JPH06174921A - 位相差フイルムおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

位相差フイルムおよびそれを用いた液晶表示装置

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JPH06174921A
JPH06174921A JP4326974A JP32697492A JPH06174921A JP H06174921 A JPH06174921 A JP H06174921A JP 4326974 A JP4326974 A JP 4326974A JP 32697492 A JP32697492 A JP 32697492A JP H06174921 A JPH06174921 A JP H06174921A
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film
liquid crystal
crystal display
birefringent film
birefringent
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Taku Nakamura
卓 中村
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】負の固有複屈折値を有し、レターデーション値
が80〜1200nmの間にあり、ヘイズが2.0以下で
ある複屈折フィルム。 【効果】液晶表示装置において、低コストでコントラス
ト、視野角の改良が可能であり、かつ経時でヒビ、割れ
等の故障発生が殆んどない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負の固有複屈折を有
し、透明性、ヘイズ等の光学特性、および脆性、破断伸
び等の力学特性の改良された複屈折フィルムに関する。
さらに詳しくは、この複屈折フィルムを用いた液晶表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、低電圧、低消費電力で
IC回路への直結が可能であること、表示機能が多様で
あること、軽量化が可能であること等多くの特徴を有し
ており、ワードプロセッサやパーソナルコンピューター
等の表示装置として広く使用されている。その中で、液
晶分子のツイスト角が160°以上のツイステッドネマ
ティック液晶表示装置(以後STN−LCD)は従来の
ツイスト角が90°のツイステッドネマティック液晶表
示装置(TN−LCD)に比べ、大容量表示が可能であ
り、高速応答性に優れている事から、現在液晶表示装置
の主流となっている。
【0003】しかしながらSTN−LCDには、表示画
像が青色あるいは黄色に着色する(ブルーモードあるい
はイエローモード)という問題があり、このため白黒表
示ではコントラスト、視認性が低く、またカラー化が極
めて困難であった。そこでこの着色を補償するために、
逆ねじりのSTN液晶セルを用いる二層液晶方式の白
黒、あるいは、カラー表示が提案されたが、複数の液晶
セルを用いるため、表示装置の重量、容積が大きくな
る、あるいはコストが高くなる等の問題点、また視角の
僅かな変化でコントラストが急激に低下する、あるいは
背景色が変化する等の、視角特性の劣化という別の問題
があった。
【0004】この問題を解決するために、特開昭63−
167303号、同63−167304号、同63−1
89804号、同63−261302号、同63−14
9624号、特開平1−201607号、同1−201
608号、同1−105217号、特開平2−2853
03号、同2−59702号、同2−24406号、同
2−146002号、同2−257103号、特開平3
−32404号、同3−126012号、同3−181
905号、同3−104503号公報等に記載されてい
る様に、逆ねじりのSTN液晶のかわりに複屈折フィル
ムを位相差板として用いる方法が提案された。
【0005】これらの方法によれば、STN−LCDの
着色が大幅に改善され、表示装置自身の重量、容積も著
しく小さくなり、コストも安くなるが、STN−LCD
の視角特性についてはほとんど改良されなかった。
【0006】そこで、この視角特性を改良するために、
特開平2−285303号公報に電場配向によって、厚
さ方向の主屈折率が面に平行な主屈折率の少くとも一方
よりも大きい複屈折フィルムを作成し、これを位相差板
として用いる方法が提案された。この方法によれば視角
によるコントラストの変化が小さくなり、視角特性が改
良されるが、その効果は未だ小さく、また溶融したポリ
カーボネートに高電圧を長時間にわたって印加する必要
があり、その製造工程も複雑になるため、生産性を高く
して、コストを低下させる事が難しかった。また、特開
平2−160204号公報に、押し出し成形によって得
られる棒状のポリカーボネートを板状に切り取り、研磨
したものを位相差板として用いる方法が提案されている
が、この方法では大面積の位相差板を低コストで生産す
る事が極めて難しかった。また、EP−0482620
A2には、ポリカーボネートフィルムの表面に熱収縮フ
ィルムを貼り付け延伸し、その後、該熱収縮フィルムを
剥がして得られる該ポリカーボネートフィルムを位相差
板として用いる方法が提案されているが、この方法だと
ポリカーボネートフィルムの他に熱収縮フィルム及び粘
着剤が必要であり低コストで生産することは難しい。す
なわちSTN−LCDの視角特性改良のために、厚さ方
向の主屈折率が面に平行な主屈折率の少くとも一方より
大きいことを特徴とする位相差フィルムを用いる事は有
効な方法ではあるが、この複屈折フィルムを実用的な面
積で、低コストで作る事は、今までのところ困難であっ
た。
【0007】さらに特開平2−256023号、特開平
3−141303号、同3−14122号、同3−20
6422号、同3−24502号公報に、固有複屈折値
が正と負の複屈折フィルムを各々1枚づつ、あるいは積
層して用いる方法が提案された。また上記および特願平
2−316440号、同2−410080号、同3−4
7442号公報等に記載の固有複屈折値が負の複屈折フ
ィルムを1枚あるいは2枚以上用いる事によっても、視
角特性が改良される。ここで用いられる固有複屈折値が
正または負の複屈折フィルムは、いずれも正または負の
固有複屈折値をもつ熱可塑性ポリマーから成るフィルム
を、単に一軸延伸するだけで容易に得られるので、大面
積であっても低コストで作る事が可能である。
【0008】しかしながらここで用いる固有複屈折値が
負の複屈折フィルムを位相差フィルムとして液晶表示装
置に組み込むと、温度あるいは湿度によって位相差フィ
ルムが液晶セルのガラス板から剥がれたり、ヒビ、割れ
が入る等の問題を起こす事があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ST
N−LCDの着色および視角特性を改良しうる、低コス
トの複屈折フィルムであって、液晶表示装置に組み込ん
だ場合、ハガレ、ヒビ、割れ等の問題を引き起こす事の
ない複屈折フィルムを提供する事にある。また本発明の
他の目的は、視角特性の改良された液晶表示装置であっ
て、その表示品位を著しく損なう表示部のヒビ、割れ、
ハガレ等の問題のほとんど起こらない液晶表示装置を提
供する事にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は以下
の手段により達成された。 (1) 負の固有複屈折値を有し、レターデーション値(複
屈折値とフィルム厚みの積)が80〜1200nmの間に
あり、かつヘイズが2.0%以下である事を特徴とする
複屈折フィルム。 (2) 80μ厚フィルムの脆性試験(フィルムを約60°
/sec の速度で折り曲げる)における破損角度が10°
以下である事を特徴とする前記(1) 記載の複屈折フィル
ム。 (3) 室温における破断伸びが2%以上である事を特徴と
する前記(1) 記載の複屈折フィルム。 (4) 少くとも偏光板、液晶セル、および前記1、2、ま
たは3に記載の複屈折フィルムを有する事を特徴とする
液晶表示装置。
【0011】液晶表示装置、特にSTN−LCDの着
色、および視角特性改良のため、液晶に対応するレター
デーション値(好ましくは80〜1200nmの範囲)を
有する負の固有屈折値の複屈折フィルムを液晶表示装置
に組み込むと、視角によるコントラストの変化は小さく
なるものの、正面コントラストが著しく低下する場合が
あった。この原因については明らかではないが、組み込
んだ複屈折フィルムのわずかなヘイズと対応している様
で、ヘイズの値が4%を越えるとコントラストは著しく
低下する。従って本発明の負の固有複屈折値を有する複
屈折フィルムのヘイズは、好ましくは4%以下、さらに
好ましくは2%以下である。2%以下0%以上であれ
ば、コントラストの低下は実用上ほとんど問題とならな
い。
【0012】また負の固有複屈折値を有する複屈折フィ
ルムを、液晶表示装置に組み込んだ場合、複屈折フィル
ムが経時で剥がれたり、ヒビが入る、あるいは割れると
いった故障が起こり、表示品位を著しく損なう場合があ
った。通常、複屈折フィルムは後で述べる図2(1) に示
すように偏光フィルムと液晶セルのガラス板との間に粘
着剤で貼り合わされているが、それぞれの熱膨張係数が
異なるため、液晶表示装置において、複屈折フィルムは
圧縮または引張り力を受ける事になり、それがハガレ、
ヒビ、割れ等の原因になるものと考えられる。
【0013】従って本発明の負の固有複屈折値を有する
複屈折フィルムは、これらの圧縮あるいは引張り力が加
わってもヒビ、割れに至らないような脆性、またはこれ
らの力に耐えるだけの力学特性を有する事が必要とな
る。この脆性の評価法について種々検討した結果、最も
簡単には、該当する複屈折フィルムを、力学的に最も弱
い延伸方向に平行に、図1に示す治具を使って折り曲げ
(約60°/秒)、ヒビ、あるいは割れる角度θを求め
る事が有用である事がわかった。なお、割れる角度θは
膜厚の影響を受けるので80μの厚さにしたときの角度
で調べた。(例えば、100μの複屈折フィルムの場合
は、延伸倍率を同様にして80μのものを作製して測定
した。)
【0014】すなわちこの評価法で、ヒビ、あるいは割
れる角度が20°以下、好ましくは10°以下0°以上
の複屈折フィルムを用いれば、液晶表示装置に組み込ん
でも、該複屈折フィルムが経時で剥がれたり、ヒビ、割
れる等の致命的な故障に至らない事が明らかになった。
【0015】また上記の脆性評価法は簡単であり、数多
くのサンプルを短時間で評価できるメリットがあるが折
り曲げの速さ、あるいはサンプルの置き方に関係してい
る事もあり、例えば5°でヒビが入った複屈折フィルム
でも、実際に液晶表示装置に組み込んだ場合、故障に至
る事もあった。そこで脆性の評価法として、複屈折フィ
ルムの延伸方向と直角方向の破断伸びを求めたところ、
破断伸びが1%以上、好ましく2%以上あれば、液晶表
示装置中で故障が発生しない事がわかった。したがって
本発明の負の有機複屈折値を有する複屈折フィルムとし
ては、破断伸びが2%以上である事が好ましい。破断伸
びの上限は限定されないが、100%以下でよい。
【0016】本発明の複屈折フィルムを作成するために
用いられる負の固有複屈折を有するポリマーとしては、
スチレン系重合体、アクリル酸エステル系重合体、メタ
アクリル酸エステル系重合体、アクリロニトリル系重合
体及びメタアクリロニトリル系重合体が好ましく、スチ
レン系重合体が3つの観点即ち、固有複屈折値の絶対値
が大きいこと、透明性に優れ着色がないこと、溶液製膜
が可能であることからも最も好ましい。
【0017】ここでスチレン系重合体とは、スチレン及
びスチレン誘導体のホモポリマー、スチレン及びスチレ
ン誘導体のコポリマー、主鎖または側鎖に少なくとも不
飽和の二重結合を有するポリマーに対して、少なくとも
スチレンあるいはスチレン誘導体を含むモノマーを付加
重合したグラフト重合体、およびブレンド物等を含む。
スチレン誘導体とは例えば、α−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、p−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−
カルボキシスチレン、p−フェニルスチレン、2,5−
ジクロロスチレン等が挙げられるが上記に制限されるも
のではない。
【0018】スチレン及びスチレン誘導体(以下STと
略す)とのコポリマー、ブレンド物はSTと適度な成膜
性を有するものであれば特に限定されるものではなく、
相分離構造を有していても透明性等が損われなければ本
発明の対象となるものであり、例えば、コポリマーとし
てはST/アクリロニトリル、ST/メタアクリロニト
リル、ST/メタアクリル酸メチル、ST/メタアクリ
ル酸エチル、ST/α−クロロアクリロニトリル、ST
/アクリル酸メチル、ST/アクリル酸エチル、ST/
アクリル酸ブチル、ST/アクリル酸、ST/メタクリ
ル酸、ST/ブタジェン、ST/イソプレン、ST/無
水マレイン酸、ST/N−フェニルマレイミド、ST/
イタコン酸、ST/ビニルカルバゾール、ST/n−フ
ェニルアクリルアミド、ST/ビニルピリジン、ST/
ビニルナフタレン、α−メチルスチレン/アクリルニト
リル、α−メチルスチレン/メタクリロニトリル、ST
/酢酸ビニルコポリマー及びスチレン/スチレン誘導体
コポリマー等が挙げられる。もちろん、以上に挙げた二
元コポリマー以外に、ST/α−メチルスチレン/アク
リロニトリル、ST/N−フェニルマレイミド/アクリ
ロニトリル、ST/α−メチルスチレン/メチルメタク
リレート等の三元以上のコポリマーも使用することがで
きる。
【0019】また主鎖または側鎖に少なくとも不飽和二
重結合を有するポリマーに対して、少なくともスチレン
あるいはスチレン誘導体を含むモノマーを付加重合した
グラフト重合体としては、SBR、SBS、BR等のラ
バーに、スチレンあるいはスチレン誘導体を含むモノマ
ーを付加重合したグラフト重合体を挙げる事ができる。
このグラフト重合体の具体例としては、SBRにスチレ
ン−アクリロニトリルをグラフトしたグラフト重合体、
BRにスチレン−アクリロニトリルをグラフトしたグラ
フト重合体、SBSにスチレンをグラフトしたグラフト
重合体等が挙げられる。
【0020】又、ブレンド物は上記のスチレンホモポリ
マー、スチレン誘導体ホモポリマー、スチレン及びスチ
レン誘導体コポリマーおよびグラフト重合体間のブレン
ドはもちろんとして、スチレン及びスチレン誘導体から
なるポリマー(以下PSTと略す)と、PSTを含まな
いポリマーとのブレンド物も使用できる。これらのブレ
ンドは一例としてPST/ブチルセルロース、PST/
クマロン樹脂がある。本発明における負の固有複屈折を
有するポリマーとしては、脆性の点から、主鎖または側
鎖に、少なくともスチレンあるいはスチレン誘導体を含
むモノマーを付加重合したグラフト重合体が好ましい。
【0021】本発明の複屈折フィルムは、前述した負の
固有複屈折を有するポリマーを用い、溶融押出法、溶液
流延法、あるいはカレンダー法などにより、先ずプラス
チックフィルムを作り、それを一軸、あるいは二軸延
伸、またはテンター延伸する事によって作る事が出来る
が、液晶表示装置用としては、透明性、表面の凹凸、レ
ターデーション値のムラの点から、溶液流延法により作
成したプラスチックフィルムを、両端フリーの一軸延伸
によって作成した複屈折フィルムが好ましい。
【0022】溶液流延に用いるポリマードープ濃度は、
ポリマーの種類、分子量、溶媒の種類、流延速度等によ
って異なるが、5%〜50%の範囲が好ましく、さらに
15%〜40%の範囲が好ましい。また溶液流延は湿度
の影響を受け、特に高湿条件下ではブラッシングによ
り、ヘイズが高くなるため、低湿条件(約40%RH以
下)で流延する事が好ましい。
【0023】また一軸延伸においては、その温度範囲は
プラスチックフィルムのTg±20℃が好ましく、さら
に好ましくはTg±10℃である。それより低温で延伸
すると、フィルムの白化が起こり、複屈折フィルムのヘ
イズが高くなる。またそれより高温で延伸すると、得ら
れる複屈折フィルムの脆性が問題となり、割れやすいも
のとなる。この場合の延伸スピードは10〜500%/
分が好ましく、20〜100%/分がさらに好ましい。
また延伸によって配向したポリマーを液晶表示装置に組
み込む工程、あるいは組み込んだ後、温度等による配向
緩和で小さくするためには、ポリマーのTg(ガラス転
移点は90℃以上、さらには100℃以上である事が好
ましい。本発明の複屈折フィルムは約20〜300μm
の厚さである事が好ましく、
【0024】さらには40〜150μm である事がより
好ましい。また本発明の複屈折フィルムの屈折率は、厚
み方向の屈折率が面に平行な屈折率の少なくともいずれ
か一方よりも大きいか、あるいはいずれよりも大きい特
性を持っており、光の透過性が70%以上で、実質的に
透明で無彩色であることが好ましく、更に光の透過性が
90%以上で、実質的に透明で無彩色であることが好ま
しい。
【0025】本発明の複屈折フィルムは、必要に応じ同
種、あるいは他種の複屈折フィルムおよび他の偏向フィ
ルムや保護フィルム等の一軸延伸フィルムや、二軸延伸
フィルムと積層体を形成してよい。同種あるいは他の複
屈折フィルムとの積層により、各複屈折フィルムにおけ
る複屈折率の波長特性を制御することができ、複屈折性
の液晶セルにおける位相差の高度な補償が可能になる。
図3に、複屈折フィルムを他の複屈折フィルムと積層し
てた例を示す。1が複屈折フィルム、2が接着層、3が
別の複屈折フィルムである。積層する複屈折フィルムの
組み合わせや積層数、光軸の交差角度などにより、位相
差板における複屈折の波長特性等を変えることができ
る。従って、積層数等については必要な複屈折率の波長
特性、ないし補償すべき位相差などに応じ適宜に決定し
てよい。
【0026】本発明の液晶表示装置は、本発明の複屈折
フィルム(積層体を含む)を複屈折性の液晶セルの片側
又は両側の偏光フィルムとの間に配置したものである。
図2にその構成を例示した(両側に複屈折フィルムを設
けたタイプ)。BLがバックライス、P1 、P2 が偏光
フィルム、D1 、D2 が複屈折フィルム、LCが複屈折
性の液晶セルである。液晶パネルに用いる複屈折フィル
ムは、複屈折性の液晶セルによって生ずる位相差を補償
するものである。これにより、着色が防止されてコント
ラスト、視角特性が改良された白黒ディスプレイおよび
カラーディスプレイが達成される。その場合、液晶セル
と本発明の複屈折フィルムの複屈折率の波長特性が合っ
ている事が好ましい。以下、実施例によって発明を詳細
に説明する。
【0027】
【実施例】
実施例1 複屈折フィルム(SF−1)の作成 平均粒径が0.06μのスチレン−ブタジェン(40/
60)共重合体にスチレン−アクリロニトリル(80/
20)共重合体をグラフトさせたポリマーをメチレンク
ロライドに溶解し、18wt%のポリマードープを作成し
た。これを温度25℃、相対湿度10%の条件下でガラ
ス板上に流延し、剥ぎ取った後ワクに貼りつけて70℃
で30分乾燥した。このフィルムを111℃の温度条件
下、50%/min のスピードで両端フリーの一軸延伸を
行い、膜厚80μで440nmのレターデーション値を有
する複屈折フィルム(SF−1)を作成した。
【0028】実施例2 複屈折フィルム(SF−2)の作成 延伸温度を102℃とする以外は実施例1と全く同様な
操作により、複屈折フィルム(SF−2)を作成した。
【0029】実施例3 複屈折フィルム(SF−3)の作成 延伸温度を120℃とする以外は実施例2に全く同様な
操作により、複屈折フィルム(SF−3)を作成した。
【0030】実施例4 複屈折フィルム(SF−4)の作成 流延時の相対湿度を40%とする以外は実施例1と全く
同様な操作により、複屈折フィルム(SF−4)を作成
した。
【0031】実施例5 複屈折フィルム(SF−5)の作成 スチレン−アクリロニトリル(90/10)共重合体を
メチレンクロライドに溶解して調製した20wt%のポリ
マードープを用いる以外は実施例1と全く同様な操作に
より、複屈折フィルム(SF−5)を作成した。
【0032】実施例6 複屈折フィルム(SF−6)の作成 延伸温度を120℃とする以外は実施例5と全く同様な
操作により、複屈折フィルム(SF−6)を作成した。
【0033】実施例7 複屈折フィルムのヘイズの評価 実施例1〜5で作成した複屈折フィルムについて、ヘイ
ズメーター(日本電触(株)モデル1001DP)によ
り5ケ所ヘイズを測定し、その平均値から該複屈折フィ
ルムのヘイズを求めた。結果を表−1にまとめた。
【0034】複屈折フィルムの折れ曲による脆性の評価 実施例1〜6で作成した複屈折フィルムについて延伸方
向に15mm、延伸方向に垂直な方向に50mmのサンプル
を切り出し、図1に示すように延伸方向に平行な折り目
ができる様に、60°/秒の速度でゆっくり折り曲げ、
破損する角度θを読み取った。破損しない場合は0°と
し、結果を表−1にまとめた。
【0035】複屈折フィルムの経時によるヒビ、割れの
評価 実施例1〜6で作成した複屈折フィルムについて、延伸
方向に15cm、延伸方向と直角方向に10cmのサンプル
を切り出し、延伸方向に対し45°の角度で偏光軸が重
なる様に、アクリレート系粘着剤を用いて偏光フィルム
を貼り合わせ、さらにこの偏光フィルムを貼り合わせた
複屈折フィルムを別のアクリレート系粘着剤を用いてガ
ラス板上に貼りつけた。このサンプルを70℃の恒温槽
中に入れ、300時間、700時間後に複屈折フィルム
のヒビ、割れを観察した。結果を表−1にまとめた。こ
の評価法は複屈折フィルムを実際に液晶表示装置に組み
込んで評価した場合と対応している。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、折り曲げによる
脆性評価で破損しなかった複屈折フィルムは、ヒビ、割
れ等は発生しないが、θ=10°以上の場合は、ヒビが
発生する。また複屈折フィルムSF−3についてはθ=
4°であるがヒビが発生した。そこで複屈折フィルムS
F−1とSF−3について、延伸方向に5cm、延伸方向
と直角の方向に1cmのサンプルを切り出し、東洋ボール
ドウイン製テンシロンにより室温での破断伸びを調べた
ところ、SF−1は2.4%以上であったが、SF−3
では1.6%以下であった。この事からも、ヒビ、割れ
を引き起こさないためには破断伸びが2%以上である事
が必要である。
【0038】実施例7 液晶表示装置における表示品位の改良 次に図3の(1) に示す構成のシャープ(株)製ワードプ
ロセッサーWD−A550の液晶セルの前後にある位相
差フィルムを取り除き、前の位相差フィルムのかわりに
実施例1〜6で作成した複屈折フィルムを配設した。但
し、各フィルムの光軸は図2(2) に示すようにした。得
られた液晶パネルの表示特性として、駆動状態と非駆動
状態における正面からのコントラスト、コントラスト比
が5以上になる角度(視野角)を評価し結果を表2にま
とめた。
【0039】
【表2】
【0040】表1、表2から明らかなように、ヘイズの
高い複屈折フィルムSF−2、SF−4を用いた場合、
液晶表示装置における正面コントラストが低下し、視野
角も狭くなる。これに対しヘイズの低い複屈折フィルム
SF−1、SF−3、SF−5、SF−6を用いた場
合、高い正面コントラストが得られ、視野角も広くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】折り曲げによる脆性評価治具にサンプルを取り
付けたところを示す。
【図2】(1) は液晶表示装置の構成を示す。(2) は液晶
表示装置の正面から見た光軸構成を示す。
【図3】位相差板の例を示す。
【符号の説明】
θ:折り曲げ角 a:サンプル BL:バックライト P1 :偏光板 D1 :後の位相差板 LC:液晶セル D2 :前の位相差板 P2 :偏光板 1:複屈折フィルム 2:接着層 3:1と異なる複屈折フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負の固有複屈折値を有し、レターデーシ
    ョン値(複屈折値とフィルム厚みの積)が80〜120
    0nmの間にあり、かつヘイズが2.0%以下である事を
    特徴とする複屈折フィルム。
  2. 【請求項2】 80μ厚フィルムの脆性試験(フィルム
    を約60°/sec の速度で折り曲げる)における破損角
    度が10°以下である事を特徴とする請求項1記載の複
    屈折フィルム。
  3. 【請求項3】 室温における破断伸びが2%以上である
    事を特徴とする請求項1記載の複屈折フィルム。
  4. 【請求項4】 少くとも偏光板、液晶セル、および請求
    項1、2、または3に記載の複屈折フィルムを有する事
    を特徴とする液晶表示装置。
JP4326974A 1992-12-07 1992-12-07 位相差フイルムおよびそれを用いた液晶表示装置 Pending JPH06174921A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0908745A1 (en) * 1997-10-09 1999-04-14 Nitto Denko Corporation Polarizer, optical element, lighting device and liquid crystal display
US7330583B2 (en) 2002-08-19 2008-02-12 Photon Dynamics, Inc. Integrated visual imaging and electronic sensing inspection systems

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EP0908745A1 (en) * 1997-10-09 1999-04-14 Nitto Denko Corporation Polarizer, optical element, lighting device and liquid crystal display
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