JP2825100B2 - 低分子量コンドロイチン硫酸の製造方法 - Google Patents
低分子量コンドロイチン硫酸の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低分子量コンドロイチン硫酸の新規の製造
方法に関する。
方法に関する。
コンドロイチン硫酸は硫酸基をもつ多糖であり、動物
の軟骨組織から分離される。コンドロイチン硫酸の分子
量はそれが分離されたもとの組織によって異なるが、通
常5000から29000の範囲にある。
の軟骨組織から分離される。コンドロイチン硫酸の分子
量はそれが分離されたもとの組織によって異なるが、通
常5000から29000の範囲にある。
低分子量コンドロイチン硫酸(または低粘性コンドロ
イチン硫酸として知られる)は、分子量が通常1000から
6000の範囲にある硫酸基を持つオリゴ糖の混合物からな
り、酵素的方法によって生産される。
イチン硫酸として知られる)は、分子量が通常1000から
6000の範囲にある硫酸基を持つオリゴ糖の混合物からな
り、酵素的方法によって生産される。
酵素分解がコンドロイチン硫酸を部分的に分解する方
法として望ましいのは、出発物質の損失無しに、また不
要な副生物もなく、低分子量コンドロイチン硫酸が高収
率で得られるためである。酵素分解は、コンドロイチナ
ーゼ(またはコンドロイチン硫酸リアーゼとして知られ
る)を用いて行われるが、該酵素は、ある種のグリコシ
ド結合を切断し、多糖基質から鎖長の短くなったフラグ
メントを生成させることができる。従来は、アースロバ
クター(Arthrobacter)、フラボバクテリウム(Flavob
acterium)、プロテウス(Proteus)、バクテロイデス
(Bacteroides)、シュードモナス(Pseudomonas)、コ
リネバクテリウム(Corynebac−terium)、ストレプト
コッカス(Streptococcus)、アエロモナス(Aeromona
s)、ビブリオ(Vibrio)、ベネッケア(Beneckea)、
またはミクロコッカス(Micrococcus)の各属に属する
細菌の発酵によって、コンドロイチナーゼが得られてい
る。これらの従来コンドロイチナーゼはすべて、熱失活
に対して非常に感受性であり、50℃以上の温度では完全
かつ不可逆に失活する。従って、従来の酵素的な低分子
量コンドロイチン硫酸の製造方法は50℃以上の温度では
行うことができない。アースロバクターオーレッセンス
(Arthrobacter auerescens)OMT 6702(IAM18016)由
来のコンドロイチナーゼを用いて50℃以下でコンドロイ
チン硫酸の重合を分解することからなる、低分子量コン
ドロイチン硫酸の従来の酵素的製造方法は、日本特許JP
−039950(68.06.12)に公表されている。〔先例1〕。
法として望ましいのは、出発物質の損失無しに、また不
要な副生物もなく、低分子量コンドロイチン硫酸が高収
率で得られるためである。酵素分解は、コンドロイチナ
ーゼ(またはコンドロイチン硫酸リアーゼとして知られ
る)を用いて行われるが、該酵素は、ある種のグリコシ
ド結合を切断し、多糖基質から鎖長の短くなったフラグ
メントを生成させることができる。従来は、アースロバ
クター(Arthrobacter)、フラボバクテリウム(Flavob
acterium)、プロテウス(Proteus)、バクテロイデス
(Bacteroides)、シュードモナス(Pseudomonas)、コ
リネバクテリウム(Corynebac−terium)、ストレプト
コッカス(Streptococcus)、アエロモナス(Aeromona
s)、ビブリオ(Vibrio)、ベネッケア(Beneckea)、
またはミクロコッカス(Micrococcus)の各属に属する
細菌の発酵によって、コンドロイチナーゼが得られてい
る。これらの従来コンドロイチナーゼはすべて、熱失活
に対して非常に感受性であり、50℃以上の温度では完全
かつ不可逆に失活する。従って、従来の酵素的な低分子
量コンドロイチン硫酸の製造方法は50℃以上の温度では
行うことができない。アースロバクターオーレッセンス
(Arthrobacter auerescens)OMT 6702(IAM18016)由
来のコンドロイチナーゼを用いて50℃以下でコンドロイ
チン硫酸の重合を分解することからなる、低分子量コン
ドロイチン硫酸の従来の酵素的製造方法は、日本特許JP
−039950(68.06.12)に公表されている。〔先例1〕。
最近、本発明者らは新規コンドロイチナーゼ生産菌バ
チルス属菌菌株BH 100を発見し、該微生物を工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託し、該菌株は寄託番号FERM
−P10408を与えられた。本菌株は特願平1−204770号
(1989年8月9日)に示したように耐熱性コンドロイチ
ナーゼの新製法に利用されている。従来の酵素と異な
り、バチルス属菌菌株BH 100(FERM P−10408)由来の
コンドロイチナーゼは耐熱性で、50℃から90℃までの温
度で活性がある。
チルス属菌菌株BH 100を発見し、該微生物を工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託し、該菌株は寄託番号FERM
−P10408を与えられた。本菌株は特願平1−204770号
(1989年8月9日)に示したように耐熱性コンドロイチ
ナーゼの新製法に利用されている。従来の酵素と異な
り、バチルス属菌菌株BH 100(FERM P−10408)由来の
コンドロイチナーゼは耐熱性で、50℃から90℃までの温
度で活性がある。
従来の低分子量コンドロイチン硫酸の酵素的製法は、
一つないしはそれ以上の実際上の応用を限定するような
欠点、例えば酵素の安定性が低いことや基質を分解する
ための温度が低いといった欠点がある。従来の方法と比
べて、耐熱性コンドロイチナーゼを用いる製法は、該耐
熱性コンドロイチナーゼが精製、保存、および50℃以下
の温度での使用で優れた安定性を示すこと、さらにより
速い反応速度を得るためにもっと高い90℃までの温度で
すら使用することが可能であるという点で、有利であ
る。
一つないしはそれ以上の実際上の応用を限定するような
欠点、例えば酵素の安定性が低いことや基質を分解する
ための温度が低いといった欠点がある。従来の方法と比
べて、耐熱性コンドロイチナーゼを用いる製法は、該耐
熱性コンドロイチナーゼが精製、保存、および50℃以下
の温度での使用で優れた安定性を示すこと、さらにより
速い反応速度を得るためにもっと高い90℃までの温度で
すら使用することが可能であるという点で、有利であ
る。
本発明は、コンドロイチン硫酸をコンドロイチナーゼ
により50〜90℃で処理することを特徴とする低分子量コ
ンドロイチン硫酸の製造法にある。そして、このコンド
ロイチナーゼは好ましくはバチルス属菌(Bacillus s
p.)BH100株(FERM P−10408)の産出するコンドロイチ
ナーゼが用いられる。
により50〜90℃で処理することを特徴とする低分子量コ
ンドロイチン硫酸の製造法にある。そして、このコンド
ロイチナーゼは好ましくはバチルス属菌(Bacillus s
p.)BH100株(FERM P−10408)の産出するコンドロイチ
ナーゼが用いられる。
更に、本発明は、上記コンドロイチナーゼに代えてバ
チルス属に属するコンドロイチナーゼ生産菌の培養物、
菌体又はその処理物を使用し、これによりコンドロイチ
ン硫酸を50〜90℃で処理して低分子量コンドロイチン硫
酸を製造する方法も含まれる。
チルス属に属するコンドロイチナーゼ生産菌の培養物、
菌体又はその処理物を使用し、これによりコンドロイチ
ン硫酸を50〜90℃で処理して低分子量コンドロイチン硫
酸を製造する方法も含まれる。
なお、上記へパリナーゼ処理により得られた生成物の
低分子量コンドロイチン硫酸は常法により回収される。
低分子量コンドロイチン硫酸は常法により回収される。
本発明で使用する耐熱性コンドロイチナーゼは、バチ
ルス属菌菌株BH 100(FERM P−10408)の発酵によって
調製し、日本特許出願番号特願平1−204770号(1989年
8月9日)の「耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造
法」に述べた従来の方法によって精製した。
ルス属菌菌株BH 100(FERM P−10408)の発酵によって
調製し、日本特許出願番号特願平1−204770号(1989年
8月9日)の「耐熱性コンドロイチナーゼ及びその製造
法」に述べた従来の方法によって精製した。
本発明で用いたコンドロイチナーゼの酵素学的な性質
は以下の通りである。
は以下の通りである。
反 応: コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4−硫
酸、さらにより限定された条件下では、ヒアルロン酸、
およびデルマタン硫酸の脱離的開裂を触媒し、これらの
ムコ多糖から232nmの紫外線吸収を示す鎖長の短くなっ
たフラグメントを生成させる。
酸、さらにより限定された条件下では、ヒアルロン酸、
およびデルマタン硫酸の脱離的開裂を触媒し、これらの
ムコ多糖から232nmの紫外線吸収を示す鎖長の短くなっ
たフラグメントを生成させる。
基質特異性: コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4−硫
酸、ヒアルロン酸、およびデルマタン硫酸を脱離的に開
裂する相対反応速度は、それぞれおよそ100%,90%,60
%,および15%である。ヘパリン、ヘパラン硫酸、デキ
ストラン硫酸、およびポリガラクツロン酸は開裂しなか
った。
酸、ヒアルロン酸、およびデルマタン硫酸を脱離的に開
裂する相対反応速度は、それぞれおよそ100%,90%,60
%,および15%である。ヘパリン、ヘパラン硫酸、デキ
ストラン硫酸、およびポリガラクツロン酸は開裂しなか
った。
最適pHおよび安定なpHの範囲: 活性の最適pHはpH5.5から6.5までの範囲内にある。該
酵素は、75℃、30分後に100%の活性を維持していると
いう条件で、pH6.0から8.0の範囲で安定である。
酵素は、75℃、30分後に100%の活性を維持していると
いう条件で、pH6.0から8.0の範囲で安定である。
耐熱性: pH6.0から8.0までの範囲で、75℃、30分間の加熱後に
酵素活性は100%残存し、75℃、3時間の加熱後に活性
は80%以上残存している。
酵素活性は100%残存し、75℃、3時間の加熱後に活性
は80%以上残存している。
最適温度範囲: 活性の最適温度は75℃から80゜の範囲内である。
無機イオンおよびその他の試薬の影響: Cu2+,Cu+,Zn2+,Ag+,およびPb2+の塩化物は1.0mM存在
下で、酵素活性をそれぞれ約99%,93%,73%,44%,お
よび36%低下させる。Ca2+,Mg2+,Mn2+,Ba2+,Li2+,Ni2+,
およびCo2+の塩化物は1.0mMで活性に影響を与えなかっ
た。ジチオスレイトール、2−メカプトエタノール、L
−システイン、ヨード酢酸、フェニルメチルスルホニル
フルオライド、エチレンジアミンテトラ酢酸三ナトリウ
ム、およびエチレングリコール(β−アミノエチル−エ
ーテル)−N,N,N′、N′−テトラ酢酸は1mMで酵素活性
に影響を与えなかった。
下で、酵素活性をそれぞれ約99%,93%,73%,44%,お
よび36%低下させる。Ca2+,Mg2+,Mn2+,Ba2+,Li2+,Ni2+,
およびCo2+の塩化物は1.0mMで活性に影響を与えなかっ
た。ジチオスレイトール、2−メカプトエタノール、L
−システイン、ヨード酢酸、フェニルメチルスルホニル
フルオライド、エチレンジアミンテトラ酢酸三ナトリウ
ム、およびエチレングリコール(β−アミノエチル−エ
ーテル)−N,N,N′、N′−テトラ酢酸は1mMで酵素活性
に影響を与えなかった。
分子量: 本酵素の分子量は、分子量既知の標準タンパク質を対
照とした、4から20%の直線濃度勾配ゲルを用いたドデ
シル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
による測定では、53000である。
照とした、4から20%の直線濃度勾配ゲルを用いたドデ
シル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
による測定では、53000である。
生成物の低分子量コンドロイチン硫酸はコンドロイチ
ン硫酸にコンドロイチナーゼを作用させることによって
調製される。反応は、タンパク質濃度として0.05から5m
g/mlのコンドロイチナーゼを含む反応液を用い、1.0か
ら100mg/mlのコンドロイチン硫酸のバッファー水溶液
(pH5から8)を用いて行う。通常、バッファーは0.01
から0.2Mの濃度で使用され、5から8の範囲のpHを与え
るあらゆるバッファーを一般に使用することができ、例
えば燐酸カリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、
ほう酸ナトリウム、及びヘペス(HEPES)が典型的な例
として挙げられる。出発物質として用いたコンドロイチ
ン硫酸は、豚、牛、羊、鮫、いか、鯨または他の動物組
織に由来し、遊離のコンドロイチン硫酸または塩として
使用される。このコンドロイチン硫酸は豚、牛、羊また
はその他の動物組成から常法により調製されたものが用
いられる。反応は50℃から90℃で行うが、65℃から80℃
までが望ましい。反応の程度は、反応生成物の232nmの
吸光度の増加を継続的にまたは頻繁にモニターすること
により、測定する。反応は完了するまで行うことがで
き、それは反応生成物の吸光度がもはや増加しないこと
で示される。あるいはまた、反応が完了する前に、必要
とする反応生成物の平均分子量に対応した吸光度の値に
達したときに、終了させることができる。反応終了には
通常0.1から100時間を要するが、必要な総時間数は反応
温度、コンドロイチン硫酸濃度、および反応液に使用し
たコンドロイチナーゼの総量に依る。本発明に従って生
産された低分子量コンドロイチン硫酸は、コンドロイチ
ン硫酸から誘導された硫酸基を持つオリゴ糖の混合物
で、二糖、四糖、六糖、およびそれ以上の分子量範囲10
00から6000までのオリゴ糖を含む。コンドロイチン硫酸
にコンドロイチナーゼを作用させて生産された低分子量
コンドロイチン硫酸は、通常のイオン交換クロマトグラ
フィーやゲル瀘過クロマトグラフィーといった常法によ
って反応液から回収される。必要ならば、例えば適当な
溶媒沈澱、乾燥、または凍結乾燥によって、生成物を濃
縮することができる。
ン硫酸にコンドロイチナーゼを作用させることによって
調製される。反応は、タンパク質濃度として0.05から5m
g/mlのコンドロイチナーゼを含む反応液を用い、1.0か
ら100mg/mlのコンドロイチン硫酸のバッファー水溶液
(pH5から8)を用いて行う。通常、バッファーは0.01
から0.2Mの濃度で使用され、5から8の範囲のpHを与え
るあらゆるバッファーを一般に使用することができ、例
えば燐酸カリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、
ほう酸ナトリウム、及びヘペス(HEPES)が典型的な例
として挙げられる。出発物質として用いたコンドロイチ
ン硫酸は、豚、牛、羊、鮫、いか、鯨または他の動物組
織に由来し、遊離のコンドロイチン硫酸または塩として
使用される。このコンドロイチン硫酸は豚、牛、羊また
はその他の動物組成から常法により調製されたものが用
いられる。反応は50℃から90℃で行うが、65℃から80℃
までが望ましい。反応の程度は、反応生成物の232nmの
吸光度の増加を継続的にまたは頻繁にモニターすること
により、測定する。反応は完了するまで行うことがで
き、それは反応生成物の吸光度がもはや増加しないこと
で示される。あるいはまた、反応が完了する前に、必要
とする反応生成物の平均分子量に対応した吸光度の値に
達したときに、終了させることができる。反応終了には
通常0.1から100時間を要するが、必要な総時間数は反応
温度、コンドロイチン硫酸濃度、および反応液に使用し
たコンドロイチナーゼの総量に依る。本発明に従って生
産された低分子量コンドロイチン硫酸は、コンドロイチ
ン硫酸から誘導された硫酸基を持つオリゴ糖の混合物
で、二糖、四糖、六糖、およびそれ以上の分子量範囲10
00から6000までのオリゴ糖を含む。コンドロイチン硫酸
にコンドロイチナーゼを作用させて生産された低分子量
コンドロイチン硫酸は、通常のイオン交換クロマトグラ
フィーやゲル瀘過クロマトグラフィーといった常法によ
って反応液から回収される。必要ならば、例えば適当な
溶媒沈澱、乾燥、または凍結乾燥によって、生成物を濃
縮することができる。
本発明では、コンドロイチナーゼは(固定化されな
い)遊離型で使用される。コンドロイチナーゼを常法に
したがって固定化した後使用しうることは、明らかに本
発明の範囲にある。常法とはたとえば、(1)イオン交
換樹脂等の固相支持体に吸着させる、(2)シアノーゲ
ン−ブロマイドで活性化されたセファロース等の固相支
持体に共有結合させる、(3)限外瀘過膜、ホローファ
イバーフィルター等を用いてバイオリアクターに保持さ
せる、ことである。さらに、固定化されたコンドロイチ
ナーゼを包含するリアクターにコンドロイチン硫酸を連
続的に添加することによって、低分子量コンドロイチン
硫酸生成物が調製されることは、明らかに本発明の範囲
にある。この場合、流速および基質濃度は望ましい平均
分子量の生成物を達成するように調整する。
い)遊離型で使用される。コンドロイチナーゼを常法に
したがって固定化した後使用しうることは、明らかに本
発明の範囲にある。常法とはたとえば、(1)イオン交
換樹脂等の固相支持体に吸着させる、(2)シアノーゲ
ン−ブロマイドで活性化されたセファロース等の固相支
持体に共有結合させる、(3)限外瀘過膜、ホローファ
イバーフィルター等を用いてバイオリアクターに保持さ
せる、ことである。さらに、固定化されたコンドロイチ
ナーゼを包含するリアクターにコンドロイチン硫酸を連
続的に添加することによって、低分子量コンドロイチン
硫酸生成物が調製されることは、明らかに本発明の範囲
にある。この場合、流速および基質濃度は望ましい平均
分子量の生成物を達成するように調整する。
以下の実施例は本発明を説明するが、これに限定され
ることを意図しない。
ることを意図しない。
更に、コンドロイチナーゼに代えてバチルス属に属す
るコンドロイチナーゼ生産菌の培養物、菌体又は粗酵素
等の菌体処理物を用いる方法も本発明の範囲である。
るコンドロイチナーゼ生産菌の培養物、菌体又は粗酵素
等の菌体処理物を用いる方法も本発明の範囲である。
本酵素を取得するための望ましい方法は、例を挙げれ
ば以下の様になる。バチルスsp.BH100株を、上記の様
な、誘導物質としてリッター当り1.0から2.0グラムのコ
ンドロイチン−6−硫酸を含有する適正な培地におい
て、35℃から45℃の好気性条件下で36から40時間培養す
る。得られた培養物を、8000×gで30分間遠心分離にか
け菌体を培養物の培養液上清から除去する。固形硫酸ア
ンモニウムを培養液上清に70%飽和まで加え、その溶液
を5℃で最低3時間放置し、粗コンドロイチナーゼを含
有する沈澱物を形成させる。この沈澱物を8000×gで30
分間遠心分離にかけ回収し、10mM HEPES緩衝液、pH7.4
に溶解する。この粗コンドロイチナーゼ溶液を、5℃で
24時間、10mM HEPES緩衝液pH7.4の100容(2回交換)に
対して5℃で24時間透析する。この透析物を同緩衝液で
平衡化した硫化セルロファインのカラムにかけ、該酵素
を、10mM HEPES,pH7.4緩衝液中、0から0.3M NaClの濃
度勾配で溶出した。約0.1M NaClで溶出した活性分画を
回収し、アミコンPM10膜を使用して限外濾過により濃縮
した。この濃縮物は300mMのNaClを含有する50mM HEPES
緩衝液、pH7.5で平衡化されたSHODEX WS−2003カラムを
用い、ゲル パーミエーション クロマトグラフで更に
精製し、同緩衝液で溶出された。こうして取得された活
性フラクションは、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアク
リルアミド・ゲル電気泳動による試験時に単一蛋白バン
ドにより示される様に、精製コンドロイチナーゼのみを
含有する。
ば以下の様になる。バチルスsp.BH100株を、上記の様
な、誘導物質としてリッター当り1.0から2.0グラムのコ
ンドロイチン−6−硫酸を含有する適正な培地におい
て、35℃から45℃の好気性条件下で36から40時間培養す
る。得られた培養物を、8000×gで30分間遠心分離にか
け菌体を培養物の培養液上清から除去する。固形硫酸ア
ンモニウムを培養液上清に70%飽和まで加え、その溶液
を5℃で最低3時間放置し、粗コンドロイチナーゼを含
有する沈澱物を形成させる。この沈澱物を8000×gで30
分間遠心分離にかけ回収し、10mM HEPES緩衝液、pH7.4
に溶解する。この粗コンドロイチナーゼ溶液を、5℃で
24時間、10mM HEPES緩衝液pH7.4の100容(2回交換)に
対して5℃で24時間透析する。この透析物を同緩衝液で
平衡化した硫化セルロファインのカラムにかけ、該酵素
を、10mM HEPES,pH7.4緩衝液中、0から0.3M NaClの濃
度勾配で溶出した。約0.1M NaClで溶出した活性分画を
回収し、アミコンPM10膜を使用して限外濾過により濃縮
した。この濃縮物は300mMのNaClを含有する50mM HEPES
緩衝液、pH7.5で平衡化されたSHODEX WS−2003カラムを
用い、ゲル パーミエーション クロマトグラフで更に
精製し、同緩衝液で溶出された。こうして取得された活
性フラクションは、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアク
リルアミド・ゲル電気泳動による試験時に単一蛋白バン
ドにより示される様に、精製コンドロイチナーゼのみを
含有する。
本発明において、耐熱性のコンドロイチナーゼを用い
ることにより、低分子量コンドロイチナーゼが副生物の
生成なしに高収率で得られる。
ることにより、低分子量コンドロイチナーゼが副生物の
生成なしに高収率で得られる。
実施例1 低分子量コンドロイチン硫酸は、50mMヘペスバッファ
ーに5mg/mlコンドロイチン硫酸(鮫軟骨由来のタイプ
C)および50μg/mlのバチルス属菌菌株BH 100(FERM P
−10408)由来精製コンドロイチナーゼを含む反応液中
で調製した。該反応液は75℃でインキューベートした。
試料は一定時間毎に採取し、反応終了させるためにpH2.
0の20mM塩化カリウム−塩酸を添加して希釈し、232nmの
吸光度を測定して反応の程度をモニターした。結果を以
下に示す。
ーに5mg/mlコンドロイチン硫酸(鮫軟骨由来のタイプ
C)および50μg/mlのバチルス属菌菌株BH 100(FERM P
−10408)由来精製コンドロイチナーゼを含む反応液中
で調製した。該反応液は75℃でインキューベートした。
試料は一定時間毎に採取し、反応終了させるためにpH2.
0の20mM塩化カリウム−塩酸を添加して希釈し、232nmの
吸光度を測定して反応の程度をモニターした。結果を以
下に示す。
反応時間(分) 232nmでの吸光度 0 1.29 30 12.78 60 15.73 100 17.07 130 19.27 340 20.75 反応液からの各試料の一部(5μ)は、同量50%シ
ョ糖と混合し20%から30%までの直線濃度勾配ポリアク
リルアミドゲル上に重層した。電気泳動は、0.1Mほう
酸、0.1Mトリス、0.01M EDTA、pH8.3(陽極バッファ
ー)および0.2Mトリス、1.25Mグリシン、pH8.3(陰極バ
ッファー)を用いて、50mM定常電流で約1時間行った。
ゲル中の反応生成物は0.08%アズア(Azure)A水溶液
で染色した。該ゲルは蒸留水で洗浄し、反応生成物をさ
らに0.5%アルシアンブルー(Alcian Blue)の2%酢酸
溶液で30分間染色し、該ゲルは2%酢酸で脱色した。こ
の染色法では、高分子量コンドロイチン硫酸多糖鎖が低
分子量オリゴ糖より強く染色される。結果第1図に示
す。低分子量コンドロイチン硫酸がコンドロイチナーゼ
反応の生成物として得られ、反応時間にともなって上記
反応生成物の232nmの吸光度の増加がみられるのに応じ
て、生成物の平均分子量が低下することを、この結果は
示している。
ョ糖と混合し20%から30%までの直線濃度勾配ポリアク
リルアミドゲル上に重層した。電気泳動は、0.1Mほう
酸、0.1Mトリス、0.01M EDTA、pH8.3(陽極バッファ
ー)および0.2Mトリス、1.25Mグリシン、pH8.3(陰極バ
ッファー)を用いて、50mM定常電流で約1時間行った。
ゲル中の反応生成物は0.08%アズア(Azure)A水溶液
で染色した。該ゲルは蒸留水で洗浄し、反応生成物をさ
らに0.5%アルシアンブルー(Alcian Blue)の2%酢酸
溶液で30分間染色し、該ゲルは2%酢酸で脱色した。こ
の染色法では、高分子量コンドロイチン硫酸多糖鎖が低
分子量オリゴ糖より強く染色される。結果第1図に示
す。低分子量コンドロイチン硫酸がコンドロイチナーゼ
反応の生成物として得られ、反応時間にともなって上記
反応生成物の232nmの吸光度の増加がみられるのに応じ
て、生成物の平均分子量が低下することを、この結果は
示している。
低分子量コンドロイチン硫酸生成物は、蒸留水で前洗
浄し溶出したセファデックスG−25カラムを使用するゲ
ル瀘過によってコンドロイチナーゼを除いて回収し、該
生成物は凍結乾燥により濃縮された。低分子量コンドロ
イチン硫酸の回収率は90%であった。
浄し溶出したセファデックスG−25カラムを使用するゲ
ル瀘過によってコンドロイチナーゼを除いて回収し、該
生成物は凍結乾燥により濃縮された。低分子量コンドロ
イチン硫酸の回収率は90%であった。
実施例2 コンドロイチン硫酸の分解反応への温度の影響を以下
のようにして調べた。50mMヘペスバッファーpH7.0中に5
g/コンドロイチン硫酸(鮫軟骨由来のタイプC)およ
びバチルス属菌菌株BH100(FERM P−10408)由来の精製
コンドロイチナーゼを含む反応液を調製した。様々な温
度における相対反応速度は該反応液の232nm吸光度をモ
ニターすることにより測定した。結果を第2図に示す。
低分子量コンドロイチン硫酸の生成は、50℃から90℃ま
での温度範囲内で起こり、最大反応速度は約80℃に出現
したことを、この結果は示している。
のようにして調べた。50mMヘペスバッファーpH7.0中に5
g/コンドロイチン硫酸(鮫軟骨由来のタイプC)およ
びバチルス属菌菌株BH100(FERM P−10408)由来の精製
コンドロイチナーゼを含む反応液を調製した。様々な温
度における相対反応速度は該反応液の232nm吸光度をモ
ニターすることにより測定した。結果を第2図に示す。
低分子量コンドロイチン硫酸の生成は、50℃から90℃ま
での温度範囲内で起こり、最大反応速度は約80℃に出現
したことを、この結果は示している。
実施例3 コンドロイチン硫酸の分解反応へのpHの影響を以下の
ようにして調べた。様々なpH値の0.2Mカーモディ(Carm
ody)バッファー中に5g/コンドロイチン硫酸(鮫軟骨
由来のタイプC)およびバチルス属菌菌株BH 100(FERM
P−10408)由来の精製コンドロイチナーゼを含む反応
液を調製した。様々なpHにおける相対反応速度は、75℃
に保持した該反応液に232nm吸光度をモニターすること
により測定した。結果を第3図に示す。低分子量コンド
ロイチン硫酸の生成は、約pH4.0から10までのpH範囲内
で起こり、最大反応速度は約pH6.0で出現したことをこ
の結果は示している。
ようにして調べた。様々なpH値の0.2Mカーモディ(Carm
ody)バッファー中に5g/コンドロイチン硫酸(鮫軟骨
由来のタイプC)およびバチルス属菌菌株BH 100(FERM
P−10408)由来の精製コンドロイチナーゼを含む反応
液を調製した。様々なpHにおける相対反応速度は、75℃
に保持した該反応液に232nm吸光度をモニターすること
により測定した。結果を第3図に示す。低分子量コンド
ロイチン硫酸の生成は、約pH4.0から10までのpH範囲内
で起こり、最大反応速度は約pH6.0で出現したことをこ
の結果は示している。
第1図は酵素反応時間と生産物の分子量との関係を示す
図、第2図はコンドロイチン硫酸の分解反応への温度の
影響を示す図、第3図はコンドロイチン硫酸の分解反応
へのpHの影響を示す図である。
図、第2図はコンドロイチン硫酸の分解反応への温度の
影響を示す図、第3図はコンドロイチン硫酸の分解反応
へのpHの影響を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】コンドロイチン硫酸をコンドロイチナーゼ
により50〜90℃で処理することを特徴とする低分子量コ
ンドロイチン硫酸の製造方法。 - 【請求項2】コンドロイチナーゼがバチルス属菌菌株BH
100(FERM P−10408)から得られるものであることを特
徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】コンドロイチン硫酸をバチルス属に属する
コンドロイチナーゼ生産菌の培養物、菌体又はその処理
物により50〜90℃で処理することを特徴とする低分子量
ヘパリンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4129790A JP2825100B2 (ja) | 1990-02-23 | 1990-02-23 | 低分子量コンドロイチン硫酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4129790A JP2825100B2 (ja) | 1990-02-23 | 1990-02-23 | 低分子量コンドロイチン硫酸の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03247296A JPH03247296A (ja) | 1991-11-05 |
| JP2825100B2 true JP2825100B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=12604528
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4129790A Expired - Fee Related JP2825100B2 (ja) | 1990-02-23 | 1990-02-23 | 低分子量コンドロイチン硫酸の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2825100B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2804022B1 (fr) * | 2000-01-25 | 2002-03-08 | Ctpp Cooperative De Traitement | Compose de chondroitine sulfate de bas poids moleculaire a activite dermo-cosmetique et procede de fabrication |
| EP1308155B1 (en) * | 2001-10-12 | 2006-06-21 | Nipro Corporation | Injectable solution containing a colloid of iron and shark cartilage-derived chondroitin sulfate |
| JPWO2006068146A1 (ja) * | 2004-12-20 | 2008-06-12 | 生化学工業株式会社 | 新規コンドロイチン硫酸画分 |
| JP5063940B2 (ja) * | 2006-06-20 | 2012-10-31 | 生化学工業株式会社 | コンドロイチン硫酸・鉄コロイド製剤及びその製造方法 |
| JP5341411B2 (ja) * | 2008-06-16 | 2013-11-13 | 眞 八藤 | 低分子コンドロイチン硫酸の製造方法 |
| JP5435538B2 (ja) * | 2008-09-25 | 2014-03-05 | 国立大学法人鳥取大学 | コンドロイチン硫酸の低分子化物の製造方法 |
-
1990
- 1990-02-23 JP JP4129790A patent/JP2825100B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03247296A (ja) | 1991-11-05 |
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