JP2810096B2 - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

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JP2810096B2
JP2810096B2 JP1077426A JP7742689A JP2810096B2 JP 2810096 B2 JP2810096 B2 JP 2810096B2 JP 1077426 A JP1077426 A JP 1077426A JP 7742689 A JP7742689 A JP 7742689A JP 2810096 B2 JP2810096 B2 JP 2810096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液晶性ポリマー層を構成要素とし、耐熱
性、ガスバリア性及びヒートシール性等に優れる多層フ
ィルムに関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 従来、包装用フィルムとしてポリプロピレン及びポリ
エチレンテレフタレート等の延伸フィルムや、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなるフィルムの両面
にポリプロピレンフィルムを、無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン等を含有する接着層を介して積層した複合フ
ィルムが汎用されている。しかしながら、ポリプロピレ
ンフィルムは酸素ガスバリア性が十分でなく、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムは防湿性、すなわち水蒸気
バリア性が十分でない。また上記複合フィルムは、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなるフィルムの
酸素ガスバリア性が吸湿により著しく低下する。例え
ば、レトルト殺菌処理後では酸素ガスバリア性が10〜40
倍程度低下する。従って、食品等を長期に亘り保存する
のが困難である。さらには、上記複合フィルムは、その
構成ポリマーに起因して耐熱性が十分でない。
またポリ塩化ビニリデンフィルムの両面にポリプロピ
レンフィルムをエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる
層を介して積層した複合フィルムも提案されている。こ
の複合フィルムによれば、ポリ塩化ビニリデンフィルム
で酸素ガスバリア性を確保し、ポリプロピレンフィルム
で水蒸気バリア性を確保できる。しかしながら、成形性
を付与するため、通常、ポリ塩化ビニリデンに可塑剤や
安定化剤が添加されるので、ガスバリア性が低下する。
またポリ塩化ビニリデンのガラス転移温度が低いので、
温度が高くなるにつれて可塑化し、上記と同様に高温時
のガスバリア性が低下すると共に、構成ポリマーに起因
して耐熱性が十分でない。
一方、耐熱性に優れたフィルムとしてポリブチレンテ
レフタレート等が知られている。従って、該フィルムと
上記ポリ塩化ビニリデンフィルムとを積層することも考
えられる。しかしながら、ポリ塩化ビニリデンの融点と
分解温度とが近似し、かつ180〜200℃程度で分解するた
め、耐熱性に優れるポリブチレンテレフタレート等と共
押出しにより積層フィルム化するのが困難である。また
上記フィルムではヒートシール性を確保できず、その用
途が著しく制限される。
従って、本発明の目的は、高温高湿度下に晒されても
優れたガスバリア性を保持していると共に、ヒートシー
ル性を有し、種々の用途に使用できる多層フィルムを提
供することにある。
[発明の構成] 本発明者らは、サーモトロピック液晶性ポリマーが高
いガスバリア性を示すことを見出し、そのフィルム化を
鋭意検討した結果、本発明を完成した。すなわち、本発
明は、サーモトロピック液晶性ポリマーを含有する液晶
性ポリマー層を介して、ポリアルキレンテレフタレート
層とオレフィン系ポリマー層とがそれぞれ接着層で積層
されている多層フィルムにより、上記課題を解決するも
のである。なお、接着層は、下記特定の変性ポリオレィ
ン又はポリエステルで構成されている。
本明細書において、液晶性ポリマーとは、加熱によっ
て軟化流動し成形可能となり、かつ溶融時に複屈折を有
する異方性溶融相を示すサーモトロピック液晶ポリマー
とその組成物を意味する。
またフィルムとは、当該技術分野でシート等と呼ばれ
ることのある比較的薄く、実質的に平らな構造物全てを
含む意味に用いる。
上記の液晶性ポリマーとしては、下記の構成成分等か
らなるポリマーが挙げられる。
(1)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の一種
又は二種以上 (2)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオー
ルの一種又は二種以上 (3)芳香族ヒドロキシカルボン酸の一種又は二種以上 (4)芳香族チオールカルボン酸の一種又は二種以上 (5)芳香族ジオール、芳香族チオールフェノールの一
種又は二種以上 (6)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの一種
又は二種以上。
上記構成成分からなる液晶性ポリマーとしては、 i)構成成分(1)と(2)とからなるポリエステル、 ii)構成成分(3)からなるポリエステル、 iii)構成成分(1)と(2)と(3)とからなるポリ
エステル、 iv)構成成分(4)からなるポリチオールエステル、 v)構成成分(1)と(5)とからなるポリチオールエ
ステル、 vi)構成成分(1)と(4)と(5)とからなるポリチ
オールエステル、 vii)構成成分(1)と(3)と(5)とからなるポリ
エステルアミド、 viii)構成成分(1)と(2)と(3)と(5)とから
なるポリエステルアミド 等の組合せとして選択される。
なお、上記成分の組合せの範疇には含まれないが、か
かる液晶性ポリマーには芳香族ポリアゾメチンが含ま
れ、具体例としてはポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4
−フェニレンニトリロエチリジン−1,4−フェニレンエ
チリジン)、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェ
ニレンニトリロメチリジン−1,4−フェニレンメチリジ
ン)、及びポリ(ニトリロ−2−クロロ−1,4−フェニ
レンニトロメチリジン−1,4−フェニレンメチリジン)
などが挙げられる。
更に上記成分の組合せの範疇には含まれないが、かか
る液晶性ポリマーにはポリエステルカーボネートが含ま
れる。このポリマーは本質的には4−オキシベンゾイル
単位、ジオキシフェニル単位、ジオキシカルボニル単位
及びテレフタロイル単位を含んでいる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4″−トリフェニルジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4′
−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3′−ジ
カルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボン酸、ナフタ
レン−1,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;
芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体、例えば、クロロテレフタル酸、ジクロロテ
レフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル
酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メト
キシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸等が挙げられ
る。
脂環族ジカルボン酸としては、トランス−1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の
脂環族ジカルボン酸;脂環族ジカルボン酸のアルキル、
アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、トランス−
1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジカルボン酸、ト
ランス−1,4−(1−クロロ)シクロヘキサンジカルボ
ン酸等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4″−ジヒドロ
キシトリフェニル、2,6−ナフタレンジオール、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキ
シフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒドロキシジフェニ
ル、3,3′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6−ナ
フタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン等の芳香族ジオール;芳香族ジオールのアルキ
ル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、クロロ
ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、1−ブチルハ
イドロキノン、フェニルハイドロキノン、メトキシハイ
ドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−クロロレ
ゾルシン、4−メチルレゾルシン等が挙げられる。
脂環族ジオールとしては、トランス−1,4−シクロヘ
キサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオー
ル、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、ト
ランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シ
クロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環族ジオール;脂環族ジオール
のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例え
ば、トランス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジ
オール、トランス−1,4−(1−クロロ)シクロヘキサ
ンジオール等が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール等の直鎖状又は分岐状脂肪族ジオールが
挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等
の芳香族ヒドロキシカルボン酸;芳香族ヒドロキシカル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、
例えば、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−
4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香
酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、6
−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−ク
ロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ
−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−
クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジク
ロロ−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
芳香族メルカプトカルボン酸としては、4−メルカプ
ト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプト
−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ酸等
が挙げられる。
芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジチオ
ール、ベンゼン−1,3−ジチオール、ナフタレン−2,6−
ジチオール、ナフタレン−2,7−ジチオール等が挙げら
れる。
芳香族メルカプトフェノールとしては、4−メルカプ
トフェノール、3−メルカプトフェノール、2−メルカ
プトフェノール等が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンとしては、
4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノ
ール、1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−1,4−フ
ェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,4−フェニレン
ジアミン、3−アミノフェノール、3−メチル−4−ア
ミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、
4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4′−ヒド
ロキシジフェニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニルメタン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルフィド、4,4′−ジアミノフェニルスルフィド(チ
オジアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、2,5−ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリ
ン、4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリン)等
が挙げられる。
上記各構成成分からなる前記ポリマーi)ないしvii
i)は、構成成分及びポリマー中の組成比、シーケンス
分布によっては、溶融時に複屈折を有しないものも存在
するが、本発明で用いられるポリマーは上記ポリマーの
うち溶融時に複屈折を有するものに限られる。
本発明で用いられる液晶性ポリマーは、従来公知の方
法で製造することができる。
本発明で好適に用いられる完全芳香族ポリマーは、一
般溶剤には実質的に不溶である傾向を示し、従って、溶
液加工には不向きである。しかしながら、これらのポリ
マーは通常の溶融加工法により容易に加工することがで
きる。なお、特に好ましい完全芳香族ポリマーはペンタ
フルオロフェノールにはいくらか可溶である。
本発明で使用される液晶性ポリマーは、成膜性等を損
わない範囲で適宜の分子量を有していてもよい。例え
ば、好適な完全芳香族ポリエステルは、通常重量平均分
子量が約2,000〜200,000、好ましくは約10,000〜50,00
0、特に好ましくは約20,000〜25,000である。また好適
な完全芳香族ポリエステルアミドは、通常、分子量が約
5,000〜50,000、好ましくは約10,000〜30,000、例え
ば、15,000〜17,000である。分子量の測定は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーならびにその他のポリ
マーの溶融形成を伴なわない標準的測定法、例えば圧縮
成形フィルムについて赤外分光法により末端基を定量す
ることにより実施できる。またペンタフルオロフェノー
ル溶液にして光散乱法を用いて分子量を測定することも
できる。
上記の完全芳香族ポリエステルアミドは、温度60℃で
ペンタフルオロフェノールに0.1重量%濃度で溶解した
ときに、少なくとも約2.0dl/g、例えば約2.0〜10.0dl/g
の対数粘度(I.V.)を一般に示す。
特に好ましい異方性溶融相を形成するポリエステル
は、6−ヒドロキシ−2−ナフトイル、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン及び2,6−ジカルボキシナフタレン等の
ナフタレン部分単位を約10モル%以上の量で含有する。
好ましいポリエステルアミドは、上記ナフタレン部分
と、4−アミノフェノール又は1,4−フェニレンジアミ
ンからなる部分との反復単位を含有するものである。具
体的には以下の通りである。
(A)本質的に下記反復単位I及びIIからなるポリエス
テル; このポリエステルは、単位Iを約10〜90モル%及び単
位IIを約10〜90モル%含有する。一態様において単位I
は約65〜85モル%(例えば、約75モル%)の量まで存在
する。他の態様において、単位IIは約15〜35モル%、好
ましくは約20〜30モル%の低濃度の量で存在する。また
環に結合している水素原子の少なくとも一部は、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置
換フェニル基及びこれらの組み合せからなる群から選ば
れた置換基で置換されていてもよい。
(B)本質的に下記の反復単位II、III及びIVからなる
ポリエステル; このポリエステルは単位IIを約30〜70モル%含有す
る。このポリエステルは、好ましくは、単位IIを約40〜
60モル%、単位IIIを約20〜30モル%及び単位IVを約20
〜30モル%含有する。また環に結合している水素原子の
少なくとも一部は、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組
み合せからなる群から選ばれた置換基により置換されて
いてもよい。
(C)本質的に下記反復単位II、IV、V及びVIからなる
ポリエステル; (式中、Rはメチル基、クロロ、ブロモまたはこれらの
組み合せを意味し、芳香環上の水素原子に対する置換基
である) このポリエステルは、単位IIを約20〜60モル%、単位
IVを約5〜35モル%、単位Vを約5〜18モル%及び単位
VIを約20〜40モル%含有する。このポリエステルは、好
ましくは、単位IIを約35〜45モル%、単位IVを約15〜25
モル%、単位Vを約10〜15モル%及び単位VIを約25〜35
モル%含有する。ただし、単位IVとVの合計モル濃度は
単位VIのモル濃度に実質的に等しい。また、環に結合し
ている水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合せ
からなる群から選ばれた置換基により置換されていても
よい。この完全芳香族ポリエステルは、温度60℃でペン
タフルオロフェノールに0.3W/V%の濃度で溶解したと
き、少なくとも2.0dl/g、例えば2.0〜10.0dl/gの対数粘
度を一般に示す。
(D)本質的に下記反復単位I、II、VII及びVIIIから
なるポリエステル; 一般式O−Ar−O VII (式中、Arは少なくとも1個の芳香族環を含む2価基を
意味する)で示されるジオキシアリール単位 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位 このポリエスレルは、単位Iを約20〜40モル%、単位
IIを10モル%を越え、約50モル%以下、単位VIIを5モ
ル%を越え、約30モル%以下、及び単位VIIIを5モル%
を越え、約30モル%以下の量で含有する。このポリエス
テルは、好ましくは、単位Iを約20〜30モル%、例え
ば、約25モル%、単位IIを約25〜40モル%、例えば、約
35モル%、単位VIIを約15〜25モル%、例えば、約20モ
ル%、及び単位VIIIを約15〜25モル%、例えば、約20モ
ル%含有する。また、環に結合している水素原子の少な
くとも一部は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フ
ェニル基及びこれらの組み合せからなる群から選ばれた
置換基で置換されていてもよい。
単位VIIとVIIIは、ポリマー主鎖内でこれらの単位を
両側の他の単位に結げている2価の結合が、1または2
以上の芳香環上で対称的配置にある(例えば、ナフタレ
ン環上に存在するときは互いにパラの位置か、または対
角環上に配置されている)と言う意味で対称的であるの
が好ましい。ただし、レゾルシノール及びイソフタル酸
から誘導されるような非対称単位も使用できる。
好ましいジオキシアリール単位VIIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは である。
(E)本質的に下記反復単位I、VII、VIIIからなるポ
リエステル; 一般式O−Ar−O VII (式中、Arは前記に同じ)で示されるジオキシアリール
単位 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位 このポリエステルは、単位Iを約10〜90モル%、単位
VIIを5〜45モル%及び単位VIIIを5〜45モル%の量で
含有する。このポリエステルは、好ましくは単位Iを約
20〜80モル%、単位VIIを約10〜40モル%及び単位VIII
を約10〜40モル%含有する。さらに好ましくは、このポ
リエステルは、約60〜80モル%の単位I、約10〜20モル
%の単位VII、及び約10〜20モル%の単位VIIIを含有す
る。また環に結合している水素原子の少なくとも一部
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及
びこれらの組み合せよりなる群から選ばれた置換基で置
換されていてもよい。
好ましいジオキシアリール単位VIIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは である。
(F)本質的に下記反復単位I、IX、X及びVIIからな
るポリエステルアミド; (式中、Aは少なくとも1個の芳香環を含む2価基また
は2価トランス−シクロヘキサン基を意味する)で表わ
される単位 一般式Y−Ar−Z X (式中、Arは前記に同じ。YはO、NHまたはNR、ZはNH
またはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基またはアリール基を意味する)で表わされる単位 一般式O−Ar−O VII (式中、Arは前記に同じ)で表わされるジオキシアリー
ル単位 このポリエステルアミドは、単位Iを約10〜90モル
%、単位IXを5〜45モル%、単位Xを5〜45モル%、及
び単位VIIを約0〜40モル%の量で含有する。また環に
結合している水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲ
ン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み
合せよりなる群から選ばれた置換基より置換されていて
もよい。
好ましいジカルボキシアリール単位IXは であり、好ましい単位Xは であり、好ましいジオキシアリール単位VIIは である。
更に、本発明の異方性溶融相を形成するポリマーに
は、一つのポリマー鎖の一部が上記異方性溶融相を形成
するポリマーのセグメントから構成され、残りの部分が
異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントか
ら構成されるポリマーも含まれる。
上記液晶性ポリマーは室温下でガスバリア性に優れる
だけでなく、耐熱性に優れるので、ガスバリア性の温度
依存性がない。すなわち、高温下、例えばレトルト殺菌
等に供してもガスバリア性及び水蒸気バリア性が低下す
ることがない。上記液晶性ポリマーの熱変形温度は、通
常、80〜400℃、好ましくは120〜350℃程度である。特
に熱変形温度150〜250℃の液晶性ポリマーは成膜性に優
れるので好ましい。なお、前記液晶性ポリマーの酸素ガ
ス透過率及び水蒸気透過率は、通常1.0cc/m2・25μm・
24時間・気圧以下である。
上記液晶性ポリマーは、液晶性ポリマー層に少なくと
も50重量%、好ましくは75重量%以上含有される。
本発明に使用される異方性溶融相を形成する溶融加工
可能なポリマー組成物は、その他の異方性溶融相を形
成するポリマー、異方性溶融相を形成しない熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、低分子有機化合物、無機物
のうち少なくとも一種を含有していてもよい。なお、組
成物中の異方性溶融相を形成するポリマーと他の成分と
は熱力学的に相溶していてもよい。
上記の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、
エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマ
ー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、BS樹脂、ポリ
ウレタン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルエーテル、ポリエーテルイミド、ポリア
ミドイミド、ポリエーテルエーテルイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサル
フォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフィニレンオ
キシド等が含まれる。
上記の熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド
樹脂等が含まれる。
上記の低分子有機化合物としては、例えば、熱可塑
性樹脂及び熱硬化性樹脂に通常添加される物質、すなわ
ち、可塑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の耐候・耐光
安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、
発泡剤、更に、ジビニル系化合物、過酸化物や加硫剤等
の架橋剤及び流動性や離型性の改善のための滑剤として
使用される低分子有機化合物が含まれる。
さらに上記の無機物としては、例えば、熱可塑性樹
脂及び熱硬化性樹脂に通常添加される物質、すなわち、
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、ボ
ロン繊維、アスベスト等の一般無機繊維、炭酸カルシウ
ム、高分散性けい酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、
タルク粉、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、石
英粉、けい砂、各種金属粉末、カーボンブラック、硫酸
バリウム、焼石こう等の粉末物質及び炭酸けい素、ボロ
ンナイトライトや窒化けい素等の無機化合物、ウイスカ
ーや金属ウイスカー等が含まれる。
上記液晶性ポリマーを含有する液晶性ポリマー層の膜
厚は特に制限されないが、通常、1〜500μm、好まし
くは5〜250μm、さらに好ましくは10〜150μm程度で
ある。
本発明の多層フィルムは、上記液晶性ポリマー層の一
方の面にポリアルキレンテレフタレート層が接着層を介
して積層され、他方の面にオレフィン系ポリマー層が接
着層を介して積層されている。
上記ポリアルキレンテレフタレートとしては、炭素数
2〜6程度のアルキレン基を有するものや、アルキレン
基の一部にシクロアルキレン基やエーテル基等を有する
もの、特にポリエチレンテレフタレートや、耐熱性の高
いポリアルキレンテレフタレート、例えばエチレングリ
コールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールやジ
エチレングリコール等で置換したいわゆるPET−G、ポ
リブチレンテレフタレートが好ましい。なお、耐熱性高
いポリアルキレンテレフタレートは、前記液晶性ポリマ
ーと容易に共押出し成形できる。
なお、同種又は異種のポリアルキレンテレフタレート
層を複数積層してもよい。また液晶性ポリマー層とポリ
アルキレンテレフタレート層とを積層することにより、
酸素ガスバリア性等のガスバリア性をより一層高めるこ
とができると共に、耐熱性に優れる。
オレフィン系ポリマー層のオレフィン系ポリマーとし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−
1、アイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が例示される。こ
れらのオレフィン系ポリマーのうち、ポリエチレン、特
に高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレンやエチレン−プロピレン共重合体、特に融点145
〜160℃のエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
なお、同種又は異種のオレフィン系ポリマー層を複数積
層してもよい。また液晶性ポリマー層とオレフィン系ポ
リマー層とを積層することにより、水蒸気バリア性をよ
り一層高めることができると共に、オレフィン系ボリマ
ー層によりヒートシール性を確保できる。従って、ピロ
ー包装、四方シート等により袋を容易に形成でき、その
用途を拡大することができる。
上記ポリアルキレンテレフタレート層及びオレフィン
系ポリマー層の膜厚は、特に制限されないが、通常1〜
50μm程度である。
また接着層は、液晶性ポリマー層、ポリアルキレンテ
レフタレート層及びオレフィン系ポリマー層に対して優
れた接着性を示す変性ポリオレフィン又はポリエステル
を含有する。
変性ポリオレフィンとしては、グリシジル基及びアル
コキシシラン基から選択された少なくとも一種の官能基
が導入された変性ポリオレフィンを用いる。このような
変性ポリオレフィンとしては、グリシジル変性ポリオレ
フィン、アルコキシシラン変性ポリオレフィン、グリシ
ジル変性エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アルコ
キシシラン変性エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
グリシジル変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルコ
キシシラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等が例示
できる。
変性ポリオレフィンには、他の官能基、例えば、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
ミノ基等、特にカルボキシ基が導入されていてもよい。
これらの官能基は複数組合せてもよい。さらに、本発明
で使用する前記変性ポリオレフィンは、前記他の官能基
が導入された変性ポリオレフィンと組み合わせて、接着
層に隣接する層として使用してもよい。このような変性
ポリオレフィンとしては、例えば、カルボキシ変性ポリ
オレフィン、カルボキシ変性エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、カルボキシ変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体等が例示される。
なお、カルボキシ変性、グリシジル変性、アルコキシ
シラン変性とは、例えばアクリル酸、無水マレイン酸等
の不飽和カルボン酸又はその酸無水物;グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基
を有する重合性不飽和化合物;メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等のアルコキシシラン基を有する重
合性不飽和化合物で変性したことを意味する。
また上記ポリエステルは、多価カルボン酸、多価アル
コール、ヒドロキシカルボン酸を構成成分としており、
必要に応じて、少量の一価のカルボン酸、一価のアルコ
ールが使用される。
多価カルボン酸としては、二価以上のカルボン酸、例
えば、シュウ酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族多価カルボン
酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カ
ルボン酸;フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメシン酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジ
カルボン酸、3−スルホイソフタル酸等の芳香族多価カ
ルボン酸等が例示される。これらの多価カルボン酸は一
種以上混合して使用できる。本発明では、上記多価カル
ボン酸成分として、テレフタル酸30〜80モル%と、アジ
ピン酸、セバシン酸、イソフタル酸から選択されたジカ
ルボン酸70〜20モル%を用いる。
多価アルコールとしては、二価以上のアルコール、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族多
価アルコール;レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、4,4′−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)フェニル−2,2−プロパン、4,4′−ビス
(2−ヒドロキシプロピル)フェニル−2,2−プロパ
ン、4,4′−ビス(2−ヒドロキシエトキシエチル)フ
ェニル−2,2−プロパン等の芳香族多価アルコールが例
示される。これらの多価アルコールは一種以上混合して
使用できる。本発明では、エチレングリコール及び1,4
−ブタンジオールのうち少なくとも一種を含むジオール
成分を用いる。特に1,4−ブタンジオールが好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、オキ
シプロピオン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;ヒド
ロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸が例示
され、一種以上混合して使用できる。
なお、ここにいうポリエステルには、該ポリエステル
の構成成分をセグメント構成成分とする他のポリマー、
例えば、ポリエステルエーテル、ポリエステルアミド、
ポリエステルカーボネート等も含まれる。
これらの変性ポリオレフィンやポリエステルはは、一
種又は二種以上混合して使用される。また接着層は、上
記変性ポリオレィン及び/又はポリエステルを少なくと
も50重量%、好ましくは75重量%以上含有する。
また各フィルム間の接着層は、少なくとも1層形成す
ればよく、必要に応じて複数層形成してもよい。上記接
着層の膜厚は、接着性を損わない範囲であれば特に制限
されないが、通常、0.1〜50μm程度で十分な接着性を
確保できる。
また前記ポリアルキレンテレフタレート層、オレフィ
ン系ポリマー層や、上記接着層は、前記の熱可塑性樹
脂、低分子有機化合物や粘着付与剤、ワックス等、
無機物等を含有していてもよい。
本発明の多層フィルムは、従来慣用の方法、例えばド
ライラミネート法、押出しラミネート法等に限らず、液
晶性ポリマーの融点が高いので、ポリアルキレンテレフ
タレートと共押出しする多層成形法等やこれらを組合せ
た方法で形成することができる。共押出し多層成形法と
しては、ダイ内で多層に合流させるマルチマニホールド
方式や、フィードブロック方式のいずれも採用できる。
なお、ラミネート加工に際しては、コロナ放電処理、ス
パッタリング処理、高周波処理、火炎処理、クロム酸処
理、溶剤エッチング処理、アンダーコート処理等や、こ
れらを組合せた表面処理を施してラミネートしてもよ
い。
さらには、本発明の多層フィルムは、ロール延伸、ベ
ルト延伸、テンター延伸、チューブ延伸等の延伸手段に
より、適宜の倍率に一軸または二軸延伸されていてもよ
い。なお、液晶性ポリマー層、ポリアルキレンテレフタ
レート層及びオレフィン系ポリマー層のうち少なくとも
1つが延伸されていればよい。
本発明の多層フィルムは、種々の被包装物の個装、内
装、外装、製袋用フィルムとして使用できる。例えば、
酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性に優れるので、従
来の食品包装用フィルム等の他、油性調理材料の包装
材、薬品用包装材、化粧品用包装材、芳香性物質の保香
性包装材等として使用できる。また高温下でも耐性を示
すので、特に高温でのガスバリア性が必要とされる分
野、例えば、レトルト食品、電子レンジ用食品等の食品
用包装材等として好適である。
[発明の効果] 以上のように、本発明の多層フィルムによれば、サー
モトロピック液晶性ポリマーを含有する液晶性ポリマー
層を介して、ポリアルキレンテレフタレート層とオレフ
ィン系ポリマー層とがそれぞれ特定の接着層で積層され
ているので、高温高湿度下に晒されても優れた酸素ガス
バリア性及び防湿性を保持すると共に、ヒートシール性
に優れている。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1 ポリブチレンテレフタレート(PBT)(ポリプラスチ
ック(株)製、オルトクロロフェノール中、温度25℃で
測定した固有粘度1.0dl/g)、グリシジル変性エチレン
−酢酸ビニル共重合体(a)(住友化学工業(株)製、
商品名ボンドファースト7B)、前記反復単位I、IIで構
成されたポリエステル(A)からなる液晶性ポリマー
(b)(ポリプラスチック(株)製、商品名ベクトラA9
00)、無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸エチル
共重合体(c)(住友化学工業(株)製、商品名ボンダ
インTX8030)、ポリプロピレン(PP)(住友化学工業
(株)製、商品名ノーブレンFS2011D)を、それぞれフ
ィードブロック方式の多層成形装置に供給し6層に共押
出成形し、(PBT)/(a)/(b)/(a)/(c)
/(PP)=20/10/30/10/10/20μmの多層フィルムを作
製した。
実施例2 実施例1のポリブチレンテレフタレート(PBT)、実
施例1の無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体(c)、グリシジル変性ポリエチレン(d)
(日本石油(株)製、商品名レクスパールJ−3700)、
実施例1の液晶性ポリマー(b)、中密度ポリエチレン
(MDPE)(三井石油化学(株)製、商品名ネオゼックス
3510F)を用いて、実施例1と同様に6層に共押出成形
し、(PBT)/(c)/(d)/(b)/(d)/(MDP
E)=20/10/10/30/10/20μmの多層フィルムを作製し
た。
実施例3 実施例1のポリブチレンテレフタレート(PBT)、ア
ルコキシシラン変性エチレン−アクリル酸エチル共重合
体(e)(三井デュポン社製、商品名HPR AS252)、実
施例1の液晶性ポリマー(b)、実施例1の無水マレイ
ン酸変性エチレン−アクリル酸エチル共重合体(c)及
びエチレン−プロピレン共重合体(EPCP)(住友化学工
業(株)製、商品名ノーブレンS131)を用い、実施例1
と同様にして、6層に共押出成形し、(PBT)/(e)
/(b)/(e)/(c)/(EPCP)=20/10/30/10/10
/20μmの多層フィルムを作製した。
実施例4 実施例1のポリブチレンテレフタレート及びポリプロ
ピレンに代えて、グリコール成分の一部を1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールで置換したポリエチレンテレフタ
レート(PET−G)(イーストマン・ケミカル・プロダ
クツ社製、商品名PET−G6763)及び実施例3で用いたエ
チレン−プロピレン共重合体(EPCP)を用い、実施例1
と同様にして6層に共押出成形し、(PET−G)/
(a)/(b)/(a)/(c)/(EPCP)=20/10/30
/10/10/20μmの多層フィルムを作製した。
実施例5 実施例1の無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸
エチル共重合体(c)、実施例2のグリシジル変性ポリ
エチレン(d)、実施例1の液晶性ポリマー(b)、実
施例2の中密度ポリエチレン(MDPE)を用い、実施例1
と同様にして6層に共押出成形し、(c)/(d)/
(b)/(d)/(c)/(MEPE)=10/10/30/10/10/2
0μmの多層フィルムを作製した。
次いで、膜厚12μmでコロナ放電処理された延伸ポリ
エチレンテレフタレート(PET)(東洋紡(株)製、商
品名E5100)を、上記多層フィルムのうち表面接着層
(c)に熱ラミネートし、(PET)/(C)/(D)/
(B)/(D)/(C)/(MDPE)=12/10/10/30/10/1
0/20μmの多層フィルムを作製した。
比較例1 ポリプロピレン(PP)(住友化学工業(株)製、商品
名ノーブレンFL6315G)、無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン(f)(三菱油化(株)製、モデックP310K)、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(g)(ソルベ
ー社製、商品名クラレーンL6)を用い、実施例1と同様
にして5層に共押出成形し、(PP)/(f)/(g)/
(f)/(PP)=25/10/30/10/25μmの多層フィルムを
作製した。
比較例2 比較例1のポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)(三井・デュポン(株)製、商品
名エバフレックスP1905)、ポリ塩化ビニリデン共重合
体(塩化ビニリデン含有量90重量%以上、メチルアクリ
レート含有量10重量%以下)100重量部に対してエポキ
シ樹脂5重量部、可塑剤としてのセバシン酸ジブチル5
重量部、滑剤としてのステアリン酸0.3重量部からなる
樹脂組成物(PVCD)を用い、実施例1と同様にして5層
に共押出成形し、(PP)/(EVA)/(PVDC)/(EVA)
/(PP)=25/10/30/10/25μmの多層フィルムを作製し
た。
そして、次のような試験方法により酸素ガス透過率、
水蒸気透過率及びレトルト殺菌処理後の酸素ガス透過率
を調べた。
酸素ガス透過率 温度23℃、相対湿度60%の条件で、窒素ガス98%、水
素ガス2%からなるキャリアガスを用い、ASTM D−39
85−81に準じて等圧法で測定した。
水蒸気透過率 温度25℃、相対湿度90%の条件で、キャリアガスとし
て空気を用い、ASTM F−372−73に準じて赤外線セン
サを用いて測定した。
レトルト殺菌処理後の酸素ガス透過率 温度120℃の加圧熱水中に30分間浸漬し、その後、温
度20℃、相対湿度40%の条件で、上記酸素ガス透過率の
測定方法に準じて測定した。
結果を表に示す。
表より明らかなように、比較例のフィルムに比べて、
各実施例のフィルムは、いずれも酸素ガスバリア性、防
湿性に優れていた。また比較例1のフィルムは、加熱加
湿処理により著しくガスバリア性が低下するのに対して
各実施例のフィルムは殆んどガスバリア性が低下しない
ことが判明した。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 7/00 - 27/42 B65D 65/40 C09J 123/00 - 133/26 C08J 5/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーモトロピック液晶性ポリマーを含有す
    る液晶性ポリマー層を介して、ポリアルキレンテレフタ
    レート層とオレフィン系ポリマー層とがそれぞれ接着層
    で積層された多層フィルムであって、接着層が、(1)
    グリシジル変性ポリオレフィンおよびアルコキシシラン
    変性ポリオレフィンから選択された少なくとも一種の変
    性ポリオレフィン、又は(2)テレフタル酸30〜80モル
    %およびアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸から選
    択されたジカルボン酸70〜20モル%の多価カルボン酸成
    分と、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオール
    のうち少なくとも一種を含むジオール成分との反応によ
    り得られるポリエステルを含有することを特徴とする多
    層フィルム。
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