JP2812164B2 - カルボン酸基含有重合体粉末の製造方法 - Google Patents

カルボン酸基含有重合体粉末の製造方法

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JP2812164B2
JP2812164B2 JP5300389A JP30038993A JP2812164B2 JP 2812164 B2 JP2812164 B2 JP 2812164B2 JP 5300389 A JP5300389 A JP 5300389A JP 30038993 A JP30038993 A JP 30038993A JP 2812164 B2 JP2812164 B2 JP 2812164B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルボン酸基含有重合体
の粉末を得る方法に関する。詳しくは、カルボン酸基含
有非水溶性重合体の粉末を、水を用いる析出法において
効率的に微細な粒子を得る方法に関する。本発明の方法
により得られる重合体粉末は未反応単量体の残留分が少
なく、化粧品のベース樹脂や皮膚に接触する可能性のあ
るコーティング樹脂の製造方法として適している。
【0002】
【従来の技術】通常、非水溶性のカルボン酸基含有重合
体は、カルボン酸基含有不飽和単量体と他の不飽和単量
体とを、乳化重合、懸濁重合あるいは有機溶剤を用いた
溶液重合法により共重合して得られる。しかし、乳化重
合あるいは懸濁重合法の場合にはカルボン酸基含有不飽
和単量体成分が水に溶解してしまうために、均一な組成
の共重合体を得る事は難しい。このため、均一な組成の
共重合体を得るには、その不飽和単量体成分及び生成重
合体が均一に溶解する有機溶剤を用いた溶液重合法を行
うのが有効である。
【0003】溶液重合法により得られた非水溶性の重合
体の粉末を得る方法としては、有機溶剤を蒸発乾固して
得た重合体を粉砕する方法、あるいは重合体の有機溶剤
溶液に水などの重合体の貧溶媒を混合して重合体を沈澱
析出させる方法がある。しかしながら、前者の方法は、
溶剤及び未反応モノマーを除去するには多大のエネルギ
ーを要し非効率である。一方、析出法は重合体溶液濃度
をかなり小さくし、水などの不溶性溶剤を多量に使用し
ないと、析出した共重合体の粒子同士が粘着、凝集する
などの問題があった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、カルボン
酸基を有する非水溶性重合体の親水性有機溶剤溶液か
ら、貧溶媒として水を用いて重合体を析出させる方法に
おいて、析出した重合体の粒子同士の粘着凝集を防ぎ、
重合体の微細な粉末粒子を効率的に得る方法を提供しよ
うとするものである。
【0005】
【課題を解決するため手段】すなわち、本発明は、分子
中にカルボン酸基を有する非水溶性重合体の親水性有機
溶剤溶液と下記式(1)で示されるカルボン酸基含有不
飽和単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体
の中和物からなる分散剤の水溶液とを混合して当該非水
溶性重合体を析出させることを特徴とする、化粧品のベ
ース樹脂や皮膚に接触する可能性のあるコーティング樹
脂に適した、カルボン酸基含有重合体の粉末の製造方法
を提供するものである。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R
2 は水素原子、メチル基又は−CH2COOH基を表
す。) [カルボン酸基含有共重合体]本発明の方法に用いられ
るカルボン酸基含有非水溶性重合体は、例えば、カルボ
ン酸基含有不飽和単量体と他の不飽和単量体との共重合
により得られる。
【0008】カルボン酸基含有不飽和単量体としては、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、マレイン酸モノアルキルエーテル等のカルボン酸
基を有する不飽和単量体が用いられる。他の不飽和単量
体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル類、
(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸
の芳香族炭化水素含有アルキルエステル類、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、N−ビニルピロリド
ン、アクリルアミド等の親水性モノマー類、あるいはス
チレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニルなどの親油性
モノマー、及びポリシロキサン基を有するマクロマー、
例えば、市販品としてFM0711、FM0721、F
M0725(いずれもチッソ(株)商品名)等のエチレ
ン性不飽和基を1つ有するポリシロキサンマクロマ
ー、、市販品としてFM7711、FM7721、FM
7725(いずれもチッソ(株)商品名)等の両末端に
エチレン性不飽和基を2つ有するポリシロキサンマクロ
マー等が挙げられる。
【0009】重合反応は、通常の重合反応を用いる事が
出来る。例えば、カルボン酸基含有及び他の不飽和単量
体を後記する親水性有機溶剤や他の溶剤に20〜50%
の濃度で仕込み、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始
剤をモノマー当たり0.1〜2%使用し、窒素等の不活
性ガス雰囲気下で60〜90℃で3〜10時間反応して
重合体を得る。
【0010】カルボン酸基含有不飽和単量体と他の不飽
和単量体との割合は、得られる重合体が親水性有機溶剤
に可溶で、非水溶性の、具体的には水に対する溶解度
(25℃)が3wt%以下となる範囲内で適宜選択され
得る。カルボン酸基含有不飽和単量体の割合は、他の不
飽和単量体の種類(親水性又は疎水性)あるいはその重
合体の分子量によっても異なるが、一般的に、カルボン
酸基含有不飽和単量体としてアクリル酸またはメタクリ
ル酸を、他の不飽和単量体として(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル等の疎水性不飽和単量体を用いた場合に
は、カルボン酸基含有不飽和単量体5〜70重量%、好
ましくは10〜50重量%、他の不飽和単量体95〜3
0重量%、好ましくは90〜50重量%の範囲が選ばれ
る。重合体中のカルボン酸基含有単量体成分の割合が少
ないと親水性有機溶剤に溶解しにくくなり、また多すぎ
ると水に対する溶解度が増加するので好ましくない。
【0011】カルボン酸基含有重合体の中でも、分子中
にポリシロキサン基を5〜50重量%有する重合体が、
詳細な理由は不明であるが、他の重合体よりも微細な粒
子系のものが得られるので本発明の方法に特に有利であ
る。ポリシロキサン基を有する重合体は、前記したポリ
シロキサンマクロマーをカルボン酸基含有不飽和単量体
や他の不飽和単量体と共重合することにより得られるが
(例えば、特開平3−128909号公報等を参照)、
カルボン酸基含有重合体のカルボン酸基に末端エポキシ
基ポリシロキサン、例えば、市販品としてFM0521
(チッソ(株)商品名)、を反応させて得ることもでき
る。又、カルボン酸基含有不飽和単量体と他の不飽和単
量体とを、メルカプト基含有ポリシロキサン化合物、例
えば、市販品としてBX16−838A(東レダウコー
ニング(株)商品名)、X−22−980、X−22−
167B(いずれも信越化学工業(株)商品名)等の存
在下に過酸化物等を用いてラジカル重合することによ
り、スルフィド結合を介してポリシロキサン基が結合し
た重合体として得ることもできる。これらの重合体の場
合のカルボン酸基含有不飽和単量体と他の不飽和単量体
との割合は、これらのポリシロキサン化合物を前記の他
の不飽和単量体量に合算して定められる。非水溶性重合
体の分子量は通常5,000〜200万のものが好適に
用いられるが、1万〜50万のものが特に好適に用いら
れる。
【0012】[親水性有機溶剤]親水性有機溶剤として
は、水に対する溶解度(25℃)が5重量%以上の溶剤
が用いられる。溶解度が5重量%より少ないと重合体の
析出の際、溶剤が重合体粒子から水中に溶解しにくく、
いつまでも粒子中に存在するために粒子同士が粘着、凝
集し易い。これらの親水性有機溶剤としてはメチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルア
ルコール等の脂肪族アルコール類、1,4−ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢
酸エチル、ギ酸メチル等のエステル類が挙げられる。こ
れらのうち最も好適なのは、水と自由に混和可能であ
り、工業的にも安価に入手でき、沸点が100℃より低
く、好ましくは50〜90℃で析出後の粒子分散系より
蒸留留去可能な、アセトン、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール等である。
【0013】親水性有機溶剤溶液中の非水溶性重合体の
濃度は、通常10〜60重量%で用いられるが、溶液の
粘度及び作業の効率から30〜50重量%が好ましい。
重合体の濃度が低すぎると重合体を析出させるのに多量
の水を必要とし、濃度が高すぎると溶液の粘度が高く取
り扱いにくい為である。親水性有機溶剤中で前記の重合
反応をして得られる反応液は、通常、重合体濃度20〜
50重量%であり、そのままカルボン酸基を有する非水
溶性重合体の親水性有機溶剤溶液として用いてもよい。
また、反応後、必要に応じて、親水性有機溶剤で置換又
は再溶解して用いてもよい。
【0014】[分散剤]本発明の方法に用いられる分散
剤は、前記式(1)で示されるカルボン酸基含有不飽和
単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体の中
和物からなる。式(1)で示される不飽和単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸が挙げられる。これらのカルボン酸基含有不飽和単量
体は、共重合に供する不飽和単量体の10〜70重量%
が好ましい。この成分が10重量%より少ないと分散剤
の水溶性が低下し、分散剤としての効果を減じてしま
う。また、70重量%より多いと分散剤の親水性が大き
すぎて、分散剤としての効果を減じてしまう。
【0015】式(1)で示されるカルボン酸基含有不飽
和単量体と共重合させる(メタ)アクリル酸エステルと
しては、下記式(2)で示される不飽和単量体が好まし
い。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R3 は水素原子又はメチル基、R
4 は炭素数1から22のアルキル基、炭素数6から22
のシクロアルキル基又は炭素数7から22の芳香族基含
有アルキル基を表す。) (メタ)アクリル酸エステル
の具体例としては、前記非水溶性重合体に用いられる不
飽和単量体として例示されている(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル類、(メタ)アクリル酸シクロアルキル
エステル類、(メタ)アクリル酸の芳香族炭化水素含有
アルキルエステル類などが挙げられる。(メタ)アクリ
ル酸エステルは、共重合に供する不飽和単量体の30〜
90重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0018】また分散剤としての効果を減じない限り、
これらモノマーと共重合可能な他の不飽和単量体を、共
重合に供する不飽和単量体の50重量%以下の割合で構
成成分として加えてもよい。これら他のモノマーとして
は(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−ビニ
ルピロリドン、アクリルアミド等の親水性モノマー類、
あるいはスチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニルな
どの親油性モノマーが挙げられる。
【0019】本発明の方法に用いられる分散剤は、これ
らの不飽和単量体の共重合体中のカルボン酸基を中和す
ることにより得られる。尚、分散剤の前駆体共重合体組
成が目的とする前記非水溶性カルボン酸基含有重合体と
全く同じ組成であってもかまわない。分散剤前駆体共重
合体の分子量は、通常2,000〜50万のものが好適
に用いられるが、5,000〜10万のものが特に好適
に用いられる。
【0020】分散剤の製造法としては、通常の重合反応
及び中和反応を用いる事が出来る。例えば、前記(1)
〜(3)の不飽和単量体を親水性溶媒中で前記非水溶性
重合体の重合反応と同様にして前駆重合体を得た後にア
ルカリで中和する。あるいは(1)のカルボン酸基含有
不飽和単量体をあらかじめアルカリで中和した後に、他
の不飽和単量体と共重合して分散剤を得てもよい。
【0021】中和に用いるアルカリとしては、水酸化ナ
トリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の金属ア
ルカリ類、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチル−プロパノール等のアミン
類、アンモニア等が挙げられる。これらアルカリによる
中和度は(1)のカルボン酸基含有不飽和単量体の50
〜100モル%が好適であり、分散剤の分散能力及び水
溶性から決定すれば良い。中和に供するアルカリは、通
常1〜20重量%の水溶液として用いる。尚、アルカリ
を100モル%より過剰に加える事は目的とするカルボ
ン酸基含有非水溶性共重合体のカルボン酸基の一部を中
和してしまうことになり、避けなければならない。
【0022】上記の様にして得られた分散剤溶液は、通
常、固形分で10〜50重量%の濃度に調整されている
ので、得られた分散剤溶液にそのまま水を加えるか、又
は必要に応じて水で置換することにより、分散剤の水溶
液として用いる。分散剤水溶液中の分散剤濃度は、固形
分で0.01〜1重量%が好ましい。重合反応で得られ
た分散剤溶液をそのまま用いる場合は、水溶液中の親水
性溶媒中濃度は5重量%以下が好ましい。分散剤の量は
非水溶性重合体1重量部に対し、0.1〜20重量部用
いられる。好ましくは0.5〜5重量部である。0.1
重量部より少ないと分散効果が無く20重量部より多く
ても分散効果に変化はなく、非経済的である。
【0023】[粉末化方法]カルボン酸基含有非水溶性
重合体の親水性有機溶剤溶液と分散剤の水溶液とを混合
して重合体の粉体を得る方法としては次の方法が取り得
る。第一の方法は親水性有機溶剤溶液を撹拌しながら、
その中に分散剤を溶解した水溶液を徐々に添加していく
方法である。第二の方法としては分散剤の水溶液を撹拌
しながら、その中に親水性有機溶剤溶液を徐々に添加し
ていく方法である。両方法とも最終的には良好な粉体の
スラリーとなるが、第一の方法は途中の段階で系の粘度
が増加するため、より強力な撹拌動力が必要であり、第
二の方法の方がより有益である。又、第一と第二の中間
の方法、例えばラインミキシングのように、分散剤の水
溶液と重合体溶液とを同時に混合撹拌しても良い。
【0024】使用する水の量は親水性有機溶剤と水が均
一に混合される範囲で、通常、非水溶性重合体の重量に
対し3〜20重量倍使用される。3倍より少ないと得ら
れた粉体スラリーの粘度が高く取り扱いにくい。また2
0倍より多いと経済的に不利益である。重合体を析出す
るときの温度は、100℃以下で、常温から親水性有機
溶剤の沸点までの温度である。第二の方法の場合には、
系の温度を溶剤の沸点より高くする又は減圧とする等に
より、混合中に同時に添加された有機溶剤を蒸留してい
っても良い。
【0025】得られた粉体スラリーは、そのまま濾過、
乾燥工程を経て、乾燥粉体として得る事が出来る。濾過
を行う前に使用した親水性有機溶剤を蒸留により系内か
ら除いた方が濾過工程に於ける粘着等の問題を防ぐため
にも有効である。溶剤の蒸留除去は、常圧あるいは減圧
下で、系を加熱して溶剤を蒸留除去する方法等により行
われる。本発明の方法により得られる重合体粉末の粒径
は、通常1000μ以下の微細な粒子である。
【0026】
【発明の効果】 水を析出溶剤として使用するため、非
水溶性重合体の構成成分であるカルボン酸基含有単量体
の未反応分が水に溶解し、また、水に不溶の未反応単量
体も沸点が低いものは親水性有機溶剤を蒸留する際に同
時に留去されるため、得られた重合体粉末はその未反応
成分を少なくする事ができる。よって本発明の方法によ
り微細な粉末粒子を効率的に得る他、得られる重合体粉
末は未反応単量体による毒性の心配がなく、化粧品のベ
ース樹脂や皮膚に接触する可能性のあるコーティング樹
脂の製造方法として適している。
【0027】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を上げて更に詳述
する。尚、これらの例に記載の「部」および「%」は特
にことわりの無いかぎり重量部および重量%をそれぞれ
意味する。 カルボン酸基含有非水溶性重合体の製造例 A−1 還流冷却管、温度計、窒素導入用ガラス管、および攪拌
装置を取り付けた四ッ口フラスコにアクリル酸10部、
メタクリル酸15部、メタクリル酸メチル10部、メタ
クリル酸n−ブチル40部、メタクリル酸ラウリル20
部、分子量5,000のポリシロキサンマクロマー(チ
ッソ(株)FM0721)10部、エタノール150部
およびアゾビスイソブチロニトリル0.6部を添加し、
窒素気流下80℃で6時間反応し、分子量15万のカル
ボン酸基含有非水溶性重合体40%エタノール溶液を得
た。ガスクロマトグラフィーにより測定した結果ばエタ
ノール溶液中には固形分あたり、アクリル酸1,400
ppm、メタクリル酸3,500ppmが含まれてい
た。
【0028】A−2 A−1と同様の四ッ口フラスコにアクリル酸10部、メ
タクリル酸15部、メタクリル酸メチル20部、アクリ
ル酸t−ブチル10部、分子量3,000の両末端メル
カプト変性ポリシロキサン(信越化学(株)X−22−
167B)25部、アセトン150部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル1.2部を添加し、窒素気流下60℃
で10時間反応し、分子量30万のカルボン酸基含有重
合体40%アセトン溶液を得た。
【0029】A−3 A−1と同様の四ッ口フラスコにアクリル酸25部、ア
クリル酸エチル25部、メタクリル酸n−ブチル50
部、アセトン200部およびアゾビスバレロニトリル
1.2部を添加し、窒素気流下60℃で6時間反応した
後、4時間かけてアセトンを100部留去して、分子量
21万のカルボン酸基含有重合体50%アセトン溶液を
得た。
【0030】A−4 A−1と同様の四ッ口フラスコにアクリル酸25部、ア
クリル酸t−ブチル25部、メタクリル酸t−ブチル2
5部、ポリシロキサンマクロマー(チッソ(株)FM0
721)10部、アセトン400部およびアゾビスイソ
ブチロニトリル1.2部を添加し、窒素気流下60℃で
10時間反応して、分子量25万のカルボン酸基含有重
合体20%アセトン溶液を得た。
【0031】分散剤の製造例 B−1 還流冷却管、温度計、窒素導入用ガラス管、および撹拌
装置を取り付けた四ッ口フラスコにメタクリル酸20
部、メタクリル酸メチル40部、アクリル酸エチル40
部、イソプロピルアルコール300部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル1部を添加し、窒素気流下80℃で6
時間反応し、分子量8万の分散剤前駆重合体を得た。次
いで、このメタクリル酸の90モル%を中和する水酸化
ナトリウムの8.4重量%水溶液を徐々に加え、最終的
に固形分濃度20%の分散剤溶液(B−1)を得た。
【0032】B−2 B−1と同様の四ッ口フラスコにアクリル酸20部、メ
タクリル酸25部、メタクリル酸メチル20部、アクリ
ル酸ブチル25部、メタクリル酸ステアリル10部、エ
タノール200部およびアゾビスイソブチロニトリル
1.5部を添加し、窒素気流下80℃6時間反応した。
得られた分子量7万の重合体のカルボン酸基の80モル
%を中和するに必要な2−アミノ−2−メチルプロパノ
ールの水溶液を添加して中和を行った後、重合反応に用
いた溶剤のエタノールを蒸留して、最終的に固形分30
%濃度の分散剤水溶液(B−2)を得た。
【0033】B−3 B−1と同様にして、四ッ口フラスコにエタノール30
0部を添加し、窒素気流下で80℃まで昇温した後、ア
クリル酸60部、アクリル酸t−ブチル140部、過酸
化ベンゾイル1.8部を1時間かけて滴下した後、更に
5時間反応を継続した。得られた重合体の分子量は36
000であった。次いでアクリル酸の90モル%を中和
する量の水酸化カリウムの水溶液を添加した後、重合反
応に用いたエタノールを留去して固形分40%濃度の分
散剤水溶液(B−3)を得た。
【0034】実施例1 還流冷却管、温度計、窒素導入用ガラス管、および撹拌
装置を取り付けた四ッ口フラスコに 分散剤溶液(B−
1)20部、水280部を仕込み、50℃まで昇温した
分散剤水溶液に、攪拌下、カルボン酸基含有重合体の4
0%エタノール溶液(A−1)50部を1時間かけて添
加し、粒子同士が凝集しない良好なスラリー液を得た。
その後、温度を90℃まで上げて系内のアルコール類を
留去し、冷却、濾過、乾燥して、平均粒径500μの非
水溶性重合体の粉体19.5重量部を得た。粒子内のア
クリル酸は30ppm、メタクリル酸は70ppmに減
少していた。
【0035】比較例1 分散剤を使用せず、四ッ口フラスコに水300部を仕込
んだ以外は実施例1と同様にして析出を行ったが、重合
体粒子同士が凝集して良好な粉末が得られなかった。 比較例2 分散剤溶液(B−1)を用いず、分子量2万のポリアク
リル酸ナトリウム4部、水296部を仕込んだ以外は実
施例1と同様にして析出を行ったが、得られた重合体の
粒子は非常に粗い粉末で、その粒径は2mm以上であっ
た。
【0036】実施例2 実施例1と同様の四ッ口フラスコに分散剤溶液(B−
2)10部、水290部を仕込み、70℃まで加温した
分散剤水溶液に、攪拌下、カルボン酸基含有重合体の4
0%アセトン溶液(A−2)50部を1時間かけて添加
したところ、微細な粒子のスラリー液を得た。続いて液
の温度を徐々に95℃まで上げて系内のアセトンを留去
し、冷却、濾過、乾燥したところ、平均粒径450μの
良好な粉体19.7重量部を得た。
【0037】実施例3 実施例2において、カルボン酸基含有重合体の50%ア
セトン溶液(A−3)を用いた以外は実施例2と同様に
析出を行い良好なスラリー液を得、同様にして、平均粒
径800μの良好な粉体19.5重量部を得た。 実施例4 還流冷却管、温度計、窒素導入用ガラス管、および撹拌
装置を取り付けた四ッ口フラスコにカルボン酸基含有非
水溶性重合体の20%アセトン溶液(A−4)100部
を仕込み、60℃まで昇温し、攪拌下、分散剤溶液(B
−3)2.5部を水に混合した分散剤水溶液200部を
30分かけて添加したところ、添加途中に若干増粘した
が最終的に微細な粒子のスラリー液となった。その後液
の温度を徐々に95℃まで上げてアセトンを留去し、冷
却後、濾過、乾燥したところ、平均粒径250μの良好
な粉体19.7重量部を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 勝彦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−60904(JP,A) 特開 昭61−185540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 6/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にカルボン酸基を有する非水溶性
    重合体の親水性有機溶剤溶液と下記式(1)で示される
    カルボン酸基含有不飽和単量体と(メタ)アクリル酸エ
    ステルとの共重合体の中和物からなる分散剤の水溶液と
    を混合して当該非水溶性重合体を析出させることを特徴
    とするカルボン酸基含有重合体粉末の製造方法。 【化1】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原
    子、メチル基又は−CH2COOH基を表す。)
  2. 【請求項2】 非水溶性重合体の重量に対し3〜20重
    量倍の水を用いる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 非水溶性重合体の親水性有機溶剤溶液中
    へ分散剤の水溶液を徐々に添加する請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 分散剤の水溶液中へ非水溶性重合体の親
    水性有機溶剤溶液を徐々に添加する請求項1に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 分散剤の水溶液と非水溶性重合体の親水
    性有機溶剤溶液とを同時に混合攪拌する請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 分散剤の水溶液と非水溶性重合体の親水
    性有機溶剤溶液とを混合して得られるスラリーから親水
    性有機溶剤を蒸留して除去したのち当該非水溶性重合体
    を濾別する請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 親水性有機溶剤の沸点が100℃より低
    いものである請求項6に記載の方法
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