JP2790840B2 - 医療用物品の包装材料 - Google Patents

医療用物品の包装材料

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JP2790840B2 JP1083145A JP8314589A JP2790840B2 JP 2790840 B2 JP2790840 B2 JP 2790840B2 JP 1083145 A JP1083145 A JP 1083145A JP 8314589 A JP8314589 A JP 8314589A JP 2790840 B2 JP2790840 B2 JP 2790840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アミノ酸輸液等の医療用物品の変質等を防
止する上で有用な医療用物品の包装材料に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 近年、点滴投与用薬液、例えばアミノ酸輸液、脂肪輸
液やビタミン輸液等は、通常、柔軟なプラスチックバッ
グに封入して使用されている。
一方、上記薬液は酸素によって変質し易い。また上記
薬液は、通常プラスチックバッグに封入した状態でオー
トクレーブ殺菌に供される。従って、プラスチックバッ
グには、滅菌時や保存時のガスバリア性が高いこと、耐
熱性に優れることが要求される。
このプラスチックバッグは、通常ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等から
なるフィルム又はシートや、ポリ塩化ビニリデンコート
フィルム又はシート等で形成されている。しかしなが
ら、ポリオレフィンからなるプラスチックバッグは、酸
素ガスバリア性が十分でない。またポリ塩化ビニルの場
合、可塑剤等が溶出し薬液を汚染する虞がある。またポ
リ塩化ビニリデンコートフィルム等は、室温下でのガス
バリア性に優れるものの、耐熱性が十分でなく、高温下
でのガスバリア性が著しく低下する。従って、これらの
素材からなるプラスチックバッグは薬液用包装材料とし
ては好ましくない。
また薬液を封入するプラスチックバッグとして、エチ
レン−プロピレン共重合体等からなる密封層と、フィル
ムに可撓性を付与する内部層と、エチレン−プロピレン
共重合体等からなる外層を含む可撓性フィルムで構成し
た可撓性容器(特開昭61−249751号公報)、最内層を特
定の透明性を有する高密度ポリエチレン系フィルムで形
成した医療用液体の包装材料(特開昭63−51433号公
報)や、耐熱性と熱シール性を有する内層と、熱収縮率
の小さな芳香族ポリアミド樹脂からなる中間層と、内層
よりも高い融点を有する外装との積層体からなり、酸素
透過度の小さな医療用物品包装体(特開昭63−164950号
公報)等が提案されている。
しかしながら、これらのプラスチックバッグは、それ
らの構成ポリマーに起因していずれもガスバリア性、特
にオートクレーブ殺菌のように高温高圧水蒸気下や滅菌
後のガスバリア性が十分でない。
さらには、ガスバリア性を高めるため、アルミニウム
箔を中間層とする包装材料(特開昭57−206447号公報
等)や、内側からポリオレフィン層、酸化ケイ素層、プ
ラスチック層が順に積層されたバッグ(特開昭63−1866
52号公報)等が提案されている。
しかしながら、アルミニウム箔を中間層とする包装材
料は、透明性に欠けるため、薬液バッグとしては好まし
くない。また酸化ケイ素層を有するバッグは、ガスバリ
ア性に優れるものの、取扱い中に酸化ケイ素層にクラッ
クが生じ易く、高いバリア性を保証できない場合があ
る。
一方、エンジニアプラスチックの領域に属する液晶性
ポリマーは、機械的性質、寸法安定性、耐熱性、化学的
安定性等に優れる他、電気的性質も良好であるため、種
々の要求性能を満足するフィルム用原料ポリマーとして
注目されている。しかしながら、この液晶性ポリマー
は、例えばポリテトラフルオロエチレン等と同様に、ポ
リマーとの接着性が十分でなく、ヒートシール性を付与
することが困難である。
従って、本発明の目的は、液晶性ポリマーを構成要素
としながらも、優れたヒートシール性を有すると共に、
透明性を有する医療用物品の包装材料を提供することに
ある。
[発明の構成] 本発明者らは鋭意研究の結果、サーモトロピック液晶
性ポリマーが高いガスバリア性を示すことを見出し、本
発明を完成した。すなわち、本発明は、サーモトロピッ
ク液晶性ポリマーを含有する液晶性ポリマー層と、ヒー
トシール層とが接着層を介して積層されている医療用物
品の包装材料により、上記課題を解決するものである。
本明細書において、液晶性ポリマーとは、加熱によっ
て軟化流動し成形可能となり、かつ溶融時に複屈折を有
する異方性溶融相を示すサーモトロピック液晶ポリマー
とその組成物を意味する。
またフィルムとは、当該技術分野でシート等と呼ばれ
ることのある比較的薄く、実質的に平らな構造物全てを
含む意味に用いる。
上記の液晶性ポリマーとしては、下記の構成成分等か
らなるポリマーが挙げられる。
(1)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の一種
又は二種以上 (2)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオー
ルの一種又は二種以上 (3)芳香族ヒドロキシカルボン酸の一種又は二種以上 (4)芳香族チオールカルボン酸の一種又は二種以上 (5)芳香族ジチオール、芳香族チオールフェノールの
一種又は二種以上 (6)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの一種
又は二種以上。
上記構成成分からなる液晶性ポリマーとしては、 i)構成成分(1)と(2)とからなるポリエステル、 ii)構成成分(3)からなるポリエステル、 iii)構成成分(1)と(2)と(3)とからなるポリ
エステル、 iv)構成成分(4)からなるポリチオールエステル、 v)構成成分(1)と(5)とからなるポリチオールエ
ステル、 vi)構成成分(1)と(4)と(5)とからなるポリチ
オールエステル、 vii)構成成分(1)と(3)と(5)とからなるポリ
エステルアミド、 viii)構成成分(1)と(2)と(3)と(5)とから
なるポリエステルアミド 等の組合せとして選択される。
なお、上記成分の組合せの範疇には含まれないが、か
かる液晶性ポリマーには芳香族ポリアゾメチンが含ま
れ、具体例としてはポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4
−フェニレンニトリロエチリジン−1,4−フェニレンエ
チリジン)、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェ
ニレンニトリロメチリジン−1,4−フェニレンメチリジ
ン)、及びポリ(ニトリロ−2−クロロ−1,4−フェニ
レンニトリロメチリジン−1,4−フェニレンメチリジ
ン)などが挙げられる。
更に上記成分の組合せの範疇には含まれないが、かか
る液晶性ポリマーにはポリエステルカーボネートが含ま
れる。このポリマーは本質的には4−オキシベンゾイル
単位、ジオキシフェニル単位、ジオキシカルボニル単位
及びテレフタロイル単位を含んでいる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4″−トリフェニルジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4′
−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3′−ジ
カルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボン酸、ナフタ
レン−1,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;
芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体、例えば、クロロテレフタル酸、ジクロロテ
レフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル
酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メト
キシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸等が挙げられ
る。
脂環族ジカルボン酸としては、トランス−1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の
脂環族ジカルボン酸;脂環族ジカルボン酸のアルキル、
アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、トランス−
1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジカルボン酸、ト
ランス−1,4−(1−クロロ)シクロヘキサンジカルボ
ン酸等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4″−ジヒドロ
キシトリフェニル、2,6−ナフタレンジオール、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキ
シフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒドロキシジフェニ
ル、3,3′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6−ナ
フタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン等の芳香族ジオール;芳香族ジオールのアルキ
ル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、クロロ
ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、1−ブチルハ
イドロキノン、フェニルハイドロキノン、メトキシハイ
ドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−クロロレ
ゾルシン、4−メチルレゾルシン等が挙げられる。
脂環族ジオールとしては、トランス−1,4−シクロヘ
キサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオー
ル、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、ト
ランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シ
クロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環族ジオール;脂環族ジオール
のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例え
ば、トランス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジ
オール、トランス−1,4−(1−クロロ)シクロヘキサ
ンジオール等が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール等の直鎖状又は分岐状脂肪族ジオールが
挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等
の芳香族ヒドロキシカルボン酸;芳香族ヒドロキシカル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、
例えば、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−
4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香
酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、6
−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−ク
ロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ
−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−
クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジク
ロロ−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
芳香族メルカプトカルボン酸としては、4−メルカプ
ト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプト
−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ酸等
が挙げられる。
芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジチオ
ール、ベンゼン−1,3−ジチオール、ナフタレン−2,6−
ジチオール、ナフタレン−2,7−ジチオール等が挙げら
れる。
芳香族メルカプトフェノールとしては、4−メルカプ
トフェノール、3−メルカプトフェノール、2−メルカ
プトフェノール等が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンとしては、
4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノ
ール、1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−1,4−フ
ェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,4−フェニレン
ジアミン、3−アミノフェノール、3−メチル−4−ア
ミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、
4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4′−ヒド
ロキシジフェニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニルメタン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルフィド、4,4′−ジアミノフェニルスルフィド(チ
オジアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、2,5−ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリ
ン、4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリン)等
が挙げられる。
上記各構成成分からなる前記ポリマーi)ないしvii
i)は、構成成分及びポリマー中の組成比、シーケンス
分布によっては、溶融時に複屈折を有しないものも存在
するが、本発明で用いられるポリマーは上記ポリマーの
うち溶融時に複屈折を有するものに限られる。
本発明で用いられる液晶性ポリマーは、従来公知の方
法で製造することができる。
本発明で好適に用いられる完全芳香族ポリマーは、一
般溶剤には実質的に不溶である傾向を示し、従って、溶
液加工には不向きである。しかしながら、これらのポリ
マーは通常の溶融加工法により容易に加工することがで
きる。なお、特に好ましい完全芳香族ポリマーはペンタ
フルオロフェノールにはいくらか可溶である。
本発明で使用される液晶性ポリマーは、成膜性等を損
わない範囲で適宜の分子量を有していてもよい。例え
ば、好適な完全芳香族ポリエステルは、通常重量平均分
子量が約2,000〜200,000、好ましくは約10,000〜50,00
0、特に好ましくは約20,000〜25,000である。また好適
な完全芳香族ポリエステルアミドは、通常、分子量が約
5,000〜50,000、好ましくは約10,000〜30,000、例え
ば、15,000〜17,000である。分子量の測定は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーならびにその他のポリ
マーの溶融形成を伴なわない標準的測定法、例えば圧縮
成形フィルムについて赤外分光法により末端基を定量す
ることにより実施できる。またペンタフルオロフェノー
ル溶液にして光散乱法を用いて分子量を測定することも
できる。
上記の完全芳香族ポリエステルアミドは、温度60℃で
ペンタフルオロフェノールに0.1重量%濃度で溶解した
ときに、少なくとも約2.0dl/g、例えば約2.0〜10.0dl/g
の対数粘度(I.V.)を一般に示す。
特に好ましい異方性溶融相を形成するポリエスエル
は、6−ヒドロキシ−2−ナフトイル、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン及び2,6−ジカルボキシナフタレン等の
ナフタレン部分単位を約10モル%以上の量で含有する。
好ましいポリエステルアミドは、上記ナフタレン部分
と、4−アミノフェノール又は1,4−フェニレンジアミ
ンからなる部分との反復単位を含有するものである。具
体的には以下の通りである。
(A)本質的に下記反復単位I及びIIからなるポリエス
テル; このポリエステルは、単位Iを約10〜90モル%及び単
位IIを約10〜90モル%含有する。一態様において単位I
は約65〜85モル%(例えば、約75モル%)の量まで存在
する。他の態様において、単位IIは約15〜35モル%、好
ましくは約20〜30モル%の低濃度の量で存在する。また
環に結合している水素原子の少なくとも一部は、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置
換フェニル基及びこれらの組み合せからなる群から選ば
れた置換基で置換されていてもよい。
(B)本質的に下記の反復単位II、III及びIVからなる
ポリエステル; このポリエステルは単位IIを約30〜70モル%含有す
る。このポリエステルは、好ましくは、単位IIを約40〜
60モル%、単位IIIを約20〜30モル%及び単位IVを約20
〜30モル%含有する。また環に結合している水素原子の
少なくとも一部は、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組
み合せからなる群から選ばれた置換基により置換されて
いてもよい。
(C)本質的に下記反復単位II、IV、V及びVIからなる
ポリエステル; (式中、Rはメチル基、クロロ、ブロモまたはこれらの
組み合せを意味し、芳香環上の水素原子に対する置換基
である) このポリエステルは、単位IIを約20〜60モル%、単位
IVを約5〜35モル%、単位Vを約5〜18モル%及び単位
VIを約20〜40モル%含有する。このポリエステルは、好
ましくは、単位IIを約35〜45モル%、単位IVを約15〜25
モル%、単位Vを約10〜15モル%及び単位VIを約25〜35
モル%含有する。ただし、単位IVとVの合計モル濃度は
単位VIのモル濃度に実質的に等しい。また、環に結合し
ている水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合わ
せからなる群から選ばれた置換基により置換されていて
もよい。この完全芳香族ポリエステルは、温度60℃でペ
ンタフルオロフェノールに0.3W/V%の濃度で溶解したと
き、少なくとも2.0dl/g、例えば2.0〜10.0dl/gの対数粘
度を一般に示す。
(D)本質的に下記反復単位I、II、VII及びVIIIから
なるポリエステル; (式中、Arは少なくとも1個の芳香族環を含む2価基を
意味する)で示されるジオキシアリール単位 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位 このポリエステルは、単位Iを約20〜40モル%、単位
IIを10モル%を越え、約50モル%以下、単位VIIを5モ
ル%を越え、約30モル%以下、及び単位VIIIを5モル%
を越え、約30モル%以下の量で含有する。このポリエス
テルは、好ましくは、単位Iを約20〜30モル%、例え
ば、約25モル%、単位IIを約25〜40モル%、例えば、約
35モル%、単位VIIを約15〜25モル%、例えば、約20モ
ル%、及び単位VIIIを約15〜25モル%、例えば、約20モ
ル%含有する。また、環に結合している水素原子の少な
くとも一部は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フ
ェニル基及びこれらの組み合せからなる群から選ばれた
置換基で置換されていてもよい。
単位VIIとVIIIは、ポリマー主鎖内でこれらの単位を
両側の他の単位に結げている2価の結合が、1または2
以上の芳香環上で対称的配置にある(例えば、ナフタレ
ン環上に存在するときは互いにパラの位置か、または対
角環上に配置されている)と言う意味で対称的であるの
が好ましい。ただし、レゾルシノール及びイソフタル酸
から誘導されるような非対称単位も使用できる。
好ましいジオキシアリール単位VIIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは である。
(E)本質的に下記反復単位I、VII、VIIIからなるポ
リエステル; (式中、Arは前記に同じ)で示されるジオキシアリール
単位 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位 このポリエスエルは、単位Iを約10〜90モル%、単位
VIIを5〜45モル%及び単位VIIIを5〜45モル%の量で
含有する。このポリエステルは、好ましくは単位Iを約
20〜80モル%、単位VIIを約10〜40モル%及び単位VIII
を約10〜40モル%含有する。さらに好ましくは、このポ
リエステルは、約60〜80モル%の単位I、約10〜20モル
%の単位VII、及び約10〜20モル%の単位VIIIを含有す
る。また環に結合している水素原子の少なくとも一部
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及
びこれらの組み合せよりなる群から選ばれた置換基で置
換されていてもよい。
好ましいジオキシアリール単位VIIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは である。
(F)本質的に下記反復単位I、IX、X及びVIIからな
るポリエステルアミド; (式中、Aは少なくとも1個の芳香環を含む2価基また
は2価トランス−シクロヘキサン基を意味する)で表わ
される単位 一般式Y−Ar−Z X (式中、Arは前記に同じ。YはO、NHまたはNR、ZはNH
またはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基またはアリール基を意味する)で表わされる単位 一般式O−Ar−O VII (式中、Arは前記に同じ)で表わされるジオキシアリー
ル単位 このポリエステルアミドは、単位Iを約10〜90モル
%、単位IXを5〜45モル%、単位Xを5〜45モル%、及
び単位VIIを約0〜40モル%の量で含有する。また環に
結合している水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲ
ン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み
合せよりなる群から選ばれた置換基より置換されていて
もよい。
好ましいジカルボキシアリール単位IXは であり、好ましい単位Xは であり、好ましいジオキシアリール単位VIIは である。
更に、本発明の異方性溶融相を形成するポリマーに
は、一つのポリマー鎖の一部が上記異方性溶融相を形成
するポリマーのセグメントから構成され、残りの部分が
異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントか
ら構成されるポリマーも含まれる。
上記液晶性ポリマーは耐熱性に優れ、オートクレーブ
滅菌時やその後のガスバリア性が低下することがない。
すなわち、上記液晶性ポリマーの熱変形温度は、通常、
80〜400℃、好ましくは120〜350℃程度である。特に熱
変形温度150〜250℃の液晶性ポリマーは成膜性に優れる
ので好ましい。また水蒸気透過率が約0.1g/m2・100μm
・24時間・気圧以下であり、酸素ガス及び炭酸ガス透過
性が1.0cc/m2・25μm・24時間・気圧以下であり、ガス
バリア性に優れる。従って、特にオートクレーブ殺菌処
理してもガスバリア性が殆ど低下しない。また温度70
℃、相対湿度96%で500時間放置しても0.003〜0.02%程
度しか変化せず、寸法安定性にも優れている。
上記液晶性ポリマーは、液晶性ポリマー層に少なくと
も50重量%、好ましくは75重量%以上含有される。
本発明に使用される異方性溶融相を形成する溶融加工
可能なポリマー組成物は、ガスバリア性、透明性及び非
溶出性を損わない範囲で、その他の異方性溶融相を形
成するポリマー、異方性溶融相を形成しない熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、低分子有機化合物、無機物
のうち少なくとも一種を含有していてもよい。なお、組
成物中の異方性溶融相を形成するポリマーと他の成分と
は熱力学的に相溶していてもよい。
上記の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、
エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマ
ー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、BS樹脂、ポリ
ウレタン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルエーテル、ポリエーテルイミド、ポリア
ミドイミド、ポリエーテルエーテルイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサル
フォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオ
キシド等が含まれる。
上記の熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド
樹脂等が含まれる。
上記の低分子有機化合物としては、例えば、熱可塑
性樹脂及び熱硬化性樹脂に通常添加される物質、すなわ
ち、可塑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の耐候・耐光
安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、
発泡剤、更に、ジビニル系化合物、過酸化物や加硫剤等
の架橋剤及び流動性や離型性の改善のための滑剤として
使用される低分子有機化合物が含まれる。
さらに上記の無機物としては、例えば、熱可塑性樹
脂及び熱硬化性樹脂に通常添加される物質、すなわち、
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、ボ
ロン繊維、アスベスト等の一般無機繊維、炭酸カルシウ
ム、高分散性けい酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、
タルク粉、マイカ、ガラスフレーム、ガラスビーズ、石
英粉、けい砂、各種金属粉末、カーボンブラック、硫酸
バリウム、焼石こう等の粉末物質及び炭酸けい素、ボロ
ンナイトライトや窒化けい素等の無機化合物、ウイスカ
ーや金属ウイスカー等が含まれる。
上記液晶性ポリマーを含有する液晶性ポリマー層の膜
厚は特に制限されないが、通常5〜500μm程度であ
る。なお、液晶性ポリマーの膜厚が5μm以上であれ
ば、オートクレーブ滅菌やその後のガスバリア性が殆ど
低下しない。
また上記液晶性ポリマー層は接着層を介してヒートシ
ール層と積層されている。このヒートシール層は、ヒー
トシール可能なポリマー、例えば、オレフィン系ポリマ
ー、ポリエステル等を含有している。
上記オレフィン系ポリマーとしては、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマー、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等が例示される。これらのオレフィン系ポ
リマーのうち、ポリエチレン、特に高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレンやエチレン−
プロピレン共重合体、特に融点145〜160℃のエチレン−
プロピレン共重合体が好ましい。なお、液晶性ポリマー
層とオレフィン系ポリマー層とを積層することにより、
水蒸気バリア性をより一層高めることができる。
またポリエステルとしては、多価カルボン酸、多価ア
ルコール、ヒドロキシカルボン酸、必要に応じて、少量
の一価のカルボン酸、一価のアルコールを構成成分とす
るポリエステル、特にホットメルト接着性を有するポリ
エステル、中でも軟化点130℃以上のポリエステルが好
ましい。
多価カルボン酸としては、二価以上のカルボン酸、例
えば、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸等の脂肪族多価カルボン酸;1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、;フタル酸、無
水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリッ
ト酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロ
メリット酸、トリメシン酸、ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、3−スル
ホイソフタル酸等の芳香族多価カルボン酸等が例示され
る。これらの多価カルボン酸は一種以上混合して使用で
きる。上記多価カルボン酸のうちテレフタル酸を主成
分、例えば多価カルボン酸成分中の30〜80モル%とする
のが好ましく、他の多価カルボン酸成分としてアジピン
酸、セバシン酸、イソフタル酸が好ましい。
多価アルコールとしては、二価以上のアルコール、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、グリセロース、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族多
価アルコール;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、4,4′−ビス(2−ヒドロキシエチル)フェニ
ル−2,2−プロパン、4,4′−ビス(2−ヒドロキシプロ
ピル)フェニル−2,2−プロパン、4,4′−ビス(2−ヒ
ドロキシエトキシエチル)フェニル−2,2−プロパン等
の芳香族多価アルコールが例示される。これらの多価ア
ルコールは一種以上混合して使用できる。上記多価アル
コールのうち、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、オキシプロピオン酸
等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;ヒドロキシ安息香酸
等の芳香族ヒドロキシカルボン酸が例示され、一種以上
混合して使用できる。
なお、ここにいうポリエステルは、該ポリエステルの
構成成分をセグメント構成成分とする他のポリマー、例
えば、ポリエステルエーテル、ポリエステルアミド、ポ
リエステルカーボネート等も含まれる。
前記オレフィン系ポリマー及びポリエステルは、一種
又は二種以上混合して使用される。またオレフィン系ポ
リマー及びポリエステルは、ヒートシール層に少なくと
も50重量%、好ましくは75重量%以上含有され、前記
の熱可塑性樹脂、低分子有機化合物や粘着付与剤、ワ
ックス等、無機物等を含有していてもよい。
なお、ヒートシール層は、複数の層で構成してもよ
い。ヒートシール層の膜厚はヒートシール性を損わない
範囲で適宜設定できるが、通常、1〜100μm、好まし
くは5〜75μm程度である。
なお、上記ポリエステルは、溶融状態及び冷却固化後
でも液晶性ポリマー層に対して接着性を示す。本発明で
は、高い接着性を得るため、ヒートシール層が前記ポリ
エステルを含有する場合であっても、液晶性ポリマー層
とヒートシール層とは接着層を介して積層する。
上記接着層としては、例えば、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体等のフィルム接着用ポリマー、アルキ
ルチタネート等のアンカーコート剤等であってもよい
が、変性ポリオレフィンやポリウレタン、特にポリウレ
タンが好ましい。
上記変性ポリオレフィンとしては、官能基が導入され
た変性ポリオレフィンが好ましい。官能基としては、例
えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アミノ基等、特にカルボキシ基、グリシジル
基、アルコキシシラン基が好ましい。これらの官能基は
複数組合せてもよい。このような変性ポリオレフィンと
しては、例えば、カルボキシ変性ポリオレフィン、グリ
シジル変性ポリオレフィン、アルコキシシラン変性ポリ
オレフィン、カルボキシ変性エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、グリシジル変性エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、アルコキシシラン変性エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、カルボキシ変性エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、グリシジル変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体、アルコキシシラン変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体等が例示される。
またポリウレタンとしては、脂肪族、脂環族や芳香族
ポリイソシアネートと、多価アルコールやポリアミン等
との反応生成物が使用され、該ポリウレタンは、遊離の
イソシアネート基等を有していてもよい。
変性ポリオレフィンやポリウレタン等は、一種又は二
種以上混合して使用され、接着層に少なくとも50重量
%、好ましくは75重量%以上含有され、前記の熱可塑
性樹脂、低分子有機化合物や粘着付与剤、ワックス
等、無機物等を含有していてもよい。また接着層は複
数層で構成されていてもよい。接着層の膜厚は特に制限
されないが、通常塗布量1〜25g/m2程度で十分である。
また本発明の医療用物品の包装材料は、液晶性ポリマ
ー層のうち少なくとも一方の面に接着層を介して、ヒー
トシール層が形成されていればよい。すなわち、第1図
に示されるように、液晶性ポリマー層(1)の一方の面
に、接着層(3)を介してヒートシール層(2)が積層
されていてもよく、第2図に示されるように、液晶性ポ
リマー層(11)の一方の面に接着層(13a)を介してヒ
ートシール層(12)が積層され、他方の面に接着層(13
b)を介して他のポリマー層(14)が積層されていても
よい。
上記他のポリマー層のポリマーとしては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、エチレングリコールの一部
を1,4−シクロヘキサンジメタノールやジエチレングリ
コール等で置換したいわゆるPET−G、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアセ
タール、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル等が使用で
きる。またこれらのポリマー層は、一軸又は二軸延伸さ
れていてもよい。
これらの他のポリマー層を積層することにより、フィ
ルムの強度や腰等を調整することができる。
本発明の医療用物品の包装材料の積層形態は、図示の
構造に限定されるものではなく、種々の形態で構成する
ことができる。
本発明の医療用物品の包装材料は、従来慣用の方法、
例えばドライラミネート法、押出しラミネート法、共押
出し多層成形法で形成することができる。なお、ラミネ
ート加工に際しては、コロナ放電処理、スパッタリング
処理、高周波処理、火炎処理、クロム酸処理、溶剤エッ
チング処理、アンダーコート処理等や、これらを組合せ
た表面処理を施してラミネートしてもよい。
さらには、本発明の医療用物品の包装材料は、ロール
延伸、ベルト延伸、テンター延伸、チューブ延伸等の延
伸手段により、適宜の倍率に一軸または二軸延伸されて
いていてもよい。なお、液晶性ポリマー層及びヒートシ
ール層のうち少なくとも一方が延伸されていればよい。
本発明の医療用物品の包装材料は、耐熱性、ガスバリ
アー性等に優れる液晶性ポリマー層とヒートシール層と
で構成されているため、アミノ酸輸液、脂肪輸液やビタ
ミン輸液等の薬液封入用のプラスチックバッグや、従来
使用されていたプラスチックバッグを封入保存する包装
材料等として好適である。
[発明の効果] 以上のように、本発明の医療用物品の包装材料によれ
ば、サーモトロピック液晶性ポリマーを含有する液晶性
ポリマー層と、ヒートシール層とが接着層を介して積層
されているので、酸化ケイ素層等を形成することなく、
オートクレーブ滅菌時やその後のガスバリア性の低下、
ひいては薬液の変質を防止できる。また液晶性ポリマー
を構成要素としながらも、優れたヒートシール性を有す
ると共に、透明性を有する。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1 前記反復単位I、IIで構成されたポリエステル(A)
からなる液晶性ポリマー(ポリプラスチック(株)製、
商品名ベクトラA900)のペレットを、通常のTダイ押出
機を用いて厚み15μmのフィルムに成形した。この液晶
性ポリマーフィルムの表面をコロナ放電処理し、ウレタ
ン系接着剤(住友3M(株)製、商品名3M−8101)を、上
記フィルムの一方の面に乾燥後の塗布量5g/m2の条件で
塗布し、未延伸ポリプロピレン(住友化学工業(株)
製、商品名ノーブレンFS2011D)を積層することによ
り、膜厚15μmの液晶性ポリマーフィルムの一方の面
に、接着層を介して、膜厚50μmのヒートシール層が積
層された複合フィルムを作製した。
実施例2 実施例1の未延伸ポリプロピレンに代えて、ポリエス
テル(旭化成(株)製、商品名ハーデックA1300、軟化
点164℃)を用いる以外、実施例1と同様にして、15μ
mの液晶性ポリマーフィルムの一方の面に、接着層を介
して、ポリエステルからなる50μmのヒートシール層が
積層された複合フィルムを作製した。
実施例3 実施例1の複合フィルムのうち液晶性ポリマーフィル
ムの他方の面に、実施例1のウレタン系接着剤を乾燥後
の塗布量5g/m2の条件で塗布し、膜厚60μmの二軸延伸
ナイロン6フィルム(ユニチカ(株)性、商品名エンブ
レム)を積層することにより、膜厚15μmの液晶性ポリ
マーフィルムの一方の面に、接着層を介して、膜厚50μ
mのポリプロピレンからなるヒートシール層が積層さ
れ、他方の面に、接着層を介して、膜厚60μmの二軸延
伸ナイロン6からなるポリマー層が積層された複合フィ
ルムを作製した。
実施例4 実施例3の二軸延伸ナイロン6フィルムに代えて、膜
厚50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東レ
(株)製、商品名ルミラー)を用いる以外、実施例3と
同様にして、膜厚15μmの液晶性ポリマーフィルムの一
方の面に、積着層を介して、膜厚50μmのポリプロピレ
ンからなるヒートシール層が積層され、他方の面に、接
着層を介して、膜厚50μmの二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートからなるポリマー層が積層された複合フィル
ムを作製した。
実施例5 実施例1と同様にした作製した膜厚15μmの液晶性ポ
リマーフィルムの一方の面に、実施例1のウレタン系接
着剤を乾燥後の塗布量5g/m2となる条件で塗布し、実施
例3で用いた膜厚60μmの二軸延伸ナイロン6フィルム
を積層した。また液晶性ポリマーフィルムの他方の面
に、実施例1のウレタン系接着剤を乾燥後の塗布量5g/m
2となる条件で塗布し、実施例2のポリエステルを積層
し、ポリエステルからなる膜厚30μmのヒートシール層
を形成した。
比較例1 膜厚20μmのアルミニウム箔の一方の面に、実施例1
のウレタン系接着剤を乾燥後の塗布量5g/m2となる条件
で塗布し、実施例3の二軸延伸ナイロンフィルムを積層
し、膜厚60μmの二軸延伸ナイロンからなるポリマー層
を形成した。また上記アルミニウム箔の他方の面に、実
施例1のウレタン系接着剤を乾燥後の塗布量5g/m2とな
る条件で塗布し、実施例1の未延伸ポリプロピレンを積
層し、膜厚30μmの未延伸ポリプロピレンからなるヒー
トシール層を形成した。
比較例2 比較例1のアルミニウム箔に代えて、一方の面に酸化
ケイ素を厚み600Åに蒸着した酸化ケイ素蒸着ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを用いる以外、比較例1と
同様にして、酸化ケイ素蒸着ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの一方の面に、接着層を介して、膜厚60μm
の二軸延伸ナイロンフィルムが積層され、他方の面に、
接着層を介して、膜厚30μmの未延伸ポリプロピレンか
らなるヒートシール層が積層された複合フィルムを作製
した。
比較例3 比較例1のアルミニウム箔に代えて、一方の面に可塑
剤を含むポリ塩化ビニリデンがコート(Kコート)され
たポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる以外、
比較例1と同様にして、Kコートポリエチレンテレフタ
レートフィルムの一方の面に、接着層を介して、膜厚60
μmの二軸延伸ナイロンフィルムが積層され、他方の面
に、接着層を介して、膜厚30μmの未延伸ポリプロピレ
ンからなるヒートシール層が積層された複合フィルムを
作製した。
比較例4 可塑化されたポリ塩化ビニルを膜厚60μmにフィルム
化した。
そして、温度130℃、30分間のオートクレーブ滅菌処
理前後の酸素ガス透過率を温度20℃、相対湿度80%の条
件で測定した。また各実施例及び各比較例のフィルムを
用い、四方をヒートシールすることにより、アミノ酸輸
液を封入したバッグを作製し、内容物を目視可能である
か否かを下記の基準で評価した。
可 :内容物を目視可能 不可:内容物を目視できない 表より明らかなように、比較例3及び4のフィルムで
は滅菌処理後のガスバリア性が著しく低下し、可塑剤が
溶出していた。比較例2のフィルムは不透明であり、内
容物を確認できなかった。また比較例3のフィルムは、
ガスバリア性に優れるものの、取扱い時に酸化ケイ素層
にクラックが生じた。これに対して、各実施例のフィル
ムは、いずれも、滅菌処理前後におけるガスバリア性に
優れると共に、透明性を有していた。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ本発明の医療用物品の包装
材料の一積層形態を示す概略断面図である。 (1)(11)……液晶性ポリマー層、 (2)(12)……ヒートシール層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーモトロピック液晶性ポリマーを含有す
    る液晶性ポリマー層と、ヒートシール層とが接着層を介
    して積層されていることを特徴とする医療用物品の包装
    材料。
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