JP2616345B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2616345B2
JP2616345B2 JP4164021A JP16402192A JP2616345B2 JP 2616345 B2 JP2616345 B2 JP 2616345B2 JP 4164021 A JP4164021 A JP 4164021A JP 16402192 A JP16402192 A JP 16402192A JP 2616345 B2 JP2616345 B2 JP 2616345B2
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚に対する接着力を
弱めたシアノアクリレート系接着剤組成物に関するもの
であり、瞬間接着剤であるシアノアクリレート系接着剤
を利用している各種産業界、医療分野、レジャー分野、
更には一般家庭において広汎に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】2−シアノアクリレートを主成分とする
シアノアクリレート系接着剤は、主成分の2−シアノア
クリレートが微量の水分および塩基性物質の存在によ
り、容易にアニオン重合して急速に硬化するという性質
を有するため、瞬間接着剤として広く各種産業界、医療
分野、レジャー分野、更には一般家庭において賞用され
ている。
【0003】しかしながら、2−シアノアクリレート系
接着剤は、瞬間にガラス、金属、プラスチック、木、織
物、紙等を接着するという便利な特性を持つ反面、接着
剤の使用方法を誤ると、それを取り扱う人の皮膚と皮膚
あるいは皮膚と被着材料等をも接着してしまうという接
着トラブルを引き起こすことがある。
【0004】これは、人の皮膚の表面に、2−シアノア
クリレート系接着剤のアニオン重合を促進させる水分お
よび汗等に含まれる塩基性物質が多量に存在するため、
特に皮膚が接着し易いために起こるものである。
【0005】また、2−シアノアクリレート系接着剤に
よって接着された皮膚は、皮膚または皮膚以外の被着材
料に対して、大変強い強度で接着しているため、接着し
た皮膚を無理に引き剥そうとすると、皮膚や皮下組織に
重大な損傷を与えることがある。
【0006】以上の様な背景から、接着作業時に皮膚を
接着する様なトラブルが低減された従来の瞬間接着剤よ
りも気軽に安全に取扱いができる瞬間接着剤が、強く望
まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚に対す
る接着速度は遅いが、例えば木材、プラスチック、ゴ
ム、金属、セラミック等の皮膚以外の被着材料に対する
接着速度が速い、2−シアノアクリレート系瞬間接着剤
を提供することを課題とするものである。
【0008】本発明者らは、上記課題を解決するため
に、鋭意検討した結果、特定の脂肪族カルボン酸エステ
1種または2種以上を特定量含有し、かつアニオン
重合促進剤を有するシアノアクリレート系接着剤組成物
が、皮膚に対する接着速度は遅いが、皮膚以外の例えば
木材、プラスチック、ゴム、金属、セラミック等の被着
材料を瞬間的に接着することを見いだし、本発明を完成
したのである。
【0009】即ち、本発明は、 2−シアノアクリレー
トを主成分とするシアノアクリレート系接着剤組成物に
おいて、6個以上の炭素原子が互いに直接結合している
脂肪族基を有するかまたは4個以上の炭素原子が互いに
直接結合している脂肪族基を2個以上有しており、かつ
2−シアノアクリレートとのアニオン共重合性を有しな
脂肪族カルボン酸エステル5〜40重量%とアニオン
重合促進剤とを含有していることを特徴とする皮膚難接
着性シアノアクリレート系接着剤組成物に関するもので
ある。
【0010】以下に、本発明の接着剤組成物について説
明する。シアノアクリレート系接着剤の主成分は2−シ
アノアクリレートであり、本発明においても従来のもの
と同様に各種の2−シアノアクリレートが主成分として
用いられ、具体的には2−シアノアクリル酸のメチル、
エチル、クロロエチル、n−プロピル、 i−プロピル、
アリル、プロパギル、 n−ブチル、 i−ブチル、n−ペ
ンチル、 n−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、テ
トラヒドロフルフリル、ヘプチル、 2−エチルヘキシ
ル、 n−オクチル、 n−ノニル、オキソノニル、 n−デ
シル、 n−ドデシル、 2−エトキシエチル、 3−メトキ
シブチル、 2−エトキシ−2−エトキシエチル、ブトキ
シ−エトキシ−エチル、 2,2,2−トリフルオロエチル、
ヘキサフルオロイソプロピル等のエステルが本発明組成
物の主成分として用いられる。
【0011】本発明において用いられる6個以上の炭素
原子が互いに直接結合している脂肪族基を有するかまた
は4個以上の炭素原子が互いに直接結合している脂肪族
基を2個以上有する脂肪族カルボン酸エステルの具体例
としては次の様なものがあげられる。
【0012】[モノカルボン酸エステル]2−エチルヘ
キシル酸セチル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチ
ル、ミリスチン酸イソプロピル、カプリン酸メチル、オ
レイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸オ
クチル、クロトン酸(2−エチルヘキシル) 、アクリル酸
オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸トリデシ
ル、メタクリル酸ラウリル、プロピオル酸ラウリル等の
モノカルボン酸エステル。
【0013】[多価カルボン酸エステル]アジピン酸ビ
ス(2−エチルヘキシル) 、マレイン酸ビス(2−エチルヘ
キシル)、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル) 、ドデ
カン二酸ビス(2−エチルヘキシル) 、 2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレー
ト、 2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、カプリル
酸トリグリセライド、カプリル酸ジグリセライド、カプ
リン酸トリグリセライド等の多価カルボン酸エステルで
あるが、これらに限られるものではない。
【0014】本発明において用いられる多価の脂肪族カ
ルボン酸エステルは、6個以上の炭素原子が互いに直接
結合している脂肪族基を有するかまたは4個以上の炭素
原子が互いに直接結合している脂肪族基を2個以上有す
る脂肪族カルボン酸エステルであり、分子内の脂肪族基
の全てが直接結合している炭素原子が5個以下で4個以
上の炭素原子が互いに直接結合している脂肪族基が2個
以上ないときは、皮膚に対する接着速度が速くなり、接
着作業時のトラブルが起こり易くなる。また、分子内に
存在する脂肪族基が、炭素数16個以上直接結合してい
るものであると、当該脂肪族カルボン酸エステルのシア
ノアクリレートへの溶解性が悪くなるため、脂肪族基に
おける直接結合している炭素原子は15以下のものが好
ましく、より好ましくは8個以上13個以下のものであ
る。
【0015】また、本発明における脂肪族カルボン酸エ
ステルの配合量は、脂肪族カルボン酸エステルの配合量
が、少ないと十分な皮膚難接着性が得られず、また多す
ぎると皮膚以外の被着材料に対する接着速度が遅くなる
ため、シアノアクリレート系接着剤組成物の中に5〜4
0重量%である
【0016】本発明における脂肪族カルボン酸エステル
のうち、4個以上の炭素原子が互いに直接結合している
脂肪族基を2個以上有する脂肪族カルボン酸エステルの
具体例としては次の様なものがあげられる。
【0017】すなわち、フマル酸ジイソブチル、マレイ
ン酸ジイソブチル、アセチルクエン酸トリブチル、カプ
ロン酸トリグリセライド等であるが、これらに限られる
ものではない。
【0018】本発明に用いられる好ましい脂肪族カルボ
ン酸エステルは、6個以上15個以下の炭素原子が互い
に直接結合している脂肪族基を有する脂肪族カルボン酸
エステルであり、より好ましく8個以上13個以下の炭
素原子が互いに直接結合している脂肪族基を有する脂肪
族カルボン酸エステルである。また、分子量としては1
50以上2000以下のものが好ましい。
【0019】本発明に用いられるアニオン重合促進剤と
しては、公知のものが種々挙げられるが、第一のものと
してポリオキシアルキレンオキサイドまたはその誘導体
を挙げることができ、それらは特公昭60−3783
6、特公昭60−26513、特公平1−43790、
特開昭63−128088、特開平3−167279等
で既に公知化されているものであり、本発明においては
それらの全て用いることができる。その具体例として
は、次のようなものがあげられる。
【0020】[ポリアルキレンオキサイド]ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリト
リメチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポ
リエピクロルヒドリン、ポリ3,3−ビス(クロロメチ
ル)ブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール、ポリ1,3−ジオキソラン、ポリ2,2−ビス
(クロロメチル)プロピレンオキサイド、エチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイドブロックポリマー、ジグ
リセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のポリ
グリセリン、ホルムアルデヒド縮合体、アセトアルデヒ
ド縮合体、トリオキサン重合体などである。またポリエ
ーテル型ウレタン硬化用ポリオールとして市販されてい
る各種のポリアルキレンオキサイドも本発明に使用可能
である。
【0021】[ポリアルキレンオキサイドの誘導体]ポ
リアルキレンオキサイドの誘導体は、上記ポリアルキレ
ンオキサイドと酸とのエステルおよびヒドロキシ基含有
化合物とのエーテルに代表されるものであり、それらが
好ましいものであるが、それらに特に限定されるわけで
なく、分子末端に種々の置換基を有しているもの、ポリ
アルキレンオキサイドの内部に他の結合部を有している
もの等、分子内部にポリアルキレンオキサイド構造を有
するものであれば本発明の目的とする効果を果たすこと
ができる。
【0022】エステルを構成し得る酸としては、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペンタノ
イック酸、 n−ヘキサノイック酸、 2−メチル−ペンタ
ノイック酸、 n−オクタノイック酸、 n−デカノイック
酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、シクロヘキシルカルボン酸、シクロペンチルカル
ボン酸、シクロプロピルカルボン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ナフテン酸、安息
香酸、β−ナフチルカルボン酸、 p−トルエンカルボン
酸、フランカルボン酸、 p−クロル安息香酸、モノクロ
ル酢酸、シアノ酢酸、グリコール酸、乳酸、フェニルオ
キシプロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバチン酸、ブタンテトラカルボン酸、アコニット
酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、クエン酸、オ
ルソフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、などの酸を挙げることができる。
【0023】エーテルを構成し得るヒドロキシ基含有化
合物としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、 2−エチルオクタノール、デカノール、ラウリルア
ルコール、セシルアルコール、ステアリルアルコール、
オレイルアルコール、フェノール、α−ナフトール、β
−ナフトール、クレゾール、 t−ブチルフェノール、オ
クチルフェノール、ノニルフェノール、 p−クロロフェ
ノール、レゾール、ビスフェノールA、 2−クロロエタ
ノール、エチレンシアンヒドリン、トリフルオロエタノ
ール、ベンジルアルコール、 1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール、
水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパンなどの
ヒドロキシ基含有化合物等を挙げることができる。
【0024】ポリアルキレンオキサイド誘導体としての
エーテルの具体例としては、ジエチレングリコールモノ
アルキルエーテル(アルキルとしては例えばメチル、エ
チル、プロピル、ブチルなど)、ジエチレングリコール
ジアルキルエーテル(アルキルとしては例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチルなど)、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル(アルキルとしては例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ラウリル、セシル、
ステアリル、オレイルなど)、ポリプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテル(アルキルとしては例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ラウリル、セシル、ス
テアリル、オレイル、パーフルオロアルキルなど)、ポ
リエチレングリコールモノアリールエーテル(アリール
としては例えば、オクチルフェニル、ノニルフェニルな
ど)、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチ
レングリコールジアリールエーテル等を挙げることがで
きる。
【0025】ポリアルキレンオキサイド誘導体としての
エステルの具体例としては、ポリエチレングリコールモ
ノアルキルエステル(例えば、アセテート、トリフルオ
ロアセテート、ラウレート、ステアレート、オレート、
メタクリレート等のエステル)、ポリエチレングリコー
ルジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、
ビスフェノールA−ポリアルキレンオキサイド付加物
(アルキレンとしては例えばエチレン、プロピレン等以
下同じ)、水添ビスフェノールA−ポリアルキレンオキ
サイド付加物、トリメチロールプロパン−ポリアルキレ
ンオキサイド付加物、グリセリン−ポリアルキレンオキ
サイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンエステ
ル、テトラオレイン酸−ポリオキシエチレンソルビッ
ト、アジピン酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、ト
リメリット酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、イソ
シアネート化合物−ポリアルキレンオキサイド付加物、
リン酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、ケイ酸−ポ
リアルキレンオキサイド付加物、(ポリオキシアルキレ
ン)ポリシラレート、(ポリオキシアルキレン)ポリエ
ステル、(ポリオキシアルキレン)ポリホスフェート等
を挙げることができる。
【0026】本発明のアニオン重合促進剤として、クラ
ウンエーテルまたはその誘導体も挙げることができ、特
公昭55−2238、特開平3−167279等で既に
公知化されているものが、全て用いられる。その具体例
としては、次のようなものがあげられる。
【0027】[クラウンエーテル]15−クラウン−5 、
18−クラウン−6 、ジベンゾ−18−クラウン−6 、ベン
ゾ−15−クラウン−5 、ジベンゾ−24−クラウン−8 、
ジベンゾ−30−クラウン−10、トリベンゾ−18−クラウ
ン−6 、asym−ジベンゾ−22−クラウン−6 、ジベンゾ
−14−クラウン−4 、ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6 、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8 、シクロヘ
キシル−12−クラウン−4 、 1,2−デカリル−15−クラ
ウン−5 、 1,2−ナフト−15−クラウン−5 、 3,4,5−
ナフチル−16−クラウン−5 、 1,2−メチルベンゾ−18
−クラウン−6 、 1,2−メチルベンゾ−5,6−メチルベ
ンゾ−18−クラウン−6 、 1,2−tert−ブチル−18−ク
ラウン−6 、 1,2−ビニルベンゾ−15−クラウン−5 、
1,2−ビニルベンゾ−18−クラウン−6 、 1,2−tert−
ブチルシクロヘキシル−18−クラウン−6 、 1,2−ベン
ゾ−1,4−ベンゾ−5−オキシゲン−20−クラウン−7等
である。
【0028】また、シラクラウンまたはその誘導体もア
ニオン重合促進剤として用いられ、それらは特公昭62
−31034、特開昭60−168775等で既に公知
化されており、それらの全てを本発明に用いることがで
きる。その具体例としては、次のようなものが挙げられ
る。
【0029】[シラクラウン化合物]ジメチルシラ−11
−クラウン−4 、ジメチルシラ−14−クラウン−5 、ジ
メチルシラ−17−クラウン−6 等を挙げることができ
る。
【0030】さらに、カリキサレン誘導体もアニオン重
合促進剤として用いられ、それらは特開昭60−179
482、特開昭62−235379、特開昭63−88
152等で既に公知化されており、それらの全てを本発
明に用いることができる。その具体例としては、以下の
式1および式2で表される化合物を挙げることができ
る。
【0031】
【式1】
【0032】式1中、R1はアルキル、アルコキシ、置
換アルキル、または置換アルコキシ、R2はHまたはア
ルキル、nは4、6または8を表す。
【0033】
【式2】
【0034】式2中、mおよびnは共に整数で、m+n
=4、6、または8、n≧1/2(m+n)を満足する
整数。R5 は、アリール、ヒドロカルビルアリール、ア
リロキシ、ヒドロカルビルアリロキシ、置換アリール、
置換ヒドロカルビルアリール、置換アリロキシ、又は置
換ヒドロカルビルアリロキシであって、R4 がアリー
ル、ヒドロカルビルアリール、置換アリール又は置換ヒ
ドロカルビルアリールの時、R5 はヒドロカルビル、ヒ
ドロカルビロキシ、置換ヒドロカルビル、又は置換ヒド
ロカルビロキシである。R4 は、H、ヒドロカルビル、
アリール、ヒドロカルビルアリール、置換ヒドロカルビ
ル、置換アリール、又は置換ヒドロカルビルアリールで
ある。R3 は、H、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカ
ルビルである。
【0035】以下の式3で示される環状イオウ化合物
も、本発明においてアニオン重合促進剤として用いら
れ、それらは特開昭59−64681等で既に公知化さ
れており、本発明においてはそれらの全てを用いること
ができる。当該化合物は分子中にポリスルフィド結合お
よびエーテル結合を有する環状化合物でる。
【0036】
【式3】
【0037】式3中R6 およびR7 は、炭素数2〜6の
炭化水素鎖を表し、mは2〜4、nは1〜3の整数を表
す。
【0038】本発明に用いられるアニオン重合促進剤の
配合量は、シアノアクリレート系接着剤に対して、好ま
しくは10〜10万ppm 、更に好ましくは30〜1万pp
m である。
【0039】アニオン重合促進剤をシアノアクリレート
系接着剤に配合すると、シアノアクリレート系接着剤の
皮膚および皮膚以外の被着材料に対する接着速度が速く
なることは公知であるが、本発明者らはシアノアクリレ
ート系接着剤に特定の脂肪族カルボン酸エステルとアニ
オン重合促進剤を配合した場合、皮膚以外の例えば木
材、プラスチック、ゴム、金属、セラミック等の被着材
料に対する接着速度の短縮効果は大変優れたものである
が、皮膚に対する接着速度の短縮効果は低いことを見い
だし、それにより優れた接着剤を得たのである。
【0040】本発明組成物へのアニオン重合促進剤の配
合量が、10ppm より少ないと十分な速硬化性がえられ
難く、一方、10万ppm を越えると速硬化性が余り大き
くならない割に接着強さ、貯蔵安定性が著しく低下する
様になる。
【0041】本発明のシアノアクリレート系接着剤組成
物には、従来品同様、貯蔵安定性向上のために重合抑制
剤として、例えば微量のハイドロキノン及び亜硫酸ガス
等を添加することが好ましい。又、2−シアノアクリレ
ートは、本来無色透明の低粘度液状のものであるが、こ
れに増粘剤として、例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、アクリルゴム、セルロース誘導体、シリカなどを溶
解或いは分散して粘稠液或いはチクソ性を有する液とす
る、或いは特定の染料により着色するということもでき
る。
【0042】
【作用】本発明の組成物から得られるシアノアクリレー
ト系接着剤は、その理由は未だ解明されていないが、皮
膚以外の例えば木材、プラスチック、ゴム、金属、セラ
ミック等の被着材料に対しては、優れた瞬間接着性を示
すが、皮膚に対しては、瞬間接着性を示さないという、
非常に特異的な挙動を示すものである。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例により更に詳しく本
発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。
【0044】実施例1〜8 表1に示される各種被着体および表2に示される人の指
を用い、表3に示される組成の接着剤を用いて接着試験
を行った。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】表3におけるココナードMTは花王株式会
社製の炭素数8〜10のトリグリセライドであり、促進
剤におけるカリキサレン#1は 37,38,39,40,41,42−ヘ
キサ−(2−オキソ−2−エトキシ)-エトキシカリクス
〔6〕アレンであり、カリキサレン#2は式4、環状イ
オウ化合物は式5で示される化合物である。
【0049】
【式4】
【0050】
【式5】
【0051】評価試験の方法は以下のとおりにして行っ
た。 セットタイム測定方法; (硬質塩ビ)硬質塩ビをJISK6849に準拠して、
接着剤で張り合わせ、長軸方向の接着強さが3kg以上
に達する時間をセットタイムとした。 (バルサ)バルサをJISK6850に準拠して、接着
剤で張り合わせ、手で軽く試験片を長軸方向に引張り、
外れなくなるまでに要する時間をセットタイムとした。 (指)人差し指に接着剤を塗布し、親指を軽く押し当て
て、薄く押し広げ、痛みを感じない範囲で、人差し指と
親指が自力で剥がれる時間tをt≦1秒、1秒<t≦1
5秒、15秒<t≦30秒、30秒<t≦60秒、60
秒<tの5段階で測定した。測定環境は温度=23℃、
湿度=60%RHとした。試験の結果は表4に示した。
【0052】
【表4】
【0053】比較例1〜10 表5に記載の組成の接着剤を用いて実施例と同様に試験
を行った結果を表6に示した。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【発明の効果】本発明のシアノアクリレート系接着剤組
成物は、皮膚以外の例えば木材、プラスチック、ゴム、
金属、セラミック等の被着材料に対しては、優れた瞬間
接着性を示すが、皮膚に対しては、瞬間接着性を示さな
いという優れた効果を奏し、接着作業における皮膚接着
トラブルを低減するものであり、本発明による瞬間接着
剤は、従来のものより更に多くの用途において幅広く利
用され、各種産業界、医療分野、レジャー分野、さらに
は一般家庭や学童の文具材料の接着等に際して安全に取
り扱えるという優れた効果を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀江 隆 富山県高岡市伏木二丁目1番3号東亞合 成化学工業株式会社高岡工場内 審査官 關 政立 (56)参考文献 特開 平3−167279(JP,A) 特開 昭58−168677(JP,A) 特開 昭60−166361(JP,A) 特公 平1−43790(JP,B2) 特公 昭60−37836(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−シアノアクリレートを主成分とするシ
    アノアクリレート系接着剤組成物において、6個以上の
    炭素原子が互いに直接結合している脂肪族基を有するか
    または4個以上の炭素原子が互いに直接結合している脂
    肪族基を2個以上有しており、かつ2−シアノアクリレ
    ートとのアニオン共重合性を有しない脂肪族カルボン酸
    エステル5〜40重量%とアニオン重合促進剤とを含有
    していることを特徴とする皮膚難接着性シアノアクリレ
    ート系接着剤組成物。
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