JP2812502B2 - シンジオタクチックポリプロピレンの製造方法 - Google Patents

シンジオタクチックポリプロピレンの製造方法

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シンジオクチックポリプロピレンの製造方
法に関する。詳しくは、触媒当たり高収率でしかも触媒
の経時変化が小さく、高嵩比重のシンジオタクチックな
ポリプロピレンを製造する方法に関する。
〔従来技術〕
シンジオタクチックポリプロピレンについては古くよ
りその存在は知られていたが、従来のバナジウム化合物
とエーテルおよび有機アルミニウムからなる触媒で低温
重合する方法はシンジオタクティシティーが悪く、シン
ジオタクチックなポリプロピレンの特徴を表していると
は言い難かった。これに対して、J.A.EWENらにより非対
称な配位子を有する遷移金属触媒成分とアルミノキサン
からなる触媒によってシンジオタクチックペンタッド分
率が0.8を越えるようなタクティシティーの良好なポリ
プロピレンを得られることが初めて発見された(J.Am.C
hem.Soc.,1988,110,6255−6256)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記J.A.EWENらによる方法は遷移金属当たりの活性が
良好であり、しかも得られるポリマーのタクティシティ
ーが高く優れた勾配であるが、得られる重合体の粒度が
小さくしかも嵩比重が小さくて、重合スラリーの性状が
不良で重合熱が除去できないなど生産性が悪く、しかも
触媒が不安定で遷移金属触媒成分とアルミノキサンを混
合したものは経時的に活性が低下するという問題があっ
た。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題を解決して高活性にシンジオタ
クティシティーの高いポリプロピレンを生産性良く製造
する方法について鋭意検討し本発明を完成した。
即ち、本発明は、イソプロピル(シクロペンタジエニ
ル−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリドおよびイ
ソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドから選ばれた遷移金属触媒
成分とアルミノキサンからなる触媒を用いてプロピレン
を重合する方法において、遷移金属触媒成分とアルミノ
キサンを不活性担体と共粉砕したものを用いることを特
徴とするシンジオタクチックポリプロピレンの製造方法
である。
本発明において遷移金属触媒成分は上記文献に記載さ
れたイソプロリプ(シクロペンタジエニル−1−フルオ
レニル)ハフニウムジクロリド、あるいはイソプロピル
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジコリニ
ウムジクロリドであり、またアルミノキサンとしては、 (式中Rは炭素数1〜3の炭化水素残基。)で表される
化合物が例示でき特にRがメチル基であるメチルアミノ
キサンでnが5以上好ましくは10以上のものが利用され
る。上記遷移金属触媒成分に対するアルミノキサンの使
用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜5000モル
倍である。また重合条件については特に制限はなく不活
性触媒を用いる触媒重合法、或いは実質的に不活性媒体
の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。
重合温度としては−100〜200℃、重合圧力としては常
圧〜100kg/cm2−Gで行うのが一般的である。好ましく
は−100〜100℃、常圧〜50kg/cm2である。
本発明において、重量なのは遷移金属触媒成分及びア
ルミノキサンを不活性な担体と共粉砕して用いることに
ある。ここで担体としては、上記遷移金属触媒成分及び
アルミノキサンと反応して不活性化しないものであれば
どのようなものでも使用可能であり、酸化ナトリウム、
酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸
化アルミニウムなどの1〜3価の金属の酸化物、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化アルミニウムなどの1〜3価の金属の塩化
物あるいは塩素にかえ弗素、臭素、沃素などとした塩、
さらにはシリカ、アルミナあるいはこれらの複合塩、複
合酸化物なども利用できる。ここで好ましくは無水物が
使用される。
共粉砕の方法については特に制限はなく、通常遷移金
属触媒の合成に用いられている、ボールミル、振動ミル
などを用いる方法がそのまま採用できる。共粉砕の順序
についても特に制限はなく遷移金属化合物とアルミノキ
サンと担体を同時に共粉砕するかあるいは2成分を共粉
砕した後、残りの成分を添加した共粉砕することもでき
る。また、粉砕助剤として種々の有機化合物を共粉砕条
件下に触媒成分を分解しない限り併用することも可能で
ある。また共粉砕物を溶剤で処理することも可能であ
る。共粉砕の際の温度についても特に制限はないが−10
0〜100℃、通常常温付近の温度で行えば良い。
重合あるいは、処理に際し利用する溶剤としては例え
ば、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクチ
ン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン
などの飽和炭化水素化合物の他にベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素化合物も利用できる。
〔実施例〕
以下に実施例を示しさらに本発明を説明する。
実施例1 常法にしたがって合成たイソプロピルシクロペンタジ
エニル−1−フルオレンをリチウム化し、四塩化ジルコ
ニウムと反応することで得たイソプロピル(シクロペン
タジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド2gと無水の塩化マグネシウム20gと東洋アクゾ(株)
製メチルアルミノキサン(重合度16.1)1.5gを振動ミル
(ポットの内容積100ml、直径12.7mmのSUS製ボール2k
g)で34時間共粉砕した。共粉砕物29mg(2.4mgのイソプ
ロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、1.8mgのメチルアルミノキサン
に相当)を用いて容積2のオートクレーブにトルエン
1装入し、メチルアルミノキサン0.15g、プロピレン
を加えて3kg/cm2−Gとした、3kg/cm2−Gに保ちながら
20℃で2時間重合した。重合後スラリーを取り出し濾過
乾燥してシンジオタクチックポリプロピレン109.8gを得
た。一方濾液から、トルエンに可溶な成分(赤外吸収ス
ペクトルによればアタクチップポリプロピレンであ
る。)を3.0g得た。パウダーの135℃のテトラリン溶液
で測定した極限粘度(以下、ηと略記する)は1.41、シ
ンジオタクチックペンタッド分率は0.92であった。また
この共粉砕1gを10mlのヘキサンに分散し24時間保存した
ものを用いて同様に重合したところトルエン不溶分102.
5g、トルエン可溶分3.2gを得た。
比較例1 遷移金属触媒成分を担持することなくそのまま3mgと
メチルアルミノキサン0.16gを用いた他は実施例1と同
様に重合した。約1時間10分後にプロピレンを全く追加
する必要がなくなり、温度が上昇ぎみとなったが、冷却
水の温度を下げて対応した。重合後、得られたスラリー
を取り出そうとしたがそのままでは取り出せず1のト
ルエンを追加して希釈して取り出した。トルエンに不溶
な部分として68.3g、可溶な部分4.2gであった。パウダ
ーのηは1.37,シンジオタクチップペンタッド分率は0.9
2であった。またこの共粉砕物1gを10mlのヘキサンに分
散し24時間保存したものを用いて同様に重合したところ
トルエン不溶分40.5g、トルエン可溶分4.1gを得た。
実施例2 担体として300℃で加熱処理したシリカゲル(振動ミ
ルで48時間粉砕した。)を用いた他は実施例1と同様に
した。パウダーを98.8g、トルエン可溶分を3.0gを得
た。パウダーのηは1.39、シンジオタクチックペンタッ
ド分率は0.92であった。またこの共粉砕物1gを10mlのヘ
キサンに分散し24時間保存したものを用いて同様に重合
したところトルエン不溶分95.7g、トルエン可溶分3.1g
を得た。
〔発明の効果〕
本発明の方法を実施することにより触媒当たり高活性
でシンジオタクチックポリプロピレンを得ることができ
工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の理解を助けるためのフロー図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソプロピル(シクロペンタジエニル−1
    −フルオレニル)ハフニウムジクロリドおよびイソプロ
    ピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジル
    コニウムジクロリドから選ばれた遷移金属触媒成分とア
    ルミノキサンからなる触媒を用いてプロピレンを重合す
    る方法において、遷移金属触媒成分とアルミノキサンを
    不活性担体と共粉砕したものを用いることを特徴とする
    シンジオタクチックポリプロピレンの製造方法。
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