JP2811779B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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JP2811779B2
JP2811779B2 JP19709689A JP19709689A JP2811779B2 JP 2811779 B2 JP2811779 B2 JP 2811779B2 JP 19709689 A JP19709689 A JP 19709689A JP 19709689 A JP19709689 A JP 19709689A JP 2811779 B2 JP2811779 B2 JP 2811779B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、表面保護層を有する感光体に関し、さら
に、詳しくは、斑点形状の表面保護層を有する感光体に
関する。
従来の技術および課題 近年、電子写真感光体に用いられる感光層としては、
セレン等無機感光導電性材料または有機光導電性材料で
構成した種々のものが提案されているが、一般に硬度の
低い感光層は、繰り返し使用における転写紙、クリーニ
ング部材、現像剤等の摩擦により感光体が削れ、傷付き
やすい。
そこで、そのような問題を解消するために硬度の不充
分な感光体の表面には、表面保護層を設ける技術が提案
されている。
かかる表面保護層の一種として、適当な有機化合物の
プラズマ重合膜または金属化合物の蒸着膜等が提案され
ている(例えば特開昭60−32055号公報等)。
発明が解決しようとする課題 このような表面保護層を有する感光体は、表面保護層
を有しない感光体に比べ、耐久性に優れ、常温常湿下
で、長期使用に関しては充分な膜強度を有してはいる
が、長期使用後の耐湿性は充分とは言えず、高湿度環境
下で繰り返し使用していると、複写画像のぼけ、流れ等
が発生する。
本発明は、かかる事状に鑑みなされたものであって、
従来、表面保護層を感光層上全面に形成していたことに
代え、表面保護層を斑点状に形成することにより、上記
問題点を解決するものである。
課題を解決するための手段 すなわち、本発明は導電性基板上に感光層および該感
光層上に表面保護層を有する感光体において、該表面保
護層は非晶質炭化水素膜または金属化合物膜の斑点から
なることを特徴とする感光体に関する。
感光層上に表面保護層に斑点状に分布させ、斑点周辺
部が親水化しにくい感光層表面で囲まれた形状にするこ
とにより、耐刷後の耐湿性を改善するものである。
従って、本発明が有効な感光体は、感光層は柔らかく
硬度は小さいが、耐湿性および/または耐オゾン性を有
する必要がある。このような感光層としては、セレン系
感光層、例えばセレン砒素合金の単層構成よりなるも
の、セレンとセレンテルル合金をこの順に設けた積層構
成よりなるもの、種々の光導電性物質を適当な樹脂中に
分散させた構成のもの、またはa−Si感光層等の硬度の
大きな感光層上に樹脂層を設けた構成のもの等を挙げる
ことができる。
さらに、斑点状にすることが有効である表面保護層
は、硬度は高く耐久性向上に効果を発揮するが、繰り返
し使用後の耐湿性または耐オゾン性が不十分なものであ
る。このような表面保護層としてはプラズマ重合法で形
成した非晶質炭化水素膜、または、Al2O3、Bi2O3、Ce2O
3、Cr2O3、In2O3、MgO、Sio、SiO2、SnO2、Ta2O5、Ti
O、TiO2、ZrO2、Y2O3等の金属酸化物、Si3N4、Ta2Nなど
の金属窒化物、MgF2、LiF、NdF3、LaF3、CaF2、CeF3
の金属弗化物、SiC、TiCなどの金属炭化物、ZnS、CdS、
PbSなどの金属硫化物等の金属化合物を蒸着法等によっ
て形成した金属化合物膜が挙げられる。
ここに、本発明は導電性支持体(1)上にセレン砒素
合金の単層構成よりなる感光層またはセレンとセレンテ
ルル合金をこの順に設けた積層構成によりなる感光層
(2)を有する感光体において、該感光層(2)上に表
面保護層(3)を設け、該表面保護層(3)が非晶質炭
化水素膜の斑点又は金属化合物膜の斑点からなることを
特徴とする感光体(構成を第2図に示す)を提供するも
のである。
さらに本発明は導電性支持体(1)上に有効感光層
(2)および該有機感光層(2)上に表面保護層(3)
を有する感光体において、該表面保護層(3)は金属化
合物膜の斑点からなることを特徴とする感光体(構成を
第3図に示す)を提供するものである。
また、プラズマ重合法、蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法等で表面保護層を設ける場合、
その保護層の下の感光層がプラズマ中における電子ある
いはイオンの衝撃、熱等で劣化しないように感光層の上
に一旦、樹脂層を設ける構成の感光体が提案されている
が(例えば特開平01−133063号公報等)、そのような構
成の感光体の場合、感光層がいかなる種類のものであ
れ、本発明を適用することにより耐久性および耐刷後の
耐湿性が改善される。
ここに本発明は、導電性支持体(1)上に光導電性感
光層(2)を有し、該感光層上に樹脂層(4)および該
樹脂層上に表面保護層(3)を有する感光体において、
該表面保護層(3)は、非晶質炭化水素膜の斑点または
金属化合物膜の斑点からなることを特徴とする感光体
(構成を第1図に示す)を提供するものである。
本発明により表面保護を斑点形状に設けた場合、別の
効果として、干渉模様を効果的に消すことができる。
すなわち、レーザー光などの可干渉性の単色光を、露
光書き込み用の光源として用いる場合、感光体の最表
面、感光体を構成する各層の界面及び支持体と感光層と
の界面からの反射光の夫々が干渉を起こす可能性があ
る。この干渉現象は、レーザー光の波長が長くなるにつ
れて感光層におけるレーザー光吸収が減少するので、よ
り著しくなる。
しかも、感光体の層厚あるいは感光体を構成する各層
の層厚に関しては、現状の如何なる方法で感光体を作製
しても、レーザー光の波長オーダー(サブミクロン)程
度の面方向の不均一性は避けられない。
したがって、この干渉現象と膜厚不均一性のため、形
成される画像において、いわゆる、干渉模様(明暗の縞
模様)が発生し、画像不良の原因となる。
この問題の解決方法としては下記の2つの方法が知ら
れている。
1.機械的加工あるいは化学的加工により、画像として必
要な解像度より小さい微小な凹凸を、支持体表面に無数
形成した後に感光層を形成し、表面や各界面で光を散乱
させてしまう方法(特開昭58−162975,特開昭57−1655
4,特開昭61−25152など)。
2.感光層の層厚方向の少なくとも一部の領域に光吸収層
を設ける方法(特開昭57−165845)。
しかしながら、これらの方法では干渉模様を完全に消
すことが出来なかったり、感光体の解像度が悪くなった
り、製品のバラツキが大きくなったりの不都合があっ
た。
本発明の表面保護層を感光層表面に設けた場合には、
感光層表面で光が有効に散乱される結果、効果的に干渉
模様を消すことができる。また、解像度低下などの不都
合も発生しない。なお、干渉模様を消す目的だけなら、
斑点層は感光層中の膜厚方向どの部分に設けてもよい
し、斑点層の材質も感光体の特性に悪影響を及ぼさない
ものなら何でもよい。
本発明を第1図に示した構成の感光体を例にとりさら
に詳しく説明する。
第1図に示した構成の感光体は、導電性支持体(1)
上に感光層(2)、樹脂層(4)、表面保護層(3)を
その順に構成したものを示している。
従来、感光層の上に形成された樹脂層(4)上全面に
形成した表面保護層、例えば非晶質炭化水素膜の耐刷後
の耐湿性が悪いのは、帯電露光を繰り返す複写プロセス
において、膜表面あるいは膜中に形成された弱い原子間
結合(ウィークボンド)がコロナ放電等により解離し、
そこへ大気中の水分が付着することにより膜の表面方向
の抵抗が低下するためと考えられている。本発明者らの
知見によれば10万枚程度の長期使用後、35℃80%程度の
高温高湿条件下においては画像流れが発生する。
樹脂層(4)の表面はウィークボンドのほとんどない
高分子から構成されている場合が多く長時間コロナ放電
にさらしても実用上問題となる程親水化しないことが判
っている。
従って、非晶質炭化水素からなる斑点は、樹脂層
(4)の露出部にアイソレートされる結果、保護層表面
方向の抵抗低下防止に有効に機能し、耐刷後耐湿性の低
下を防止するものと考えられる。
なお、一般にプラズマ重合膜で形成される非晶質炭化
水素膜は、気相状態の少なくとも炭素原子および水素原
子を含む分子を減圧下で放電し、発生したプラズマ雰囲
気中に含まれる活性中性種あるいは荷電種を基板上に拡
散、電気力あるいは磁気力等により誘導し、基板上での
再結合反応により固相として堆積させる。
非晶質炭化水素膜中に含有される水素原子の量は特に
制限はないが、表面保護層の構造およびグロー放電とい
う製造面から必然的に制約され、その量は概ね5ないし
50原子%となる。
また非晶質炭素膜には、従来から行なわれているよう
に、非晶質炭化水素膜中の一部をハロゲンに代えてもよ
いし、周期律表III A族、V A族元素を混入させてもよい
し、さらに他の原子を添加あるいは置換して、その特性
を制御してもよい。
非晶質炭化水素はそれ自体4H程度以上の硬い膜である
が、ハルゲン原子を含有させることにより、より硬度の
ある傷付きにくい、かつ、好適な帯電能を保証し、しか
もより投光性に優れた表面保護層とすることができる。
さらにハロゲン原子はこの表面保護層中に膜厚方向に
おいて均一に分布するように含有せしめてもよいし、不
均一に分布するように含有せしめてもよい。
また、前記した金属化合物を樹脂層(4)上の全面に
設けた場合、これらの材料自体複写機内でのコロナ帯電
時に発生するオゾンや窒素化合物により程度の差はある
が影響を受け、表面が親水化することにより耐刷後の耐
湿性が悪くなるものと考えられており、従って、金属化
合物を斑点状に形成して表面保護層を形成した場合、金
属化合物からなる斑点は樹脂層(4)の露出部にアイソ
レートされる結果、保護層表面方向の抵抗低下防止に有
効に機能することにより耐刷後耐湿性の低下が防止され
るものと考えられている。
本発明の表面保護層を形成する斑点は、いかなる形状
であってもよく、またその斑点は樹脂表面上に秩序正し
く、または、無秩序に分布していてもよいが、斑点の厚
さ、幅および斑点と斑点との間の距離はある一定の範囲
を維持するように形成する。
ただし、樹脂層の削れや摩耗を防止するためには樹脂
層の露出部がクリーニングブレードに対して平行あるい
は直交する方向多に一直線に並ばないようにすることが
好ましい。
本発明の表面保護層を、感光体上部から観察したとき
の平面図を第4図から第7図に例示する。
第4図中、斜線を引いた部分が表面保護層であり、そ
れ以外の部分が樹脂層(4)の表面部を表わす。そのこ
とは第5図〜第7図も同様である。第4図においては、
表面保護層は、円状の斑点(3)が規則正しく配列して
いる。Wは斑点の最大幅を表わし、Lは再隣接斑点間の
距離を表わす。
第5図は規則正しく配列した、楕円状の斑点(3)に
より形成された表面保護層を表わしている。
第6図は規則正しく配列した正方形状の斑点(3)に
より形成された表面保護層を表わしている。
第7図は、一定の形状を有しない斑点(3)が、無秩
序に集合して形成された表面保護層を表わしている。各
斑点(3)の最大幅Wおよび最隣接斑点間の最短距離L
は、種々存在しうるが、それらの値それぞれがある一定
の範囲内にあることが要求される。
即ち、各斑点はいかなる形状で分布していてもよい
が、各斑点の最大幅Wは200μm以下、好ましくは、120
μm以下、より好ましくは80μm以下である。最大値が
20μmより大きいと、本発明の目的である耐湿性の改善
に効果がなく、また複写画像の分解能が低下するという
問題も生じる。各斑点の最大値の下限には特に限定はな
いが、1μm程度以上あればよい。
また、最隣接斑点間の距離Lは200μm以下、好まし
くは60μm以下、より好ましくは、25μm以下である。
距離Lが200μmより長いと樹脂層の露出部が大きくな
りすぎ、感光層の削れ、摩耗等が生じ、表面保護層とし
ての役割をはたさなくなる。
さらに、斑点の最大幅Wに対する最隣接斑点間距離L
の比L/Wは1以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは
0.3以下であることが望ましい。その比が1より大きい
と、すなわち、斑点幅に対して、斑点間距離が大きすぎ
ると、樹脂層の露出部が多くなり、樹脂層の削れ、摩耗
が生じ、さらに、斑点部エッジ部がかけたり、摩耗した
りする問題が生じる。
第8図〜第10図に感光帯の断面図を例示する。第8図
中(1)は導電性支持体、(2)は感光層、(3)は表
面保護層を形成する斑点、(4)は樹脂層を表す。第8
図は断面図は、第4図〜第6図に示したような、一定形
状の斑点が規則的に配列した表面保護層を有する感光体
のものである。Dは斑点の膜厚を示す。
第9図は、第8図における斑点のエッジ部が丸味をも
つものを表わした。第10図は第7図に示した、ランダム
な形状の斑点がランダムに配列して形成された表面保護
層を有する感光体の断面を概略的に表わしたものであ
る。各図中Dは斑点の膜厚を表わす。
本発明においては、膜厚Dが0.01〜5μm、好ましく
は0.04〜1μmより好ましくは0.08〜0.5μmであるこ
とが望ましい。膜厚Dが5μmより厚いとトナーのクリ
ーニング不良、および投光性低下による感度悪化、残留
電位の上昇、成膜性の悪化、膜接着性悪化等の問題が生
じる。また膜厚が0.01μmより薄いと膜強度が低下し、
傷、膜削れ等の問題が生じる。
感光体の表面に極端な凹凸や段差があると、感光体上
のトナークリーニング処理を完全に行なうことができな
くなる。
表面保護層下に形成される樹脂層は、耐オゾン性、耐
湿性のある従来知られている樹脂および方法で形成すれ
ばよく、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性
樹脂等を挙げることができ、より詳しくは、例えばポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブタジエン、アク
リル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン交換
オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリイ
ミド等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシ
レン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の
熱硬化性樹脂;ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルアントラセン等の光導電性樹脂
等を挙げることができ、好ましい樹脂はシリコーン樹
脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリブタジエン、エポキシ樹脂等である。
樹脂層の下に形成される感光層は、いかなる種類のも
のであってもよい。
上記の構成の感光体において、斑点状の非晶質炭化水
素膜または金属化合物膜を形成するには、斑点状に穴の
開いた板、フィルム、メッシュ等を基板の形状にあわせ
て密着した状態でグロー放電プラズマをまたは蒸着法等
を適用すればよい。板、フィルムの材質は特に限定され
ないが、円筒状の基板に対しては、伸縮性を有する円筒
状フィルム、板あるいはメッシュ等の使用が便利であ
る。また、熱収縮性の材料を利用することも可能であ
る。
熱収縮性材料としては、ポリエチレン、ポリオレフィ
ン、架橋ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、架橋ポリエ
チレン、飽和ポリエステル、放射線架橋ナイロン、ポリ
アミドエラストマー、フッ素樹脂PFA、シリコンゴム、
放射線架橋変性シリコーン、低密度ポリエチレン、四フ
ッ化エチレン樹脂等が挙げられるが、感光層が有機系感
光体の場合は耐熱性の観点から、ポリオレフィン、架橋
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレン
が好ましい。次に第2図に示した構成の感光体について
説明する。第2図は、導電性支持体(1)上にセレン系
感光体(2)、表面保護層(3)をその順に設けた感光
層である。
セレン系感光層は、例えばセレン砒素合金の単層構成
よりなるもの、セレンとセレンテルル合金あるいはセレ
ン−砒素をこの順に設けた積層構成よりなるもの等公知
のものを挙げることができる。これらのセレン系感光層
は、耐湿性、耐オゾン性に優れるが、硬度に乏しいた
め、表面保護層を設け耐久性を上げるとともに、表面保
護層を第1図で説明した斑点状にすることにより本発明
の効果を得ることができる。
第3図には、導電性支持体(1)上に有機感光層
(2)および表面保護層(3)をその順に設けた構成の
感光体を示す。一般に、有機系感光層の作製に用いられ
る材料としては、電荷発生に寄与する光導電性材料とし
ては、例えはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ペリ
レン系顔料等が用いられ、電荷輸送に寄与する電荷輸送
材料としては、例えば、トリフェニルメタン化合物、ト
リフェニルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、オキ
サジアゾール化合物等が知られている。有機感光層は種
々の感光材料を使用した種々の構成のもの、例えば感光
材料を蒸着等の方法により成膜化したもの、あるいは感
光材料を適当な樹脂中に分配させた構成のもの等が知ら
れているが、一般に硬度に乏しく耐久性に欠けることか
ら、表面保護層を設けることにより耐久性を上げるとと
もに、表面保護層を第1図で説明した斑点状にすること
により本発明の効果を得ることができる。本発明は感光
層応は耐湿性、耐オゾン性等の特性を有する感光層に対
して有効である。
以上、第1図〜第3図の構成の感光層を例にとり本発
明を説明したが、先に説明したように、本発明は、表面
保護層が耐久性に優れているものの耐刷後の耐湿性に乏
しい保護層であり、その保護層下の層が耐湿、耐オゾン
性に優れているものの、耐久性のないもので構成されて
いる感光体に効果のあるものであり、従って、第1図〜
第3図に挙げた構成のものに限定されるものでない。
以下、実施例を挙げてさらに本発明を説明する。
実施例と比較例 まず、有機系感光層A〜E、セレン系感光層F、G、
アモルファスシリコン系感光層H、硫化カドミウム/樹
脂分散系感光層Iの作製を行なった。
以下、縦50×横50×厚さ3mmの平板状アルミニウム基
板上に形成したものを補助記号pを用いて(感光層Ap〜
Ip)と称し、直径80mm×長さ30mmの円筒状アルミニウム
基板上に形成したものを補助記号dを用いて感光層Ad〜
Idと称する。
有機系感光層Aの作製 ビスアゾ顔料としてクロロジアンブルー(CDB)1g、
ポリエステル樹脂(東洋紡社製V−200)1g、及び、シ
クロヘサノン98gの混合液をサンドグラインダーで13時
間分散した。この分散液を縦50×横50×厚さ3mmの平板
状アルミニウム基板上にバーコーダーを用いて乾燥後の
膜厚が0.3μmとなるように塗布し、乾燥して電荷発生
層を形成した。
次いで、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−ジフ
ェニルヒドラゾン(DEH)5g、及び、ポリカーボネート
(帝人化成社製K−1300)5gをTHF30gに溶解させ、この
溶液を電荷発生層上に乾燥後膜厚が15μmとなるように
塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成し、有機系感光層
Apを得た。
同様の工程にて、ディッピングを用いて、直径80mm×
長さ330mmの円筒状アルミニウム基板上に有機系感光層A
dを形成した。
比較例1 得られた有機系感光層Apを常用いてカールソンプロセ
スの中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、白色光半
減光量(以下、E1/2と称する)を測定したところ、2.0
ルックス・秒、残留電位は−5Vであった、また、JIS−
K−5400規格による鉛筆硬度を測定したところ、約5Bの
表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Adについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Adについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
は乏しいことが確認された。
有機系感光層Bの作製 電荷輸送層形成用のポリカーボネートをメチルメタク
リレートPMMA(三菱レーヨン社製BR−35)に代えること
以外は有機系感光層Ap、Adと同様にして有機系感光層B
p、Bdを作製した。
比較例2 得られた有機系感光層Bpを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、6.2ルックス・秒、残留電位は−12Vであっ
た、また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Bdについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Bdについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約8千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
は乏しいことが確認された。
有機系感光層Cの作製 ポリカーボネートをポリアリレート(ユニチカ社製U
−100)に代えること以外は有機系感光層Ap、Adと同様
にして有機系感光層Cp、Cdを作製した。
比較例3 得られた有機系感光層Cpを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、2.2ルックス・秒、残留電位は−8Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Cdについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Cdについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約4千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
は乏しいことが確認された。
有機系感光層Dの作製 ポリカーボネートをポリエステル(東洋紡社製V−20
0)に代えること以外は有機系感光層Ap、Adと同様にし
て有機系感光層Dp、Ddを作製した。
比較例4 得られた有機系感光層Cpを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、2.3ルックス・秒、残留電位は−7Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Cdについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Cdについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
は乏しいことが確認された。
有機系感光層Eの作製 特殊α型銅フタロシアニン(東洋インキ社製)25重量
部、アクリルメラミン熱硬化型樹脂(大日本インキ社製
A−405とスーパーベッカミンJ820の混合物)50重量
部、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−ジフェニル
ヒドラゾン25重量部、有機溶剤(キシレン7重量部とブ
タノール3重量部の混合物)500重量部の混合液をボー
ルミルで10時間粉砕分散した。この分散液を縦50×横50
×厚さ3mmの平板状アルミニウム基板上にバーコーター
を用いて乾燥、焼き付け後の膜厚が15μmとなるように
塗布し、150℃で1時間焼き付けて、有機系感光層Epを
得た。
同様の工程にて、ディッピングを用いて、直径80mm×
長さ330mmの円筒状アルミニウム基板上に有機系感光層E
dを形成した。
比較例5 得られた有機系感光層Epを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて+600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、4.3ルックス・秒、残留電位は+5Vであっ
た、また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Edについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Edについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約1万枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
乏しいことが確認された。
セレン系感光層F、Gの作製 第13図に示す蒸着装置を用いて常法であるところの抵
抗加熱による真空蒸着により約50μmの膜厚の自体公知
のセレン砒素合金単層構成からなるSe−As感光層Fpと、
セレンとセレンテルル合金をこの順に設けた積層構成よ
りなるSe/Te感光層Gpを得た。
第14図に示す蒸着装置を用い、同様の工程にて、直径
80mm×長さ330mmの円筒状アルミニウム基板上にSe−As
感光層Fd及びSe/Te感光層Gdを形成した。
比較例6 得られたセレン系感光層Gpを800Vに帯電し波長780nm
の単色光を照射して、帯電電位が1/2に減衰するまでの
半減衰露光量E1/2、および、さらに露光量が5μJ/cm2
になるまで照射したときの残留電位Vrを測定したとこ
ろ、E1/2は約1μJ/cm2、Vrは約40Vであった。また鉛
筆硬度を測定したところ、約Hの表面硬度を有してい
た。
また、Gdについても同様の性能が認められたが、Gdに
ついては、さらに実際の複写機に搭載して耐刷試験を行
なったところ、A4サイズの複写紙、約10万枚の耐刷試験
にて複写画像上に線状の所謂白抜けが多数発生した。
従って、静電特性には優れるものの、耐久性に乏しい
ことが確認された。
アモルファス・シリコーン系感光層Hの作製 工程(1): 第11図に示すグロー放電分解装置において、まず、反
応室(733)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1〜第3及び第5調節弁(707),(708),(70
9),(711)を開放し、第1タンク(701)よりH2
ス、第2タンク(702)より100%SiH4ガス、第3タンク
(703)よりH2で200ppmに希釈されたB2H6ガス、更に第
5タンク(705)よりC2H4ガスを圧力ゲージ1kg/cm2の下
で流量制御器(713),(714),(715),(717)内へ
流入させた。そして、各流量制御器の目盛を調節して、
H2の流量を300sccm、B2H6(200ppm/H2として)を100scc
m、C2H4を120sccmとなるように設定して、反応室(73
3)内へ流入した。夫々の流量が安定した後に、反応室
(733)の内圧が1.0Torrとなるように調整した。一方、
基板(752)としては、縦50×横50×厚さ3mmの平板状ア
ルミニウムを用いて250℃に予め加熱しておき、各ガス
流量が安定し、内圧が安定した状態で高周波電源(73
9)を投入し、電極板(736)に200wattsの電力(周波数
13.56MHz)を印加してグロー放電を発生させた。このグ
ロー放電を3.5分間接続して行ない、導電性基板(752)
上に水素、硼素を含む厚さ約0.35μmの第1層を形成し
た。
工程(2): 第1層形成後、高周波電源から電力印加を停止するこ
となく、調節弁(711)を切ってC2H4のマスフローコン
トローラー(717)の流量を30秒以内に0にした。他の
条件は工程(1)と同様にして、膜厚0.05μmの第2層
を形成した。
工程(3): 第2層形成後、高周波電源(739)から電力印加を停
止するとともに、マスフローコントローラーの流量設定
を0とし、反応室(733)内を十分脱気した。その後、
第1タンク(701)よりH2ガスを400sccm、第2タンク
(702)より100%SiH4を200sccm、第3タンク(703)よ
りH2で200ppmに希釈されたB2H6ガスを20sccm、および第
6タンク(706)よりO2ガスを2sccm反応室内部に流入さ
せ、内圧を1.0Torrに調整したうえで高周波電源を投入
して300wattsの電力を印加した。約4時間放電を続け、
約28μmの第3層を形成しアモルファス・シリコン系感
光層Hpを得た。また、第12図に示すグロー放電分解装置
を用い、同様の工程にて、円筒状アルミニウム基板上に
アモルファス・シリコン系感光層Hdを形成した。
比較例7 得られたa−Si系感光層Hpを常用のカールソンプロセ
スの中でコロン放電を用いて+600Vに帯電し、E1/2
測定したところ、約1ルックス・秒、残留電位は約20V
であった。
また表面のビッカース硬度測定を行なったところ約1,
800kg/mm2であった。
また得られた、a−Si系感光層Hdを粉像転写型写真機
(EP−650Z:ミノルタカメラ社製)にセットし、(+)
帯電にてコピーしたところ解像力に優れ、階調再現性の
良い鮮明な高濃度の画像が得られたが、A4複写2万枚の
連続複写後、膜厚減少は全く認められなかったものの、
30℃,85%環境下にて実写を行なったところ画像流れが
発生した。
従って、帯電特性及び機械的な耐久性には優れるもの
の、耐湿性には乏しいことが確認された。
硫化カドミニウム/樹脂分散系感光層Iの作製 CdS・nCdCO3(0<n≦4)光導電性粉末を熱硬化性
アクリル樹脂とともに分散しアルミニウム平板上に約30
μmに塗布し熱硬化することによって硫化カドミニウム
/樹脂分散系感光層Ipを作製した。
同様の工程にて、円筒状アルミニウム基板上に硫化ガ
ドミニウム/樹脂分散系感光層Idを形成した。
比較例8 得られた、感光層Idを実際の複写機に搭載して通常の
室内環境下で実写したところ鮮明な高濃度の画像が得ら
れたが、30℃,85%の環境下にて実写したところ画像流
れが発生した。
従って、耐湿性に乏しいことが確認された。
実施例1 (樹脂層の形成) ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)1重量部
をTHF10重量部に溶解させ、この溶液を基板:有機系感
光層Ap上に乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように塗布
し、乾燥させて樹脂層を形成した。
(表面保護層の形成) 次に、第11図に示すグロー放電分解装置にて、樹脂層
上に表面保護層を形成した。まず、反応槽(733)の内
部を10-6Torr程度の高真空にした後、第1、第2および
第3調節弁(707,708,709)を開放し、第1タンク(70
1)より水素ガス、第2タンク(702)よりブタジエンガ
スおよび第3タンク(703)より四フッ化メタンガスを
各々出力圧1.5Kg/cmの下で第1、第2および第3流量制
御器(713,714,715)内へ流入させた。そして各流量制
御器の目盛を調整して、水素ガスの流量を300sccm、ブ
タジエンガスの流量を15sccmおよび四フッ化メタンガス
の流量を90sccmとなるように設定して、途中混合器(73
1)を介して、主管(732)より反応室(733)内へ流入
させた。各々の流量が安定した後に反応室(733)内の
圧力が0.5Torrとなるように圧力調整弁(745)を調整し
た。
基板(752)の表面には、あらかじめニッケル製板マ
スクを密着させておいた。その板マスクの形状は開口が
43μm角、開口部間の距離が約11μmであった。
次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電極
(735)に固定した。基板(752)はガス導入前に約15分
間かけて常温より50℃まで昇温した。ガス流量および圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)に
より接続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力
投入電極(736)に150Wの電力を周波数80KHzの下で印加
して約2分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)
上に厚さ0.1μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる保
護層を形成した。その斑点の形状は第6図に示したもの
と同様であり、約43μm角の斑点が約11μm間隔で分布
していた。成膜完了後は電力印加を停止し、水素ガス以
外の調節弁を閉じ反応室(733)内に水素ガスだけを100
sccmの流量で流入し、圧力を1Torrに保持し約30℃まで
降温した。その後、水素ガスの調節弁(707)を閉じ、
反応室(733)内を充分に排気し、反応室(733)内の真
空を破り、本発明による樹脂層と表面保護層を有する感
光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分約6Hであり、本発明による感光体の表面保
護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例1とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体は有機系感光体が本来有する感度を
損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体は、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、
ひび割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層
および表面保護層は、有機系感光体との接着性に優れた
膜であることが確認された。なお、表1〜表3中に、摘
要した表面保護層の作製条件、形状、特性等をまとめ
た。同様に以下に記載する実施例2〜10における作製条
件、形状、特性等も示した。
実施例2 (樹脂層の形成) ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)1重量部
をTHF10重量部に溶解させ、この溶液を基板:有機系感
光層Ap上に乾燥後の膜厚が0.06μmとなるように塗布
し、乾燥させて樹脂層を形成した。
(表面保護層の形成) 次に、第12図に示すグロー放電分解装置にて、樹脂層
上に表面保護層を形成した。まず、反応槽(733)の内
部を10-6Torr程度の高真空にした後、第1、第2調節弁
(707,708)を開放し、第1タンク(701)より水素ガ
ス、第2タンク(702)よりブタジエンガスを各々出力
圧1.5Kg/cmの下で第1、第2流量制御器(713,714)内
へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整して、
水素ガスの流量を300sccm、ブタジエンガスの流量を15s
ccmとなるように設定して、途中混合器(731)を介し
て、主管(732)より反応室(733)内へ流入させた。各
々の流量が安定した後に反応室(733)内の圧力が0.3To
rrとなるように圧力調整弁(745)を調整した。
円筒状基板(752)の表面は、あらかじめ直径約50mm
長さ約300mmの66ナイロン製の伸縮性円筒状メッシュで
覆っておいた、そのメッシュ形状は開口部約100μm、
線径約15μmであった。
次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電極
(735)に固定した。基板(752)はガス導入前に約15分
間かけて常温より50℃まで昇温した。ガス流量および圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)に
より接続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力
投入電極(736)に150Wの電力を周波数80KHzの下で印加
して約分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)上
に厚さ0.15μmの非晶質炭化水素膜の斑点から表面保護
層を形成した。その斑点の形状は第7図に示したものと
同様であり、最大幅(W)約100μmの不定形状の斑点
が約15μm間隔で分布していた。成膜完了後は、電力印
加を停止し、水素ガス以外の調節弁を閉じ反応室(73
3)内に水素ガスだけを100sccmの流量で流入し、圧力を
1Torrに保持し約30℃まで降温した。その後、水素ガス
の調節弁(707)を閉じ、反応室(733)内を充分に排気
し、反応室(733)内の真空を破り、本発明による樹脂
層と表面保護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分約9Hであり、本発明による感光体の表面保
護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例1とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体は有機系感光体が本来有する感度を
損なわないことが確認された。
また、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の低
温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気
とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置した
ところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、ひ
び割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層お
よび表面保護層は、有機系感光体との接着性に優れた膜
であることが確認された。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触において樹脂層および表面保護層の剥離は認め
られなかった。
また、通常の室内において実写を35万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、35万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった、これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
実施例3 (樹脂層の形成) アクリルメラミン熱硬化性樹脂を有機溶剤(キシレン
7重量部とブタノール3重量部の混合物)に溶解させ、
その溶液を基板:有機系感光層Bd上に、乾燥、焼付後の
膜厚が0.06μmとなるように塗布、焼成して樹脂層を形
成した。
(表面保護層の形成) 次に、第14図に示す蒸着装置にて、樹脂層上に表面保
護層を形成した。
まず、円筒板基板(503)の表面を直径約50mm長さ30m
mの66ナイロン製の伸縮性円筒状のメッシュで覆った。
そのメッシュ形状は開口部約90μm線径約20μmであっ
た。
次に、その基板(503)を、基板支持部材(502)を取
り付けた、ボート(504)には一酸化珪素SiOの粉末を載
置した。
次いで、真空層(501)の内部を排気ポンプ(511)を
用いて10-7Torr程度の高真空にした後、電極(506)に
電力を印加し、ボート(504)を1080℃に昇温した。ボ
ート(504)の温度が安定したところで、モーター(51
2)を起動させ約10回転/分で基板(503)を回転させつ
つ、予め閉状態にしておいたシャッター(508)を回転
導入端子(510)の操作により、約3分間開状態にし
て、10-5Torr程度の真空度の下で蒸着を行ない基板(50
3)上に約0.15μmのSiO膜の斑点からなる表面保護層を
形成した。
その斑点の形状は第7図に示したものと同様であり、
最大幅(W)が約90μmの不定形状の斑点が約20μm間
隔で分布してした。表面保護層形成後は電極(506)へ
の通電を停止しすると共に、真空槽(501)内を充分に
排気し、真空槽(501)の真空を破り、本発明による樹
脂層と表面保護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分約7Hであり、本発明による感光体の表面保
護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例2とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体は有機系感光体が本来有する感度を
損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、
ひび割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層
および表面保護層は、有機系感光体との接着性に優れた
膜であることが確認された。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触において樹脂層および表面保護層の剥離は認め
られなかった。
また、通常の室内において実写を30万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、30万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった、これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
実施例4 (樹脂層の形成) アクリルメラミン熱硬化性樹脂を有機溶剤(キシレン
7重量部とブタノール3重量部の混合物)に溶解させ、
その溶液を基板:有機系感光層Ed上に、乾燥、焼付後の
膜厚が0.06μmとなるように塗布、焼成して樹脂層を形
成した。
(表面保護層の形成) 次に、第14図に示す蒸着装置にて、樹脂層上に表面保
護層を形成した。
まず、円筒状基板(503)の表面を直径約90mm長さ300
mmのポリ塩化ビニル製の熱収縮性円筒状メッシュで覆っ
た後、温風加熱炉に入れて50℃にて熱収縮させて円筒メ
ッシュを基板に密着させた、そのメッシュ形状は穴径約
100μm、穴間隔約25μmであった。
次に、その基板(503)を、基板支持部材(502)取り
付けた、ポート(504)には酸化アルミニウムAl2O3の粉
末を載置した。
次いで、真空層(501)の内部を排気ポンプ(511)を
用いて10-7Torr程度の高真空にした後、電極(506)に
電力を印加し、ボート(504)を1450℃に昇温した。ボ
ート(504)の温度が安定したところで、モーター(51
2)を起動させ約10回転/分で基板(503)を回転させつ
つ、予め閉状態にしておいたシャッター(508)を回転
導入端子(510)の操作により、約5分間開状態にし
て、10-5Torr程度の真空度の下で蒸着を行ない基板(50
3)上に約0.15μmのAl2O3膜の斑点からなる表面保護層
を形成した。
その斑点の形状は第4図に示したものと同様であり、
約100μm径の斑点が約25μm間隔で分布してした。表
面保護層形成後は電極(506)への通電を停止しすると
共に、真空槽(501)内を充分に排気し、真空槽(501)
の真空を破り、本発明による樹脂層と表面保護層を有す
る感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分約9Hであり、本発明による感光体の表面保
護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例5とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体は有機系感光体が本来有する感度を
損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、
ひび割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層
および表面保護層は、有機系感光体との接着性に優れた
膜であることが確認された。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触において樹脂層および表面保護層の剥離は認め
られなかった。
また、通常の室内において実写を30万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、30万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった、これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
実施例5 (樹脂層の形成) ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)1重量部
をTHF10重量部に溶解させ、この溶液を基板:Se系感光層
Fp上に乾燥後の膜厚が0.06μmとなるように塗布し、乾
燥させて樹脂層を形成した。
(表面保護層の形成) 次に、第13図に示す蒸着装置にて、樹脂層上に表面保
護層を形成した。
まず、基板(503)の表面にニッケル製板マスクを密
着させた。その板マスクの形状は開口が85μm角、開口
部間が約15μmであった。
次に、その基板(503)を、基板支持部材(502)取り
付けた、ポート(504)には一酸化珪素SiOの粉末を載置
した。
次いで、真空層(501)の内部を排気ポンプ(511)を
用いて10-7Torr程度の高真空にした後、電極(506)に
電力を印加し、ポート(504)を1080℃に昇温した。ポ
ート(504)の温度が安定したところで、予め閉状態に
しておいたシャッター(508)を回転導入端子(510)の
操作により、約3分間開状態にして、10-5Torr程度の真
空度の下で蒸着を行ない基板(503)上に約0.15μmのS
iO膜の斑点からなる表面保護層を形成した。
その斑点の形状は第6図に示したものと同様であり、
約85μm角の斑点が約15μm間隔で分布してした。表面
保護層形成後は電極(506)への通電を停止しすると共
に、真空槽(501)内を充分に排気し、真空槽(501)の
真空を破り、本発明による樹脂層と表面保護層を有する
感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分約7Hであり、本発明による感光体の表面保
護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例6とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体はSe系感光体が本来有する感度を損
なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、
ひび割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層
および表面保護層は、Se系感光体との接着性に優れた膜
であることが確認された。
実施例6 (樹脂層の形成) アクリルメラミン熱硬化性樹脂を有機溶剤(キシレン
7重量部とブタノール3重量部の混合物)に溶解させ、
その溶液を基板:セレン系感光層Gd上に、乾燥、焼付後
の膜厚が0.06μmとなるように塗布、焼成して樹脂層を
形成した。
(表面保護層の形成) 次に、第12図に示すグロー放電分解装置にて、樹脂層
上に表面保護層を形成した。まず、反応槽(733)の内
部を10-6Torr程度の高真空にした後、第1、第2および
第3調節弁(707,708,709)を開放し、第1タンク(70
1)より水素ガス、第2タンク(702)よりブタジエンガ
スおよび第3タンク(703)より四フッ化メタンガスを
各々出力圧1.5Kg/cmの下で第1、第2および第3流量制
御器(713,714,715)内へ流入させた。そして各流量制
御器の目盛を調整して、水素ガスの流量を300sccm、ブ
タジエンガスの流量を15sccmおよび四フッ化メタンガス
の流量を90sccmとなるように設定して、途中混合器(73
1)を介して、主管(732)より反応室(733)内へ流入
させた。各々の流量が安定した後に反応室(733)内の
圧力が0.5Torrとなるように圧力調整弁(745)を調整し
た。
円筒状基板(752)の表面を直径約50mm長さ約300mmの
66ナイロン製の伸縮性円筒状メッシュで覆った。そのメ
ッシュ形状は開口部約90μm線径約20μmであった。
次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電極
(735)に固定した。基板(752)はガス導入前に約15分
間かけて常温より50℃まで昇温した。ガス流量および圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)に
より接続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力
投入電極(736)に150Wの電力を周波数80KHzの下で印加
して約2分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)
上に厚さ0.1μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる表
面保護層を形成した。その斑点の形状は第7図に示した
ものと同様であり、最大幅(W)約90μm不定形状の斑
点が約20μm間隔で分布していた。成膜完了後は電力印
加を停止し、水素ガス以外の調節弁を閉じ反応室(73
3)内に水素ガスだけを100sccmの流量で流入し、圧力を
1Torrに保持し約30℃まで降温した。その後、水素ガス
の調節弁(707)を閉じ、反応室(733)内を充分に排気
し、反応室(733)内の真空を破り、本発明による樹脂
層と表面保護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分約6Hであり、本発明による感光体の表面保
護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例6とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体はセレン系感光体が本来有する感度
を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、
ひび割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層
および表面保護層は、セレン系感光体との接着性に優れ
た膜であることが確認された。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触において樹脂層および表面保護層の剥離は認め
られなかった。
また、通常の室内において実写を30万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、30万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった、これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
実施例7 (樹脂層の形成) ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)1重量部
をTHF10重量部に溶解させ、この溶液を基板:a−Si系感
光層Hp上に乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように塗布
し、乾燥させて樹脂層を形成した。
(表面保護層の形成) 次に、高周波(13.56MHz)スパッタリングにより、樹
脂層上に表面保護層を形成した。
まず、基板の表面にニッケル製板マスクを密着させ
た。その板マスクの形状は開口が85μm角、開口部間の
距離が約15μmであった。
次にその基板を高周波スパッタリング蒸着装置(図示
せず)の真空槽内の接地電極に固定した。対向する高周
波印加電極は厚さ約5mmのフッ化マグネシュウムMgF2
で覆いそれをターゲットとした。
真空槽の内部を排気ポンプを用いて10-7Torr程度の高
真空にした後、スパッタ用のアルゴンガスを真空層内に
導入し圧力を0.1Torrに設定した。次に、電極に200Wの
電力を周波数13.56MHzの下で印加して約10分間スパッタ
リングを行ない、基板上に厚さ0.1μmのMgF2膜の斑点
からなる表面保護層を形成した。その斑点の形状は第6
図に示したものと同様であり、約85μm角の斑点が約15
μm間隔で分布していた。成膜完了後は電力印加を停止
し真空層内を排気し、真空層内の真空を破り、本発明に
よる樹脂層と表面保護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約7Hであった。
感度特性は比較例7とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体はa−Si系感光体が本来有する感度
を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、
ひび割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層
および表面保護層は、a−Si系感光体との接着性に優れ
た膜であることが確認された。
実施例8 (樹脂層の形成) ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)1重量部
をTHF10重量部に溶解させ、この溶液を基板:a−Si系感
光層Hp上に乾燥後の膜厚が0.06μmとなるように塗布
し、乾燥させて樹脂層を形成した。
(表面保護層の形成) 次に、第12図に示すグロー放電分解装置にて、樹脂層
上に表面保護層を形成した。まず、反応槽(733)の内
部を10-6Torr程度の高真空にした後、第1、第2調節弁
(707、708)を開放し、第1タンク(701)より水素ガ
ス、第2タンク(702)よりブタジエンガスを各々出力
圧1.5Kg/cmの下で第1、第2流量制御器(713、714)内
へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整して、
水素ガスの流量を300sccm、ブタジエンガスの流量を15s
ccmとなるように設定して、途中混合器(731)を介し
て、主管(732)より反応室(733)内へ流入させた。各
々の流量が安定した後に反応室(733)内の圧力が0.3To
rrとなるように圧力調整弁(745)を調整した。
円筒状基板(752)の表面は、あらかじめ直径約90mm
長さ約300mmのポリ塩化ビニル製の熱収縮性円筒状メッ
シュで覆った後、温風加熱炉に入れて約50℃にて熱収縮
させて円筒メッシュを基板に密着させておいた。そのメ
ッシュ形状は穴径約100μm、穴間隔約25μmであっ
た。
次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電極
(735)に固定した。基板(752)はガス導入前に約15分
間かけて常温より50℃まで昇温した。ガス流量および圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)に
より接続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力
投入電極(736)に150Wの電力を周波数80KHzの下で印加
して約4分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)
上に厚さ0.15μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる表
面保護層を形成した。その斑点の形状は第4図に示した
ものと同様であり、直径約100μmの円形の斑点が約25
μm間隔で分布していた。成膜完了後は、電力印加を停
止し、水素ガス以外の調節弁を閉じ反応室(733)内に
水素ガスだけを100sccmの流量で流入し、圧力を1Torrに
保持し約30℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁
(707)を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応
室(733)内の真空を破り、本発明による樹脂層と表面
保護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約9Hであった。
得られた感光体の感度特性は比較例7とほぼ同等であ
り、このことから本発明による感光体はa−Si系感光体
が本来有する感度を損なわないことが確認された。
また、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の低
温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気
とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置した
ところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、ひ
び割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層お
よび表面保護層は、a−Si系感光体との接着性に優れた
膜であることが確認された。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触において樹脂層および表面保護層の剥離は認め
られなかった。
また、通常の室内において実写を35万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、35万枚実写後において35℃相対湿度80%の環境
下で実写してもいわゆる画像流れは認められなかった、
これらのことから、本発明による感光体の表面保護層
は、画像品質を損なわずに耐久性の向上を達成するもの
であることが確認された。
実施例9 (樹脂層の形成) ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)1重量部
をTHF10重量部に溶解させ、この溶液を基板:CdS/樹脂分
散系感光層Ip上に乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように
塗布し、乾燥させて樹脂層を形成した。
(表面保護層の形成) 次に、第11図に示すグロー放電分解装置にて、樹脂層
上に表面保護層を形成した。まず、反応槽(733)の内
部を10-6Torr程度の高真空にした後、第1、第2調節弁
(707、708)を開放し、第1タンク(701)より水素ガ
ス、第2タンク(702)よりブタジエンガスを各々出力
圧1.5Kg/cmの下で第1、第2流量制御器(713、714)内
へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整して、
水素ガスの流量を300sccm、ブタジエンガスの流量を15s
ccmとなるように設定して、途中混合器(731)を介し
て、主管(732)より反応室(733)内へ流入させた。各
々の流量が安定した後に反応室(733)内の圧力が0.5To
rrとなるように圧力調整弁(745)を調整した。
基板(752)の表面に、ニッケル製板マスクを密着さ
せた。その板マスクの形状は開口が85μm角、開口部間
の距離が約15μmであった。
次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電極
(735)に固定した。基板(752)はガス導入前に前15分
前かけて常温より50℃まで昇温した。ガス流量および圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)に
より接続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力
投入電源(736)に200Wの電力を周波数2500KHzの下で印
加して約2分間プラズマ重合反応を行ない、基板(75
2)上に厚さ0.1μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる
表面保護層を形成した。その斑点の形状は第6図に示し
たものと同様であり、約80μm角の斑点が約15μm間隔
で分布していた。成膜完了後は、電力印加を停止し、水
素ガス以外の調節弁を閉じ反応室(733)内に水素ガス
だけを100sccmの流量で流入し、圧力を1Torrに保持し約
30℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁(707)
を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応室(73
3)内の真空を破り、本発明による樹脂層と表面保護層
を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約7Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例8とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体はCdS/樹脂分散系感光体が本来有す
る感度を損なわないことが確認された。
また、得られた感光体は、温度10℃相対湿度30%の低
温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気
とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置した
ところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、ひ
び割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層お
よび表面保護層は、CdS/樹脂分散系感光体との接着性に
優れた膜であることが確認された。
実施例10 (樹脂層の形成) ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)1重量部
をTHF10重量部に溶解させ、この溶液を基板:CdS/樹脂分
散系感光層Id上に乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように
塗布し、乾燥させて樹脂層を形成した。
(表面保護層の形成) 次に、第14図に示す蒸着装置にて、樹脂層上に表面保
護層を形成した。
まず、円筒状基板(503)の表面を直径約90mm長さ300
mmのポリ塩化ビニル製の熱収縮性円筒状メッシュで覆っ
た後、温風加熱炉に入れて50℃にて熱収縮させて円筒メ
ッシュを基板に密着させた、そのメッシュ形状は穴径約
100μm穴間隔約25μmであった。
次に、その基板(503)を、基板支持部材(502)取り
付けた、ポート(504)には一酸化珪素SiOの粉末を載置
した。
次いで、真空層(501)の内部を排気ポンプ(511)を
用いて10-7Torr程度の高真空にした後、電極(506)に
電力を印加し、ポート(504)を1080℃に昇温した。ポ
ート(504)の温度が安定したところで、モーター(51
2)を起動させ約10回転/分で基板(503)を回転させつ
つ、予め閉状態にしておいたシャッター(508)を回転
導入端子(510)の操作により、約5分間開状態にし
て、10-5Torr程度の真空度の下で蒸着を行ない基板(50
3)上に約0.15μmのSiO膜の斑点からなる表面保護層を
形成した。
その斑点の形状は第4図に示したものと同様であり、
直径約100μmの円形の斑点が約25μm間隔で分布して
した。表面保護層形成後は電極(506)への通電を停止
しすると共に、真空槽(501)内を充分に排気し、真空
槽(501)の真空を破り、本発明による樹脂層と表面保
護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分約7Hであり、本発明による感光体の表面保
護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例8とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体はCds/樹脂分散系感光体が本来有す
る感度を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、樹脂層および表面保護層の剥離、あるいは、
ひび割れ等は認められず、本発明による感光体の樹脂層
および表面保護層は、Cds/樹脂分散系感光体との接着性
に優れた膜であることが確認された。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触において樹脂層および表面保護層の剥離は認め
られなかった。
また、通常の室内において実写を30万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、30万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった、これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
特性(実施例1〜10) 実施例1〜10で得られた感光体について、下記8項目
の特性評価をおこなった。
1.表面保護層の鉛筆硬度 2.感度特性 3.温湿度サイクル後の接着性 4.複写画像の鮮明度 5.高温、高湿下での画像流れの有無 6.実写サイクル後の接着性 7.実写サイクル後の膜厚減少 8.実写サイクル後の複写画像の鮮明度及び、高温、高湿
下での画像流れの有無 実施例1〜10で得られた感光体は、上記の特性におい
て何ら問題は認められず、本発明による感光体の表面保
護層は、有機系無機系感光体が本来有する特性、画像品
質を損なわずに耐久性の向上を達成するものであること
が確認された。
即ち、実施例1〜10で得られた感光体は、有機無機系
感光体の感度特性を損なわず表面が高硬度膜で保護さ
れ、かつその表面保護層は感光層との接着性に優れ、さ
らに複写機に搭載し実写した場合においても鮮明な画像
が得られ、高湿度環境下の実写においても画像流れは認
められず、30万枚の実写サイクル後においても、表面保
護層の剥離、感光層の膜厚減少は認められず高湿度環境
下の画像流れは認められなかった。
実施例11 次に、第11図に示すグロー放電分解装置にて、Se系感
光層基板Fp上に表面保護層を形成した。まず、反応槽
(733)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、第
1、第2および第3調節弁(707,708,709)を開放し、
第1タンク(701)より水素ガス、第2タンク(702)よ
りブタジエンガスおよび第3タンク(703)より四フッ
化メタンガスを各々出力圧1.5Kg/cmの下で第1、第2お
よび第3流量制御器(713,714,715)内へ流入させた。
そして各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量
を300sccm、ブタジエンガスの流量を15sccmおよび四フ
ッ化メタンガスの流量を90sccmとなるように設定して、
途中混合器(731)を介して、主管(732)より反応室
(733)内へ流入させた。各々の流量が安定した後に反
応室(733)内の圧力が1Torrとなるように圧力調整弁
(745)を調整した。
基板(752)の表面には予め、ニッケル製板マスクを
密着させておいた。その板マスクの形状は開口が43μm
角、開口部間の距離が約11μmであった。
次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電極
(735)に固定した。基板(752)はガス導入前に約15分
間かけて常温より50℃まで昇温した。ガス流量および圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)に
より接続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力
投入電極(736)に100Wの電力を周波数100KHzの下で印
加して約5分間プラズマ重合反応を行ない、基板(75
2)上に厚さ0.2μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる
表面保護層を形成した。その斑点の形状は第6図に示し
たものと同様であり、約43μm角の斑点が約11μm間隔
で分布していた。成膜完了後は電力印加を停止し、水素
ガス以外の調節弁を閉じ反応室(733)内に水素ガスだ
けを100sccmの流量で流入し、圧力を1Torrに保持し約30
℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁(707)を
閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応室(733)
内の真空を破り、本発明による表面保護層を有する感光
体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約6Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例6とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層はSe系感光体が本来有
する感度を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
なお、表2、表4中に実施例11に摘要した、表面保護
層の作製条件、形状等をまとめた。同様に以下に記載す
る実施例12〜18における表面保護層の作製条件、形状等
を表2〜表4にまとめた。
実施例12 表4に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例2と
同様の作製条件及び手順にてSe系感光層基Fp上に厚さ0.
15μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる表面保護層を
形成した。その斑点の形状は第6図に示したものと同様
であり、約85μm角の斑点が約15μm間隔で分布してい
た。
実施例13 表4に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例3と
同様の作製条件及び手順にてSe系感光層基板Gp上に厚さ
0.15μmの−酸化珪素SiO膜の斑点からなる表面保護層
を形成した。その斑点の形状は第6図に示したものと同
様であり、約90μm角の斑点が約25μm間隔で分布して
いた。
実施例14 表4に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例7と
同様の作製条件及び手順にてSe系感光層基Gp上に厚さ0.
2μmのフッ化マグネシウムMgF2膜の斑点からなる表面
保護層を形成した。その斑点の形状は第6図に示したも
のと同様であり、約90μm角の斑点が約25μm間隔で分
布していた。
実施例15 次に、第12図に示すグロー放電分解装置にて、Se系感
光層基Fd上に表面保護層を形成した。まず、反応槽(73
3)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、第1、第
2調節弁(707、708)を開放し、第1タンク(701)よ
り水素ガス、第2タンク(702)よりブタジエンガスを
各々出力圧1.5Kg/cmの下で第1、第2流量制御器(71
3、714)内へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を
調整して、水素ガスの流量を80sccm、ブタジエンガスの
流量を40sccmとなるように設定して、途中混合器(73
1)を介して、主管(732)より反応室(733)内へ流入
させた。各々の流量が安定した後に反応室(733)内の
圧力が1Torrとなるように圧力調整弁(745)を調整し
た。
円筒状基板(752)の表面は予め、直径約50mm長さ約3
00mmの66ナイロン製の伸縮性円筒状メッシュで覆ってお
いた。そのメッシュ形状は開口部約90μm、線径約20μ
mであった。
次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電極
(735)に固定した。基板(752)はガス導入前に約15分
間かけて常温より50℃まで昇温した。ガス流量および圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)に
より接続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力
投入電極(736)に30Wの電力を周波数1000KHzの下で印
加して約5分間プラズマ重合反応を行ない、基板(75
2)上に厚さ0.2μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる
保護層を形成した。その斑点の形状は第7図に示したも
のと同様であり、最大幅(W)約90μm不定形状の斑点
が約20μm間隔で分布していた。成膜完了後は電力印加
を停止し、水素ガス以外の調節弁を閉じ反応室(733)
内に水素ガスだけを100sccmの流量で流入し、圧力を1To
rrに保持し約30℃まで降温した。その後、水素ガスの調
節弁(707)を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、
反応室(733)内の真空を破り、本発明による樹脂層と
表面保護層を有する感光体を取り出した。
実施例16 表4に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例2と
同様の作製条件及び手順にてSe系感光層基板Fd上に厚さ
0.15μmの非晶質炭化水素膜の斑点からなる表面保護層
を形成した。その斑点の形状は第7図に示したものと同
様であり、最大幅(W)約90μmの不定形状の斑点が約
20μm間隔で分布していた。
実施例17 高周波(13.56MHz)スパッタリングにより、Se系感光
層基板:Gd上に表面保護層を形成した。
まず、円筒状基板の表面を直径約90mm長さ約300mmの
ポリ塩化ビニル製の熱収縮性円筒状メッシュで覆った
後、温風加熱炉に入れて約50℃にて熱収縮させて円筒メ
ッシュを基板に密着させた。そのメッシュ形状は穴径約
100μm、穴間隔約25μmであった。
次にその基板を高周波スパッタリング蒸着装置(図示
せず)の真空槽内の接地電極に固定した。対向する高周
波印加電極は厚さ約5mmの一酸化珪素SiOの板で覆いそれ
をターゲットとした。
真空槽の内部を排気ポンプを用いて10-7Torr程度の高
真空にした後、スパッタ用のアルゴンガスを真空槽内に
導入し圧力を5×10-2Torrに設定した。次に、電極に20
0Wに電力を周波数13.56MHzの下で印加して約10分間スパ
ッタリングを行ない、基板上に厚さ0.15μmのSiO膜の
斑点から表面保護槽を形成した。その斑点の形状は第4
図に示したものと同様であり、直径約100μmの円形の
斑点が約25μm間隔で分布していた。成膜完了後は電力
印加を停止し、真空槽内を充分に排気し、真空層内の真
空を破り、本発明による樹脂層と表面保護層を有する感
光体を取り出した。
実施例18 表4に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例4と
同様の作製条件及び手順にてSe系感光層基板Gd上に厚さ
0.15μmの酸化アルミニュウムAl2O3膜の斑点からなる
表面保護層を形成した。その斑点の形状は第4図に示し
たものと同様であり、直径約100μmの円形の斑点が約2
5μm間隔で分布していた。
特性(実施例11〜18) 実施例11〜18で得られた感光体について、実施例1〜
10で行なったと同様に、下記8項目の特性評価をおこな
った。
1.表面保護層の鉛筆硬度 2.感度特性 3.温湿度サイクル後の接着性 4.複写画像の鮮明度 5.高温、高湿下での画像流れの有無 6.実写サイクル後の接着性 7.実写サイクル後の膜厚減少 8.実写サイクル後の複写画像の鮮明度及び、高温、高湿
下での画像流れの有無 実施例11〜18で得られた感光体は、上記の特性におい
て何ら問題は認められず、本発明による感光体の表面保
護層は、Se系感光体が本来有する特性、画像品質を損な
わずに耐久性の向上を達成するものであることが確認さ
れた。
即ち、実施例11〜18で得られた感光体は、Se系感光体
の感度特性を損なわず表面を高硬度化し(表4参照のこ
と)、Se系感光層との接着性に優れ、さらに複写機に搭
載し実写した場合(実施例15〜18)においても鮮明な画
像が得られ、高湿度環境下の実写においても画像流れは
認められず、30万枚(実施例15、17、18)、35万枚(実
施例16)の実写サイクル後においても、表面保護層の剥
離、感光層の膜厚減少は認められず高湿度環境下の実写
においても画像流れは認められなかった。
実施例19 表5に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例17と
同様の作製条件及び手順にて有機系感光層基Ap上に厚さ
0.15μmの一酸化珪素SiO膜の斑点からなる表面保護層
を形成した。その斑点の形状は第6図に示したものと同
様であり、約43μm角の斑点が約11μm間隔で分布して
いた。
実施例20 表5に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例4と
同様の作製条件及び手順にて有機系感光層基板Cp上に厚
さ0.15μmの酸化アルニウムAl2O3膜の斑点からなる表
面保護層を形成した。その斑点の形状は第6図に示した
ものと同様であり、約85μm角の斑点が約15μm間隔で
分布していた。
実施例21 表5に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例7と
同様の作製条件及び手順にて有機系感光層基板Dp上に厚
さ0.2μmのフッ化マグネシウムMgF2膜の斑点からなる
表面保護層を形成した。その斑点の形状は第6図に示し
たものと同様であり、約100μm角の斑点が約25μm間
隔で分布していた。
実施例22 表5に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例17と
同様の作製条件及び手順にて有機系感光層基Ad上に厚さ
0.15μmの一酸化珪素SiO膜の斑点からなる表面保護層
を形成した。その斑点の形状は第7図に示したものと同
様であり、最大幅(W)約90μmの不定形状の斑点が約
20μm間隔で分布していた。
実施例23 高周波(13.56MHz)スパッタリングにより、有機系感
光層基板Cd上に表面保護層を形成した。
まず、円筒状基板の表面を直径約50mm長さ約300mmの6
6ナイロン製の伸縮製円筒状メッシュで覆った。そのメ
ッシュ形状は開口部約90μm線径約20μmであった。
次にその基板を高周波スパッタリング蒸着装置(図示
せず)の真空槽内の接地電極に固定した。対向する高周
波印加電極は厚さ約5mmの酸化アルミニウムAl2O3の板で
覆いそれをターゲットとした。
真空槽の内部を排気ポンプを用いて10-7Torr程度の高
真空にした後、スパッタ用のアルゴンガスを真空槽内に
導入し圧力を5×10-2Torrに設定した。次に、電極に20
0Wの電力を周波数13.56MHzの下で印加して約15分間スパ
ッタリングを行ない、基板上に厚さ0.15μmのAl2O3
の斑点から表面保護槽を形成した。その斑点の形状は第
7図に示したものと同様であり、最大幅(W)約90μm
の不定形状の斑点が約20μm間隔で分布していた。成膜
完了後は電力印加を停止し、真空槽内を充分に排気し、
真空層内の真空を破り、本発明による樹脂層と表面保護
層を有する感光体を取り出した。
実施例24 表5に示す斑点形成用のマスクを用いて、実施例7と
同様の作製条件及び手順にて有機系感光層基Dd上に厚さ
0.2μmのフッ化マグネシウムMgF2膜の斑点からなる表
面保護層を形成した。その斑点の形状は第4図に示した
ものと同様であり、直径約100μmの円形の斑点が約25
μm間隔で分布していた。
特性(実施例19〜24) 実施例19〜24で得られた感光体について、実施例1で
行なったと同様に、下記8項目の特性評価をおこなっ
た。
1.表面保護層の鉛筆硬度 2.感度特性 3.温湿度サイクル後の接着性 4.複写画像の鮮明度 5.高温、高湿下での画像流れの有無 6.実写サイクル後の接着性 7.実写サイクル後の膜厚減少 8.実写サイクル後の複写画像の鮮明度及び、高温、高湿
下での画像流れの有無 実施例19〜24で得られた感光体は、上記の特性におい
て何ら問題は認められず、本発明による感光体の表面保
護層は、有機系感光体が本来有する特性、画像品質を損
なわずに耐久性の向上を達成するものであることが確認
された。
即ち、実施例19〜24で得られた感光体は、有機系感光
体の感度特性を損なわず表面を高硬度化し(表5参照の
こと)有機系感光層との接着性に優れ、さらに複写機に
搭載し実写した場合(実施例22〜24)においても鮮明な
画像が得られ、高湿度環境下の実写においても画像流れ
は認められず、30万枚の実写サイクル後においても、表
面保護層の剥離、感光層の膜厚減少は認められず高湿度
環境下の画像流れは認められなかった。
比較例9−16 表面保護層形成時に基板表面をメッシュ等のマスクで
覆わないで表面保護層を基板表面に均一な層として形成
しすること以外は実施例2(比較例9)、実施例6(比
較例10)、実施例8(比較例11)、実施例10(比較例1
2)、実施例16(比較例13)、実施例18(比較例14)、
実施例22(比較例15)、実施例24(比較例16)と同様に
して基板とした感光層上に樹脂層と表面保護層(比較例
9−12)又は表面保護層(比較例13−16)を形成した。
特性(比較例9〜16) 比較例9〜16で得られた感光体について、実施例1で
行なって同様に、下記9項目の特性評価をおこなった。
1.表面保護層の鉛筆硬度 2.感度特性 3.温湿度サイクル後の接着性 4.複写画像の鮮明度 5.高温、高湿下での画像流れの有無 6.実写サイクル後の接着性 7.実写サイクル後の膜厚減少 8.実写サイクル後の複写画像の鮮明度 9.実写サイクル後の高温、高湿下での画像流れの有無 表6中に示したように、比較例9〜16で得られた感光
体は、上記1〜8の特性においては何ら問題は認められ
なかった。しかしながら、比較例9、11、13の感光体は
10万枚実写後に、比較例10の感光体は15万枚実写後に、
比較例12、14、16の感光体は8万枚実写後に、比較例15
の感光体は7万枚実写後に30℃、80%の高湿度環境下で
実写したところ、いわゆる画像流れが認められた。これ
らのことから、表面保護層を斑点状に分布した層として
設けた本発明による感光体は、画像品質面での耐久性も
優れていることが確認された。
なお、表6中に、比較例1〜16で得られた感光体の作
製条件、特性等をまとめた。表中、耐刷後高湿時の画像
流れの評価項目中、記号「○」は、流れなく鮮明である
ことを、「△」は部分的に流れが生じることを、「×」
は全面的に流れが生じることを示す。
発明の効果 本発明の感光体は、耐久性に優れ、高湿度下で繰り返
し使用しても、画像流れ、画像にじみ等の問題のない高
画質を形成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は感光体の模式的断面図である。 第4図〜第7図は感光体表面を表わした図である。 第8〜第10図は感光体の模式的断面図である。 第11図および第12図は、表面保護層を形成するためのグ
ロー放電分解装置の概略構成例を示す図である。 第13図および第14図は表面保護層を形成するための蒸着
装置の概略構成例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 5/147 505 G03G 5/147 505 (56)参考文献 特開 昭51−129237(JP,A) 特開 昭64−4754(JP,A) 特開 昭51−124932(JP,A) 特開 平2−214869(JP,A) 実開 昭62−186152(JP,U) 特公 昭48−40430(JP,B2) 特公 昭38−18148(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/147 501

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体(1)上に光導電性感光層
    (2)を有し、該感光層上に樹脂層(4)および該樹脂
    層上に表面保護層(3)を有する感光体において、該表
    面保護層(3)は、非晶質炭化水素膜の斑点または金属
    化合物膜の斑点からなることを特徴とする感光体。
  2. 【請求項2】導電性支持体(1)上にセレン砒素合金の
    単層構成よりなる感光層またはセレンとセレンテルル合
    金をこの順に設けた積層構成よりなる感光層(2)を有
    する感光体において、該感光層(2)上に表面保護層
    (3)を設け、該表面保護層(3)が非晶質炭化水素膜
    の斑点又は金属化合物膜の斑点からなることを特徴とす
    る感光体。
  3. 【請求項3】導電性支持体(1)上に有機感光層(2)
    および該有機感光層(2)上に表面保護層(3)を有す
    る感光体において、該表面保護層(3)は金属化合物膜
    の斑点からなることを特徴とする感光体。
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