JP2808986B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚に対する接着力を
弱めたシアノアクリレート系接着剤組成物に関するもの
であり、瞬間接着剤であるシアノアクリレート系接着剤
を利用している各種産業界、医療分野、レジャー分野、
更には一般家庭において広汎に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】2−シアノアクリレートを主成分とする
シアノアクリレート系接着剤は、主成分の2−シアノア
クリレートが微量の水分および塩基性物質の存在によ
り、容易にアニオン重合して急速に硬化するという性質
を有するため、瞬間接着剤として広く各種産業界、医療
分野、レジャー分野、更には一般家庭において賞用され
ている。
【0003】しかしながら、2−シアノアクリレート系
接着剤は、瞬間にガラス、金属、プラスチック、木、織
物、紙等を接着するという便利な特性を持つ反面、接着
剤の使用方法を誤ると、それを取り扱う人の皮膚と皮膚
あるいは皮膚と被着材料等をも接着してしまうという接
着トラブルを引き起こすことがある。
【0004】これは、人の皮膚の表面に、2−シアノア
クリレート系接着剤のアニオン重合を促進させる水分お
よび汗等に含まれる塩基性物質が多量に存在するため、
特に皮膚が接着し易いために起こるものである。
【0005】また、2−シアノアクリレート系接着剤に
よって接着された皮膚は、皮膚または皮膚以外の被着材
料に対して、大変強い強度で接着しているため、接着し
た皮膚を無理に引き剥そうとすると、皮膚や皮下組織に
重大な損傷を与えることがある。
【0006】以上の様な背景から、接着作業時に皮膚を
接着するというトラブルを低減させ、従来の瞬間接着剤
よりも気軽に安全に取扱いができる瞬間接着剤が、強く
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚に対す
る接着速度は遅いが、例えば木材、プラスチック、ゴ
ム、金属、セラミック等の皮膚以外の被着材料に対する
接着速度は速い、2−シアノアクリレート系瞬間接着剤
を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討した結果、特定のアルコー
ルを1種または2種以上含有するシアノアクリレート系
接着剤組成物が、皮膚に対する接着速度は遅いが、皮膚
以外の例えば木材、プラスチック、ゴム、金属、セラミ
ック等の被着材料を瞬間的に接着することを見いだし、
本発明を完成したのである。
【0009】即ち、本発明は、6個以上15個以下の炭
素原子が互いに直接結合している脂肪族基を有する脂肪
族アルコールを組成物中に10〜40重量%溶解させて
ることを特徴とするシアノアクリレート系接着剤組成
物に関するものである。
【0010】以下に、本発明の接着剤組成物について説
明する。シアノアクリレート系接着剤の主成分は2−シ
アノアクリレートであり、本発明においても従来のもの
と同様に各種の2−シアノアクリレートが主成分として
用いられ、具体的には2−シアノアクリル酸のメチル、
エチル、クロロエチル、n−プロピル、 i−プロピル、
アリル、プロパギル、 n−ブチル、 i−ブチル、n−ペ
ンチル、 n−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、テ
トラヒドロフルフリル、ヘプチル、 2−エチルヘキシ
ル、 n−オクチル、 n−ノニル、オキソノニル、 n−デ
シル、 n−ドデシル、 2−エトキシエチル、 3−メトキ
シブチル、 2−エトキシ−2−エトキシエチル、ブトキ
シ−エトキシ−エチル、 2,2,2−トリフルオロエチル、
ヘキサフルオロイソプロピル等のエステルが本発明組成
物の主成分として用いられる。
【0011】本発明に用いられる6個以上15個以下
炭素原子が互いに直接結合している脂肪族基を有する脂
肪族アルコールの具体例としては次の様なものがあげら
れる。
【0012】すなわち、 n−ヘキシルアルコール、 n−
オクチルアルコール、 n−ノニルアルコール、 2−ノニ
ルアルコール、デシルアルコール、トリデシルアルコー
ル、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、β−シトロネロール、 9−デセン−1−オール、 1,
1−ジメチル−5−メチル−6−ヘプテン−1−オール、ジ
ヒドロミルセノール、ゲラニオール、 1,5−ジメチル−
1−ビニル−4−ヘキセン−1−オール、ω−ウンデセニ
ルアルコール等の一価アルコールが具体的に挙げられ、
又これらが本発明にとり好ましいものであるが、これら
に限られるものでもない。
【0013】本発明に用いられるアルコールは、分子内
に6個以上15個以下の炭素原子が互いに直接結合して
いる脂肪族基を有する脂肪族アルコールであり、前記2
−シアノアクリレートに溶解するものである。分子内の
脂肪族基の全てが、互いに直接結合している炭素原子が
5個以下のものである場合、皮膚に対する接着速度が速
くなり、接着作業時のトラブルが起こるため本発明に用
いることは出来ない。
【0014】尚、逆に分子内の脂肪族基に16個以上の
炭素原子が連結したものがある場合、シアノアクリレー
トへの溶解性が悪くなる。従って、本発明で用いる脂肪
族アルコールは、脂肪族基内の互いに直接結合している
炭素原子が15個以下のものであり、特に好ましい脂肪
族アルコールとしては、脂肪族基内の互いに直接結合し
ている炭素原子が8個以上15個以下のものである。
【0015】脂肪族基としては、前記した具体的な化合
物の例から明らかな様に炭化水素基(直鎖または分岐状
のポリメチレンまたはポリオレフィン)が好ましい。
【0016】また、脂肪族アルコールの接着剤組成物へ
の配合量としては、少ないと十分な皮膚難接着性が得ら
れず、また多すぎると皮膚以外の被着材料に対する接着
速度が遅くなるため、シアノアクリレート系接着剤組成
物中に10〜40重量%することが必要で、好ましくは
15〜30重量%にすることである。
【0017】本発明の組成物にアニオン重合促進剤を併
用するとさらに本発明が目的とする効果をより良く発揮
させることができる。併用されるアニオン重合促進剤と
しては以下のものが挙げられる。
【0018】ポリオキシアルキレンオキサイドまたはそ
の誘導体がまず挙げられ、特公昭60−37836、特
公昭60−26513、特公平1−43790、特開昭
63−128088、特開平3−167279等で既に
公知化されているものは、本発明においても全て用いる
ことができる。その具体例としては、次のようなものが
あげられる。
【0019】[ポリアルキレンオキサイド]ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリト
リメチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポ
リエピクロルヒドリン、ポリ3,3−ビス(クロロメチ
ル)ブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール、ポリ1,3−ジオキソラン、ポリ2,2−ビス
(クロロメチル)プロピレンオキサイド、エチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイドブロックポリマー、ジグ
リセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のポリ
グリセリン、ホルムアルデヒド縮合体、アセトアルデヒ
ド縮合体、トリオキサン重合体などである。またポリエ
ーテル型ウレタン硬化用ポリオールとして市販されてい
る各種のポリアルキレンオキサイドも本発明に使用可能
である。
【0020】[ポリアルキレンオキサイドの誘導体]ポ
リアルキレンオキサイドの誘導体とは、上記ポリアルキ
レンオキサイドと酸とのエステルおよびヒドロキシ基含
有化合物とのエーテルに代表されるものであり、それら
が好ましいものであるが、それらに特に限定されるわけ
でなく、分子末端に種々の置換基を有しているもの、ポ
リアルキレンオキサイドの内部に他の結合部を有してい
るもの等、分子内部にポリアルキレンオキサイド構造を
有するものであれば本発明の目的とする効果をより良く
奏することができる。
【0021】エステルを構成し得る酸としては、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペンタノ
イック酸、 n−ヘキサノイック酸、 2−メチル−ペンタ
ノイック酸、 n−オクタノイック酸、 n−デカノイック
酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、シクロヘキシルカルボン酸、シクロペンチルカル
ボン酸、シクロプロピルカルボン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ナフテン酸、安息
香酸、β−ナフチルカルボン酸、 p−トルエンカルボン
酸、フランカルボン酸、 p−クロル安息香酸、モノクロ
ル酢酸、シアノ酢酸、グリコール酸、乳酸、フェニルオ
キシプロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバチン酸、ブタンテトラカルボン酸、アコニット
酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、クエン酸、オ
ルソフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、などの酸を挙げることができる。
【0022】エーテルを構成し得るヒドロキシ基含有化
合物としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、 2−エチルオクタノール、デカノール、ラウリルア
ルコール、セシルアルコール、ステアリルアルコール、
オレイルアルコール、フェノール、α−ナフトール、β
−ナフトール、クレゾール、 t−ブチルフェノール、オ
クチルフェノール、ノニルフェノール、 p−クロロフェ
ノール、レゾール、ビスフェノールA、 2−クロロエタ
ノール、エチレンシアンヒドリン、トリフルオロエタノ
ール、ベンジルアルコール、 1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール、
水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパンなどの
ヒドロキシ基含有化合物等を挙げることができる。
【0023】ポリアルキレンオキサイド誘導体としての
エーテルの具体例としては、ジエチレングリコールモノ
アルキルエーテル(アルキルとしては例えばメチル、エ
チル、プロピル、ブチルなど)、ジエチレングリコール
ジアルキルエーテル(アルキルとしては例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチルなど)、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル(アルキルとしては例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ラウリル、セシル、
ステアリル、オレイルなど)、ポリプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテル(アルキルとしては例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ラウリル、セシル、ス
テアリル、オレイル、パーフルオロアルキルなど)、ポ
リエチレングリコールモノアリールエーテル(アリール
としては例えば、オクチルフェニル、ノニルフェニルな
ど)、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチ
レングリコールジアリールエーテル等を挙げることがで
きる。
【0024】ポリアルキレンオキサイド誘導体としての
エステルの具体例としては、ポリエチレングリコールモ
ノアルキルエステル(例えば、アセテート、トリフルオ
ロアセテート、ラウレート、ステアレート、オレート、
メタクリレート等のエステル)、ポリエチレングリコー
ルジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、
ビスフェノールA−ポリアルキレンオキサイド付加物
(アルキレンとしては例えばエチレン、プロピレン等以
下同じ)、水添ビスフェノールA−ポリアルキレンオキ
サイド付加物、トリメチロールプロパン−ポリアルキレ
ンオキサイド付加物、グリセリン−ポリアルキレンオキ
サイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンエステ
ル、テトラオレイン酸−ポリオキシエチレンソルビッ
ト、アジピン酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、ト
リメリット酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、イソ
シアネート化合物−ポリアルキレンオキサイド付加物、
リン酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、ケイ酸−ポ
リアルキレンオキサイド付加物、(ポリオキシアルキレ
ン)ポリシラレート、(ポリオキシアルキレン)ポリエ
ステル、(ポリオキシアルキレン)ポリホスフェート等
を挙げることができる。
【0025】第二のアニオン重合促進剤としては、クラ
ウンエーテルまたはその誘導体が挙げられ、特公昭55
−2238、特開平3−167279等で既に公知化さ
れているものは、全て用いることができる。その具体例
としては、次のようなものが挙げられる。
【0026】[クラウンエーテル]15−クラウン−5 、
18−クラウン−6 、ジベンゾ−18−クラウン−6 、ベン
ゾ−15−クラウン−5 、ジベンゾ−24−クラウン−8 、
ジベンゾ−30−クラウン−10、トリベンゾ−18−クラウ
ン−6 、asym−ジベンゾ−22−クラウン−6 、ジベンゾ
−14−クラウン−4 、ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6 、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8 、シクロヘ
キシル−12−クラウン−4 、 1,2−デカリル−15−クラ
ウン−5 、 1,2−ナフト−15−クラウン−5 、 3,4,5−
ナフチル−16−クラウン−5 、 1,2−メチルベンゾ−18
−クラウン−6 、 1,2−メチルベンゾ−5,6−メチルベ
ンゾ−18−クラウン−6 、 1,2−tert−ブチル−18−ク
ラウン−6 、 1,2−ビニルベンゾ−15−クラウン−5 、
1,2−ビニルベンゾ−18−クラウン−6 、 1,2−tert−
ブチルシクロヘキシル−18−クラウン−6 、 1,2−ベン
ゾ−1,4−ベンゾ−5−オキシゲン−20−クラウン−7等
である。
【0027】第三のアニオン重合促進剤としては、シラ
クラウンまたはその誘導体が挙げられ、特公昭62−3
1034、特開昭60−168775等で既に公知化さ
れているものは、全て用いることができる。その具体例
としては、次のようなものがあげられる。
【0028】[シラクラウン化合物]ジメチルシラ−11
−クラウン−4 、ジメチルシラ−14−クラウン−5 、ジ
メチルシラ−17−クラウン−6 等を挙げることができ
る。
【0029】第四のアニオン重合促進剤としては、カリ
キサレン誘導体が挙げられ、特開昭60−17948
2、特開昭62−235379、特開昭63−8815
2等で既に公知化されているものは、全て用いることが
できる。その具体例として、式1および式2で表される
化合物を挙げることができる。
【0030】
【式1】
【0031】式1中、R1はアルキル、アルコキシ、置
換アルキル、または置換アルコキシ、R2はH、または
アルキル、nは4、6、または8を表す。
【0032】
【式2】
【0033】式2中、mおよびnは共に整数で、m+n
=4、6、又は8及びn≧1/2(m+n)を満足する
整数。R5 は、アリール、ヒドロカルビルアリール、ア
リロキシ、ヒドロカルビルアリロキシ、置換アリール、
置換ヒドロカルビルアリール、置換アリロキシ、又は置
換ヒドロカルビルアリロキシであって、R4 がアリー
ル、ヒドロカルビルアリール、置換アリール又は置換ヒ
ドロカルビルアリールの時、R5 はヒドロカルビル、ヒ
ドロカルビロキシ、置換ヒドロカルビル、又は置換ヒド
ロカルビロキシである。R4 は、H、ヒドロカルビル、
アリール、ヒドロカルビルアリール、置換ヒドロカルビ
ル、置換アリール、又は置換ヒドロカルビルアリールで
ある。R3 は、H、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカ
ルビルである。
【0034】第五のアニオン重合促進剤としては、環状
イオウ化合物が挙げられ、特開昭59−64681等で
既に公知化されているものは、全て用いることができ
る。当該化合物は分子中にポリスルフィド結合およびエ
ーテル結合を有する環状化合物であって、式3で表され
る。
【0035】
【式3】
【0036】式3中R6 およびR7 は、炭素数2〜6の
炭化水素鎖を表し、mは2〜4、nは1〜3の整数を表
す。
【0037】アニオン重合促進剤の添加量としては、シ
アノアクリレート系接着剤組成物に対して好ましくは1
0〜10万ppm 、更に好ましくは30〜1万ppm であ
る。
【0038】アニオン重合促進剤をシアノアクリレート
系接着剤に配合すると、シアノアクリレート系接着剤の
被着材料に対する接着速度が速くなることは公知である
が、本発明者らは、2−シアノアクリレートおよび前記
鎖状アルコールから成るシアノアクリレート系接着剤組
成物に、アニオン重合促進剤を配合した場合、皮膚以外
の例えば木材、プラスチック、ゴム、金属、セラミック
等の被着材料に対する接着速度の短縮効果は大変優れた
ものであるが、皮膚に対する接着速度の短縮効果は極端
に短かく、その現象を本発明に応用することによりより
優れた接着剤が得られるのである。
【0039】本発明組成物へのアニオン重合促進剤の配
合量が、10ppm より少ないと十分な速硬化性がえられ
難く、一方、10万ppm を越えると速硬化性が余り大き
くならない割に接着強さ、貯蔵安定性が著しく低下する
様になる。
【0040】本発明のシアノアクリレート系接着剤組成
物には、従来品同様、貯蔵安定性向上のために重合抑制
剤として、例えば微量のハイドロキノン及び亜硫酸ガス
等を添加することが好ましい。又、2−シアノアクリレ
ートは、本来無色透明の低粘度液状のものであるが、こ
れに増粘剤として、例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、アクリルゴム、セルロース誘導体、シリカなどを溶
解或いは分散して粘稠液或いはチクソ性を有する液とす
る、或いは特定の染料により着色するということもでき
る。
【0041】
【作用】本発明の組成物から得られるシアノアクリレー
ト系接着剤は、その理由は未だ解明されていないが、皮
膚以外の例えば木材、プラスチック、ゴム、金属、セラ
ミック等の被着材料に対しては、優れた瞬間接着性を示
すが、皮膚に対しては、瞬間接着性を示さないという、
非常に特異的な挙動を示すものである。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例により更に詳しく本
発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。
【0043】実施例1〜15 表1に示される各種被着体および表2に示される人の指
を用い、表3および表4に示される組成の接着剤を用い
て接着試験を行った。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】表3、表4におけるデカノール、トリデカ
ノール、オキソコール1213、オキソコール1215
は協和発酵工業株式会社製のものを使用した。また、促
進剤におけるカリキサレン#1は 37,38,39,40,41,42−
ヘキサ−(2−オキソ−2−エトキシ)−エトキシカリク
ス〔6〕アレンであり、カリキサレン#2は式4、環状
イオウ化合物は式5で示される化合物である。
【0049】
【式4】
【0050】
【式5】
【0051】評価試験の方法は以下のとおりにして行っ
た。 セットタイム測定方法; (硬質塩ビ)硬質塩ビをJISK6849に準拠して、
接着剤で張り合わせ、3kg以上の接着強さに達する時
間をセットタイムとした。 (バルサ、クロロプレンゴム)試験片をJISK685
0に準拠して、接着剤で張り合わせ、手で軽く試験片を
長軸方向に引張り、外れなくなるまでに要する時間をセ
ットタイムとした。 (指)人差し指に接着剤を塗布し、親指を軽く押し当て
て、薄く押し広げ、痛みを感じない範囲で、人差し指と
親指が自力で剥がれる時間tをt≦1秒、1秒<t≦1
5秒、15秒<t≦30秒、30秒<t≦60秒、60
秒<tの5段階で測定した。測定環境は温度=23℃、
湿度=60%RHとした。試験の結果は表5に示した。
【0052】
【表5】
【0053】比較例1〜6 表6に記載の組成の接着剤を用いて実施例と同様に試験
を行った結果を表7に示した。
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【発明の効果】本発明のシアノアクリレート系接着剤組
成物は、皮膚以外の例えば木材、プラスチック、ゴム、
金属、セラミック等の被着材料に対しては、優れた瞬間
接着性を示すが、皮膚に対しては、瞬間接着性を示さな
いという優れた効果を奏し、接着作業における皮膚接着
トラブルを低減するものであり、本発明による瞬間接着
剤は、従来のものより更に多くの用途において幅広く利
用され、各種産業界、医療分野、レジャー分野、さらに
は一般家庭や学童の文具材料の接着等に際して安全に取
り扱えるという優れた効果を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平2−503330(JP,A) 特表 昭63−500247(JP,A) 特開 昭60−166361(JP,A) 特開 昭55−12166(JP,A) 特開 昭57−100171(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 4/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6個以上15個以下の炭素原子が互いに
    直接結合している脂肪族基を有する脂肪族アルコールを
    組成物中に10〜40重量%溶解させてなることを特徴
    とするシアノアクリレート系接着剤組成物。
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