JP2809438B2 - 耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2809438B2
JP2809438B2 JP20477089A JP20477089A JP2809438B2 JP 2809438 B2 JP2809438 B2 JP 2809438B2 JP 20477089 A JP20477089 A JP 20477089A JP 20477089 A JP20477089 A JP 20477089A JP 2809438 B2 JP2809438 B2 JP 2809438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chondroitinase
sulfate
chondroitin
producing
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20477089A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0372875A (ja
Inventor
ウェイン・ベラミー
弘毅 掘越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan, RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Priority to JP20477089A priority Critical patent/JP2809438B2/ja
Publication of JPH0372875A publication Critical patent/JPH0372875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2809438B2 publication Critical patent/JP2809438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、バチルスsp.BH100株(FERM−P10408)によ
り製造される新規の耐熱性コンドロイチナーゼ、及びこ
れの製造のための新規のプロセスに関する。
〔従来の技術〕
コンドロイチナーゼ(コンドロイチン硫酸リアーゼ)
は硫酸ムコ多糖コンドロイチン−4−硫酸(別名:コン
ドロイチン硫酸A)、デルマタン硫酸(別名:コンドロ
イチン硫酸B)、コンドロイチン−6−硫酸(別名:コ
ンドロイチン硫酸C)、及び非硫酸ムコ多糖ヒアルロン
酸における特定のグリコシド結合を切断させる酵素であ
る。この反応による製品は、ムコ多糖基質の鎖の短かく
なった断片である。
コンドロイチナーゼは、コンドロイチン硫酸構造の研
究分野及び人体組織及び体液におけるコンドロイチン硫
酸の検出のための酵素分析に応用がきく。更に、コンド
ロイチナーゼは、アイローション及び化粧品などの添加
物として、あるいは治療用剤としての潜在的可能性を有
するコンドロイチン硫酸或いは、ヒアルロン酸の低分子
量フラグメントの製造に利用される。
バチルス属のバクテリアによってコンドロイチナーゼ
を製造する事は新規のことである。以前には、コンドロ
イチン硫酸を分解させる酵素は、次の属に属するバクテ
リアの培養にしか見出す事はできなかった。すなわち、
フラボバクテリウム属〔(先例1)ジャーナル オブ
バイオケミストリー243:1523(1968);バイオケミカル
ジャーナル151:121(1975);アプライド マイクロ
バイオロジー29:414(1975);ジャーナル オブ バイ
オケミストリー80:1209(1976);ビオキミカ ビオフ
ィジカ アクタ923:291(1987)〕,プロテウス属
〔(先例2) ジャーナル オブ バイオケミストリー
243:1523(1968);メソッド イン エンザイモロジー
28:911(1972);ジャーナル オブ ジェネラル マイ
クロバイオロジー80:515(1974);バイオケミカル ジ
ャーナル145:397(1975);ジャーナル オブ アグリ
カルチュラル アンド バイオロジカル ケミストリー
50;1057(1986)〕,バクテロイデス属〔(先例3)ジ
ャーナル オブ バクテリオロジー143:772(1980);
ジャーナル オブ クリニカル マイクロバイオロジー
14:153(1981);ジャーナル オブ バクテリオロジイ
156:859(1983);アプライド アンド エンバイロメ
ンタル マイクロバイオロジー51:978(1986)〕,;アー
スロバクター属〔(先例4)ジャーナル オブ バイオ
ケミストリー78:1183(1975);ジャーナル オブ バ
イオケミストリー82:429(1977)〕,シュードモナス属
〔(先例5)ビオヒェーミッシェ ツァイトシュリフト
234:345(1931)〕,コリネバクテリウム属〔(先例
6)アプライド マイクロバイオロジー16:1434(196
8)〕,ストレプトコッカス属〔(先例7)マイクロバ
イオロジー アンド イミューノロジー31:1127(198
7);FEMSマイクロバイオロジー レター57:121(198
9)〕,アエロモナス属〔(先例8)ジャーナル オブ
バイオロジカル ケミストリー250:1824(1975)〕,
ビブリオ属,ベネキア属,マイクロコッカス属[(先例
9,10,11)アプライド マイクロバイオロジー29:414(1
975)〕。
これ等従来のコンドロイチナーゼは全て、熱変性に極
めて敏感であり、50℃以上の温度では完全かつ不可逆的
に変性してしまう。現在のところは、フラボバクテリウ
ムヘパリナム,プロテウス,ブルガリス及びアースロバ
クター オーレッセンスより製造のコンドロイチナーゼ
のみが市販されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のコンドロイチナーゼは全て、酵素製造及び回収
のコストが高いこと、及び保存及び使用中の安定性が低
いなどの様な一つ或いは複数の欠点を持っており、その
実際の応用範囲を限られたものにしてしまっている。従
来の酵素に比較して、50℃以上の温度でも活性を保持す
る耐熱性コンドロイチナーゼは、50℃以下の温度での精
製、保存及び使用において、より安定であり、更に、よ
り反応を高めたい場合には、より高温の80℃までの使用
も可能である。
本発明の目的は、耐熱性の高い、新規のコンドロイチ
ナーゼ(以後、“本酵素”と称する)を供給する事にあ
る。
本発明のもう一つの目的は、本酵素の製造方法を提供
する事にある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、75〜80℃の温度範囲で、最高の
活性を有する新規のコンドロイチナーゼを製造し、当該
コンドロイチナーゼを採取するバチルス属に属する株を
培養する事を特徴とする当該新規のコンドロイチナーゼ
の製造のための新規の方法を供給することにあり、本発
明に従えば、耐熱安定性の高い新規のコンドロイチナー
ゼを得ることができる。
1.本発明に使用する微生物 本発明で使用する微生物は土壌中から見出されたもの
でバチルスsp.BH100株とされる微生物である。この微生
物は、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託し当機関
において寄託番号FERM−P10408が付与されている。この
株は、特願昭63−297807号(1989年11月25日)に開示さ
れているヘパリナーゼを製造するための新規のプロセス
において使用される。
バチルスsp.BH100株(FERM−P10408)の分類学上の特
徴は次の通りである。
形態学的性質 グラム染色 陽性 細胞サイズ 0.6−0.8μm×3.6μm 胞子のうの膨潤 陽性 胞子配置 末端 パラ胞子クリスタル 陰性 運動性 陽性 成長特性 好気的成長 陽性 嫌気的成長 陽性 成長温度 最高 55℃ 最低 20℃ 最適 45℃ リゾチーム(0.001%)存在下での成長 陽性 アザイド(0.02%)存在下での成長 陰性 NaCl存在下での成長 2.0% 陽性 5.0% 陰性 7.0% 陰性 10 % 陰性 pH6.8(栄養培地)での成長 陽性 pH5.7(サブロー培地)での成長 陽性 NaCl及びKClの要求性 陰性 成長因子の要求性 なし 生化学的特質 カタラーゼ 陽性 V−Pテスト 陰性 V−P培地でのpH 6.5−7.0 酸生成 D−リボースから 陽性 D−キシロースから 陽性 L−ラムノースから 陽性 D−ガラクトースから 陽性 D−フルクトースから 陽性 D−アラビノースから 陽性 L−アラビノースから 陽性 ラフィノースから 陽性 D−マンノースから 陽性 マルトースから 陽性 スクロースから 陽性 ラクトースから 陽性 D−グルコースから 陽性 D−トレハロースから 陽性 グリセロールから 陽性 D−マンニトールから 陽性 ソルビトールから 陰性 m−エリスリトールから 陽性 イノシトールから 陽性 アドニトールから 陽性 発酵炭水化物からのガス生成 陰性 インドール生成 陰性 ジヒドロキシアセトン生成 陰性 結晶性デキストリン生成 陰性 硝酸塩の還元 陰性 クエン酸塩の資化性 陽性 プロピオン酸塩の資化性 陰性 チロシンの分解 陰性 デンプンの加水分解 陰性 カゼインの加水分解 陰性 ヘパリンの分解 陽性 heparan sulfateの分解 陽性 4−硫酸コンドロイチンの分解 陽性 硫酸デルマタン 陽性 6−硫酸コンドイチンの分解 陽性 ヒアルロン酸の分解 陽性 ポリガラクチュロン酸の分解 陰性 DNA中のグアニン+シトシン含量 57%モル 耐熱性コンドロイチナーゼの製造を意図して、本発明
者は、50℃以上の温度で活性を維持するコンドロイチナ
ーゼの製造のため、バチルスsp.BH100株(FERM−P1040
8)のテストを行なった。その結果として、80℃までの
温度で活性を維持する新規のコンドロイチナーゼを発見
し、本発明を完成した。
2.微生物の増殖 バチルスsp.BH100株の培養の培地としては、炭素源、
窒素源、及び無機塩を含む通常の培地が使用される。炭
素源としては、同化できるものであれば何でも利用でき
る。例えば、典型的な例を挙げればD−グルコース、マ
ルトース、キシロース、スクロース、クエン酸、コハク
酸、トリプトン或いはペプトンなどである。窒素源とし
ては、例えば、イースト・エキス、ペプトン、トリプト
ン、肉エキス、コーンスチープリカー、アミノ酸溶液、
等々、或いは、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等
々の様な無機窒素が挙げられる。更に、上記の炭素、及
び窒素源に加えて、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム等々の種々の塩基を加える事も可能
である。他の増殖成分を必要ではないが、葉酸、パント
テン酸カルシウム塩、ビオチン、リボフラビン、チアミ
ン、等々の材料を加える事は可能である。更に、希望す
るのであれば、寒天、ゼラチン、ジェランガム等々のゲ
ル化剤を加える事も可能である。培地は適当な酸及びベ
ースを加える事によりpH6.5から8.0の範囲内に調整さ
れ、高圧殺菌により殺菌される。
バチルスsp.BH100株によるコンドロイチナーゼ合成
は、培養培地内にコンドロイチン硫酸が存在する時に誘
導される。コンドロイチナーゼの製造のためには、コン
ドロイチン−6−硫酸が培養培地に0.05から10.0グラム
/リッター、望ましくは1.0から2.0グラム/リッターの
濃度で加えられる。
培地の具体例としては、リッター当り10.0グラムのト
リプトン、1.0グラムの酵母エキス、3.5gのK2HPO4,2.0
グラムのMgCl2・6H2O,2.0グラムのコンドロイチン−6
−硫酸を含有し、NaOHを添加する事によりpH7.4に調整
した液体培地が挙げられる。
バチルスsp.BH100株は、20℃から50℃で、望ましく
は、35℃から45℃の好気的条件下で培養される。
2.本酵素の取得法 本酵素を製造する株は、リッター当り0.05から10.0グ
ラム、望ましくは1.0から2.0グラムのコンドロイチン−
6−硫酸を誘導物質として含有する、上記の様な適正培
地内で35℃から45℃の好気的条件下で12から72時間でイ
ンキュベートされた。
本酵素の分離及び精製は、例えば、以下の様に遂行さ
れる。コンドロイチナーゼを含有する培養培地から遠心
分離、マイクロフィルトレーション、その他従来の方式
により菌体を除去する。この段階で、粗コンドロイチナ
ーゼは、硫酸アンモニウム、或いはアセトンによる沈
澱、ポリエチレン・グリコールによる透析或いは限外濾
過などの様な従来の方式を利用して濃縮する事ができ
る。他の方法としては、この粗コンドロイチナーゼは、
その様な手段を用いずに更に処理してもよい。
粗コンドロイチンは、通常のイオン交換、及びゲル濾
過方法と云った様なクロマトグラフィー的手段にかけら
れ、そして、クロマトフォーカシング、分離用等電点電
気フォーカシング、電気泳動等々の様な蛋白精製技術と
してよく知られた、他の従来の方法によって分別され、
これにより本酵素を取得する。
本酵素を取得するための望ましい方法は、例を挙げれ
ば以下の様になる。バチルスsp.BH100株を、上記の様
な、誘導物質としてリッター当り1.0から2.0グラムのコ
ンドロイチン−6−硫酸を含有する適正な培地におい
て、35℃から45℃の好気性条件下で36から40時間培養す
る。得られる培養物を、8000×gで30分間遠心分離にか
け菌体を培養物の培養液上清から除去する。固形硫酸ア
ンモニウムを培養液上清に70%飽和まで加え、その溶液
を5℃で最低3時間放置し、粗コンドロイチナーゼを含
有する沈澱物を形成させる。この沈澱物を8000×gで30
分間遠心分離にかけ回収し、10mM HEPES緩衝液pH7.4に
溶解する。この粗コンドロイチナーゼ溶液を、5℃で24
時間、10mM HEPES緩衝液pH7.4の100容(2回交換)に対
して5℃で24時間透析する。この透析物を同緩衝液で平
衡化した硫化セルロファインのカラムにかけ、該酵素
を、10mM HEPES,pH7.4緩衝液中、0から0.3M NaClの濃
度勾配で溶出した。約0.1M NaClで溶出した活性分画を
回収し、アミコンPM10膜を使用して限外濾過により濃縮
した。この濃縮物は300mMのNaClを含有する50mM HEPES
緩衝液、pH7.5で平衡化されたSHODEX WS−2003カラムを
用い、ゲル パーミエーション クロマトグラフで更に
精製し、同緩衝液で溶出された。こうして取得された活
性クラクションは、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアク
リルアミド・ゲル電気泳動による試験時に単一蛋白バン
ドにより示される様に、精製コンドロイチナーゼのみを
含有する。
本酵素の活性の測定及び表示のために使用される紫外
線吸収分析法は次の様なものである。50mM HEPES緩衝液
pH7.4中に、20μの本酵素(適当に希釈されたもの)
及び50μの基質溶液〔コンドロイチン−4−硫酸5mg/
ml、デルマタン硫酸5mg/ml、コンドロイチン−6−硫酸
5mg/ml、或いはヒアルロン酸2mg/ml〕を含有する反応混
合液を30分間75℃で保持する。その後、20mM KCl−HCl
溶液pH2.0の2.0mlを加えてこの反応を停止する。又溶液
の吸光度は232nmで決定する。1国際単位の活性量は分
解生成物の5100cm-1M-1のモル吸光係数に基づいて、75
℃で1分間当り1μmolの二重結合を生成するのに必要
とする酵素の量とした。
3.本酵素の特徴 当該プロセスにより製造される当該酵素の酵素学上の
特徴は次の通りである: 作 用: コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4−硫
酸、ヒアルロン酸およびデルマタン硫酸の特定のグリコ
シド結合を脱離反応的に切断し、二重結合を生成する反
応を触媒し、232nmに紫外線吸収を示す、これ等のムコ
多糖基質の鎖の短かくなった断片を生成する。
基質特異性: コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4−硫
酸、ヒアルロン酸及びデルマタン硫酸の切断の相対的な
反応率は、およそ、それぞれ100%、90%、60%及び15
%である。
最適pH及び安定なpH範囲: 活性のための最適pHは、第1図に示した様に、pH5.5
から6.5の範囲内である。この酵素は、75℃で30分後の
活性を100%保持する条件下で、pH6.0から8.0の範囲内
で安定している。
耐熱性: pH6.0から8.0の範囲内で、75℃で30分間加熱後、100
%の酵素活性が残存し、75℃で3時間加熱後80%以上の
活性が残存する。
最適温度範囲: 活性のための最適温度範囲は、第2図に示す様に75℃
から80℃の範囲内である。
無機イオン及び他の試剤の影響: 酵素活性は、Cu2+,Cu+,Zn2+,Ag+及びPb2の1.0mM塩化
物存在下で、それぞれ、約99%、93%、73%、44%及び
36%低下する。1.0mMのCa2+,Mg2+,Mn2,Ba2+,Li2+,Ni2+
及びCo2+の塩化物は、活性に影響しない。1mMのジチオ
スレイトール、2−メルカプトエタノール、L−システ
イン、ヨード酢酸、フェニルメタンスルホニルフルオリ
ド、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩、及び、エ
チレングリコール(β−アミノエチール・エーテル)−
N,N,N′,N′−四酢酸の存在は酵素活性には影響を与え
ない。
分子量: 本酵素の分子量は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリア
クリルアミド電気泳動で4−20%の濃度勾配ゲルを用い
て分子量標準蛋白質を参照した見積りによると53,000で
ある。
本酵素の理化学的性質を従来の三種のコンドロイチナ
ーゼのそれと比較すると第1表の通りである。
以下の実施例は、本発明の概略説明にすぎない。
〔実施例1〕 バチルス属sp.BH100株により、コンドロイチナーゼ合
成の誘導は以下のようにして調べられた。BH100株は、
それぞれ1リットルあたり、10.0gのトリプトン、1.0g
イースト・エキス、3.5gのK2HPO4,2.0gのMgCl2−6H2Oの
培地にNaOHを加えてpH7.4に調整したものを含有する5.0
mlの殺菌培地で培養された。コンドロイチナーゼの潜在
誘導物質は下記のように加え、最終的にリットルあたり
2.0gの濃度にした、そして培養物を45℃で振盪しつつイ
ンキュベートした。培養36時間後、菌体は、遠心分離に
より除去され、培養物上清におけるコンドロイチナーゼ
活性が紫外線吸収アッセイ法を用いて定量された。
上記第2表のデータに示されるように、BH100株によ
るコンドロイチナーゼ合成は生育培地中のコンドロイチ
ン−6−硫酸或いはコンドロイチン−4−硫酸又はデル
マタン硫酸の存在下で誘導され、本酵素の生産は、他の
テストされた化学試薬の存在によって誘導されない。
実施例2 バチルスsp.BH100菌株(FERM−P10408)は、NaOHを加
えてpH7.4に調節された、トリプトン10.0g,イーストエ
キス1.0g,K2HPO4の3.5g,MgCl2・6H2O2.0g,コンドロイチ
ン−6−硫酸2.0gを1リットルあたり含有する殺菌培地
5中、36時間40℃で好気的にインキュベートされた。
得られた培養物は培養液上清から菌体を除去するために
30分間×8000×gで遠心分離された。固体硫酸アンモニ
ウムが70%の飽和度に達するように、培養液上清に添加
され、該溶液は、粗コンドロイチナーゼを含有する沈澱
を形成するように5℃で3時間放置された。該沈澱は30
分間8000×gの遠心分離により回収され、10mM HEPESバ
ッファーpH7.4に溶解された。該粗コンドロイチナーゼ
溶液は10mM HEPESバッファーpH7.4、100容(2回交換)
に対して5℃で24時間透析された。その後の精製工程
は、室温で行なわれた。透析物は、同バッファーで平衡
化された硫酸化セルロファインのカラムにかけられ、該
酵素は、10mM HEPESバッファー,pH7.4中0−0.3M NaCl
の濃度勾配により溶出された。約0.1M NaClで溶出した
活性分画は回収され、アミコン(Amicon)PM10膜を用い
る限外濾過により濃縮された。この濃縮物は300mMのNaC
lを含有する50mM HEPES緩衝液、pH7.5で平衡化されたSH
ODEX WS−2003カラムを用い高速液体クロマトグラフで
精製した。このようにして得られた活性分画は、ドデシ
ル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
により調べたところ、一つの蛋白質バンドとして示され
た精製コンドロイチナーゼのみを含有するものと認めら
れた。本酵素の精製結果は第4表のとおりである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本酵素の活量に対するpHの影響を示す図であ
り、第2図は、本酵素の活量に対する温度の影響を示す
図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の理化学的性質: (1)作用:コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチ
    ン−4−硫酸、ヒアルロン酸及びデルマタン硫酸のグリ
    コシド結合を切断する作用を有し、 (2)基質特異性:コンドロイチン−6−硫酸、コンド
    ロイチン−4−硫酸、ヒアルロン酸及びデルマタン硫酸
    のグリコシド結合切断の相対的な反応率は、それぞれ、
    100%、90%、60%及び15%であり、 (3)最適pH及び安定なpH範囲:活性のための最適pHが
    5.5〜6.5であり、pH6.0〜8.0で安定しており(75℃で30
    分後に活性を100%保持する条件下)、 (4)耐熱性:pH6.0〜8.0において、75℃で30分間加熱
    後に100%の酵素活性が残存し、75℃で3時間加熱後に8
    0%以上の酵素活性が残存し、 (5)最適温度範囲:活性のための最適温度範囲が75℃
    〜80℃であり、 (6)無機イオンの影響:酵素活性が、1.0mMのCu2+,Cu
    +,Zn2+,Ag+及びPb2+の塩化物の存在下で、それぞれ、約
    99%、約93%、約73%、約44%及び約36%低下し、1.0m
    MのCa2+,Mg2+,Mn2+,Ba2+,Li2+,Ni2+及びCo2+の塩化物に
    よる影響を受けず、 (7)無機イオン以外の試剤の影響:酵素活性が、1mM
    のジチオストレイトール、2−メルカプトエタノール、
    L−システイン、ヨード酢酸、フェニルメタンスルホニ
    ルフルオリド、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩
    及びエチレングリコール(β−アミノエチール・エーテ
    ル)−N,N,N′,N′−四酢酸による影響を受けず、及び (8)分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
    アミドゲル電気泳動分析により53,000の分子量を示す、 を有するコンドロイチナーゼ。
  2. 【請求項2】バチルス属に属するコンドロイチナーゼ生
    産菌を培養し、生成されたコンドロイチナーゼを採取す
    ることを特徴とする請求項1記載のコンドロイチナーゼ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】バチルス属に属するコンドロイチナーゼ生
    産菌がバチルスsp.BH100(FERM−P10408)である請求項
    2記載のコンドロイチナーゼの製造方法。
  4. 【請求項4】コンドロイチナーゼ生成菌株BH100(FERM
    −P10408)を培養し、生成されたコンドロイチナーゼを
    採取することを特徴とする請求項1記載のコンドロイチ
    ナーゼの製造方法。
JP20477089A 1989-08-09 1989-08-09 耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2809438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20477089A JP2809438B2 (ja) 1989-08-09 1989-08-09 耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20477089A JP2809438B2 (ja) 1989-08-09 1989-08-09 耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0372875A JPH0372875A (ja) 1991-03-28
JP2809438B2 true JP2809438B2 (ja) 1998-10-08

Family

ID=16496060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20477089A Expired - Fee Related JP2809438B2 (ja) 1989-08-09 1989-08-09 耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2809438B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109517777B (zh) * 2018-11-27 2021-07-09 常熟理工学院 一株枯草芽孢基因工程菌及其在制备小分子透明质酸中的应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0372875A (ja) 1991-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5362645A (en) Heparinase-producing microorganism belonging to the genus bacillus
JPH04278087A (ja) 新規ヘパリチナーゼ、その製造法及びその生産菌
JP2809438B2 (ja) 耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造方法
JP3026857B2 (ja) 新規プルラナーゼおよびその製造法
JP2825100B2 (ja) 低分子量コンドロイチン硫酸の製造方法
JP3799784B2 (ja) 2,6−ジアミノプリン−2’−デオキシリボシドおよび2’−デオキシグアノシンの製造法
JPH0515368A (ja) 新規プルラナーゼおよびその製造方法
US4918012A (en) Method for producing carnitine, L-carnitinamide hydrolase and method for producing same
JPH02234678A (ja) アミノ酸アミド加水分解酵素及びその使用
JP3014950B2 (ja) トレハロースの製造方法
JP3117691B1 (ja) 新規ヘパリチナーゼ及びその製造法
JPS6058068A (ja) 新規なアミンデヒドロゲナーゼm
JP3055041B2 (ja) α−1,2−マンノシダーゼ、その製造方法およびその生産菌
JP3027449B2 (ja) 新規シクロマルトデキストリナーゼ、その製造法及び該酵素を生産する微生物
JP2815450B2 (ja) コンドロイチン硫酸から誘導される不飽和二糖の製造方法
JP3110426B2 (ja) 新規ヘパリチナーゼ及びその製造法
JP2544480B2 (ja) プリンヌクレオシドホスホリラ―ゼおよびその製造方法
JPH0147150B2 (ja)
JP3110425B2 (ja) 新規ヘパリチナーゼ及びその製造法
JPH0358784A (ja) 新規なシクロマルトデキストリナーゼ及びその製造方法
JPH03108486A (ja) ヘパリナーゼをコードするプラスミド、このプラスミドを保持するヘパリナーゼ生産株及びヘパリナーゼの製造法
JPH0632611B2 (ja) γ―サイクロデキストリン合成酵素及びその製造法
JPH0561911B2 (ja)
JPH0141307B2 (ja)
JPH07184647A (ja) α−L−フコシダーゼ、その製造方法およびアルカリジェネス・デニトリフィカンス サブsp. デニトリフィカンス KSF−0901菌株

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees