JPH07246092A - カタラーゼ及びその製造方法 - Google Patents
カタラーゼ及びその製造方法Info
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- JPH07246092A JPH07246092A JP6086745A JP8674594A JPH07246092A JP H07246092 A JPH07246092 A JP H07246092A JP 6086745 A JP6086745 A JP 6086745A JP 8674594 A JP8674594 A JP 8674594A JP H07246092 A JPH07246092 A JP H07246092A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalase
- activity
- strain
- bacillus subtilis
- hydrogen peroxide
- Prior art date
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- Pending
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/0004—Oxidoreductases (1.)
- C12N9/0065—Oxidoreductases (1.) acting on hydrogen peroxide as acceptor (1.11)
-
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- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10S435/822—Microorganisms using bacteria or actinomycetales
- Y10S435/832—Bacillus
- Y10S435/839—Bacillus subtilis
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 pH7において、0℃におけるカタラーゼ活
性が30℃におけるカタラーゼ活性の95%以上の値を
示し、以下の性質を有する微生物由来のカタラーゼ及び
バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )IAM1
026株によるその製造方法。(1)至適温度が0〜3
0℃;(2)至適pHが7〜10;(3)10mMのフ
ッ化カリウムに対する耐性を有する;(4)SDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法により測定した分子量が
65,000±3,000 ;(5)等電点電気泳動により測定した
等電点が約4.8。 【効果】 本発明のカタラーゼは低温領域でも高いカタ
ラーゼ活性を有するため、冬季や寒冷地における過酸化
水素を含む排水の処理等に有効である。
性が30℃におけるカタラーゼ活性の95%以上の値を
示し、以下の性質を有する微生物由来のカタラーゼ及び
バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )IAM1
026株によるその製造方法。(1)至適温度が0〜3
0℃;(2)至適pHが7〜10;(3)10mMのフ
ッ化カリウムに対する耐性を有する;(4)SDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法により測定した分子量が
65,000±3,000 ;(5)等電点電気泳動により測定した
等電点が約4.8。 【効果】 本発明のカタラーゼは低温領域でも高いカタ
ラーゼ活性を有するため、冬季や寒冷地における過酸化
水素を含む排水の処理等に有効である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温において高いカタラ
ーゼ活性を有する新規なカタラーゼ及びその製造方法に
関する。本発明のカタラーゼは低温条件下でも過酸化水
素分解能を持つため、常温以上での用途に加えて、例え
ば冬季の排水処理、数の子漂白後の水処理等においても
有利である。
ーゼ活性を有する新規なカタラーゼ及びその製造方法に
関する。本発明のカタラーゼは低温条件下でも過酸化水
素分解能を持つため、常温以上での用途に加えて、例え
ば冬季の排水処理、数の子漂白後の水処理等においても
有利である。
【0002】
【従来の技術】半導体プロセスでの過酸化水素含有排水
の処理、繊維漂白プロセスでの残存過酸化水素の分解、
また食品分野では数の子の漂白に伴う残存過酸化水素の
分解等カタラーゼは広く利用されている。カタラーゼは
過酸化水素を分解する酵素であり、多くの生物によって
生産されることが知られている。微生物由来のものとし
ては、例えばサ−マス(Thermus )属細菌由来の耐熱性
カタラーゼ(特開昭55−13558)、ミクロコッカ
ス(Micrococcus )属細菌由来のフッ化物イオン耐性カ
タラーゼ(特開平4−20288)、ハンセヌラ(Hans
ennula)属酵母由来の耐塩性カタラーゼ(特開昭63−
3788)、アスペルギルス(Aspergillus )等の糸状
菌由来の耐熱性カタラーゼ(特開平5−153975)
などが報告されている。
の処理、繊維漂白プロセスでの残存過酸化水素の分解、
また食品分野では数の子の漂白に伴う残存過酸化水素の
分解等カタラーゼは広く利用されている。カタラーゼは
過酸化水素を分解する酵素であり、多くの生物によって
生産されることが知られている。微生物由来のものとし
ては、例えばサ−マス(Thermus )属細菌由来の耐熱性
カタラーゼ(特開昭55−13558)、ミクロコッカ
ス(Micrococcus )属細菌由来のフッ化物イオン耐性カ
タラーゼ(特開平4−20288)、ハンセヌラ(Hans
ennula)属酵母由来の耐塩性カタラーゼ(特開昭63−
3788)、アスペルギルス(Aspergillus )等の糸状
菌由来の耐熱性カタラーゼ(特開平5−153975)
などが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のカタラーゼは、
低温条件下でのカタラーゼ活性は充分ではない。本発明
の目的は、従来のカタラーゼと比較して優れた低温カタ
ラーゼ活性を有するカタラーゼを提供することにある。
低温条件下でのカタラーゼ活性は充分ではない。本発明
の目的は、従来のカタラーゼと比較して優れた低温カタ
ラーゼ活性を有するカタラーゼを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは低温で高い
カタラーゼ活性を有するカタラーゼについて鋭意検討を
行い、保存菌株及び自然界より微生物を探索した。その
結果、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )I
AM1026株由来のカタラーゼが低温でも高いカタラ
ーゼ活性を示すことを見出し本発明に至った。
カタラーゼ活性を有するカタラーゼについて鋭意検討を
行い、保存菌株及び自然界より微生物を探索した。その
結果、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )I
AM1026株由来のカタラーゼが低温でも高いカタラ
ーゼ活性を示すことを見出し本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は 1)pH7において、0℃におけるカタラーゼ活性が3
0℃におけるカタラーゼ活性の95%以上の値を示す微
生物由来のカタラーゼ、 2)下記の性質を有する前記1)記載のカタラーゼ、 (a)作用温度及び至適温度 0〜60℃の範囲で測定した場合の作用温度が0〜60
℃、至適温度が0〜30℃、 (b)至適pH 至適pHが7〜10、 (c)阻害 10mMのフッ化カリウムに対する耐性を有する、 (d)分子量 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定し
た分子量が65,000±3,000 、 (e)等電点 等電点電気泳動により測定した等電点が約4.8、 3)細菌由来の前記1)または前記2)記載のカタラー
ゼ、 4)細菌がバチルス(Bacillus)属細菌である前記3)
記載のカタラーゼ、 5)細菌がバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis
)である前記3)記載のカタラーゼ、 6)細菌がバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis
)IAM1026株もしくはその変異株である前記
3)記載のカタラーゼ、 7)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )IA
M1026株もしくはその変異株を培養してなる前記
1)または前記2)記載のカタラーゼを製造する方法を
提供するものである。
0℃におけるカタラーゼ活性の95%以上の値を示す微
生物由来のカタラーゼ、 2)下記の性質を有する前記1)記載のカタラーゼ、 (a)作用温度及び至適温度 0〜60℃の範囲で測定した場合の作用温度が0〜60
℃、至適温度が0〜30℃、 (b)至適pH 至適pHが7〜10、 (c)阻害 10mMのフッ化カリウムに対する耐性を有する、 (d)分子量 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定し
た分子量が65,000±3,000 、 (e)等電点 等電点電気泳動により測定した等電点が約4.8、 3)細菌由来の前記1)または前記2)記載のカタラー
ゼ、 4)細菌がバチルス(Bacillus)属細菌である前記3)
記載のカタラーゼ、 5)細菌がバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis
)である前記3)記載のカタラーゼ、 6)細菌がバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis
)IAM1026株もしくはその変異株である前記
3)記載のカタラーゼ、 7)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )IA
M1026株もしくはその変異株を培養してなる前記
1)または前記2)記載のカタラーゼを製造する方法を
提供するものである。
【0006】まず、カタラーゼを選抜する際に用いたカ
タラーゼ活性測定法について述べるが、本発明のカタラ
ーゼのカタラーゼ活性測定法はこれらに限られるもので
はない。
タラーゼ活性測定法について述べるが、本発明のカタラ
ーゼのカタラーゼ活性測定法はこれらに限られるもので
はない。
【0007】(活性測定法−1)過酸化水素を基質と
し、カタラーゼを作用させることによる過酸化水素の分
解による過酸化水素濃度の減少を240nmでの吸光度
によって測定するAebi等の方法に従う(H.Aebi et al,M
ethod Enzyme Analysis vol 2 p675(1974))。すなわ
ち、25℃恒温セル槽内のブランク側に50mMリン酸
緩衝液(pH7.0)3mlを入れておく。サンプル側
には過酸化水素460ppmを含む50mMリン酸緩衝
液3mlを入れ、検体酵素液を適度に希釈して調製した
調整酵素液100μlを添加し酵素反応を開始する。反
応は240nmでの吸光度を記録し、過酸化水素の減少
速度を計算する。検体酵素液のカタラーゼ活性は以下の
計算式に従い計算する。なお、1Uは1分間に1μmo
lの過酸化水素を分解する活性を示している。
し、カタラーゼを作用させることによる過酸化水素の分
解による過酸化水素濃度の減少を240nmでの吸光度
によって測定するAebi等の方法に従う(H.Aebi et al,M
ethod Enzyme Analysis vol 2 p675(1974))。すなわ
ち、25℃恒温セル槽内のブランク側に50mMリン酸
緩衝液(pH7.0)3mlを入れておく。サンプル側
には過酸化水素460ppmを含む50mMリン酸緩衝
液3mlを入れ、検体酵素液を適度に希釈して調製した
調整酵素液100μlを添加し酵素反応を開始する。反
応は240nmでの吸光度を記録し、過酸化水素の減少
速度を計算する。検体酵素液のカタラーゼ活性は以下の
計算式に従い計算する。なお、1Uは1分間に1μmo
lの過酸化水素を分解する活性を示している。
【0008】カタラーゼ活性(U/ml)=〔△E÷4
3.6×1000×(3000+100)/100〕×
n=△E×711×n ここで、 △E:1分間の吸光度の減少 43.6:1mol/l(=1mmol/ml)の過酸
化水素溶液の吸光度係数 1000:1分間に1mmolの過酸化水素を分解する
カタラーゼ活性(U) (3000+100)/100:調整酵素液を基質溶液
に加えることによる酵素調整液の希釈倍率 n:酵素液を適度に希釈して調整酵素液とする際の希釈
倍率
3.6×1000×(3000+100)/100〕×
n=△E×711×n ここで、 △E:1分間の吸光度の減少 43.6:1mol/l(=1mmol/ml)の過酸
化水素溶液の吸光度係数 1000:1分間に1mmolの過酸化水素を分解する
カタラーゼ活性(U) (3000+100)/100:調整酵素液を基質溶液
に加えることによる酵素調整液の希釈倍率 n:酵素液を適度に希釈して調整酵素液とする際の希釈
倍率
【0009】(活性測定法−2)酵素反応後の残存過酸
化水素をチオ硫酸ナトリウムで滴定する方法に従う(小
崎道雄監修「酵素利用ハンドブック」、地人書館昭和6
0年版、p404〜410)。すなわち、市販の30重
量%過酸化水素を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)
で800倍に希釈した基質溶液5mlを容器にとり、3
0℃の恒温水槽に浸し、恒温とする。これに30℃に保
温した検体酵素液1mlを加え、正確に5分後に1N硫
酸2mlを急激に加え酵素作用を止める。これに10%
ヨウ化カリウム溶液1mlと1%モリブデン酸アンモニ
ウム1滴を加え、遊離したヨウ素を澱粉指示薬を用い、
0.005Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。0.
005Nチオ硫酸ナトリウム溶液1mlは過酸化水素
2.5μmolに相当する。一方、1N硫酸を加えてか
ら酵素液を加えて同様に操作したものを盲検とし、盲検
の値から検体の値を差し引いてカタラーゼ作用によって
分解された過酸化水素の量を算出し、図1に示す作用標
準曲線から検体酵素液のカタラーゼ活性を求める。な
お、1Uは1分間に1μmolの過酸化水素を分解する
活性を示している。
化水素をチオ硫酸ナトリウムで滴定する方法に従う(小
崎道雄監修「酵素利用ハンドブック」、地人書館昭和6
0年版、p404〜410)。すなわち、市販の30重
量%過酸化水素を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)
で800倍に希釈した基質溶液5mlを容器にとり、3
0℃の恒温水槽に浸し、恒温とする。これに30℃に保
温した検体酵素液1mlを加え、正確に5分後に1N硫
酸2mlを急激に加え酵素作用を止める。これに10%
ヨウ化カリウム溶液1mlと1%モリブデン酸アンモニ
ウム1滴を加え、遊離したヨウ素を澱粉指示薬を用い、
0.005Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。0.
005Nチオ硫酸ナトリウム溶液1mlは過酸化水素
2.5μmolに相当する。一方、1N硫酸を加えてか
ら酵素液を加えて同様に操作したものを盲検とし、盲検
の値から検体の値を差し引いてカタラーゼ作用によって
分解された過酸化水素の量を算出し、図1に示す作用標
準曲線から検体酵素液のカタラーゼ活性を求める。な
お、1Uは1分間に1μmolの過酸化水素を分解する
活性を示している。
【0010】(カタラーゼの性質)次に、本発明のカタ
ラーゼの性質を示す。
ラーゼの性質を示す。
【0011】(1)作用温度及び至適温度 前記の活性測定法−2に基づき、pH7.0で0〜60
℃の範囲の種々の温度におけるカタラーゼ活性を測定
し、30℃における活性を100として比較した。図2
に示すとおり、0〜60℃の範囲において測定した場
合、本発明のカタラーゼは0〜60℃で作用し、0〜3
0℃に至適温度を持つ。更に、0〜10℃の低温域でも
30℃におけるカタラーゼ活性の95%以上の活性を示
した。
℃の範囲の種々の温度におけるカタラーゼ活性を測定
し、30℃における活性を100として比較した。図2
に示すとおり、0〜60℃の範囲において測定した場
合、本発明のカタラーゼは0〜60℃で作用し、0〜3
0℃に至適温度を持つ。更に、0〜10℃の低温域でも
30℃におけるカタラーゼ活性の95%以上の活性を示
した。
【0012】(2)熱安定性 前記の活性測定法−2に基づき、種々の温度においてp
H7.0で30分間保持した後の残存カタラーゼ活性
を、30℃の場合を100として求めた。図3に示した
とおり、本発明のカタラーゼは50℃までは安定である
が、60℃での残存活性は34%であった。
H7.0で30分間保持した後の残存カタラーゼ活性
を、30℃の場合を100として求めた。図3に示した
とおり、本発明のカタラーゼは50℃までは安定である
が、60℃での残存活性は34%であった。
【0013】(3)作用pH及び至適pH 前記の活性測定法−2に基づき、30℃で種々のpHに
おけるカタラーゼ活性を測定し、pH7.0における活
性を100として比較した。図4に示すとおり、pH4
〜12の範囲で活性測定した場合、本発明のカタラーゼ
はpH4〜12で作用し、pH7〜10に至適pHを持
つ。
おけるカタラーゼ活性を測定し、pH7.0における活
性を100として比較した。図4に示すとおり、pH4
〜12の範囲で活性測定した場合、本発明のカタラーゼ
はpH4〜12で作用し、pH7〜10に至適pHを持
つ。
【0014】(4)pH安定性 前記の活性測定法−2に基づき、30℃において種々の
pH条件下で30分間保持した後の残存活性を、pH
7.0の場合を100として求めた。図5に示すとお
り、本発明のカタラーゼは、pH6〜10で安定であ
る。
pH条件下で30分間保持した後の残存活性を、pH
7.0の場合を100として求めた。図5に示すとお
り、本発明のカタラーゼは、pH6〜10で安定であ
る。
【0015】(5)フッ化物イオン耐性 前記の活性測定法−1に基づき、フッ化カリウム10m
Mを含む50mMリン酸緩衝液に調整酵素液を添加して
活性を非存在下の活性を100として求めた。本発明の
カタラーゼはフッ化カリウム10mM存在下でも96%
の活性を示し、10mMフッ化カリウムに対する耐性を
有する。
Mを含む50mMリン酸緩衝液に調整酵素液を添加して
活性を非存在下の活性を100として求めた。本発明の
カタラーゼはフッ化カリウム10mM存在下でも96%
の活性を示し、10mMフッ化カリウムに対する耐性を
有する。
【0016】(6)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定
した結果、本発明のカタラーゼの分子量は65,000
±3,000であった。なお分子量マーカーとしては、
Bio Rad社のプレステインドSDS−ポリアクリ
ルアミド電気泳動用スタンダードを用いた。その構成
は、ウサギ筋肉フォスフォリラーゼB(分子量106,
000)、ウシ血清アルブミン(分子量80,00
0)、鶏卵白オボアルブミン(49,500)、カルボ
ニックアンヒドラ−ゼ(分子量32,500)、大豆ト
リプシンインヒビター(分子量27,500)、鶏卵白
リゾチーム(分子量18,500)である。
した結果、本発明のカタラーゼの分子量は65,000
±3,000であった。なお分子量マーカーとしては、
Bio Rad社のプレステインドSDS−ポリアクリ
ルアミド電気泳動用スタンダードを用いた。その構成
は、ウサギ筋肉フォスフォリラーゼB(分子量106,
000)、ウシ血清アルブミン(分子量80,00
0)、鶏卵白オボアルブミン(49,500)、カルボ
ニックアンヒドラ−ゼ(分子量32,500)、大豆ト
リプシンインヒビター(分子量27,500)、鶏卵白
リゾチーム(分子量18,500)である。
【0017】(7)等電点 等電点電気泳動により測定した結果、本発明のカタラー
ゼの等電点は約4.8である。
ゼの等電点は約4.8である。
【0018】(カタラーゼ生産菌)本発明のカタラーゼ
は微生物により生産される。微生物としては、バチルス
(Bacillus)属、サーマス(Thermus )属、ミクロコッ
カス(Micrococcus )属等の細菌、ハンセヌラ(Hansen
nula)属等の酵母、アスペルギルス(Aspergillus)属
等の糸状菌などがあげられるが、その中でも細菌、特に
バチルス(Bacillus)属細菌が好ましい。より好ましく
はバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )が、更
により好ましくはバチルス・ズブチリス(Bacillus sub
tilis )IAM1026株があげられる。
は微生物により生産される。微生物としては、バチルス
(Bacillus)属、サーマス(Thermus )属、ミクロコッ
カス(Micrococcus )属等の細菌、ハンセヌラ(Hansen
nula)属等の酵母、アスペルギルス(Aspergillus)属
等の糸状菌などがあげられるが、その中でも細菌、特に
バチルス(Bacillus)属細菌が好ましい。より好ましく
はバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )が、更
により好ましくはバチルス・ズブチリス(Bacillus sub
tilis )IAM1026株があげられる。
【0019】バチルス・ズブチリス(Bacillus subtili
s )IAM1026株は東京大学応用微生物研究所(現
分子細胞生物学研究所)より譲渡された菌株であり、一
般に入手可能であり、またその菌学的性質は広く知られ
ており安全性も高い。
s )IAM1026株は東京大学応用微生物研究所(現
分子細胞生物学研究所)より譲渡された菌株であり、一
般に入手可能であり、またその菌学的性質は広く知られ
ており安全性も高い。
【0020】また、上記菌株を原菌株として自然または
誘発突然変異により、上記菌株が生産する前記の性質を
有するカタラーゼを生産する変異株を得ることができ、
本発明によるカタラーゼの生産菌として用いることがで
きる。これらの変異株の調製法としては、例えば慣用の
方法として、原菌株を人工の変異処理を施さず、あるい
は紫外線照射処理またはN−メチル−N’−ニトロ−N
−ニトロソグアニジン(NTG)等の薬剤による人工的
突然変異処理を施して、希望する変異のかかった株をそ
の変化した性質を利用して選抜する方法があげられる。
選抜する方法としては、例えばカタラーゼ生産性の向上
したものを希望する場合、過酸化水素を含む培地で良く
生育してくる株を釣るという方法がある。
誘発突然変異により、上記菌株が生産する前記の性質を
有するカタラーゼを生産する変異株を得ることができ、
本発明によるカタラーゼの生産菌として用いることがで
きる。これらの変異株の調製法としては、例えば慣用の
方法として、原菌株を人工の変異処理を施さず、あるい
は紫外線照射処理またはN−メチル−N’−ニトロ−N
−ニトロソグアニジン(NTG)等の薬剤による人工的
突然変異処理を施して、希望する変異のかかった株をそ
の変化した性質を利用して選抜する方法があげられる。
選抜する方法としては、例えばカタラーゼ生産性の向上
したものを希望する場合、過酸化水素を含む培地で良く
生育してくる株を釣るという方法がある。
【0021】(製造方法)上記カタラーゼ生産菌は菌株
が増殖できる条件下で常法により培養される。培地成分
としては菌株が利用し得るものであれば良く、例えば炭
素源としてはグルコース、水飴、可溶性澱粉などが望ま
しい。また窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コー
ンスティープリカー、大豆粉などが利用される。さらに
ミネラル類としては、例えば、リン酸塩類、マグネシウ
ム塩類、カリウム塩類、カルシウム塩類、コバルト塩
類、亜鉛塩類、鉄塩類、硼酸塩類、モリブデン塩類、銅
塩類等を使用することが出来る。また必要に応じて、過
酸化水素を20〜1,000ppm、好ましくは50〜
200ppm添加しても良い。
が増殖できる条件下で常法により培養される。培地成分
としては菌株が利用し得るものであれば良く、例えば炭
素源としてはグルコース、水飴、可溶性澱粉などが望ま
しい。また窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コー
ンスティープリカー、大豆粉などが利用される。さらに
ミネラル類としては、例えば、リン酸塩類、マグネシウ
ム塩類、カリウム塩類、カルシウム塩類、コバルト塩
類、亜鉛塩類、鉄塩類、硼酸塩類、モリブデン塩類、銅
塩類等を使用することが出来る。また必要に応じて、過
酸化水素を20〜1,000ppm、好ましくは50〜
200ppm添加しても良い。
【0022】培養温度は該生産菌が増殖できる温度であ
れば良く、通常20〜40℃、好ましくは25〜35℃
である。培養pHについても該生産菌が増殖できるpH
であれば良く、通常pH5〜9、好ましくはpH6〜8
である。
れば良く、通常20〜40℃、好ましくは25〜35℃
である。培養pHについても該生産菌が増殖できるpH
であれば良く、通常pH5〜9、好ましくはpH6〜8
である。
【0023】(分離精製法)培養終了後培養液からカタ
ラーゼを採取するには、一般の酵素採取法を用いること
ができる。すなわち、培養液から遠心分離または濾過に
より菌体を集め、超音波、高圧ホモジナイザー、フレン
チプレスあるいは機械的磨砕による破砕、またはシクロ
ヘキサン、トルエン、酢酸エチルなどによる菌体処理、
またはリゾチームによる溶菌を行うことによって、カタ
ラーゼを菌体外に排出、可溶化させ粗酵素標品が得られ
る。これをさらに精製する場合には、ケイソウ土濾過等
により残菌体を除去し、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過、限外濾過膜による濾過・濃縮あるいは硫
安塩析、有機溶媒沈殿など通常の酵素精製技術から適宜
選択した精製法を単独で、または組合わせて実施すれば
よい。
ラーゼを採取するには、一般の酵素採取法を用いること
ができる。すなわち、培養液から遠心分離または濾過に
より菌体を集め、超音波、高圧ホモジナイザー、フレン
チプレスあるいは機械的磨砕による破砕、またはシクロ
ヘキサン、トルエン、酢酸エチルなどによる菌体処理、
またはリゾチームによる溶菌を行うことによって、カタ
ラーゼを菌体外に排出、可溶化させ粗酵素標品が得られ
る。これをさらに精製する場合には、ケイソウ土濾過等
により残菌体を除去し、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過、限外濾過膜による濾過・濃縮あるいは硫
安塩析、有機溶媒沈殿など通常の酵素精製技術から適宜
選択した精製法を単独で、または組合わせて実施すれば
よい。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお本発明は実施例に限定されるものではな
い。
説明する。なお本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0025】実施例1:カタラーゼの調製 5リットルジャーファーメンターに下記組成培地2リッ
トルを入れ、121℃で、20分間滅菌した後、あらか
じめ2本の24mmφ試験管中でScheafferの
寒天斜面培地に生育させたバチルス・ズブチリス(Ba
cillus subtilis)IAM1026株の
菌体全量を該ジャーファーメンターに植菌し、pH7.
0、30℃、通気量1リットル/min、および1,0
00rpmの条件下で40時間培養した。なおグルコ−
スおよびアンモニア水を適宜添加し、過酸化水素を培養
途中に70ppm添加した。 培地組成 グルコ−ス 3.0 % ペプトン 0.5 % 酵母エキス 0.2 % リン酸二水素ナトリウム・2水和物 0.57% リン酸水素二カリウム 0.61% 硫酸アンモニウム 0.3 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.3 % Fe、Mn、Zn、Cu、Co、Mo、Bを含む無機塩
類が各々0.3〜20ppm
トルを入れ、121℃で、20分間滅菌した後、あらか
じめ2本の24mmφ試験管中でScheafferの
寒天斜面培地に生育させたバチルス・ズブチリス(Ba
cillus subtilis)IAM1026株の
菌体全量を該ジャーファーメンターに植菌し、pH7.
0、30℃、通気量1リットル/min、および1,0
00rpmの条件下で40時間培養した。なおグルコ−
スおよびアンモニア水を適宜添加し、過酸化水素を培養
途中に70ppm添加した。 培地組成 グルコ−ス 3.0 % ペプトン 0.5 % 酵母エキス 0.2 % リン酸二水素ナトリウム・2水和物 0.57% リン酸水素二カリウム 0.61% 硫酸アンモニウム 0.3 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.3 % Fe、Mn、Zn、Cu、Co、Mo、Bを含む無機塩
類が各々0.3〜20ppm
【0026】培養終了後、遠心分離により菌体を回収
し、20%湿菌体量/全重量になるように50mMリン
酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、リゾチ−ムを300
ppmとなるように添加し、30℃で、1時間溶菌させ
た。次にケイソウ土を用いた濾過処理の後、濾液を更に
除菌膜で除菌し、次いで分画分子量6,000の限外濾
過膜で濃縮した。この結果、精製収率86%で15,0
00U/mg蛋白の酵素液(120,000U/ml)
を250ml得た。
し、20%湿菌体量/全重量になるように50mMリン
酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、リゾチ−ムを300
ppmとなるように添加し、30℃で、1時間溶菌させ
た。次にケイソウ土を用いた濾過処理の後、濾液を更に
除菌膜で除菌し、次いで分画分子量6,000の限外濾
過膜で濃縮した。この結果、精製収率86%で15,0
00U/mg蛋白の酵素液(120,000U/ml)
を250ml得た。
【0027】次に硫安塩析により硫安濃度35〜50%
飽和での画分を取得した後、DEAEセルロファインA
−500カラム(生化学工業(株)製)を使用し、50
mMリン酸緩衝液を用い、0〜0.5Mの塩化ナトリウ
ムによるグラディエントをかけて溶出し精製した。更に
セルロースチューブ30(和光純薬工業(株)製)を用
い、50mMリン酸緩衝液で透析、脱塩した。最終的に
57,000U/mg蛋白の酵素液(740,000U
/ml)を34ml得た。なお蛋白質の定量はBrad
ford等の色素を用いる方法(M.Bradford、Anal.Bio
chem. 、vol.72,p248〜254(1976) )により、牛アルブ
ミンを標準蛋白質として行った。カタラーゼ活性は前述
の活性測定法−1により測定した。
飽和での画分を取得した後、DEAEセルロファインA
−500カラム(生化学工業(株)製)を使用し、50
mMリン酸緩衝液を用い、0〜0.5Mの塩化ナトリウ
ムによるグラディエントをかけて溶出し精製した。更に
セルロースチューブ30(和光純薬工業(株)製)を用
い、50mMリン酸緩衝液で透析、脱塩した。最終的に
57,000U/mg蛋白の酵素液(740,000U
/ml)を34ml得た。なお蛋白質の定量はBrad
ford等の色素を用いる方法(M.Bradford、Anal.Bio
chem. 、vol.72,p248〜254(1976) )により、牛アルブ
ミンを標準蛋白質として行った。カタラーゼ活性は前述
の活性測定法−1により測定した。
【0028】比較例1 他のカタラーゼ生産菌であるバチルス・ズブチリス(Ba
cillus subtilis )168株を実施例1で示したのと同
じ条件で培養し、限外濾過膜による濃縮によりカタラー
ゼ液を調製したところ、得られたカタラーゼ液250m
lの酵素濃度は19,000U/mlだった。
cillus subtilis )168株を実施例1で示したのと同
じ条件で培養し、限外濾過膜による濃縮によりカタラー
ゼ液を調製したところ、得られたカタラーゼ液250m
lの酵素濃度は19,000U/mlだった。
【0029】実施例2:至適温度の測定 前述の活性測定法−2に従って測定した。すなわち、
0、10、20、30、40、50および60℃のいず
れかの温度に保持した基質溶液5mlに実施例1で得ら
れた酵素液を希釈したもの(5U/ml)1mlを添加
し、5分後に1N硫酸2mlを添加し反応を停止させ
た。ブランクは酵素液添加直前に1N硫酸2mlを添加
し、5分間各温度で保持したものを用いた。反応終了液
の残存過酸化水素を0.005Nチオ硫酸ナトリウム溶
液で滴定し、30℃で反応させた場合のカタラーゼ活性
を100とし各温度での相対活性を求めた。図2に示す
とおり、本発明のカタラーゼは低温領域でも作用し、0
℃及び10℃でも30℃の場合の95%以上(約100
%)のカタラーゼ活性を示した。
0、10、20、30、40、50および60℃のいず
れかの温度に保持した基質溶液5mlに実施例1で得ら
れた酵素液を希釈したもの(5U/ml)1mlを添加
し、5分後に1N硫酸2mlを添加し反応を停止させ
た。ブランクは酵素液添加直前に1N硫酸2mlを添加
し、5分間各温度で保持したものを用いた。反応終了液
の残存過酸化水素を0.005Nチオ硫酸ナトリウム溶
液で滴定し、30℃で反応させた場合のカタラーゼ活性
を100とし各温度での相対活性を求めた。図2に示す
とおり、本発明のカタラーゼは低温領域でも作用し、0
℃及び10℃でも30℃の場合の95%以上(約100
%)のカタラーゼ活性を示した。
【0030】また、実施例1の限外濾過膜による濃縮に
より得た本発明のカタラーゼと、比較例1のバチルス・
ズブチリス(Bacillus subtilis )168株を培養し
て、同様に限外濾過膜による濃縮を施して得たカタラー
ゼと比較した結果を表1に示す。
より得た本発明のカタラーゼと、比較例1のバチルス・
ズブチリス(Bacillus subtilis )168株を培養し
て、同様に限外濾過膜による濃縮を施して得たカタラー
ゼと比較した結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示す通り、限外濾過膜による濃縮に
より得た本発明のカタラーゼは、低温領域において、バ
チルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )168株を
培養して、同様に限外濾過膜により濃縮して得たカタラ
ーゼより高いカタラーゼ活性を示す。
より得た本発明のカタラーゼは、低温領域において、バ
チルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )168株を
培養して、同様に限外濾過膜により濃縮して得たカタラ
ーゼより高いカタラーゼ活性を示す。
【0033】実施例3:熱安定性の測定 実施例1で得られた酵素液を希釈したもの(200U/
ml)を種々の温度(20、30、40、50、60
℃)のいずれかにおいてpH7.0で30分間保持した
後、前記の活性測定法−2に基づき、残存活性を測定し
た。30℃の場合を100として計算した相対値を図3
に示す。本酵素は50℃までは安定であるが、60℃で
の残存活性は34%であった。
ml)を種々の温度(20、30、40、50、60
℃)のいずれかにおいてpH7.0で30分間保持した
後、前記の活性測定法−2に基づき、残存活性を測定し
た。30℃の場合を100として計算した相対値を図3
に示す。本酵素は50℃までは安定であるが、60℃で
の残存活性は34%であった。
【0034】実施例4:至適pHの測定 前述の活性測定法−2に従って測定した。すなわち、p
H4、5、6、7、8、9、10、11、11.5、1
2のいずれかの緩衝液を用いて作成し、30℃に保持し
た基質溶液5mlに実施例1で得られた酵素液を希釈し
たもの(5U/ml)1mlを添加し、5分後に1N硫
酸2mlを添加し反応を停止させた。ブランクは酵素液
添加直前に1N硫酸2mlを添加し、30℃で5分間保
持したものを用いた。反応終了液の残存過酸化水素を
0.005Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、pH
7.0で反応させた場合のカタラーゼ活性を100とし
て各pHでの相対活性を求めた。図4に示すとおり、本
発明のカタラーゼは至適pHがpH7〜10であり、p
H7〜10の範囲でpH7の場合の95%以上の活性を
示す。なお用いた緩衝液は、pH4〜5(50mM酢酸
緩衝液)、pH5〜9(50mMリン酸緩衝液)、pH
9〜12(50mMグリシン緩衝液)である。
H4、5、6、7、8、9、10、11、11.5、1
2のいずれかの緩衝液を用いて作成し、30℃に保持し
た基質溶液5mlに実施例1で得られた酵素液を希釈し
たもの(5U/ml)1mlを添加し、5分後に1N硫
酸2mlを添加し反応を停止させた。ブランクは酵素液
添加直前に1N硫酸2mlを添加し、30℃で5分間保
持したものを用いた。反応終了液の残存過酸化水素を
0.005Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、pH
7.0で反応させた場合のカタラーゼ活性を100とし
て各pHでの相対活性を求めた。図4に示すとおり、本
発明のカタラーゼは至適pHがpH7〜10であり、p
H7〜10の範囲でpH7の場合の95%以上の活性を
示す。なお用いた緩衝液は、pH4〜5(50mM酢酸
緩衝液)、pH5〜9(50mMリン酸緩衝液)、pH
9〜12(50mMグリシン緩衝液)である。
【0035】実施例5:pH安定性の測定 実施例1で得られた酵素液を希釈したもの(200U/
ml)を種々のpH(4、5、6、7、8、9、10、
11.5、12)のいずれかにおいて30℃で30分間
保持した後、前記の活性測定法−2基づき残存活性を測
定した。pH7の場合を100として計算した相対値を
図5に示す。本酵素はpH6〜10で安定である。
ml)を種々のpH(4、5、6、7、8、9、10、
11.5、12)のいずれかにおいて30℃で30分間
保持した後、前記の活性測定法−2基づき残存活性を測
定した。pH7の場合を100として計算した相対値を
図5に示す。本酵素はpH6〜10で安定である。
【0036】実施例6:フッ化物イオン耐性の測定 前述の活性測定法−1に従って測定した。すなわちフッ
化カリウム10mMを含む50mMリン酸緩衝液を用い
て調製した過酸化水素基質溶液3mlに実施例1で得ら
れた酵素液を希釈したもの(40U/ml)100μl
を添加し、240nmにおける吸光度の1分間での減少
を測定し、フッ化カリウム非存在下の場合と比較した。
本発明のカタラーゼはフッ化カリウムが10mM存在下
でも非存在下の場合の96%の活性を示し、10mMの
フッ化カリウムに対する耐性を有する。
化カリウム10mMを含む50mMリン酸緩衝液を用い
て調製した過酸化水素基質溶液3mlに実施例1で得ら
れた酵素液を希釈したもの(40U/ml)100μl
を添加し、240nmにおける吸光度の1分間での減少
を測定し、フッ化カリウム非存在下の場合と比較した。
本発明のカタラーゼはフッ化カリウムが10mM存在下
でも非存在下の場合の96%の活性を示し、10mMの
フッ化カリウムに対する耐性を有する。
【0037】実施例7:等電点の測定 実施例1で得られた酵素液(740,000U/ml)
をサンプルとし、Phast system(Phar
macia社製)を用いて、本発明のカタラーゼの等電
点を測定した。ゲルはpH4〜6.5のグラジエントゲ
ルを用い、酵素量は約1ユニット、温度は24℃で行っ
た。ゲル中のカタラーゼは活性染色法(D.A.Cla
re、Analytical Biochemistr
y、140 :532-537(1984) )により検出した。すなわ
ち、ゲルを50μg/mlホースラディッシュ・ペルオ
キシダーゼ含有50mMリン酸バッファー(pH7)に
45分間浸し、過酸化水素を5mMになるように加えて
10分間浸し、水で2度洗った後に、0.5mg/ml
ジアミノベンジジン含有50mMリン酸バッファー(p
H)に浸し、カタラーゼ由来のバンドが出現するまで反
応させた。さらに5%グリセリン溶液に浸し、風乾し
た。等電点マーカーはクーマシー(Coomassi
e)染色をした。その結果、本発明のカタラーゼの等電
点は約4.8だった。
をサンプルとし、Phast system(Phar
macia社製)を用いて、本発明のカタラーゼの等電
点を測定した。ゲルはpH4〜6.5のグラジエントゲ
ルを用い、酵素量は約1ユニット、温度は24℃で行っ
た。ゲル中のカタラーゼは活性染色法(D.A.Cla
re、Analytical Biochemistr
y、140 :532-537(1984) )により検出した。すなわ
ち、ゲルを50μg/mlホースラディッシュ・ペルオ
キシダーゼ含有50mMリン酸バッファー(pH7)に
45分間浸し、過酸化水素を5mMになるように加えて
10分間浸し、水で2度洗った後に、0.5mg/ml
ジアミノベンジジン含有50mMリン酸バッファー(p
H)に浸し、カタラーゼ由来のバンドが出現するまで反
応させた。さらに5%グリセリン溶液に浸し、風乾し
た。等電点マーカーはクーマシー(Coomassi
e)染色をした。その結果、本発明のカタラーゼの等電
点は約4.8だった。
【0038】
【発明の効果】本発明のカタラーゼは低温領域でも高い
カタラーゼ活性を有するため、過酸化水素の低温での除
去が好ましい処理に有効である。また、酵素を効率よく
作用させるための温度上昇過程を省略できるので、特に
冬季や寒冷地の水処理に有効である。さらにアルカリ領
域でも作用しフッ化物イオン耐性を有しているので、例
えば半導体工業の過酸化水素を含む排水の処理に有効で
あり、また繊維漂白後や数の子漂白後の残存過酸化水素
の分解にも利用する事ができる。
カタラーゼ活性を有するため、過酸化水素の低温での除
去が好ましい処理に有効である。また、酵素を効率よく
作用させるための温度上昇過程を省略できるので、特に
冬季や寒冷地の水処理に有効である。さらにアルカリ領
域でも作用しフッ化物イオン耐性を有しているので、例
えば半導体工業の過酸化水素を含む排水の処理に有効で
あり、また繊維漂白後や数の子漂白後の残存過酸化水素
の分解にも利用する事ができる。
【0039】更にまた、バチルス・ズブチリス(Bacill
us subtilis )IAM1026株を培養することによ
り、その菌体から本発明のカタラーゼを効率よく取得で
きる。
us subtilis )IAM1026株を培養することによ
り、その菌体から本発明のカタラーゼを効率よく取得で
きる。
【図1】カタラーゼ活性測定の際に用いる作用標準曲線
を表わすグラフである。
を表わすグラフである。
【図2】本発明のカタラーゼの作用温度及び至適温度を
表わすグラフである。
表わすグラフである。
【図3】本発明のカタラーゼの熱安定性を表わすグラフ
である。
である。
【図4】本発明のカタラーゼの作用pH及び至適pHを
表わすグラフである。
表わすグラフである。
【図5】本発明のカタラーゼのpH安定性を表わすグラ
フである。
フである。
Claims (7)
- 【請求項1】 pH7において、0℃におけるカタラー
ゼ活性が30℃におけるカタラーゼ活性の95%以上の
値を示す微生物由来のカタラーゼ。 - 【請求項2】 下記の性質を有する請求項1記載のカタ
ラーゼ。 (1)作用温度及び至適温度 0〜60℃の範囲で測定した場合の作用温度が0〜60
℃、至適温度が0〜30℃。 (2)至適pH 至適pHが7〜10。 (3)阻害 10mMのフッ化カリウムに対する耐性を有する。 (4)分子量 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定し
た分子量が65,000±3,000 。 (5)等電点 等電点電気泳動により測定した等電点が約4.8。 - 【請求項3】 細菌由来の請求項1または請求項2記載
のカタラーゼ。 - 【請求項4】 細菌がバチルス(Bacillus)属細菌であ
る請求項3記載のカタラーゼ。 - 【請求項5】 細菌がバチルス・ズブチリス(Bacillus
subtilis )である請求項3記載のカタラーゼ。 - 【請求項6】 細菌がバチルス・ズブチリス(Bacillus
subtilis )IAM1026株もしくはその変異株であ
る請求項3記載のカタラーゼ。 - 【請求項7】 バチルス・ズブチリス(Bacillus subti
lis )IAM1026株もしくはその変異株を培養して
なる請求項1または請求項2記載のカタラーゼを製造す
る方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6086745A JPH07246092A (ja) | 1994-01-18 | 1994-04-25 | カタラーゼ及びその製造方法 |
EP94119181A EP0663405A1 (en) | 1994-01-18 | 1994-12-05 | Catalase and production process thereof |
US08/354,721 US5486467A (en) | 1994-01-18 | 1994-12-06 | Catalase from Bacillus subtilis IAM 1026 (Ferm BP-4844) |
US08/517,545 US5622849A (en) | 1994-01-18 | 1995-08-21 | Catalase from bacillus and process for producing the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-3698 | 1994-01-18 | ||
JP369894 | 1994-01-18 | ||
JP6086745A JPH07246092A (ja) | 1994-01-18 | 1994-04-25 | カタラーゼ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07246092A true JPH07246092A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=26337331
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6086745A Pending JPH07246092A (ja) | 1994-01-18 | 1994-04-25 | カタラーゼ及びその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US5486467A (ja) |
EP (1) | EP0663405A1 (ja) |
JP (1) | JPH07246092A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040037009A (ko) * | 2002-10-25 | 2004-05-04 | (주) 피엘바이오 | 과산화수소수 분해 능력과 저항성이 이 뛰어난 신규미생물과 이들이 생산하는 카타라아제 |
JP2009051853A (ja) * | 2008-10-17 | 2009-03-12 | Mitsubishi Tanabe Pharma Corp | 免疫グロブリン製剤 |
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FR2791998B1 (fr) * | 1999-04-07 | 2001-06-08 | Agronomique Inst Nat Rech | Lactocoques modifies exprimant une catalase et leurs utilisations |
US6879606B1 (en) | 1999-07-26 | 2005-04-12 | Laser Vision Technologies | Intracavity doubled laser |
CA2543442A1 (en) * | 2003-11-05 | 2005-05-19 | Battelle Energy Alliance, Llc | High temperature and alkaline stable catalase |
CN100422313C (zh) * | 2006-07-31 | 2008-10-01 | 江南大学 | 一种碱性过氧化氢酶高产菌及用该菌株发酵法生产碱性过氧化氢酶 |
US8753513B2 (en) | 2010-11-09 | 2014-06-17 | International Business Machines Corporation | Ammonia-peroxide wastewater treatment system |
CN114752576B (zh) * | 2022-04-06 | 2023-04-28 | 鲁东大学 | 过氧化氢酶突变体及其应用 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE220332C (ja) * | ||||
US3123539A (en) * | 1964-03-03 | Process for recovering catalase from | ||
DE2911192A1 (de) * | 1979-03-22 | 1980-10-02 | Boehringer Sohn Ingelheim | Neuartiges immobilisiertes glucoseoxidase-katalasepraeparat und seine verwendung zur enzymatischen glucoseoxidation |
JPS55135588A (en) * | 1979-04-03 | 1980-10-22 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | Preparation of heat-resistant catalase |
JP2508001B2 (ja) * | 1986-06-25 | 1996-06-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 耐塩性カタラ−ゼおよび過酸化水素の分解法 |
JPH01168281A (ja) * | 1986-12-11 | 1989-07-03 | Nippon Peroxide Co Ltd | カタラーゼの製造方法 |
JPH0276579A (ja) * | 1988-09-08 | 1990-03-15 | Novo Ind As | 耐塩性カタラーゼ |
JPH0616704B2 (ja) * | 1990-05-14 | 1994-03-09 | 栗田工業株式会社 | フッ化物イオンに耐性な細菌カタラーゼ及びそれを生産するミクロコッカスsp.kwi‐5菌株 |
US5155041A (en) * | 1990-10-31 | 1992-10-13 | Korea Research Institute Of Chemical Technology | Culture of Bacillus subtilis |
ATE167229T1 (de) * | 1991-03-27 | 1998-06-15 | Novo Nordisk As | Katalase, ihre herstellung und verwendung |
JP3063800B2 (ja) * | 1991-12-07 | 2000-07-12 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 耐熱性カタラーゼ |
-
1994
- 1994-04-25 JP JP6086745A patent/JPH07246092A/ja active Pending
- 1994-12-05 EP EP94119181A patent/EP0663405A1/en not_active Withdrawn
- 1994-12-06 US US08/354,721 patent/US5486467A/en not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-08-21 US US08/517,545 patent/US5622849A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20040037009A (ko) * | 2002-10-25 | 2004-05-04 | (주) 피엘바이오 | 과산화수소수 분해 능력과 저항성이 이 뛰어난 신규미생물과 이들이 생산하는 카타라아제 |
JP2009051853A (ja) * | 2008-10-17 | 2009-03-12 | Mitsubishi Tanabe Pharma Corp | 免疫グロブリン製剤 |
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Publication number | Publication date |
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US5622849A (en) | 1997-04-22 |
US5486467A (en) | 1996-01-23 |
EP0663405A1 (en) | 1995-07-19 |
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