JP2810201B2 - クランク軸を備えた機械、特に打抜き機における重力平衡装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ロッドを有するクランク軸を備えた機械、
特に該クランク軸の両側に平衡おもりを備えた打抜き機
において利用される重力平衡装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来の打抜き機の振動平衡おもりは、通常、１個或い
は複数のリンクロッドを介して、機械の構成部品に、回
動自在に設置されている。該１個或いは複数のリンクロ
ッドは、クランク軸とラムとの間を移動し、それに対応
した作用、動きをラムに伝達する。上述のリンクロッド
は、例えば、機械台枠に回動自在に支持された反転レバ
ーとして設計され、該レバーは、平衡おもりの振動を平
衡させるために、その回動心軸点で、作用と動きを伝達
する構成部材の移動方向を逆転させる。

［発明が解決しようとする課題］ 当然、重力作用と振動は、各機械における重力作用の
平衡のために配置されたすべての構成部材で発生し、該
重力作用と振動は、上述の駆動構造によって、直接に、
作用と動きを伝える部分に伝達され、それに伴って機械
のラムにも伝達される。上記のことは、しかしながら、
切断或いはエンボシング工程に関して、ラムの連続動作
に悪影響を与え、該打抜き機によって形成された製品の
品質は劣化することがあった。

［課題を解決するための手段］ 本発明の第一の目的は、以下の３つの特色を有する重
力平衡装置を提供することである。即ち、 ．機械のストローク方向に対して、垂直に作用する回
転重力を平衡させるため、平衡おもりは、機械のストロ
ークの方向に垂直な振動運動を行うために、片腕レバー
の回転軸に対して、第一ロッドのクランク軸とは反対側
に位置する点で、各連結レバーを介して、各々の第一ロ
ッドに回動自在に設置されている。

．各反転レバーは、互いに独立に駆動されるように、
各々、固有の第二ロッドに回動自在に設置されている。

．第一、及び第二ロッドは、クランク軸の共通の偏心
スリーブに支持されている。

本発明の第二の目的は、第一ロッドが、フォーク状に
形成された端部で、共通の偏心スリーブに支持され、こ
のフォーク状に形成された脚部の間で、第二ロッドが偏
心スリーブに支持されている装置を提供することにあ
る。

本発明の第三の目的は、第一ロッドが、平行にガイド
されるために、ジャーナルピンに支持され、各々の片腕
レバーの一端は、該ジャーナルピンに回動自在に設置さ
れ、該ジャーナルピンは、各々のダブルアームレバーで
両側から支持され、該ダブルアームレバーは、各々のダ
ブルアームレバーの正反対の端で、各リンクロッドの一
端に回動自在に設置されており、該リンクロッドはこの
他端で、機械台枠に回動自在に支持され、それにより、
ジャーナルピンが、機械の全ストロークにわたって、少
なくとも略平行にガイドされる装置を提供することであ
る。

［作用］ 上記機械は、各々の片腕レバーの一方の端に、回動自
在に設置された第一ロッドを備え、該レバーの反対側の
端は、機械台枠に、回動自在に支持されている。該レバ
ーは、各々、プレスロッドを介して、機械のポンチに回
動自在に設置された中間軸受けを備え、該平衡おもり
は、回転重力の振動成分と機械のストローク方向への重
力成分を平衡させるために、反転レバーの一方の端に回
動自在に設置される。該反転レバーは、機械台枠に回転
自在に設置され、その反対側の端で、第二ロッドに、回
動自在に設置される。

［発明の実施例］ 第１図及び第２図に示された、パンチプレスのクラン
ク軸14は、機械台枠23によってその両端を支持されてい
る。このクランク軸14は、例えば、一般的に知られる軸
継手／ブレーキ装置を介して駆動され、該ブレーキディ
スク40及びこの装置を囲むケーシング41は、第２図に例
示されている。該ケーシングの中には、はずみ車、及び
パンチプレスの軸継手もまた設置することができる。

偏心15は、第１図中に明示したように、クランク軸14
上に配置され、該偏心15は、機械のストロークを調整す
るために用いられる公知の偏心スリーブ16によって囲ま
れている。この偏心スリーブ16は、ラム34を駆動するた
めにロッド1,2を支持している。該ロッドは、以下、第
一ロッド1,2と呼ぶことにする。これらの第一ロッド1,2
は、平行移動するジャーナルピン17（後に詳述）を介し
て、その動きを一対の片腕レバー18,19上に伝達する。
片腕レバー18,19は、ジャーナルピン17から離れた方の
端部で、ねじスピンドル22を介して、機械台枠23上に支
持され、該ねじスピンドル22は、第４図に断面図で示さ
れている。

軸受ボルト21′を備えたスピンドルナット21は、これ
らのねじスピンドル22上に、ねじで取りつけられてい
る。軸受ボルト21′は、レバー18,19がねじスピンドル2
2に対して回動自在かつ縦方向に可動にその端部で支持
されるように、レバー18,19における各々のセグメント4
4間に突出している。

第４図に示されたスピンドルナット21の突出部22′
は、機械台枠の突出部23′間に突出し、それによりスピ
ンドルナット21が、ねじスピンドル22の回転に対して対
応し、機械の高さ方向に、縦方向に調整可能かつ可動と
なっている。これらのねじスピンドル22を、同期して駆
動するウォームギア42,43を介して、公知の手段により
回転させ、それにより、スピンドルナット21は、直接的
に動かされる。これらのスピンドルナット21の調整位置
に応じて、ラム34の位置も、ツールクランプ板38に対し
て調整可能である。

ジャーナルピン17と片腕レバー18,19のねじスピンド
ル22での支持点との間の位置に、プレスロッド20が、軸
受ピン20′を介して、上記レバー18,19に回転自在に設
置されている。その反対の端部で、これらのプレスロッ
ド20は、ジャーナルピン33を介して、ラム34に、回転自
在に設置されている。このラム34とツールクランプ板38
との間の間隙は、機械台枠23の支持柱36の間を通して近
接可能である。該支持柱36は、機械の台枠上部と機械の
台枠下部39とを接続している。ラムは、機械台枠のガイ
ド37内で誘導されるガイド柱35を備え、それにより、ラ
ム34は、その水平面内に保持される。

片腕レバー18,19の上述した回動軸（ジャーナルピン1
7）を介して、第一ロッド1,2の垂直方向の動きは、レバ
ー18,19のてこ比に応じて、ラム34に減少して伝達され
る。ジャーナルピン17の平行移動は、すべりガイド構造
ではなく、むしろ第５図に拡大して示された装置、また
第1,2図及び第４図でも図示されている装置によって行
われる。

各ダブルアームレバー25は、ジャーナルピン17の両端
部に配置され、リンクロッド27,28に、ダブルアームレ
バー25の両端部でピン26を介して回動自在に設置されて
いる。これらのリンクロッ27,28は、機械台枠23に固定
して支持されたボルト29に、回動自在に支持されてい
る。

第５図は、これらの構成部材の中心位置を示す。ここ
に、ZAはジャーナルピン17の軸心を示し、ダブルアーム
レバー25に回動自在に設置されたリンクロッド27,28の
回動軸は、第５図において、Ａによって上下の軸心がど
ちらも示されている。仮に、上方向の力が直線Ｘに沿っ
て働くとすれば、ピン26の２つの回動軸心Ａは、円弧に
沿って上向きに、位置Ｃに移動する。これにより軸心ZA
は位置ZCに移動する。逆に下向きの力が働いた場合は、
軸心Ａは、位置Ｂに移動し、軸心ZAは位置ZBに移動す
る。かくして、パンチプレスの全ストロークにわたっ
て、ジャーナルピン17の軸心ZAの略平行移動が確保され
ることになる。

第１図に戻って、平衡おもり10,11について以下説明
する。第二ロッド3,4は、偏心スリーブ16に支持され、
一方、第一ロッド1,2は、第２図に示すように、一端が
フォーク状に設計され偏心スリーブ上に指示されてい
る。第二ロッド3,4は、第一ロッド1,2のフォーク状の脚
部の間に突出して偏心スリーブに支持され、結局４本の
ロッド１〜４は、すべて偏心スリーブに支持されてい
る。

第二ロッド3,4は、機械台枠のカバー24に向けて伸
び、ボルト12,13を介して、各々の反転レバー5,6（第３
図に水平断面にて図示）に、回動自在に設置されてい
る。２本の反転レバー5,6は、シャフト7,8を介して機械
の台枠23に回転自在に支持されている。ボルト12,13か
ら離れた側にある反転レバー5,6の端部は、各々のピン
９を介して平衡おもり10,11にヒンジで取りつけられて
いる。上述の各構成部材により、平衡おもり10,11が移
動し、（垂直方向の）振動重力作用を平衡させることは
明らかである。

連結バー30は、ボルト32を介して、平衡おもり10,11,
の下端部にヒンジで取り付けられ、その反対の端部で、
各々のピン31（第２図参照）を介して、第一ロッド1,2
にヒンジで取りつけられている。従って、連結バー30
は、片腕レバー18,19の回転軸に対して、クランク軸14
の反対側で、各々の第一ロッド1,2にヒンジで取りつけ
られているということに留意されるべきである。ここ
で、これらの第一ロッド1,2は、ジャーナルピン17の支
持点を超えて、その端部に向けて伸延する部分を有して
いる。従って、偏心15及び偏心スリーブ16回転体の横方
向の動きは、ロッド１〜４の対応部分の横方向の動きと
同様、平衡おもり10,11の横方向への水平な動きとは反
対方向の動きによって平衡される。

以上、本発明の好ましい実施例を提示してきたが、本
発明はこれらに限定されることなく、請求の範囲内でそ
の他の変形例をも包含するであることは言うまでもな
い。

［発明の効果］ 平衡おもりは、そこに設置された構成部材、或いは、
そこに駆動可能に接続された部材以外には、いかなる場
所でも構成部材と接触しないため、作用及び動きを直接
ラム34に伝達し、例えば、片腕レバー18,19等には伝達
することはない。かくして設計寸法や製品の品質に悪影
響を与える振動や質量使用は、ラム34から除去されるこ
とになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明により構成された重力平衡装置を備え
た打抜き機の縦断面図、第２図は、第１図のII−IIに沿
った断面図、第３図は、第１図のIII−IIIに沿った拡大
断面図、第４図は、第１図のIV−IVに沿った拡大断面
図、第５図は、ジャーナルピンの平行ガイドの詳細図で
ある。 符号の説明 1,2……第一ロッド、3,4……第二ロッド 5,6……反転レバー、7,8……シャフト ９……ピン、10,11……平衡おもり 12,13……ボルト、14……クランク軸 15……偏心、16……偏心スリーブ 17……ジャーナルピン、18,19……片腕レバー 20……プレスロッド、20′……軸受ピン 21……スピンドルナット、21′……軸受ボルト 22……ねじスピンドル、22′……突出部 23……機械台枠、23′……突出部 24……カバー、25……ダブルアームレバー 26……ピン、27,28……リンクロッド 29……ボルト、30……連結バー 31……ピン、32……ボルト 33……ジャーナルピン、34……ラム（ポンチ） 35……ガイド柱、36……支持柱 37……ガイド、38……ツールクランプ板 39……台枠下部、40……ブレーキディスク 41……ケーシング、42,43……ウォームギア 44……セグメント、ZA……中心位置（軸心） Ａ……回動軸心

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ロッドを有するクランク軸を備えた機械、
   特に該クランク軸の両側に位置した平衡おもり（10,1
   1）を有する打抜き機において用いられる重力平衡装置
   であって、上記機械は、各々の片腕レバー（18,19）の
   一端に回動自在に取り付けられた第一ロッド（1,2）を
   有し、該片腕レバーの他端は、機械台枠（23）に回動自
   在に支持され、更に該片腕レバーはプレスロッド（20）
   を介して、機械のポンチ（34）に回動自在に取り付けら
   れ、上記平衡おもりは、振動重力と機械のストローク方
   向への回転重力成分を平衡させるために、該平衡おもり
   の一端で、機械台枠（23）に回動自在に設けられた反転
   レバー（5,6）に回動自在に取り付けられ、更に、該お
   もり（10,11）は、その他端で、連結バー（30）に回動
   自在に取り付けられてなる重力平衡装置において、該機
   械のストロークの方向に対して垂直に働く回転重力作用
   を平衡させるために、上記平衡おもり（10,11）は、機
   械のストロークの方向に対して垂直に振動運動を行うべ
   く、各々の連結バー（30）を介して、上記片腕レバー
   （18,19）の回転軸（17）を挟んで、端部が延長された
   第一ロッド（1,2）のクランク軸（14）と対向する点（3
   1）で、各々の第一ロッド（1,2）に回動自在に取り付け
   られ、更に各反転レバー（5,6）は、反転レバーが互い
   に独立に駆動されるように、各々、固有の第二ロッド
   （3,4）に回動自在に取り付けられ、更にすべての第一
   及び第二ロッドは、上記クランク軸の共通の偏心スリー
   ブ（16）に支持されてなることを特徴とする重力平衡装
   置。
2. 【請求項２】上記第一ロッド（1,2）は、該共通の偏心
   スリーブ（16）上に支持されたその端部において、フォ
   ーク状に形成され、上記第二ロッド（3,4）は、該フォ
   ーク状の構造により構成される脚部の間で、上記偏心ス
   リーブ（16）上に支持されてなる請求項１に記載の装
   置。
3. 【請求項３】上記第一ロッド（1,2）は、平行にガイド
   されるために、ジャーナルピン（17）上に支持され、該
   ピンに対して、各片腕レバー（18,19）の一端が回動自
   在に取り付けられ、該ジャーナルピン（17）は、この両
   端をダブルアームレバー（25）で支持され、該ダブルア
   ームレバーは対向する端部で各リンクロッド（27,28）
   の一端に回動自在に取り付けられ、該リンクロッドはこ
   の他端で、機械台枠（23）に回動自在に取り付けられ、
   それにより、上記ジャーナルピンは、機械の全ストロー
   クの範囲内で、少なくとも略平行にガイドされ請求項１
   に記載の装置。