JP3498433B2 - 水性樹脂分散体の製造方法 - Google Patents

水性樹脂分散体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料または粘着剤等と
して好適な水性樹脂分散体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年、世界的な溶剤規制
の強化に伴い、塗料、コーティング剤、粘接着剤、成形
材料、医用材料、電子材料等の分野では、無溶剤化、水
性化の流れがある。しかしながら、例えば乳化剤を用い
る乳化重合等によって得られる水性樹脂分散体を溶剤型
の樹脂製品に代えて、各種用途に使用しようとすると、
該樹脂分散体に含まれる乳化剤が原因で耐水性に劣ると
いう問題があった。上記問題を解決するために、乳化剤
としてアニオン性反応性乳化剤の使用が提案されている
(特開平3−76765号公報)。この方法において
は、反応性乳化剤は、他の単量体と共重合して重合体の
構成単位に組み込まれるために、低分子量の乳化剤を用
いる方法より耐水性が向上する。しかしながら、上記反
応性乳化剤を使用して得られる水性樹脂分散体も、なお
耐水性が十分とは言えず、用途的な制約があった。
【0003】他方、カルボキシル基を含有するラジカル
重合性マクロモノマーが知られている(特開平1−17
8512号公報)が、かかるマクロモノマーを水性樹脂
分散体の製造における反応性乳化剤として用いること
は、該マクロモノマーが水溶性に劣りそのために十分な
乳化特性を有していないとの理由により、そのような検
討自体がなされていなかった。
【0004】 本発明者らは、前記課題を解決するため
鋭意検討した結果、水性乳化重合において、重合体骨格
中にカルボキシル基を有し、かつその片末端に(メタ)
アクリロイル基を有するマクロモノマーをアミンまたは
アンモニアで中和して得られるマクロモノマーを、他の
エチレン性不飽和モノマーの共重合モノマーとして用い
ることにより、得られる水性樹脂分散体から形成される
皮膜が耐水性に極めて優れ、かつマクロモノマーの主構
成単位に由来する光沢、硬度または撥水等の特性が皮膜
表面に効果的に発現することを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、水性媒体中で、カル
ボキシル基のアミン塩またはアンモニウム塩単位を有す
ビニル重合体の片末端に(メタ)アクリロイル基が結
合してなるラジカル重合性マクロモノマーおよびエチレ
ン性不飽和モノマーを乳化共重合することを特徴とする
水性樹脂分散体の製造方法である。
【0005】 以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明におけるマクロモノマーは、カルボキシル基
を一構成単位とするビニル重合体の片末端に(メタ)ア
クリロイル基の結合したマクロモノマー(以下カルボキ
シル基含有マクロモノマーという)を、アミンまたはア
ンモニアで中和することにより得られる。カルボキシル
基含有マクロモノマーは、公知の製造法(例えば特開平
1−268709号公報)により製造でき、その概略
は、後処理によってカルボキシル基に変換可能な構成単
位を有するビニル重合体からなり、その片末端に(メ
タ)アクリロイル基が結合してなるマクロモノマーを一
旦合成した後に、該マクロモノマーに加熱等の操作を加
えることにより、マクロモノマー側にカルボキシル基を
発生させるという方法である。
【0006】カルボキシル基含有マクロモノマーの好ま
しい製法について、具体的に説明すると、以下のとおり
である。すなわち、例えば3−メルカプトプロピオン酸
等のカルボキシル基およびチオール基を有する化合物の
存在下に、tert−ブチルメタクリレートおよびその他の
ビニル単量体をラジカル共重合させ、片末端にカルボキ
シル基を有するビニル重合体を得る。該ビニル重合体の
末端カルボキシル基に、グリシジルメタクリレートを付
加させ末端にエチレン性重合性基を導入する。次いで酸
触媒下に加熱して、tert−ブチルメタクリレート単量体
単位におけるtert−ブチル基を分解させて、カルボキシ
ル基含有マクロモノマーを得る。
【0007】上記方法において、後処理によりカルボキ
シル基含有単量体単位に変換される単量体(以下カルボ
キシル基導入単量体という)すなわちtert−ブチルメタ
クリレート等と共に用いられる、他のビニル単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
イソボルニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸パーフルオロアルキル等の(メタ)アクリル酸エ
ステル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニルおよびスチレン等が挙げられる。カルボ
キシル基導入単量体とその他のビニル単量体の共重合割
合は、カルボキシル基導入単量体3〜60重量%および
その他のビニル単量体97〜40重量%が好ましい。
【0008】カルボキシル基含有マクロモノマーにおけ
るカルボキシル基量としては、0.2〜5.0ミリモル/g
が好ましい。カルボキシル基含有マクロモノマーの好ま
しい数平均分子量は1,000〜20,000である。
【0009】 上記カルボキシル基含有マクロモノマー
は、アミンまたはアンモニアで中和される。以下、かか
る中和後のマクロモノマーをカルボキシレート基含有マ
クロモノマーという。本発明においては、アンモニアま
たは低沸点のアミンによってカルボキシル基を中和する
ことが好ましく、具体的には常圧における沸点が140
℃以下のアミンが好ましく、かかるアミンとしては、ト
リメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
ジメチルエチルアミン、N−メチルモルホリン、t−ブ
タノールアミン、モルホリンおよびジメチルエタノール
アミン等が挙げられる。マクロモノマーにおけるカルボ
キシル基の中和剤として、アンモニアまたは低沸点のア
ミンが用いられると、最終的に得られる水性樹脂分散体
から塗膜を形成した場合、塗膜乾燥の際の加熱によりア
ンモニアまたはアミンが容易に蒸発する結果、耐水性に
優れる塗膜が得られる。
【0010】カルボキシル基の中和は、部分中和または
完全中和のいずれでもよいが、好ましい中和率は50〜
100%である。それによって得られるカルボキシレー
ト基含有マクロモノマーにおけるカルボキシレート基の
好ましい量は、0.2〜5.0ミリモル/gである。マクロ
モノマーにおけるカルボキシレート基の量が、0.2ミリ
モル/g未満であると、マクロモノマーの主構成単位が
疎水性単量体単位である場合に安定な乳化重合が困難と
なるし、また得られる水性樹脂分散体から形成される皮
膜の表面にマクロモノマー固有の物性が発現し難い。一
方、マクロモノマーにおけるカルボキシレート基の量が
5.0ミリモル/gを越えると、水性樹脂分散体による皮
膜等の耐水性が損なわれ易い。
【0011】本発明においては、水性媒体中で上記カル
ボキシレート基含有マクロモノマーと他のエチレン性不
飽和モノマーを乳化共重合させる。上記エチレン性不飽
和モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸アル
キルまたは(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等の
各種(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ブタジエン、イソプレンおよびスチレン等
が挙げられる。カルボキシレート基含有マクロモノマー
と他のエチレン性不飽和モノマーの共重合割合は、マク
ロモノマー3〜50重量%および他のエチレン性不飽和
モノマー97〜50重量%が好ましい。マクロモノマー
の使用量が、3重量%未満であるとマクロモノマーによ
り導入しようとする物性が水性樹脂分散体において発現
し難く、一方50重量%を越えると高濃度で安定な重合
が困難となる。
【0012】本発明における水性媒体中での乳化共重合
は、以下のような実施形態によって行うことができる。
それぞれの実施形態において、重合温度は通常50〜9
0℃であり、重合時間は1〜10時間が好ましい。 エチレン性不飽和モノマーとカルボキシレート含有マ
クロモノマーを、乳化剤の存在下に水性媒体中に乳化分
散させてプレエマルジョンを調製し、これを重合開始剤
を含む水中に供給して重合させるプレエマルジョン法。
油溶性重合開始剤を用いて、それをプレエマルジョン中
に入れて使用してもよい。 乳化剤および重合開始剤を含む所定温度の水中へ、エ
チレン性不飽和モノマーとカルボキシレート含有マクロ
モノマーを供給して重合させる方法。 カルボキシレート含有マクロモノマー、乳化剤および
重合開始剤を含む所定温度の水中へ、エチレン性不飽和
モノマーを供給して重合させる方法。
【0013】本発明におけるカルボキシレート含有マク
ロモノマーは、乳化剤としての作用も有するため、それ
を用いる本発明においては、該マクロモノマーの使用量
が比較的に多ければ、他の乳化剤を使用しないで安定に
乳化重合を行うことができるし、また併用される他の乳
化剤を大幅に減量できる。例えば、カルボキシル基のア
ミン塩またはアンモニア塩単位を1ミリモル/gの割合
で有するカルボキシレート含有マクロモノマーを使用す
る場合、マクロモノマーの共重合割合が40重量%以上
であれば、他の乳化剤の併用は不要である。他の乳化剤
を使用せずに、カルボキシレート含有マクロモノマーお
よびエチレン性不飽和モノマーを水性乳化共重合して得
られる水性樹脂分散体は、フリーの乳化剤を含有しない
ために耐水性に優れる皮膜を形成できる。
【0014】本発明における水性乳化共重合に使用し得
る乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジ
アルキルスルホ琥珀酸ナトリウムおよびナフタレンスル
ホン酸のホルマリン縮合物等のアニオン系界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪
酸エステル等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
【0015】重合開始剤としては、水溶性重合開始剤お
よび油溶性重合開始剤のいずれも使用でき、具体的に
は、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキ
サイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスイソブチルアミド、アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)等のアゾ系化合物、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸
化物、これらの過硫酸塩と亜硫酸塩等の還元剤からなる
レドックス系開始剤等が挙げられる。重合開始剤の使用
量は、マクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーの合
計量100重量部当り、0.01〜5重量部が好ましく、
さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
【0016】本発明によって得られる水性樹脂分散体
は、塗料、コーティング剤、接着剤または粘着剤等の用
途に好適であり、水性樹脂分散体を構成する主要な単量
体単位は、その用途に応じて適宜選択される。水性樹脂
分散体を塗料用樹脂として用いる場合、カルボキシレー
ト含有マクロモノマーの主要単量体単位は、各種(メ
タ)メタクリル酸エステルおよびスチレン等が適してお
り、また該マクロモノマーと共重合させるエチレン性不
飽和モノマーにも、(メタ)メタクリル酸エステルおよ
びスチレン等が適している。また、粘着剤用の水性樹脂
分散体における主要な単量体単位は、炭素数が4以上の
アルキル基を有する(メタ)メタクリル酸アルキルが好
ましい。
【0017】以下に実施例及び比較例を挙げて、本説明
を更に具体的に説明する。なお、各例における「部」は
「重量部」である。 <参考例1> (マクロモノマーAの合成)メチルメタクリレート85
部とtert−ブチルメタクリレート15部を、酢酸ブチル
中へ、重合温度90℃にて窒素気流下に滴下しながら、
アゾビスイソブチロニトリル(以後AIBNと略記す
る)と3−メルカプトプロピオン酸1.2部を用いてラジ
カル重合を行った。得られた末端カルボキシル基型ポリ
マー溶液に、テトラブチルホスホニウムブロマイド1
部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、グリシ
ジルメタクリレート1.7部を加えて、90℃で6時間反
応させ、末端にエチレン性二重結合を導入した。
【0018】次いでこの溶液にp−トルエンスルホン酸
1部を加え90℃で3時間加熱して、tert−ブチルエス
テルを分解し、カルボキシル基に変換した。このマクロ
モノマー〔重合体骨格の組成;メチルメタクリレート/
メタクリル酸=90/10(重量比)〕のポリスチレン
換算数平均分子量は8300であった。得られたマクロ
モノマー溶液にアンモニア水を加え中和し、減圧下に脱
溶剤してカルボキシレートアンモニウム塩を有するマク
ロモノマーAの固形分25%水溶液を得た。
【0019】
【実施例1】マクロモノマーAの水溶液40部(固形分
として10部)、ブチルメタクリレート47部、スチレ
ン23部およびブチルアクリレート20部を、花王
(株)製レベノールWZ(ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル硫酸ナトリウム、固形分26%)0.4
部、同エマルゲン906(ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、HLB=10.8)1.5部および同エマ
ルゲン935(ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、HLB=17.5)1.5部とともに、撹拌混合して
乳化液を調製した。攪拌機、コンデンサー、温度計、窒
素導入管を備えたフラスコに、蒸留水70部、過硫酸カ
リウム0.4部、炭酸アンモニウム0.7部を入れ、窒素置
換後80℃に保ち、前記乳化液を2時間かけて滴下し
た。その後1時間80℃に維持し、水性樹脂分散体を得
た。
【0020】
【実施例2】参考例1と同様な方法により、重合体部分
の組成がブチルメタクリレート/メタクリル酸=90/
10(重量比)である末端メタクリロイル基マクロモノ
マー(ポリスチレン換算数平均分子量;8200)をア
ンモニア水で中和して、アンモニウムカルボキシレート
を有するマクロモノマーBを得、該マクロモノマーBの
固形分25%の水溶液を使用して、以下の方法により水
性樹脂分散体を製造した。攪拌機、コンデンサー、温度
計、窒素導入管を備えたフラスコに、マクロモノマーB
の水溶液160部、エマルゲン906を1.5部、エマル
ゲン935を1.5部と、アゾビス(2−メチルブチロニ
トリル)0.5部を入れ、窒素置換後80℃に保った。上
記フラスコ中に、メチルメタクリレート30部、スチレ
ン16部および2−エチルヘキシルアクリレート14部
からなる単量体混合液を、滴下ロートから2時間かけて
滴下した。その後1時間80℃に維持し、水性樹脂分散
体を得た。
【0021】
【実施例3】参考例1と同様な方法により、重合体部分
の組成が2−エチルヘキシルアクリレート/アクリル酸
=80/20(重量比)である末端メタクリロイル基マ
クロモノマー(数平均分子量;5800)をトリエチル
アミンで中和して、カルボキシレートアミン塩を有する
マクロモノマーCを得、該マクロモノマーCの固形分2
0%の水溶液を使用して、以下の方法により水性樹脂分
散体を製造した。攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素
導入管を備えたフラスコに、マクロモノマーCの水溶液
75部、水40部、エマルゲン906を1.5部、エマル
ゲン935を1.5部と過硫酸アンモニウム0.5部、炭酸
アンモニウム0.7部を入れ、窒素置換後80℃に保っ
た。上記フラスコ中に、ブチルアクリレート40部、ス
チレン5部およびブチルアクリレート40部からなる単
量体混合液を、滴下ロートから2時間かけて滴下した。
その後1時間80℃に維持し、水性樹脂分散体を得た。
【0022】
【実施例4】重合体部分の組成がブチルアクリレート/
アクリル酸=73/27(重量比)である末端メタクリ
ロイル基マクロモノマー(数平均分子量;5000)を
トリエチルアミンで中和して、カルボキシレートアミン
塩を有するマクロモノマーDを得、該マクロモノマーD
の固形分30%の水溶液を使用して、以下の方法により
水性樹脂分散体を製造した。2−エチルヘキシルアクリ
レート80部、エチルアクリレート8部およびマクロモ
ノマーDの水溶液40部を使用して、実施例3と同様な
操作により水性樹脂分散体を得た。
【0023】上記実施例で得られた水性樹脂分散体につ
いて、以下の物性の測定を行った。 a.水性樹脂分散体の貯蔵安定性;水性樹脂分散体を2
5℃で1週間保管した後の外観を目視で評価。 b.塗膜性能試験;水性樹脂分散体を軟鋼板に塗布し、
25℃で1週間乾燥した後、以下の物性を測定した。 光沢:光沢計を用い、60°鏡面反射率を測定した。 密着性:ゴバン目テストによる。 耐水性:25℃の水道水に2日間浸漬して塗面状態を
肉眼で調べた。
【0024】c.粘着性能試験;水性樹脂分散体を離型
紙上に乾燥後の厚みが15〜20μmとなるように塗布
し、100℃で2分間乾燥した後、その上からコート紙
を載せて粘着剤層を離型紙からコート紙へ転写して、試
験用粘着シートを製作した。該シートを23℃、65%
RHで1日状態調節した後、以下の物性を測定した。ま
た、一旦50℃、95%RHで10日間保管した後、2
3℃、65%RHで1日状態調節したものについても同
様の物性を測定した。 タック:JIS Z−0237に規定の球転法(ボー
ル番号で評価)。 粘着力:JIS Z−0237に規定の180℃剥離
強度(被着体;ステンレス板,単位─g/25mm)。 保持力:JIS Z−0237に規定の方法。貼り付
け面積20mm×20mmで40℃で1kgの荷重をか
けて保持時間または一定時間後のズレ幅を測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
【比較例1】実施例3のマクロモノマーCの水溶液75
部に代えて、市販の反応性乳化剤エレミノールJS−2
〔三洋化成工業(株)製;スルホン酸ソーダ単位を有す
るコハク酸アルキルエステルにエチレン性不飽和結合が
導入されたアニオン性界面活性剤〕15部および蒸留水
60部を用いて、水性樹脂分散体を得た。得られた水性
樹脂分散体の粒径は0.15μmで、その貯蔵安定性は良
好だった。また、粘着性能は以下のとおりである。 (常温保管) (高温高湿保管) タック───11 , タック───3 粘着力───1330g/25mm, 粘着力───160g/25mm 保持力───94分で落下 , 保持力───2分で落下
【0027】
【比較例2】実施例3における中和前のマクロモノマー
(固形分)15部、スチレン5部、アクリル酸ブチル4
0部およびアクリル酸2−エチルヘキシル40部を酢酸
エチル50部に溶解し、AIBN1部を加えて、60度
で5時間、次いで70℃で2時間反応させ、グラフト共
重合体の酢酸エチル溶液を得た。得られたグラフト共重
合体の粘着性能は以下のとおりである。 (常温保管) (高温高湿保管) タック───13 , タック───13 粘着力───1050g/25mm, 粘着力───950g/25mm 保持力───65分で落下 , 保持力───56分で落下
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、耐水性に優れる皮膜を
形成する水性樹脂分散体が得られ、さらに該皮膜表面に
は、水性樹脂分散体の製造のために用いられたマクロモ
ノマーに由来する光沢、硬度または撥水等の種々の特性
が効果的に発現する。例えば、マクロモノマーを構成す
る主成分がメチルメタクリレートである場合に得られる
水性樹脂分散体からは、光沢および表面硬度に優れる塗
膜が得られ、またマクロモノマーを構成する主成分がフ
ッ素系モノマーである場合に得られる水性樹脂分散体か
らは、撥水撥油性・耐汚染性に優れる皮膜が形成され
る。さらに、マクロモノマーを構成する主成分がアクリ
ル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルの場合に
は、耐衝撃性あるいはタックに優れる樹脂からなる水性
樹脂分散体が得られる。本発明によって得られる水性樹
脂分散体の主な用途としては、塗料、コーティング剤、
粘着剤、接着剤および電子材料等が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 C08F 2/24 C09D 1/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中で、カルボキシル基のアミン
    塩またはアンモニウム塩単位を有するビニル重合体の片
    末端に(メタ)アクリロイル基が結合してなるラジカル
    重合性マクロモノマーおよびエチレン性不飽和モノマー
    を乳化共重合することを特徴とする水性樹脂分散体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基のアミン塩またはアンモ
    ニウム塩単位を0.2〜5.0ミリモル/gの割合で有する
    ニル重合体の片末端に(メタ)アクリロイル基が結合し
    てなるラジカル重合性マクロモノマーを用い、該マクロ
    モノマーとエチレン性不飽和モノマーの共重合割合が、
    3〜50重量%対97〜50重量%である請求項1記載
    の水性樹脂分散体の製造方法。
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