JP2844686B2 - 酸化防止に優れた感光体とその製造方法 - Google Patents

酸化防止に優れた感光体とその製造方法

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JP2844686B2 JP1166339A JP16633989A JP2844686B2 JP 2844686 B2 JP2844686 B2 JP 2844686B2 JP 1166339 A JP1166339 A JP 1166339A JP 16633989 A JP16633989 A JP 16633989A JP 2844686 B2 JP2844686 B2 JP 2844686B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、酸化防止、特に耐オゾン劣化に優れた有機
感光体に関する。
従来の技術および課題 近年、電子写真感光体として数多くの有機感光体が提
案され実用化されている。
しかし、有機感光体はその表面硬度が低いため電子写
真装置内で実使用した場合、現像剤、転写紙、清掃部材
等との接触により感光層が摩耗し、長期間使用すると感
光層膜厚の減少、表面電位の低下により、十分な画像濃
度が得られなくなる。
また、表面電位計でモニタリングしながら帯電器の出
力を変えたり、スコロトロン法により帯電する等して、
感光体表面電位を強制的に一定に保つような機構の取り
入れられた電子写真装置においては、膜厚が薄くなるに
つれ、表面に付与する電荷量を多くして表面電位を一定
に保つ必要があるため感度低下が生じ、長期間使用する
と画像にカブリが発生してくる。
そこで、有機感光体の耐摩耗性を改善するために、最
表面に表面保護層を設ける提案が数多くなされている。
そして、そのような目的で設けられる表面保護層は、残
留電位を発生させないために、また、感光層中に効率よ
く照射光を導入し感度低下を招かないようにするため
に、一般的には数μm程度以下の膜厚で感光層上に設け
られる。
ところで、実用の電子写真装置内の感光体は、表面電
荷付与、現像剤の転写、転写紙の感光体からの分離等の
目的で、各種帯電器によりその表面がコロナ放電による
チャージングダメージを受ける。
チャージングダメージとしては、コロナイオンによる
イオンダメージ、コロナ放電により生成するオゾンガス
によるオゾンダメージ等があるが、これらは感光体性能
に重大な悪影響を及ぼす。
この悪影響は一般的に多く採用されている導電性基板
上に電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した感光体
構成を例にとると次のように説明される。
オゾンガスは自体、電荷輸送層中の電荷輸送材を容易
に変性してしまうほど、酸化作用の強いガスである。
通常の電子写真装置内のオゾンガス濃度は1ppm以内程
度であるが、長期にわたり繰り返しオゾン被曝を受ける
感光体は最表面から順に電荷輸送材が酸化されて行き、
所謂オゾン劣化層を形成する。
電荷輸送層は、作製時に溶剤の蒸発により形成される
所謂溶剤の抜け道が存在すること、並びに、帯電時のイ
オンの衝突により物理的な衝撃破壊を受けること等によ
り分子レベルでは非常にポーラスな構造となっているた
め、オゾンが侵入しやすい。このオゾン劣化層は発明者
らの知見によれば、長期使用において表面保護層下5μ
m程度にまで達する。
表面保護層の設けられていない有機感光体では、この
オゾン劣化層は感光体への接触部材により随時削り取ら
れて行くため、上述の如き感光層の摩耗による欠点を有
する反面、オゾン劣化層による弊害は発生しなかった。
しかし、表面保護層の設けられた有機感光体では膜削
れの作用がないため、オゾン劣化層が除去されることな
く次第に形成され、その領域も広がる。
表面保護層が完全にオゾンの侵入を防止し得るほど化
学的に安定で緻密な膜であれば、オゾン劣化層の生成は
起こり得ない筈である。そのように緻密な表面保護層は
実質有り得ず、また、オゾンの酸化作用、並びに、イオ
ン衝撃による物理破壊等により結局は感光層にまでオゾ
ンが透過する表面保護膜しか存在しない。
オゾン劣化層中では、キャリアの易動度が低下し、ま
た、移動中のキャリアが捕獲されるため、感度低下や、
残留電位の発生を招く。
また、捕獲されたキャリアは再帯電時に表面電荷と再
結合し、表面電位の低下の原因となる。
さらに、オゾン劣化層が形成された感光体を電子写真
装置に搭載し高温高湿条件下で使用した場合、雰囲気中
の水分がオゾン劣化層にまで浸透し吸着し、電気抵抗が
著しく低下するため、所謂画像流れが発生してしまう。
電荷輸送材料に着目した技術としては、例えば、特開
昭63−63046号公報、特開昭59−155844号公報、特開昭5
9−155845号公報あるいは特開昭58−62654号公報等が知
られている。
特開昭63−63046号公報は、支持体上に電荷発生層並
びに電荷輸送層を設けた積層型感光体であり、電荷輸送
層中に含まれる電荷輸送物質の濃度が連続的に変化する
ものが開示されている。電荷輸送物質は、基板側に多
く、表面側に少なく含有されている。そうすることによ
り表面付近の絶縁性、硬度を改善し、さらに電荷輸送物
質の表面への析出を防止しようとするものである。
本発明は、電荷輸送物質を表面側に多く含有し、表面
付近の電荷輸送物質のオゾン劣化を防止し、長期使用に
おいても好適な輸送性を確保するものであり、上記発明
とは全く異なる。
特開昭59−155844号公報および特開昭59−155845号公
報は、導電性基板上に、アクセプター性有機物質からな
る層とドナー性低分子物質を樹脂中に分散した層を設け
ることにより、両層の界面に電荷移動錯体の薄層を形成
することを特徴とする積層型電子写真感光体を開示す
る。しかし、上記技術は、二層構成の感光層において両
層界面での電荷移動を妨げないための工夫であり、耐オ
ゾン劣化防止については何ら示唆するものではない。
特開昭58−62654号公報は、電荷移動層中に不均一に
電荷移動物質が分散する感光体を開示している。しか
し、電荷移動物質は、一定の濃度分布のある状態で含有
されるものではなく、また、その目的は高感度化であ
る。耐オゾン性については何ら示唆する記述はない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、有
機感光層表層部の電荷輸送材のオゾン劣化を防止し、長
期使用においても好適な電荷輸送性を確保しようとする
ものである。
課題を解決するための手段 本発明は導電性基板上に少なくとも電荷輸送物質と結
着樹脂とを含有してなる有機系感光層と表面保護層とを
積層してなる感光体において、電荷輸送物質を表面保護
層と有機系感光層との界面に近い程多く含有させたこと
を特徴とする感光体に関する。
電荷輸送物質は、表面保護層と感光層の界面に近いほ
ど多く含有させる。これは、感光層のオゾン劣化は、表
面保護層下5μm程度までの範囲で起こり、表面保護層
に近いほど、劣化の程度が大きいからであり、オゾン劣
化をより有効に防止するためである。
以下、説明上の便宜のために、第1図に示したよう
に、表面保護層(3)と導電性基板(5)上に形成され
た有機感光層(4)との界面に近いオゾン劣化が起きや
すい層部分を第2の層領域(2)と呼び、その層領域よ
り下の層領域を第1の層領域(1)と呼ぶことにする。
第2層領域は、上述したように有機感光層のうち表面
保護層下5μm程度までの領域のいい、好ましくは1〜
4μm程度に設定する。
第1層領域は、有機感光層のうち、第2層領域を以外
の領域をいうものと考えてよい。
第2層領域における電荷輸送物質の含有量は、感光層
構成樹脂重量に対する電荷輸送物質重量の比で表わし
て、1〜9、好ましくは2〜7である。電荷輸送物質の
含有量が多すぎると、感光層の膜抵抗の低下による帯電
能低下を来す。反対に、電荷輸送物質の含有量が少なす
ぎると、好適な電荷輸送姓が得られず、感度低下を発生
しやすくなる。
第1層領域においては、第2層領域でオゾン劣化がほ
とんど完全に防止され、また、第1層領域までオゾン劣
化が達することはなく、それ故に、電荷輸送物質を必要
以上に含有させなくてもよい。具体的には、第1層領域
における電荷輸送物質の含有量は、上記と同じ比で表わ
して、1/3〜3、好ましくは1/2〜2程度であれば十分で
ある。
なお、第1および第2層領域における電荷輸送物質の
含有量には、上記説明において一部重複した範囲(つま
り、第1層領域における酸化防止剤の含有量である1/3
〜3と、第2層領域におけるそれは1〜9であり、1〜
3の範囲で、含有量が重なっている)が見られるが、こ
れは感光層に使用する電荷輸送物質の種類等により、そ
の含有量を適宜選定する必要があるからであり、本発明
においては、オゾン劣化を受けやすい第2の層領域の方
が第1の層領域よりも電荷輸送物質を多く含有するよう
に構成する。
電荷輸送物質を感光層の表面保護側に多く含有させる
には、 (i)感光層の塗布工程において、電荷輸送物質を低能
度で含む感光塗液で塗布を行ない、次いでそれより電荷
輸送物質濃度の高い塗液で塗布を行なう。
(ii)電荷輸送物質を種々の濃度で含む感光塗液を用
い、濃度の低いものから高いものへと複数回塗布を行な
う; (iii)スプレー法を用い、感光塗液中の電荷輸送物質
含有量をスプレーノズル前の配管内で徐々に多くなるよ
うに混合し塗布を行なう; (iv)所定の電荷輸送物質濃度より若干高目の電荷輸送
物質濃度の塗布液を用いて、導電性基板上に塗布し、加
熱乾燥処理を行ない感光層を作製した後、該感光層を適
当な溶剤、例えばメタノール、エタノール、フロンソル
ブR等に数秒〜数分浸漬し、再び乾燥処理を行なう; (v)(iv)の処理において、感光層を溶剤に浸漬する
かわりに、溶剤蒸気に数秒〜数分程度さらす以外、(i
v)の処理と同様に行なう; こと等により行なうことができる。
上記方法により形成される第2層領域内に含有される
電荷輸送物質は、種々の分布状態を取り得るが、本発明
においては、電荷輸送物質が、表面保護層と感光層との
界面に近い領域ほど多く含有されるようにする。電荷輸
送物質の第2層領域内での分布状態を第2図〜第5図に
例示する。各図中、横軸は濃度(任意目盛)を、縦軸に
おけるAは、表面保護層と感光層の界面の位置を示し、
A点より下に行くほど基板に近くなることを示す。
第2図は、一定の高い含有率の層を一定の厚さに形成
し、その層の下に低含有率の層を設けた場合の分布状態
を示す。このような分布状態は上記(i)の方法により
形成した場合に取り得る状態をよく表わす。
第3図は、第2図において、電荷輸送物質の高含有率
の層内に濃度勾配をつけた場合の分布状態を示すもので
ある。このような濃度勾配は、上記した(ii)の方法に
より形成した場合に取り得る分布状態をよく表わす。
第4図および第5図に示した分布状態は、第2層領域
および/または第1層領域内の濃度分布が第2図〜第3
図に示したように、濃度勾配が段階的ではなく、連続的
である場合を示している。そのような濃度勾配は、上記
した(iii)〜(v)の方法により形成した場合に取り
得る分布状態をよく表わす。
いずれの場合にせよ各層領域の厚さおよび電荷輸送物
質の濃度は、前記した範囲内とする。
本発明に係わる有機系感光層の内部構成は、電荷発生
層と電荷輸送層とを積層して成る機能分離型構成であっ
てもよいし、電荷発生材料と電荷輸送材料とを結着材料
中に分散して成るバインダー型構成であってもよいし、
これら以外の構成であってもよい。
本発明が適用されうる感光体の具体的な構成例を第6
図〜第8図に示す。
第6図は、第1図で示した構成と同じ感光体を示して
おり、導電性基板(5)上に電荷発生物質(9)と電荷
輸送物質(8)を結着剤に配合した感光層(4)、およ
び該感光層(4)上に表面保護層(3)を形成した感光
体である。
電荷輸送物質の濃度勾配層(第1および第2の層領
域)は、表面保護層(3)と感光層(4)の界面下に形
成される。
第7図は、感光層として電荷発生層(6)と電荷輸送
層(7)を有する機能分離型感光体であり、電荷発生層
(6)の上に電荷輸送層(7)が形成されている。該電
荷輸送層中において、表面保護層(3)に近いほど高濃
度になるように、電荷輸送物質を含有させる。
第8図は、第7図と同様電荷発生層(6)と電荷輸送
層(7)を有する機能分離型感光体であるが、第11図と
は逆に電荷輸送層(7)の上に電荷発生層(6)が形成
されている。
この場合、電荷輸送物質の濃度勾配層は、電荷輸送層
(7)に設け、電荷発生層(6)に近いほど、高濃度に
なるように形成する。
さらに、第6図〜第8図に示した感光体には、基板
(5)上に下引層(中間層)を形成してもよい。
以上の例示にかかわらず、本発明に係わる有機系感光
層は、所望の感度、帯電能等の感光体性能が得られるも
のであれば、特に限定を受けるものではない。
一般に、有機系感光層の作製に用いられる材料として
は、電荷発生に寄与する光導電性材料として、例えば、
フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ペリレン系顔料等
が用いられ、電荷輸送に寄与する電荷輸送性材料とし
て、例えば、トリフェニルメタン系化合物、トリフェニ
ルアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチリル系化
合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、オ
キサジアゾール系化合物等が用いられ、これらを分散塗
布するための結着材料として、例えば、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラール系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチ
レンアクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アク
リル系樹脂、エポキシ系樹脂、エレタン系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アル
キッド系樹脂、エチレン酢酸共重合体、エチレンブタジ
エン共重合体等の樹脂が用いられる。ここで、結着材料
としての樹脂は、単独で測定して1×1014Ω以上の体積
抵抗を有することが望ましい。
本発明に係わる感光体の感光層の作製には、例えば、
ディップコーティング法、スプレーコーティング法、ス
ピンナーコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング
法、カーテンコーティング法等の塗布方法を使用するこ
とができる。このように塗布法による感光層は、室温に
おける予備乾燥後、加熱加熱することが好ましい。加熱
乾燥は、30〜200℃の温度で5分〜2時間程度の範囲の
時間で、静止もしくは送風下で行なうことができる。
本発明感光体を構成する表面保護層としては、 ・透光性に優れ照射光を効率よく感光層に導入し、感光
体としての感度特性を損なわないこと、 ・高硬度で耐摩耗性に優れ、感光層の膜削れを防止し、
膜削れによる表面電位低下あるいは感度低下を招かない
こと、 ・耐環境性に優れ、温湿度変化、ガス雰囲気変化等から
感光体特性に保護し得ること、 ・現像剤との整合性に優れ、フィルミング、トナー融着
等を発生しないこと、 ・クリーナーブレード等の清掃部材との整合性に優れ、
ブレード鳴き、ドラム回転不良等を生じないこと、 等の機能を発揮し得る膜であれば、本発明においては、
特に限定はなく、通常のその膜厚は0.01〜5μm程度で
ある。
本発明において使用可能な表面保護層としては、以下
のものを例示することができる。
真空蒸着法、クラスター蒸着法、スパッタリング法、
反応性スパッタリング法あるいはイオンプレーティング
法等を用いて作製された、 Al2O3、SiO、SiO2、TiO2、CaO、CeO2、Ce2O3、Bi
2O3、Cr2O3、Gd2O3、SnO2、Sb2O3、Sb2O4、La2O3、Ta2O
5、ThO2、ZrO2、ZnS、CdS、PbS、MgF2、LiF、CaF2、CeF
3、LaF3、PbF3、NdF3、Si3N4、Si3N4:Al2O3、Si3N4:Mg
O、Si3N4:SiC、Si3N4:SiO2等の無機化合物よりなる真空
薄膜、あるいは、 ポリ四弗化エチレン、ポリ弗化ビニリデン、四弗化エ
チレン、六弗化プロピレン共重合体等の弗素樹脂、ポリ
パラキシリレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
メタクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、ブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート共重
合体等の有機化合物よりなる真空薄膜、 また、これらの複合組成よりなる真空薄膜を使用する
ことができる。
プラズマ重合法を用いて作製された、非晶質炭素(a
−C)、非晶質珪素(a−Si)、非晶質炭化珪素(a−
Si:C)よりなる真空薄膜、あるいは、これらのアモルフ
ァス材料中に、水素原子、酸素原子、窒素原子、弗素原
子、硼素原子、燐原子等のヘテロ原子を添加した真空薄
膜を使用することができる。また、このような真空薄膜
では、構造的には非晶質構造以外に、非結晶構造、微結
晶構造、多結晶構造、結晶構造等になったものも使用で
きる。
市販品として入手可能なものとしては、ゾンネKPM200
0、ゾンネKPM2100(以上、関西ペイント社製)、ダイヤ
ビームUA、ダイヤビームUB、ダイヤビームUC、ダイヤビ
ームUD(以上、三菱レーヨン社製)等の光硬化性樹脂;
マジクロンNo.200、マジクロンNo.300、マジクロンNo.5
00、マジクロンNo.15000(以上、関西ペイント社製)、
アルマテックスE2404、アルマテックスE162(以上、三
井東圧化学社製)等の熱硬化性樹脂; アルマテックスL1042、アルマテックスL1043、アルマ
テックスL1090F(以上、三井東圧化学社製)等の常乾型
樹脂を使用することができる。
このような樹脂は単独でもよいし複数混合して用いて
もよい。また、表面保護層は単層構成であってもよい
し、複数層積層した構成であってもよい。
導電性を有する基板としては、例えば、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジ
ウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジ
ウム、金、白金等の自体導電性を有する金属基板、アル
ミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化
錫、酸化インジウム錫合金等を真空蒸着法、スパッタリ
ング法等によって導電性被膜が形成された表面を有する
プラスチック製(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー、アク
リル樹脂、ポリ弗化エチレン等)基板、導電性粒子(例
えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、銀粒
子、金属フレーク等)を適当なバインダーと共にプラス
チックの上に被覆した基板、導電性粒子をプラスチック
や紙に含浸した基板、並びに、導電性ポリマーを有する
プラスチック製基板等を用いることができる。
また、基板形状は、円筒状、可撓性ベルト状、平板状
等、感光体が使用される電子写真装置に応じて、任意の
形状を採ることができる。
本発明においては、オゾン劣化をより有効に防止する
ため、表面保護層下に酸化防止剤を含有させてもよい。
本発明において使用可能な酸化防止剤としては、N−
イソプロピル−N′−フェニル−パラフェニレンジアミ
ン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−
パラフェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)
−N′−フェニル−パラフェニレンジアミン、N,N′−
ジフェニル−パラフェニレンジアミン、N,N′−ジ−2
−ナフチル−パラフェニレンジアミン、オクチル化ジフ
ェニルアミン、アンチゲンP(住友化学社製)、マーク
LA−63(アデカアガス化学社製)、ノクラック224(大
内新興化学社製)等のアミン類、;2,2,4−トリメチル−
1,2−ジヒドロキノリン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、2,5−ジ−t−オクチルヒドロキノン、2,6−ジ−
n−ドデシルヒドロキノン、2−n−ドデシルヒドロキ
ノン、2−t−オクチル−5−メチルヒドロキノン等の
ヒドロキノン類;スチレン化フェノール、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、2,2′−メチレン−
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、4,4′−ビチリデン−ビス−(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、α−トコフェ
ノール−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェノール)−ピロピオネート等のフェ
ノール類;ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒド
ロキシアニソール等のヒドロキシアニソール類;2−メル
カプトベンズイミダゾール、ジラウリル−3,3−チオプ
ロピオネート等の硫黄化合物;トリフェニル化リン、ト
リス(ノニルフェニル)化リン、トリクレゾール化リン
等の有機リン化合物;等公知の化学物質を例示すること
ができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 (電荷発生層(CGL)の作製) ・ビスアゾ顔料としてクロロジアンブルー(CDB)1g、 ・ポリエステル樹脂(東洋紡社製V−200)1g、 ・シクロヘキサノン98g、 の混合液をサンドグラインダーで13時間分散した。
この分散液を直径80mmの円筒状アルミニウム基板上に
ディッピング法を用いて乾燥後の膜厚が0.3μmとなる
ように塗布し、乾燥して電荷発生層(CGL)を形成し
た。
(電荷輸送層(CTL)の作製) ・下記構造式[I]で示されるピラゾリン化合物5g、 ・ポリカーボネート(帝人化成社製K−1300)10g、 ・THF 50g、 を溶解混合し、(CT材重量)/(樹脂重量)=1/2なる
電荷輸送層(第1の層領域)を乾燥後膜厚が15μmとな
るようにCGL上に塗布し乾燥させた。
次いで、以下のようにして第2の層領域を作製した。
構造式[I]のピラゾリン化合物 10g ポリカーボネート 5g (帝人化成社製K−1300) THF 100g を溶解混合し、(電荷輸送物質重量)/(樹脂重量)=
2なる電荷輸送層(第2の層領域)を乾燥後膜厚が1μ
mとなるように塗布し、乾燥した。
(表面保護層(OCL)の作製) 常用のプラズマ重合装置を用い、下記条件にてa−C
表面保護層を設けた。
キャリアガス Ar 200sccm 原料ガス C3H6(プロピレン) 30sccm 電力周波数 1MHz 電力 120W 圧力 0.3Torr 基板温度 30℃ 膜厚 0.9μm 実施例2〜4、比較例1〜2 CTLの第2の層領域の作製法を表1に示したように変
えること以外は実施例1と同様にして感光体を作製し
た。
実施例5〜7、比較例3〜4 CTLの第2の層領域の膜厚を次のように変えること以
外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例8 実施例3において、第2の層領域の膜厚を0.5μmと
し、さらにその上に、酸化防止剤を含有させるために、 構造式[I]のピラゾリン化合物 10g ポリカーボネート 10g (帝人化成社製K−1300) ノクラック224 2g (大内新興化学社製) THF 100g を溶解混合し、(酸化防止剤重量)/(樹脂重量)=1/
5なる電荷輸送層(第2の層領域の一部)を乾燥後膜厚
が0.5μmとなるように塗布(ティッピング法)し、乾
燥した以外、実施例と同様に、感光体を作製した。
実施例9 CTL層を下記のようにして作製する以外、実施例1と
同様に感光体を作製した。
(CTLの作製) まず、下記条件にて乾燥後膜厚15.2μmの電荷輸送層
を塗布、乾燥することにより形成した。
構造式[I]のピラゾリン 6g ポリカーボネート 10g THF 200g 次いで、乾燥後のドラムをTHF蒸気雰囲気下に10分間
さらした後、再乾燥した。この操作により電荷輸送物質
が電荷輸送層上部に偏在し、第9図に示したように電荷
輸送物質が分布したCTLが形成された。なお、第9図に
示した分布状態は有機元素分析により測定可能)。
評価 以上のようにして得られた感光体(実施例1〜9、比
較例1〜4)を、以下に示した評価を行なった。
(i)評価機・ミノルタカメラ社製複写機EP490Z。
・メインチャージャーにはスコトロン型帯電器を使用。
(ii)電位測定・TREK社製表面電位計MODEL344を使用。
・測定プローブをEP490Zの現像器位置にセットし、感光
体表面電位を計測。
(iii)膜厚測定・FLSCHER社製膜厚計TypeEC8e2Tyを使
用し、感光体膜厚を測定。
(iv)耐刷試験・EP490Zを用いて、室内環境にてB/W比
較6%のチャートを用いて、A4紙横送りで耐刷試験を行
なった。
・耐刷前の初期設定として *Vo=−500[V]となるように帯電器出力を調整し、 *表面電位が−50Vに減衰可能な露光量E50を測定し、 耐刷中の5Kコピー毎に、帯電器出力、E50を初期設定の
まま、VoおよびE50の光量で減衰した表面電位Viを測定
した。
評価結果 初期におけるE50の値を以下に示す。
耐刷試験中におけるVo,Viの変化を第10図〜第13図に
示した。
第10図より、実施例3および4で得られた感光体は実
用上問題のない感度低下、Vo低下を示すことがわかる。
比較例1で得られた感光体は感度低下が大きく、また
比較例2で得られた感光体はVo低下が大きいことがわか
る。
第10図と表1より電荷輸送物質含有量の適値が理解さ
れる。
また、第11図と表2より第2層領域の膜厚の適値が理
解される。また、いずれの試料とも耐刷試験中の膜厚削
れは認められなかった。
発明の効果 本発明による表面保護層を有する感光体は、オゾン劣
化層の生成による感度低下並びに残留電位の増加が防止
され、長期にわたり膜削れがない、安定した感度特性を
有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明感光体の模式的構成例を示す図であ
る。 第2図ないし第5図は感光層中の電荷輸送物質の分布状
態例を示す図である。 第6図ないし第8図は、本発明を適用しうる感光体の模
式的構成例を示す図である。 第9図は、実施例9で得られた感光体における電荷輸送
物質の分布状態の概略を示す図である。 第10図〜第13図は、耐刷試験における感光体の表面電位
の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−158553(JP,A) 特開 昭60−241060(JP,A) 特開 昭56−142536(JP,A) 特開 平2−73359(JP,A) 特開 昭63−151953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上に少なくとも電荷輸送物質と
    結着樹脂とを含有してなる有機系感光層と表面保護層と
    を積層してなる感光体において、電荷輸送物質を表面保
    護層と有機系感光層との界面に近い程多く含有させたこ
    とを特徴とする感光体。
  2. 【請求項2】導電性基板上に少なくとも電荷輸送物質と
    結着樹脂とを含有してなる有機系感光層と表面保護層と
    を積層してなる感光体において、有機系感光層が少なく
    とも電荷輸送物質含有量の異なる第1の層領域と第2の
    層領域を有し、この第2の層領域は第1の層領域より導
    電性基板とは反対側に位置すると共に、この第2の層領
    域は第1の層領域より電荷輸送物質を多く含有すること
    を特徴とする感光体。
  3. 【請求項3】第2の層領域における電荷輸送物質の量
    は、(電荷輸送物質の重量)/(結着樹脂の重量)で表
    わされる重量比が1〜9である請求項2記載の感光体。
  4. 【請求項4】第2の層領域の膜厚は0.2〜5μmである
    ことを特徴とする請求項2記載の感光体。
  5. 【請求項5】第1の層領域における電荷輸送物質の量
    は、(電荷輸送物質の重量)/(結着樹脂の重量)で表
    わされる重量比が1/3〜3であることを特徴とする請求
    項2記載の感光体。
  6. 【請求項6】第1の層領域の膜厚が10〜25μmであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の感光体。
  7. 【請求項7】表面保護層の膜厚が0.01〜5μmであるこ
    とを特徴とする請求項1あるいは2記載の感光体。
  8. 【請求項8】導電性基板と有機系感光層との間に、中間
    層(下引層)を設けたことを特徴とする請求項1あるい
    は2記載の感光体。
  9. 【請求項9】中間層の膜厚が0.01〜5μmであることを
    特徴とする請求項7記載の感光体。
  10. 【請求項10】導電性基板上に少なくとも電荷輸送物質
    と結着樹脂とを含有してなる有機系感光層と表面保護層
    とを積層し、かつ、該有機系感光層は表面保護層との界
    面側に電荷輸送物質を多く含有してなる有機感光体の製
    造方法において、該表面保護層は、有機系感光層作製
    後、溶剤処理を施した後、積層されることを特徴とする
    感光体の製造方法。
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