒)維持して、所定の形態を有するパールライト構造(例えば、フェライトおよびセメンタイト相)への不安定なオーステナイト構造の変態を制御することが望ましいであろう。一旦所定の形態が得られると、例えば進行するロッドまたはワイヤをさらに冷却することにより、それを保存するのが望ましいであろう。製造環境においては、これは非常に難しいことであり得る。というのは、最初の瞬間で進行するロッドまたはワイヤを急速に加熱および冷却することは難問であり、また進行するロッドまたはワイヤを実質的に等温に維持することは今のところ難問だからである。詳細には、加熱ユニットおよび/または冷却ユニットが実質的に等温に維持され得たとしても、今のところ実質的に対処不可能な形で、その温度を上げるために進行するロッドまたはワイヤを加熱し得る変態の熱には、ロッドまたはワイヤの相変態(例えば、不安定オーステナイトからパールライト)が伴う。
図5は、共折鋼(約0.8から0.83炭素を備えた鉄/炭素鋼)に対する、TTT曲線を示し、所望の構造を獲得するのに、かかる組成を有するロッドまたはワイヤの処理時において熱除去領域の少なくとも3つの異なる速度があり得ることを示す。本発明の実施形態の態様によると、熱除去領域のそのような異なる速度は、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…、36(n-1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n-1)、37(n)を有する加熱−冷却作業12を使用して提供され得る。そのために、図5は、かかる1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…36(n-1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n-1)、37(n)を特定して所望の構造をどのように獲得し得るかについてのガイドを提供し得る。
熱伝導率が主として対流による場合、これは典型的に工業作業に多いが、理論的には、周囲の媒質に対する単位表面積(A)当たりの熱伝導率(Q)はニュートンの冷却法則により、以下のように表され得る。
Figure 2015045093
1.式中、(1)Q/Aはロッドまたはワイヤの単位表面積(A)当たりの周囲の媒質に伝導される熱の比率(Q)(Q/Aはときには熱流速とも呼ばれる)であり、
2.Twは進行するロッドまたはワイヤの温度であり、
3.Tmは熱を吸収するまたは受け取る媒質の温度(例えば、液体焼入れ剤、発泡焼入れ剤、気体焼入れ剤…など)であり、
4.hは対流熱伝導係数である。
複雑な状況のこの簡素化は、1つ以上の適応可能焼入れ区域36、…、36(n-1)および1つ以上の適応可能浸漬区域37、…、37(n-1)、37(n)のタイプおよび数を特定するためのガイドとして使用され得ることは理解されるであろう。一旦タイプおよび数が特定されると、この簡素化は、かかる変化する熱伝導率がどのように達成され得るかを特定するためのガイドとして使用され得る。例えば、本明細書で論じられるように、熱流速は、熱伝導係数(h)、温度差(Tw−Tm)またはその両方のいずれか1つを変化させることにより変化させ得る。同様に本明細書で論じられるように、熱伝導係数(h)は、1つ以上の焼入れ剤組成、焼入れ剤形態、焼入れ剤組成および焼入れ剤形態、焼入れ剤熱容量、進行するロッドまたはワイヤに最も近い焼入れ剤を供給またはリフレッシングする速度を変化させることにより変化され得る。
例えば、進行するロッドまたはワイヤ温度を、短時間(例えば、約1秒以下)で約930〜1020℃から540℃に下げるためには、高熱伝導率が望まれるであろう。そのためには、図5の領域(60)での熱流束を増加させるためには、上記オプションのいくつかが有効である。液体焼入れ剤38の温度を操作して、より大きい温度差(Tw−Tm)を達成することにより熱流束にゲインがあり得るようである。また、図5の領域(60)において対流熱伝導係数を操作することにより熱流束においてさらに大きいゲインがあり得るようである。従って、少なくとも1つ適応可能焼入れ区域36が特定され得る。
図5の領域(61)では、進行ロッドまたはワイヤ11は実質的に等温に維持されるべきである。しかし、そうするためには、オーステナイトからパールライト変態(例えば、発熱変態)によりロッドまたはワイヤ11への放熱を説明することが望ましいであろう。液体焼入れ剤38の温度を操作して、より大きい温度差(Tw−Tm)を達成することによる熱流束制御に関しては難問があり得るようである。代替的には、図5の領域(60)において対流熱伝導係数を操作することによる熱流束においてより良好なゲインがあり得るようである。従って、オーステナイトからパールライトへの発熱反応時の温度に進行するロッドまたはワイヤ11を保つのに適するように、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36または少なくとも1つの適応可能浸漬区域37または、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36および少なくとも1つの適応可能浸漬区域37が特定され得るであろう。
図5の領域(62)では、進行するロッドまたはワイヤ11は、例えばオーステナイトからパールライトの変態を実質的に完了するために実質的に等温に維持され、その後安全な作業温度で冷却されるべきである。ここでは、液体焼入れ剤38の温度を操作してより大きい温度差(Tw−Tm)を達成するか、または図5の領域(62)において対流熱伝導係数を操作するかのいずれかにより熱流束を制御するオプションを有するのが望ましいようである。従って、進行するロッドまたはワイヤ11の温度を制御するのに適するように、少なくとも1つの適応可能浸漬区域37が特定され得るであろう。
AISI−SAE1090鋼を含む、本発明の実施形態の態様による冷却ユニット8、方法および/または加熱−冷却作業12のいくつか実施例が下記の表3に提供される。
Figure 2015045093
表3のデータから分かるように、公称2mm直径のAISI−SAE1090スチールワイヤが、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36および少なくとも1つの適応可能浸漬区域37として構成される複数のセル(20〜24)を含む加熱−冷却作業12を使用して処理された場合、かかるワイヤ11の破壊荷重および引張強度が調整され得る。詳細には、加熱された公称2mm直径AISI−SAE1090スチールワイヤは、液体焼入れ剤38(例えば、上述のようにRAQ−TWT焼入れ溶液が混合された水から成る)と、異なる速度で気体媒質(例えば空気から成る)を複数のセル(20〜24)に供給して、それにより多様な発泡液体焼入れ剤構成を形成するための気体媒質供給44の調節機構46とを含む、冷却ユニット8に供給された。
表3にまとめられる実施例1では、公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)を複数のセル(20〜24)のうちの4つで構成された冷却ユニット8を使用して処理すると、3600ニュートン(N)の破壊荷重および1192メガパスカル(MPa)の引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表3にまとめられた実施例6では、同じ公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)を、複数のセル(20〜24)のうち2つだけで構成された冷却ユニット8を使用して処理すると、3947Nの増加した破壊荷重と、1305MPaの引張強度を備えた処理ワイヤが生成された。表3にまとめられた実施例20では、公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)を、複数のセル(20〜24)のうちすべてのセルで構成された冷却ユニット8を使用して処理すると、4171Nの増加した破壊荷重と、1381MPaに増加した引張強度を備えた処理ワイヤが生成された。表3にまとめられた実施例のすべてにおいて、公称2mm直径のワイヤ(1090鋼)から成るロッドまたはワイヤ11は、1分当たり約7メートルの一定のワイヤスピードで運ばれた。
これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けることにより、1090ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示した。また、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用することにより、1090ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示した。さらに、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けることにより、1090ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示した。本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けて、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用して、および/または本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けた場合、任意の多様な異なる組成を有するロッドまたはワイヤ11を処理すると、同様または同一の利点が達成され得ることは明らかであろう。
AISI−SAE1070鋼に関する本発明の実施形態の態様による冷却ユニット8、方法および/または加熱−冷却作業12のいくつかの実施例が下記の表4に提供され、図6、図7および図8は対応するTTT曲線を示す。
Figure 2015045093
表4のデータから分かるように、公称1.2mm直径のAISI−SAE1070鋼ワイヤは、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域36および少なくとも1つの適応可能浸漬区域37として構成される複数のセル(20〜24)を含む加熱−冷却作業12を使用して処理された。詳細には、加熱された公称1.2mm直径AISI−SAE100スチールワイヤは、液体焼入れ剤38(例えば、上述のようにRAQ−TWT焼入れ溶液が混合された水から成る)と、異なる速度で液体焼入れ剤38を複数のセル(20〜24)のうちの第1のセル(20)に供給するための焼入れ剤供給器52の調節機構54と、異なる速度で気体媒質(例えば空気から成る)を複数のセル(20〜24)に供給して、それにより多様な発泡液体焼入れ剤構成を形成するための気体媒質供給44の調節機構46とを含む、冷却ユニット8に供給された。
実施例Aでは、複数のセル(20〜24)のうち第1のセル(20)は、進行するロッドまたはワイヤ11に直交した約3/8インチの丸いスプレーを適用するように修正された。
実施例B〜Eでは、複数のセル(20〜24)のうち第1のセル(20)は、進行するロッドまたはワイヤ11に平行な約6インチの扁平なスプレー(約1/8インチの厚さ)を適用するように修正された。
実施例F〜Kでは、複数のセル(20〜24)のうちの第1のセル(20)は、1.5〜3g/mの範囲の種々の流速で液体焼入れ剤38を供給するように修正され、一方、進行するロッドまたはワイヤ11は公称3/8インチ直径、4インチの長さのパイプで包み込まれるようにした。
表4にまとめられた実施例Aでは、構成された冷却ユニット8を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1289ニュートン(N)の増加した破壊荷重と、1148メガパスカル(MPa)の引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表4にまとめられた実施例Dでは、構成された冷却ユニット8を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1276Nの増加した破壊荷重と、1168MPaの引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表4にまとめられた実施例Hでは、構成された冷却ユニット8と、流れる液体焼入れ剤38が充填されたパイプを通って導かれると加熱された進行するロッドまたはワイヤ11の完全な液体焼入れ剤38浸漬が提供されるように構成された第1のセル(20)を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1267Nの増加した破壊荷重と、1153MPaの引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表4にまとめられた実施例Iでは、構成された冷却ユニット8と、流れる液体焼入れ剤38が充填されたパイプを通って導かれると加熱された進行するロッドまたはワイヤ11の完全な液体焼入れ剤38浸漬が提供されるように構成された第1のセル(20)を使用して公称1.2mm直径のワイヤ(1070鋼)を処理すると、1407Nの増加した破壊荷重と、1234MPaの引張強度を有する処理ワイヤが生成された。表にまとめられた実施例のすべてにおいて、公称2mm直径のワイヤ(100鋼)から成るロッドまたはワイヤ11は、1分当たり約12.5メートルの一定のワイヤスピードで運ばれた。
これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けることにより、1070ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示す。また、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用することにより、100ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示す。さらに、これらの実施例は、本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けることにより、1070ワイヤの破壊荷重および引張強度の向上が実現され得ることを示す。本発明の種々の実施形態の種々の態様により構成される冷却ユニット8を設けて、本発明の種々の実施形態の種々の態様による方法を使用して、および/または本発明の種々の実施形態の種々の態様による加熱−冷却作業12を設けた場合、任意の多様な異なる組成を有するロッドまたはワイヤ11を処理すると、同様または同一の利点が達成され得ることは明らかであろう。
さらなる実施例では、1回の製造工程から得られた溶鋼(one heat of steel)からのAISI−SAE1090伸線ワイヤを購入して、ロットに分け、液体焼入れ剤流動床技術(これも本発明の実施形態の態様による冷却ユニット8および/または加熱−冷却作業12であり、本明細書ではこれよりLQFと呼ばれる)、鉛系作業(本明細書ではこれより鉛パテンチングおよびSTDとも呼ばれる)、および空気流動砂床系作業(air fluidized sand bed based operation)(本明細書ではこれより流動床パテンチングおよびFBPとも呼ばれる)の比較のためにタイヤコード製造参加者に提供した。公称1.95mmのワイヤが、種々の技術(例えば、図2を参照して説明されたような)を使用してパテンチングおよびめっきを施された後、公称0.35mmに伸線された。金型実行の際の各位置における引張強度および真応力を判定することにより真応力ひずみ曲線が生成された。各曲線は同様であり、それぞれの場合においてLQF製品がより高い最終強度を生み出した。LQFおよび鉛パテンチング(STD)が施された製品のねじり特性は安定していた。空気流動砂(FBP)製品はねじりにおいて安定しなかった。引張強度および真応力調査の結果は下記の表にまとめられ、図9はその調査の真応力ひずみ曲線を示す。
Figure 2015045093
微細構造解析は、鉛(STD)パテンチングが施された製品およびLQFパテンチングが施された製品に関して完了した。公称直径は約2.0mmで種々の化学的性質が検査された。調査を完了するために、微細パールライト、変性パールライトおよびベイライト(degenerative perlite&bainite)およびフラグメントパールライトの割合に関して評価された。いずれの場合においても、初析微視的成分は観察されなかった。その結果、LQF製品は概ね高い割合の微細パールライトと、同様の量の変性パールライトおよびベイライトと、わずかに少ないフラグメントパールライトとを有することがわかった。本出願人は、さらなる改良を通して、LQFパテンチングは、変性パールライトおよびベイライトを犠牲にして微細パールライトの量を増加することができるであろうと予測している。調査の結果は下記の表にまとめられ、図10においてグラフに示される。
Figure 2015045093
第1の実施例によると、本発明は、ロッドまたはワイヤ製造システムであって、
a.少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続提供することが可能な少なくとも1つの供給ユニットと、
b.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能な少なくとも1つの加熱ユニットと、
c.少なくとも1つの加熱ユニットの下流にある少なくとも1つの冷却ユニットであって、
i.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された浸漬温度に焼入れすることが可能な、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域と、
ii.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された浸漬温度に実質的に維持して、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤの熱処理を実質的に完了することが可能な、少なくとも1つの適応可能浸漬区域とを含む冷却ユニットと、(d)少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続収集することが可能な少なくとも1つの巻き取りユニットとを含む、ロッドまたはワイヤ製造システムに関する。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第1の改良によると、少なくとも1つの加熱ユニットは、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された焼鈍温度に加熱することが可能な少なくとも1つの焼鈍ユニットを含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第1の改良の第1の改良によると、少なくとも1つの冷却ユニットは、少なくとも1つの相変態ユニットを含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第1の改良の第1の改良の第1の改良によると、少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤから変態の熱を実質的に除去して、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを実質的に等温に実質的に維持することが可能な、少なくとも1つの適応可能相変態区域を含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第2の改良によると、ロッドまたはワイヤ製造システムは、少なくとも1つの冷却ユニットの下流に少なくとも1つの伸線ユニットをさらに含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第2の改良の第1の改良によると、ロッドまたはワイヤ製造システムは、少なくとも1つの加熱ユニットの上流に少なくとも1つの伸線ユニットをさらに含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第2の改良の第2の改良によると、ロッドまたはワイヤ製造システムは、加熱ユニットの上流の少なくとも1つの洗浄ユニットか、冷却ユニットの下流の少なくとも1つの洗浄ユニットか、冷却ユニットの下流の少なくとも1つのコーティングユニットか、第2の加熱ユニットと少なくとも1つの冷却ユニットの下流の第2の加熱ユニットの下流の第2の冷却ユニットか、加熱ユニットの上流の少なくとも1つの伸線ユニットか、冷却ユニットの下流の少なくとも1つの伸線ユニットか、冷却ユニットの下流の少なくとも1つのより線ユニット、または前述のいずれかの任意の組み合わせのうちの1つ以上をさらに含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第3の改良によると、少なくとも1つの供給ユニットは、複数のロッドまたは複数のワイヤまたは複数のロッドおよび複数のワイヤのうちのいずれか1つを連続提供することが可能な供給ユニットを含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第3の改良の第1の改良によると、少なくとも1つの冷却ユニットの少なくとも1つの適応可能焼入れ区域は、複数の連続提供されるロッドまたは複数の連続提供されるワイヤまたは複数の連続提供されるロッドおよび複数の連続提供されるワイヤのうちのいずれか1つを、複数の予め選択された温度に焼入れすることが可能な、複数の適応可能焼入れ区域を含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第3の改良の第2の改良によると、少なくとも1つの冷却ユニットの少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、複数の連続提供されるロッドまたは複数の連続提供されるワイヤまたは複数の連続提供されるロッドおよび複数の連続提供されるワイヤのうちのいずれか1つを、複数の予め選択された浸漬温度に浸漬することが可能な、複数の適応可能浸漬区域を含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第3の改良の第1の改良の第1の改良によると、複数の連続提供されるロッドまたは複数の連続提供されるワイヤまたは複数の連続提供されるロッドおよび複数の連続提供されるワイヤのうちのいずれか1つは、種々の実質的に異なる組成を含む材料を含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第3の改良の第1の改良の第2の改良によると、複数の連続提供されるロッドまたは複数の連続提供されるワイヤまたは複数の連続提供されるロッドおよび複数の連続提供されるワイヤのうちのいずれか1つは、種々の実質的に異なる断面形状を含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第3の改良の第1の改良の第2の改良の第1の改良によると、実質的に異なる断面形状は、実質的に異なる直径を含む。
ロッドまたはワイヤ製造システムに関する第1の実施例の第3の改良の第1の改良の第3の改良によると、複数の連続提供されるロッドまたは複数の連続提供されるワイヤまたは複数の連続提供されるロッドおよび複数の連続提供されるワイヤのうちのいずれか1つは、種々の実質的に異なる組成を含む材料と、種々の実質的に異なる断面形状とを含む。
本発明の第2の実施例は、ロッドまたはワイヤ製造システムとともに使用可能な冷却ユニットであって、ロッドまたはワイヤ製造システムは、(a)少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続提供することが可能な少なくとも1つの供給ユニットと、(b)少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能な少なくとも1つの加熱ユニットと、(c)少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続収集することが可能な少なくとも1つの巻き取りユニットとを含み、冷却ユニットは、
a.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを浸漬温度に焼入れすることが可能な、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域と、
b.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを実質的に浸漬温度に維持して、熱処理を実質的に完了することが可能な、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域とを含む、冷却ユニットに関する。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第1の改良によると、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域は、液体焼入れ剤または発泡焼入れ剤のいずれか1つを、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤに提供することが可能な、少なくとも1つの第1のセルタイプを含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第1の改良の第1の改良によると、少なくとも1つの第1のセルタイプは、発泡焼入れ剤を作成することが可能な少なくとも1つのディフューザを含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第1の改良の第1の改良の第1の改良によると、冷却ユニットは、少なくとも1つのディフューザと連通する少なくとも1つの第1の熱伝導調節器をさらに含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第1の改良の第2の改良によると、冷却ユニットは、少なくとも1つの第1のセルタイプと連通する少なくとも1つの第2の熱伝導調節器をさらに含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第2の改良によると、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域は、液体焼入れ剤または発泡焼入れ剤のいずれか1つを、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤに提供することが可能な、複数の第1のセルタイプを含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第3の改良によると、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、発泡焼入れ剤を少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤに提供することが可能な、少なくとも1つの第2のセルタイプを含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第3の改良の第1の改良によると、少なくとも1つの第2のセルタイプは、発泡焼入れ剤を作成することが可能な少なくとも1つのディフューザを含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第4の改良によると、冷却ユニットは、少なくとも1つのディフューザと連通する少なくとも1つの第1の熱伝導調節器をさらに含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第5の改良によると、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、発泡焼入れ剤を少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤに提供することが可能な、複数の第2のセルタイプを含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第6の改良によると、冷却ユニットは、少なくとも1つの焼入れ剤レベル制御をさらに含む。
冷却ユニットに関する第2の実施例の第7の改良によると、冷却ユニットは、第1の熱伝導調節器、第2の熱伝導調節器、焼入れ剤レベル制御、供給ユニット、加熱ユニット、巻き取りユニットまたは前述のいずれかの任意の組み合わせのうちのいずれか1つと連通する少なくとも1つのコントローラをさらに含む。
本発明の第3の実施例は、ロッドまたはワイヤを製造するための方法であって、
a.少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続提供するステップと、
b.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された温度に加熱するステップと、
c.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された浸漬温度に焼入れするステップと、
d.少なくとも発泡液体焼入れ剤を提供することにより、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された浸漬温度に実質的に維持して、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤの熱処理を実質的に完了するステップと、
e.少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続収集するステップとを含む、
方法に関する。
本発明の第4の実施例は、ロッドまたはワイヤを熱処理する方法であって、
a.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを予め選択された温度に加熱するステップと、
b.少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを浸漬温度に焼入れするステップと、
c.少なくとも発泡液体焼入れ剤を提供して、少なくとも1つの連続提供されるロッドまたは少なくとも1つの連続提供されるワイヤを浸漬温度に実質的維持して、熱処理を実質的に完了するステップとを含む、
方法に関する。
本発明の第5の実施例は、金属を処理する方法であって、
a.金属を加熱するステップと、
b.加熱された金属を、液体および気体混合物を含む少なくとも1つの焼入れ剤にさらすステップと、
c.少なくとも1つの液体/気体混合物を制御するステップと、
d.焼入れ剤から処理された金属を除去するステップとを含む、
方法に関する。
本方法に関する第5の実施例の第1の改良によると、金属を加熱するステップは、金属を少なくとも約930℃に加熱するステップを含む。
本方法に関する第5の実施例の第1の改良の第1の改良によると、金属は約0.7mmから約3.5mmの間の直径を有するロッドまたはワイヤを含む。
本方法に関する第5の実施例の第1の改良の第1の改良の第1の改良によると、金属は、約0.8mmから約2.8mmの間の直径を有するスチールロッドまたはスチールワイヤを含む。
本方法に関する第5の実施例の第1の改良の第1の改良の第2の改良によると、金属は、約0.9mmから約2.2mmの間の直径を有するスチールロッドまたはスチールワイヤを含む。
本方法に関する第5の実施例の第2の改良によると、金属は、少なくとも約0.35重量パーセントの炭素含有量を有するスチール製品を含む。
本方法に関する第5の実施例の第3の改良によると、金属は、クロム、ホウ素、ケイ素または前述のいずれかの任意の組み合わせのいずれか1つをさらに含む。
本方法に関する第5の実施例の第4の改良によると、加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらすステップは、加熱された金属を液体および気体混合物を含有する複数のセルにさらすステップを含む。
本方法に関する第5の実施例の第5の改良によると、加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらすステップは、加熱された金属を約100℃の温度の水溶液にさらすステップを含む。
本方法に関する第5の実施例の第6の改良によると、加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらすステップは、金属を少なくとも4体積%の気体を有する混合物にさらすステップを含む。
本方法に関する第5の実施例の第7の改良によると、加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらすステップは、金属を約4〜25体積%の範囲の気体を有する混合物にさらすステップを含む。
本方法に関する第5の実施例の第8の改良によると、液体/気体混合物を制御するステップは、液体を通る気体の流速を制御するステップを含む。
本方法に関する第5の実施例の第9の改良によると、加熱された金属を、液体および気体混合物を含む少なくとも1つのさらなる焼入れ剤にさらし、少なくとも1つのさらなる焼入れ剤の液体/気体混合物を制御するステップをさらに含む。
本方法に関する第5の実施例の第9の改良の第1の改良によると、加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらすステップは、金属を少なくとも0〜25体積%の空気を有する混合物にさらすステップを含む。
本方法に関する第5の実施例の第9の改良の第1の改良の第1の改良によると、加熱された金属を少なくとも1つのさらなる焼入れ剤にさらすステップは、金属を約4〜25体積%の範囲の気体を有する混合物にさらすステップを含む。
本発明の第6の実施例は、少なくとも約39面積パーセントの微細パーライトを含むスチールロッドまたはスチールワイヤに関する。
本発明の第6の実施例の第1の改良は、最大約45面積パーセントの微細パーライトを含むスチールロッドまたはスチールワイヤに関する。
本発明の第7の実施例は、向上した引張強度を有する処理金属であって、
a.選択された温度に金属を加熱するステップと、
b.少なくとも1つの液体および気体混合物内に加熱された金属を導き、金属を処理するステップと、
c.少なくとも1つの液体および気体混合物から処理された金属を除去するステップとのプロセスにより形成される、
処理金属に関する。
本方法に関する第7の実施例の第1の改良によると、金属を加熱するステップは、約930℃から約1050℃の間に、金属を加熱するステップを含む。
本明細書で提供される図示および実施例は説明目的のためであり、特許請求の範囲を限定することを意図しない。
当業者は前述の説明を読めば一定の変更例および改良が思いつくであろう。例えば、他のらせん構造材料ならびに金属形状およびサイズもまた、システム、作業、ユニット、区域、製品および/または処理の必要条件に依存して、システム、1つ以上の作業、1つ以上のユニット、1つ以上の区域および/または1つ以上の処理工程のいずれか1つに対する変更により提供され得るであろう。かかる変形および改良はすべて、簡潔に、また読みやすくするために省略されているが、厳密に特許請求の範囲内にあることが理解されなければならない。
冷却ユニット8
ロッドまたはワイヤ製造システム10
ロッドまたはワイヤ11
加熱−冷却作業12
供給ユニット14
巻き取りユニット16
中間品17
中間品17′
中間品17″
中間品17(n-1)
中間品17(n)
中間品または完成品18
第1の伸線ユニット20
第2の伸線ユニット20′
第3の伸線ユニット20″
第1の洗浄ユニット24
第2の洗浄ユニット24′
コーティングユニット26
より線ユニット30
第1の加熱(焼鈍)ユニット32
第2の加熱(焼鈍)ユニット32′
冷却(焼入れ)ユニット34
適応可能焼入れ区域36
適応可能焼入れ区域36′
適応可能焼入れ区域36(n-1)
適応可能焼入れ区域36(n)
適応可能浸漬区域37
適応可能浸漬区域37′
適応可能浸漬区域37(n-1)
適応可能浸漬区域37(n)
液体焼入れ剤38
焼入れ剤タンク40
第1の熱伝導調節器42
気体媒質供給44
気体媒質洗浄器45
調節機構46
圧力等化器47
圧力レギュレータ48
第2の熱伝導調節器50
焼入れ供給器52
調節機構54
流量制御56
焼入れ剤レベル制御60
焼入れ剤レベル設定器62
焼入れ剤供給64
焼入れ剤再供給器66
コントローラ70
第1のセルタイプ80
ディフューザ82
多孔性媒体84
ソケット86
第2のセルタイプ90
ライン92
選択器94
バイパス96
残留物除去器98

Claims (47)

  1. ロッドまたはワイヤ製造システムであって、
    a.少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能な少なくとも1つの供給ユニットと、
    b.前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能な少なくとも1つの加熱ユニットと、
    c.前記少なくとも1つの加熱ユニットの下流にある少なくとも1つの冷却ユニットであって、該冷却ユニットは、
    i.少なくとも1つの適応可能焼入れ区域であって、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に焼入れすることが可能な、少なくとも1つの適応可能焼入れ区域と、
    ii.少なくとも1つの適用可能浸漬区域であって、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に実質的に維持して、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤの熱処理を実質的に完了することが可能な、少なくとも1つの適応可能浸漬区域と、
    を含む、冷却ユニットと、
    d.前記少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは前記少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続的に収集することが可能な少なくとも1つの巻き取りユニットと、
    を含む、ロッドまたはワイヤ製造システム。
  2. 前記少なくとも1つの加熱ユニットは、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された焼鈍温度に加熱することが可能な少なくとも1つの焼鈍ユニットを含む、請求項1に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  3. 前記少なくとも1つの冷却ユニットは、少なくとも1つの相変態ユニットを含む、請求項2に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  4. 前記少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤから変態の熱を実質的に除去して、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを実質的に等温に実質的に維持することが可能な、少なくとも1つの適応可能相変態区域を含む、請求項3に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  5. 前記少なくとも1つの冷却ユニットの下流に少なくとも1つの伸線ユニットをさらに含む、請求項1に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  6. 前記少なくとも1つの加熱ユニットの上流に少なくとも1つの伸線ユニットをさらに含む、請求項5に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  7. 前記加熱ユニットの上流の少なくとも1つの洗浄ユニットか、前記冷却ユニットの下流の少なくとも1つの洗浄ユニットか、前記冷却ユニットの下流の少なくとも1つのコーティングユニットか、第2の加熱ユニットと前記少なくとも1つの冷却ユニットの下流の該第2の加熱ユニットの下流の第2の冷却ユニットか、前記加熱ユニットの上流の少なくとも1つの伸線ユニットか、前記冷却ユニットの下流の少なくとも1つの伸線ユニットか、前記冷却ユニットの下流の少なくとも1つのより線ユニット、または前述のいずれかの任意の組み合わせのうちの1つ以上をさらに含む、請求項5に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  8. 前記少なくとも1つの供給ユニットは、複数のロッドまたは複数のワイヤまたは複数のロッドおよび複数のワイヤのうちのいずれか1つを連続的に提供することが可能な供給ユニットを含む、請求項1に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  9. 前記少なくとも1つの冷却ユニットの前記少なくとも1つの適応可能焼入れ区域は、前記複数の連続供給されるロッドもしくは前記複数の連続供給されるワイヤ、または前記複数の連続供給されるロッドおよび前記複数の連続供給されるワイヤの前記いずれか1つを、複数の予め選択された温度に焼入れすることが可能な、複数の適応可能焼入れ区域を含む、請求項8に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  10. 前記少なくとも1つの冷却ユニットの前記少なくとも1つの適応可能浸漬区域は、前記複数の連続供給されるロッドもしくは前記複数の連続供給されるワイヤ、または前記複数の連続供給されるロッドおよび前記複数の連続供給されるワイヤの前記いずれか1つを、複数の予め選択された浸漬温度に浸漬することが可能な、複数の適応可能浸漬区域を含む、請求項8に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  11. 前記複数の連続供給されるロッドもしくは前記複数の連続供給されるワイヤ、または前記複数の連続供給されるロッドおよび前記複数の連続供給されるワイヤの前記いずれか1つは、種々の実質的に異なる組成を含む材料を含む、請求項9に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  12. 前記複数の連続供給されるロッドもしくは前記複数の連続供給されるワイヤ、または前記複数の連続供給されるロッドおよび前記複数の連続供給されるワイヤの前記いずれか1つは、種々の実質的に異なる断面形状を含む、請求項9に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  13. 前記実質的に異なる断面形状は、実質的に異なる直径を含む、請求項12に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  14. 前記複数の連続供給されるロッドもしくは前記複数の連続供給されるワイヤ、または前記複数の連続供給されるロッドおよび前記複数の連続供給されるワイヤの前記いずれか1つは、種々の実質的に異なる組成を含む材料と、種々の実質的に異なる断面形状とを含む、請求項9に記載のロッドまたはワイヤ製造システム。
  15. ロッドまたはワイヤ製造システムとともに使用可能な冷却ユニットであって、該ロッドまたはワイヤ製造システムは、(a)少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給することが可能な少なくとも1つの供給ユニットと、(b)前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱することが可能な少なくとも1つの加熱ユニットと、(c)前記少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは前記少なくとも1つの熱処理されたワイヤを連続的に収集することが可能な少なくとも1つの巻き取りユニットとを含み、前記冷却ユニットは、
    a.少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域であって、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に焼入れすることが可能な、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域と、
    b.少なくとも1つの熱伝導係数適用可能浸漬区域であって、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを実質的に浸漬温度に維持して、熱処理を実質的に完了することが可能な、少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域と、
    を含む、冷却ユニット。
  16. 前記少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域は、液体焼入れ剤または発泡焼入れ剤のいずれか1つを、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤに供給することが可能な、少なくとも1つの第1のセルタイプを含む、請求項15に記載の冷却ユニット。
  17. 前記少なくとも1つの第1のセルタイプは、前記発泡焼入れ剤を作成することが可能な少なくとも1つのディフューザを含む、請求項16に記載の冷却ユニット。
  18. 前記少なくとも1つのディフューザと連通する少なくとも1つの第1の熱伝導調節器をさらに含む、請求項17に記載の冷却ユニット。
  19. 前記少なくとも1つの第1のセルタイプと連通する少なくとも1つの第2の熱伝導調節器をさらに含む、請求項16に記載の冷却ユニット。
  20. 前記少なくとも1つの熱伝導係数適応可能焼入れ区域は、液体焼入れ剤または発泡焼入れ剤のいずれか1つを、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤに供給することが可能な、複数の第1のセルタイプを含む、請求項15に記載の冷却ユニット。
  21. 前記少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、発泡焼入れ剤を前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤに供給することが可能な、少なくとも1つの第2のセルタイプを含む、請求項15に記載の冷却ユニット。
  22. 前記少なくとも1つの第2のセルタイプは、前記発泡焼入れ剤を作成することが可能な少なくとも1つのディフューザを含む、請求項21に記載の冷却ユニット。
  23. 前記少なくとも1つのディフューザと連通する少なくとも1つの第1の熱伝導調節器をさらに含む、請求項22に記載の冷却ユニット。
  24. 前記少なくとも1つの熱伝導係数適応可能浸漬区域は、発泡焼入れ剤を前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤに供給することが可能な、複数の第2のセルタイプを含む、請求項15に記載の冷却ユニット。
  25. 少なくとも1つの焼入れ剤レベル制御をさらに含む、請求項15に記載の冷却ユニット。
  26. 第1の熱伝導調節器、第2の熱伝導調節器、焼入れ剤レベル制御、供給ユニット、加熱ユニット、巻き取りユニットまたは前述のいずれかの任意の組み合わせのうちのいずれか1つと連通する少なくとも1つのコントローラをさらに含む、請求項15に記載の冷却ユニット。
  27. ロッドまたはワイヤを製造する方法であって、該方法は、
    a.少なくとも1つのロッドまたは少なくとも1つのワイヤを連続供給する工程と、
    b.前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱する工程と、
    c.前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に焼入れする工程と、
    d.少なくとも発泡液体焼入れ剤を供給することにより、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された浸漬温度に実質的維持して、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤの熱処理を実質的に完了する工程と、
    e.前記少なくとも1つの熱処理されたロッドまたは前記少なくとも熱処理されたワイヤを連続的に収集する工程と、
    を含む、方法。
  28. ロッドまたはワイヤを熱処理する方法であって、該方法は、
    a.前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを予め選択された温度に加熱する工程と、
    b.前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを浸漬温度に焼入れする工程と、
    c.少なくとも発泡液体焼入れ剤を供給して、前記少なくとも1つの連続供給されるロッドまたは前記少なくとも1つの連続供給されるワイヤを前記浸漬温度に実質的維持して、熱処理を実質的に完了する工程と、
    を含む、方法。
  29. 金属を処理する方法であって、該処理は、
    a.前記金属を加熱する工程と、
    b.前記加熱された金属を、液体および気体混合物を含む少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程と、
    c.前記少なくとも1つの液体/気体混合物を制御する工程と、
    d.前記焼入れ剤から前記処理された金属を除去する工程と、
    を含む、方法。
  30. 前記金属を加熱する工程は、前記金属を少なくとも約930℃に加熱する工程を含む、請求項27に記載の方法。
  31. 前記金属は約0.7mmから約3.5mmの間の直径を有するロッドまたはワイヤを含む、請求項28に記載の方法。
  32. 前記金属は、約0.8mmから約2.8mmの間の直径を有するスチールロッドまたはスチールワイヤを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記金属は、約0.9mmから約2.2mmの間の直径を有するスチールロッドまたはスチールワイヤを含む、請求項31に記載の方法。
  34. 前記金属は、少なくとも約0.35重量パーセントの炭素含有量を有するスチール製品を含む、請求項29に記載の方法。
  35. 前記金属は、クロム、ホウ素、ケイ素または前述のいずれかの任意の組み合わせのいずれか1つをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  36. 前記加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程は、前記加熱された金属を液体および気体混合物を含有する複数のセルにさらす工程を含む、請求項29に記載の方法。
  37. 前記加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程は、前記加熱された金属を約100℃の温度の水溶液にさらす工程を含む、請求項29に記載の方法。
  38. 前記加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程は、前記金属を少なくとも4体積%の気体を有する混合物にさらす工程を含む、請求項29に記載の方法。
  39. 前記加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程は、前記金属を約4〜25体積%の範囲の気体を有する混合物にさらす工程を含む、請求項29に記載の方法。
  40. 前記液体/気体混合物を制御する工程は、前記液体を通る気体の流速を制御する工程を含む、請求項27に記載の方法。
  41. 前記加熱された金属を、液体および気体混合物を含む少なくとも1つのさらなる焼入れ剤にさらし、該少なくとも1つのさらなる焼入れ剤の前記液体/気体混合物を制御する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
  42. 前記加熱された金属を少なくとも1つの焼入れ剤にさらす工程は、前記金属を少なくとも0〜25体積%の空気を有する混合物にさらす工程を含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記加熱された金属を少なくとも1つのさらなる焼入れ剤にさらす工程は、前記金属を約4〜25体積%の範囲の気体を有する混合物にさらす工程を含む、請求項42に記載の方法。
  44. 少なくとも約39面積パーセントの微細パールライトを含む、スチールロッドまたはスチールワイヤ。
  45. 最大約45面積パーセントの微細パールライトを含む、請求項44に記載のスチールロッドまたはスチールワイヤ。
  46. 向上した引張強度を有する処理金属であって、該処理金属は、
    a.選択された温度に金属を加熱する工程と、
    b.少なくとも1つの液体および気体混合物内に加熱された金属を導き、前記金属を処理する工程と、
    c.前記少なくとも1つの液体および気体混合物から前記処理金属を除去する工程、
    とにより形成される、処理金属。
  47. 前記金属を加熱する工程は、約930℃から約1050℃の間に、前記金属を加熱する工程を含む、請求項46に従って形成された金属。
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