JP2811137B2 - 位相差板の製造方法 - Google Patents

位相差板の製造方法

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JP2811137B2
JP2811137B2 JP4282907A JP28290792A JP2811137B2 JP 2811137 B2 JP2811137 B2 JP 2811137B2 JP 4282907 A JP4282907 A JP 4282907A JP 28290792 A JP28290792 A JP 28290792A JP 2811137 B2 JP2811137 B2 JP 2811137B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相差板の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、低電圧、低消費電力で
IC回路への直結が可能であること、表示機能が多様で
あること、軽量化が可能であること等多くの特徴を有し
ており、ワードプロセッサやパーソナルコンピューター
等の表示装置として広く使用されている。その中で、液
晶分子のツイスト角が160°以上のツイステッドネマ
ティック液晶表示装置(以後STN−LCD)は従来の
ツイスト角が90°のツイステッドネマティック液晶表
示装置(TN−LCD)に比べ、大容量表示が可能であ
り、高速応答性に優れている事から、現在液晶表示装置
の主流となっている。
【0003】しかしながらSTN−LCDには、表示画
像が青色あるいは黄色に着色する(ブルーモードあるい
はイエローモード)という問題があり、このため白黒表
示ではコントラスト、視認性が低く、またカラー化が極
めて困難であった。そこでこの着色を補償するために、
逆ねじりのSTN液晶セルを用いる二層液晶方式の白
黒、あるいは、カラー表示が提案されたが、複数の液晶
セルを用いるため、表示装置の重量、容積が大きくな
る、あるいはコストが高くなる等の問題点、また視角の
僅かな変化でコントラストが急激に低下する、あるいは
背景色が変化する等の、視角特性の劣化という別の問題
があった。
【0004】この問題を解決するために、特開昭63−
167303号、同63−167304号、同63−1
89804号、同63−261302号、同63−14
9624号、特開平1−201607号、同1−201
608号、同1−105217号、特開平2−2853
03号、同2−59702号、同2−24406号、同
2−146002号、同2−257103号、特開平3
−23404号、同3−126012号、同3−181
905号、同3−104503号公報等に記載されてい
る様に、逆ねじりのSTN液晶のかわりに複屈折性フィ
ルムを位相差板として用いる方法が提案された。
【0005】これらの方法によれば、STN−LCDの
着色が大幅に改善され、表示装置自身の重量、容積も著
しく小さくなり、コストも安くなるが、STN−LCD
の視角特性についてはほとんど改良されなかった。
【0006】そこで、この視角特性を改良するために、
特開平2−285303号公報に電場配向によって、厚
さ方向の屈折率が複屈折の光軸に垂直な方向の屈折率よ
りも大きい複屈折性フィルムを作成し、これを位相差板
として用いる方法が提案された。この方法によれば視角
によるコントラストの変化が小さくなり、視角特性が改
良されるが、その効果は未だ小さく、また溶融したポリ
カーボネートに高電圧を長時間にわたって印加する必要
があり、その製造工程も複雑になるため、生産性を高く
して、コストを低下させる事が難しかった。また、特開
平2−160204号公報に、押し出し成形によって得
られる棒状のポリカーボネートを板状に切り取り、研磨
したものを位相差板として用いる方法が提案されている
が、この方法では大面積の位相差板を低コストで生産す
る事が極めて難しかった。また、EP−0482620
A2に、ポリカーボネートフィルムの表面に熱収縮フィ
ルムを貼り付け延伸し、その後、該熱収縮フィルムを剥
がして得られる該ポリカーボネートフィルムを位相差板
として用いる方法が提案されているが、この方法だとポ
リカーボネートフィルムの他に熱収縮フィルム及び粘着
剤が必要であり低コストで生産することは難しい。
【0007】さらに特開平2−256023号、特開平
3−141303号、同3−14122号、同3−24
502号公報に、固有複屈折値が正と負のフィルムを各
々1枚づつ、あるいは積層したものを位相差板として用
いる方法が提案された。この方法によれば液晶セルの特
性に合わせて2枚のフィルムの複屈折性を調整できるの
で、視角特性をより緻密に改良する事ができるが、別個
に作成した複屈折フィルムを2枚以上使う事が必要であ
り、それだけにコストも高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ST
N−LCDの着色および視角特性を大幅に改善しうる複
屈折性フィルム(位相差板)を、簡単な工程により、低
コストでかつ高い生産性のもとに製造する製造方法を提
案する事にある。また本発明は、液晶表示装置に用いる
と、着色が少なく、コントラスト、視認性に優れ、視角
特性が良好な表示画像が得られる位相差板を提供する事
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(1)熱可
塑性樹脂より成るプラスチックフィルムシートから位相
差板を製造する方法であって、該フィルムシートの表裏
に少なくとも10℃以上の温度差をつけた状態で、該フ
ィルムシートを温度の高い方を内側にして曲げる工程を
含むことを特徴とする位相差板の製造方法、(2)
(1)に記載のフィルムシートを温度の高い方を内側に
して曲げる工程の後で、フィルムシートを一軸延伸する
ことを特徴とする位相差板の製造方法、および(3)
(1)に記載のフィルムシートを温度の高い方を内側に
して曲げる工程を実施することで、フイルムシートの厚
み方向の屈折率を高くすることを特徴とする位相差板の
製造方法により達成された。
【0010】ィルムシート中で配向した分子が、LC
Dの製造工程や加熱による配向緩和を防ぐために、位相
差板に用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点は、好ましく
は90℃以上、より好ましくは110℃以上である。熱
可塑性樹脂の分子量は特別に小さいものでなければ特に
大きな制約はないが、好ましくは重量平均分子量が1万
から100万の範囲で、特に好ましくは3万から70万
の範囲である。熱可塑性樹脂のポリマーの合成方法には
通常行われる方法が適用可能である。
【0011】フィルムシートに用いる熱可塑性樹脂とし
ては、複屈折発現性を有するものが好ましく、その固有
複屈折値は正あるいは負のどちらであってもよい。本発
明によれば、厚み方向の屈折率が面に平行な方向の主屈
折率の少なくともいずれか一方より大きい複屈折性フィ
ルムシートが得られる。この複屈折フィルム位相差板
として用いる。正の固有複屈折値を有するポリマーの具
体例としては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンを挙げること
ができる。特にポリカーボネート系高分子、ポリアリレ
ート系高分子、ポリエステル系高分子等、固有複屈折値
が大きく溶液製膜により面状の均質なフィルムを作りや
すい高分子が好ましい。又、上記ポリマーは、ホモポリ
マーだけでなく、コポリマー、それらの誘導体、ブレン
ド物等であってもよい。
【0012】また、負の固有複屈折を有するポリマーの
具体例としては、スチレン系重合体、アクリル酸エステ
ル系重合体、メタアクリル酸エステル系重合体、アクリ
ロニトリル系重合体及びメタアクリロニトリル系重合体
を挙げることができる。ポリスチレン系重合体が3つの
観点即ち、固有複屈折値の絶対値が大きいこと、透明性
に優れ着色がないこと、溶液製膜が可能であることから
最も好ましい。
【0013】ここでスチレン系重合体とは、スチレン及
びスチレン誘導体のホモポリマー、スチレン及びスチレ
ン誘導体のコポリマー、主鎖または側鎖に少なくとも不
飽和の二重結合を有するポリマーに対して、少なくとも
スチレンあるいはスチレン誘導体を含むモノマーを付加
重合したグラフト重合体、およびブレンド物等を含む。
スチレン誘導体とは例えば、α−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、p−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−
カルボキシスチレン、p−フェニルスチレン、2,5−
ジクロロスチレン等が挙げられるが上記に制限されるも
のではない。
【0014】スチレン及びスチレン誘導体(以下STと
略す)とのコポリマー、ブレンド物はSTと適度な成膜
性を有するものであれば特に限定されるものではなく、
相分離構造を有していても透明性等が損われなければ本
発明の対象となるものであり、例えば、コポリマーとし
てはST/アクリロニトリル、ST/メタアクリロニト
リル、ST/メタアクリル酸メチル、ST/メタアクリ
ル酸エチル、ST/α−クロロアクリロニトリル、ST
/アクリル酸メチル、ST/アクリル酸エチル、ST/
アクリル酸ブチル、ST/アクリル酸、ST/メタクリ
ル酸、ST/ブタジエン、ST/イソプレン、ST/無
水マレイン酸、ST/N−フェニルマレイミド、ST/
イタコン酸、ST/ビニルカルバゾール、ST/n−フ
ェニルアクリルアミド、ST/ビニルピリジン、ST/
ビニルナフタレン、α/メチルスチレン/アクリロニト
リル、α−メチルスチレン/メタクリロニトリル、ST
/酢酸ビニルコポリマー及びスチレン/スチレン誘導体
コポリマー等が挙げられる。もちろん、以上に挙げた二
元コポリマー以外に、ST/α−メチルスチレン/アク
リロニトリル、ST/N−フェニルマレイミド/アクリ
ロニトリル、ST/α−メチルスチレン/メチルメタク
リレート等の三元以上のコポリマーも使用することが出
来る。
【0015】また主鎖または側鎖に少なくとも不飽和二
重結合を有するポリマーに対して、少なくともスチレン
あるいはスチレン誘導体を含むモノマーを付加重合した
グラフト重合体としては、SBR、SBS、BR等のラ
バーに、スチレンあるいはスチレン誘導体を含むモノマ
ーを付加重合したグラフト重合体を挙げる事ができる。
このグラフト重合体の具体例としては、SBRにスチレ
ン−アクリロニトリルをグラフトしたグラフト重合体、
BRにスチレン−アクリロニトリルをグラフトしたグラ
フト重合体、SBSにスチレンをグラフトしたグラフト
重合体等が挙げられる。
【0016】又、ブレンド物は上記のスチレンホモポリ
マー、スチレン誘導体ホモポリマー、スチレン及びスチ
レン誘導体コポリマーおよびグラフト重合体間のブレン
ドはもちろんとして、スチレン及びスチレン誘導体から
なるポリマー(以下PSTと略す)と、PSTを含まな
いポリマーとのブレンド物も使用できる。これらのブレ
ンドは一例としてPST/ブチルセルロース、PST/
クマロン樹脂がある。本発明における負の固有複屈折値
を有するポリマーとしては、脆性の点から、主鎖または
側鎖に、少なくともスチレンあるいはスチレン誘導体を
含むモノマーを付加重合したグラフト重合体が好まし
い。
【0017】これらの熱可塑性樹脂を用い、溶融押出
法、溶液流延法、あるいはカレンダー法などにより、ま
ずプラスチックフィルムを作る。このプラスチックフィ
ルムをさらに1軸延伸すると、延伸した方向(X方向)
にポリマー主鎖が配向し、それと垂直な幅方向(Y方
向)および厚み方向(Z方向)では、X方向へのポリマ
ー主鎖の配向に伴い、ポリマー鎖のYおよびZ方向への
配向が減少する。結果として正の固有複屈折値を有する
ポリマーは延伸方向の屈折率(nx)がそれと垂直な方
向の屈折率ny,nzよりも大きいフィルムが得られ、
この場合、一般的に厚み方向の屈折率nzは、面に平行
な屈折率nx,nyのいずれよりも小さい。また、負の
固有複屈折値を有するポリマーの場合には、延伸方向へ
のポリマー主鎖の配向により、一般的に厚み方向の屈折
率nzは、面に平行な屈折率nx,nyのいずれよりも
大きくなる。
【0018】ところで、プラスチックの固まりを圧縮す
ると圧縮方向と垂直な方向は延伸されるので、圧縮とそ
れに対して垂直な方向に延伸する事とは等価で、その見
かけの延伸方向にポリマー主鎖が配向することはすでに
自明である。ところが、液晶表示装置に位相差フィルム
として用いる複屈折性フィルムは厚みが数十μmであ
り、このフィルムを直接、面内に圧縮することは非常に
困難である。そこで、本発明者は、フィルムを曲げる際
に、内側は圧縮され、外側が延伸されることを、フィル
ムの厚み方向の延伸に応用することを考えた。しかし、
一般にフィルムの厚み方向に温度差が無い状態では圧縮
応力>延伸応力であり、この曲げの動作を繰り返すとフ
ィルムは厚み方向に圧縮(面方向には延伸されてしま
う。そこで、フィルムの厚み方向に温度差をつけること
により圧縮応力<延伸応力となる状態をつくりだし、高
温側を内側に曲げるという動作を繰り返すことにより、
該フィルムの様な薄膜フィルムを厚み方向に延伸(面方
向には圧縮することに成功し、本発明を成すに至っ
た。
【0019】本発明でのフィルムの厚み方向に温度差を
つける方法としては、温度差のついた媒体にフィルムの
各々の面を接触させる方法、フィルムの片面を高温媒体
に接触させておいて、もう一方の面に気体、及び液体よ
り成る冷却媒体を吹きつける方法、あるいは、フィルム
の片面を低温媒体に接触させておいて、もう一方の面に
気体、及び液体より成る高温媒体を吹きつける方法など
が挙げられるが、これらの方法にとどまるものではな
い。特に、高温媒体として気体を用いる場合、低温側の
フィルム表面に水などの液体を塗設しフィルム表面より
潜熱を奪うことにより、より効果的にフィルムの厚み方
向に温度差をつけることができる。このように温度差を
有するフィルムを曲げ、次にフィルムの前述の高温面と
低温面を逆に温度差をつけて曲げるという動作を繰り返
すことにより厚みの薄いフィルムを自由に圧縮すること
ができる。図1(a)及び(b)に一連の工程を模式的
に示す。図1(a)は、フィルムの各々の面に冷風と温
風を当てることによりフィルムの表裏に温度差をつけ、
熱ローラーの径を用いてフィルムを曲げる装置である。
また図1(b)は、ローラーの回転速度Vf,Vsに差
をつけることにより、フィルムに座屈を生じさせてフィ
ルムを曲げる装置である。この温度差は、圧縮応力、お
よび延伸応力の温度依存性で決められるが、一般的には
フィルムの表裏にある図1に示すようなローラー、空気
などの媒体の温度差が10℃以上が好ましく、20℃以
上がさらに好ましい。
【0020】本発明によって得られる複屈折性フィルム
の屈折率特性は、厚み方向の屈折率が面に平行な屈折率
の少なくともいずれか一方よりも大きいこと、あるいは
該複屈折性フィルムを更に、または同時に圧縮方向と垂
直な方向に一軸延伸して、厚み方向の主屈折率が面に平
行な主屈折率の少なくともいずれか一方よりも小さく他
の一方よりも大きいことが好ましい。
【0021】位相差板として用いる複屈折フィルムは、
光の透過性が70%以上で、実質的に透明で無彩色であ
ることが好ましく、更に光の透過性が90%以上で、実
質的に透明で無彩色であることが好ましい。ここで、固
有複屈折値(Δn)は分子が理想的に一方向に配向した
ときの複屈折値を意味し、近似的に下記数式(1)で表
される。
【0022】
【数1】
【0023】位相差板として用いる複屈折性フィルム
は、必要に応じ同種、あるいは他種の複屈折性フィルム
および他の偏向フィルムや保護フィルム等の一軸延伸フ
ィルムや、二軸延伸フィルムと積層体を形成してよい。
同種あるいは他の複屈折性フィルムとの積層により、各
複屈折性フィルムにおける複屈折率の波長特性を制御す
ることができ、複屈折性の液晶セルにおける位相差の高
度な補償が可能になる。図2に、複屈折性フィルムを他
の複屈折フィルムと積層してた例を示す。1が複屈折性
フィルム、2が接着層、3が別の複屈折性フィルムであ
る。積層する複屈折性フィルムの組み合わせや積層数、
光軸の交差角度などにより、位相差板における複屈折の
波長特性等を変えることができる。従って、積層数等に
ついては必要な複屈折率の波長特性、ないし補償すべき
位相差などに応じ適宜に決定してよい。しかしながら、
吸収損失や積層界面における反射損失などによる透過率
や視認性の低下を抑制する点からは、積層数が少ないほ
ど有利である。
【0024】晶パネルは、厚み方向の主屈折率が面に
平行な主屈折率の少なくともいずれか一方よりも大きい
複屈折性フィルム、あるいは厚さ方向の屈折率が複屈折
性フィルムの面に平行な方向の一方の屈折率よりも小さ
く、もう一方の屈折率よりも大きい複屈折性フィルムを
位相差板として、複屈折性の液晶セルの片側又は両側の
偏光フィルムとの間に配置したものである。図3にその
構成を例示した(両側に複屈折性フィルムを設けたタイ
プ)。3が偏光フィルム、4が複屈折性フィルム、5が
複屈折性の液晶セルである。なお、図3に示した液晶パ
ネルの上部が視認側である。
【0025】液晶パネルの形成に用いる複屈折性フィル
ムは、複屈折性の液晶セルによって生ずる位相差を補償
するものである。これにより、着色が防止されてコント
ラスト、視角特性が改良された白黒ディスプレイおよび
カラーディスプレイが達成される。その場合、液晶セル
の複屈折率の波長特性も含め、高度な補償を達成する位
相差板が好ましく用いられる。以下、実施例によって発
明を詳細に説明する。
【0026】
【実施例】
ポリカーボネートフィルム(PC−F1)の調製 重量平均分子量10万のポリカーボネートの17重量%
メチレンクロライド溶液をステンレスバンド上に流延
し、残留揮発分が3%になるまで乾燥させた後、剥離
し、更に乾燥することにより、残留揮発分が1%以下の
ポリカーボネートフィルム(PC−F1)を調製した。
【0027】ポリスチレン系フィルム(PSt−F1)
の調製 重量平均分子量4万の下記のポリスチレン共重合体(P
St−K1)の17重量%メチレンクロライド溶液を、
ステンレスバンド上に流延し、残留揮発物が3%の状態
でバンド上より剥離し、更に乾燥することにより、残留
揮発分が1%以下のポリスチレン系フィルム(PSt−
F1)を調製した。
【0028】
【化1】
【0029】実施例1 複屈折性フィルム(CN−1)の調製 厚み300μmのポリカーボネートフィルム(PC−F
1)を図1(a)のように、フィルムの表裏に温風/冷
風を当て、温度差をつけた状態で158℃の熱ローラー
(12.5mm径)に接触させ、一方の面には20℃の空
気をふきつけた状態でフィルムを該熱ローラーに沿わせ
て曲げた。この時のフィルムの表裏の温度は、各々、1
25℃と158℃であった。次にフィルムを反対にし
て、同様に曲げる動作を行った。この1連の工程を1サ
イクルとして、10サイクルの動作を行ったところ、搬
送方向の面内屈折率に対して厚み方向の屈折率が複屈折
Δnとして0.005上昇した。次に、このフィルムを
テンター部に導入して158℃で幅方向に横1軸延伸す
ることにより複屈折性フィルム(CN−1)を得た。
【0030】実施例2 複屈折性フィルム(CN−2)の調製 厚み300μmのポリカーボネートフィルム(PC−F
1)を図1(b)のように、フィルムの表裏に温風/冷
風を当て、温度差をつけた状態で速度差をつけた2組の
ローラーを通し、かつ温風の風量を増やすことによりフ
ィルムを座屈させ、曲げた。この時のフィルムの表裏の
温度は各々142℃、161℃であった。次にフィルム
を反対にして、同様の工程を通した。この1連の工程を
1サイクルとして、10サイクルの動作を行ったとこ
ろ、搬送方向の面内屈折率に対して厚み方向の屈折率が
複屈折Δnとして0.004上昇した。次に、このフィ
ルムをテンター部に導入して158℃で幅方向に横1軸
延伸することにより複屈折性フィルム(CN−2)を得
た。
【0031】実施例3および4 複屈折性フィルム(CN−3)、及び(CN−4)の調
製 ポリカーボネートフィルム(PC−F1)を表1に示す
高温媒体と低温媒体を用いて、実施例1あるいは2と同
様の工程を経ることにより複屈折性フィルム(CN−
3)、及び(CN−4)を得た。また、フィルムの表裏
の面の温度差を表1に示す。
【0032】実施例5、6、7、及び8 複屈折性フィルム(DN−1),(DN−2),(DN
−3),及び(DN−4)の調製 ポリカーボネートフィルム(PC−F1)の代わりにポ
リスチレン系フィルム(PSt−F1)を用いる以外は
実施例1、2、3及び4と同様にし、表1に示す高温媒
体と低温媒体を用いて複屈折性フィルム(DN−1),
(DN−2),(DN−3),及び(DN−4)を得
た。
【0033】比較例1 複屈折性フィルム(CO−1)の調製 ポリカーボネートフィルム(PC−F1)を158℃で
搬送方向に1軸延伸することにより複屈折性フィルム
(CO−1)を得た。
【0034】比較例2 複屈折性フィルム(DO−1)の調製 ポリスチレン系フィルム(PSt−F1)を111℃で
搬送方向に1軸延伸することにより複屈折性フィルム
(DO−1)を得た。
【0035】複屈折の評価 前記の複屈折性フィルム(CN−1)、(CN−2)、
(CN−3)、(CN−4)、(DN−1)、(DN−
2)、(DN−3)、(DN−4)、(CO−1)及び
(DO−1)における波長633μmの光についての光
軸方向の屈折率(nx)、面内における光軸に垂直な方
向の屈折率(ny)、及び厚さ方向の屈折率(nz)を
表2に示した。
【0036】
【表1】
【0037】nx,ny,nzの関係において、(CN
−1)、(CN−2)、(CN−3)、及び(CN−
4)はnx>nz>nyとなっており、(DN−1)、
(DN−2)、(DN−3)、及び(DN−4)はny
>nz>nxとなっていることがわかる。一方、(CO
−1)及び(DO−1)においては、各々nx>ny>
nz、nz≧ny>nxである。
【0038】液晶パネルにおける視野角依存性の評価 市販の液晶ディスプレイ(シャープワープロ「書院」W
D551A)を分解し、STN液晶セルの視認側の光学
補償フィルムの代わりに、偏光板と前記の複屈折性フィ
ルムを粘着したものを位相差板として、商品と同じ光学
軸構成で適用し、白黒ディスプレイの液晶パネルを作製
した。得られた、液晶パネルの駆動状態と非駆動状態に
おけるコントラスト比が5:1以上となる視野角を表2
に示した。
【0039】
【表2】
【0040】本発明のフィルムシートの製造方法によれ
ば、シート中の屈折率を簡単に変えることができ、これ
を位相差板として用いて補償した液晶パネルは、視角に
よるコントラストの変化が小さく、大きな視野角を有し
ている事がわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム圧縮工程の模式図を示す。
【図2】本発明の複屈折性フィルムを2枚積層した具体
例を示す。
【図3】本発明の液晶表示装置の具体例を示す。
【符号の説明】 1:複屈折性フィルム 2:接着層 3:同種または他の複屈折性フィルム 4:偏光板 5:複屈折性フィルム 6:複屈折性の液晶セル Vs、Vf:ローラーの回転速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−257220(JP,A) 特開 平2−191904(JP,A) 特開 平3−23405(JP,A) 特開 平3−23406(JP,A) 特開 平3−235902(JP,A) 特開 平2−285303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/30 B29C 51/02 - 51/46 B29C 55/00 - 55/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂より成るプラスチックフィ
    ルムシートから位相差板を製造する方法であって、該フ
    ィルムシートの表裏に少なくとも10℃以上の温度差を
    つけた状態で、該フィルムシートを温度の高い方を内側
    にして曲げる工程を含むことを特徴とする位相差板の製
    造方法
  2. 【請求項2】 フィルムシートを温度の高い方を内側に
    して曲げる工程の後で、フィルムシートを一軸延伸する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相差板の製造方
  3. 【請求項3】 フィルムシートを温度の高い方を内側に
    して曲げる工程を実施することで、フィルムシートの厚
    み方向の屈折率を高くすることを特徴とする請求項1に
    記載の位相差板の製造方法。
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