JP2812165B2 - メカニカルヒューズ装置 - Google Patents

メカニカルヒューズ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二つの部材の連結構造
に係り、更に詳細には二つの部材の連結状態を制御する
メカニカルヒューズ装置に係る。
【0002】
【従来の技術】メカニカルヒューズ装置の一つとして、
例えば特開昭61−220968号公報に記載されてい
る如く、自動車等の車輌の電動式パワーステアリング装
置に於て、ステアリングシャフトと共に一体的に回動す
る補助部材とモータにより駆動される出力歯車とがシェ
アピンを介して連結され、補助部材と出力歯車との間に
過大な負荷が作用することによりシェアピンに所定値以
上の荷重が作用するとシェアピンが折れることにより補
助部材と出力歯車との間の駆動連結状態を解除するよう
構成されたメカニカルヒューズ装置が従来より知られて
いる。
【0003】かかるメカニカルヒューズ装置によれば、
例えばモータにロック等の異常が生じモータが全く回転
できなくなった場合にも、車輌の運転者はステアリング
ホイールを操作してステアリングシャフトを回転駆動し
シェアピンに高い荷重を与えることによってシェアピン
を折損させ、これによりモータのロック等に起因して操
舵不能の状態になることを確実に回避することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シェアピンの如き連結
部材は従来より一般に耐衝撃性に優れた金属や樹脂にて
構成されている。しかし金属や樹脂はそれらに繰返し荷
重が加えられると疲労により強度が比較的大きく低下す
る。従って上述の如き従来のメカニカルヒューズ装置に
於ては、パワーステアリング装置が長期間に亘り使用さ
れる過程に於てシェアピンの強度が疲労により低下し、
その結果シェアピンに作用する実際の荷重が設計上の設
定破断荷重未満であってもシェアピンが折損し、そのた
め電動式パワーステアリング装置がその本来の作動状態
を維持すべき状況にあるにも拘らず補助部材と出力歯車
との間に於てトルクの伝達が行われなくなり、パワース
テアリング装置が不必要にマニュアルステアリング装置
に切換ってしまうという問題がある。
【0005】またシェアピンの疲労による強度低下に起
因してシェアピンに作用する実際の荷重が設定破断荷重
未満の状況に於てシェアピンが折損することを防止すべ
く、疲労による強度低下分を見込んでシェアピンの設定
破断荷重を低く設定しようとすると、パワーステアリン
グ装置を正常に作動させるためにシェアピンが耐えなけ
ればならない荷重よりもシェアピンの設定破断荷重が低
くなり、従ってこの場合にも例えば車輪の縁石当りの如
き状況に於て補助部材と出力歯車との間の伝達トルクが
高くなると、パワーステアリング装置がその本来の作動
状態を維持すべき状況にあるにも拘らずシェアピンが折
損し、パワーステアリング装置が不必要にマニュアルス
テアリング装置に切換ってしまう。
【0006】一方セラミックスは金属や樹脂に比して耐
衝撃性に劣るため、従来より二つの部材を連結するため
のキーの如き連結部材の構成材料としては不適当である
と考えられているが、セラミックスは金属や樹脂に比し
て疲労による強度低下が極めて小さいという優れた特徴
を有している。
【0007】しかし連結部材がセラミックスにて構成さ
れる場合には、連結部材に所定値以上の荷重が作用して
も連結部材は必ずしもきれいに二分割の状態に破断せ
ず、細な破片を伴って破断し、そのため破片の噛込みに
起因して二つの部材の互いに他に対する相対変位が阻害
されたり、破片の飛散に起因して周囲に悪影響が及ぼさ
れたりすることがある。
【0008】本発明は、従来のメカニカルヒューズ装置
に於ける上述の如き問題に鑑み、メカニカルヒューズ装
置が長期間に亘り使用されても連結部材が疲労による強
度低下に起因してそれに作用する荷重が設定荷重を大幅
に下まわる状況に於て破断することがなく、これにより
長期間に亘り正常に作動することができ、また連結部材
に所定値以上の荷重が作用し連結部材が破断してもその
破片が飛散して二つの部材の互いに他に対する相対変位
を阻害したり周囲に悪影響を及ぼしたりすることがない
よう改良されたメカニカルヒューズ装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、第一の部材と第二の部材とが連結部材を介
して連結され、前記二つの部材の間に所定値以上の荷重
が作用すると前記連結部材が破壊することにより前記二
つの部材の連結状態を解除するメカニカルヒューズ装置
に於て、前記連結部材はセラミックスにて構成され且弾
性材により覆われていることを特徴とするメカニカルヒ
ューズ装置、又は第一の部材と第二の部材とがシェアピ
ンを介して連結され、前記二つの部材の間に所定値以上
の荷重が作用すると前記シェアピンが前記二つの部材の
間の破断部にて破断することにより前記二つの部材の連
結状態を解除するメカニカルヒューズ装置に於て、前記
シェアピンはセラミックスにて構成され、前記シェアピ
ンの前記破断部以外の部分は金属キャップにより予圧縮
された状態にて覆われていることを特徴とするメカニカ
ルヒューズ装置によって達成される。
【0010】
【作用】図8はセラミックス(窒化ケイ素)の遅れ破壊
強度及び疲労強度を金属(合金鋼、JIS規格SCM4
4)の疲労強度と対比して示すグラフである。この図8
より、金属の疲労による強度低下は比較的大きいのに対
し、セラミックスの108 回経過後の疲労強度はその初
期強度の約80%であり、セラミックスの疲労による強
度低下は極めて小さいことが解る。
【0011】上述の前者(請求項1)及び後者(請求項
2)の構成によれば、第一及び第二の部材の連結状態を
制御する連結部材及びシェアピンは、疲労による強度低
下が極めて小さいセラミックスにて構成されるので、メ
カニカルヒューズ装置が長期間に亘り使用されても、疲
労による強度低下に起因して連結部材やシェアピンがそ
れに作用する荷重が設定荷重を大幅に下まわる状況に於
て破断することがなく、メカニカルヒューズ装置を長期
間に亘り所期の設計通りに作動させることが可能にな
る。
【0012】特に上述の前者の構成によれば、連結部材
は弾性材により覆われているので、連結部材に作用する
荷重が設定荷重以上になり連結部材が第一の部材と第二
の部材との間の部分に於て破断し、これに対応して弾性
材が破断しても、連結部材の残り部分は弾性材により実
質的に元の形態に保持され連結部材が砕け散ることが防
止され、また第一及び第二の部材の孔や溝に連結部材が
圧入により挿入される場合にも弾性材により連結部材が
第一又は第二の部材によって傷つけられることが防止さ
れると共に、弾性材により連結部材が孔や溝内に於てガ
タつくことが防止される。
【0013】また上述の後者の構成によれば、シェアピ
ンはセラミックスにて構成され、シェアピンの破断部以
外の部分は金属キャップにより予圧縮された状態にて覆
われているので、シェアピンに作用する荷重が設定荷重
以上になりシェアピンがその破断部に於て破断しても、
シェアピンの残りの部分は金属キャップにより実質的に
元の形態に保持されシェアピンが砕け散ることが防止さ
れ、また第一及び第二の部材の孔にシェアピンが圧入に
より挿入される場合にも金属キャップによりシェアピン
が第一又は第二の部材によって傷つけられることが防止
されると共に、金属キャップによりシェアピンが孔内に
於てガタつくことが防止される。
【0014】更に上述の後者の構成によれば、金属キャ
ップによりシェアピンに与えられる予圧縮の程度を適宜
に設定することにより、非常に硬質のセラミックス製の
シェアピンに切欠き溝等を形成しなくても、シェアピン
の破断部に於ける応力集中の度合を比較的正確に制御す
ることができ、これによりシェアピンの設定破断荷重、
即ちシェアピンが破断する際の荷重を容易に且低廉に設
定することができるようになる。
【0015】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0016】図1は本発明によるメカニカルヒューズ装
置が適用された電動式パワーステアリング装置を示す概
略構成図、図2は図1のモータの回転軸と歯車の回転軸
との間に適用されたメカニカルヒューズ装置の第一の実
施例を一部破断して示す拡大部分図、図3は図2に示さ
れた第一の実施例の要部を示す拡大部分縦断面図、図4
は図3の切断面に垂直な切断面に沿う断面図である。
【0017】図1に於て、10は上端にステアリングホ
イール12が固定されたステアリングシャフトを示して
いる。ステアリングシャフト10は途中に操舵トルクを
検出するトルクセンサ14を有し、下端にてラック・ア
ンド・ピニオン式ステアリング装置16のピニオンシャ
フトに連結されている。またステアリングシャフト12
にはトルクセンサ14と下端との間にて後述の如く従動
歯車18が固定されており、従動歯車18はモータ20
により駆動される駆動歯車22と噛合している。モータ
20の回転はトルクセンサ14及び図には示されていな
い他のセンサによる検出結果に基づき電子制御装置24
によって制御され、これにより少なくとも操舵トルクに
応じて補助操舵力を発生するようになっている。
【0018】図2に示されている如く、モータ20の回
転軸26及び駆動歯車22の回転軸28はそれぞれ軸受
30及び32により回転軸線34の周りに回転可能に支
持されている。回転軸26はその先端に軸線34に沿っ
て延在する断面円形の凸部26Aを有し、回転軸28は
その先端に軸線34に沿って延在し凸部26Aを実質的
に密に受入れる断面円形の凹部28Aを有している。
【0019】図3及び図4に示されている如く、凸部2
6A及び回転軸28の先端の円筒部28Bにはそれぞれ
軸線34に垂直に延在し且互いに整合する断面円形のピ
ン挿通孔36及び38が設けられており、これらのピン
挿通孔には丸棒状のセラミックス製のシェアピン40が
挿通されており、回転軸26及び28はシェアピン40
によってトルク伝達可能に互いに一体的に連結されてい
る。シェアピン40はその全体に亘り樹脂コーティング
層42により覆われている。ピン挿通孔36及び38の
直径は樹脂コーティング層42を含むシェアピン40の
直径よりも僅かに小さく且シェアピン40それ自身の直
径よりも僅かに大きく設定されており、これによりシェ
アピンは樹脂コーティング層42が圧縮された状態にて
ピン挿通孔36及び38に挿入されている。
【0020】かくしてシェアピン40は回転軸26の凸
部26A及び回転軸28の円筒部28Bと共働して、こ
れらの間に所定値以上の回転トルクが作用しシェアピン
に設定荷重以上の剪断荷重が作用すると破断することに
より二つの回転軸の連結状態を解除するメカニカルヒュ
ーズ装置44を構成している。
【0021】更に図示の実施例に於ては、回転軸28の
円筒部28Bには実質的に円筒形のゴムブーツ46が装
着されている。ゴムブーツ46はシェアピン40の両端
を覆うと共に回転軸28の円筒部28Bの先端と回転軸
26の肩部26Bとの間の空隙を覆っており、このゴム
ブーツにより凸部26Aと円筒部28Bとの間の領域に
粉塵や泥水が侵入することが防止されると共にシェアピ
ンが破断する際にその破片が周囲に飛散することが確実
に防止されるようになっている。
【0022】図5は図1のモータの回転軸と歯車の回転
軸との間に適用されたメカニカルヒューズ装置の第二の
実施例の要部を示す拡大部分縦断面図、図6は図5の切
断面に垂直な切断面に沿う断面図、図7は図5及び図6
に示されたシェアピンを拡大して示す正面図(A)及び
縦断面図(B)である。尚図7に於て、図3及び図4に
示された部分に対応する部分にはこれらの図に於て付さ
れた符号と同一の符号が付されている。
【0023】この第二の実施例に於ては、回転軸26の
凸部26Aに設けられたピン挿通孔36は軸線34に垂
直に延在する有底の孔として形成されており、回転軸2
8の円筒部Bにはピン挿通孔36に整合して一つのピン
挿通孔38のみが設けられている。これらのピン挿通孔
には実質的に丸棒状のセラミックス製のシェアピン40
が挿入されている。シェアピン40は凸部26Aと円筒
部28Bとの間の領域に対応する部分を除き例えば焼嵌
めによって装着された金属キャップ48及び50により
予圧縮された状態にて覆われている。
【0024】かくしてこの実施例のシェアピン40も回
転軸26の凸部26A及び回転軸28の円筒部28Bと
共働して、これらの間に所定値以上の回転トルクが作用
しシェアピンに設定荷重以上の剪断荷重が作用すると破
断することにより二つの回転軸の連結状態を解除するメ
カニカルヒューズ装置44を構成している。またこの実
施例に於て回転軸26と回転軸28との間にトルクが伝
達される場合には、図7(B)に於て仮想線Aにて示さ
れている如く、金属キャップ48及び50の互いに対向
する端部の間の中間に於て最も高い応力集中が生じ、そ
のためこの部分が破断部となる。尚この実施例に於ても
ゴムブーツ46が装着されている。
【0025】図示の各実施例に於て、駆動歯車22と従
動歯車18との間に伝達されるトルクが所定値未満であ
り、これにより回転軸26及び28によりシェアピン4
0に与えられる剪断荷重がシェアピンを構成するセラミ
ックスの種類及びシェアピンの大きさや形状等により決
定される設定破断荷重未満であるときには、シェアピン
は破断せず、これにより回転軸26及び28はトルク伝
達可能に互いに一体的に連結された状態に維持される。
【0026】これに対し駆動歯車22と従動歯車18と
の間に於ける伝達トルクが所定値以上になり、これらに
よりシェアピン40に与えられる剪断荷重が設定破断荷
重以上になると、シェアピンは凸部26Aと円筒部28
Bとの間に対応する位置に於て破断し、これにより回転
軸26及び28の連結状態が解除され、二つの回転軸は
軸線34の周りに自由に相対回転し得るようになる。
【0027】この場合第一の実施例に於てはシェアピン
が破断する際に樹脂コーティング層42も破断するが、
第二の実施例に於ては金属キャップ48及び50はその
ままの状態にて残存し、シェアピンの破断部の両側にも
亀裂が進展することにより破片が生じても、それらの破
片は破断した樹脂コーティング層42又は金属キャップ
48及び50により崩壊しないよう保持され、またゴム
ブーツ46により破片が周囲に飛散することが確実に阻
止されるので、凸部26Aと円筒部28Bとの間に多数
の破片が侵入して回転軸26及び28の相対回転が大き
く阻害されたり、破片が周囲に飛散して他の部品に悪影
響を及ぼしたりする虞れを確実に低減することができ
る。
【0028】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0029】例えば上述の二つの実施例のシェアピン4
0には切欠き溝が設けられていないが、シェアピンが多
数の細かい破片を生じることなく良好に二分割の状態に
破断するよう、シェアピンの凸部26Aと円筒部28B
との間の領域に切欠き溝が設けられてもよい。また上述
の第一の実施例のシェアピンを覆う弾性材は樹脂である
が、シェアピンを覆う弾性材は比較的容易に破断する弾
性材である限りゴムの如き樹脂以外の材料であってもよ
い。
【0030】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、第一及び第二の部材の連結状態を制御する
連結部材及びシェアピンは、疲労による強度低下が極め
て小さいセラミックスにて構成されるので、メカニカル
ヒューズ装置が長期間に亘り使用されても、疲労による
強度低下に起因して連結部材やシェアピンがそれに作用
する荷重が設定荷重を大幅に下まわる状況に於て破断す
ることがなく、従ってメカニカルヒューズ装置を長期間
に亘り所期の設計通りに作動させることができる。
【0031】特に本発明の請求項1の構成によれば、連
結部材は弾性材により覆われているので、連結部材に作
用する荷重が設定荷重以上になり連結部材が第一の部材
と第二の部材との間の部分に於て破断し、これに対応し
て弾性材が破断しても、連結部材の残りの部分は弾性材
により実質的に元の形態に保持され連結部材が砕け散る
ことが防止され、従って第一及び第二の部材の間に破断
部材の破片が多量に侵入して二つの部材の相対変位が阻
害されたり他の部品に悪影響が及ぼされたりすることを
効果的に防止することができ、また第一及び第二の部材
の孔や溝に連結部材が圧入により挿入される場合にも弾
性材により連結部材が第一又は第二の部材によって傷つ
けられることを防止すると共に、弾性材により連結部材
が孔や溝内に於てガタつくことを防止することができ、
これにより連結部材が弾性材により覆われない場合に比
してメカニカルヒューズ装置を長期間に亘り所期の設計
通りに良好に且正確に作動させることができる。
【0032】また上述の請求項2の構成によれば、シェ
アピンの破断部以外の部分は金属キャップにより予圧縮
された状態にて覆われているので、シェアピンに作用す
る荷重が設定荷重以上になりシェアピンがその破断部に
於て破断しても、シェアピンの残りの部分は金属キャッ
プにより実質的に元の形態に保持されシェアピンが砕け
散ることが防止され、従って第一及び第二の部材の間に
シェアピンの破片が多量に侵入して二つの部材の相対変
位が阻害されたり他の部品に悪影響が及ぼされたりする
ことを効果的に防止することができ、また第一及び第二
の部材の孔や溝にシェアピンが圧入により挿入される場
合にも弾性材によりシェアピンが第一又は第二の部材に
よって傷つけられることを防止することができると共
に、弾性材によりシェアピンが孔や溝内に於てガタつく
ことを防止することができ、これによりシェアピンが金
属キャップにより覆われない場合に比してメカニカルヒ
ューズ装置を長期間に亘り所期の設計通りに良好に且正
確に作動させることができる。
【0033】更に上述の請求項2の構成によれば、金属
キャップによりシェアピンに与えられる予圧縮の程度を
適宜に設定することにより、非常に硬質のセラミックス
製のシェアピンに切欠き溝等を形成しなくても、シェア
ピンの破断部に於ける応力集中の度合を比較的正確に制
御することができ、これによりシェアピンの設定破断荷
重、即ちシェアピンが破断する際の荷重を容易に且低廉
に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメカニカルヒューズ装置が適用さ
れた電動式パワーステアリング装置を示す概略構成図で
ある。
【図2】図1のモータの回転軸と歯車の回転軸との間に
適用されたメカニカルヒューズ装置の第一の実施例を一
部破断して示す拡大部分図である。
【図3】図2に示された第一の実施例の要部を示す拡大
部分縦断面図である。
【図4】図3の切断面に垂直な切断面に沿う断面図であ
る。
【図5】図1のモータの回転軸と歯車の回転軸との間に
適用されたメカニカルヒューズ装置の第二の実施例の要
部を示す拡大部分縦断面図である。
【図6】図5の切断面に垂直な切断面に沿う断面図であ
る。
【図7】図5及び図6に示されたシェアピンを拡大して
示す正面図(A)及び縦断面図(B)である。
【図8】セラミックスの疲労強度を金属の疲労強度と比
較して示すグラフである。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト 16…ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置 18…従動歯車 22…駆動歯車 26、28…回転軸 40…シェアピン 42…樹脂コーティング層 44…メカニカルヒューズ装置 46…ゴムブーツ 48、50…金属キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 尚 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 香川 和則 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 実開 平3−106(JP,U) 実開 昭63−30610(JP,U) 実開 昭63−24417(JP,U) 実開 昭59−141225(JP,U) 実開 昭59−127914(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16B 21/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の部材と第二の部材とが連結部材を介
    して連結され、前記二つの部材の間に所定値以上の荷重
    が作用すると前記連結部材が破壊することにより前記二
    つの部材の連結状態を解除するメカニカルヒューズ装置
    に於て、前記連結部材はセラミックスにて構成され且弾
    性材により覆われていることを特徴とするメカニカルヒ
    ューズ装置。
  2. 【請求項2】第一の部材と第二の部材とがシェアピンを
    介して連結され、前記二つの部材の間に所定値以上の荷
    重が作用すると前記シェアピンが前記二つの部材の間の
    破断部にて破断することにより前記二つの部材の連結状
    態を解除するメカニカルヒューズ装置に於て、前記シェ
    アピンはセラミックスにて構成され、前記シェアピンの
    前記破断部以外の部分は金属キャップにより予圧縮され
    た状態にて覆われていることを特徴とするメカニカルヒ
    ューズ装置。
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